事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,867 | 100.0 | 270 | 100.0 | 14.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) パーパス
当社は新たに、「最高の旅行ソリューションを通じて、宿泊施設の持続可能な成長と、世界中の地域社会の発展を支援する。」をパーパスとして設定いたしました。収益及び利益を拡大し当社が成長していくことに加え、社会問題を解決するために宿泊施設の持続可能な成長、世界中の地域社会の発展を目指すことを社内外のステークホルダーに向けて明示するため、パーパスを設定いたしました。具体的には下記を推進、支援いたします。
a. 宿泊施設の利益を最大化し、施設改善や環境対策、ホスピタリティ向上のための投資をサポートすることで、地域社会の観光産業が持続可能な形で発展するよう推進します。
b. 宿泊施設が地域社会との連携を強化し、地方創生を支援する取り組みを推進します。
c. 宿泊施設が多様なニーズに対応し、インクルーシブで持続可能な観光体験を提供することを支援します。
なお、当社グループの事業は、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2) サービス概要
当社グループは、宿泊施設向けに、「tripla Book」を中心に、「tripla Bot」、「tripla Connect」等を提供しております。それぞれのサービスの概要は下記のとおりです。
① 「tripla Book」
「tripla Book」は、2019年7月のサービス提供の当初から宿泊施設向けのクラウド型の公式サイト予約システムとして、宿泊施設の公式サイトに、当社グループで用意したJava Scriptを埋め込むことにより、宿泊施設の公式サイト上で予約が可能となるウィンドウが表示され、自社予約(注1)を実装できるサービスを提供しております。本サービスを展開している地域としては日本、台湾、韓国、東南アジア等となります。「tripla Book」の特徴は下記のとおりです。
a. ユーザーが短時間に予約可能なUX/UI(注2)
「tripla Book」は、簡単に、予約に掛ける時間を可能な限り短くするよう機能的なデザインを考慮しております。ユーザー(宿泊客)が宿泊施設の公式サイトを訪問した場合でも、宿泊予約が完了するまでの時間が長く掛かる、直感的な画面操作ができない等となれば、ユーザー(宿泊客)が離脱しやすくなり、結果として、宿泊予約は減少します。そのため、離脱を防止し、自社予約を増加させるため、操作の簡単さ、予約完了に至るまでの時間を短くするような仕様としております。
b. 手数料率を抑えた料金体系
料金体系としては、部屋数に応じた月額の基本料金と従量料金があり、従量料金は「tripla Book」を通じて宿泊した部屋数が閾値を超えた場合に発生いたします。閾値の設定は、原則として、宿泊施設が「tripla Book」を契約する前に利用していた他社予約エンジンによる過去1年間の月ごとの宿泊実績(部屋数)といたします。
c. ソーシャルログイン対応の会員機能
ユーザー(宿泊客)が会員登録した場合、LINEやFacebookといったSNSを利用し、簡単にログインすることが可能です。
d. 外部ポイントへも交換可能なポイント機能
宿泊施設は自らが提供する独自のポイントプログラムを設けている場合があります。例えば、宿泊者が次回、同じ宿泊施設もしくは同じブランドの施設で宿泊する場合に、ポイントを利用することで値引を受けることができるような場合があります。当社は「tripla Book」を株式会社DIGITALIOが提供するデジタルギフト(注3)のサービス「デジコ」とAPI(注4)連携し、宿泊施設の独自のポイントプログラムによって、ユーザー(宿泊客)が宿泊施設を通して獲得したポイントを、利用した宿泊施設のみでなく、外部のAmazon、App Store & iTunes、Google Play等で使用できるような機能を提供しております。なお、ポイントプログラム自体は各宿泊施設独自のものであり、当社が負担するポイントプログラムではありません。
e. ベストレート機能
宿泊施設の公式サイトに掲載する宿泊料金を、宿泊予約をする際に、OTA(注5)が提示する価格と比較し、自動的に値引する機能を備えております。自社予約を最も安い料金とすることで、ユーザー(宿泊客)が宿泊施設の公式サイトから予約しようとするインセンティブとなります。
f. 蓄積したデータをマーケティング活動に利用可能
後述する「tripla Connect」との連携によって可能となります。
g. 大手チャネルマネージャー(注6)との連携
宿泊施設のプラン情報、部屋在庫の情報はPMS(注7)によって管理されていることが多く、PMSとOTA、予約エンジンを連携するため、多くの宿泊施設においては、チャネルマネージャーを導入しています。予約エンジンを拡販する上で、チャネルマネージャーとの連携は必須であり、当社は2018年5月に「手間いらず」との連携を行い、その後、「TLリンカーン」、「ねっぱん」、「らく通with」との連携が2020年1月に完了したことにより、国内大手4社との連携が完了いたしました。なお、日本国内においては、チャネルマネージャーではなく、サイトコントローラーと言う名称が一般的です。
