2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    972名(単体)
  • 平均年齢
    37.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.2年(単体)
  • 平均年収
    6,746,293円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -4.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社は、経営理念に掲げる「人財・創造性・科学技術」を事業成長の源泉と捉え、事業成長を組織成長につなげることを人材戦略の基本的な考え方としております。安全操業、品質・安定供給、研究開発、生産性向上等を支えるためには、人材の確保・育成に加え、社員一人ひとりが組織の中で力を発揮できる環境づくりが重要であると認識しております。

その環境づくりにおいては、人の心を大切にし、対話を通じた自己理解・他者理解と関係性の質の向上を重視しております。互いを理解し合う関係性こそが、良いチームワークを育み、創造性の発揮や現場の改善、新たな価値創出につながると考えております。

こうした考え方のもと、人材戦略においては、社員一人ひとりが自らの役割や必要なスキル、キャリアの方向性を理解し、主体的に成長できる環境づくりを重視しております。また、専門性の向上と組織としての連携を重視し、顧客価値を向上する組織づくりを目指しております。

今後も、人権尊重、モラル、公正性、多様性の尊重を人材戦略の土台としながら、対話と関係性を基盤に、人と組織の成長を事業成長につなげ、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

972

37.0

10.2

6,746,293

△4.9

 

平均年間給与については、業績連動による賞与支給が含まれております。

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

感光性材料事業

629

化成品事業

252

全社(共通)

91

合計

972

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.臨時雇用者数は、従業員数の100分の10未満であるため、その記載を省略しております。

3.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 労働組合の状況

①  名称

JEC連合化学一般千葉県本部東洋合成支部

②  上部団体名

JEC連合化学

③  結成年月日

1963年1月16日

④  組合員数

23名

⑤  労使関係

労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

 

 

  (3) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率および従業員の男女の賃金の差異

 

当事業年度

 

管理職に占める

女性従業員の割合

(注)1

男性従業員の育児休業取得率

(注)2

従業員の男女の賃金の差異(注)1

 

全従業員

正規雇用従業員

パート・有期従業員

 

6.0%(△0.4)

100%(+20.0)

82.5%(△6.1)

87.9%(△6.0)

51.2%(△12.1)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男性従業員の育児休業取得期間詳細

1週間未満

1週間~1か月未満

1か月~3か月未満

3か月以上

0%

25.0%

34.4%

40.6%

 

 

〈労働者の男女の賃金差異の要因と今後の対応〉 

   当社では、従業員の基本給において、性別に関係なく、能力と実績に応じた公正な評価と制度に基づく賃金の決定を行っております。女性活躍の一つの指標である男女の賃金差異については、等級別人数構成の差と基本給以外の諸手当によるもので、職種にかかわらず、全体に占める女性従業員数が少ない状況であることが要因であると捉えております。

   製造業という業種ゆえに深夜勤務や交代勤務を伴う製造職において、男性比率が相対的に高い要員構成となっております。将来の管理職の母集団となる女性従業員を増やしていくため、ライフイベントに応じた働き方の制度拡充を行い、女性の定着率をさらに向上させ、格差の是正を進めてまいります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は持続可能な社会の実現を重要課題として捉え、持続的な企業価値向上の観点から、事業への影響、社会・環境への影響及びステークホルダーの関心を踏まえ、サステナビリティに関する重要な課題を認識しております。具体的には、安全操業、安定供給、品質・信頼性、研究開発、人材の確保・育成及び活躍推進、気候変動対応、環境負荷低減、責任あるサプライチェーン管理、人権尊重及びコンプライアンス等を、当社の事業成長、競争優位性及び事業継続性に影響を及ぼす事項として位置付けております。これらは、化学メーカーとして社会的責任を果たしながら中長期的に企業価値を高めていくうえで重要であると考えております。この考えのもと、化学メーカーとしての責任(安全・環境)、素材産業としての責任(品質、安定供給)、人々の未来を支える責任(研究開発・人材育成・サステナビリティ)という3つの観点での活動を推進しております。安全操業や環境負荷低減は化学メーカーとしての事業基盤そのものであり、品質・安定供給は素材産業として取引先からの信頼を支える根幹です。また、研究開発、人材の確保・育成及び活躍推進、気候変動対応等は、中長期的な競争力の維持・向上と持続的成長の実現に不可欠であると認識しております。特に気候変動関連につきましては、地球環境や社会の持続性の観点から脱炭素社会への移行に貢献するとともに、当社の持続的成長を可能にするためにも事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減に努めてまいります。また人的資本関連につきましては、日々の企業活動を支える「人材」が何よりも大切であるとの考えのもと、多様性の確保や人材育成、働きやすい環境づくりを通じて、社員一人ひとりがやりがいを持って働き、持てる力を最大限に発揮できる組織づくりを目指してまいります。

