2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,163名(単体) 4,523名(連結)
  • 平均年齢
    44.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.1年(単体)
  • 平均年収
    6,211,802円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

  2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

機能品

2,434

(1,678)

防振

1,385

(1,123)

ライフサイエンス

35

(4)

金属加工

158

(83)

ホース

218

(156)

全社(共通)

293

(5)

合計

4,523

(3,049)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。

 

(2) 提出会社の状況

  2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,163

(384)

44.2

15.1

6,211,802

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

機能品

606

(281)

防振

235

(94)

ライフサイエンス

29

(4)

金属加工

(―)

ホース

(―)

全社(共通)

293

(5)

合計

1,163

(384)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は、フコク労働組合と称し、上部団体の全日産・一般業種労働組合連合会に加盟しております。また、一部連結子会社においても労働組合が結成されております。

なお、何れも労使関係は安定しております。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規労働者

非正規労働者

4.2

33.3

72.4

76.8

82.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

     非正規労働者は契約社員、パートタイマーを対象とし、派遣社員を除いております。

     なお、労働者の男女の賃金の差異については、同一労働の賃金に差はなく、主に等級別人員構成の差によるものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表をしていないこと、及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないことから、記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

当社グループは、1953年の創業以来、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、社会課題解決への貢献を念頭に置きながら、お客様の要望に真摯に向き合い、常に新しい価値を創造し持続的な成長を達成してきました。

2022年5月に「サステナビリティ基本方針」を制定し、地球環境や社会の様々な課題を解決し持続可能な世界の実現に貢献することを経営の最重要事項と捉え、サステナビリティ経営推進に取り組んでいます。

※サステナビリティ基本方針は下記URLをご参照下さい

https://www.fukoku-rubber.co.jp/sustainability.html

 

 ①重要課題(マテリアリティ)

ステークホルダーの皆さまからの期待や要請に応えるため、ステークホルダーにとっての重要度、当社グループにとっての重要度等を定性的に分析し、下記のとおり特に重要とされるマテリアリティを選定しています。重要課題を着実に解決していくため、各重要課題に対するKPI設定・実行計画策定を進め、また中期経営計画、各種方針やガイドラインに反映させて活動推進しております。

 

<フコクのマテリアリティ>

 


 

 ②ガバナンス

当社グループは、代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置・運営し、委員会メンバーはESGの各重要課題の推進責任者として任命され、各種委員会や担当部門と連携しながら活動推進し、又、経営戦略室サステナビリティ推進課が全社の活動推進を担って取り組んでおります。サステナビリティ委員会では、経営課題として重要なサステナビリティに関するリスクと機会を特定し、マネジメントするため、実行計画の策定、当社グループ全体の活動推進、その進捗のモニタリング等を実行しております。その結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会ではその報告内容の管理及び監督を行っております。

2024年度は、サステナビリティ委員会を4回、取締役会報告を3回実施しました。

 

 ③リスク管理

当社グループは、サステナビリティ委員会にてサステナビリティ課題におけるリスクのモニタリングや再評価、重要リスクの絞り込み等を行い、今後の戦略に反映しリスクに対応しております。

 

 ④指標と目標

当社グループでは、サステナビリティに関する重要課題、非財務指標は当社の経営計画に織りこまれております。今後もフコクグループは、モノづくりやサービスを通して世界中の皆様に安心・安全・快適を提供するため、環境への配慮、品質の強化、SCM体制の構築、ガバナンスの強化等を進め、持続可能な経営を推進すべく基盤強化を図ってまいります。

 

(2) 気候変動への取組み

気候変動を始めとする環境課題は、社会の重要課題の1つであり、国内外に広く事業を展開し、モノづくりやサービスを提供する当社グループにおいても最重要課題の1つとしております。当社は、2022年6月にTCFD提言への賛同を表明し、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について分析と対応を強化し、関連情報の開示を積極的に推進しております。

カーボンニュートラル達成やサーキュラーエコノミーの実現に向けて環境目標を掲げ、環境に配慮したモノづくりを進めるとともに、製品や技術で環境社会へ貢献できるよう取組を推進しています。

