事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
化学品事業 | 8,757 | 90.2 | 801 | 93.9 | 9.1 |
ホーム産業事業 | 954 | 9.8 | 52 | 6.1 | 5.4 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び関連会社1社により構成されており、化学品事業(紫外線吸収剤、写真薬中間体、電子材料、製紙用薬剤、酸化防止剤等の製造販売)、ホーム産業事業(木材保存薬剤等の製造販売)の2事業を主たる業務としております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
セグメントの名称 |
主要取扱い品目 |
製造・販売別 |
主要な会社 |
化学品事業 |
・紫外線吸収剤
・酸化防止剤
・製紙用薬剤 |
製造 |
ケミプロ化成㈱、ハリマトランジット㈱ |
販売 |
ケミプロ化成㈱ |
||
ホーム産業事業 |
・木材保存薬剤 |
製造・販売 |
ケミプロ化成㈱ |
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、米国経済は、年間を通じ総じて底堅く推移した一方、欧州及び中国経済の停滞に大きな変化はなく、加えて地政学的リスクの長期化もあるなど、全体として引き続き不安定な状況で推移しました。
このような経済環境の中、当社の属するファインケミカル業界につきましては、需要は昨年度後半の水準が継続しておりましたが、下半期には減速しました。また、原材料価格やエネルギーコストは依然として高い水準が続き、厳しい状況で推移しました。当社においては、一部製品で取引環境の変化や拡販により売上は増加しましたが、利益面では引き続き厳しい環境下にあります。
具体的な当事業年度における当社の売上高は、化学品事業では、紫外線吸収剤は、上半期は昨年の需要減速の反動で売上が増加しましたが、下半期は需要減速の影響を受け、通期ではおおよそ横ばいで着地しました。酸化防止剤の需要獲得をはじめ、受託製造製品の拡販効果もあり、事業全体として前事業年度を上回りました。ホーム産業事業では、消費マインド低迷が続きましたが拡販に努め、前事業年度を上回りました。結果、売上高全体では、前年同期比474百万円増の9,710百万円(前年同期比5.1%増)で着地いたしました。利益面では、原材料価格、エネルギー価格の高騰などによるコスト増加に対する価格転嫁の取り組みを推し進めたものの、当初想定した以上に各種コストが上昇し、全てのコスト増加を吸収するには至らず、営業利益は402百万円(同16.6%減)となりました。一方で、工場の稼働状況が改善し、営業外費用として計上される生産休止費用は、前年同期と比較し107百万円圧縮となる173百万円の計上となり、経常利益は173百万円(同30.7%増)となりました。税引前当期純利益については、特別損益の計上がなかったことから経常利益と同額の173百万円(同8.0%増)となりました。当期純利益については、法人税、住民税及び事業税が54百万円、法人税等調整額が△8百万円となり128百万円(同1.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が前年同期比15百万円減の4,924百万円(前年同期比0.3%減)となったことに加えて、写真薬中間体が同81百万円減の210百万円(同27.9%減)、電子材料が同28百万円減の34百万円(同45.7%減)となる一方で、酸化防止剤が同320百万円増の913百万円(同53.9%増)、受託製造製品が同232百万円増の2,365百万円(同10.9%増)、製紙用薬剤が同37百万円増の248百万円(同17.9%増)となり、全体では同458百万円増の8,756百万円(同5.5%増)となりました。また、セグメント利益では800百万円(同8.0%減)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、木材保存薬剤の売上高が前年同期比9百万円増の764百万円(前年同期比1.2%増)となり、その他でも同6百万円増の189百万円(同3.8%増)となったことから、全体では同16百万円増の954百万円(同1.7%増)となりました。また、セグメント利益では51百万円(同12.9%増)を計上いたしました。
品目別売上高の状況は、次のとおりです。
(品目別販売実績) (単位:千円、%)
セグメント別 |
期別 |
前事業年度 |
当事業年度 |
増減 |
||
|
2024年3月期 |
2025年3月期 |
||||
区分 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
|
化学品事業 |
紫外線吸収剤 |
4,939,961 |
53.5 |
4,924,084 |
50.7 |
△15,876 |
写真薬中間体 |
291,447 |
3.2 |
210,273 |
2.2 |
△81,174 |
|
製紙用薬剤 |
211,137 |
2.3 |
248,901 |
2.6 |
37,764 |
|
酸化防止剤 |
593,631 |
6.4 |
913,776 |
9.4 |
320,145 |
|
電子材料 |
63,110 |
0.7 |
34,250 |
0.4 |
△28,859 |
|
受託製造製品 |
2,132,521 |
23.1 |
2,365,168 |
24.4 |
232,646 |
|
その他 |
66,445 |
0.7 |
60,241 |
0.6 |
△6,203 |
|
(小 計) |
8,298,255 |
89.8 |
8,756,696 |
90.2 |
458,440 |
|
ホーム産業事業 |
木材保存薬剤 |
755,598 |
8.2 |
764,857 |
7.9 |
9,259 |
その他 |