こうしたサステナビリティの取り組みについて、2025年度は取締役会にて2回報告(2025年11月25日、2026年2月6日)を受けて監督するとともに、具体的な展開を継続的に確認しています。また取引先との共存共栄の構築を目指し、2025年3月に「マルチステークホルダー方針」及び「パートナーシップ構築宣言」を公表しております。企業経営においては株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、今後も取り組みを進めてまいります。

なお、上記の将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであり、保証するものではありません。

 

(1)気候変動関連

① ガバナンス

気候変動に関する問題を、サステナビリティ、リスクマネジメントの重要課題として認識しております。社内での推進体制といたしましては、代表取締役社長を委員長とする環境安全委員会にて1年の総括および今年度の目標を設定し、 CO₂排出量の削減、省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入といった具体的な施策およびリスクの洗い出しを行っております。また、四半期に1回リスク管理委員会にて環境関連施策の取り組み状況の進捗報告・審議を行い、各取り組みについての進捗状況を集約しております。その内容は2025年度は2回(2025年11月25日、2026年2月6日)取締役会に報告され、取締役会の指示・監督のもと活動に取り組んでおります。

 

② 戦略

当社は、持続可能な社会の実現に向けて、CO₂排出の削減を重要課題と認識しております。施策の実効性を高めるには定量的把握が不可欠なため、事業所毎に生産などの消費エネルギー(電気・蒸気・燃料)の可視化を図り、そのエネルギー原単位の推移を確認、製造工程や設備を見直し、その改善状況を月次、四半期、半期、年次で確認することによりエネルギー消費の最適化を図っており、各事業所ごとの取り組み成果を定期的に集計し、事業全体での課題と成果を分析・共有する体制を構築しております。さらに自らが排出する温室効果ガスの削減として、2030年の目標達成までの課題、期日などを明確化するために「ロードマップ」や「アクションプラン」を策定しております。2025年度にはScope3の算定を進め、TOYOGOSEIレポートにて開示いたしました。2023年度に設定したScope1+2削減目標を開示し、目標に向けて取り組みを推進しております。また、当社製品に関わる温室効果ガスを的確に把握することが必要なため、製品のカーボンフットプリント(原料採掘から製品生産までの温室効果ガス算定)に関する取り組みも推進しております。2025年度は、算定のシステム化を進め、一部製品については提供を開始しております。また、当社事業の「リスクと機会」については以下の通りです。当社では、事業における気候関連リスク・機会を特定・抽出し、それらの性質を評価しております。今後は特定したリスク・機会について分析を進めてまいります。

 

<リスク>

 

移行リスク

規制

炭素税等の新たな環境関連規制の導入による事業コストの増加

サプライチェーン変化に起因する原材料調達難、原材料価格の上昇、エネルギーコストの上昇

法的

重大な環境法令等の違反による訴訟や事業停止

評判

温室効果ガスの排出規制等に適合できないことによる企業レピュテーションの低下

 

物理的リスク

気候変動を起因とした大規模な自然災害による事業運営への影響や当社の施設等の損壊

 

 

    <機会>

温室効果ガス排出量削減に資する再生可能エネルギーの活用、スマートグリッド、EVなどの最新技術を支える先端半導体向け当社製品の需要増加、精製技術を活用した溶剤リサイクルによる温室効果ガス排出削減などを事業拡大機会として捉えております。その中で、脱炭素社会実現に向けたNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラムに国立大学法人大阪大学と共同で参画しており、最先端半導体プロセスでの電力使用量削減に取り組んでおります。

また当社は、再生可能エネルギー電力やエネルギー効率の高い装置の導入などを運営コスト削減の機会と考えております。さらに、当社では生産プロセスで使用した有機溶剤を分別回収し有価物として回収することで、廃棄物の削減および資源の有効活用を推進しております。加えて、当社独自の高品位な蒸留精製技術を活用し、使用済み溶剤や触媒をマテリアルリサイクルによって再生する取り組みを行っており、環境負荷の低減にも寄与しています。なお、他社で排出された廃溶剤を当社の精製技術により再資源化し、再使用可能な溶剤として供給することで、循環型社会の形成にも貢献しております。また当社内で排出される廃溶剤のうち再精製が困難なものについては、ボイラー燃料としてサーマルリサイクルを行い、資源の循環利用と廃棄物削減を図っております。

