人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数11,534名(単体) 38,050名(連結)
-
平均年齢39.7歳(単体)
-
平均勤続年数15.4年(単体)
-
平均年収7,264,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社(当社及び連結子会社)の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
鉄鋼アルミ |
12,145 |
[1,530] |
素形材 |
4,595 |
[410] |
溶接 |
2,390 |
[222] |
機械 |
6,113 |
[1,067] |
エンジニアリング |
3,920 |
[1,031] |
建設機械 |
6,849 |
[1,871] |
電力 |
303 |
[61] |
報告セグメント計 |
36,315 |
[6,192] |
その他 |
304 |
[97] |
全社 |
1,431 |
[169] |
合計 |
38,050 |
[6,458] |
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外数で記載しております。
2.全社として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数 (人) |
平均年齢 (歳) |
平均勤続年数 (年) |
平均年間給与 (千円) |
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11,534 |
[1,405] |
39.7 |
15.4 |
7,264 |
セグメントの名称 |
従業員数 (人) |
|
鉄鋼アルミ |
4,803 |
[288] |
素形材 |
2,508 |
[229] |
溶接 |
910 |
[145] |
機械 |
1,367 |
[439] |
エンジニアリング |
521 |
[104] |
電力 |
303 |
[61] |
報告セグメント計 |
10,412 |
[1,266] |
全社 |
1,122 |
[139] |
合計 |
11,534 |
[1,405] |
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含み、当期より管理職を含めて算出しております。
3.全社として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
神戸製鋼所労働組合及び連結子会社の労働組合は、主に産業別組織である日本基幹産業労働組合連合会に加盟しております。神戸製鋼所労働組合の組合員数は、9,297人(連結子会社への出向者を含む)であります。
その他特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
||
3.2 |
94.5 |
80.2 |
79.5 |
91.1 |
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。(前事業年度以前に出産した子に関して取得した場合も割合を算出する上で分子に含めております)
<補足説明>
当社において、昇格、賃金等の制度は男女同一であり、処遇に差はありませんが、男女間で管理職数及び賃金に差異が生じております。
1)「管理職に占める女性労働者の割合」について
近年、女性採用を積極的に推進しているものの、過去の採用において男性の占める割合が高かったため、男女間で年齢及び勤続年数に乖離が生じており、相対的に管理職に占める女性労働者の割合が低くなっております。
2)「労働者の男女の賃金の差異」について
男女間で年齢及び勤続年数に乖離が生じていることに加えて、賃金の高い交替勤務従事者に男性が多いこと、就業時間に違いがあることなどにより、男女の賃金に差異が生じております。
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
日本高周波鋼業(株) |
3.1 |
15.4 |
81.1 |
79.5 |
79.2 |
神鋼鋼線工業(株) |
2.0 |
168.2 |
73.3 |
75.7 |
44.2 |
神鋼物流(株) |
2.3 |
78.3 |
77.0 |
77.2 |
80.1 |
高周波鋳造(株) |
0.0 |
0.0 |
86.4 |
97.7 |
46.1 |
(株)カムス |
0.0 |
100.0 |
76.2 |
77.2 |
56.4 |
(株)コベルコE&M |
3.5 |
65.0 |
89.5 |
89.5 |
(注)5. |
(株)コベルコE&Mサービス |
0.0 |
283.3 |
85.7 |
73.3 |
67.6 |
神鋼ノース(株) |
0.0 |
0.0 |
85.2 |
82.3 |
90.1 |
神鋼大安総合サービス(株) |
0.0 |
0.0 |
- |
- |
- |
コベルコ・コンプレッサ(株) |
0.7 |
54.5 |
63.1 |
65.0 |
44.4 |
神鋼造機(株) |
0.0 |
100.0 |
71.5 |
76.3 |
59.6 |
(株)コベルコ科研 |
2.9 |
185.7 |
71.4 |
73.5 |
27.2 |
コベルコ シンワ(株) |
0.0 |
0.0 |
70.1 |
