事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| キーパー製品等関連事業 | 10,930 | 46.3 | 4,382 | 61.7 | 40.1 |
| キーパーLABO運営事業 | 12,693 | 53.7 | 2,717 | 38.3 | 21.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、企業理念「日本に新しい洗車文化を」のもと、企業ビジョン「日本人独特の高い美的感覚に訴える高品質な洗車やカーコーティングなど、車の美的事業を日本国中に広げ、日本国中の車をより美しくする事でお客様に喜びを提供し、みんなと共に喜ぶ。車の美的事業に係る日本国中の店舗を、誇りを持って従事できる喜びの職場にし、日本独特の洗車文化を作り上げる。」を掲げております。
かつては車を頻繁に買い換え、新車に乗っていることがステータスでしたが、今では、たとえ年数が経った車でも、それを大切にキレイに乗り続けていることが一つのライフスタイルの表現になってきております。加えて世界規模で発生したパンデミックを経験し、「車を清潔にキレイに長く乗ろう」という風潮がさらに強くなっております。
そんな車文化の価値観の変化の中で、かつてカーコーティングとは「新車を買った時に施工するもの」という性格が強かったのですが、今では、ある程度の年月を乗ってからもカーコーティングを施工して「大切な愛車を、キレイに長く乗る」ニーズが高まっております。つまり、カーコーティングは、新車販売時=カーディーラーだけの商品から、アフターマーケットとして「専門店」「ガソリンスタンド」「カーショップ」等での施工も当たり前の商品になってきております。
そのような中、当社は全国のガソリンスタンドを中心としたカーアフターマーケットに、キーパーコーティング
(注1)のためのケミカルをはじめ、道具、機械類の開発・製造委託、販売を行うキーパー製品等関連事業により、キーパーコーティング施工技術を各種の研修会を通じて普及してまいりました。また近年では、KeePerの認知度が上がってきた事や、KeePerが圧倒的に効くカーコーティングとして消費者から支持されている事で、新車マーケットでも注目をされており、カーメーカーやカーディーラーなどにも新車時のコーティングとして導入が急ピッチで進んでおります。
また、直営店として一般の消費者にキーパーコーティング等のサービスを直接提供する「カーコーティングと洗車の専門店」のキーパーLABOを運営しております。
これらの活動によって、新車マーケットやカーアフターマーケットでキーパーコーティングの施工技術を上げ、技術力の向上=カーコーティングの高品質化を果たして、消費者に安心してキーパーコーティングを受けていただける土壌を作っております。また同時に、全国へのテレビCMやYouTube、そして日本最高峰のカーレースへのスポンサード等の宣伝活動が、キーパーのブランディングに寄与しております。
当社事業の最大の特長は、お客様が驚くほどの「キレイ」を、プロの技術を持ったスタッフがキーパーブランドケミカルを使ってお客様の車に実現すると、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)が同時に実現されることです。
「キチンとお車をキレイにして、それを見たお客様が大喜びをすると(CS)、すごく嬉しい(ES)」といった構造です。この好循環の源泉は、お客様が驚くほどのキレイを実現する材料のキーパーブランドケミカルと、それぞれのスタッフの高い施工技術の維持と誇りであり、これが当社の最大の特長であります。
(注1)キーパーコーティングとは
キーパー製品とキーパーの施工技術に基づいたカーコーティングの総称です。塗装を磨き削ることなく塗装本来の艶を引き出し、紫外線、酸性雨、走行中の摩擦などの外的な攻撃から塗装を守り続けることを目的としています。
(1)キーパー製品等関連事業
当社認定のコーティング技術一級資格者が在籍の技術認定店「キーパープロショップ」等のキーパー施工店
(注2)向けと、車を販売する新車カーディーラーや中古車販売会社などのキーパー施工店向けに、自社開発のカーコーティング用ケミカル製品をはじめとしたプロユース向けの道具や機械類の開発・製造委託、販売を行っております。