182,303 |
2.0 |
189,274 |
1.9 |
6,971 |
|
(小 計) |
937,901 |
10.2 |
954,132 |
9.8 |
16,230 |
|
合 計 |
9,236,157 |
100.0 |
9,710,828 |
100.0 |
474,671 |
②資産、負債及び純資産の状況
当事業年度(以下「当期」という。)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という。)比416百万円減少し、13,297百万円となりました。流動資産は同328百万円減少の8,047百万円、固定資産は同87百万円減少の5,250百万円となりました。
流動資産の減少の主な要因は、売掛金が91百万円、商品及び製品が429百万円、未収入金が239百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が266百万円、原材料及び貯蔵品が116百万円それぞれ増加したことなどによるものであり、固定資産の減少の主な要因は、機械及び装置(純額)が85百万円、リース資産(純額)が114百万円それぞれ減少した一方で、ソフトウェア仮勘定が91百万円増加したことなどによるものであります。
当期の負債は前期末比513百万円減少し8,520百万円となりました。流動負債は同190百万円減少の6,007百万円、固定負債は同323百万円減少の2,513百万円となりました。
流動負債の減少の主な要因は、短期借入金が300百万円、1年内返済予定の長期借入金が77百万円、その他の流動負債が194百万円それぞれ減少した一方で、電子記録債務が95百万円、買掛金が269百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が145百万円、長期リース債務が137百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
当期の純資産は前期末比97百万円増加し、4,777百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、当期純利益128百万円を計上した一方で、配当金の支払49百万円があったことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は、前期末の34.1%から35.9%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては1,260百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては288百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては713百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し258百万円増加し、2,132百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,260百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
これは主に、税引前当期純利益が173百万円計上されたこと、減価償却費が405百万円計上されたこと、売上債権の減少額144百万円、棚卸資産の減少額288百万円、仕入債務の増加額364百万円、未収入金の減少額239百万円、未払又は未収消費税等の増減額△195百万円などの要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、288百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
これは主に、老朽設備の更新を目的として設備投資を行ったことに伴う、有形固定資産の取得による支出213百万円、基幹システムの更新を目的として設備投資を行ったことに伴う、無形固定資産の取得による支出69百万円を計上したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、713百万円(前年同期は43百万円の使用)となりました。
これは主に、短期借入れによる収入6,129百万円、短期借入金の返済による支出6,429百万円、長期借入れによる収入850百万円、長期借入金の返済による支出1,072百万円、リース債務の返済による支出110百万円が計上されたことなどによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 (%) |
化学品事業(千円) |
8,493,222 |
110.9 |
ホーム産業事業(千円) |
600,262 |
98.2 |
合計(千円) |
9,093,485 |
109.9 |
(注)金額は販売価格によっております。
2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 (%) |
化学品事業(千円) |
4,864 |
83.4 |
ホーム産業事業(千円) |
342,867 |
123.9 |
合計(千円) |
347,732 |
123.1 |
(注)金額は仕入価格によっております。
3)受注実績
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 (%) |
化学品事業(千円) |
8,756,696 |
105.5 |
ホーム産業事業(千円) |
954,132 |
101.7 |
合計(千円) |
9,710,828 |
105.1 |
(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
BASFジャパン㈱ |
2,254,646 |
24.4 |
2,242,756 |