75.3 |
58.4 |
神鋼テクノ(株) |
2.7 |
166.7 |
64.4 |
67.8 |
41.1 |
神鋼検査サービス(株) |
2.6 |
700.0 |
64.0 |
65.8 |
47.7 |
(株)神鋼環境ソリューション |
1.4 |
147.2 |
61.5 |
60.5 |
77.3 |
神鋼環境メンテナンス(株) |
3.8 |
118.2 |
68.9 |
77.3 |
72.0 |
コベルコ建機(株) |
2.8 |
84.7 |
73.2 |
70.7 |
108.2 |
コベルコ建機日本(株) |
1.4 |
42.1 |
68.3 |
69.6 |
50.8 |
トーヨースギウエ(株) |
1.7 |
0.0 |
51.5 |
48.9 |
68.3 |
(株)ワイズヨシハラ |
0.0 |
- |
- |
- |
- |
(株)ササイナカムラ |
- |
- |
78.8 |
74.6 |
(注)6. |
ジャパン スーパーコンダクタ テクノロジー(株) |
- |
0.0 |
- |
- |
- |
コベルコビジネスパートナーズ(株) |
19.4 |
50.0 |
- |
- |
- |
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。(前事業年度以前に出産した子に関して取得した場合も割合を算出する上で分子に含めております)
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表を行っていない連結子会社については記載しておりません。
4.「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表を行っていないため、記載を省略しております。
5.該当する従業員がいないため記載しておりません。
6.該当する女性従業員がいないため記載しておりません。
<補足説明>
男女の管理職数及び賃金に差異が生じている理由は提出会社と同一です。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
(ⅰ)グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進
当社グループは、事業活動を支える「経営基盤領域」と、事業成長を実現する「価値創造領域」とに分けて、グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進を行っております。「KOBELCOが実現したい未来」を見据え、「KOBELCOの使命・存在意義」を果たすことにより、持続的に成長し、中長期的な企業価値向上を追求してまいります。
なお、「KOBELCOグループ中期経営計画(2024~2026年度)」においては、変革(KOBELCO-X)を通じたサステナビリティ経営のさらなる強化に取り組んでまいります。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(ⅱ)サステナビリティ経営の推進体制
サステナビリティ経営の推進においては、重要課題について経営審議会の補佐機関であるサステナビリティ推進委員会を中心にマネジメントサイクルを回すことを基本としつつ、積極的な情報開示とESG外部評価やSDGs等の推進ツールも活用しながら、取締役会によるモニタリングも行う体制としております。サステナビリティ推進委員会では、重要課題に対応するために、各課題に応じた部会を設けることで、実効性のある活動を推進しています。
サステナビリティ推進委員会体制と機能
委員長(責任者): |
代表取締役副社長執行役員 永良 哉 |
取締役会への報告: |
1回程度/四半期 |
開催頻度: |
1回程度/四半期 |
機能: |
サステナビリティに関わる当社グループの課題の抽出/サステナビリティ推進活動のスケジュールの作成/グループ中期経営計画への提言/サステナビリティ推進活動のモニタリング及び提言/イニシアティブへの参画等の表明・発信と取組みの推進/環境、社会、ガバナンスに関わる外部評価等への対応 |
なお、2024年度からは取締役会のモニタリング機能強化の一環として、全取締役で構成する「サステナビリティ経営会議」を新設し、当社グループのサステナビリティに関する主要な活動(カーボンニュートラル、人材、品質等の分野における全社戦略)について、事業部門を含む執行側との幅広いかつ定期的な認識共有や意見交換を行うこととしています。加えて、執行側の推進体制の強化としては、GX戦略委員会の新設や、サステナビリティ推進委員会の直属部会として人材戦略推進部会を設置(D&I・働き方変革部会を強化)する等の組織改正を行い、GXや人材戦略等により注力していきます。
また、2024年度より、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)及び執行役員を対象とした役員報酬制度について、ESG指標を導入します。詳細については「4 提出会社の状況(4)コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。
②リスク管理