カーアフターマーケットの中心であり一般消費者の来店頻度が最も高い店舗であるガソリンスタンドでは、キーパーコーティングの技術を習得し、店頭でのカーコーティングの販売に力を入れており、カーコーティングの市場を自らの店舗で実現しようとしています。同業界においては、地球温暖化対策=低燃費車の普及等でガソリンなどの燃料油販売数量が漸減しつつあり、移動距離が大幅に減り、更にその傾向が強くなってきております。
そのような厳しい業界環境の中で「自動車を美しくする事業」は、電気自動車時代が到来しても自動車がある限り存在し続ける事業であろうと考えられ、来店頻度の高いガソリンスタンドがその需要を引き受けるもっとも有力かつ便利なチャンネルと考えられます。当社は石油元売り大手企業及びその関連会社等に「キーパープロショップ」として正式に採用いただいております。
また同時に当社は「キーパープロショップ」の認定及びケミカル製品等の開発・製造委託、販売に留まらず、キーパーコーティング施工店向けに、カーコーティングの知識及び施工技術の習得のためのサポート事業に注力をしております。年間延べ5万人以上の研修生を迎えている通常の技術研修に加え、当社トレーニングセンターでの研修を受けた後に、ある程度の経験を積んでいただいた上で、当社インストラクターがキーパー施工店に出向いて行う「上達会」など実践的かつ効果的な研修として高い評価をいただいております。
2007年に1号店がスタートしたコーティング技術一級資格者が在籍の技術認定店「キーパープロショップ」は、2025年6月期末には6,661店舗にまで増加しました。それぞれの店舗においての技術レベルの向上と共にサービス商品の品質が向上して、リピートのお客様が増加しております。
そして、カーメーカーやカーディーラーなどの新車への施工が中心である自動車業界においても、新車に施工しても、新車以上にキレイになる事と、リピート率の高いKeePerが注目をされております。
特に、KeePer初の”新車用”コーティングとして販売した、高価格帯である「EXキーパー」(注3)が圧倒的な商品力で、一度体感すれば、その効果を感じる事が出来、KeePerの導入が堅調に進んでおります。
複数のカーメーカーから「新車」や「既販車」へのコーティングとして当社ケミカル製品を純正品として採用いただいております。
車以外へのコーティングも注目され始めており、スマートフォン用のコーティングとして携帯販売店舗にて販売をしはじめ、ツルツルになり傷が付きづらく好評です。今後は更に販路の拡大と共に、車以外へのサービスとしても、KeePerコーティングを広げる活動をしております。
(注2)キーパー施工店とキーパープロショップとは
キーパーの理論と、当社技術開発部で開発されたキーパー施工技術の技術研修を、全国22箇所のトレーニングセンターで受講し、KeePerブランドの製品でキーパーコーティング等のサービス商品を施工し、販売できる店舗を「キーパー施工店」と言います。また、その中でも当社が独自に設定した技術レベル「キーパーコーティング技術一級資格」の検定に合格した認定者が在籍していて、その環境と設備がキーパーコーティングの施工に適していると判定された店舗が「キーパープロショップ」として認定され登録される「サービスブランド」です。
(注3)EXキーパーとは(キーパーコーティングの新車用の代表的な商品)
KeePerは、Wダイヤモンドキーパーを最高峰のカーコーティングとして役割を担ってきました。ところが、SONAX(ドイツ) のマンフレッド・ピッチ博士が彼のチームと共に不思議な分子構造を持つ被膜を作り出しました。これをKeePer の技術チームが実用性を持たせるべく二年がかりで開発して完成。元々の車の塗装が持っている美しさを引き立てるだけでなく、その塗装本来の美しさに加え、被膜自体が存在感を持った明らかに新たな類の美しさを創り出し、車の存在に加えているのです。これを、KeePerではあえて「EXCESS BEAUTY=過剰なまでの美しさ」と表現。
「3年間耐久(ノーメンテナンス)」あるいは「6年耐久(2年又は1年)に1回のメンテナンス」のボディガラスコーティングです。
(2)キーパーLABO運営事業
