2024年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    8名(単体) 29名(連結)
  • 平均年齢
    49.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    3.5年(単体)
  • 平均年収
    5,209,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

建設コンサルタント事業

4

(3)

ファッションブランド事業

19

(2)

投資事業

2

(-)

全社(共通)

4

(3)

合計

29

(8)

(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

8

(3)

49.0

3.5

5,209

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ファッションブランド事業

2

(1)

投資事業

2

(-)

全社(共通)

4

(2)

合計

8

(3)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社は年俸制を採用しております。

(3)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略及び指標と目標について

 当社は投資事業、建設コンサルタント事業、ファッションブランド事業の3つの業務を軸とし、SDGsが示した2030年までに達成すべき17の目標を意識して事業活動を行っています。具体的には全ての意思決定のプロセスにESGの視点を取り入れました。特にガバナンスに関しては2022年11月より内部管理体制構築のスペシャリストが当社に参画し(現代表取締役)、主要規程類や業務フローの改訂を積極的に行っています。特に、2024年度には内部統制システムを改訂し、すべてのステークホルダーに対して透明性のある、より強固な体制を築いています。

 

 

(1)ガバナンス

 代表取締役自らがサステナビリティに関する取組の責任者となり、2024年度には内部統制システムの全面改訂を行いました。具体的にはコンプライアンス・リスク管理委員会規程、コンプライアンス・リスク管理規程、経営会議規程、内部監査規程、内部通報規程等の改訂、改廃、新設を行っています。月2回開催される経営会議においては、各社および各部門の目標管理と進捗状況の確認に加え、リスクの評価、管理並びに対応状況の把握及び監督、各種社内規程の運用状況の検証及び見直し等、サステナビリティに関する取組についての検討を行い、3か月に1度開催のコンプライアンス・リスク管理委員会に報告しています。コンプライアンス・リスク管理委員会は必要に応じてサステナビリティに関連するリスクと機会の特定や評価をし、取締役会に報告します。また、サステナビリティに関連するリスクと機会、対応策の進捗状況についても、他の業務と同様にPDCAサイクル(PDCA:Plan・Do・Check・Action:以下同じ)を適切に機能させて適時見直しを行います。

 

 

(2)戦略(サステナビリティに関する戦略及び取組)

 サステナビリティに関する取組に際しては、SDGsを意識するとともに、ESGの考え方も取り入れ、地方創生を見据えた上で社会課題を解決するビジネスの実現に向けて取組み、同時に企業価値を高めていきます。なお、ESGの考え方は具体的には以下のとおりです。

Environment(環境)

 建設コンサルタント事業を中心に、投資事業、ファッションブランド事業とも環境の保全・再生等に継続的に取り組んでいます。特に建設コンサルタント事業において、公共事業ではダムの維持管理や長期保全などを目的としたダム長寿命化計画に伴う維持管理・更新業務を中心に受注し、また民間事業においても既設構造物の点検や安全性評価など防災・減災関連業務を受注しています。今後も引続き防災・減災対策関連業務及びダム、河川、砂防分野の維持管理、設備更新業務等を中心とした継続性の高い業務の受注を獲得していきます。これはまさにESG経営におけるE(環境)の柱であり、環境の保全・再生等に積極的かつ継続的に取り組んでいます。

 

Social(社会)

 事業領域:SDGsを意識し、社会課題を解決するビジネスの実現に向けて、既存ビジネスの拡大に加え、新規事業への投資を積極的に行います。特に各社および各部門は地方創生の考え方を軸として、地域経済の活性化に貢献し、未来を切り拓く事業に邁進いたします。具体的には以下のとおりです。

・投資事業

 沖縄のリゾート開発をはじめとして、地域における豊かな自然と眠る資源を活かし、持続可能な地方創生に貢献します。

・建設コンサルタント事業

 防災・減災・国土強靭化といった専門分野における社会的需要が一層と高まっている中、従来の活動に加え、2024年元旦に発生した能登半島地震の復興支援に積極的に参画し、港湾・河川・ダムなどの水系インフラを中心とした復興事業に携わってまいります。

・ファッションブランド事業

 製造拠点のある長野県北佐久郡御代田町において、上質で美しく使いやすいバッグをふるさと納税の返礼品として供給することによって地方創生に貢献しています。

 

Governance(統治)

 上述したとおり、コーポレートガバナンス体制の整備、積極的なIR活動に加え、各業務プロセスにおいてPDCAサイクルが適時・適切に機能しているかを随時評価することによって効果的な企業統治を行っています。

 

 サステナビリティに関する取組のうち気候関連問題については、建設コンサルタンツ協会の考え方と目標を参考に、建設コンサルタント事業については「港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進」、投資事業については「住宅・建築物のさらなる省エネ対策の強化、インフラなどを活用した地域の再エネ利用拡大、カーボンニュートラルを目指したまちづくり等を推進するとともに、気候変動リスクにも対応したスマートで強靭なまちづくりを推進します。

・国土交通省(国土交通グリーンチャレンジ)2030年まで

・環境省(脱炭素地域づくり)2030年まで

・経済産業省(GX:グリーントランスフォーメーション)2033年

 

