2026年1月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 6,689 100.0 339 100.0 5.1

3【事業の内容】

 当社は、「人と人をつなげて世界中の人々の生活を豊かに変えます」というミッションのもと、あらゆる人の集まりをオンライン化し、快適に双方向のコミュニケーションを行える場の提供、及びその利用者が様々なコミュニケーション活動をすることにより経済が発生する仕組みの実現を目指して、ライブ配信(*1)サービス「ツイキャス」のサービス企画、開発、運営を主たる業務としております。当社は、「ツイキャス」をライブ配信コミュニケーションプラットフォームと位置づけており、また、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであります。

 

(補足)*1 「ライブ配信」とは、PCやスマートフォンから、映像と音声をリアルタイムに他者へ届けることです。「動画」と比較し、ライブ配信をする側と視聴する側の間でよりリアルタイム性に特化したやりとりをすることが可能となっています。

 

(1) 当社の事業内容

 当社が運営する「ツイキャス」は、ユーザーが、PC、スマートフォン、タブレット等からウェブブラウザや専用のアプリを使って、動画や静止画・音声をライブ配信することができるサービスです。ユーザーは自ら実際にライブ配信を行う配信者とそのライブ配信された動画や音声を視聴する視聴者に大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができます。配信者によるライブ配信は、原則として「ツイキャス」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。視聴者は、ライブ配信画面内に設置されているコメント機能やアイテム機能を用いて、配信者や他の視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。また、配信者は、「ライブ収益」(*1)機能を通して、ライブ配信を収益化することも可能です。

 

(補足)*1 「ライブ収益」とは、自身のライブ配信において使用されたアイテム数や配信の録画が閲覧された回数など一定の条件に従って当社から報酬を支払う仕組みを指します。

 

 

 「ツイキャス」は、2010年のサービス開始以来、10代・20代の男女を中心にユーザーを獲得しており、2024年5月末時点の累積登録ユーザー数は4,000万に達しております。また、「ツイキャス」ユーザーの男女別及び年齢別構成比は以下のとおりとなります。

 

 

 (注) 1.累積登録ユーザー数は、サービス開始以降、「ツイキャス」にログインしてサービスを利用した

      ユニークユーザー数を集計しており、2024年5月末時点の数値を記載しております。

    2.ユーザーの性別分布及び年齢分布は、2025年2月1日から2026年1月31日までの1年間を対象とした

      実績値を集計しております。集計データは全て、フラー株式会社が提供するアプリ分析サービス

      App Apeから入手したものを利用しております。

 また、「ツイキャス」の国内ライブ配信アプリ市場におけるポジションといたしましては、主要ライブ配信アプリ12タイトルのMAU比較(2026年1月末時点)において、21.0%のシェアを獲得している状況となります。なお、MAUとは、Monthly Active Users(月間アクティブユーザー数)の略で、特定の月に1回以上の利用や活動(活動例:「ツイキャス」でログインや配信、コメント、視聴など)があったユーザーの数を指します。

 

 

 (注) 1.国内ライブ配信アプリ各社のMAU比率は、フラー株式会社が提供するアプリ分析サービスApp Ape

      から入手した2026年1月末時点の情報を元に自社で集計しております。なお各比率を計算する際に

      使用した母数は、対象とした12アプリの各MAUの合計となります。

    2.スマートフォンなどを使った動画の生配信及びそれらの視聴を主目的としたアプリが対象と

      なります。YouTube、Instagram、TikTok等、ライブ配信機能を有するSNSサービスについては、

      対象に含まれておりません。

 

 当社では、「ツイキャス」に付随する様々なサービスも提供しております。

 2015年4月には、「ツイキャス」を利用する一般ユーザーが、コンサート、オフ会(*1)などのオフラインで行われる各種イベントの電子チケットや自作のイラスト及び音楽等のデジタルデータを売買できるオンラインストア「キャスマーケット」(2025年7月に名称を「ツイキャスプレミア」へ変更しております。)を開設しています。また、2020年3月には、「ツイキャス」上で、有料でライブ配信を行える「プレミア配信」機能を公開しました。「プレミア配信」では、単に有料コンテンツを一方的に見るだけではなく、ライブ主催者や参加者が一体となってコミュニケーションを楽しむという新しい価値を提供しており、ライブ配信の録画をアーカイブとして再販可能というユニークな特徴もあると当社は考えており、常時2,000件以上の開催予定が登録されています。また、登録される有料ライブ配信は、音楽にとどまらず、落語や演劇まで幅広い範囲に広がっており、30代後半以上のユーザー層が新たに「ツイキャス」を利用いただくきっかけとなっていると当社では分析しております。

