事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,707 | 100.0 | 182 | 100.0 | 10.6 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、「AI(注1)と最先端技術を活用して、顧客と取引先にシームレスで効率的な商取引を提供し、生産性の向上と社会の発展を支援する。」をミッションとしており、会計分野に特化したAIソリューション事業(経理AI事業)を提供しております。経理業務のデジタルトランスフォーメーションによる効率化と、リモートワークをはじめとする働き方改革の推進が求められている中、それを実現するため以下に記載のRobotaシリーズのサービスを中心に事業展開しております。なお、当社はAIソリューション事業(経理AI事業)の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当社のサービスは、AI-OCR(注2)関連及び会計仕訳のアルゴリズムをサービス化したRobotaシリーズとリモートワークでも経理業務を遂行できるように開発したRemotaというプラットフォームを中心に構成されております。SaaS型のクラウドサービスであり、課金体系は、原則として1年以上の「月額課金(MRR:Monthly Recurring Revenue)」、読み取った帳票枚数に応じて変動する「従量課金」及び当期から提供したサービスとして初期設定サービス等の提供に応じて発生する「初期費用」で構成されております。契約期間の長期化による収益の継続性を実現しており、2024年12月末における顧客の平均契約締結期間は約28か月、LTV(注3)は120百万円となっております。
なお、月額課金、従量課金及び初期費用による売上高は以下のとおりであります。
|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
月額課金(千円) |
1,141,593 |
1,399,366 |
従量課金(千円) |
76,918 |
212,877 |
初期費用(千円) |
- |
89,771 |
当社は、販売の主要なターゲットを売上高500億円以上のエンタープライズ(大企業)としております。販売ルートとしては、当社の営業担当が直接潜在顧客にアプローチする手法に加え、販売チャネルを増やして受注を拡大させるため、販売パートナーが主体となってアプローチする手法も採用しております。サービスの提供方法はいずれの場合も顧客の基幹システム等に当社サービスが提供されることになります。一方、中小企業への販売ルートとしては、当社サービスを広範に利用いただくため、会計ソフトウエアベンダー等が提供するサービスの機能としており、サービスの提供方法はOEMが基本となっております。2024年12月末現在におけるエンタープライズ(大企業)及びOEMパートナーへの当社サービスの導入社数は140社となっております。
(注)1.AI(Artificial Intelligence、人工知能)とは、コンピュータを用いて「認識、言語の理解、課題解決」などの知能行動を実行する技術であります。
2.OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)とは、印刷された文字や手書き文字に光を当てて読み取り、デジタルの文字コードに変換する技術やソフトウエアであります。
3.LTV(Life Time Value)とは、ある顧客がその取引期間を通じて当社にもたらす利益を意味しており、ARPA(Average Revenue per Account、1アカウント当たりの売上高)に売上総利益率を乗じた値をグロスチャーンレートで除して算出しております。
(1)Robotaシリーズ
Robotaシリーズの機能は以下のとおりです。定型フォーマットの書類だけでなく非定型フォーマット(注1)や手書きの書類に対しても高い読取精度を実現しております。また、読み取った文字や数値を入力するだけでなく、証憑画像を振り分けたり、台紙に複数枚貼られた証憑を切り取ったりする機能や、読み取った内容が合っているかチェックする機能を有しているため、経費精算や請求書支払の突合業務についても利用することができます。経理業務の自動化のニーズに合わせ、必要な機能を選択し、組み合わせて利用できます。
Robotaシリーズの種類 |
内容 |
請求書Robota |
請求書の画像から、金額、日付、相手先等処理に必要な項目を読み取り、テキスト情報に変換します。請求情報の鑑だけでなく、明細も読み取ることが可能です。 |
領収書Robota |
領収書・レシートの画像から、金額、日付等処理に必要な項目を読み取り、テキスト情報に変換します。 |
通帳Robota |
通帳の画像から、金額、日付等処理に必要な項目を読み取り、テキスト情報に変換します。 |
台紙切取Robota |
経費申請書や支払申請書に添付されている領収書や請求書を検出して切り出します。切り出された証憑が回転していた場合には向きを補正した後の画像を出力します。 |
確認Robota |
領収書・請求書Robotaが読み取った金額等が正しく読み取れているかを確認するために、複数の視点で整合性確認を行った結果を通知します。 |
振分Robota |
証憑画像の種別を判定します。複数の書類を複合機やスキャナの連続スキャン機能などでまとめてスキャンし、一か所にデータ保存した際に、当該証憑画像を自動的に選別することができる便利な機能です。 |
仕訳Robota |
入力された情報から、その証憑に対する勘定科目を推論して候補リストを通知します。領収書・請求書Robotaと連動して利用することで、証憑画像から読み取ったデータに勘定科目まで追加することができる機能です。 |
