人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数3,371名(単体) 25,617名(連結)
-
平均年齢40.8歳(単体)
-
平均勤続年数15.4年(単体)
-
平均年収6,947,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における状況
(2025年3月31日現在)
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
(2025年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は、全日本ゴム産業労働組合総連合等に所属しており、労使関係は安定しております。
(4) 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標について、女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定に基づき以下のとおり算出しています。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
女性管理職比率の向上に向けて、採用の強化や研修の実施、制度整備等に継続的に取り組んでいます。これまでの活動が実を結び、2024年度には新たに6名の女性社員が管理職に加わりました。社内における各種研修やアンケート等においてもポジティブな反応が増えており、女性活躍の推進が思想や風土として浸透していきつつあるとの手応えを得ています。
しかしながら、グループ全体への浸透や社内のロールモデル不足など課題は残存しており、女性が継続的にキャリアアップを目指すことのできる環境づくりを進めるべく、性別を問わず全ての管理職における働き方の改革や女性管理職と幹部候補女性との交流、女性管理職候補者向け研修等の取組を推進していきます。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇※1・育児奨励休暇※2」:当社独自の特別休暇)を算出したものです。
出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
※1 配偶者出産時に稼働日連続2日間の特別休暇を付与
※2 1歳未満の子を養育する社員に1回に限り稼働日連続5日間の特別休暇を付与
3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
なお、賃金制度において性別による差はなく、前年度と同様に次の3点が主な差異の要因と分析しています。
a.勤続年数(男性:平均14年、女性:平均10年)
b.職掌 (女性社員の約半数が事務職)
c.勤務状況(短時間勤務、深夜勤務、時間外手当の平均的な受給状況で男女間の差異がある)
女性従業員一人ひとりの人生・生活・働き方に対する価値観やライフステージに寄り添い、より長い勤続の実現、意欲・実績とライフステージの変化も考慮したキャリア形成(例:事務職・技能職から総合職への職掌転換等)の働きかけなど、賃金格差を改善していくための取組を継続していきます。
4.表中の「―」は、当該会社が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を選択していないこと又は当該会社が「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を要しないことを示しております。
<改善に向けた取組事例>
a.仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立支援施策及び女性活躍推進
2007年以降、女性の新卒採用や契約社員・派遣社員からの社員登用による女性の積極的な活用、在宅勤務制度や法定基準を上回る育児支援制度を始めとした仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立によるキャリア継続施策の拡充等に注力してきた結果、管理職候補であるグループリーダーや現場監督者として活躍する女性人数は徐々に増加しています。(図1参照)
2024年度も、住友電工グループにおける女性従業員の相互研鑽やネットワーキング構築を支援するフォーラム「SWING」(Sumitomo Electric Group Women’s Innovative Networking Group)による事務職向けワークショップへの参画、ダイバーシティ講演会の開催、ダイバーシティEラーニングの展開など、女性活躍の必要性に対する理解促進、風土醸成に取り組んできました。
加えて、経営層が女性管理職比率の引き上げを経営課題の一角と位置付け、中長期的な視点で活動していくことで一致しています。
上記の活動を確実に実行することで、女性管理職比率を2025年度には2.5%まで引き上げます。
(図1:管理職、グループリーダー、現場監督者に占める女性人数と割合の推移)
b. 男性育児休業取得率向上
これまでも男性が当たり前に育児休業を取得できるよう、社長メッセージの発信や講演会を始めとした様々な啓発活動、取得手続きのシステム化、人事部門と相談できる体制を構築するなど社内の職場環境整備を推し進めてきました。2024年度は、働きがい溢れる企業風土の醸成を目指して「活き生き5活動」(当社の働き方改革プロジェクト)をVer1.5へとシフトさせました。
この一環としてファザーリング・ジャパン社が運営する「イクボス企業同盟」に加盟し、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を展開して更なる環境整備に注力しています。「SMARTプロジェクト」は性別を問わず管理職層の働き方やマネジメントの在り方を変革し、若手が「目指したい」と思えるSMART(スマート)なマネージャーを育成することを狙いとしており、役員も参画して取組を進めています。