 2020年11月には、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者がサブスクリプション(月額課金)で継続的に応援することができる「メンバーシップ」機能の提供を開始しました。また、2022年8月には、「メンバーシップ」の加入者専用のアプリ「メンバーシップSTAR」をリリースし、配信者及び加入者双方がより深いコミュニケーションを楽しめる仕組みを提供しております。

 

(補足)*1「オフ会」とは、「ツイキャス」や各種SNSなどを通じてオンライン(仮想世界)で知り合った人と、現実世界(オフライン)で会うことを意味します。実際に会ってメンバー間の親交を深めることが主な目的で、共通の趣味を持つ人と友達になれるといったメリットがあると当社では分析しております。

 

 以上を踏まえ、当社が運営する「ツイキャス」を構成する主なアプリ・ウェブサイトは以下となります。

名称

概要

ツイキャス・ライブ

 

 

種別:アプリ(iOS版)

 

「ツイキャス」でライブ配信をするためのアプリです。

誰でも手軽に配信できるように、アプリを立ち上げてからボタン一つで配信を開始できるように設計されています。

ツイキャス・ビュワー

 

 

種別:アプリ(iOS版)

 

「ツイキャス」でライブ配信を視聴するためのアプリです。

アプリを開くと、初めのページに現在配信中のライブ配信の一覧が表示されていて、視聴者は見たい配信をタップすると映像や音声が流れてきて視聴を開始できます。

いわゆる「お気に入り」機能もあり、視聴者は好きな配信者をお気に入り登録(「ツイキャス」では「サポーター登録」と呼称しています)することにより、登録した配信者が配信中の場合は、アプリのトップページに表示される、ライブ配信を開始すると、自分の端末に通知が届くといった利点があります。

ツイキャス

 

 

種別:アプリ(Android版)

 

「ツイキャス」でライブ配信・視聴の両方ができるアプリです。Android版があります。

 

※上に記載の「ツイキャス・ライブ」アプリ及び「ツイキャス・ビュワー」アプリの統合版です。

 

 

「ツイキャス」をウェブブラウザで利用するためのサイトです。

PC、スマートフォン、タブレット等からアクセスしてライブ配信やライブ配信の視聴ができます。

ツイキャスメンバーシップSTAR

 

 

種別:アプリ(iOS版・Android版)

 

「ツイキャスメンバーシップSTAR」は、「ツイキャス」内の月額制コンテンツ「メンバーシップ」を利用する配信者と「メンバーシップ」に加入中の視聴者(メンバー)を対象とした専用アプリです。

配信者はメンバー限定のライブ配信に加え、メンバーに向けてテキストメッセージや写真、動画を投稿することができます。これらの投稿内容はアプリをインストールしたメンバーのみが閲覧でき、またメンバーはそれらの投稿に対して返信や「いいね」をすることで、より深いコミュニケーションを楽しむことができます。

 

 

「ツイキャスプレミア」は、ユーザーが有料のオンラインライブを「ツイキャス」上で開催することができる「プレミア配信」機能を備えたオンラインストアです。

ユーザーは、有料オンラインライブの視聴チケットを販売・購入できるほか、自身が制作したデジタルコンテンツや開催するオフラインイベントチケットの販売・購入も可能となっています。

 

 

(2) 当社の事業の特徴

 「ツイキャス」では、SNS(*1)連携機能を生かし、ユーザー自身が「ツイキャス」上で展開されるライブ配信をSNS上で拡散することで、新たなユーザーの獲得につながるという特徴があります。また、ライブ配信においては、配信者が一方的にコンテンツを提供するのではなく、視聴者がコメント機能やアイテム機能を使用してライブ配信に積極的に参加することで、配信者、視聴者ともにリアルタイムなコミュニケーションを楽しむことができます。これらのコミュニケーションを通して、視聴者は「もっと応援したい」等の思いからアイテム機能等を利用して課金を行うことで配信者を応援し、配信者は「もっと応援してもらいたい」等の思いからより良い配信を行うサイクルが発生するという特長があると当社では分析しております。なお、視聴者がライブ配信を視聴中に利用できるアイテムは、以下のとおりであります。

