事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | N/A | N/A | -2,548 | 100.0 | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(以下、当社及び連結子会社Modalis Therapeutics Inc. (米国マサチューセッツ州ウォルサム市)の2社を指します。)は、コアとなるプラットフォーム技術である『切らないCRISPR技術※1(CRISPR-GNDM®技術)』を用いた創薬によって、その多くが希少疾患に属する遺伝子疾患に対して治療薬を次々と生み出し、企業理念である「Every life deserves attention (すべての命に、光を)」のとおりに、病気のために希望を失わなくてすむ社会の実現に貢献してまいります。
当社グループのターゲットとしている遺伝子疾患とは、10,000(1)と言われるヒトの疾患の中で、約7,000(2)が患者数の少ない希少疾患(疾患のロングテール)と言われ、ほとんどはこの希少疾患に属します。これらの患者数は、一つ一つの疾患は細分化されていても、合わせると世界中で4億人(3)もいるとされています。希少疾患領域のための治療薬開発は、開発コストと開発期間が膨大にかかる従来型の創薬では効率が悪いためこれまで敬遠されており、95%(3) (5)の希少疾患にはまだ治療薬がありません。当社グループの技術力でこの問題解決に挑みます。
なお、当社のセグメントは遺伝子治療薬開発事業のみの単一セグメントであります。
(1) 当社の事業領域
当社は、遺伝子コード※2やエピジェネティクス※3のエラーによって生じる遺伝子疾患に対して、独自のプラットフォーム技術であるCRISPR-GNDM®(Guide Nucleotide-Directed Modulation)技術を用いた遺伝子治療薬※4の開発を主たる事業としております。
① CRISPR-GNDM®技術
CRISPR-GNDM®技術とは、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9※5のコア分子であるCas9というCRISPR酵素※6を基に、当社グループが開発した独自の創薬プラットフォームシステムです。
この技術は、Cas9タンパク質※7を詳細に解析して有効な改変を行い、また独自に開発した周辺技術と組み合わせ、目的遺伝子の発現(細胞内での出現量)をオン・オフすることを可能にしたものであり、いわば「遺伝子スイッチ」として機能するユニークかつパワフルな創薬技術(モダリティ)です。より具体的には、CRISPR酵素の切断活性※8を不活化し、これに遺伝子の転写※9を上げる、または下げるスイッチング分子※10を連結することにより、ガイド核酸※11で誘導された特定の箇所の近傍にある遺伝子を選択的にオン、またはオフにすることが可能になります。つまり、通常のゲノム編集とは異なり、遺伝子の切断を行わず効果を発現させる技術です。このCRISPR-GNDM®技術によって、6,000を数えると言われる遺伝子疾患の原因遺伝子に対してエピジェネティクスを直接制御して治療法を生み出すことが可能になります。
<CRISPR-GNDM®技術のイメージ図>
② CRISPR-GNDM®技術の特徴
a. CRISPR-GNDM®技術による成功確率の優位性
医薬品開発の主要な4つのハードルとして、薬物動態※12、メカニズム(Proof-of-Mechanism(PoM))※13、概念実証(Proof-of-Principal(PoP))※14、コンセプト実証(Proof-of-Concept(PoC))※15があります。
一般的な創薬技術(モダリティ)は、低分子医薬、抗体医薬、核酸医薬等があり、旧来の創薬である低分子医薬は、多くの候補の低分子化合物から目的の機能の評価試験法を用いて絞り込みをして開発候補物質を決め、開発のステージを進めていきますが、候補選択の評価試験法には限りがあり、着目している機能以外に毒性など不明なことが多いままに臨床試験を行うことになりますので、各開発ステージにおいて予期せぬ毒性などが露見することでドロップアウトし、極めて少数のプロダクトが上市に辿り着くのが常でした。また近年は、病態や疾患の原因となるターゲット分子の同定※16が進んだことにもより、タンパク質や遺伝子のような標的に対して合理的にデザインされた分子によって治療を行おうとする、抗体医薬、核酸医薬等のように分子標的薬アプローチ※17が取られるようになりました。しかしながら、このようなアプローチをしても標的分子の種差によって候補物質の作用の仕方が動物とヒトの間に差がある場合があり、実際に実験してみるまでは薬効や毒性の程度の差はわからないという状況に変わりはありません。つまり、一般的な創薬技術においては、常にドロップアウトのリスクと隣り合わせであり、長期にわたり多額の研究開発投資を投入しても成功の予測が困難な状態が開発の最終段階までつきまといます。したがって、一般的な創薬技術であれば、第Ⅱ相臨床試験※18の終了まではその薬が効果を見せるかどうか、あるいは毒性があるかどうかは試験を実施するまで予見することが困難です。