(注)1.非定型フォーマットとは、記載されている項目は同じでも、記載されている場所、レイアウトが無数にあり、書類の種類数が限定的でない、領収書や請求書等の帳票です。
(2)Remota
経理業務の効率化・リモート化を実現することができるプラットフォームとしてRemotaを提供しており、上述の各Robotaを組み合わせることで一体として機能し、顧客のニーズに合わせた提案が可能となっております。Remotaは、メールにより請求書PDFファイルを受け取ると、下記のSTEPで自動で処理を行います。また、紙の請求書を郵送で受け取った場合は、請求書を複合機などでスキャンして、ストレージ(注1)にアップロードするとPDFファイルと同じように処理されます。郵送とメールの両方の方法で二重に受け取った場合でもRemotaは二重申請を検知することができるので、二重支払のミスを未然に防ぐことができます。
処理フロー |
処理内容 |
STEP1 請求書の受け取り |
請求書のPDFファイルが添付されているメールを、専用アドレスに転送します。 |
STEP2 OCR処理・自動仕訳 |
アップロードされた証憑はRemotaに搭載されたAI-OCR機能で読み取られます。請求書の内容(日付・金額・発行元会社名・発行元口座情報など)を読み取り、Remota上で取引先マスターデータとの照合や二重申請のチェック、未入力欄の有無など整合性の確認をすることができます。さらにRemotaに搭載されている仕訳Robotaが自動で仕訳を行います。 |
STEP3 確認・修正作業 |
RemotaがOCRで読み取ってAIにより仕訳した請求書の内容は、Remotaの管理画面から確認できます。Remotaの管理画面では、再確認が必要な項目にはマークが表示されます。 |
STEP4 会計システムへの連携 |
Remotaによりデジタル化された請求書の確定データを顧客の会計システムに連携します。 |
(注)1.ストレージ(Storage)とは、コンピュータなどのデータを長期的に保存しておくことを目的とした記憶装置です。
(3)Peppolアクセスポイント
デジタルインボイスの送受信に必要なPeppolアクセスポイントのサービスを提供しております。日本におけるデジタルインボイスの標準規格としてPeppol(注1)が採用され、Peppolを用いた電子取引はアクセスポイントを経由します。Peppol Authorityであるデジタル庁が、日本の各種法令や商習慣に対応した日本標準仕様を策定し、国内におけるPeppolの管理・運用等を行っております。当社は、2022年8月にデジタル庁からPeppolサービスプロバイダーとして認定を受けております。
これにより、送信側企業より当社アクセスポイントにデジタルインボイスデータが送信され、当社はPeppolネットワークに接続することで受信側企業に同データを送信することが可能となりました。
(注)1.Peppol(PAN-EUROPEAN PROCUREMENT ONLINE)とは、受発注や請求にかかる電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「ネットワーク」「運用ルール」の規格で、国際的な非営利組織であるOPEN PEPPOLが管理しているグローバルな標準規格です。
[事業系統図]
(注)1.エンタープライズ(大企業)は、主に売上高500億円以上の企業を指しております。
2.販売パートナーは、当社の製品・サービスをユーザー企業に販売する代理店です。
3.OEMパートナーは、当社の製品・サービスをOEM商品としてユーザー企業に販売する会計ソフトウエアベンダーです。
4.サーバ事業者は、当社が契約するクラウドコンピューティングサービスを提供する事業者です。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて340,227千円増加し、1,719,726千円となりました。この主な要因は、新規案件の受注が順調に推移したことにより現金及び預金が300,756千円増加したこと等によるものであります。また、固定資産は、前事業年度末に比べて475,032千円増加し、714,365千円となりました。この主な要因は、学習用サーバの購入に伴い工具、器具及び備品94,738千円増加したこと、本社移転に伴い建物附属設備等が70,239千円増加したこと及び繰延税金資産の回収可能性を見直したことに伴い繰延税金資産が314,938千円増加したこと等によるものであります。この結果、資産合計は、前事業年度末に比べ815,260千円増加し、2,434,092千円となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて288,281千円増加し、1,003,022千円となりました。この主な要因は、契約社数の増加に伴い契約負債が212,039千円増加したこと及び業容拡大に伴い営業債務である未払金が75,138千円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ17,764千円増加し、39,156千円となりました。この主な要因は、借入金の繰上返済等によって長期借入金が18,062千円減少した一方、本社移転に伴い新たに資産除去債務を39,156千円計上したこと等によるものであります。この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて306,045千円増加し、1,042,179千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて509,214千円増加し、1,391,913千円となりました。この主な要因は、配当金8,175千円を支払った一方、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ26,358千円増加、また当期純利益465,191千円を計上したことにより利益剰余金が増加したこと等によるものであります。なお、当事業年度末における自己資本比率は57.1%となり、前事業年度末に比べて2.7ポイント増加しております。