 

 ①ガバナンス

当社グループは、代表取締役社長を委員長とする中央環境委員会で、気候変動を含む環境関連の重要課題を審議・決定し、環境マネジメントシステム(ISO14001)でグループ全体のマネジメントを行っております。中央環境委員会にて事業に重要な影響を及ぼすと判断された気候変動を含む重要課題についてはサステナビリティ委員会にて審議・決定を行い、マネジメントを行っています。

 

 ②事業戦略

当社グループは、TCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と気候変動リスクと機会が事業に与える影響を把握し、その影響に対する戦略策定を進めております。

 

<気候変動による主なリスク及び機会>


 

今後、TCFD新ガイダンスに準拠したシナリオ分析の中で、精緻な財務インパクトの把握についても検討を進めてまいります。

 

 ③リスク管理

当社グループは、サステナビリティ委員会、リスク管理委員会、及び環境マネジメントシステム(ISO14001)で、リスクのモニタリングや再評価、重要リスクの絞り込み等を行い、戦略に反映しリスクへ対応しております。

 

 

 ④指標と目標

当社はサーキュラーエコノミーに向けた活動として「2025年に製造工程の廃棄物の50%削減」「埋立処分率2040年までに1%以下」、又、カーボンニュートラルに向けた活動として「2030年にCO2 46%削減(2013年基準)」「2050年までにカーボンニュートラル」を目標に設定し活動を推進しております。国内・海外子会社については、「2030年にCO2 30%削減」「2050年までにカーボンニュートラル」を環境目標(ガイドライン)として設定し、進捗状況をモニタリングしています。

 

 <製造工程廃棄物削減>

サーキュラーエコノミーに向けた活動として「2025年に製造工程の廃棄物の50%削減」、更に「埋め立て処分率2040年までに1%以下」を設定し、廃棄物削減のために工法開発による不良低減や歩留まり改善、再資源化を進めております。「2025年に製造工程の廃棄物の50%削減」については、2024年度実績で目標達成しており、2025年度以降も活動継続し、更なる低減を推進します。

 

製造工程廃棄物の推移(ton)


(注)1.各年度の実績値は集計範囲の変更により、昨年度までの数値と異なります。

    2. 上記グラフの算出対象は、提出会社単体となります。

 

 <カーボンニュートラルに向けた取組み>

2050年までにカーボンニュートラル達成のため、まずは2030年までに工場のモノづくり現場による省エネ活動や、製品、技術、生産革新による削減活動を重点取組事項として活動推進しております。

また、再生可能電力(全電力の12.7%)及び太陽光発電(同0.4%)を導入し、今後も拡大する計画です。「2030年にCO2 46%削減(2013年基準)」については、2024年度実績でほぼ目標達成しておりますが、2025年度以降も活動継続し、更なる低減を推進します。

 

CO2排出量の推移 (ton-CO2)


 (注)1.日本国内の排出量は温対法に基づき算定しております。

    2.上記グラフの算出対象は、提出会社単体となります。

    3.各年度の実績値は集計範囲の変更により、昨年度までの数値と異なります。

    4.脱炭素社会へ貢献するため、Scope3算定及び目標設定を検討しております。

 

(3) 人的資本

① 人材戦略

当社は、「新中期経営計画2026」において、事業戦略の両輪として「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」を掲げました。そして、これら事業戦略遂行の土台となる、「経営基盤の改革」の一つとして、「幅広い視点から自ら深く考え動く人材の育成」「ダイバーシティ&インクルージョン」「働きがいのある職場環境づくり」を人材戦略の3つの柱とし、人材の多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備に取り組んでいます。

 

i)幅広い視点から自ら深く考え動く人材の育成(人材育成に関する考え方と取り組み)

 当社が求める人材像は、物事の本質を多角的に深く考え、自発的に素早く行動できる人材です。こうした人材が、それぞれの分野や階層で能力を最大限に発揮して活躍することが、中期経営目標の達成、ひいては当社の持続的成長と企業価値の向上に繋がると考えています。

 