また、男性育児休業取得促進や育児・仕事の両立に関する講演会の開催に留まらず、育児休業取得者へのインタビューなど育児休業取得を身近なものと認識してもらうための試み、生産性向上のための業務改善を通じて多様な人材の活かし方を考えるワークショップを行うなど一歩踏み込んだ施策にも取り組みました。
こうした活動の結果、2024年度の男性育児休業取得率は68.0%(前年度比18.0%増)と大きく飛躍し、2025年度末時点の目標値である70%に迫る実績となりました。2025年度は「活き生き5活動」や「SMARTプロジェクト」等の強化・推進を通じて高い取得率の維持を目指すのはもちろんのこと、2029年のありたい姿に向けた更なる目標・取組事項の立案と実行を進めます。
(「活き生き5活動」、「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照)
(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業(出生時育児休業(産後パパ育休を含む))
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇・育児奨励休暇」:当社独自の特別休暇)取得率を算出したものです。出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」も併せてご参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループは、住友理工グループ経営理念の一つとして「地球環境に配慮し、よりよい社会環境作りに貢献します。」を掲げ、気候変動を重要な経営課題として位置づけています。また、2023年5月に公表した、創業100周年となる2029年に向けた長期ビジョン(2029V)では、「気候変動・自然資本に配慮した事業活動」をマテリアリティの一つとして掲げ、気候変動への対応を事業戦略に織り込んでいます。加えて、脱炭素対応をはじめとする環境課題解決にフォーカスした行動指針として、環境長期ビジョン2050及びそのバックキャストである環境2029Vision(環境2029V)を策定し、その達成に向けて全社一丸で取り組んでいます。
また、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを促進する観点から、TCFD提言に沿った分析を行っており、下記のとおり開示いたします。今後も、TNFD提言、ISSB基準や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等の国際的なサステナビリティ開示基準の動向等も踏まえ、分析をより深化してまいります。
①ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティ関連の事項については、社長が委員長、役付執行役員らが委員を務めるCSR・サステナビリティ委員会にて活動方針の承認や、活動推進状況のチェック及びフォローを行います。
CSR・サステナビリティ委員会で検討した内容等は、年2回以上取締役会で報告し指示を受けるなど、適切な監督体制を整えています。
(CSR・サステナビリティ委員会の概要)
また環境テーマに関する活動推進のため、環境分野所管の役付執行役員が協議会長を務める全社環境活動協議会をCSR・サステナビリティ委員会の下部組織として設置しています。加えて、当社の各製作所、グループ子会社の環境関連業務の代表者で地域環境部会を組織し、法令・条例改正情報・環境事故情報等を相互に共有することで、グループ一体での環境マネジメントの強化に取り組んでいます。
(全社環境活動協議会)
(地域環境部会)
(Global Management Meeting (GMM) 環境・カーボンニュートラル分科会)
②戦略
a. シナリオ分析
当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。
(参考)参照した主なシナリオ
b. リスク・機会の特定、分析
上記シナリオを前提に、下表のとおり当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。
特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目への対応の方向性を設定いたしました。
(移行リスクと機会)
(物理リスク)
※顕在時期 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、
長期:2050年
※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、
大:売上300億円/費用50億円以上
(2029年度時点の想定。移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。)
c. 戦略のレジリエンス
2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きが更に進むと考えました。その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。
しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。