 

(補足)*1 「SNS」とは、Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、インターネット上でコミュニケーションを行える場を提供するサービスのことです。

 

アイテム名

説明

拍手

 

 

クラッカー

 

 

主に、配信を盛り上げるために使用されるアイテムです。

特にお茶は最も多く利用されるアイテムの一つであり、人気の理由は、配信へのねぎらいの意味を込めて 「ツイキャス」の文化として根付いていること、使用に必要なポイント数も少ないため気軽に使用できるためではないかと分析しております。

お茶

 

 

花火

 

 

お茶x10

 

 

ケーキ

 

 

 

 

 

 

コンティニューコイン

 

 

配信ライブを延長するためのアイテムです。5枚集めると、ライブを30分間延長できます。まとめて使用可能な、コインの5枚セットも提供しています。

お茶爆50

 

 

お茶爆100

 

 

配信者の特別収益対象アイテムです。視聴者は、有料ポイントを1pt以上所持していると、無料ポイント分と合算し、アイテム使用に必要なポイントを充足することで使用可能です。

スタンプ

 

   

 

スタンプには、様々な種類があり、視聴者が使用すると、その使用個数に応じて、使えるスタンプの種類が増えます。

 

「ツイキャス」のマスコットキャラクターである「ソノヒグラシ」や、他社のキャラクター等を利用したスタンプもあります。

 

スタンプには、表情豊かなキャラクターが使用されており、視聴者の感情(面白い、笑っている、悲しい、怒っているなど)の表現が可能となっています。

 

 

フレーム

 

 

配信者は、フレームを受け取ると、任意で画面上に表示させることができ、配信画面を彩ることができます。

なお、一部フレームでは、春は桜の花びらを散らすといった画面上の演出(エフェクトの表示)が可能です。

こちらについても、他社のキャラクターを利用したフレームがあります。

 

 

 

 また、「ツイキャス」では、雑談、音楽、ゲーム配信など多様なジャンルでユーザー主導による独自の配信文化が自発的に多数発生していると当社は分析しており、ユーザー同士が容易に自分の興味・関心に関するトピックを通じたコミュニケーションができる空間=ライブ配信を見つけることが可能になるように、「ツイキャス」の配信文化を元に、多種多様な配信カテゴリーを提供しています。配信者自身が、自身の配信ライブの内容を踏まえて配信カテゴリーを選択しており、同じような興味を持ったユーザー同士がお互いを見つけやすくなっています。主な配信カテゴリーは以下となります。

 

 

主なカテゴリー

顔出し

お兄さん

声真似(二次)

音楽:弾き語り

おえかき

パパ

お姉さん

地声似

音楽:楽器演奏

コスプレ

ママ

イケボ

朗読

音楽:トーク

ハンドメイド

誰かかまって

癒し声

ゲーム

音楽:うたってみた

料理・ごはん

雑談

低音ボイス

時事・ニュース・政治

セクマイ
(LGBTQ)

作業枠

JCJK

アニメ声

お悩み相談

寝落ち

ペット

 

 

 また、「ツイキャス」は、快適なライブ配信コミュニケーションプラットフォームを実現するうえで、当社が重要であると考えるコミュニティ運営とインフラシステムに特徴を有しております。

 コミュニティ運営においては、15年以上の運営ノウハウとそれらのシステム化を通した効率的かつ効果的なコミュニティ運営によりユーザーが安心して利用できるコミュニティの運営を推進しております。

 

 

※サービス健全性の維持・改善について

 当社は、不特定多数のユーザーによるオンライン上のコミュニケーションの場として「ツイキャス」が活用されていることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信者、視聴者がともに安心してコミュニケーションを楽しめるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を常に最重要視しております。具体的には、ユーザーに対する啓蒙活動推進、ユーザーへのNG機能提供等を含めた配信者保護の仕組み、児童・未成年ユーザー保護対応、著作権違反が生じないための取り組み、24時間対応における社内外のモニタリング体制の強化、ユーザーや外部(警察や著作権者等)への通報・報告機能の提供等の施策を行っており、主な取組内容としては、以下となります。

 

 