h. ダイナミックパッケージ機能
公式サイトにて、宿泊予約のみでなく、国内大手航空会社及びLCCの提供する航空券付き宿泊プランの販売が可能となります。ダイナミックパッケージ専用のプランを作成することなく、既存プランを航空券付きとすることができるため、宿泊施設側の工数が大きく増えることはありません。
i. 多通貨決済
2024年4月から、外国人宿泊客に対し、自国通貨で宿泊代金を表示することができ、また自国通貨によるクレジットカードでの決済が可能です。対応する通貨の種類はおよそ140程度となります。各宿泊客が自ら為替換算を考慮する必要がなく、宿泊予約中の離脱防止につながります。また、海外で発行されたクレジットカードで決済する際の決済時エラーによる機会損失を防止し、自社予約比率の向上、事前カード決済比率(注8、9)の向上が期待できます。
j. 外国語対応
日本語以外で、英語、韓国語、中国語繁体字、中国語簡体字、タイ語、インドネシア語、アラビア語の7つの外国語に対応しております。ユーザーに合わせて表示する言語を切り替えることが可能です。また、外国語表示の場合に、事前決済(注8)必須に切り替える、日本語と外国語でのプランの売り分けといったことも可能です。
k. コネクティビティハブ
海外の様々なチャネルマネージャーとtripla Bookの連携を、コネクティビティハブを通すことによって簡易的に行うことが可能です。これにより、従来、日本、台湾、韓国に販売してきたtripla Bookを東南アジアを含む海外での販売が可能となります。また、tripla Bookを利用する各宿泊施設は、国を越えて様々な旅行代理店に自社の宿泊プランを販売できるようになります。また、同一の会員基盤を活用して国内外の宿泊客の集客が可能となります。
オンラインによる宿泊予約の方法としては従来より、OTAによる予約、宿泊施設による自らの公式サイト上での自社予約が存在しております。このうち、OTAは、OTAのウェブサイト上に各施設の情報を掲載することができるため、施設にとってはマーケティングに資するという反面、手数料率が高く、OTAによっては、氏名と電話番号以外のユーザー(宿泊客)の情報がOTAにのみ蓄積され施設に蓄積されないという課題があります。これに対し、「tripla Book」は、基本料金はあるものの手数料率はOTAより抑えるとともに、ユーザー(宿泊客)のデータを自社で取得し、活用することができます。なお、データの活用については、「tripla Connect」との連携により可能です。また、宿泊施設が自らの公式サイト上に自社予約の仕組みを開発するためには、開発に関する人材、ノウハウ、ユーザー(宿泊客)にとって使いやすいUX/UIとするための機能的なデザインをする等、多額の開発費用が必要となり、当社の「tripla Book」であれば、Java Scriptの埋め込み等により実装することができ、多額の開発や多くの工数を必要としません。
(注) 1.自社予約:ユーザーが各宿泊施設のHPから宿泊予約をすることを言います。
2.UX/UI:UXはUser Experienceの略称です。サービスを通してユーザーが得られる体験を指します。UIはUser Interfaceの略称です。WebサイトでいうところのUIは、サイトの見た目や、使いやすさのことを指します。単にWebサイトの見た目ではなく、レイアウトや使用されている画像はもちろん、文字のフォント、メニューやボタンの操作性などユーザーが目にするもの・操作するものすべてが含まれています。
3.デジタルギフト:オンライン上でやり取りするギフトのことを言います。現物を届けるのではなく、SNSやメール等を通して、URLやコードの形でギフトを送り、送られた相手は店舗やネットショップ等で、ギフトが入手できます。
4.API:Application Programming Interfaceの略称です。ソフトウェア、プログラム、Webサービス等の間をつなぐインターフェースのことを言います。
5.OTA:Online Travel Agentの略称です。実店舗を持たずインターネット上のみで旅行商品の取引を行う旅行会社のことを言います。ポータルサイトを運営し、宿泊施設の情報をポータルサイトに掲載し、宿泊予約が可能となります。
6.チャネルマネージャー:OTAや予約システム等の複数の宿泊予約情報とPMSを連携することで、在庫、プラン、価格等をまとめて管理するシステムのことを言います。
7.PMS:Property Management Systemの略称です。宿泊施設が、部屋在庫、予約情報、請求情報等の情報を管理し、売上情報を連携する基幹システムのことを言います。
8.事前カード決済:決済は宿泊予約時にtripla Book上で事前に決済されるパターンと、宿泊時に宿泊施設で決済されるパターンがあり、前者を言います。
9.事前カード決済比率:宿泊予約時にtripla Book上で事前に決済された取扱高・GMV÷取扱高・GMV合計。
「tripla Book」の収益、各指標の推移は下記のとおりです。なお、提出会社のみの数値を記載しております。
年度別の各指標の推移(2022年10月期~2024年10月期)
四半期別の各指標の推移(2022年10月期~2024年10月期)