全社規程「リスク管理規程」に則り、国際規格である「COSO」を参照しながら当社グループの持続的発展及び企業価値向上を妨げる要因を抽出し、対策を講じる活動を行っております。全社的なリスク管理の対象として、当社グループ及びステークホルダーの皆様に重大な影響を及ぼし、グループを横断した対応が必要なリスクを「トップリスク」「重要リスク」として選定しております。この「トップリスク」「重要リスク」には人権・安全管理・気候変動・自然災害といったESGリスクが含まれます。全社のリスク管理体制については「3 事業等のリスク」を参照ください。
③戦略
グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営をより効果的に推進するために、「価値創造領域」「経営基盤領域」における機会やリスク等も踏まえ、経営資源を重点的に投入する中長期的な重要課題(マテリアリティ)を特定しております。マテリアリティの特定プロセス等も含めた詳細については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 <KOBELCOグループのマテリアリティ(中長期的な重要課題)>」をご参照ください。
なお、マテリアリティの一つ「グリーン社会への貢献」内にて「気候変動への対応」を掲げておりますが、気候変動対応については「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」及び「KOBELCOグループ中期経営計画(2024~2026年度)」においても「カーボンニュートラルへの対応」を最重要課題としておりますとおり、当社グループが取り組まなければならない喫緊の課題と認識しています。
(2)気候変動(TCFD提言に基づく関連情報開示)
[基本的な考え]
当社グループはCO₂削減への取組みを経営上の最重要課題であると認識しており、2021年5月にはKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)の中で、2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行の中で企業価値の向上を目指すことを表明しました。
当社グループはこれからもCO₂削減を通じて、「KOBELCOが実現したい未来」である「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現に貢献していきます。
①ガバナンスとリスク管理
気候関連リスク及び機会に係る課題を専門的に取り扱う組織として、サステナビリティ推進委員会(委員長:代表取締役副社長執行役員)のもとにCO₂削減推進部会を設置し、気候変動に関する戦略的な検討を行うこととし、気候関連のリスクと機会について全社横断的に検討・活動を行っています。 CO₂削減推進部会の検討結果や活動成果は、サステナビリティ推進委員会を通じて四半期に一度、取締役会へ報告を行ったうえで、取締役会の監督・指導を受けており、取締役会が気候変動に関わるリスクに対して直接ガバナンスを行う体制としています。 なお、2024年度からは、より一層対応を強化し、具体化していくフェーズに移行したという認識のもと、CO₂削減推進部会を「GX戦略委員会」と改称のうえ、経営審議会の補佐機関として体制を強化するとともに、新設する「サステナビリティ経営会議」において、カーボンニュートラルを重要テーマの一つとして、事業部門を含む執行側との幅広いかつ定期的な認識共有や意見交換を行うこととしています。 |
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②戦略
当社グループでは、国際エネルギー機関(IEA)等が提示する社会シナリオ、(一社)日本鉄鋼連盟や(一社)日本アルミニウム協会等の業界団体が策定・公表している長期ビジョンや、国のエネルギー政策等を考慮し、中長期的な気候関連のリスクと機会の分析を進めています。また、その分析により、当社グループ実行項目の適正性を評価しています。
<気候関連リスク> 今後、カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化等が当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱等が予想されます。 |
<気候関連機会> 気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへの需要が増加しており、自動車軽量化やMIDREX®プロセスといった当社グループのCO₂削減貢献メニューの需要が中長期的に増加することが期待されます。 |
③リスクと機会への対応(研究開発)
(ⅰ)生産プロセスにおけるCO₂削減
製鉄プロセスのCO₂削減に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する事業に鉄鋼他社とともに参画し、実用化に向けて技術開発を推進しています。その一つ「製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」は国の「グリーンイノベーション(GI)基金事業」に採択されており、2050年のカーボンニュートラルに向けた取組みを推進しています。
(ⅱ)技術・製品・サービスによるCO₂排出削減貢献
既存の削減貢献メニューである自動車軽量化に貢献する素材・部品、ヒートポンプ等では、更なるCO₂削減効果の追求を目的として、継続的な技術開発を進めています。また、新たなCO₂削減貢献技術・製品・サービスの開発にも積極的に取り組んでおり、MIDREX H2™(100%水素直接還元)等の開発を進めています。