トピック

主な取組内容

児童・未成年ユーザー保護対応

・ユーザー登録時に年齢確認を行い、未成年ユーザーに対して月間のポイント購入金額に上限を設定し未成年による多額のポイント購入を未然に防止

・児童ユーザーに対する出会い系コメントや露出を誘導するコメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制や注意喚起を行うことで、児童被害の発生・拡大を防ぐ

・「ツイキャス」の収益化機能を通じて報酬を受け取ることができる対象を原則として法人または18歳以上※の個人に限定することで、未成年ユーザーが金銭トラブルに巻き込まれるリスクを最小化
※条件を満たした15歳以上の個人は、収益化機能を制限付きで利用可能

・15歳未満のユーザーに対してセンシティブ・コンテンツ(未成年の視聴にふさわしくないコンテンツ)の表示制限を実施

配信者保護対応

・ライブ配信中のユーザー間トラブル発生を事前に防止する仕組みとして、特定のユーザーや単語をブロックできるNG機能を提供

・ライブ配信中の迷惑コメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制を実施

・配信者がユーザーを指定し、そのユーザーが、その配信者のライブ配信内で投稿された迷惑コメントをリアルタイムで削除できる機能(モデレーター機能)を提供

ユーザー啓蒙活動

・利用規約やサービスを利用する上でのルールや注意事項を記載したコミュニティ・ガイドラインをはじめとする様々なガイドラインを設け禁止行為を明確にし、ユーザーに周知徹底するための啓蒙活動を継続的に実施

著作権保護対応

・著作権に関するガイドライン、楽曲利用に関する注意喚起ページ、ゲーム実況配信に関するガイドライン等を公開し、ユーザーに注意啓発を実施

・著作権者専用の通報フォームを設置し、著作権侵害行為に対して迅速に対応できる体制を構築

・著作権を有する権利団体や個別の会社との間で、サービス上の利用に関する包括契約を締結(包括契約締結の相手先、内容は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等 当社が締結している重要な契約」を参照ください)

サービス監視体制

・アウトソーシング(外部委託)の活用による24時間365日監視対応

・ユーザー等からの報告による違反行為の早期発見と早期対応

・無作為サンプリングによるリアルタイムでの配信監視の実施

・アカウント規制判断基準の定期評価及び更新

ユーザー主導監視体制

・ユーザーによる違反行為の報告を容易にするためシンプルなユーザー通報機能の提供、認知しやすい位置への設置および通報機能の継続的な改善

・コミュニティ・ガイドライン等において違反行為に対するユーザー報告を啓発

・ユーザー通報に対して適切かつ速やかに対応することにより、ユーザーコミュニティ間で「違反行為を報告すれば適切に対応される」という意識を醸成

 

 以上の通り、当社では、継続的にサービスの健全性維持・改善に努めており、サービス開始以来15年以上に及ぶ経験・ノウハウが融合されたコミュニティ運営力こそが、サービスに対する安心感・信頼感を高める一因であり、「ツイキャス」の強みを構成する重要な要因であると自負しております。

 

 また、インフラシステムにおいては、低遅延かつ大規模配信に耐えられ、さらに低コスト運用を可能とするコミュニケーションインフラを実現するために、スマートフォン及び遅延対策に特化した独自の配信システムを構築しており、今後、5G(第5世代移動通信システム)の普及により、当社システムの有用性はさらに高まると考えております。また、配信システムのBCP対策を採り入れており、事業継続性の強化を図っております。

 

 

 

 

(3) 当社の収益構造

 当社が運営する「ツイキャス」の収益構造は、主に以下の3種類の売上から成り立っています。

 

項目

内容

売上構成比

(2026年1月期)

①ポイント・アイテムチケット販売売上

(以下、ポイント販売売上)

 「ツイキャス」では、配信を賑やかにするためや配信を延長するためのアイテム(お茶や拍手・スタンプ、コイン等)をユーザーが保有するポイントで使用できる仕組みとなっております。ポイントは当社が付与する無料ポイントとユーザーが当社から購入する有料ポイントに分けられ、ユーザーは付与された無料ポイント及び購入した有料ポイントを利用し各種アイテムを使用します。当社は、ユーザーが購入した有料ポイントのうち、ユーザーがアイテムに利用した部分を当社の売上高として計上しております。

