2025年5月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

①AI/DX関連市場について

 当社グループは、AI/DX関連のプロダクト・ソリューション事業を展開しており、企業のデジタル変革を支援しております。国内市場では今後も拡大が見込まれ、特に製造業、金融業、サービス業など幅広い業種で導入の動きが加速しています。しかしながら、市場の成長ペースが想定を下回った場合、又は市場が拡大しても当社グループが同様の成長を実現できなかった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②競合について

 当社グループが展開するAI/DX関連事業においては、既存の競合に加え、高額な初期投資や許認可を要しない特性から新規参入が容易であり、今後さらなる競合の増加が想定されます。

競合他社の戦略や新技術への対応が遅れた場合には、当社グループの競争力の低下や費用の増加を招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③技術革新について

 当社グループが事業展開しているAI/DX関連市場では、技術革新や環境変化のスピードが非常に速く、関連事業者はその変化に対応が求められます。当社グループにおいても、最新の技術動向等を常に把握し、技術革新や環境変化に柔軟に対応できるよう努めておりますが、当社グループが、技術変化や新たなビジネスモデルの出現による環境変化に適切に対応できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)コンプライアンスに関するリスク

①訴訟について

 当社グループは、本書提出日現在において、第三者から訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは、法令遵守に努めておりますが、事業活動を行う中で、訴訟、その他の法的手続の対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、訴訟関連費用や賠償金等の支払い、社会的信用の低下、企業イメージの毀損、レピュテーショナルリスクの顕在化等により、当期純利益の減少など当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②知的財産管理について

 当社グループは、特許権や商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて知的財産権を登録することにより、当社グループ権利の保護にも留意するよう努めております。しかしながら、当社グループの認識していない第三者の知的財産権が既に成立している又は今後成立する可能性があり、仮に当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求又はロイヤルティ支払要求等が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③情報セキュリティ体制について

 当社グループでは、顧客の機密情報や個人情報を取り扱うにあたり、代表取締役を責任者とする情報セキュリティ体制を構築し、2020年12月にはプライバシーマーク(JIS Q 15001)を取得しております。しかしながら、万一、外部からの不正アクセス等により情報漏洩が発生した場合には、顧客や取引先からの信頼が損なわれ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業運営に関するリスク

①人材の確保及び育成について

 当社グループでは、事業拡大に向けて優秀な人材の採用・育成に取り組んでおりますが、採用計画の遅延や市場環境の変化により人材の確保が困難となった場合、また人材流出が進んだ場合には、業務運営及び事業拡大に支障が生じる可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②経営管理体制の確立について

 当社は2014年に設立され、未だ社歴が浅く成長途上にあります。今後の事業運営及び成長拡大に対応するため、当社の事業体制及び内部管理体制の更なる強化が不可欠であると認識しております。事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③システム障害について

 当社グループのサービスは、外部クラウドサーバー(Google社が提供するGoogle Cloud Platformのサービス(以下、「GCP」という))にて提供しており、GCPの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。セキュリティ対策や監視体制の強化を進めておりますが、GCP側の障害、自然災害、サイバー攻撃などによるシステム障害やネットワーク遮断が発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④特定の人物への依存について

 当社代表取締役である石川聡彦は、当社グループの創業者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を担っております。当社グループは、特定の人物に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化に努めておりますが、何らかの理由により代表者が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4)財政状態のリスク

①新株予約権の新たな発行による株式価値の希薄化について

 当社グループは、当社グループの役員並びに従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。今後も役員並びに従業員に対するインセンティブとして、新株予約権を付与する可能性があり、それにより株式が新たに発行された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2025年5月末における新株予約権による潜在株式数は413,275株であり、当社発行済株式総数3,996,850株の10.3%に相当しております。

 

②M&A、資本提携等について

 当社グループでは今後の事業拡大へのために、M&Aによる企業買収や資本提携等も積極的に推進してまいります。実施にあたっては、対象となる企業の財務内容や事業についてのデューデリジェンスを行い、事前にリスクを把握するとともに、収益性や投資回収の可能性について慎重な検討を行ってまいりますが、経済環境の変化等の理由から、当社グループが期待した通りのシナジーが得られず、想定通りの投資効果を上げられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③のれんの減損リスクについて

 当社グループは、M&Aの実施に伴い発生するのれんを資産計上し、一定期間で償却を行っております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られなかった場合には、当該のれんについて減損処理を行う必要が生じる可能性があります。減損損失が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④AI/DXプロダクトに係るソフトウエアの減損リスクについて

当社グループでは、AI/DXプロダクト(コンテンツ含む)に係るソフトウエアについては、将来収益獲得又は費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。しかしながら、市場環境の急激な変化などにより、当初の事業計画通りに収益が見込めない場合や、利用価値が減少した場合には、当該ソフトウエア等の無形資産の減損処理を行う必要が生じる可能性があります。減損損失が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社グループは、株主への利益還元を重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。しかしながら、現在成長過程にありますので、更なる成長に向けた組織体制の整備や事業の拡大、サービスの充実やシステム環境の整備等への投資に有効活用することが、株主に対する利益貢献につながると考えております。

 上記の理由から、創業以来配当を実施しておりません。当面は、内部留保の充実を図り、更なる成長に向けた事業の拡充等への財源として有効活用する方針であります。

 将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。なお、剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本としており、配当の決定機関は取締役会であります。また、当社は取締役会の決議により、毎年11月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。