④シナリオ分析
将来の気候関連のリスクと機会を把握するため、中期(2030年)及び長期(2050年)におけるシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)が公表する2℃シナリオ(SDS)、1.5℃シナリオ(Net Zero by2050)、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書の4℃シナリオを用いており、それに加えて(一社)日本鉄鋼連盟や(一社)日本アルミニウム協会等、当社グループ所属の業界団体が公表する長期ビジョンも参照して分析・評価を実施しています。なお、電力事業については、日本国のエネルギー政策と密接に関係するため、日本政府のエネルギー政策をベースとしてシナリオ分析を実施しています。また、外部環境の変化も踏まえ、定期的にリスクと機会の分析・評価の見直しを行っています。
(ⅰ)ビジネスへの影響
当社グループのCO₂排出量の90%以上は製鉄プロセスに由来するため、鉄鋼業の中長期的な動向は当社グループのビジネスに最も大きな影響を与えます。(一社)日本鉄鋼連盟の「長期温暖化対策ビジョン『ゼロカーボン・スチールへの挑戦』」によると、経済成長と1人当たりの鉄鋼蓄積量には一定の相関があり、また人口が増えれば鉄鋼の蓄積総量は拡大することが示されています。したがって、今後、世界の経済成長と人口増加により鉄鋼の需要は増加し続けると予測されます。
鉄鋼の生産は、天然資源(鉄鉱石)からの生産(主に高炉、直接還元鉄)と、スクラップの再利用(主に電炉)による生産に大別することができ、(一社)日本鉄鋼連盟の予測によれば鉄鋼の蓄積総量の拡大によりスクラップの再利用が大きく増加することが見込まれています。一方で、スクラップの再利用だけでは鋼材需要を満たすことはできず、天然資源(鉄鉱石)からの生産も引き続き現在と同程度必要となることが予測されています。
気候変動への対応やその情報開示に対する関心が高まる中、鉄鋼業においてもCO₂削減への取組みの重要性は今後も高まることが見込まれています。そのため、政府・地方自治体の皆様、投資家様、お客様等のステークホルダーの皆様から、自社設備からのCO₂排出量の削減への取組みと、CO₂削減貢献メニューの拡販に対する関心等がさらに増加するものと予測しています。
(ⅱ)リスクと機会
当社グループは、主力事業の一つとして鉄鋼製品の生産・販売を行っており、エネルギー多消費型の素材産業に該当します。当社グループのCO₂排出量は15.6百万t(2022年度、Scope1,2)であり、日本の製造業の中でも上位に位置しています。そのことから、カーボンプライシングをはじめとする将来の気候変動に係る政策、法令・規制の動向は、経営に重大な影響を与える可能性がある移行リスクと認識しています。
また、物理的リスクとして地球温暖化の進行により、大気中の水蒸気が増加することで降水量が増加し、大雨や台風による被害が激甚化する傾向があることが各種研究機関や気象庁等から報告されています。当社グループでも、近年の台風や大雨の激甚化による生産停止やサプライチェーン混乱のリスクが顕在化しつつあり、気候変動に伴う台風や洪水等の自然災害の激甚化は、生産活動の停止につながる経営に重大な影響を与える可能性があるリスクと認識しています。
当社では、全社のリスク管理規程上、「気候関連規制」と「自然災害への備え、復旧」を事象発生時の影響が特に重大と予想されるリスクである「トップリスク」に位置付け、リスク管理の強化を図っています。
一方で機会に関しては、気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへの需要が増加しており、自動車軽量化に貢献する素材・部品やMIDREX®プロセスといった当社グループのCO₂削減貢献メニューの需要が中長期的に増加することが期待されます。
⑤指標と目標
<指標A 生産プロセスにおけるCO₂削減> |
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[目標] 当社グループは2021年5月に2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行の中で企業価値の向上を目指すことを表明しました。また、中期的な目標として2030年目標を設定しています。 |
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[CO₂排出量の実績] 日本の鉄鋼業はオイルショックを契機として1970年代以降1990年代までに、工程の連続化や工程省略等による省エネルギーや排熱回収設備の設置によるエネルギーの有効利用を進めてきました。1990年代以降も排熱回収設備の増強や設備の高効率化を進め、廃棄物資源の有効利用の対策にも取り組み、近年では高効率ガスタービン発電設備の導入等を行ってきました。 当社グループでも、積極的な設備投資により、様々な省エネルギー・CO₂削減対策を講じてきました。例えば、2009年度から2014年度にかけて、加古川製鉄所に高炉ガスを利用した高効率ガスタービン発電設備を導入し、CO₂排出量を大幅に削減しました。 2022年度のCO₂排出量は、前年度と比較して、生産量減少に伴い減少し、削減率は2013年度比20%になりました。 製鉄プロセスにおいては、MIDREX®プロセスで製造したHBI(還元鉄)を高炉に多量に装入し、高炉工程でのCO₂排出量を約20%削減できることを実証試験で確認・完了しました。今後も引き続き、このHBI装入技術やAI操炉技術をさらに追求し、高炉でのCO₂排出量を削減して2030年度の目標達成に向けて取り組んでいきます。また、2050年カーボンニュートラルに向けては、「既存の高炉を活かしたCO₂削減」と「大型電炉での高級鋼製造」の複線アプローチで検討を進め達成を目指します。
