2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 231 100.0 -828 - -358.5

 

3 【事業の内容】

1.当社の事業概要

当社『サイフューズ(Cyfuse)』は、2010年の創業以来、「革新的な三次元細胞積層技術の実用化を通じて医療の飛躍的な進歩に貢献する」という企業理念のもと、細胞のみから作製した立体的な組織・臓器を新しい「3D細胞製品」として、再生医療・創薬分野をはじめとする先端医療の現場へお届けすることで、社会に貢献することを目指す再生医療ベンチャーです。

当社では、従来技術・従来製品との比較優位性を背景に、世界初の革新的な「3D細胞製品」の実用化を主軸とした戦略的な事業展開を進めております。

当社事業領域は、細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであり、(1)再生医療領域において、再生医療等製品の実用化へ向けたパイプライン開発及び研究用3D細胞製品の各種受託、(2)創薬支援領域において、製薬企業・非臨床試験受託企業等の創薬活動を支援する3D細胞製品の開発・販売、(3)デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等を行い、複数領域において、多面的に事業展開しております。

当事業年度における、各事業領域の事業活動及び製品開発の進捗概況は、以下のとおりです。

 

(1) 再生医療領域

① 当社の開発する再生医療等製品

再生医療とは、細胞や組織を用いて、病気やケガ等により機能を失った組織や臓器を修復・再生させる医療であり、患者さまに対して新たな治療法の選択肢を提供し、国民の健康増進に大きく寄与することが期待される新しい医療領域です。ヒト又は動物の細胞に培養等の加工を施し、身体の構造・機能の再建・修復・形成するものや疾病の治療・予防を目的として使用するものを総称して「再生医療等製品」といいます。

従来、再生医療に用いることを目指した組織や臓器の開発では、ゲルやコラーゲンといった人工材料が用いられることが一般的でしたが、当社では人工材料を使用することなく、細胞のみで立体的な組織や臓器を作製することを可能にする独自の基盤技術を有しております。

当社では「ヒトの細胞のみを材料とし、バイオ3Dプリンタを使用して立体的な組織・臓器を作製し、患者さまへ移植することで、移植先の組織や臓器の機能を回復・再生させる」という新しい治療コンセプトの再生医療等製品の開発を進めております。

当社が開発を進める製品は、液体状での細胞を投与する製品(1D製品)やシート状に加工した細胞製品を組織や臓器に貼付する製品(2D製品)等の従来の再生医療等製品と異なるコンセプトの、立体的な組織・臓器(3D製品)です(図1)。


図1.再生医療等製品例

 

当社が開発する再生医療等製品(3D細胞製品)は、細胞のみから成る細胞塊(スフェロイド)及び自社で製品化した細胞版の3Dプリンタ(バイオ3Dプリンタ)を使用して立体的な組織や臓器を作製するという独自の基盤技術に特徴と強みを有しております。

この基盤技術及びバイオ3Dプリンタを使用してヒトの細胞のみで作製された組織や臓器は、移植後の拒絶反応や感染症のリスク等、患者さまに対する負担を軽減することができる点、また、人工材料や生体材料を使用しないため生体との親和性が高く、患者さまご自身の組織や臓器が持つ組織・臓器本来の機能を再生させる可能性が大きい点、既存の医薬品や医療機器等にはない再生能力を有する点等において、これまでの製品とは大きく異なる性質や機能を有しております。

当社では、「患者さま自身の」生きた細胞を用いて3D細胞製品を製造し、自身の細胞を自身の体内に戻す自家細胞移植をターゲットとした「自家細胞製品」を第一世代製品として、様々なパイプライン開発を進めており、非臨床試験(動物への移植試験)において、安全性と有効性を十分に確認し、再現性のあるデータを取得した上で、臨床試験(患者さまへの移植)の段階へ開発を進めております。

また、当社の基盤技術には、使用する細胞の種類に制限はなく、細胞塊を作製することができるあらゆる細胞から立体的な組織・臓器を作製することが可能であるという独自の技術的特徴があります。