② 経営成績の状況
(売上高)
当事業年度の売上高は、1,707,072千円(前事業年度比38.5%増)となりました。この主な要因は、企業のリモートワーク化と経理業務のデジタルトランスフォーメーション(経理DX)が促進される中で、従来のAPIソリューションサービスである『Robota』シリーズに加え、会計帳票の入力業務及び確認作業を効率的に実施できるクラウド型AIプラットフォームである『Remota』が引き続き好調に推移したことによるものであります。
経理DXを推進するエンタープライズを中心に、経費精算や会計帳票の入力業務及び突合業務に加え、メールで受け取った請求書を正確かつ効率的に処理し、また郵送で受け取った請求書と二重支払いにならないようなチェック機能も搭載することで、ユーザーにとって投資効果が得られる提案を行ってまいりました。また、会計ソフトウエアベンダが提供する会計システムへの機能追加や、生成AIを活用した経理業務の判断支援サービスを開始しました。この結果、導入社数が前事業年度末の110件に対して140件と順調に推移し、売上高が大幅に増加しました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、506,676千円(前事業年度比9.5%増)となりました。この主な要因は、開発体制強化のための積極的な採用に伴い給料及び手当が21,516千円増加(前事業年度比9.9%増)となった一方、サーバ構成を見直し効率化を達成したことにより通信費は6,368千円増加(前事業年度比5.3%増)に留まりました。この結果、売上総利益は1,200,396千円(前事業年度比56.0%増)、また売上総利益率は70.3%となり、前事業年度に比べて7.9ポイント改善しております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,018,642千円(前事業年度比58.4%増)となりました。この主な要因は、営業体制の強化や業容拡大に対応した採用に伴い給与及び手当が128,177千円増加(前事業年度比68.5%増)、学習用サーバを購入したことに伴い減価償却費が62,940千円増加(前事業年度は4,188千円)、また採用等に伴う支払手数料が33,873千円増加(前事業年度比50.2%増)したこと等によるものであります。この結果、営業利益は181,753千円(前事業年度比43.8%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は違約金収入等を計上したことに伴い2,050千円(前事業年度は2千円)、また営業外費用は229千円(前事業年度は9,013千円)となりました。この結果、経常利益は183,575千円(前事業年度比56.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度において特別損益は発生しておりません。法人税、住民税及び事業税33,323千円(前事業年度は21,779千円)を計上した一方、繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額を314,938千円計上したことにより、当期純利益は465,191千円(前事業年度比270.1%増)となりました。
なお、セグメントについては、当社はAIソリューション事業(経理AI事業)の単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績に関する記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末より300,756千円増加し、1,603,250千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、530,196千円(前事業年度は292,989千円の獲得)であります。この主な要因は、税引前当期純利益183,575千円、減価償却費120,354千円、及び契約負債の増加額212,039千円があったこと等によるものであります。契約負債が増加した理由は、契約社数が増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、245,585千円(前事業年度は162,953千円の使用)であります。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出170,726千円、無形固定資産の取得による支出53,968千円、及び差入保証金の差入による支出29,862千円があったこと等によるものであります。有形固定資産の取得による支出の主な内容は、学習用サーバの購入及び本社移転に伴い発生したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、16,145千円(前事業年度は568,666千円の獲得)であります。この主な要因は、長期借入金の返済による支出27,878千円、及び配当金の支払額8,175千円があった一方、新株予約権の行使による株式の発行による収入52,267千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
AIソリューション事業(経理AI事業) |
1,707,072 |
138.5 |
合計 |
1,707,072 |
138.5 |