 ファッションブランド事業については自然環境に配慮するサステナブルへの取り組みとして、当社グループ会社である濱野皮革工藝が製造する皮革製品は1880年の創業当時から現在に至るまで食品加工の副産物となる皮革を使用しています。また2023年からフードロス対策への取り組みとして、株式会社SORENA(本社長野県)が開発した『りんごレザー®』を使った商品を製造・販売しています。日本初の「りんごレザー®」はジュースやシードルを作る際に出る本来捨てられるはずの残滓(ざんし)を利用しています。これは環境や人に配慮しながら汚れに強いだけではなく軽量、経年劣化も今までの合皮に比べて約2倍の耐久性がある抜群の機能性があります。

 サステナビリティに関する取組のうち気候関連問題について、建設コンサルタント事業についてはISOの評価等においても大きなリスクは顕在化していません。また国内投資事業においても本格参入した2023年下期以降、同じく大きなリスクは顕在化していません。当社では、引き続き気候関連問題をはじめとしたサステナビリティに関する事象が当社の事業に与える影響についてガバナンス、リスク管理の取組を通して把握、管理していくとともに、PDCAサイクルを有効に機能させて常時見直しを実施していきます。

 

(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)

 当社は、「第2 事業の状況 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載の企業理念を企業の考え方のトップに位置付けて実効性を伴った経営を行っています。また企業理念の下に経営方針、またその下に各部門の規程・マニュアル類を整備し、PDCAサイクルを適切に機能させて各種業務の常時見直しを実施しています。

 その中で経営方針「3.従業員に安全で快適な労働環境・成長と学習の機会を提供できる企業グループとなる。」にあるとおり、「従業員(人)」こそを、最も重視すべき資本のひとつとして考えております。「人」の成長なくして当社の事業目的は実現し得ないことから、当社は、とくに2023年下期よりその実現に向け人的資本への積極的な投資を行うことを方針としております。具体的には収益力を念頭に置きながら優秀な人材の確保に努めることに加え、社内では教育・研修の充実、多様性の受け入れ、働きやすい環境の整備、正当な評価制度の導入を通じて人的資本の充実を図ります。

 この方針に基づき、①目標管理制度の導入と定期チェック②多様性の確保③(社員目線に立った)就業規則の改訂④コンプライアンス教育の徹底⑤内部管理体制自己チェックシートの導入⑥継続的な取り組みの6つの項目を継続的に行っております。

①目標管理制度の導入と定期チェック

 2023年度より目標管理制度を導入し、従業員のモチベーションアップにつなげています。具体的には会社が全社目標を設定し、各部門長が各部門にあわせた部門目標を設定、その部門目標を各従業員の担当業務に落とし込み、各従業員の目標とするものです。部門長は毎月従業員から「業績貢献目標」に関する月報を受領し、取り纏めたうえで部門長シートを作成し経営陣に送付します。また部門長は3か月に1度従業員各人と面談を行い、業務報告を受けたり問題点などを共有します。

 面談時に部門長は傾聴を主としながらも、四半期ごとに良かった点、改善すべき点を明確に打ち出し、改善すべき点については特にフォローします。年度末には「業績貢献目標」に加えて「行動評価」(協調性、規律性、 積極性、責任感、コンプライアンス)を実施し、昇給・昇格などの資料として管理職としての説明責任が果たせる体制を構築しています。

 

②多様性の確保

 当社では「ダイバーシティ」を掲げ、多様性を受け入れる文化づくりを行っております。現在新卒は採用しておりませんが、第二新卒の採用、前職の経験を活かした形での中途採用を積極的に行っており、金融業界、不動産業界等からの採用など多様なバックグラウンドを持つ社員が在籍し、活躍しています。

 また、2023年には障害者雇用コンサルタント会社と業務委託契約を結び、当社ホームページのリニューアルを委託する等、障害者雇用に対しても積極的に取り込んでおります。

 

③(社員目線に立った)就業規則の改訂

 経営方針に「従業員に安全で快適な労働環境の提供」を謳っているものの、当社の就業規則は労働基準法等の最低レベルは満たしているものの他の上場企業に比べて見劣りする項目が非常に多かったため、2023年末以降、現代表取締役の下で就業規則を大幅に改定し、現在も改訂を続けています。

 

・有期契約・無期契約社員就業規則及び定年再雇用規程の改訂

 2024年には高齢化の進展により、健康年齢が上昇したことにより、就業規則に準じて有期契約・無期契約社員就業規則及び定年再雇用規程の改訂を実施しました。具体的には60歳から65歳への定年の延長、半日単位の有給休暇の取得も可能とする、ストック休暇、夏季休暇・夏季休業の新設等を実施しました。

・半日有休休暇の取得を可能とする

 実際には午前中は休暇を取得したものの午後から出社し、全日有給休暇の扱いをしなければならない従業員が見受けられました。当社は『全従業員の物心両面の幸福を追求する』企業であることを目指しており、「従業員の幸福=当社の発展」を企図しています。当社の従業員の中には小さなお子さんがいる方もたくさんおり、すべての従業員に対してより働きやすい環境を作るとともに、現状に則したルールを改訂しました。