この特徴を活かし、患者さま自身の細胞(自家細胞)以外の、他人の細胞やiPS細胞等を用いて作製した立体的な組織・臓器を患者さまに移植する同種(他家)細胞移植をターゲットとした「同種細胞製品」についても、第二世代製品候補として開発を進めております。同種細胞製品については、疾患に応じて原料となる細胞を十分に検討した上で、非臨床試験(動物への移植試験)を実施し、安全性と有効性を十分に確認したのちに、臨床試験(患者さまへの移植)へと開発を進めております。

当社独自のバイオ3Dプリンタによって、様々なサイズ(口径・長さ)、任意の形状・立体構造を有する組織・臓器を、様々な疾患への治療法として応用展開することも視野に入れた製品開発を行っております。

このように当社では、独自の基盤技術を用いて、ヒト細胞のみから成る移植可能な臓器を再生医療等製品として患者さまへお届けすることで、病気やケガで機能不全になった組織・臓器等を再生する新しい治療法の選択肢を提供し、再生・細胞医療分野の発展に貢献することを目指しています。

現在開発を進めている細胞製の神経、骨軟骨、血管のような新たな「再生医療等製品」の実用化により、従来の治療法では困難であった組織・臓器再生という新たな治療法の選択肢が誕生することで、QOL(Quality of Life)を大きく向上させることが期待されています。

 

② 主要パイプライン

本領域では、主要な再生医療パイプライン(末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生等の革新的な再生医療等製品)について、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という。)等の公的機関による支援のもと、再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関及び連携企業等の共同開発パートナーとともに臨床開発及び研究開発に注力しております。

当事業年度においては、主要パイプラインの着実な開発進展と将来的な技術の社会実装や製品の商業化を見据えた戦略的提携が大きく前進いたしました。

具体的には、これまでに当社のバイオ3Dプリンタを用いた再生医療等製品に係る臨床開発において、世界で初めて実際の患者さまへ、患者さまご自身より採取した細胞から製造した三次元神経導管を移植することに成功し治療効果を高める等、産学官一体で取り組む新たな再生医療等製品の製品開発が順調に進展しております。

また、当社のパートナー企業との協業を通じたパートナーシップの拡大により、本分野における事業基盤(サプライチェーン)の整備・確立に向けた取り組みが進んでおります。

さらに、本臨床試験の成果を含む当社の再生医療等製品の開発に関しては、国際学術誌への掲載や学会での発表等を通じて、学術的・科学的なエビデンスを国内外に広く公表し、また、展示会等においても製品周知及び価値向上に向けて様々な活動を行いました。その結果、当社の製品開発活動やバイオ3Dプリンティング技術をはじめとした基盤技術に対するメディアでの取り上げが増加する等、今後の製品上市へ向けた事業化活動も進展いたしました。

本書提出日現在での開発計画に基づく、当社のパイプラインの開発ステータスは以下のとおりです(図2)

 


図2.当社のパイプラインの開発ステータス

 
a.末梢神経再生

末梢神経再生については、外傷により神経損傷を受けた患者さまの四肢の機能を再生・回復させることが可能となる「細胞製神経導管」の開発に取り組んでおります。

末梢神経再生については、京都大学医学部附属病院において実施した「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」が完了したことを受け、国立大学法人京都大学及び当社のパートナー企業である太陽ホールディングス株式会社並びに太陽ファルマテック株式会社とともに、企業治験開始に向けた準備を進めております。

また、同種細胞を用いた再生医療等製品の研究開発についても順調に進展しており、AMED事業「末梢神経損傷に対する同種臍帯由来間葉系細胞を用いた三次元神経導管移植治療法の開発」において、開発パートナーである国立大学法人京都大学及び国立大学法人東京大学とともに非臨床試験等を実施し、神経再生の有効性と安全性を確認した研究成果が米国の国際学術誌「PLOS One」及び「Cell Transplant」に掲載されました。