 また、当社は、配信者のライブにおいて使用されたアイテム数や録画が閲覧された回数などに応じて、一定の条件の元、報酬をお支払いする仕組みである「ライブ収益」を配信者へ提供しております。「ライブ収益」により、配信者へ支払った報酬は、アイテム報酬として売上原価に計上しております。

88.2%

②メンバーシップ販売手数料売上

 

 「ツイキャス」では、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者が毎月定額の会員費で応援することができる「メンバーシップ」機能を提供しています。

 配信者は、自身の月額支払いプランを特典別に最大3つまで作成することができ、ファンである視聴者は、任意の配信者のプランに入会して、毎月一定額を支払います。当社は、サービスプラットフォームの提供者として、購入者から会員費を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。

8.4%

③ツイキャスプレミアにおけるチケット・コンテンツ販売手数料売上

 「ツイキャスプレミア」は、有料のオンラインライブを手軽に開催できる「プレミア配信」機能を備えたオンラインストアです。

 配信者は、「プレミア配信」を活用した「ツイキャス」上での有料オンラインライブの開催、オンラインチケット販売に加えて、自身の制作物(デジタルコンテンツ)や自身が主催するライブ、イベント等のチケットを「ツイキャスプレミア」上で販売することができます。当社はマーケットプレイスの提供者として、購入者から売買代金を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。

3.3%

 

以上を踏まえた当社の事業系統図は、以下のとおりであります。

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は4,249,647千円となり、前事業年度末に比べ110,111千円増加いたしました。

 流動資産は3,874,069千円(前事業年度末比106,747千円増加)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加4,608千円、売掛金の増加32,827千円、未収入金の増加27,701千円、未収還付法人税等の増加37,135千円等によるものであります。

 また、固定資産は375,578千円(前事業年度末比3,363千円増加)となりました。主な要因は、減価償却費の計上等による工具、器具及び備品の減少51,124千円、保証金の差入等による差入保証金の増加58,142千円等によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は2,276,052千円となり、前事業年度末に比べ8,423千円増加いたしました。

 流動負債は2,276,052千円(前事業年度末比8,423千円増加)となりました。主な要因は、ユーザーへの支払報酬である買掛金の減少45,684千円、取引先への支払である未払金の増加236,080千円、JASRACとの協議事項が解決したことによる未払費用の減少142,973千円、販売したポイントの未利用残高等である前受金の増加24,534千円、未払法人税等の減少74,667千円、未払消費税等の減少56,389千円、チケット・コンテンツの売買代金及び「メンバーシップ」の会員費である預り金の増加67,522千円等によるものであります。

 また、固定負債はございません。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,973,595千円となり、前事業年度末に比べ101,687千円増加いたしました。これは、当期純利益の計上による利益剰余金の増加101,687千円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は46.4%(前事業年度末は45.2%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等を背景として、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続的な物価上昇とそれに伴う個人消費の停滞感や、不安定な国際情勢など、国内外の景気の先行きは不透明な状況が続いています。

 当社を取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、日本における2025年9月末時点の移動系通信の契約数は、2億2,775万回線(前年同期比4.5%増)と増加が続いております。(出所:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和7年度第2四半期(9月末))」)。また、当社がターゲットとしている動画投稿・ライブ配信サービス市場においては、グローバルSNSプラットフォームを中心として、利用者数は引き続き増加傾向にあり、今後も市場は堅調に成長していく見通しです。

 このような事業環境のもと、当社では、当社サービス「ツイキャス」におけるユーザー満足度の向上、文化・経済両面からのプラットフォーム規模拡大に加えて、収益基盤の強化に努めました。

 ユーザー満足度の向上に向けては、人気キャラクターとのコラボレーション施策の実現、節分、クリスマスといった季節イベントに連動したキャンペーンの実施、多彩な人気映画作品の共同視聴イベントの開催等を実施しました。また、当社サービス「ツイキャス」がサービス開始から15周年を迎えることができました。

 プラットフォームの規模拡大においては、海外ユーザーとのシームレスなコミュニケーションを実現する「コメントAI翻訳機能」のブラウザ版の公開、ユーザーと共に作り上げるアート展示会「活動者□展(しかくてん)」の駅広告の展開、有料アイテム購入における「アイテムチケット」の導入と決済手段の拡充を実施しました。また、「ツイキャスプレミア」の累計チケット販売数は、500万枚を突破しました。

