2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    887名(単体)
  • 平均年齢
    36.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.1年(単体)
  • 平均年収
    6,638,243円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

887

36.8

10.1

6,638,243

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

感光性材料事業

564

化成品事業

241

全社(共通)

82

合計

887

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.臨時雇用者数は、従業員数の100分の10未満であるため、その記載を省略しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 労働組合の状況

①  名称

JEC連合化学一般千葉県本部東洋合成支部

②  上部団体名

JEC連合化学

③  結成年月日

1963年1月16日

④  組合員数

24名

⑤  労使関係

労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

 

  (3) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異

 

 

管理職に占める

女性従業員の割合

(注)1

男性従業員の育児休業取得率

(注)2

従業員の男女の賃金の差異(注)1

 

全従業員

正規雇用従業員

パート・有期従業員

 

提出会社

7.1%

57.7%

83.1%

87.9%

59.9%

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

〈労働者の男女の賃金差異の要因と今後の対応〉 

   当社では、従業員の基本給において、性別に関係なく、能力と実績に応じた公正な評価と制度に基づく賃金の決定を行っております。女性活躍の一つの指標である男女の賃金差異については、等級別人数構成の差と基本給以外の諸手当によるもので、職種にかかわらず、全体に占める女性従業員数が少ない状況であることが要因であると捉えております。

   製造業という業種ゆえに深夜勤務や交代勤務を伴う製造職において、男性比率が相対的に高い要員構成となっております。将来の管理職の母集団となる女性従業員を増やしていくため、ライフイベントに応じた働き方の制度拡充を行い、女性の定着率をさらに向上させ、格差の是正を進めてまいります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は持続可能な社会の実現を重要課題として捉え、化学メーカーとしての責任(安全・環境)、素材産業としての責任(品質、安定供給)、人々の未来を支える責任(研究開発・人材育成・サステナビリティ)という3つの観点での活動を推進しております。

特に、気候変動関連につきましては、地球環境や社会の持続性の観点から、脱炭素社会への移行に貢献するとともに、当社の持続的成長を可能にするためにも、事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減に努めてまいります。また人的資本関連につきましては、日々の企業活動を支える「人材」が何よりも大切であると考えており、多様性の確保や人材育成、働きやすい環境づくりを通じて、社員一人ひとりがイキイキと仕事にやりがいを持って働き、持てる力を最大限に発揮して、社会とともに成長できる組織づくりを目指してまいります。

なお、上記の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、保証するものではありません。

 

(1)気候変動関連

① ガバナンス

気候変動に関する問題を、サステナビリティ、リスクマネジメントの重要課題として認識しております。代表取締役社長を委員長とする環境安全委員会にて1年の総括および今年度の目標を設定し、リスク管理委員会にて取り組み状況の進捗報告・審議を行い、その内容は毎年一回、取締役会に報告され、取締役会の指示・監督のもと活動に取り組んでおります。

 

② 戦略

当社は、持続可能な社会の実現に向けて、CO₂排出の削減は重要課題と認識しております。施策の実効性を高めるには、定量的把握が不可欠なため、生産などの消費エネルギー(電気・蒸気・燃料)の可視化を図り、そのエネルギー原単位の推移を確認し、製造工程や設備を見直し、その改善状況を月次、四半期、半期、年次で確認することにより、エネルギー消費の最適化を図っております。2023年には、Scope3の算定準備を進め、Scope1+2削減のための目標(後述)を設定しました。当社製品に関わるGHG排出量を的確に把握することが必要なため、製品のカーボンフットプリント(原料採掘から製品生産までのGHG排出量)算定に関する取り組みも推進し、算定のシステム化も進めております。また、当社事業の「リスクと機会」については以下の通りです。当社では、事業における気候関連リスク・機会を特定・抽出し、それらの性質を評価しております。今後は特定したリスク・機会について分析を進めてまいります。

<リスク>

 

移行リスク

規制

炭素税等の新たな環境関連規制の導入による事業コストの増加

サプライチェーン変化に起因する原材料調達難、原材料価格の上昇、エネルギーコストの上昇

法的

重大な環境法令等の違反による訴訟や事業停止

評判

温室効果ガスの排出規制等に適合できないことによる企業レピュテーションの低下

 