当事業年度においては、AMED事業「末梢神経損傷に対する同種臍帯由来間葉系細胞を用いた三次元神経導管移植治療の医師主導治験に関する研究開発」の支援のもと、治験製品の製造体制及び臨床体制を整備し、製造施設において製造試験を実施の上、治験届を提出し、治験開始に向け準備を完了いたしました。これを受け、2026年1月より国立大学法人京都大学及び国立大学法人東京大学とともに医師主導治験を開始いたしました。

このように当社では、再生医療業界では初となる、同一基盤技術に基づいた自家細胞製品及び同種(他家)細胞製品の同時開発並びに製品化の実現を通じ、再生医療等製品の価値最大化を図り、再生・細胞医療への貢献を目指して、引き続き開発に取り組んでまいります。

 

b.骨軟骨再生

骨軟骨再生については、変形性膝関節症等により軟骨だけでなく軟骨下骨まで損傷が進行している患者さまへ軟骨と軟骨下骨とを同時に再生させることが可能な「細胞製骨軟骨」の開発に取り組んでおります。

当事業年度においては、AMED橋渡し研究プログラム「バイオ3Dプリンター技術を用いた膝関節特発性骨壊死に対する骨軟骨再生治療」において、開発パートナーである慶應義塾大学病院及び藤田医科大学病院とともに治験製品の製造体制を整備し、製造施設での製造試験を行う等、治験開始に向けた準備を進めました。

また、経済産業省「令和4年度第二次補正予算『再生・細胞医療・遺伝子治療の社会実装に向けた環境整備事業』」により基盤整備を進めた神奈川県川崎市殿町及び東京都大田区羽田エリアにおいて、藤田医科大学及び慶應義塾大学病院、慶應義塾大学再生医療リサーチセンターを中心とするコンソーシアムCReM TONOHANE(殿町・羽田再生医療拠点)を立ち上げ、当社の骨軟骨再生の社会実装及び日本発の再生医療を国内外の患者さまに広くお届けできるよう継続して基盤整備に取り組んでおります。

 

c.血管再生

血管再生については、腎不全等により血液透析を必要とされる患者さまへ移植可能な細胞製の血管構造体「小口径細胞製人工血管」の開発に取り組んでおり、国立大学法人佐賀大学とともに臨床試験を継続し開発を進めております。

今後も、開発パートナー及び医療機関並びにパートナー企業と協働し、細胞製神経導管をはじめとする複数パイプラインについて、革新的な再生医療等製品としての製造販売承認取得及び社会実装を目指し、新たな治療法の選択肢を増やすべく、引き続き開発を進めてまいります。

 

③ 次世代パイプラインの開発

主要パイプラインに加え、次世代パイプラインの育成及び探索開発についても進捗しており、共同研究先である国立大学法人広島大学が採択されたAMED事業「バイオ3Dプリンターで作製した三次元移植組織を用いる革新的歯周再生療法の開発」に引き続き参画し、歯周組織再生療法に関する研究開発を進め、第24回日本再生医療学会総会(2025年3月)、第68回秋季日本歯周病学会学術大会(2025年10月)において共同研究パートナーとともに開発成果の公表等を行いました。また、末梢神経再生の領域拡大として、顔面神経再生についての開発を進めており、東京女子医科大学と東京医科大学との共同研究成果について、第24回日本再生医療学会総会(2025年3月)、TERMIS‑EU Congress 2025(2025年5月)に発表し、論文「Stem Cells International」にも公表されました。

今後も引き続き、次世代パイプラインの研究開発を進めるとともに、新たなシーズ探索・基礎研究を進めてまいります。

 

④ パートナーシップ戦略に基づく事業基盤構築 

当社が実用化を目指す細胞製品の開発においては、基盤技術を用いて細胞のみで立体的な構造体を作製するコアプロセス(細胞塊の作製~三次元細胞積層による立体化~立体構造体の組織化)が極めて重要です。当社では、細胞製品の実用化・産業化に向け、このコアプロセスの機械化及び生産設備開発に取り組んでおり、製造設備及び製造設備等のインフラに関する技術・ノウハウ等を有する企業とのパートナーシップ強化を加速し、必要となる培養技術やプロセス開発等、商業化に必要となる技術開発を進めております。