 

③リスク管理

気候変動の事業運営への影響を把握し評価するため、気候変動リスク・機会を特定しております。特定したリスク・機会は戦略策定、事業運営に反映するよう努めており、リスク管理委員会などの会議体において対応を協議のうえ、その進捗は取締役会へ定期的に報告されております。またエネルギー原単位を月次で確認し、エネルギー使用量の低減に向けた設備の検討、損害保険会社によるリスク評価を参考に大規模災害リスク対策などを進めております。また当社は、気候変動を社会全体に共通する重要な課題と認識しており、この課題の解決に貢献することを企業の責務と捉えております。その責任を果たすため、社員一人ひとりが社会の一員として自らの業務や日常の行動と結び付けて取り組めるよう、社内における啓蒙活動や教育の強化に努めております。このような全社的な環境意識の醸成と自律的な行動変容を促進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。今後も企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の動向把握に努め、今後のリスク・機会等や施策進捗を踏まえ、戦略・施策等の検討を継続してまいります。

 

④指標及び目標

当社は気候変動に対応するため、環境負荷軽減のための目標を下記の通り設定しております。

Scope1+2

2030年度までに32%削減(2013年度比)

省エネ対応

エネルギー使用を原単位で前年比1%削減

 

 

これらの目標に向かって、電力量に注目し(CO₂排出量の約40%程度)グリーン電力化の計画を立案し、2023年から淡路工場で使用比率を50%に引き上げております。また、2026年度には、香料工場における使用電力の100%をグリーン電力へ切り替える予定としております。2024年度は今後のエネルギー消費をより正確に予測し、効果的な省エネ施策の特定とその実施効果を測定・評価できるように、装置ごとのエネルギー消費の可視化を進めました。そのほか月次でエネルギー消費確認と施策評価を行い、エネルギー消費削減や生産プロセス改善、非化石電力導入、省エネ設備の導入、再生エネルギー活用などを推進しております。目標達成のためこうした取り組みを強化し、社会全体のカーボンニュートラルへ貢献していきます。

 

 

(2)人的資本関連

①ガバナンス

企業の持続的成長のためにはコーポレートガバナンスの強化が重要であり、人的資本に関する施策についても経営レベルでの監督と実効性の確保が求められます。当社では人的資本に関する重要施策を取締役会の決定・監督のもとで推進するとともに、取締役会の実効性評価を踏まえた取締役会運営の高度化を図っております。また指名・報酬諮問委員会、経営会議、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等が連携し人材戦略や組織課題を横断的に共有・議論することで、迅速な意思決定と監督機能の強化を図っております。

 

②戦略

〈人事基本方針〉

当社は持続的成長に向け「人材」が何よりも大切であると考え、以下の人事基本方針を定めております。

 1. チャレンジ精神

  チャレンジ精神を持って、困難を乗り越え、革新的な成果を出した社員を評価し、正当に処遇していく

2. 積極的な人材育成

    自らのキャリア開発に向けて、積極的に自己研鑽に励む社員を支援する

3. オープン&フェア

    客観的かつ公平で高い納得性が得られるようオープンに推進する

4. 安心して働ける職場環境

    社員が安心して働ける職場環境・制度を整えていく

 

化学メーカーの責任として、安全操業は最重要課題であり、社員一人ひとりが安全を実感できる職場環境をつくるとともに、エンゲージメント向上につながる働きやすい環境づくりの推進と、個人の状況に合わせた育成を行っております。

 

〈対話と関係性〉

重要な経営課題である安全文化の醸成に向けて、当社では、関係性の質の向上と心理的安全性の確保を重視しております。社員同士が率直に意見を交わし、課題を共有できる状態をつくることが、個々の成長や組織の改善につながり、結果として人的資本の充実と事業の持続的成長に資すると考えているためです。2025年度は、こうした考え方が現場にも浸透し、組織内の関係性に課題がある場合に、チームビルディングやワークショップ等の実施が自然に打ち手として挙がるようになりました。これは、関係性の大切さ、心理的安全性、対話を通じてつながりを深めること、互いに向き合うことの重要性に対する理解が進み、現場においても浸透が進んだ結果であると認識しております。また、実際の取組を通じて、関係性の改善が対話の活性化につながり、それが課題解決や組織運営の改善に結びつくことを現場が体感しています。当社は、このような取組を人的資本経営の本質と捉え、今後も経営と現場、また社員同士の対話とつながりを基盤に組織づくりを進めてまいります。