(注) 1.営業収益:損益計算書上に表示される営業収益の合計です。
2.固定収益:tripla Bookの基本料収入による月次定額の収益です。表内の数値は各期間における合計数値となります。
3.従量収益:tripla Bookの宿泊代金、決済代金によって生じる従量料金による収益です。表内の数値は各期間における合計数値となります。
4.導入施設数:tripla Bookを利用している施設数です。表内の数値は各期末の数値となります。
5.固定収益単価:固定収益を平均施設数で除した額です。平均施設数は前期末と当期末の平均値により算出しています。
6.取扱高・GMV:Gross Merchandise Valueの略称です。tripla Book経由での契約施設全体のチェックアウトベースでの宿泊代金総額です。表内の数値は各期間における合計数値となります。
② 「tripla Bot」
「tripla Bot」は、宿泊施設等の公式サイト上にチャットボットを表示させ、ユーザー(宿泊客等)からの質問に対し、当社で開発したAIが自動的に回答するサービスです。宿泊施設等は、自ら開発を行うことなく、当社で用意したJava scriptを自社の公式サイトに埋め込むことにより実装することが可能です。従来、電話で受け付けていた質問をチャットボットで代用できるため、問い合わせ対応に掛けていた人的リソースを減少させ、より付加価値の高い業務にリソースを割くことができます。本サービスを展開している地域としては日本、台湾、韓国、東南アジアとなります。
「tripla Bot」の特徴は下記のとおりです。
a. 自社開発AIによる高い回答精度
自社開発のAI自然言語処理は、これまでに蓄積されたデータにより、95%以上のAI回答率(注1)となっております。また、顧客である宿泊施設からヒアリングし、FAQを登録することで回答精度を高めます。さらに、「tripla Bot」を導入後に、ユーザー(宿泊客)から問い合わせが来た場合にそれをAIに学習させることで継続的に回答精度が上がります。
b. AI回答不可時のオペレーター対応
AIが回答できないユーザー(宿泊客)からの問い合わせをチャットが受け付けた場合には、当社の人力オペレーターが回答するハイブリッド方式を採用しております。但し、人力オペレーターが回答するかどうかは、顧客が契約しているプランによって異なります。プランの概要については、後述しております。
c. 「tripla Bot」から宿泊予約が可能
「tripla Bot」上で、ユーザー(宿泊客)が予約に必要な情報を入力することにより、宿泊予約をすることもできる等、宿泊施設に特化した機能があります。
d. 外部連携を容易にするWebhook(注2)
tripla Bot上でやり取りするのみでなく、LINE、Facebook Messenger、slack、WhatsappといったSNS等の他サービスとWebhookで連携することにより、これらのSNS上でのチャットによるやり取りが可能です。また、「tripla Bot」で収集した情報をslackやメールに送信する、Google sheetsへ転記する等に利用できます。
e. 外国語対応
日本語以外で、英語、韓国語、中国語繁体字、中国語簡体字、タイ語、インドネシア語、アラビア語の7つの外国語に対応しております。訪日外国人旅行客が増えており、それらのニーズに対応可能です。
f. プランと料金体系
AIのみが回答する「AI限定」プランと、「フルサービス」プランの2つのプランがあります。フルサービスについては、実際のリクエスト数(注3)に応じて金額が毎月変動いたします。基本料金が月額25,000円であり、リクエスト数が100件増加するごとに追加25,000円課金されます。AI限定プランについては、あらかじめリクエスト数を見積もり、利用実態を加味した上で料金を決定いたします。AIの回答精度の高まり、人件費の抑制等を考慮し、新規獲得については原則AI限定プランにより契約獲得しております。また、既存のフルサービスプランについても、AI限定プランへの移行を進めております。
g. ChatGPTとの連携
OpenAI社の対話型AI「ChatGPT」との連携をしています。当社が独自に蓄積してきた宿泊施設に対する過去の問い合わせデータ、会話データ等を認識した上で、必要な情報をチャットボット上で提供するにあたり、より人間的で自然な会話が可能となるとともに、回答精度と速度の向上に寄与いたします。
h. tripla Guideでの館内案内に対応
tripla Botを契約している宿泊施設は、後述するtripla Guideの利用が可能であり、館内案内の問い合わせにも、tripla Botでのチャットボットを利用可能です。
(注) 1.AI回答率:当社のフルサービスプラン(人力オペレーターによる回答が可能なプラン)のうち、AIが回答を行ったリクエスト数を全リクエスト数で割った比率です。なお、回答率の数値は、2022年10月期のフルサービスの全体のリクエスト数に対し、AIによる回答を行ったリクエスト数の割合を示しています。AI回答率の計算において、フルサービスプランのみを集計している理由は、AI限定プランの場合はオペレーターにつながらず、すべてAIが回答するためです。
2.Webhook:Webアプリケーションによりイベントが実行された際、外部サービスにHTTP通信でデータを送信する仕組みです。