パートナー企業との連携に関しては、細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングス株式会社及びその子会社である太陽ファルマテック株式会社とともに、将来の再生医療等製品の実用化を見据えた、製造販売体制構築に向けて準備を進めました。その他にも、ZACROS株式会社とともに細胞の大量培養に関する共同技術開発を、岩谷産業株式会社とともに3D細胞製品の凍結保存に関する共同開発を進める等、当社が開発を進める再生医療等製品及び3D細胞製品の実用化に向けたパートナー企業との共同開発の進展により、将来的な産業応用も視野に入れた産学官エコシステムでの取り組みも加速しております。

当事業年度においては、PHCホールディングス株式会社及びその子会社であるPHC株式会社と、第24回日本再生医療学会総会(2025年3月)において学術セミナーを共催するとともに、再生医療等製品の商業生産へ向けた共同開発の成果として、3D細胞製品の商業化へ向けた新生産技術についての成果発表及びプレスリリースを行いました。また、再生医療パイプライン開発の順調な進捗を受け、再生医療の産業化及び社会実装に向け、株式会社クラレ、ZACROS株式会社及び千代田化工建設株式会社との4社による「細胞の挙動を解析・予測する新規シミュレーションソフトを駆使した効率的な大量培養プロセス構築法の確立およびプラットフォーム化に関する共同開発」を開始しました。

さらに、当社独自の基盤技術「バイオ3Dプリンティング」と株式会社クラレの精密かつ信頼性の高い「高品質なモノづくり力(素材開発力)」を戦略的に融合させ、再生医療及びライフサイエンス分野における新事業の創出を目的として、業務資本提携を締結いたしました。革新的な再生医療等製品の事業化フェーズへの移行という重要なタイミングで本業務提携が実現したことにより、今後は、新たな再生医療の実現へ向けた事業化が大きく加速することが見込まれます。

これらの国内での事業展開に加え、バイオ3Dプリンタのマーケティングをはじめ、様々な関係機関や企業等とのコラボレーションの機会探索の拡大等、今後の商業化及びグローバル展開へ向けた協業も進捗しております。

具体的には、日立グローバルライフソリューションズ株式会社、MetaTech (AP) Inc.及びTaiwan Hitachi Asia Pacific Co., Ltd.との台湾地域での協業展開や、Centre for Immunology & Infection Limited(C2i)の子会社であるC2iTech Limited(香港)、及び日立グローバルライフソリューションズ株式会社との間で、当社独自の基盤技術「バイオ3Dプリンティング」を活用した今後のアジア地域における戦略的協業に向けた交渉を進める等、バイオ3Dプリンティング技術をはじめとする当社の基盤技術のアジア展開が進展いたしました。

また、これらの事業活動と並行して、成長産業市場である日本の再生医療に関する情報を世界へ向けて発信する取り組み等の事業化活動も推進しております。当事業年度においては、厚生労働省が推進する情報発信事業への協力を通じて、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて、バイオ3Dプリンタや基盤技術を用いて作り出される新たな3D細胞製品等の展示を行いました。

以上のように、今後もパートナー企業との間で戦略的パートナーシップの強化を進め、革新的な再生医療等製品の早期の実用化に向けた開発を進めるとともに、商業化へ向けた企業間連携をより一層強化してまいります。

 

(2) 創薬支援領域

本領域では、独自の基盤技術「バイオ3Dプリンティング」により、人工材料等による足場(スキャフォールド)を使用せず、ヒト細胞のみから成る3D細胞製品の開発を進めており、「ヒト3Dミニ肝臓®」をはじめとした、臓器が有する機能を体外で再現する3D細胞製品「機能性細胞デバイス(Functional Cellular Device:FCD®)」の製品開発に注力しております。