一方で、遺伝子治療薬開発においては、他のモダリティよりも開発の成功確率がより高い(“The clinical landscape for AAV gene therapies”, Kuzmin et.al. Nature Review Drug Discovery 2021)とされています。これは当社のCRISPR-GNDM®技術をはじめとして単因子遺伝子疾患※19を対象とする遺伝子治療ではターゲットとする単因子遺伝子疾患においては原因が単一の遺伝子に起因しているため、PoP及びヒトPoC※20における予見可能性が高いことと、ターゲットに合わせてプロダクトのラショナル(合理的)デザインができることに因ると考えております。ただ、マウスでの試験結果からサルへの結果がそのままトランスレートされないケースが生じていることもあり、近年の新規モダリティーにおけるパートナリング傾向として、サル試験における良好な結果が求められるようになりました。遺伝子治療薬においてもその傾向は顕著であり、、パートナリングのためのハードルは上がってきたと意識をしています。
<医療品開発の主要なハードル>
b. CRISPR-GNDM®技術の移転可能性
一般的な創薬技術の場合は、ある一つの薬が臨床試験に成功して上市されたとしても、その開発ノウハウを別の薬に移転できる部分はあまり大きくありません。これは薬毎に性質が異なり、薬毎の利点も問題点も異なるからです。一般的な治療薬の開発は、数千〜数百万の化合物のライブラリーの中から薬効や薬物動態、毒性などを指標に適切な化合物の絞り込みを行い、さらに最適化を続けて開発に資する化合物へと何段階ものスクリーニングをしなければなりません。ターゲットの疾患毎にこうした作業はゼロから行うことになり、したがってある治療薬の開発経験やノウハウは他の治療薬へそのまま転用することが難しいと考えられます。
一方で、一般的な遺伝子治療薬開発においては必要な細胞への導入方法や製造方法の多くは、ターゲットの遺伝子が変わっても共通の部分が非常に多いと考えられているため、成功のノウハウと失敗の学びを他のターゲット遺伝子に対する遺伝子治療薬に転用することが一般的な創薬技術に比べて容易となると考えております。
CRISPR-GNDM®技術においては、特に可変部分がガイド核酸(下記図中①)という非常に小さい部品に限られており、またその他の構成成分である切断不活型CRISPR酵素(下記図中②)とスイッチング分子(下記図中③)は共通のパーツとして既にあるため、標的疾患毎に対応したわずか約20塩基ほどのガイド核酸のみを個別にデザインをするだけで、効率よく遺伝子治療薬を開発することができると考えております。この技術的な特徴により、多くの遺伝子疾患にCRISPR-GNDM®技術による創薬の方法論を拡張して遺伝子治療薬を生み出すことができると考えております。
<CRISPR-GNDM®技術のコンセプト>
c. CRISPR-GNDM技術の収益の将来性
米国における最初の遺伝子治療薬の承認は2017年でしたが、それ以降の承認は2018年の1剤を最後にしばらく途絶えていました。ところが、2022年末から2023年に掛けて立て続けに5剤が承認を受け、技術としての成熟度が上がった事を背景に、各社の開発に向けての取り組みが結実してきたと言えます。
また、この中にはCRISPR技術を培ったゲノム編集治療薬であるCasgevyが含まれ、CRISPR技術を用いた治療薬として世界で初めての承認を受けることとなりました。これらの中で全身投与を行う遺伝子治療薬は約3M USドル(4.5億円)の薬価が付いており、希少患者出会ってその売上げ規模としては収益性が期待できる規模になると考えられます。
<USで承認された遺伝子治療薬>
エビゲノム編集技術の領域では、当社が事業を始めた2016年には、前世代のゲノム編集技術であるZFNを用いた先行事例はあったものの、CRISPRを用いて治療薬開発を行なっているのは当社のみでした。その後、この技術の優位性や将来性を見込んで、複数の会社が追随するようになりました。各社それぞれ技術的な要素が異なり、結果的に制約条件も異なることから、対象疾患領域などが異なっていて、現状では当社と直接競合が生じている状況ではありませんが、将来的には競争が生じる可能性があると考えます。
<遺伝子治療薬のキャッシュフローモデル>
d. CRISPR-GNDM®技術の安全性
遺伝子治療の1つとしてゲノム編集治療があります。ゲノム編集は、染色体上の特定の場所にある遺伝子配列を部位特異的※21なヌクレアーゼ※22(切断酵素)を利用して、思い通りに改変する技術です。代表的な技術に第一世代のZFN(ジンクフィンガーヌクレアーゼ)※23、第二世代のTALEN(タレン)※24といった旧来からの技術に対して、第三世代となるCRISPRが新たに登場しました。CRISPRは旧来からの技術に対して、より簡便かつ高速にターゲットの遺伝子を改変することができると考えられています。これらの技術を用いたゲノム編集治療は、ヌクレアーゼを細胞内にウィルスベクター※25などを用いて送り込み、疾患の原因となった遺伝子コードやエピジェネティクスのエラーを書き換えて治療を試みるものです。