3.リクエスト数:契約施設全体のリクエスト数です。リクエスト数は、チャットにより問い合わせを受けた数の内、同一日における同一ユーザーによるものを除いた数値を言います。
tripla Botの収益、各指標の推移は下記のとおりです。なお、提出会社のみの数値を記載しております。
年度別の各指標の推移(2022年10月期~2024年10月期)
四半期別の各指標の推移(2022年10月期~2024年10月期)
(注) 1.導入施設数:tripla Botを利用している施設数です。表内の数値は各期末の数値となります。
③ tripla Connect
tripla Connectは、宿泊施設向けに特化したCRM・MAツール(注1)です。宿泊施設は、複数の経路によりユーザーのデータを取得し、データをセグメントに分け分析・可視化し、セグメントごとにマーケティング施策を実施することで、自社予約の増加につなげます。本サービスを展開している地域としては日本、台湾となります。主たる特徴は下記のとおりです。
a. ユーザーデータを広く取得することが可能
宿泊施設のPMSには、過去実際に宿泊した宿泊客の情報が保存されていますが、当該情報のみでなく、ユーザーが宿泊施設のウェブサイトに訪れたときに発行されるクッキー(注2)の情報、会員登録している場合には当該会員情報、tripla Book上での過去の予約情報等のデータも広く取り込むことが可能です。顧客の同意に基づき、取得・分析を行っております。
b. セグメントと分析
取得したデータを、セグメントに分類いたします。セグメントの例としては、下記が例ですが、下記以外にも、宿泊施設がカスタマイズしてセグメント分類を行うことが可能です。
c. AIを活用した最適プランのレコメンド
セグメントに分けたデータに最適な宿泊プランを当社AIがレコメンドを行い、下記のマーケティング施策をサポートいたします。
d. マーケティング施策
マーケティング施策としては、メールマガジンの配信、tripla Bot上で吹き出しを表示させる等の積極的なプロモーションが可能です。
e. 基本料と従量料金による料金体系
1施設あたり月額15,000円に加え、メール送信数、SMS送信数に連動した料金体系となります。
(注) 1.CRM・MAツール:CRMはCustomer Relationship Managementの略称で、顧客管理のソフトウェアです。tripla Connectにおいては、宿泊施設によるユーザー(宿泊客)の予約情報を管理します。MAはMarketing Automationの略称で、マーケティング活動の自動化・効率化を実現するためのソフトウェアです。
2.クッキー:ユーザー(宿泊客)が特定のウェブサイトを訪れたときに、当該ウェブサイトから、ユーザー(宿泊客)のスマートフォンやパソコン内のブラウザーに保存される情報です。
④ tripla Link
tripla Linkは、チャネルマネージャーであり、OTA及び公式ウェブサイトの料金と空室在庫を一元管理し、PMS(Property Management System)へ予約を連携するサービスです。「Booking.com」や「Expedia」等の海外主要OTAに加え、「じゃらんnet」、「楽天トラベル」等の国内主要OTAの他、台湾の大手OTAである「Lion Travel」、「ez Travel」、インドネシアの大手OTA「Traveloka」等を含む東南アジアや東アジアで展開されているローカルOTAとも連携しております。宿泊施設はこれらのOTAへの情報掲載が可能となり、東南アジアや東アジアの宿泊客に向けた新たな販路の拡大が可能となり、インバウンド宿泊客の集客への増加につながります。料金体系は、対象施設が11部屋以上であれば、施設あたり月額7,000円、10部屋以下であれば部屋あたり月額700円となります。
本サービスを展開している地域としては日本、台湾、東南アジア等となります。当社の連結子会社であるBookandLink社は、「Channel Ku」という名称でインドネシアでチャネルマネージャーのサービスを展開しております。また、同じく当社の連結子会社であるSurehigh社は「HOTEL NABE」という名称で台湾でチャネルマネージャーのサービスを展開しております。tripla Linkは、これらの会社が開発、販売していたサービスを日本向けにローカライズし、展開しているものです。
⑤ tripla Guide
tripla Guideは、宿泊客が宿泊施設の滞在中に、滞在時の館内案内やフロアガイド等の必要な情報を一元化して閲覧できる旅ナカ(注1)専用のサービスです。tripla Botを契約している宿泊施設が利用可能なサービスです。本サービスを展開している地域としては日本となります。宿泊施設側、宿泊客側に対して、それぞれ下記のメリットがあります。
a. 宿泊施設側のメリット
チェックイン時の案内や問い合わせ対応等の工数削減、ペーパーレス化による労力やコストの削減が可能となります。また、自動翻訳機能により、宿泊者は多言語で情報を取得できるため、外国人宿泊者に対するコミュニケーション課題の改善にも繋がります。他、ルームサービスの注文等の滞在中のサービス利用が簡単に行えるようになるとともに、顧客情報に合わせたクーポン提供、会員プログラムへの登録の促進等により、リピート率の増加や収益向上が期待できます。