また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)・バッテリー冷却プレート」や、EVの心臓部である電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。
このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトも含めた社会変化に柔軟に対応することが可能と考えています。
また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。
なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。
今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。
③リスク管理
当社グループは、リスク管理の実行において、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置するとともに、同委員会の事務局機能を務めるリスク管理専任組織であるリスク管理室を設置しています。
同委員会は「リスク管理基本規程」及び「グループ危機ガイドライン」に基づき、国内外のグループ会社において毎年リスク調査を実施しています。「重要なリスク」として認識・特定されたリスクを同委員会で共有し、グループ全体でのリスクの把握に努め、その分析・評価に基づき、対応すべき選別・対応方法を選択し、事業運営への影響の極小化に取り組んでいます。
リスク管理室ではリスク管理委員会の執行部門として、平時は地震などの自然災害や工場爆発などの事故に対する防災並びに被災軽減対策、事業継続計画(BCP)の策定と維持運営、グループのリスク調査/評価やリスクの監視、注意喚起、危機発生時のガイドラインやマニュアルの整備など未然防止対策、被災軽減対策の推進を行っています。
緊急時は、初動対応と所管部門の役割分担指示、発生した危機情報の収集・影響把握を行い、必要に応じて緊急対策本部を設置します。また、24時間365日体制で、グループ危機情報の連絡窓口を担っています。
当社事業が世界20ヶ国以上に広がるなかで、当社グループでは企業を取り巻くすべてのリスクに対処するために、大分類で14、さらに中分類で56のリスク項目を抽出し、各リスク項目の所管部署を定めて対応しています。各リスクに対しては「発生の可能性」と「被害の影響度」で評価し、リスクマップにすることで経営における影響度の見える化を図っています。あわせて各所管部署が十分機能できているかを確認しています。
また、各国固有のリスクに対応するため、海外及び国内グループ会社においてリスク調査を実施し、グローバルで対策状況を確認しています。
このリスク調査では、抽出したリスク項目をベースに各拠点が把握するリスクと対策状況を評価しています。評価結果から認識された主要なリスクをグループ全体で共有、リスクの顕在化を防ぐ施策を打つことで、グローバルでの危機管理強化に努めています。さらに、グループ全体のリスクマネジメントを継続的に改善するようにリスク管理委員会を中心としてPDCAサイクルを回す仕組み作りに努めています。
④指標と目標
当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し温室効果ガス削減目標を定め、燃料の燃焼などによるCO2の直接排出(Scope1)、購入した電力等の使用に伴う間接排出(Scope2)といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出などサプライチェーン全体で発生する間接排出 (Scope3)をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。
自社排出量削減については、再生可能エネルギーへの転換だけでなく生産エネルギー削減の両面からアプローチし、当社のコア技術であるモノづくりや材料、製品開発力をいかんなく発揮し気候変動の緩和と適応を進めています。サプライチェーンについては、原材料や部品など購入や輸送、廃棄に関わるCO2の削減に向けた企画や実行も進めています。
a. 2025年住友理工グループ中期経営計画
当社グループでは、2025年度を最終年度とする2025年住友理工グループ中期経営計画にてCO2の排出量の削減目標を設定しています。2023年度温室効果ガス排出量 は2018年度に比べ26.6%削減しました。
b. 2029年住友理工グループVision
2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)においてもCO2排出削減目標を設定し、長期的な視点での取り組みを実施しております。
2029年度の目標の内、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。
上記取組の推進により、Scope1+2削減の実績は既に2029年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成り行きでは排出量の増加が見込まれますが、取り組みの更なる進展により、目標達成を目指します。
また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が92.2%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。
(2)人的資本
①考え方
事業環境の変化の激しい現代において、「社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」であり続けるためには、多様な視点をもって世界を俯瞰し、素材、設備、組織や多様な人材といった経営資源の力を引き出す人材、社会から必要とされるモノづくりとは何かを自律的に自問・探求し続ける人材が欠かせません。