当事業年度においては、本3D細胞製品のラインナップ拡充と、それらを活用した共同研究及び受託試験のプロモーション活動を積極的に展開いたしました。

具体的には、すでに販売を開始している第1弾FCD製品「ヒト3Dミニ肝臓®」について、MPS実用化推進協議会第2回学術シンポジウム(2025年1月)の企業展示ブースへの出展やウェビナーの開催による製品周知等によりマーケティング及び販路拡大に向けた活動を行うとともに、極東製薬工業株式会社、オリエンタル酵母工業株式会社と新たに販売提携契約を締結し、販路拡大を進めました。

また、これらの販売活動と並行して、本製品に関する米国における特許権を取得したことで、今後は、日本に加え米国市場での更なる展開へ向けたマーケティング活動にも本格的に着手いたします。

本製品は、製薬企業や非臨床試験受託企業等から、創薬研究のニーズに応える高いユーザビリティに対する評価をいただくとともに、将来的には、サステナビリティの観点からも動物実験代替法としての活用可能性等の大きな社会的意義を有しており、今後はグローバルを含め広く周知していく予定です。

さらに、「ヒト3Dミニ肝臓®」に続くFCD製品のラインナップ拡充に関しても、APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)(2025年3月)、第52回日本毒性学会学術年会(2025年7月)、第9回バイオ医薬EXPO(2025年7月)、日本動物実験代替法学会第38回大会(2025年11月)並びに統合医療機能性食品国際学会第33回年会(2025年11月)における、研究成果の発表及び企業展示ブースでの紹介を行う等、事前のマーケティング活動を経て、2025年12月より「ヒト3Dミニ肝臓®/疾患モデル」の販売を開始いたしました。

本製品は、世界的にも未充足な医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が高い「脂肪性肝炎(MASH)」領域の治療薬開発を支援する新たな製品であり、有効な承認薬が未だ存在しない同領域において、新薬開発の加速に大きく貢献することが期待されております。

本製品のような新たな細胞製品を拡大成長を続ける新創薬市場へ投入することにより、従来の安全性評価用の「健常モデル」に加え有効性評価用の「疾患モデル」の提供が可能となりました。これにより、製薬企業の創薬プロセスを安全性・有効性の両軸から強力にサポートできる体制が整い、今後のさらなる販売拡大が見込まれます。

さらに、新たに当社独自の基盤技術を拡張し、ヒトの腸管が有するバリア機能を再現する「3Dミニ腸管モデル」作製技術について開発を完了しました。今後、当社の機能性細胞デバイス(FCD®)シリーズの新たな製品ラインナップとして、世界的に急拡大する腸活等の消化器系健康関連市場や「未病」市場への製品投入を目指して、食品製造分野で最大級の展示会FOOMA JAPAN2025(2025年6月)に出展する等、医療分野以外への製品拡大及び販路拡大を目的としたマーケティング活動にも注力いたしました。

今後も、製薬企業や食品会社等からのニーズに基づく3D細胞製品のラインナップの拡充と各種受託やデバイス製品の売上の積み上げによりベース収益の安定拡大を図るとともに、当社独自の基盤技術が創出する3D細胞製品を通じて、医薬品や食品、動物実験代替法等、多岐に渡る領域進展への貢献に取り組んでまいります。

 

(3) デバイス領域

本領域では、バイオ3Dプリンタを中心としたデバイス及び消耗品販売に加え、当社細胞製品の商業生産を視野に入れた次世代装置の開発に注力しております。

当事業年度においては、PHC株式会社との共同開発による自動化技術の進展等、基盤技術の付加価値向上を図るとともに、再生医療領域における製品製造環境整備や商業生産技術開発が進展いたしました。具体的には、独自の基盤技術を搭載した自動化装置や関連周辺機器及び専用消耗品類の開発・製造・販売等の事業活動を進め、機器・消耗品類によるベース収益の向上に努めました。