ターゲット遺伝子のカット&ペーストを行う通常のゲノム編集は、遺伝子コードのエラーによって生じる疾患に対して半/永続的に効果をもたらす有効な治療法ですが、遺伝子の二重鎖切断※26を伴うと、遺伝子を切断することでガン化リスクが高まることが報告されており、またそもそも狙った遺伝子ではなく他の遺伝子を切断するリスク等を伴う治療法であります。
一方で、遺伝子のエピジェネティクスの修復にフォーカスしたCRISPR-GNDM®技術は、切断を含む遺伝子の配列の改変を行うことなく「遺伝子スイッチ」のオン・オフのみを制御するものであります。つまり、ターゲット遺伝子において異常な機能をもたらしている遺伝子の発現レベルを遺伝子によってはほぼゼロまで落とすことができ、あるいは発現量が足りないことによって疾患が生じている場合には発現量を高めて治療することができるという、遺伝子の切断を行う一般的なゲノム編集と比較して、遺伝子の切断を行わないCRISPR-GNDM®技術はよりクリーンな方法で治療を行うことができると考えられています。
(2) 当社のビジネスモデル
① 当社のビジネスモデルの概要
創薬事業は、一般的に多額の研究開発費用と長い時間を要します。したがって、当社のように開発の初期段階を担う企業は、開発から上市までの収益の谷間を投資家からの資金と製薬企業等のパートナーからの契約金で賄っていく必要があります。
当社のビジネスモデルは、パートナーに技術プラットフォームであるCRISPR-GNDM®技術を開放し、パートナーの選定したターゲットに対してパートナーの資金で治療薬の開発を行う「協業モデルパイプライン」と自社でCRISPR-GNDM®技術を用いてターゲットの選定から行い、自己資金でCRISPR-GNDM®技術を用いて治療薬の開発を行う「自社モデルパイプライン」の2種類があります。
当社は、協業モデルパイプラインと自社モデルパイプラインを組み合わせることによって、協業モデルの利点である早期の収益獲得と自社モデルの利点である将来の大きなアップサイドである上市後の収益獲得の両者の特徴を組み合わせた、「ハイブリッドモデル」を目指しております。将来利益と短期収益をスワップすることにより、上市まで収益機会を待たないでも早期に収益機会を得ることが可能で、こうした収益機会に下支えされた資金を効果的に活用することで事業計画の選択肢が増え、その選択肢を最適化することで経営基盤の安定と成長領域への投資の双方を両立することを当社がコントロールできることにあります。
② 協業モデルパイプライン
当社の協業モデルパイプラインでは、最初に製薬企業等のパートナーとのターゲットの合意の基に共同研究開発契約を締結し、当社の技術プラットフォームであるCRISPR-GNDM®技術を使用することに伴う共同研究開発の契約一時金(A)を受領します。共同研究開発契約後は、当社米国子会社においてパイプラインの開発を行い、その進捗に応じて共同研究開発のマイルストン収入(B)を受領します。プロトタイプ分子※27の作成、システムの最適化、動物モデルでの検証を経て、通常は前臨床試験の前の段階で将来の製造販売権の全てあるいは一部を譲渡するライセンス契約を締結し、ライセンスの契約一時金(C)を受領します。ライセンス契約締結後は、パートナーまたは共同で開発を行い、その開発の進捗に応じて当社はライセンスの開発マイルストン収入(D)を受領します。また、上市後は売上の一部からライセンスのロイヤルティ収入(E)及び一定の売上条件を達成した場合にライセンスのセールスマイルストン収入(F)を受領する予定です。ライセンス契約締結後のパイプラインの開発及び販売はパートナーに委ねられており、したがって、(D)、(E)及び(F)について当社でのコントロール及び売上予測は困難になるという特徴があります。
③ 自社モデルパイプライン
当社の自社モデルパイプラインでは、まずCRISPR-GNDM®技術でターゲットにする疾患及び遺伝子の決定から始まります。これは、メカニズムに基づいて妥当と思われる遺伝子を絞り込み、その中でアンメットメディカルニーズ※28があるものを各疾患領域の専門家と綿密なディスカッションを通じて検証を行います。その後に当社技術を用いて、ターゲットに対して有効なプロトタイプ分子の作成を行います。さらにシステムの最適化を行いながら、疾患細胞、動物モデルなどを用いて実際に有効であるかどうかの検証を行います。この後に前臨床試験などによって毒性及び有効量の見積りを行い、GMP※29に準拠した原体の製造を行い、GLP※30準拠の前臨床試験を行うこととなります。
一般的には、当社が一定の開発段階まで開発を進めた後に、パートナーとのライセンス契約を行い、ライセンスの契約一時金(C)を受領する予定です。パートナーは、それ以降の開発及び販売を引き継ぐことになり、その開発の進捗に応じて当社はライセンスの開発マイルストン収入(D)、上市後は売上の一部からライセンスのロイヤルティ収入(E)及び一定の売上条件を達成した場合にライセンスのセールスマイルストン収入(F)を受領する予定です。
<当社のビジネスモデル>
<当社の一般的な収入形態>
*:現時点での実績はないが、将来計画している収益。