こうした当社のパーパスを体現する人材を獲得し、成長させて、活躍させることが、当社の成長と企業価値の向上に繋がり、さらには「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」の実現に繋がると考えています。
当社グループの人的資本経営では、事業経営の基本思想である「住友事業精神」のもと、独自に定めた「人的資本向上の方程式」(図1参照)を人材戦略の中心に位置付け、多様性と自律性を備えた従業員が成長し意欲高く働くことができる会社を目指して活動を推進しております。
「人的資本向上の方程式」では、人材戦略を実現する4つの人材マテリアリティを核に方針を定め、その方針に沿った人事施策(図2参照)に取り組むことで2029Vの実現を目指しています。直近では2025年に向けたKPI(2025P)を設定しており、人事部長を中心に定期的に取組状況をモニタリングする体制を取っています。
また、当社グループの人的資本経営の課題は「事業支援」と「グローバル連携」にあると認識しており、2029Vの実現に向けて加速度的に人事施策を推進していくために、「ネットワーキング」と「対話」の強化と拡充が必要であると考えています。
2024年度の取組では、事業部担当人事の検討やキャリア対話シートの導入、特定部門での社内公募トライアルといったキャリア開発支援に関する人事施策の実施等、事業部門と人事部門、上司と部下の対話を支援できる仕組みの構築を開始しており、経営戦略と人事戦略の連携強化について新たな歩みを進めております。
(図1:人的資本の考え方)
(図2:方針及び施策)
②取組
a. 住友事業精神
当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。
事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業としての発展を目指します。
従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。
(住友事業精神に関する教育受講者累計人数)
2024年度は、住友事業精神の教育対象を海外に広げた年となりました。海外展開を進めるに当たり「わかりやすさと自分事化」をテーマとした学習動画を新たに公開しました。400年の時を越えて引き継がれてきた住友の教えをアニメーションで分かりやすくまとめ、従業員一人ひとりが自分事として捉えられるよう、当社の歴史の中で大きな転換期となった自動車用防振ゴムの開発エピソードと住友事業精神とを紐づけたストーリーとしています。住友事業精神の学習動画は、GMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)での社長プレゼンテーションの中で国内外の幹部社員向けに初披露し、その後国内外全ての拠点が動画を視聴できる環境を整備しました。幾つかの海外拠点ではこの動画を母国語に翻訳し、従業員教育に活用しています。今後は、住友事業精神に触れた従業員の行動変容に繋がるプロモーションを実施していきます。
なお、2024年度のエンゲージメントサーベイでは、企業理念や事業戦略に関するスコアは66点で、日本の製造業基準値をやや下回りました。今後は、日本の製造業平均スコアの73点以上を目指し、住友事業精神と従業員との様々な接点を創出していきます。住友事業精神に触れることで、事業精神を知り、そして自ら実践し、最終的には事業精神に基づく行動が習慣化するという行動変容を促していきます。
(エンゲージメントサーベイについては30頁参照)
b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土の醸成」を掲げ、「住友事業精神」のもと多様性と自律性を備えた従業員が意欲高く働き成長することができる環境づくりに取り組んできました。従来は女性活躍を切り口として取組を進めてきましたが、多様性そのものへの理解が進んだ結果、職場からは「女性以外も含めた多様な人材を受け入れて活かすことができる環境づくり」を進める必要があるとの声が挙がってくるようになりました。こうした機運の高まりを受けて、2025年度からは「Equity」(公正性)を織り込んだDE&Iとして活動を進化させてまいります。
○ 女性活躍推進
女性が安心して就業を継続し、キャリアアップを目指していけるよう、研修や制度整備等の取組を推進しています。2024年度は新たにダイバーシティ講演会を開催し、国内グループ会社の従業員を含む500名以上が聴講しました。また、スタッフ部門を中心に展開したEラーニングについても2,000名以上が受講するなど職場における理解が着実に進んでいます。
女性管理職候補が参加したキャリアアップ研修においては、受講生の上司も参加して受講生のキャリアを一緒に考えるプログラムや役員から受講生へのメンタリングを取り入れ、キャリア形成に対するアドバイスや動機付けを行うなど会社全体で育成に取り組んでおり、今後もこれを継続・強化してまいります。
女性管理職のロールモデルが稀少であるという課題については、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を通じて性別を問わない管理職の働き方・マネジメントのロールモデルとなる「SMART(スマート)なマネージャー」の育成を推進し、女性のキャリアアップに対するモチベーションを高めるよう働きかけてまいります。
(「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照)
(注) 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の
新しいスタイル」に対応しました。