将来の再生医療等製品の生産技術の基盤構築に向け、末梢神経再生や骨軟骨再生等の主要パイプラインにおける治験開始に向けた製造環境整備、再生医療領域における次世代パイプラインの研究開発や創薬支援領域のFCD製品の開発を加速させるための生産技術開発も進めており、再生医療等製品をはじめとする各種3D細胞製品の製造工程に関して、バイオ3Dプリンティング以外の工程の機械化・自動化にも着手しております。併せて、製造現場での生産性向上を図るべく周辺機器類の拡充等も並行して進めております。その一環として、業務提携パートナーである日本精工株式会社との間では、3D細胞製品の製造工程の機械化・自動化へ向けた新技術開発を進めました。

加えて、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(全国中小企業団体中央会/中小企業庁/経済産業省)の支援のもと開発を進めてきた『バイオ3Dプリンタ用資材製造・保守レポート管理システムの構築』に関して、デバイス製品の生産性・品質向上に取り組み、新たに開発した周辺機器類の製品販売を開始いたしました。今後は本事業を通じて得られた開発の成果をもとに、商業生産を見据えた実用化をさらに加速してまいります。

その他、各種学会や展示会へのバイオ3Dプリンタの出展、メディア等の媒体を通じたPRの拡大等、更なる基盤技術の普及・周知に繋げる活動に関しても継続して取り組んでおります。

今後も引き続き、様々なパートナー企業との連携を通じて、各種3D細胞製品の実用化に向けた生産技術開発、製品製造工程に係る様々な技術応用や新技術開発及び商業生産へ向けた機械化・自動化、並びに将来の商業化を見据えた新たな生産技術開発にも積極的に取り組み、再生・細胞医療領域における様々な製品開発に寄与する有力な技術としてのポジション確立を目指してまいります(図3)


 

図3.バイオ3Dプリンタを用いた製造プロセス全体図

 

 

2.事業戦略

(1) 当社の事業戦略

当社では、当社独自のビジネスモデルを発展拡大させ、デバイス普及により「ベース収益の確保」と「シーズ探索の拡大」を図り、創薬支援用途等の研究用組織による「早期マネタイズ」の実現を経て、中長期的には「再生医療等製品の承認取得」を目指し、再生医療ベンチャーとしての事業価値最大化を図ってまいります。

当社独自の基盤技術を中核とした中長期的な事業展開としては、以下(図4)を想定しており、現状はSTEP2からSTEP3に移行している段階にあります。

 

<STEP1>

複数の大学等の開発パートナーと共同研究を実施し、それらを通じて当社研究開発の中核となるパイプラインの構築を図ってまいります。また、バイオ3Dプリンタ「regenova® (製品名:レジェノバ)」「S-PIKE® (製品名:スパイク)」「Cystrix® (製品名:サイストリクス)」の販売を通じて当社基盤技術の普及を進めております。

 

<STEP2>

複数の企業パートナーとの提携により、各パイプラインの製品実用化に向けた臨床開発に取り組んでおります。また、細胞製品開発に必要となる基盤技術を応用した臨床用装置や将来の商業生産を想定した新技術の発明や次世代デバイスの技術開発を進めてまいります。

 

<STEP3>

企業パートナーとともに再生医療等製品の承認取得を目指し、再生医療領域の中核パイプラインの実用化に向けた開発を進めてまいります。また、細胞製品実用化に必要となる基盤技術の開発や新技術開発を継続し、細胞製品及びその用途の拡大を図るとともに、当社が培ってきた基盤技術を新たな領域にも拡大するべく、次世代パイプラインの探索及び拡充を図ってまいります。

 


図4.中長期事業戦略(イメージ)

 

(2) 当社のアライアンス戦略

当社では、従来技術・従来製品との比較優位性を背景に、一般的な創薬系ベンチャーとは異なる事業戦略に基づき、世界初の革新的な再生医療等製品の実用化を目指して戦略的・多面的に事業展開を進めております。