 さらに、収益基盤の強化においては、「アイテムチケット」の導入に伴いポイント販売においてWeb決済比率が拡大した結果、決済代行業者の取分である決済手数料が減少し、その減少分を原資として配信者取分率と当社取分率を同時に上昇させることで、配信者ユーザー満足度と当社利益率が持続的に向上する仕組みを実現しました。

 その結果、当社の重要指標の一つである月間平均ポイントARPPU(Average Revenue Per Paid Userの略、課金ユーザー一人当たりの平均課金額)は7,474円(前期比10.4%増)と順調に成長しました。また、実質売上総利益(当社が獲得する売上高合計から、収益化された配信者に対する支払報酬額と、Apple Inc., Google Inc. 等の決済代行業者に対して支払う手数料を差し引いた金額)については、アプリ決済比率の低下に伴う収益構造の変化と、「メンバーシップ」売上の通期での成長の影響等により、1,909百万円(前期比7.5%増)と堅調に推移しました。一方で、当社サービス「ツイキャス」におけるポイント販売からメンバーシップ課金へのシフト拡大と、国内ライブ配信サービス市場における競争環境変化の影響により、月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)は当初想定を下回り、65千(前期比9.6%減)となり、その結果、「ツイキャス」のポイント販売売上は5,902百万円(前期比0.2%減)となりました。売上原価については、ポイント販売におけるアプリ決済比率の低下に連動して配信者取分が増加した結果、3,340百万円(前期比3.4%増)となりました。主なコストとしては、マーケティング費用は費用対効果を見つつ各種施策を積極的に実施したため122百万円(前期比3.5%増)となり、その他費用については一般社団法人日本音楽著作権協会(以下、JASRAC)と株式会社NexTone(以下、NexTone)との協議事項の解決を受け音楽著作権使用料が増加したこと等の影響で326百万円(前期比46.6%増)となりましたが、ポイント販売におけるアプリ決済比率の低下の影響等により手数料費用が1,437百万円(前期比9.3%減)となり、インフラ費用はピーク時トラフィックの平準化の影響による通信費の圧縮等により507百万円(前期比11.7%減)、業務委託内容の見直しを行った結果、体制強化費用は615百万円(前期比2.1%減)となり、販売費及び一般管理費は3,008百万円(前期比3.9%減)となりました。また、オフィス移転に伴う減損損失(2百万円)とJASRACとNexToneとの協議事項の解決費用(282百万円)を合わせた285百万円を特別損失として計上し、さらに今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産が113百万円(前期比1.6%減)となり、その結果、法人税等調整額を1百万円計上しました。

 以上の結果、当事業年度の実績は、売上高が6,688百万円(前期比1.5%増)、営業利益は339百万円(前期比45.9%増)、経常利益は389百万円(前期比52.1%増)、当期純利益は101百万円(前期比265.4%増)となりました。

 なお、当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントに関する記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)の残高は、前事業年度末と比べ637千円増加し、2,984,142千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動により獲得した資金は、65,523千円(前年同期は765,610千円の資金の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上104,564千円、減価償却費の計上56,431千円、売上債権の増加額32,827千円、その他の流動資産の増加額64,836千円、仕入債務の減少額45,684千円、前受金の増加額24,534千円、預り金の増加額67,522千円、未払金の増加額236,080千円、その他の流動負債の減少額199,362千円、法人税等の支払額75,617千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動により支出した資金は、64,455千円(前年同期は41,338千円の資金の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,341千円、保証金の差入による支出62,113千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動により支出した資金はございません(前年同期は110千円の資金の支出)。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

 

c.販売実績

 当事業年度における当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 

当事業年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

6,688,610

101.5

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。下記表の主な取引先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

相手先

前事業年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

当事業年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.

2,998,405

45

2,648,131

40

PAY株式会社

1,565,857

24

1,839,515

28

Google Inc.