・在宅勤務のルールを明文化

 2023年度に在宅勤務のルールを新設しました。さらに2024年度には報告ルールを明文化して事前申請の上、ルールを守って実施するよう改訂しました。また在宅勤務時は1日、もしくは半日勤務の就業時間を臨機応変に活用して、例えば子供の送り迎えの時間を取得できるよう業務開始時間や業務終了時間を固定せずに運用しています。

・夏季休暇・夏季休業の新設

 本社勤務の従業員については夏季休暇(任意に連続で3日)を軽井沢工場勤務の従業員については夏季休業(毎年会社が定めるお盆前後)について、有給休暇を消化することなく、土曜日・日曜日を含めて連続5日間取得できるようにしました。

・ストック休暇新設

 年次有給休暇の有効期限を超過した分については別にストック休暇として最大40日分を積み立てるルールを新設しました。

 

・出張旅費規程の特例

 昨今の都市圏を中心とした宿泊費の高騰に対応するために、国内出張に関する宿泊費の上限を時限的に引き上げました。

・その他

 特別休暇の取得日数の増加等、従業員に安全で快適な労働環境・成長と学習の機会を提供できる企業グループとなるよう努めています。

 

④コンプライアンス教育の徹底

 全従業員に対してZOOMも活用して年間8回のコンプライアンス研修を実施しています。研修内容はコンプライアンス研修基礎<年2回実施>、情報セキュリティ研修、発信通達のおさらい、PDCAサイクルの徹底/報連相の徹底、記録管理の重要性について、就業規則のおさらい、インサイダー取引防止規程の周知などです。研修参加者は全従業員であり、欠席者に対しては補講を実施してカバーしています。

 さらに各業務担当者に対しては外部の研修に積極的に参加すること、その結果を共有すること、業務に関する本を購入して勉強することを推奨しております。

 なお、2023年10月には前代表取締役等による不適正な経費使用が発覚し、前代表取締役の解職が決議されましたが、全社的な再発防止策として、出張旅費規程の改訂、交際費管理規程の新設に加えて内部監査室の定期監査を実施することとし、従業員への周知を行いました。

 

⑤内部管理体制自己チェックシート

 内部監査室が主体となって全従業員に対して、年1回内部管理体制自己チェックシートの作成を実施しています。目的は1.研修で学んだことについて、各従業員がしっかり理解して実践しているか、2.各部門における統制環境・リスク評価・統制活動・情報と伝達・モニタリングという業務における内部統制システムが有効に機能しているか、3.各従業員の主要業務に関するマニュアルが整備され、PDCAサイクルに基づいて必要に応じて改訂がされているか、等についてです。

 各従業員が各項目に対して「〇△×」で自己評価しますが、自己評価するに及んだ理由等も記入し、管理職にも結果を共有してモニタリングを行ったり、教育指導のツールとしています。また集計結果は取締役会に報告するとともに、実効性を確保するために内部監査室による抜き打ち検査も実施しています。

 

⑥継続的な取り組み

 上述したように社員の目線に立った取組として2024年度には各種規程の改訂を行っていますが、2024年第4Q以降の継続的な取り組みとして、従業員のエンゲージメント向上に向けた取組(リスキリング・資格取得支援制度)の導入、結婚等のライフステージを支援する取組(家庭応援特別休暇制度)の導入に向けて検討を進めています。

(3)リスク管理

 サステナビリティに関連するリスクと機会については、今年度よりそれぞれの業務において発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価して重要度を決定しています。各部門で高い潜在リスクが想定される上位3件について、洗い出しを行いリスク対策を計画するとともに、それ以外で顕在化したリスクについては、発生した段階で速やかに対応する体制を構築しています。特に気候関連問題の評価にあたり、建設コンサルタント事業、および投資事業については建設コンサルタンツ協会の考え方を参考に、リスク評価を行います。

 ファッションブランド事業については従前より自然環境に配慮するサステナブルへの取り組みを行いリスク管理を行っております。月2回開催される経営会議では各事業部門にヒアリングを行い、PDCAサイクルを適切に機能させて必要に応じて見直しを実施しています。

 サステナビリティに関連するリスクについては、自社のその他のリスクと統合的に管理(ERM)をするため、コンプライアンス・リスク管理委員会に適宜助言を求めます。また、リスクと機会のうち、重要度が高いものについては、代表取締役を通して取締役会に報告しています。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)において記載した人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 女性の管理職登用について

・女性の管理職登用について

2024年12月31日現在の当社単体における女性社員比率は33%、役員・管理職に占める女性社員比率は44%でした。またグループ全体に占める女性社員の比率は33%、役員・管理職に占める女性社員の比率は30%でした。働きやすい環境を実現するための制度の充実や育成を通じ、今後さらに管理職への積極的な引き上げを行いたいと考えております。なお、女性管理職比率については、2024年同様、2025年末時点で30%以上を維持することを目標としております。