b. 宿泊者側のメリット
宿泊者はQRコードを読み取ることで、滞在中に必要な情報を一覧で簡単に取得できます。チャットボットtripla Botを利用したコミュニケーションも可能となるため、滞在中にタイムリーなコミュニケーションを取ることも可能です。また、ルームサービスの注文等の滞在中のサービス利用が簡単に行えるようになり、滞在中に利用できるクーポンも取得できるため、より満足度の高い滞在が可能となります。
(注) 1.旅ナカ:旅行者が実際に旅行先を訪れている期間を言います。なお、旅行に行く前の下調べをしている期間を旅マエ、旅行から帰って来た間もない期間を旅アトと言います。
⑥ tripla Boost
tripla Boostは、tripla Bookを利用する宿泊施設向けに、公式ウェブサイトへの集客を支援する広告運用サービスです。従来、「tripla Agent」という名称でサービス展開していましたが、2023年11月にリブランディングの上、ローンチいたしました。Google Hotel Ads等のメタサーチ (注1)広告、Google広告、Yahoo!広告等のリスティング広告やディスプレイ広告、Facebook、LINE等のSNS広告出稿が可能となるサービスです。また、当該広告運用についても当社が代行を行います。宿泊施設が宿泊客を獲得するにあたっての施策の設計から運用までを当社が担うことで、宿泊施設の人材不足やノウハウ不足を補い、取扱高(GMV)の増加、自社予約比率の向上を目的といたします。料金体系としては、実広告費として実際に利用した費用やtripla Boostを利用して獲得した宿泊代金に対して、当社の利益分を加算した従量料金の料金体系となります。当社の利益分としては、連携するメタサーチによって異なり、Google Hotel Ads有料枠だと、CPC(クリック課金)方式で広告費の20%、CPA(成果報酬型)方式で宿泊代金の12%となります。本サービスを展開している地域としては日本となります。
(注) 1.メタサーチ:複数の検索エンジンから選んだ検索結果を表示するシステムのことを言います。
⑦ tripla Page
宿泊施設向けに特化した、ノーコードで多言語の公式ホームページが制作できるサービスです。宿泊施設が自社公式ホームページ経由の予約を獲得し収益を最大化するためには、公式ホームページの利便性を高め離脱を防ぐ必要があります。しかし、ホームページ作成や運用に割くための時間や人材が不足しており、必要とわかっていながら手を付けられていない宿泊施設が多くあります。また、外注により高額な費用を負担しているケースもあります。これらの課題解決のために、ITの知識がなくとも、誰でも簡単に公式ホームページを作成し、運用できるサービスです。また、「tripla Book」や「tripla Bot」との連携で、クーポン訴求などのプロモーションも可能となり、予約コンバージョン率(CVR)の改善が見込めます。
本サービスを展開している地域としては日本、台湾となります。当社の連結子会社であるSurehigh社は、当社がM&Aで株式を取得する前から、台湾で同種サービスを展開しております。tripla Pageは、Surehigh社が開発、販売していたサービスを日本向けにローカライズし、展開しているものです。
⑧ tripla Analytics
tripla Analyticsは、当社グループ及び各宿泊施設が持つPMS(Property Management System)のデータを活用し、各種の宿泊施設の帳票が分析できるBIサービス(注1)です。宿泊施設の中には、ユーザー(宿泊客)の分析、レベニューマネジメント(注2)を積極的に行っていない施設もあります。tripla Analyticsにより、tripla BookやOTA等のユーザー(宿泊客)のデータが、ダッシュボード(図やグラフ等の簡単な作成が可能)、レポート等により可視化され、分析を容易に行うことができます。当該分析に基づき、その時々に応じた最適な宿泊代金を設定し、各宿泊施設の収益の最大化を図るレベニューマネジメントが可能です。また、顧客である宿泊施設のレベニューマネジメントにより自社予約の収益を増加させることで、当社グループのtripla Bookの収益の増加にも貢献いたします。
料金体系は、1施設あたり月額9,800円であり、2施設以上の契約の場合、施設ごとに月額7,000円が追加されます。本サービスを展開している地域としては日本となります。
(注) 1.BIサービス:Business Inteligenceサービスの略称。組織が持つ様々なデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことです。
2.レベニューマネジメント:需要と供給に応じて価格を変動させ、収益を最大化させるための販売管理を行うことです。
⑨ tripla Success
宿泊施設の人材不足に対応するため、宿泊施設がWeb上での集客を実施する際の業務を当社が代行するサービスです。当社のスタッフが予約エンジン、チャネルマネージャー、OTA等導入、管理等の業務を担います。これにより宿泊施設の業務負荷を軽減し、当社の他サービスの導入、運用するためのハードルが下げることで顧客獲得につなげ、機会損失を削減いたします。