アクション

日程(2025年度)

目的

効果

チームビルディング(課長+係長)

5月15日

関係性強化、傾聴・フィードバックの基礎形成

管理職間の対話の質向上

チームビルディング(課長+監督職)

8月6日

階層間の相互理解促進、対話の拡張

組織内コミュニケーションの活性化

チームビルディング(全管理監督職)

9月11日

組織全体(管理監督職)の心理的安全性向上

闊達な意見交換が実現し、心理的安全性が向上

人事部長との「語りの場」(一般職)

12月12日・18日・24日

悩み・不安の共有、自己理解・相互理解の促進

現場の声の可視化、関係性の深化

工場全体チームビルディング

3月28日

ビジョン理解の深化と自分ごと化

価値観とビジョンの接続による行動変容の促進を期待

 

※工場全体チームビルディングでは、ビジョンの意義理解に加え、リーダーによる発信、活動の振り返り、「伝える・伝わる」対話の実践を通じて、個人の価値観と組織ビジョンの結び付けを促進しております。

 

 

〈エンゲージメント〉

当社では、エンゲージメント向上を、従業員一人ひとりが自らの役割や仕事の意義を実感し、対話や協働を通じて互いを認め合い、主体的に力を発揮できる状態を高めていくことと捉えております。そのため、一過性のイベントにとどまらず、日常の業務や職場運営の中で、参加・対話・承認の機会を積み重ねることを重視しております。2025年度は、安全文化醸成に関するアンケート結果の改善も見られ、従業員一人ひとりが、自ら課題に関わる風土づくりが進展しました。OJT発表会、参加型ワークショップ、安全を考える会等を通じて、従業員が自分の考えを発信し、その意見が工場運営や職場改善につながる機会を設けております。また、表彰制度や若手社員による新卒座談会等は、承認や相互理解、自らの役割の再認識の機会となっており、将来のリーダー候補やリクルーターとしての意識醸成にもつながるものと考えております。加えて

当社がスポンサーを務める千葉ロッテマリーンズとの冠試合「東洋合成スペシャルデイ」においては、84名の有志社員によるプロジェクト活動で運営されました。普段なかなか顔を合わすことのない各拠点の社員が準備段階からそれぞれの役割を担い、イベントを成功させました。当日は、当社社員がご家族とともに約600名が球場に訪れました。実施後のアンケートでは参加満足度も98%と非常に高く、「関わりがない社員と話す機会や、一緒に業務をしているメンバーとも仕事以外の会話ができた」、「協力してお客さまに喜んでいただけるイベントを作り上げることを体感できた」、「当社を知っているお客様も多く、恒例のイベントとして定着し始めている」といった声も聞かれ、部門横断的な取組は、他拠点・他部門の協働や自社への誇りの醸成に寄与しております。

当社は、このような日常の参加・対話・承認と、部門横断的な協働機会を通じて、従業員一人ひとりが組織とのつながりや自らの役割と、その意味を実感し、主体的に行動できる環境を充実させていくことを重視しております。今後は、こうした関係性や主体性を通じて、職場改善や業務運営の高度化、さらには企業価値向上へと結びつけていくことが、エンゲージメント向上の本質であると考えております。

 