<2024年度の主な取り組み>

・次世代経営幹部

 次世代経営幹部の計画的な育成に向けて、当社は2023年度に「全社人財会議」を立ち上げました。本会議は、次世代を担うリーダーの育成や、主要ポジションにおけるサクセッションプランを、全社的な視点で検討する場として運営しています。

 2024年度には、次世代の経営層を見据え、若手社員一人ひとりの人物像や成長ポテンシャルを把握することを目的に、経営陣との個別面談を実施しました。面談を通じて得られた情報や所見は、全社人財会議のメンバー間で共有され、各社員の特性や志向を踏まえた育成方針や配置の方向性を検討するためのインプットとしています。

 2025年度からは、こうした面談結果や議論を踏まえ、本人の志向や成長の方向性に即した、段階的な育成施策の具体化を進めていく予定です。

 

・グローバル人材

 国内外9か国で事業を展開する当社にとって、グローバルに活躍できる人材の育成は重要な課題です。2024年度は前年度に引き続き、海外拠点の運営に関わる人材に加え、成長市場での事業拡大を見据えてセールスエンジニアの派遣を行っています。さらに、将来のグローバルリーダーや経営幹部候補となる人材の育成を目的として、より多くの若手社員に海外経験を積ませるべく、海外トレーニー制度の活用を積極的に拡大しています。

 

・デジタル人材

 当社では、デジタル技術を活用して業務プロセスや生産プロセスを変革し、競争優位性を確保するため、DXの推進に取り組んでいます。また、その推進を担う人材の育成にも力を入れています。

 2024年度は、「DX人材は実践を通してこそ育成される」という考えのもと、DXを効果的かつ効率的に進めると同時に、人材育成の場ともなる、より実効性のあるDX推進体制の構築を目指しました。その一環として、部門横断型のサポート部隊を編成し、各部門のDXを支援する体制を整備しました。これらの取り組みを通じて、DXの推進と人材育成を両立させる土壌が着実に形成されつつあります。

 2025年度からは、こうした活動をより組織的かつ継続的に推進するため、システム戦略部の配下に「生産システム課」を新設し、人材育成を軸としたDX推進体制を正式に構築していきます。

 

ⅱ)ダイバーシティ&インクルージョン(人材の多様性の確保に関する考え方と取り組み)

 当社は、性別、年齢、人種・国籍、障がいの有無など、あらゆる多様性を尊重し、すべての従業員が自分らしく働き、能力を最大限に発揮できる職場環境の実現に取り組んでいます。多様な価値観や経験を持つ人材が互いに認め合い、協力し合うことで、新たな発想や創造性が生まれ、組織全体の競争力向上につながると考えています。

 

 

<2024年度の主な取り組み>

・女性リーダーの継続的な輩出

 当社では、管理職に占める女性の比率が低いことを課題と捉え、女性の採用強化や育児と仕事の両立を支援する制度の充実など、女性が長期的に活躍できる環境の整備を推進しています。

 さらに、「全社人財会議」においては、女性リーダーの育成を主要テーマの一つに掲げ、女性管理職の登用促進に向けた取り組みを進めています。

 2024年度には、将来的な活躍が期待される若手社員を対象に、当社の経営陣が個別面談を実施しました。面談では、業務への取り組み方やキャリア観、価値観などについてざっくばらんに対話を行い、一人ひとりの人となりや可能性をより深く理解することを目的としました。

 そこで得られた気づきは、今後の育成支援の参考として「全社人財会議」で共有しています。

 2025年度は、女性社員のさらなる成長支援や昇進意欲を高めるための環境整備を進めていく予定です。

 

・シニア社員の経験、ノウハウを活かした活躍

 当社では、今後増加が見込まれるシニア社員が、その豊富な経験とノウハウを最大限に発揮し、よりいきいきと活躍できるよう、「シニア社員活躍の場の創出」に向けて、全社人財会議の分科会を立ち上げました。

 2024年度は、分科会のフレームワークに基づき、シニア社員のスキルや志向と社内ニーズを的確に結びつける職務マッチングを推進しています。その結果、より全社最適で、本人の納得感も高い新たな役割の創出・配置が進みつつあります。