業務の内容としては下記のようなものがありますが、例示であり、宿泊施設の要望を聞いた上で、柔軟に代行内容、料金を決定いたします。なお、本サービスは、当社が展開する他サービスと異なり、システムの提供はなく、業務を代行するサービスとなります。
本サービスを展開している地域としては日本となります。
[事業系統図]
当社の事業を事業系統図によって示すと以下のとおりとなります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
1.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は10,165,949千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金9,717,897千円であります。固定資産は792,234千円となりました。この主な内訳は、のれん546,475千円であります。
この結果、総資産は10,958,184千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は8,805,216千円となりました。この主な内訳は、tripla Bookにおける宿泊代金の預り金8,158,414千円であります。固定負債は1,050,562千円となりました。この主な内訳は、長期借入金1,018,196千円であります。
この結果、負債合計は9,855,779千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,102,404千円となりました。この主な内訳は、資本剰余金796,382千円、利益剰余金△582,950千円であります。
この結果、自己資本比率は9.7%となりました。
2.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安を背景としたインバウンド需要の拡大や賃上げなどの動きによる雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調となりました。一方、中国経済の先行き不安や不安定な国際情勢、日銀による金融政策の見直し、物価上昇等、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループのホスピタリティソリューション事業と関連性がある宿泊業界においては、数年間に及び新型コロナウイルス感染症による事業環境の悪化に苦しんで参りましたが、訪日観光客を中心に観光需要の回復は鮮明となっており、レジャー目的を中心とした宿泊施設の需要回復は、今後も期待できるものと考えております。観光庁が公表している宿泊旅行統計調査によりますと、当連結会計年度における延べ宿泊者数(訪日外国人旅行者を含む)は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年の同月と比較し108%となり、その内訳として、日本人の宿泊者数は101%、訪日外国人の宿泊者数は136%となっております。
このような事業環境の中、当社グループホスピタリティソリューション事業においては、顧客価値向上のため、前事業年度に引き続き、主要サービスである「tripla Book」及び「tripla Bot」、宿泊業界特化型のCRM・MAツールである「tripla Connect」等の機能改善を行うとともに、2023年11月以降、広告運用代行サービス「tripla Boost」、オンライン旅行代理店サービスである「tripla.ai」、宿泊中の必要情報を集約した旅ナカ専用サービス「tripla Guide」を開発し、提供を開始いたしました。加えて、2023年3月には韓国の宿泊施設への販売を目的とし韓国支店を設立、2023年11月にBookandLink社の買収、2024年2月にはSurehigh社及びEndurance社の買収を行うなど、当社グループの成長戦略の柱である海外展開を進めて参りました。
このような取り組みの結果、tripla Bookの施設数は、当連結会計年度において、前事業年度末より468施設増の2,953施設、tripla Botの施設数は、当連結会計年度において、前事業年度末より157施設増の1,823施設となりました。また、取扱高・GMV(Gross Merchandise Value)も、当連結会計年度において、前事業年度比95.0%増の125,548百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1,867,358千円、営業利益は270,127千円、経常利益は246,220千円、親会社株主に帰属する当期純利益は209,347千円となりました。
なお、当社グループはホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