〈人材育成〉

人事基本方針のもと、社員が安心して働ける職場環境・制度を整え、事業成長と人材育成を両立できる体制づくりを目指しています。当社では「安全文化の醸成」「人と組織の成長」のいずれにおいても、「対話と自分ごと化」が非常に重要だと考えています。対話を通じて自己を認識し、他者との関係性の中で自らの役割や将来を考えることが、主体的な成長の土台になると認識しているためです。こうした考え方は、エンゲージメント向上に向けた取組ともつながっており、人材育成においても基盤になるものと位置づけています。こうした土台の上で、能力開発については、新入社員から上級管理職に至るまでの長期的な視点から、それぞれの段階で必要となるスキルを定め、学習・経験する機会を提供し成長を支援しています。また成長には、社員一人ひとりが自らの学びやキャリアについて考える機会が重要であると考え、Will・Can・Mustを活用したキャリア研修により、自己の個性と強みを理解し、活かすためのキャリアを考える機会を設けるとともに、社内キャリアカウンセラーによるキャリアサポートなど積極的な支援を進めております。2025年度は、管理職向け現任者研修も開始し、管理職に向けたリスキリング(学び直しの機会)を設けております。これは、管理職自身が自己理解・他者理解を深めるとともに、部下との対話を通じて一人ひとりの成長やキャリアを支援できる環境を目指すものです。また一般的に氷山モデルで言うところの水面下にフォーカスし、人との関係性の構築や対話の土台づくりとなる研修も、役員を含む管理職層から実施しました。さらに、人的資本に必要なデータの見える化の拡充とあわせ、タレントマネジメントシステムのさらなる活用を進め、一人ひとりの経験やスキルに応じた育成を進めていきます。また、サクセッションプランの取組もスタートし、対象ポジション、候補者の発掘方法、評価基準、育成方法を含めて検討を進めています。今後も、階層別研修、マネジメント研修、リーダー育成、キャリア形成支援、チームビルディング等の施策を通して、対話と関係性を基盤に、社員一人ひとりが自らの成長やキャリアを考え、主体的に学びを深める人材・組織づくりを進めてまいります。

 

[研修体系図]

 


 

〈ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン〉

当社は「人材」が何よりも大切な資本であると考え、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下DE&I)を推進し、社員一人ひとりの価値観や経験、置かれた環境の違いを理解し、尊重し合うことで、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮し、イキイキ働くことができる企業文化の醸成を目指しています。人権方針に基づき、国籍、年齢、性別、中途採用者等による制限を設けず、公正な選考や評価に基づき多様性のある管理職や中核人材の登用に努めております。2025年度はDE&Iに対する社員アンケートを実施し、回答率は70%を超え、管理職の回答率は8割を超えるなど、関心の高さがうかがえました。その結果、DE&I活動への肯定的な理解度は60%(前回49%)、推進活動の認知度は66%(前回51%)に向上し、活動に対する理解が高まっております。

 また、多様性への理解と相互理解を生み出すため、子育て経験シェア会、介護研修等を実施するとともに、ワークライフバランスの観点から人事制度を適時見直し、働き方に関する制度整備を進めております。特に子育て経験シェア会では、実体験の共有を通じて、育児を性別にかかわらず自分ごととして捉える理解が進み、両立支援に関する職場風土の醸成にもつながっております。こうした理解の進展と職場風土の醸成を背景として、2025年度の男性社員の育児休業取得率は100%となりました。さらに、非正規社員の処遇見直し、転勤・出張手当の見直し、管理職向けの仕事と介護の両立支援研修等を通じて、多様な背景を持つ社員がそれぞれの状況に応じて能力を発揮できる環境整備を進めております。 今後も、公平性と多様性を尊重する観点から、制度・環境の整備とあわせて、自己理解・他者理解を深める機会を広げてまいります。こうした取組を通じて、多様な人材が互いの違いを認め合いながら能力を発揮できる組織づくりを進め、エンゲージメントの向上につなげてまいります。

[主な取り組み]

項目

制度・施策

処遇改善

非正規社員処遇見直し

ワークライフバランス

・子の看護休暇見直し

・生理休暇運用見直し

・育児介護勤務者通勤支援

研修

・管理職向け(昇格時研修)

・子育てシェア会(1回開催)

・介護研修の実施(40才社員必須)

 

 

 