23.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。この見積り及び仮定の設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りと異なる場合があります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。また、重要な会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、創業以来培ってきた有機化学合成の高い技術力を背景に、特定の大口取引先の協力を得ながら成長、発展してまいりました。しかしながら、主力販売製品のコモディティ化に伴うコンペティターの台頭や環境対応に関する国内外の法的規制の強化といった外部要因による停滞、産業の成熟化に伴う市場規模の成長の鈍化といった、事業環境の変化により引き起こされる数々の問題に直面しております。
このような状況下、持続的な発展を裏付ける磐石な経営を実現させるために、特定取引先との協力関係を維持する一方で、新たな柱の構築を目指し、当社は有機ELをはじめとする研究開発体制の強化と販売チャネルの多様化を目的とした受託ビジネスの強化を行ってまいりました。
こうした中、受託ビジネスについては取引量が徐々に増え、紫外線吸収剤をはじめとする化学品事業において取引高ベースで30%程度となるなど確かな手ごたえが出てきましたが、有機ELをはじめとする新規ビジネスについては成長の半ばであり、更なる対応が急務でございます。また、地政学的リスクに起因する原材料調達リスク等への対応は、事業活動を継続していくうえでの喫緊の課題と考えております。
上記を踏まえ、当社は今後既存製品に関しては対面にとらわれない対話を活用し、品質改善による顧客満足度の向上と生産効率の改善、適正な価格転嫁等を推進し、既存の取引先との協力関係を維持・強化していく方針であります。
受託ビジネスに関しては既存受託先との取引関係を強化する一方で、新規顧客を開拓するとともにリピート需要を取り込む等、新たなビジネスチャンスを逃さないように外部機関等も活用し、持続的な成長を実現していきます。
有機ELをはじめとする新規ビジネスに関しては市場拡大局面にあり、新たなステージにおける販売シェア獲得を必達するために、既成概念にとらわれず産学協同で研究開発・製造・販売の三位一体となった変革へのチャレンジを実践していきます。
当社は以上のような取り組みを通じて企業の永続的な発展を実現し、企業価値・株主価値向上を達成し、株主の皆様のご期待に応えるよう努める所存でございます。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、受託製造製品等の販売の増加等があるものの特定販売先への依存度が高いこと、有機ELをはじめとする新製品については将来の成長事業に育成すべく注力しておりますが、競合各社も新規製品開発に取り組んでいることが挙げられます。
また、当社の継続事業にかかる棚卸資産は主として将来需要および市場動向に基づく見込み生産によるものでありますので、重大な地政学的リスクや大規模自然災害等による実需および予測せざる市場動向次第では在庫増加を要因とした生産調整を実施する場合があり、それに伴う生産休止費用が業績に与える影響も無視できません。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。
1)資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資につきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。銀行からの借入による資金調達については、短期借入金に関しては変動金利により、長期借入金に関しては主として固定金利により行っております。
2)資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投資が主な内容であります。
日銀による政策金利の引き上げ局面にあり利息負担の増加が見込まれますが、成長の原資たる設備投資や研究開発投資等については当期も継続していく所存です。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向を注視しつつ、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。
3)キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比258百万円増加し、2,132百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当事業年度は以下の通りとなりました。
売上高経常利益率 現状: 1.8% (中長期目標: 5.0%以上)
ROE(自己資本利益率) 現状: 2.7% (中長期目標: 7.0%以上)
自己資本比率 現状:35.9% (中長期目標:39.0%以上)
当社といたしましては、創業以来の成長と実績を礎に上記指標を一層改善することを通じて、永続性のある更なる盤石な経営の実現を目指し、鋭意取り組んでいく所存でございます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
化学品事業
化学品事業における販売はOEM販売や受託製造製品等の販売が主流であり、特定販売先については総売上高の約3割の依存関係となっております。既存の販売先については安定的な供給を継続しつつ、有機合成技術を駆使した新規製品の販売を展開することにより、直販比率を向上させることで安定収益に繋げていきます。
ホーム産業事業
ホーム産業事業における販売は木材保存薬剤を主力とし、ホームセンター向け塗料、室内用および業務用塗料の新規開発、受託販売等による販売拡大を目指して安定収益に繋げていきます。