2026年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境の変化によるリスク

EUV露光装置や次世代EUV(High-NA EUV)の登場等、半導体を筆頭とする電子部品業界で数年ごとに生じる製造
プロセスの世代交代に伴い、半導体メモリー市場は、定期的に需給バランスが大きく崩れ、需要変動が激しくなるリスクがあります。

特に近年は、生成AIやデータセンター投資の急増に伴うHBM(広帯域メモリ)やAIアクセラレータ向け先端半導
体需要の急拡大と、それに伴う反動減といった急激な需要変動が懸念されます。当社グループの営業収入はエレクトロニクス業界の需要動向と密接に関係しており、景気後退や需要の増減に業績・財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

(2) 地政学的リスクおよびサプライチェーンに関するリスク

ウクライナや中東における情勢の緊迫化に加え、米中対立を背景とした半導体関連の輸出管理規制(米国EAR等)の強化、台湾海峡等の地政学的緊張により、エレクトロニクス業界のサプライチェーンが分断されるリスクがあります。これにより、原油・天然ガス等のエネルギー価格の高騰のみならず、物流網の混乱、原材料調達難が生じる可能性があります。これらサプライチェーンへの影響により、当社研磨フィルムの販売数の増減、マーケットエリアの大幅変更、あるいは調達コストの上昇が事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 代替技術の出現によるリスク

当社グループと密接な関係にあるエレクトロニクス業界の技術変化は目覚ましく、従来から継続的に活用されている技術にとって代わる新技術が台頭する可能性があります。技術革新動向については細心の注意を払っておりますが、予期せぬ代替技術が普及した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 新製品開発力、技術革新によるリスク

当社グループが事業展開するエレクトロニクス市場は需要変動が激しく、技術革新も目覚ましい産業構造となっております。ハードディスクビジネスにおいては、記憶媒体のトレンド変化(NAND/SSDへのシフト等)や新記録方式リリース時の使用部材変更の恐れがあります。また、最先端受託研磨ビジネスや生成AI関連の精密加工需要においては常に高品質化が求められており、技術革新により新たな競合が現れる可能性があります。外部環境を含めて技術革新動向には細心の注意を払っておりますが、顧客の高度な要求水準を満たせない場合や、自社開発スケジュールが著しく遅延した場合、競合他社の参入を許し、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。

 

(5) 商品在庫に関するリスク

当社グループは、お客様の多様な商品ニーズに対する即納体制の確立のために、多品種の在庫を有しています。そのため、市況の急激な変化により過剰在庫を抱える可能性があり、商品評価損の計上により業績及び財務状態に影響を与え、キャッシュ・フローが滞る可能性があります。

 

 

(6) 新規事業に関するリスク

当社グループは、今後も継続的な成長を維持するため、次世代パワー半導体領域をはじめとする新規事業への取り組みを行ってまいります。しかしながら、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が先行して発生する可能性があります。また、安定的な収益を得るまでに一定期間を要することから、その期間の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替レートの変動によるリスク

当社グループの外国通貨建取引については為替変動リスクを軽減するための施策を実行しておりますが、完全にリスクを排除できるとは限りません。特に、昨今の長期化する円安局面や各国の金融政策の転換による急激な為替変動は、原材料の輸入調達コストの上昇等を招き、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の現地通貨建ての報告数値を円換算しているため、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(8) 自然災害・感染症等に関するリスク

当社グループには国内及び海外に活動拠点があり、これらの拠点、特に工場において、予想を遥かに超える大規模な地震、火災、台風や洪水等の風水害、あるいは未知の感染症等により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)や危機管理規程を策定しており、定期的な訓練や計画の見直しを行うことで、迅速な復旧対応ができるよう実効性の高い防災体制づくりを進めております。

 

(9) 情報セキュリティによるリスク

当社グループは事業運営において、機密情報や個人情報を保有し、様々な情報システムを利用しています。近年、製造業を標的としたランサムウェア攻撃や、サプライチェーンを経由した不正アクセス、工場内の制御系(OT)システムへのサイバー攻撃の脅威が高まっています。法的保護や秘密管理体制の構築、セキュリティ対策の強化に努めておりますが、万が一これらの攻撃等によりシステムの停止、データの消失、技術情報の漏洩が発生した場合、操業の停止や社会的信用の失墜により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループが最先端の技術開発を継続し、持続的な成長を遂げるためには、優れた技術者や専門知識を有する優秀な人材の確保と育成、技能の継承が不可欠です。しかしながら、労働市場における人材獲得競争の激化や人件費の高騰により、必要な人材を十分に確保・定着できない場合、事業展開や技術競争力に制約が生じ、当社グループの業績および今後の成長に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 気候変動・環境規制に関するリスク

当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷低減に取り組んでおります。しかし、気候変動に伴う物理的リスク(猛暑や水害等による操業環境の悪化)に加え、移行リスクとして、各国の環境規制の強化(炭素税の導入等)や、顧客からのサプライチェーン全体を通じた脱炭素化の要請が高まっています。これらに対応するための設備投資や再生可能エネルギー調達などの環境対応コストが想定以上に増加した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社グループでは、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保するとともに株主の皆様に対して安定配当を目指しつつ、業績を勘案して、適正な利益還元に努めております。

当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としております。なお、当社は、株主への機動的な利益還元のため、会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議により剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めております。

また、当社は、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。また、内部留保金につきましては、将来当社グループの柱となるべき新技術・新製品を生み出す開発投資や成長分野への継続的な事業展開のための投資に活用してまいります。

当社は、この基本方針に基づき、期末配当金につきましては、2026年5月14日開催の取締役会において、1株あたり10円(配当金の総額は140百万円)とし、本年6月24日を支払開始日とすることに決定させていただきました。

(注)基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2026年5月14日

取締役会決議

140,265

10.00