〈健康・安全〉

当社は、経営理念・行動指針で「安全を最優先」に掲げ、安全衛生方針のもと、従業員ひいてはその家族の幸せのため、心身ともに健康で安心して働くことのできる職場づくりを推進しております。従業員のメンタルヘルス不調の一次予防や職場環境改善にもつなげるため、エンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)、毎年のストレスチェック、心の健康管理教育、各事業所の産業医による面談などを継続的に実施、疾病の予防・未然防止に取り組んでおります。また、労働災害の防止に向けては、職場に潜む危険源や不安全な状態を把握し、現場の声をもとに改善につなげることが重要であると考えております。そのため、安全パトロールや安全衛生委員会等おける対話の機会を通じた課題の共有・改善に加え、社員が不調や違和感、職場の課題を安心して共有できる関係性づくりにも取り組んでおります。2025年度は、昨年に引き続きプレゼンティーイズム(職務遂行のなかで、心身の不調等により本来の力を十分に発揮できていない状態)の測定と改善を実施し、社員が自らの健康状態を把握し、日々の生活習慣や働き方を見つめ直す機会としております。また、2026年度実施予定としていたユトレヒト・ワークエンゲージメント(仕事に対する活力・熱意・没頭の状態を測定する指標)の測定を前倒しで開始しました。今後は、その結果を踏まえ、従業員がよりいきいきと働くことができる環境づくりに向けた施策の検討・推進を行ってまいります。さらに、女性特有の健康問題に関するセミナーの開催や、感染症予防対策の継続実施などを通じて、多様な社員が安心して就業できる環境整備に取り組んでおります。こうした健康支援の推進にあたっては、経営会議において社員の健康課題の解決・改善に向けた様々な取り組みの方向性について議論し、健康経営に取り組んでおります。こうした継続的な取組の結果、当社は健康経営優良法人に3年連続で認定、スポーツエールカンパニーにも認定されており、当社の健康経営に関する取組は着実に進展しております。今後は、プレゼンティーイズムやワークエンゲージメントの測定結果も活用しながら、社員の健康状態や働き方に関する現状把握をさらに進め、必要な改善施策の検討・推進を通じて、より安心して働き続けることのできる職場づくりと、働きやすさの向上につなげてまいります。

 

〈地域共生〉

 当社は、将来の人材育成、人材確保および技術基盤の強化に向け、大学から小学校まで幅広い教育機関との連携や、地域社会との交流活動に積極的に取り組んでおります。これらの活動は、次世代人材の育成や採用基盤の強化に加え、従業員自らが仕事や事業の社会的意義を再認識し、社会とのつながりの中で当社の存在意義を捉え直す機会になるものと考えております。教育機関との連携においては、講義・見学受入れ・体験学習・共同研究等を通じて、化学産業や当社事業への理解促進に努めております。また、地域イベントや交流活動への参加・協賛、文化活動の開催等を通じて、地域住民との双方向のコミュニケーション機会を創出しております。これらの活動では、若手社員を含む幅広い従業員の主体的な参画を促進しており、組織への帰属意識や仕事への誇りの醸成にもつながっております。さらに、従業員が社外との多様な接点を持ち、自らの業務を自らの言葉で説明する経験を重ねることは、専門性に加え、広い視野や対話力を備え、社会との関係性を意識して考え行動できる人材の育成につながるものと考えております。また地域イベントにおける化学体験や企画ブースの運営等を通じて、来場者に当社事業への理解を深めていただくとともに、社員自身が地域社会とのつながりを実感する機会にもなっております。こうした継続的な地域共生活動により、地域社会との信頼関係の構築や当社認知度の向上が進み、中長期的には人材確保や従業員エンゲージメントの向上、さらには持続的な企業価値の向上にも寄与するものと考えております。今後も、地域社会との対話と協働を重視し、社会とともに成長する企業を目指してまいります。

 

③リスク管理

人口動態や社会環境変化による人材確保や人材育成のリスク・機会の特定を行っております。特定したリスク・機会は、リスク管理委員会・人材育成会議にて報告・検討を行い、採用戦略や人材育成施策へ反映し対策を実施しております。コンプライアンス違反リスクに関しては、社内通報制度を設置するとともに、コンプライアンス委員会にて報告・検討を行うなど、啓蒙活動を含めたリスク低減活動を実施しております。なお人的資本に関するこれらの活動は、取締役会へ定期的に報告されています。また、生産年齢人口(15才~64才)の減少に伴い厳しくなる採用環境や人材流動化により、企業成長を支えるために必要な人材が不足してしまうことを重要なリスクと考えております。そうした状況下での持続的成長には、選ばれる企業になること、また継続的に働いていただくことが必要と考え、労働環境改善やエンゲージメント向上施策を毎年強化しております。

 

 