再生医療等製品の開発においては、原材料が生きた細胞であることから個体差のある細胞の培養、加工、品質検査、最終製品の出荷、医療機関への輸送、患者さまへの移植まで、製品が届くまでのステップが個別具体的なものとなるという従来の医薬品とは異なる特徴を有しています。

そのため、製品開発プロセスにおいても、単一の化合物についてのライセンスを保有するバイオベンチャー1社の企業が単独で、アウトソーシングやライセンスアウトに依存しながら開発を進めていく一般的な創薬系ベンチャーでの医薬品開発の場合とは異なり、再生医療等製品の製品化にあたっては、企業や医療機関との連携や技術・設備・装置等の共同開発体制構築が必要不可欠です。

また、医薬品におけるアライアンスはライセンスの権利付与を前提とするのに対して、再生医療におけるアライアンスは、単なる権利移転のみならず製品製造に係る技術やノウハウ等の移管を要することから、当社では、将来の製造販売体制構築を視野に入れた共同開発体制を構築する独自のアライアンス戦略をとっています。

そしてそのアライアンス戦略に基づき、製造設備等のインフラに関する技術やノウハウ・設備等を有する複数の医療機関・事業会社・行政機関等の外部パートナーとの共同開発体制(コンソーシアム)を形成することで、製品化へ向け着実に開発を加速させております。

このような当社独自のアライアンス戦略は、①1社単独による開発リスクを低減し、事業化パートナー企業と有機的に連携することにより着実に製品化へ向けた確度の高い開発を進めることで、開発製品の上市の確度を大きく向上させるとともに、②実用化に近いパイプラインを複数有し、かつ、製品ごとにターゲットマーケット及び販売戦略をすみ分けることで、事業リスクを低減し事業計画実現の確度を高めるものです。

再生・細胞医療分野において世界初の製品上市により事業計画を実現することを目指す当社においては、その独自のアライアンス戦略に基づき、最終製品化のためのライセンスパートナーへの技術移管を含めた製造販売体制を構築することが、結果として当社製品の価値の向上、ひいては当社の企業価値向上に大きく寄与していくものと考えております。

したがって、当社の再生医療等製品の上市の蓋然性については、実際の共同開発体制や開発パートナーの開発力・技術力が重要な判断指標となります。今後は当社及びパートナーが保有する技術・ノウハウを融合させることで、製品を安定的に供給できる体制、及び患者さまに新しい治療法の選択肢を安心安全にお届けする体制を共同構築していく方針です。


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度(2025年1月1日~12月31日)における我が国経済は、海外景気の不確実性や原材料価格の高騰等、先行き不透明な状況が続いた一方で、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移し、企業部門においても生産性向上や省力化を目的とした設備投資が着実な伸展をみせる等、全体としては緩やかな回復基調となりました。

国内動向においては、2022年に施行された「スタートアップ育成5か年計画」、2025年11月に設置された「日本成長戦略本部」等により、政府・関係機関等によるスタートアップ並びにベンチャー企業への支援は継続的に推進されている傾向にあります。特に当社が主として事業活動を展開する再生医療・遺伝子治療等のバイオ・先端医療分野は、国益に直結する科学技術・イノベーション分野として、国の成長戦略を担う重点投資分野に指定されており、新たな再生医療等製品の上市や本分野の市場拡大及び今後の経済成長が期待されております。

当社では、独自の基盤技術を用いた革新的な再生医療等製品や3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、研究・技術開発を中核とする事業活動を推進しております。

また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や共同研究活動等により、次世代製品候補の探索や当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んでまいりました。

具体的には、①再生医療領域において、再生医療等製品の実用化へ向けたパイプライン開発及び3D細胞製品の各種受託、②創薬支援領域において、製薬企業・非臨床試験受託企業等の創薬活動を支援する3D細胞製品の開発・販売、③デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等を多面的に展開し、中長期的な収益基盤の構築に努めております。