「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。
○ 障がい者雇用の推進
当社グループでは、受入れ職場との対話を通じて、障がいを持つ従業員の適性や障がいの種別(身体、知的、精神)・特性に応じた配置と職務の割り当てを行っています。また、2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めた結果、10年を超える長期就業も実現しています。
しかしながら、職場における理解と定着には依然として課題があると認識しています。そのため、これまで取り組んできたジョブコーチの配置等に加えて、2024年度は職制や管理監督者向けに「障がい者を正しく理解して共に働く、共に成長していく」という考え方の浸透を狙いとした講演会・勉強会の開催や障がい者雇用促進アンケートを実施しました。また、併行して採用経路の新規開拓に加え、更なるPR強化を狙った採用WEBサイトの拡充に着手するなど採用強化にも取り組んできました。さらに、事業所間における障がい者向け業務の更なる創出に向けた事例等の共有やDXを活用した業務支援の取組など、全社を挙げて活動を推進しています。
今後も2029Vで設定した国内グループ全体含む目標雇用率(2025年度2.70%、2029年度3.00%)の達成を目指し、引き続き取組を進めていきます。
(障がい者雇用率の推移と今後の目標)
厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値
○ グローバル人材の活躍促進
当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。
当社では、グローバル人材の活躍を象徴するイベントとしてGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)を毎年開催しています。2024年度は7月に愛知県名古屋市で実施しました。海外拠点長やローカル幹部従業員ら104名(前年度比20名増加)が来日し、対話や交流を行いました。2024年度のテーマは「2029Vの達成に向けた取組の共有」で、海外拠点からは自社の方針や戦略、具体的な活動計画が発表されました。また、初の試みとして当社の事業の重要テーマである「環境」「人事」「品質」の3つをテーマに分科会を実施。各分野の担当者にてカーボンニュートラルや、エンゲージメント向上、新規品立ち上げや量産品の品質管理などについて活発な議論がなされました。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・ダイバーシティ&インクルージョン
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/
・働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
c. 人材育成
当社グループでは「人材育成にまさる事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。
○ 住友理工の教育体系
「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育を実施しています。2024年度は、2022年から行ってきた教育体系の見直しと最適化、また、次世代教育環境整備に向けた現状分析と洗い出された課題に対する教育機会の提供に注力しました。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・人材育成
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html
2024年度は、役員と一部基幹職昇格者全33名を対象に当社初めてとなる360度評価を実施しました。また、2023年から基幹職社員を対象にしたビジネススキルアセスメントを定期的に実施しており、これまでに150名が受検しました。これらの調査結果からは、当社は中でも「コミュニケーション」、特に組織や役割を越えた相互理解に課題があることが明らかになりました。
そこで2024年度は「つながり」をコンセプトとした各種教育プログラムを実施しました。11年にわたり実施している選抜型教育経営塾(MCP)の過去の参加者を対象に「経営塾アルムナイ」イベントを実施し、参加者は経営塾卒業生の横の繋がり醸成及び強化を狙ったコミュニケーション主体の教育プログラムを受講しました。また2023年度の基幹職昇格者研修参加者を対象としたフィードバック会を実施しました。昇格者研修受講時に宣言した今後の行動変化について改めて振り返り、行動ができているか、出来ない理由は何かを仲間と共有しました。フィードバック会には社長も参加し、会社方針と各自の活動の紐づきを確認しながら自身の行動変化につなげるためのディスカッションを行いました。
他にも海外赴任予定者を対象に、海外駐在経験の豊富なアドバイザーを招き、少人数かつ対面での質疑応答主体の講義や、国内グループ会社と教育をテーマとしたワークショップを実施するなど、新たな「つながり」の醸成によってコミュニケーションを活発化するための教育施策を実施しました。
さらに、2025年度以降は、仕事における人間関係を円滑にするための手法を学ぶコミュニケーション研修や、今日的なリーダーのあり方を学ぶリーダーシップ研修、キャリア構築に向けたキャリアアップ研修の実施など、グループ全社を対象とした教育機会の拡充を展開していきます。
これらの施策を通じて、組織や立場の枠を越えたコミュニケーションの創出及び活性化を促進し、新たな価値を共に作り上げていく「価値協創」が実現できる環境づくりへの貢献を目指します。
○ DX人材の育成