1,512,998

23

1,231,047

18

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①経営成績の状況に関する認識及び分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は6,688,610千円となり、対前年比で95,646千円(1.5%)増加しました。

 これは主に、メンバーシップ販売手数料売上が対前年比で114,412千円(25.8%)増加した一方、ポイント販売売上が対前年比で14,412千円(0.2%)減少したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度における売上原価は3,340,312千円となり、対前年比で109,585千円(3.4%)増加しました。

 これは、ポイント販売における決済代行業者取分の減少を原資として配信者取分が増加したことにより、当社の売上原価となる配信者への還元金額も増加したことによるものであります。

 以上の結果、当事業年度の売上総利益は3,348,297千円となり、対前年比で13,939千円(0.4%)減少しました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は3,008,872千円となり、対前年比で120,796千円(3.9%)減少しました。

 これは主に、ポイント販売における収益構造の変化に伴う決済手数料の減少、ピーク時トラフィック平準化による通信費の圧縮、並びに業務委託内容見直し等の影響による体制強化費用の減少と、通期で積極的に施策を実施したことによるマーケティング費用の増加及び音楽著作権使用料の増加の相殺結果によるものであります。

 以上の結果、当事業年度の営業利益は339,425千円となり、対前年比で106,857千円(45.9%)増加しました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は51,216千円となり、対前年比で25,967千円(102.8%)増加しました。これは主に、当社音楽レーベル「Moi Records」の楽曲著作権収益が増加したことによるものであります。

 また、当事業年度の営業外費用は1,009千円となり、対前年比で628千円減少しました。これは主に、為替差損が減少したことによるものであります。

 以上の結果、当事業年度の経常利益は389,632千円となり、対前年比で133,452千円(52.1%)増加しました。

 

(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)

 当事業年度に計上した特別利益はございません。

 当事業年度の特別損失は285,068千円となり、対前年比で125,068千円増加しました。

 これは、一般社団法人日本音楽著作権協会(以下、JASRAC)と株式会社NexTone(以下、NexTone)との協議事項の解決に伴い発生する費用282,333千円とオフィス移転に伴う減損損失として2,734千円を特別損失に計上したことによるものであります。

 その結果、当事業年度の税引前当期純利益は104,564千円となり、対前年比で8,384千円(8.7%)増加しました。

 

(法人税等合計、当期純利益)

 当事業年度における法人税等合計は2,876千円となり、対前年比で65,473千円減少しました。

 これは、繰延税金資産の取崩しに伴い法人税等調整額を計上した一方、課税所得がマイナスとなったことで法人税等は発生しなかった影響によるものであります。

 以上の結果を受け、当事業年度の当期純利益は101,687千円となり、対前年比で73,857千円(265.4%)増加しました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に 記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社の事業活動における主な資金需要は、ユーザー報酬及び預り金の支払、既存事業の継続的な成長にかかる資金(主に人件費、業務委託費、支払手数料、通信費、販売促進費等)、サーバー等のインフラ投資、マーケティング投資であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本としておりますが、必要に応じて長期資金需要に対しては株式市場、短期資金需要に対しては金融機関からの調達を実施する予定であります。

 なお、当社の事業は先行投資となる仕入等は無く、提供サービスに対する対価をお客様から受領するビジネスモデルであります。現時点で、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はありませんが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めてまいります。

 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,984,142千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保しております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおり、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。

 

 

⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容

 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ポイント販売売上、ポイントPU、ポイントARPPU、実質売上総利益、を重要な経営指標としております。

 コロナ禍の日常生活への影響により、2022年1月期においては、当該指標は前年比で増加したものの、2023年1月期以降においては、コロナ禍の行動制限解除によるユーザー行動の変化と、グローバルSNSサービスのライブ配信利用者の増加に伴う競合環境の変化等の影響を受け、特にポイントPU、ポイント販売売上が当初想定していた規模に至っていないと認識しております。当社といたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載の方針に沿って、新サービスの開発、既存サービスの改善、マーケティング施策等を実施することで、2027年1月期以降の当該指標の回復に努めてまいります。

 

KPI

2022年1月期

2023年1月期

2024年1月期

2025年1月期

2026年1月期

ポイント販売売上(千円)

6,213,840

6,206,969

5,915,050

5,916,505

5,902,092

ポイントPU(千)

89

83

75

72

65

ポイントARPPU(円)

5,756

6,195

6,562

6,768

7,474

実質売上総利益(千円)

1,619,115

1,680,584

1,708,370

1,776,821

1,909,986

 (注) 1.ポイント販売売上は、各事業年度の年間合計金額を記載しております。

2.ポイントPUは、各事業年度の月間平均値を記載しております。

3.ポイントARPPUは、各事業年度の月間平均金額を記載しております。

4.実質売上総利益は、各事業年度の年間合計金額を記載しております。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。