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[エネルギー起源CO₂排出量の実績] 当社グループは2022年度、グループ全体で15.6百万tのCO₂を排出しました。そのうち、約92%が鉄鋼アルミ関連事業、約3%が素形材関連事業、約4%が電力事業で排出されています。 |
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<指標B 技術・製品・サービスによるCO₂削減>
[目標] 当社グループは、独自の技術・製品・サービスを通じて、社会の様々な分野でCO₂排出削減に貢献しています。当社グループはCO₂排出削減貢献量について、2030年目標、2050年ビジョンを設定しています。 排出削減に貢献する技術・製品・サービスについては、排出削減貢献量を社内認定する制度を設けています。なお、認定における計算式については、国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門IDEAラボ田原聖隆ラボ長にご指導いただいています。
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[CO₂排出削減貢献の実績]
CO₂削減推進部会において承認された当社グループの技術・製品・サービスによる2022年度のCO₂排出削減貢献量は58.9百万tと推計しています。
(注)1.「(2)気候変動」に関する詳細データは、「KOBELCOグループESGデータブック2023」15頁から26頁をご参照ください。
2.指標A、指標Bの2023年度の実績については、2024年9月発行予定の統合報告書及びESGデータブックの中で開示を予定しております。
(3)人的資本多様性
①当社グループの人材戦略
当社グループは、企業としての社会的責任を果たし、新たな価値を創造するために、グループ企業理念を理解し実践できる人材を育成することが重要だと考えております。
幅広い事業分野を有する当社グループにおいて、多様な背景、価値観、技術を持った人材を有し、時代・社会の変化の中で、社会への貢献とその実現に向けて果敢に挑戦することは、更なる強みの強化につながると考え、最大限活躍できる環境を整備してまいります。
②主な施策
(ⅰ)組織の多様性を高める
<ダイバーシティ&インクルージョン>
多様な背景や価値観を持つ人たちが職場で十分に力を発揮し、組織全体の成長力を高めることにより、活力ある事業展開につながると考えております。D&I推進の目指す姿と基本方針を設定し、活動を加速させております。
(ⅱ)一人ひとりの成長・挑戦を促す
<人材育成>
職場でのOJTを人材育成の基本とし、業務を通して上司や先輩社員とのコミュニケーションを重ね、早期の業務習得を促しています。また、新たな知識の習得を狙った多様な教育研修プログラムを用意し、OJTと研修を重ねることで、実践力の強化に取り組んでいます。
スタッフ職への取組み(管理職・総合職・基幹職事技系列) 2022年度開始した動画教材を活用した自律自走教育の定着を推し進めており、利用する社員も増加しております。2023年度は隙間時間や移動中の学習環境を一歩進めるため、会社貸与・個人所有の端末を問わず学べる体制を整え、学びの好事例を共有・横展開する場を設けています。受講者同士の良い刺激が、より自律的な学びの習慣化につながることを期待した取組みとなっています。 また、学習管理システム(LMS)を活用し、学びの質や量の定量的な把握・促進を行っています。 |
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現場技能職への取組み(基幹職技能系) 競争力の源泉となる「ものづくり力」の維持・向上のため、職場におけるOJTを基本に、階層別・職種別の各種教育プログラムを整備しております。入社5年目までの若手社員については、毎年、加古川の研修センターに集合し、業務に必要な知識や技能の教育を行っております。また、毎年の技能競技大会の開催、技能検定の取得促進等により、技能レベルの向上に取り組んでおります。 職場の要となる管理監督者には、安全、環境、品質等の基礎知識は当然ながら、マネジメントやコミュニケーションに特化した教育プログラムを準備し、よりよい職場環境の構築に向けた研修を行っております。今後も、社内外の環境変化に応じて、都度、教育内容・体系の見直しを行ってまいります。
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(ⅲ)活躍できる環境を整備する
<働き方変革推進>
生産性の向上、働きやすさ・働きがいのある職場環境整備に向けて、様々な活動に取り組んでいます。
柔軟な働き方の推進 テレワークと出社の組み合わせの定着化や両立支援の拡充につながる新たな休暇制度の導入、フレックスタイム制のコアタイム廃止、デジタルツールの活用等を推進しています。 テレワークやオンライン会議の浸透に合わせたオフィスの見直しも順次行い、生産性高く働ける職場環境の構築に取り組んでいます。 |