物理的リスク

気候変動を起因とした大規模な自然災害による事業運営への影響や当社の施設等の損壊

 

 

    <機会>

 温室効果ガス排出量削減に資する、再生可能エネルギーの活用、スマートグリッド、EVなどの最新技術を支える先端半導体向け当社製品の需要増加、精製技術を活用した溶剤リサイクルによる温室効果ガス排出削減などを事業拡大機会として捉えております。また当社は、再生可能エネルギー電力やエネルギー効率の良い装置の導入などを運営コスト削減の機会と考えております。

 

③リスク管理

気候変動の事業運営への影響を把握し、評価するため、気候変動リスク・機会を特定しております。特定したリスク・機会は戦略策定、事業運営に反映するよう努めており、リスク管理委員会などの会議体において対応を協議のうえ、その進捗は取締役会へ定期的に報告されております。また、エネルギー原単価を月次で確認し、コスト上昇影響の把握や対策、エネルギー使用量の低減に向けた設備の検討、損害保険会社によるリスク評価を参考に大規模災害リスク対策などを進めております。

今後も企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の動向把握に努め、今後のリスク・機会等や施策進捗を踏まえ、戦略・施策等の検討を継続してまいります。

 

④指標及び目標

 当社は気候変動に対応するため、環境負荷軽減のための目標を下記の通り設定いたしました。

 

Scope1+2

2030年度までに32%削減(2013年度比)

省エネ対応

エネルギー使用を原単位 前年比1%削減

 

 

 これらの目標に向かって、電力量に注目し(CO₂排出量の約40%程度)グリーン電力化の計画を立案し、2023年には淡路工場で使用比率を30%から50%まで引き上げました。そのほか、月次でエネルギー消費確認と施策評価を行い、将来の革新的技術の導入も検討し、エネルギー消費削減や生産プロセス改善、非化石電力導入、省エネ設備の導入、再生エネルギー活用などを推進しております。目標達成のため、こうした取り組みを強化し、社会全体のカーボンニュートラルへ貢献していきます。

 

(2)人的資本関連

①ガバナンス

企業の持続的成長のためには、コーポレートガバナンスの強化が重要であり、各会議体の実効性を高めていく必要があります。今期は取締役会の実効性評価を踏まえた取締役会の運営と指名・報酬諮問委員会の運営に加え、経営会議、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の会議体と連携することで透明性の確保と適正化を図っております。また、重要な経営課題である安全文化のさらなる醸成に向けて、事業所ごとにチームビルディングと課題解決ワークショップを展開し、経営陣と従業員との対話の機会をつくっています。この対話を通じて現場の意見を経営が吸い上げ問題を解決していくことが、人材の価値を高めるとともにガバナンス強化につながると考えております。

 

②戦略

 〈人事基本方針〉

当社は持続的成長に向け、「人材」が何よりも大切であると考え、チャレンジ精神、積極的な人材育成、オープン&フェア、安心して働ける職場環境の4つを人事基本方針として定めております。化学メーカーの責任として、安全操業は最重要課題であり、社員ひとり一人が安全を実感できる職場環境をつくるとともに、エンゲージメント向上につながる働きやすい環境づくりの推進と、個人の状況に合わせた育成を行っております。

 

〈ダイバーシティ&インクルージョン〉

当社は「人材」が何よりも大切な資本であると考え、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、お互いの価値観や経験の違いを尊重し活かすことで、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮しイキイキ働くことができる企業文化の醸成を目指しています。人権方針に基づき、国籍、年齢、性別、中途採用者等による制限を設けず、公正な選考や評価に基づき多様性のある管理職や中核人材の登用に努めております。また、多様性への理解と相互連携を生み出す研修や子育て経験シェア会の開催、ワークライフバランスの観点での人事制度の見直しなど、性別に関係なく育児や介護などのライフスタイルに応じた柔軟な働き方が実現できるよう、社員の意見を聞く機会を設け、環境整備を進めております。

 