DXを牽引する人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けています。2024年度はDX人材への教育機会の提供に注力しました。
DX人材教育のコンセプトは「可視化とサイクル」です。まずDX人材に対してはDXアセスメントを実施。各自が強み・弱みを理解した上で、自身のDXにおけるキャリアを明確に描くことのできる環境を用意しました。そして、強みの伸長や弱みの克服ができる教育コンテンツを準備し、対象者が自律的に学習し成長できる学習環境を整備しました。一方で自律的な学習や得られた知識を生かした実践による成果創出は簡単ではありません。そこで、学習に関する相談が気軽にできる社内SNSの構築や、年に2回の成果発表会、イントラサイトを活用した成功事例の社内共有などの支援体制も拡充しました。結果、指名形式ではなく立候補形式でありながら693名がアセスメントを受検し、内337名がアセスメント結果に基づくデジタル分野を中心とした教育を受講しています。また、DXの取組をけん引する基幹職に対してはITパスポート取得支援活動も行い、約50名がITパスポートを取得しました。他にもデジタル技術に関する教育動画の拡充を継続して実施しており、DX能力の底上げを組織全体で行える環境づくりにも取り組んでいます。
これまでは自発的にDX人材への成長を望む従業員に対してのサービス提供が主でした。2025年度は事業をけん引する従業員に対してもアプローチを行い、DXを全社一丸となって推進することのできる人材づくり・環境づくりを進めることでDXによる2029Vの実現に寄与していきます。
d. エンゲージメント
当社グループでは、2024年度に初めてグローバルエンゲージメントサーベイを実施しました。今年度は住友理工と米州2拠点、欧州1拠点、アジア1拠点の計5拠点で調査を行いました。
当社では総合指標となる「持続可能なエンゲージメント」の項目をKPIとして設定していますが、同項目のスコアは「63」と日本基準値よりもやや低い結果となりました。また、当社が事業運営の基本としている「安全」の項目で強みといえる高いスコアが確認できた一方で、リーダーシップのスコアが日本基準値を最も下回り、課題のある項目であることがわかりました。特に総合職や技能職ら現場社員のスコアが低い傾向が見られました。この問題に対しては、各部門において分析と改善のためのアクションプランの策定と実行を推進することや、後述するSMARTプロジェクト(31頁参照)によりエンゲージメントと心理的安全性向上のキーパーソンであるリーダー層への継続的なアプローチによる改善に取り組んでいます。アクションプランの策定については、高い課題認識と改善意欲を有する20を超える部署が人事部門による支援プログラムへの参画を表明しており、2025年度にかけて改善に取り組みます。
エンゲージメントの高い組織の実現のために、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりとそれらをけん引できる人材の育成を積極的に推進していきます。
○ ビジョン浸透の取組
2023年度には、2029V策定メンバーによるGMMでの直接説明や、同メンバーが拠点を訪問し、説明と対話によるビジョン浸透の取組を進めました。2024年2月に第1回サステナビリティアンケートを国内外で実施したところ、国内は79%、海外は86%が「2029Vを聞いたことがある」と回答し、Face to Faceによる対話の効果が見られました。一方で国内においては技能職の認知度が46%と低調な点や、海外では「自部門の2029V」の理解が67%と低い点が課題です。この課題の解決に向けて2024年度は、社長ブログを通じて2029Vを繰り返し訴求したり、昇格者研修や当社独自の教育コンテンツ「Foreman研修(F研修)」の中で、技能職に対して直接2029Vの説明をしたりするなど、理解度向上に努めました。今後も対話や講義などビジョンに触れる機会を継続して創出することで、従業員一人ひとりがビジョンを自分事化し、さらにそれぞれが自律的に判断・行動していく中で未来の目指す姿を具現化していくことのできる企業風土の実現に取り組んでいきます。
○ 健康経営
当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。
従業員の健康を重要な経営資源と捉え、「従業員や家族の健康増進活動への支援」「メンタルヘルス対策」「生活習慣病対策」の3点を重点対策に掲げ、各種研修(全19項目)の展開や健康経営イベントを定期的に開催する等、健康経営の考え方に基づいた各種健康増進に取り組んでいます。
健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。当社グループ従業員のプレゼンティーズム(注)1やアブセンティーズム(注)2を改善するため、国内グループ各社の産業保健窓口とも健康経営方針や健康KPIを共有し、メンタル不調対応における共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取組を強化しています。
また、従業員の健康被害の防止並びに健康経営推進の観点より、2026年4月からの敷地内全面禁煙を決定し、段階的な禁煙を進めています。これに合わせ、住友理工健康保険組合と連携し、喫煙者に向けた禁煙サポート活動を強化しています。
二つ目は「従業員の生産性とエンゲージメントの向上」です。定期的に経営レベルで活動をモニタリングしながら会社全体でPDCAサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。また、毎年4月のストレスチェックで測定する「活き生き度(注)3」改善に向けて、各職場で課題の特定、要因分析から対策を進めており、特定部門には深掘アンケート、個人面談など人事勤労部門と連携してサポートを行っています。2024年度全社平均で、活き生き度を4pt、ワークエンゲージメントを0.06pt向上させることができました。さらに、国内グループ会社へ目標や改善手法を共有し、意見交換を始めています。今後もグループ一体となって、健康で活き生きした職場づくりに取り組んでいきます。