2023年12月末現在において、8品目の自社モデルパイプラインを有しており、進捗状況は下記のとおりとなっております。
<当社の開発パイプライン(2023年12月末現在)>
自社で開発する自社モデルパイプラインについては一定の段階でパートナーとライセンス契約を締結すべく取り組んでおります。
<用語解説>
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年1月1日〜2023年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症からの回復の過程にありますが、ウクライナ、イスラエル、台湾海峡を含めた東アジア情勢の不安定化、原料価格の高騰を含むインフレの進行、為替の急激な変動等により、引き続き先行きの不透明な状況が続いております。
バイオテック業界にとって2023年は試練の年となりました。2020年、2021年に見られた資金流入が2022年以降に下降を始め、2023年は全世界的に資金供給が細ったために、全業界的に各社のパイプラインの見直し、リストラと、レイオフが見受けられることとなりました。
遺伝子治療において2023年はこれまでの長年の開発が成果として結実した年となりました。デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬を含む4剤のin vivo 遺伝子治療が承認を受け、2017年の初の承認から初めて複数剤の承認の年となりました。
当社グループは、「Every life deserves attention(すべての命に、光を)」を経営理念として掲げ、そのほとんどが希少疾患に属する遺伝子疾患に対して画期的な新薬を提供することを目標とし、研究開発を行っております。技術的基盤となるCRISPR-GNDM®プラットフォームを元に、世界初のCRISPRを用いた遺伝子制御治療を開発する会社として2016年の設立から8期目に当たる当連結累計期間にいたるまで、リーディングカンパニーとして最先端の研究をリードし続けてまいりました。この成果を結実させるべく当連結累計期間は臨床試験に向けた取り組みを継続しております。
当社のリードプログラムであるMDL-101は開発上の技術的、薬事的なチャレンジをほぼ解消し、治験申請に向けてはGLP毒性試験および治験薬製造を残すところとなっています。当社は初のCRISPRによるエピゲノム編集治療薬として臨床入りする可能性のある候補薬になると考えており、精力的に開発をおこなっております。
MDL-202は、権利再取得後に新しいキャプシドへ換装し、開発を再開しました。既にパイロット製造を行い、動物試験に着手しております。MDL-101で明確になった開発戦略を用い、開発を加速させていく予定です。
また自社パイプラインとしてドラベ症候群に対する開発候補品、MDL-207を追加いたしました。ドラベ症候群は痙攣性発作を主症状とし、神経細胞のチャネルタンパクをコードするSCN1A遺伝子の異常が主な原因となって生じるハプロ不全病です。約3万人に1人の割合で発症し、世界では4万人*、USで1.6万人*、日本では約3,000人#の患者さんがいると言われています。SCN1AはAAVには搭載できない大型の遺伝子で、CRISPR-GNDMのように、転写制御によって残存する正常アレルの遺伝子発現を上げることで治療効果が得られると考えています。(*Orphanet #難病情報センター)
特許面においては、直近四半期において小型Cas9特許が日本で、PAM-Flex Cas9特許が中国(日本では既に成立)、miniVR特許がロシアで立て続けに査定となり、当社が開発してきた要素技術が特許として成立しております。
事業開発面でも進捗があり、JCRファーマとの間で中枢神経領域の非公開の特定ターゲットに対して、JCR社のJBC-AAV技術と当社のCRISPR-GNDM技術を組み合わせた分子の評価、開発を行うことで合意しております。中枢神経領域では血液脳関門を透過する送達技術に注目が集まっており、タンパクの送達で実績のあるJCR社の技術をウィルスベクターと融合して用いることで、大きなブレークスルーとなることが期待されると考えられます。
また、その他の提携機会についても、MDL-101の臨床に向けた開発が製造を含めて技術的な課題がほぼ無くなり、完了を待つだけとなったことから、複数のディスカッションを行っている状況であり、権利の再取得後のMDL-202も、新型分子の設計、パイロット製造を終え、評価試験が進捗していることから、複数の企業と提携機会についてディスカッションが進行しております。当連結会計年度(2023年1月1日〜2023年12月31日)における我が国経済は、ウクライナ情勢の悪化、原料価格の高騰、為替の急激な変動等により、引き続き先行きの不透明な状況が続いております。
以上の結果、事業収益は-千円(前期は事業収益40,500千円)、営業損失は2,370,666千円(前期は営業損失2,063,194千円)、経常損失は2,351,788千円(前期は経常損失1,995,790千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,391,821千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,702,709千円)となりました。
