リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 競合について
当社商品と競合する商品を、資本力があり、既存店舗数が多く営業基盤が強固で、かつ知名度を有する競合他社が、当社商品と類似するコンセプトを掲げ当社のターゲット顧客層への販売を強化してきた場合、競争が激化し、販売価格が下落するなどして、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 品質管理について
当社グループは、商品の品質や安全性を保つために、商品の経時検査、保管状況の定期的な確認、製造工場への定期的な視察等を徹底し、法令等を遵守するための体制整備、各種法令を管轄する省庁への確認を行っております。また、商品の取扱い方法につきましても適切な表示を心がけております。
しかしながら、2023年9月にコスメ(その他)ジャンルのオーラルケアブランド「デンティス」の一部商品につきまして、成分表記に誤りがあることが判明いたしました。その措置として、該当製品の出荷停止及び自主回収を実施し、2024年12月期以降はその影響が収束する見込みでありますが、万が一類似した事象が引き続き発生する場合には、賠償対応又は顧客への返金及び商品回収が必要となり、回収費用や商品の配合成分変更に関わるコストが発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、監督官庁からの勧告や注意喚起などで、当社グループの商品や競合他社の商品、並びにそれらの原材料の品質や安全性について疑義が生じるような問題が発生した場合や、当社グループの商品に品質欠陥や安全性に関する問題が生じなかった場合においても、風評被害等により、同様の影響を受ける可能性があります。
(3) 新型コロナウイルス等、感染拡大の影響について
当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行等に伴い、人々の意識も変化し、「ウィズコロナ」の考え方が普及して経済活動も正常化しております。
新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、当社グループではこれらに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。新型コロナウイルスの影響の極小化を図ったことにより、主力販路への影響はなく、本社業務は平常通り執り行うことができました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染再拡大や新たな感染症の流行が発生した場合には、一時的な業務の縮小化、Watchジャンルの直営店の営業停止、また販売先の感染症対策の経営方針等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 自然災害等について
地震、台風、津波等の自然災害の発生に対し、当社グループでは、事業活動への影響を最小限にする体制及び対策を講じておりますが、想定の範囲を超える事態が発生した場合は、事業活動が遅延又は中断する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 重要な訴訟等について
当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定仕入先への依存について
当社グループの取り扱う商品の主要な仕入先は、コスメジャンルについてはグロッタ㈱となっており、割合は当連結会計年度における仕入高の17.0%がグロッタ㈱と高くなっております。当社グループは、グロッタ㈱とその原材料仕入先との間で三者間契約を締結し安定した商品仕入体制の維持の確保に努めております。しかし、当該仕入先との資本関係は無く、取引の継続性や安定性が保証されていないため、当該仕入先の経営施策や取引方針の変更等によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制について
当社グループは、事業の遂行にあたって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)、健康増進法、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律(特定商取引法)、特定電子メール送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)、食品安全基本法、食品衛生法、製造物責任法(PL法)、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)等の法的規制を受けております。当社グループでは、外部コンサルティング機関のアドバイス等を参考に各種規程等を整備し、各種法令を管轄する省庁への確認や第三者機関への確認手続きを徹底する社内チェックリストを運用しております。また、定期的な役職員への規程等の周知とその遵守のための教育プログラムの実施などに努めております。そして、経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会において、コンプライアンス及びリスク管理について統制・把握し、これらの法令の遵守に努めております。しかしながら、将来的に当社グループが規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合は、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) カントリーリスクについて
当社グループの当連結会計年度の売上のうち、11.2%を輸出売上が占めており、また当連結会計年度の仕入のうち、海外より輸入している商品は全体の21.1%に及んでおりますが、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、関連情報収集と分析、重要ファクターの特定とリスクシナリオ分析を行いリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、コスメ、トイレタリー、機能衣料、Watchジャンルの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 為替リスクについて
当社グループは、外貨建ての輸出入取引を行っており、為替の変動リスクにさらされております。一部日本円建てでの輸出入を行う等リスクの軽減に努めており、為替の変動による販売価格及び仕入価格が変動することから、社内レートを当社にとってより不利な状況を想定し設定をしておりますが、急激な為替相場の変動状況等によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 人材の確保について
当社グループでは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に新商品開発や営業に関わる優秀な人材、マネジメント能力を有する人材の確保に努めると共に、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げに取り組んでおります。しかしながら、当社グループが求める人材が必要な時期に十分に確保・育成ができなかった場合、あるいは人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び事業拡大に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 棚卸資産の増加について
当社グループの棚卸資産は当連結会計年度末において1,305,537千円となっており、前年比4.2%増加し、資産合計に占める割合は23.6%となっております。この傾向は今後も継続するものと思われます。そのため、当社グループでは、適正在庫水準の維持に取り組んでおりますが、急激な景気悪化や様々な要因により過剰在庫が発生し、棚卸資産の評価が大きく下落した場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 有利子負債への依存について
当社グループにおきましては、当連結会計年度末における有利子負債残高は2,487,055千円、資産合計に対する有利子負債残高の比率は45.0%となっており、自己資本比率29.5%との比較からも比較的高い水準にあります。したがって、金利の上昇や金融市場の変化等が起こった場合に、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 知的財産権の管理について