また、2024年8月には健康投資の一環として健康支援センターの改修を実施しました。従業員に開かれた健康空間として従業員のエンゲージメント向上に活用していきます。
さらに、健康増進に取り組む従業員への積極的な支援と、組織的な活動施策の推進により、住友理工は9年連続で健康経営優良法人の認定を受けており、2024年度はホワイト500にも選定されました。今後も、従業員とその家族が健康で活き生きと活躍し、当社グループの発展に繋がる取組として健康経営を推進していきます。
(注)1 プレゼンティーズム:疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態
2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態
3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・健康経営
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/
○ 働き方改革
当社では、働き方改革の一環として従業員が「活き生き」と働くことが組織の活性化、ひいては業績の向上につながるという考え方のもと、「活き生き5活動」を実施しています。
「活き生き5活動」とは、当社の働き方改革の具体的な施策として2017年4月にスタートした取組であり、「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語となります。
2017年度から2022年度はVer1.0として総労働時間の低減や働きやすい制度の導入(コアレスフレックスや在宅勤務等)に取り組み、2023年度から2024年度にはVer.1.5として働きがいの向上も含めた活動を行ってきました。
2024年度においては、勤務管理システムの改善による労働時間の可視化や前述の健康経営ホワイト500取得などを実現してきました。また、Ver1.5のもう一つの目的である働きがいの向上に向けてエンゲージメントサーベイや「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を開始しました。
「SMARTプロジェクト」では、①中堅社員だけでなく若手社員からも目指したいと思われるような管理職の姿の追求、②過去の経験や観念にとらわれず、社会の価値観の変化に順応できる管理職への成長を実現するための取組を推進しています。2024年度は、管理職層を中心に心理的安全性の重要性や育児と仕事、介護と仕事に関する講演会など計9回のイベントを開催し、延べ2,200名以上が参加しました。2025年度からは対象を組織全体に拡大し、活動を推進していきます。
(「SMARTプロジェクト」活動概要図)
これらの取組の結果、労働時間や休暇取得において一定の効果が出ています。総労働時間については、活動を始めた2017年度と比較すると6%の低減を達成することができています。さらに有給休暇の平均取得日数についても高い水準を維持しています。
一方で2023年度と比較すると、2024年度は生産現場において高稼働な状況が続いたことから総労働時間は横ばいとなりました。
(総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数)
また、管理職の労働実績にも効果が出ており、およそ80%の管理職の時間外労働がひと月当たり45時間以内に抑えられています。さらに後述する「活き生き5Ver2.0」への移行によって、業務上の成果を出しながらもワークライフバランスを大切にできる姿を数値の推移としても示していきます。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
2025年度からはVer2.0として更なるエンゲージメント向上に向けた取組を推進し、2029年度のありたい姿である「住友理工グループ全組織のエンゲージメントが高まり、従業員全員が活躍できる会社」を目指します。
(「活き生き5活動」のロードマップ)
(「活き生き5活動Ver.2.0」活動概要図)
○ 柔軟で強い製造現場づくり
当社の製造現場で働く人材が、それぞれの想いやスキルを生かして活躍できるよう各製作所人事勤労部門が継続的に個別ケアを行っています。また、採用チャンネルの多様化を進めることで複数の事業を展開する当社の生産現場を支える多様な人材の確保を実現しています。さらに、配属後の能力開発やモチベーションの維持向上に向けての取組にも力を入れています。
③目標及び進捗状況
(注)1.特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
2.現時点ではグループ向けの活動を展開中であることから2023年度、2024年度の実績については、住友理工単体の実績値を表示しております。2024年度の実施率が100%を超えているのは、対象者への教育が一巡し2回目の受講者もいるためです。
3.経営幹部プログラム(Executive Management Program)、選抜型教育経営塾(Mirai Create Program)、若手人材育成プログラムなど幹部選抜研修の受講者数を集計しています。
4.2024年度はコア人材とデータ分析人材の分け隔てなく、広く教育機会を提供し、将来のDX人材候補者の発掘と育成に注力しました。