一般のカー・ユーザー向けに自動車のコーティングを中心とした「車の美装を提供する店舗」をコンセプトとしてキーパーLABO店舗を運営しております。
キーパーLABOでは高い施工技術や知識を兼ね備えたスタッフが、当社開発の専用ケミカルで「キーパーコーティング」の施工を行っております。その他、仕上げに純水を使用した高品質な手洗い洗車、車内清掃等も行っております。
なお、当社においてキーパーLABO店舗は、直接一般のカー・ユーザーと接することにより、嗜好動向についての情報を収集することで、製品開発のための情報提供や店舗販売の仕組みを構築する役割もあります。
キーパーLABO運営事業は、2025年6月期末には全体で直営137店舗の体制となりました。
事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
当事業年度(2024年7月1日から2025年6月30日)における我が国の経済は、雇用・所得状況の改善やインバウンド需要の増加など明るい材料も見られましたが、エネルギー・原材料価格の上昇、米国の政権交代後の政策動向、中国経済の成長鈍化、中東情勢の不安定化などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社ではKeePerコーティングの品質の維持・向上を従来以上に実現していくことが、当面の業績を向上させるだけでなく、将来に向けたKeePerブランドのブランディングを確実にしていくために、最も重要であると考えております。
2025年6月期 実績
当事業年度(2024年7月1日から2025年6月30日)におきましては、売上高 230億93百万円(前年同期比12.2%増加)、営業利益70億98百万円(同16.3%増加)、経常利益71億31百万円(同17.4%増加)と売上・利益ともに過去最高を更新することができました。
事業分野別の状況は次のとおりです。
<キーパーLABO運営事業>
キーパーLABO運営事業の売上は126億92百万円(前年同期比13.5%増加)、営業利益は27億16百万円(同19.5%増加)となりました。
第4四半期間中(2025年4月~6月)のキーパーLABOは、月ごとに大きな変動が見られました。4月は春需要を受け、全店で実施した『スプリングフェア』が好評で、来店台数は前年同月比17%増と大きく進捗しました。5月は週末の降雨が続き、日照時間の少なさに比例する形で来店台数が減少しました。そして6月になると、一転して早い梅雨明けとなり、来店台数が一気に増加しました。異例の暑さも相まって、お客様の「さっぱりキレイにしたい」ニーズが高まり、来店台数は全体で前年同月比30.0%増加となりました。すべてのキーパーコーティングで施工台数が前年を大きく上回り、2025年6月期の最後の1ヶ月を良い形で締めくくる事ができました。
(各KeePerコーティングの施工台数状況)
2024年7月~2025年6月までの1年間において、KeePerの需要は引き続き堅調に推移しました。SNSで人気のある高付加価値のEXキーパーの施工台数は14,272台(前年比13.3%増加)と最も大きな伸びを示し、ダイヤモンドキーパーシリーズの施工台数は、2,800台(前年比5.3%増加)と順調に伸びております。既販車向けに人気のある、同フレッシュキーパー、クリスタルキーパーは19,281台(同8.8%増加)となりました。 また、各KeePerコーティングメンテナンスの施工台数は前年比15.2%増加となり、車齢が年々上昇し続けていることもあり、今乗っている車をキレイに長く乗りたいという需要が引き続き高まっております。
その結果、2025年6月期における総来店台数は748,349台(前年比11.6%増加)となり、多くのお客様にサービスを提供する事ができました。平均単価は、ご来店のお客様の100%受け入れ奨励に力を入れてきたこともあり、単価の低い洗車が相対的に多くなったため16,839円(前年比0.3%減少)と、わずかに減少いたしました。
(KeePerの需要拡大に合わせて、キーパーLABO FC募集開始)
2024年8月の出光興産株式会社との業務提携を皮切りに、同年11月からフランチャイズ募集を開始いたしました。その結果、ガソリンスタンドや新車ディーラーを運営する企業など、約50社・100店舗以上から申し込みと適合性検討の申し入れをいただきました。