このような状況のもと、当事業年度における経営成績は、以下のとおりとなりました。

売上面においては、将来の収益基盤の核となる、複数の再生医療等製品パイプライン等の順調な製品開発進捗を受け、足元のベース収益となるバイオ3Dプリンタ及び関連消耗品の販売並びに「ヒト3Dミニ肝臓®」等の3D細胞製品の販売や各種受託等が着実に進展した結果、前年同期比で約4.2倍の大幅な増収となりました。

営業利益面においては、独自のプラットフォーム技術を共通基盤として活用し、複数のパイプラインを並行開発する等、積極的な研究開発投資を継続しつつも、製造プロセスの開発効率向上とコスト効率化による研究開発費の抑制を図った結果、大幅な損失幅の縮小となりました。

また、継続的に研究開発及び技術開発に係る補助金を獲得する等、外部資金の受領による営業外収益108,771千円(前年同期比132.1%増)及び営業外費用41,894千円(前年同期比104.6%増)を計上したことから、上記営業損失幅の縮小と合わせて大幅な経常損失の縮小になっております。

この結果、売上高230,999千円(前年同期比324.3%増)、営業損失828,179千円(前年同期は896,133千円の営業損失)、経常損失761,301千円(前年同期は869,747千円の経常損失)、当期純損失763,843千円(前年同期は872,238千円の当期純損失)となりました。

なお、当社事業は細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当事業年度においては、「成長期」と位置付ける当社の企業成長フェーズにおいて、複数領域における開発成果や技術普及、実需に基づく収益拡大の好循環を引き続き持続拡大させることで、今後の「拡大期」に向け、外部環境や提携一時金等の変動要素に左右されることのない、細胞製品及びデバイス製品による安定的なベース収益と、再生医療等製品の上市による成長収益を両輪とした、当社独自の自律的かつ安定的な収益モデルの確立を目指して活動してまいりました。

さらに、次世代細胞製品の商業化・量産化に向け、高度な技術力を保有するパートナー企業との共同開発や直近の株式会社クラレとの業務資本提携をはじめとするパートナーシップの強化を通じて、将来的な再生医療等製品の上市後の収益性を抜本的に高める事業基盤が整いつつあることから、今後も、生産性向上による収益向上、医療の持続可能性の確保に繋げ、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ748,024千円増加し、4,266,026千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加673,964千円であります。

(負債)

負債については、前事業年度末に比べ532,804千円増加し、1,508,399千円となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加315,336千円であります。

(純資産)

純資産については、前事業年度末に比べ215,221千円増加し、2,757,627千円となりました。主な要因は、資本金及び資本剰余金の増加927,631千円並びに当期純損失の計上763,843千円であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて323,964千円増加し、2,376,535千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により支出した資金は534,793千円(前事業年度は760,553千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失761,301千円を計上したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は397,564千円(前事業年度は8,637千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出350,000千円によるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は1,256,323千円(前事業年度は52,012千円の支出)となりました。これは主に、新株予約権の行使に基づく株式の発行による収入816,671千円等によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社事業は細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務

230,999

324.3

 

(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

太陽ファルマテック株式会社

10,105

18.6

11,657

5.0

国立大学法人京都大学

6,039

11.1

国立大学法人広島大学

15,927

29.3

33,803

14.6

学校法人藤田学園

12,860

23.6

5,720

2.5

株式会社Arktus Therapeutics

162,579

70.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当事業年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の分析

当事業年度における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d.経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要の主なものは、パイプライン開発に係る研究開発費及び人材の獲得、維持に係るシステム費等の営業費用であります。

当社では今後、経済・金融環境の変化に備えて十分な手元流動性を確保し、中長期的な財務基盤の拡充を図り、再生医療等製品の事業化(上市)に向けた開発を一切止めることなく達成するため、安定した資金力(キャッシュポジション)を重視し、多様な資金確保手段を講じることとしております。具体的には、十分な資金を自己資金で確保しながらも、不測の事態を想定し、必要に応じてコミットメントライン等の与信枠を活用し銀行借入等による調達を行うことで現預金残高を維持していく方針であります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。

これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき 課題等」をご参照ください。