3.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という)は9,555,177千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、3,984,821千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上246,730千円、預り金の増加額3,733,837千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、972,061千円となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出376,771千円、子会社株式の追加取得による支出522,530千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、1,078,104千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,157,535千円等によるものであります。
4.生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する項目がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b 受注実績
当社グループは受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c 販売実績
当社グループは、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントでありますが、以下のとおりサービスごとに記載しております。
なお、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.当連結会計年度より、連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。
2.上記の金額には、tripla Bookによる収益を含めております。当該金額は、当連結会計年度については1,299,426千円であります。当該数値は関連するオプションの収益を除いた数値であります。
3.上記の金額には、tripla Botによる収益を含めております。当該金額は、当連結会計年度については367,137千円であります。
4.上記の金額には、System Integrationに掛かる一時的な収益を含めております。当該金額は、当連結会計年度については36,931千円であります。
5.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 経営成績の分析
経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 1.財政状態の状況 及び 2.経営成績の状況
」に記載のとおりであります。
2 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 3.キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金、長期運転資金の調達について、自己資金又は金融機関からの借入を基本としており、都度最適な方法を選択しております。当社グループは設備投資については「第3 設備の状況」に記載のとおり少額であり、必要資金は具体的には、人件費、広告宣伝費等を含む運転資金、及び長期借入金の返済となります。特に、新しいサービス・プロダクトの開発、既存サービス・プロダクトの機能拡充のためのエンジニア採用等について資金配分を進めて参ります。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は1,244,936千円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,555,177千円であります。
なお、当社グループは、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
3 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結会計年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
4 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、導入施設数(tripla Book、tripla Bot、当社グループのサービスを複数導入している施設数)、取扱高・GMV等を重要な経営指標と位置付けております。当該指標の具体的な数値については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
5 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するサービスの機能強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
「注記事項 (収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおりであります。
2.地域ごとの情報
(1) 営業収益
(注) 営業収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める相手がいないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当社グループは、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。