〈エンゲージメント〉

年に1回実施しているエンゲージメントサーベイ(組織感情診断Ⓡ)を通じて、「働きがい」と「働きやすさ」の現状把握と各組織の課題抽出を行っております。2025年度は10回目の実施となり、回答率は97%と高い水準を維持しております。2025年度は、上期の業績や各職場の置かれた状況の影響もあり、全体としてはわずかに低下しました。一方で、標準値以上の職場は増加しており、各職場で改善に向けた取組を進める中で、その成果が表れ始めております。当社では、診断結果を期初の方針説明会で全社員に公開するとともに、各部門長を通じてメンバーへのフィードバックと必要な対策を実施しています。さらに2025年度はHRBP(経営と現場に寄り添い、人に関する課題を支援する人事担当)を中心に各組織単位での分析と対応策の検討を進めており、職場ごとの課題に応じた改善に取り組んでおります。また働きがいを向上させる取り組みの一つとして、年2回の目標管理育成面談とあわせて「キャリア自己申告制度」により従業員のキャリア希望を聞く機会を設けています。さらに社内の人材流動性と流出リスクの低減のため、オープンポジションに応募できる「社内公募制度」を導入し、従業員の自律的なキャリア構築に向けた支援を行っています。加えて、各職場における関係性の質と対話の質を高め、上司と部下が本音で課題を共有し、改善につなげられる職場づくりを進めております。

今後も、エンゲージメントサーベイを通じた現状把握に加え、各組織の状況に応じた対話や改善施策、管理職による部下育成・キャリア支援の充実を進めることで、従業員一人ひとりが自らの役割や成長を考え、主体的に力を発揮できる職場づくりにつなげてまいります。

 

〈人権〉

人権尊重に関する取り組みについては、経営理念、経営方針および行動指針に基づく人権に関する最上位の方針として、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に基づき、2024年2月「東洋合成工業株式会社 人権方針」を制定いたしました。人が生まれながらにして持つ人間らしく生きる権利を尊重することは、社会的責任の中核をなすものであり、人を大切にし、人権尊重を全ての事業活動における基盤としています。2024年度は役員をはじめ全従業員を対象として、人を尊重することの重要性や「人権」に関する正しい認識を深めるための人権・コンプライアンス研修を実施し、全社員が受講しました。2025年度からは、新入社員研修に同研修を組み込むとともに、中途採用者に対しても、入社後半年を目途に受講機会を設けております。こうした取組に加え、職場における対話や関係性づくりを通じて、人権やハラスメントに関する課題意識の醸成が進み、課題の把握、適切な対応、再発防止に向けた取組の実効性向上につながっております。また自社内にとどまらず、サプライチェーン全体での人権尊重にも取り組むため、取引慣行の遵守および共存共栄の構築の観点から、サプライヤー様からの相談窓口も設置しております。サプライチェーン上で人権侵害やコンプライアンス上の懸念が確認された場合には、担当部門との協議の上、適切な対応と再発防止策を実施いたします。

今後も、人権尊重を事業活動の基盤に据え、継続的な啓蒙活動と実効性ある運用を通じて、適切な人権対応に努めてまいります。

 

④指標及び目標

〈人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針の指標及び目標〉

 

目標

2025年度実績と今後の方針

2024年度実績

ダイバーシティ・エクイティ

インクルージョン

1.女性活躍の推進

2024年4月1日~2026年3月31日までの2年間

① 女性が働きやすい職場環境整備

 に向けて、女性を対象とした社

 内アンケートを実施し、その中

 から1件以上実現

② 健康、医療、介護、育児などの

 相談窓口を設置し、年1回以上周

 知

③ 育児・介護従事者への通勤支援

 策を検討

④ 多様なキャリア・働き方の支援

 策を検討

・定点観測としてのDE&I社内アンケート実施

・生理休暇運用見直し

・通勤支援施策:実施済

・多様な働き方支援として、転勤/出張手当の見直し:制度変更済

・アンケートの検討

・相談窓口:設置検討

・多様な働き方支援とし

 て、転勤/出張手当の検討

 

男性社員の育児休業取得率の向上

2026年3月末までに40以上

目標達成済み

2026年3月末現在 100

※育休取得期間は1か月以上取得が75%以上

 に向上

2025年3月末現在 80.0

※育休取得期間は1か月以

 上取得が60%以上に向

 上

障がい者法定雇用率の達成  2.5

目標達成済み

※次年度法定雇用率引上げ(2.7%)に向け

 対応検討継続

2025年3月末現在 2.7%

4.プラチナくるみん認定

・2023年4月~2026年3月 行動計画(実績)

 により認定申請

・2026年4月~2029年3月 行動計画策定

 継続認定を目指す

健康・安全

健康経営優良法人継続認定

 

健康経営優良法人2026(大規模法人部門)

認定

目標達成済み(2024年度前倒し)

2025年度も認定済み

健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定

 

(注)男性従業員の育児休業取得率についての実績は、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等 (2) 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異」にも記載しております。