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業務改善の促進 業務そのものやプロセスの見直しを行い、仕事の質をより高めるために業務改善の取組みを推進しています。 また、業務改善の風土醸成に向けて、各職場における業務改善・効率化の取組みを対象とした「業務改善表彰」の実施や改善事例の全社展開を行っています。
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<人権尊重の取組み>
当社グループは、グローバルに事業展開する企業グループとして、国際連合で採択された「国際人権章典」を尊重し、国際基準に則った取組みを実施しています。2021年3月には、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に参加しています。引き続き、人権の保護、不当な労働の排除等の原則に賛同する企業としてその実現に向けて努力を継続し、人権侵害問題を発生させない取組みを強化しています。
人権デューディリジェンスの実施 当社グループの事業活動における人権への負の影響の特定と評価を行い、その防止や軽減を適切な方法で実施します。 2023年度は国内の主要グループ及び一部海外グループ会社を対象に、人権に関するリスクアセスメントを進めており、引き続き人権デューディリジェンスプロセスの確立を目指します。
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社員への人権基本方針・人権尊重に関する教育及び啓発活動 当社グループでは、全社員に配布している「社員のための行動手引き」に人権尊重の行動基準を定め、一人ひとりに人権を尊重して行動することをうながすとともに、新入社員研修や昇進時の研修等で人権基本方針及び人権意識の向上につながる教育を組み入れ、人権問題の発生防止に努めています。今後も役員をはじめとするすべての社員に対して、人権尊重に関わる必要な教育を定期的に実施していきます。 また、毎年12月の世界人権デーに合わせて、役員メッセージの配信や人権啓発ポスターの展開等の取組みを行い、差別やハラスメントを許さない姿勢を明確にするとともに、人権意識を国内外のグループ全体に深く浸透させ、人権尊重について考える機会としています。 |
<安全衛生>
「安全・衛生・健康は経営の基盤であり、全ての事業活動に優先する」という基本理念のもと、安全で安心して働くことのできる活気あふれた職場の実現に向けて、関係法令の遵守は当然のこと、様々な安全衛生活動を行っております。
③指標と目標
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指標 |
目標 |
2022年度 実績 (注) |
2023年度 実績 (注) |
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(ⅰ)組織の多様性を高める |
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新卒採用女性比率 |
2023年度:a.総合職事務系 50%以上 b.総合職技術系 15%以上 c.基幹職技能系 15%以上 |
a.48% b.10% c.8% |
a.44% b.13% c.9% |
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女性管理職比率 |
2023年度:2020年度比2倍(5.4%) |
3.0% |
3.2% |
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障がい者雇用率 |
毎年:2.3%(法定雇用率) |
2.64% |
2.62% |
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(ⅱ)一人ひとりの成長・挑戦を促す |
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1人当たりの平均社員研修受講時間 |
- |
35.9h |
33.0h |
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(ⅲ)活躍できる環境を整備する |
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年次有給休暇取得日数 |
毎年:平均15日/年・人 |
17.0日 |
18.0日 |
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総実労働時間 |
2023年度:2,000h/年未満 |
2,050h |
2,050h |
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人権に関する社員研修の受講率 |
- |
79.9% |
100% |
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休業災害度数率(社員) |
毎年:0.10以下 |
0.21 |
0.25 |
(注)当社グループの人材戦略のもと、グループ各社において課題に応じた指標と目標を設定していることから、代表として提出会社における指標と目標を記載しております。