(注)1.当社の事業セグメントは、AIソリューション事業(経理AI事業)事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.AIソリューション事業(経理AI事業)の販売実績の増加は、企業のリモートワーク化と経理業務のデジタルトランスフォーメーション(経理DX)の推進に伴い、導入社数が増加したことによるものであります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
当事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社ラクス |
128,935 |
10.5 |
- |
- |
4.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、国内外の経済動向、技術革新への対応状況、競合他社の状況、及び当社の事業活動に影響を及ぼす法改正並びに過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、取締役会で承認された事業計画を基礎として見積られた将来の課税所得に基づき、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の解消時期をスケジューリングし、将来の税金負担額を軽減すると認められる繰延税金資産の金額を計上しております。課税所得の見積りの基礎となる事業計画における主要な仮定は売上高であります。売上高は、販売経路別に過去の受注実績や商談中の案件の状況等を踏まえた上で新規受注案件の金額を見積もり、また過去の解約率の推移と今後の契約更新の状況から予測解約率を設定した上で見積もっておりますが、経済環境等に大幅な変化が生じたこと等により、売上高が当該事業計画の予測を大幅に下回った場合、新規受注案件の金額及び予測解約率等に見直しが必要となり、その結果、翌事業年度以降の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況 ② 経営成績の状況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社はARPA及びグロスチャーンレートを経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視しております。ARPAは概ね1百万円程度で推移しておりますが、ARPAの向上のためには、エンタープライズに特化した営業及び開発戦略を実行するとともに、提供可能なサービスを拡充することで複数サービスの導入を達成することが重要であると考えております。また、グロスチャーンレートは、2023年12月期は第4四半期で大型案件の解約があったため上昇しておりましたが、当該解約が算定期間から外れたこと及び2024年12月期は大型案件の解約がなかったことから低減しております。今後より一層低減させるためには法令改正等によって変化する顧客ニーズを適時に識別し、サービスの機能強化または品質向上により顧客満足度を向上させるようなカスタマーサクセス体制を構築していくことが重要であると考えております。
期別 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
||||||
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
|
ARPA(千円)(注1) |
1,016 |
999 |
1,031 |
1,003 |
1,095 |
1,054 |
1,053 |
1,073 |
グロスチャーンレート(%) (注2) |
0.6 |
0.6 |
0.5 |
1.3 |
1.4 |
1.3 |
1.3 |
0.7 |
(注)1.ARPA:1アカウント当たりの売上高で、「当月末のMRR/当月末のアカウント数」で算定しております。
2.グロスチャーンレート:月次解約率で、「当月失ったMRR/前月末のMRR」を直近12ヶ月分単純平均して算定しております。
サービス導入当初はMRRが小さい顧客も多い傾向にあるものの、サービス利用が進むにあたってアップセルによってMRRが増加したり、他の機能をクロスセルすることでMRRが増加する顧客が多い傾向にあります。2023年12月末時点におけるサービス導入時期別のARPAの推移は以下のとおりとなっております。
導入期 |
2024年12月期 (1年未満) |
2023年12月期 (1年以上2年未満) |
2022年12月期以前 (2年以上) |
ARPA(千円) |
605 |
614 |
1,511 |
なお、当社の四半期末毎の導入社数の推移は以下のとおりとなっております。
期別 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
||||||
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
|
導入社数(社) |
91 |
99 |
107 |
110 |
114 |
125 |
135 |
140 |
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の主な運転資金需要は、新規機能及びサービス拡充のための開発、営業人員等の人件費のほか、関連する外注費が中心となっております。当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、これらの運転資金需要に対しては自己資金にて充当する方針でありますが、より安定的な資金供給のためには、銀行借入等も含め柔軟に検討を行う予定であります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。