〈人材育成〉

人事基本方針のもと、社員が安心して働ける職場環境・制度を整え、事業成長と人材育成を両立できる体制づくりを目指しています。成長のベースとなるキャリア開発を考える機会を定期的につくり、自分の個性と強みを活かす自己成長を支援しています。能力開発については新入社員から上級管理職に至るまでの長期的な視点から、それぞれの段階で必要となるスキルを定め、学習・経験する機会を提供し成長を支援しています。階層別研修・マネジメント研修・リーダー育成・キャリア形成支援・チームビルディング等の施策を通して、持続可能な成長を実現するための個人と組織の成長につなげて参ります。

 


 

〈健康・安全〉

当社は、経営理念・行動指針で「安全を最優先」を掲げ、安全衛生方針のもと、従業員ひいてはその家族の幸せのため、心身ともに健康で安心して働くことのできる職場づくりを推進しております。従業員のメンタルヘルス不調の一次予防と職場環境改善にもつなげるため、エンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)、毎年のストレスチェックや心の健康管理教育の実施、各事業所の産業医による面談など、疾病の予防・未然防止に取り組んでおります。また全社員1人1個、「自分自身の健康を増進する・維持する施策」を立て実行し、健康意識の底上げにつながる施策を行っております。各種健康支援の推進にあたっては、経営会議において社員の健康課題の解決・改善に向けた様々な取り組みの方向性について議論し、健康増進施策を積極的に取り組んでおります。こうした健康経営体制の整備を進め、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」に基づく健康経営優良法人(2024)の認定を受けました。

 

③リスク管理 

人口動態や社会環境変化による人材確保や人材育成のリスク・機会の特定を行っております。特定したリスク・機会は、リスク管理委員会・人材育成会議にて報告・検討を行い、採用戦略や人材育成施策へ反映し対策を実施しております。コンプライアンス違反リスクに関しては、社内通報制度を設置するとともに、コンプライアンス委員会にて報告・検討を行うなど、啓蒙活動を含めたリスク低減活動を実施しております。なお、人的資本に関するこれらの活動は、取締役会へ定期的に報告されています。

また、年に1回実施しているエンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)と定期的に実施する管理職を対象とした360度フィードバックを通じて、「働きがい」と「働きやすさ」の現状把握と各組織の課題抽出を行っております。エンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)の回答率は全社員の97%と非常に高く、仕事のやりがいや主体性と成長実感などの効力感が年々改善しております。診断結果は期初の方針説明会で全社員に公開するとともに、各部門長を通じてメンバーへのフィードバックと必要な対策を実施しています。働きがいを向上させる取り組みの一つとして、年2回上司とメンバーによる目標管理育成面談と併せて 「キャリア自己申告制度」により従業員のキャリア希望を聞く機会を設けています。さらに社内の人材流動性と流出リスクの低減のため、オープンポジションに応募できる「社内公募制度」を導入し、従業員の自律的なキャリア構築に向けた支援を行っています。

人権尊重に関する取り組みについては、経営理念、経営方針および行動指針に基づく人権に関する最上位の方針として、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に基づき、2024年2月「東洋合成工業株式会社 人権方針」を制定いたしました。人が生まれながらにして持つ人間らしく生きる権利を尊重することは、社会的責任の中核をなすものであり、人を大切し、人権尊重を全ての事業活動における基盤としています。

今後も企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の動向把握に努め、施策の進捗状況、今後のリスク・機会等や施策進捗を踏まえ、戦略・施策等の検討を継続してまいります。

 

④指標及び目標

〈人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針の指標及び目標〉

 

目標

2023年度実績

ダイバーシティ

インクルージョン

1.女性管理職人数の増加

2024年3月末までに 10到達

2024年3月末現在 10名到達

2.女性活躍の推進

2024年4月1日~2026年3月31日までの2年間

①   女性が働きやすい職場環境整備に向けて、女性を対象とした社内アンケートを実施し、その中から1件以上実現

②   健康、医療、介護、育児などの相談窓口を設置し、年1回以上周知

③   育児・介護従事者への通勤支援策を検討

④   多様なキャリア・働き方の支援策を検討

2024年4月1日に新たに目標設定

3.男性社員の育児休業取得率の向上

2026年3月末までに 40以上

2024年3月末現在 57.7

(平均取得日数 29日)

4.障がい者法定雇用率の達成  2.5

2024年3月末現在 2.7

健康・安全

健康経営優良法人2025 認定

健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定

 

(注)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率についての実績は、「第1企業の状況 5従業員の状況 (3) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異」に記載しております。