当社グループは、商品の企画段階から入念なリサーチに基づき商品企画をしており、商品リリース前には国内外において商標権や特許権等の取得により知的財産権の確保に努めております。その結果、2023年12月末日現在において保有する知的財産権は、国内で213件、海外では国内に出願している商標権と同様のものを海外の各機関にも出願しており、その件数は98件、対象国は33か国に至っております。
当社グループでは、これら保有する知的財産権の保護についても注意を払っており、他社による権利侵害の疑いを認識した場合には、直ちに知的財産権の侵害に係る通知を実施する等、適切な措置を講じております。一方、当社グループが他社の商標権や特許権などの知的財産権を侵害しないよう、商品企画及び商品販売に際しては自社のみならず生産委託する提携工場とも協力し十分な調査を実施し、商品の販売後も定期的に調査を実施しております。
しかしながら、予期せず当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払い等が発生する可能性があります。
また、当社グループが保有する知的財産権についても、第三者により侵害される可能性があり、当社グループが保有する権利が履行できない場合もあります。このような状況が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 新規事業について
当社グループは、『喜びを企画して世の中を面白くする』という経営理念の達成のため、今後、新規事業の展開を行う可能性があります。新規事業や商品への投資については、その市場性や需要などについて十分な検証を行った上で投資の意思決定を行うこととなっておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた投資回収を実現できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 減損損失について
当社グループの既存店舗及び、今後、出店した地域又は商業施設において、当社グループがメインターゲットとする顧客層の集客が減り、事業の収益性が悪化し、固定資産の時価が著しく下落した場合には、減損会計の適用により、固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 許認可について
当社グループの一部商品の販売においては、下表に掲げる化粧品製造販売業許可や医薬部外品製造販売業許可等の許認可を必要としているものがあります。
本書提出日現在、当社グループが知りうる限りにおいて、取消事由に該当する事実は発生しておりません。しかしながら、予期せぬ人的ミス等により、法令に抵触する可能性は完全に排除することはできず、万一、当社グループ又は当社グループの役職員が法令に抵触した場合や、その結果として、許認可が取消又は更新不可となった場合などには、商品の販売停止や信頼性の低下により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの許認可及び法的規制については、将来変更される可能性があり、その対応に遅れた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 商品企画について
当社グループは、自社オリジナル商品(化粧品・医薬部外品やアパレル等)の企画・開発を行っております。当該商品は流行・嗜好が短期的に大きく変化することがあり、当社グループの開発商品が消費者の嗜好に合致しない場合や新商品の開発が遅れた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 協力工場について
当社グループのオリジナル企画商品の製造は、協力工場に委託しており、これらの協力工場において予期せぬ自然災害、ストライキ、事故等の発生により供給の遅れが生じた際に、速やかに他の製造委託先を見つけることができない場合や、倒産等が発生した場合には、当社グループの営業活動、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 個人情報の管理について
当社グループでは、当社商品愛用顧客の氏名・住所などの個人情報をお預かりしております。そのため、個人情報の取扱いについて「個人情報の保護に関する法律」をはじめとする法令諸規則を遵守すべく、日本産業規格「個人情報マネジメントシステム-要求事項」(JIS Q 15001:2006)に準拠した個人情報マネジメントシステムを制定・運用し、個人情報の管理を徹底しております。
しかしながら、予期せぬ事態により、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合には、当社グループの社会的信頼の低下や金銭的な補償の負担等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 保証金について
当社グループは、賃借物件に本社及び店舗を設営しており、設営時に賃貸人に対して差し入れた保証金の総資産に占める割合は、当連結会計年度末において1.4%となっております。当該保証金は、期間満了等による賃貸借契約解約時に契約に従い返還されることとなっておりますが、賃貸人の経済的破綻等不測事態の発生によりその一部又は全額が回収出来なくなる可能性があります。
(21) 重要な契約について
当社グループは、Luminox製品の販売に関して「5.経営上の重要な契約等」に記載した通り、Mondaine Watch Ltdよりライセンスを受けております。同社とは良好な関係を維持しており、同社製品の販売を継続する方針ですが、今後、関係性の悪化、Mondaine Watch Ltdの経営方針の変更等の影響により、同社製品の販売が不可能となった場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 大株主について
当社の代表取締役社長である佐藤透及びその資産管理会社が発行済株式総数の49.33%を所有しており、引き続き大株主となる見込みであります。当社としても安定株主であると認識しており、今後も一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針であります。なお、将来において何らかの事情により当社株式が売却された場合には、保有比率の高さから当社株式の市場価格及び議決権の行使状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(23) 重要な会計方針及び見積りによるリスクについて
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
・のれん及び顧客関係資産の評価
・棚卸資産の評価
・繰延税金資産の回収可能性
当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
重要な会計方針の見積り及び仮定についての詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の「①重要な会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況」における「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主資本利益率の向上に努め、配当性向を勘案しつつ安定的な配当の実施に努めるという考えのもと、長期に亘る安定的な経営基盤の確保をめざし、業績に応じた適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針としております。
配当の回数については、年1回の期末配当を行うことを基本方針とし、剰余金の配当の決定機関を株主総会としております。また、当社は、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
上記方針に基づいた上、2023年12月期の業績・財務状況等を総合的に勘案し、日頃の株主の皆様のご支援に報いるため、当事業年度における1株当たり配当額を18.00円とさせていただきます。
この結果、連結配当性向は48.0%となります。なお、この剰余金の配当は、2024年3月26日開催の第28回定時株主総会に付議いたしました。次期(2024年12月期)の期末配当につきましては、上記の配当方針に基づき、1株当たり18.00円(連結配当性向44.5%)を予定しております。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下の通りであります。