 また、シニア社員を部下に持つ上司を対象に、キャリア支援の基本的な考え方や、シニア社員との効果的な関わり方を学ぶための研修を実施しています。この研修を通じて、シニア社員のマネジメントにおける理解を深め、個々の強みを引き出す関わり方の実践につなげることを目指しています。

 

・障がい者雇用の推進

 当社では、障がい者の雇用および就労支援にも取り組んでいます。2024年度は、受け入れ体制の強化を目的に、障がい者職業生活相談員を増員しました。あわせて、国内グループ全体での雇用率向上を目指し、新たな採用経路の開拓にも力を入れています。これにより、従来は障がい者の雇用が少なかった事業所やグループ会社、本社の管理部門などにも、雇用の場が広がっています。

 

ⅲ)働きがいのある職場環境づくり(社内環境整備に関する考え方と取り組み)

 「幅広い視点から自ら深く考え動く人材」の育成と、「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進を実現するためには、従業員一人ひとりが自分らしく働き、意欲的にチャレンジできる職場環境の整備が不可欠です。

 当社では、多様な価値観や背景を尊重し、誰もが平等に意見を表明し、挑戦できる企業文化の醸成を目指しています。

 

<2024年度の主な取り組み>

・従業員エンゲージメントの向上

 当社では、働きがいやエンゲージメントの向上を図るため、定期的にエンゲージメントサーベイを実施し、従業員の声をもとに職場環境やマネジメントの改善に取り組んでいます。

 2024年度は、エンゲージメントサーベイの結果共有に加え、部門長を対象としたワークショップを開催しました。このワークショップでは、サーベイ結果の解釈方法や課題の共有、具体的なアクションへのつなげ方について、基本的なアプローチの理解を促しました。これにより、エンゲージメント向上に向けた具体的な取り組みの推進を図っています。

 さらに、アクションの効果を確認するためのフォローアンケートも実施し、これらの取り組みがエンゲージメントの向上につながっていることを確認できています。

 

 

・自分で描いたキャリアプランの実現支援

 当社では、社員自身が描くキャリアプランと企業の目指す方向性が一致し、そのキャリアプランに基づいてスキルや経験を積めるよう、キャリア支援施策の充実に力を入れています。これにより、社員が自律的に将来を見据えて成長できる環境を整えています。

 2024年度には、新たに部長層を対象とした上司向けキャリア研修を実施しました。これにより、上司が部下とのキャリアに関するコミュニケーションの重要性を理解し、望ましい関わり方について具体的な行動を取れるようになることを目指しました。

 2025年度からは、この研修の対象を課長層にも拡大するとともに、これまで段階的に導入してきたキャリア支援の各種施策を体系的に整理し、「キャリア支援制度」として本格的に運用を開始する予定です。

 

・男性育児休業取得

 当社では、多様なライフスタイルや価値観を尊重する取り組みの一環として、男性の育児休業取得を支援しています。性別に関係なく、育児や家庭と仕事の両立を支援することで、誰もが働きやすく、安心して長期的にキャリアを築ける職場づくりを目指しています。

 2024年度は、実際に育児休業を取得した男性社員が在籍する部門において、チーム全体での業務分担やサポートの状況を社内報にて具体的な事例として紹介しました。育児休業取得を支える職場環境づくりの重要性を発信することで、社内全体での理解と協力が深まりつつあります。

 

② 指標と目標

区分

項目

目標

(2026年度まで)

2022年度

実績

2023年度

実績

2024年度

実績

ⅰ)幅広い視点から自ら深く考え動く人材の育成

海外出向経験者比率
(事技職+管理職)

25%

20%

20%

19%

デジタル人材育成人数

60名

19名

20名

28名

ⅱ)ダイバーシティ&インクルージョン

女性管理職比率
(注)

7.0%

3.5%

3.7%

4.2%

障がい者雇用率

法定雇用率維持

2.9%

2.7%

2.8%

ⅲ)働きがいのある職場環境づくり

男性育児休業取得率
(注)

50%

16.6%

38.0%

33.3%

 

  (注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率についての実績は、「第1 企業の状況  5.従業員の状況  (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」にも記載しております。