2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(知的財産に関するリスク)

当社グループは、開発する製品は多種、広範囲で、これに関連する知的財産権もまた複雑で多岐にわたっております。新製品の開発にあたっては、他者の権利を侵害しないように細心の注意を払っております。現在、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟は提起されておりませんが、権利侵害等の理由により第三者から販売差し止め等の訴訟を提起される可能性があります。また、第三者による権利侵害があり類似品が製造されることを完全に防止できない可能性があります。

このように、知的財産権における保護の失敗や不当な侵害は、当社グループの事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(金利変動によるリスク)

当社グループは、相対的に有利子負債比率が高い水準にあります。金利の固定化、金利スワップ取引等による金利変動リスクの回避を視野に入れ、調達コストの低減を心がけておりますが、今後金利が上昇した場合には経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(資金調達に係るリスク)

当社グループは、金融機関と締結している借入に係る契約の一部に財務制限条項が付されており、同条項に抵触し、期限の利益を喪失した場合には当社の財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(原材料高のリスク)

当社グループ製品の主要原材料はいずれも値上げ圧力が強く、シリコンオイル、樹脂、天然ゴムなどの商品市況の影響による価格上昇も要因となり、製品原価に影響を及ぼす可能性があります。製品価格への転嫁や、合理化等の企業努力で値上げコストを吸収していく方針ですが、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(原材料・部品の調達リスク)

当社グループは、合理的な価格で適切な品質及び量の原材料、部品等を調達しており、その調達はサプライヤーの供給する能力に依存しております。需要過剰の場合は十分な供給が受けられない可能性や、価格が高騰する可能性があります。さらに、自然災害等によりサプライチェーンが被害を受けた場合は生産活動に影響を及ぼす可能性があります。調達に関連するリスクを回避するため、複数のサプライヤーを確保し緊密な関係構築に努めておりますが、供給不足等の問題が発生した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(災害発生のリスク)

当社グループの生産拠点は、栃木県に集中しており、予期せぬ地震や停電その他の災害が発生した場合には、開発、生産拠点等が大きな損害を受け、業績に影響を与える可能性があります。なお、一定期間以上築年数が経過して老朽化の進んだ一部の工場については、地震等の災害により大きな被害を受けることも想定されます。

 

(国際的活動及び海外進出のリスク)

海外で事業を行う際には、以下のような特有のリスクがあります。

・政治的、経済的、法制的、社会情勢の変化に伴う地政学的リスクの影響

・為替レートの変動

・社員の採用と雇用維持及びマネジメント

国際的活動に当社グループが十分に対処できない場合、事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(資産価値の変動、減損会計に対するリスク)

当社グループの保有する土地や設備、有価証券などの資産価値低下等による減損処理が必要となった場合、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(法的規制などのリスク)

当社グループの製造するメディカル製品等は基本的に薬機法の規制を受けており、これらの製造販売を行うためには、厚生労働大臣の承認、製造所については都道府県知事の許可を必要とします。許認可の未承認や取り消し等により事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(製品の品質問題に関するリスク)

当社グループは品質管理には万全を期しておりますが、現在の技術・管理水準を超える品質に与える重大な問題等により、製造物責任に基づく製品の回収・損害賠償責任等に至るおそれがあり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報システム・セキュリティリスク)

当社グループは、経営情報資産・ネットワーク設備等について社外への漏えい及び不正アクセスを防ぐためにクラウド化、ファイアウォールなどのセキュリティの強化、社内啓蒙に努めております。しかし、予期しないコンピュータウイルスの発生・不正アクセスなどその規模によっては業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(環境保全に関するリスク)

当社グループは水質汚染、有害物質、廃棄物などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用対象となる多数の製造設備を保有しております。設備の管理や生産活動には万全の注意を払い、様々な対策を講じております。環境関連法令及び規制等の遵守、追加的な環境改善への取組み、不測の事態への対応等が極めて困難な場合や関連費用の増加、違反による事業停止などにより業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(人材確保に関するリスク)

当社グループは、創業以来培ってきた技術を基に最先端の技術開発を推進し競争力を維持するために、優秀な人材の確保が不可欠です。事業拡大や展開に合わせて計画どおりに人材が確保・教育できない場合は業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を最重要経営課題と位置付け、継続的かつ安定的な配当を目指しております。つきましては資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、中長期的に当社株式を保有いただく株主の皆様に対する利益還元強化の姿勢を明確に示すため、毎期の配当額は、「連結株主資本配当率(DOE)」2.8%以上を目安に決定し、持続的成長に向けた適正な内部留保の充実と資本効率を重視した株主への安定的な利益還元に努めてまいります。

※連結株主資本配当率(DOE)= 年間配当総額 ÷ 連結株主資本(期首・期末の平均値)× 100

 また、当社の配当につきましては、期末配当の年1回を基本的な方針とし、配当の決定機関は取締役会であります。

 当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記方針に基づき、当事業年度末日(2025年3月31日)を基準日とする配当金を1株につき78円としております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2025年5月15日

98,877

78.00

取締役会決議