なお、当社グループは、遺伝子治療薬開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(流動資産)
当連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,104,904千円減少し、1,956,323千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,049,725千円減少したためであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて996千円増加し、69,601千円となりました。これは主に、投資その他の資産が996千円増加したためであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて56,261千円増加し、198,101千円となりました。これは主に、未払費用が74,003千円増加し、未払法人税等が7,139千円減少したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて400,641千円増加し、447,401千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が412,500千円増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,560,810千円減少し、1,380,422千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失が2,391,821千円発生したためであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,049,725千円減少し、当連結会計年度末には1,883,437千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は2,254,466千円(前連結会計年度使用した資金は1,895,773千円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失2,390,607千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は39,699千円(前連結会計年度獲得した資金は185,719千円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出39,699千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,216,451千円(前連結会計年度獲得した資金は63,683千円)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入736,119千円や転換社債型新株予約権付社債の発行による収入488,462千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは、遺伝子治療薬開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであ
ります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成における重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 及び (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績及び財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資資金となります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、遺伝子治療薬開発事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品及びサービスの区分の外部顧客への事業収益が損益計算書の事業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 事業収益
本邦以外の外部顧客への事業収益がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
該当事項はありません。
2.地域ごとの情報
(1) 事業収益
本邦以外の外部顧客への事業収益がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当社グループは、遺伝子治療薬開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当社グループは、遺伝子治療薬開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。