2025年6月期にはFC6店舗が仲間入りし、2026年6月期以降も多くのFC店舗の出店が続いてまいります。
(新店の開発状況)
以上、2025年6月期はFC6店舗、直営17店舗、合計23店舗の新規出店(エリア初出店は5店舗:シンガポール店、金沢西泉店、長崎時津店、藤枝店、松本筑摩店)があり、キーパーLABOは156店舗体制となりました。
<キーパー製品等関連事業>
キーパー製品等関連事業の売上高は104億円(前年同期比10.7%増加)、セグメント利益は43億81百万円(同14.4%増加)と増収増益になりました。
市場別に見ると、長年にわたり製品等関連事業をけん引してきたキーパープロショップを中心とする「アフターマーケット」では、売上高が前年同期比0.8%減少し、本事業において初めて前年を下回る結果となりました。
要因は、主に以下の2点です。
1つ目は、燃料価格の高騰の影響です。ユーザーが燃料価格の負担増により、コーティングと洗車を買い控える動きが見られました。
2つ目は、石油元売り系列の再編に伴う混乱です。今後の燃料油販売数量の減少を目前に、ENEOS直系の大手石油販売会社の3社統合や、出光直系の統廃合が行われ、現場が混乱し、コーティングや洗車販売に集中できず、店舗の売上が低下しました。
一方で、毎年開催されている「2025年 キーパー技術コンテスト」では、参加人数が過去最高になるなど、元気のあるキーパープロショップもまだまだ健在です。
新車ディーラーを中心とした「新車マーケット」では、売上高が前年同期比32.4%増加し、全体に占める構成比も前期の25.4%から30.3%へと伸長しました。
上記のアフターマーケットの減少は数年前から予測しており、5年前ほど前から新車マーケット向け販売を強化してきた結果、新車マーケットの50%以上のシェアを持つトヨタディーラー向け販売が3年連続で約2倍ずつ増加し、今後の成長トレンドに対する確かな展望がしっかり見えております。
なお、新車販売台数に対するKeePerの施工シェアは、まだ2桁には届いておらず、今後も大きな成長余地があることは事実です。引き続き、営業強化を図ってまいります。
新車メーカーでの純正採用も進展しており、スバル、トヨタ、ホンダ、三菱に続き、2025年3月よりボルボ・カー・ジャパン株式会社においてもKeePerが純正品として発売になりました。また、既報のとおり、メルセデス・ベンツ日本合同会社からも純正品として発売が始まっております。
車以外のサービスも前年同期比46.9%増加と飛躍し、構成比が6.1%まで拡大しました。主な要因として、auブランドを展開するKDDI株式会社より、モバイル端末用KeePerコーティング「Mobile KeePer(モバイルキーパー)」が55万台分納入されたことが挙げられます。また、家の水回り用コーティングとして「お風呂キーパー」の発売も開始いたしました。お風呂掃除の労力を軽減させるだけでなく、浴槽のスリップ防止の効果もあるため、ホテルなどでの採用が活発になってきております。
海外展開については、2024年8月1日、シンガポールにて「KeePer LABO」が初の海外出店を果たしました。月間売上は300万円前後ですが、日本同様、リピーターが積み重なる2年目のジャンプに期待しております。
また、台湾のコーティングと洗車の専門店を運営するキーパープロショップは、昨年の3店舗から今年は11店舗へと拡大いたしました。運営企業は台湾市場での株式公開も果たし、台湾国内で大きな注目を集めています。
(キャッシュ・フローの状況)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ9億64百万円減少し41億72百万 円(前事業年度末比18.8%減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は58億55百万円(前事業年度比5億75百万円増加)となりました。主な内訳は税引前当期純利益71億34百万円、減価償却費5億57百万円であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額17億91百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は67億96百万円(前事業年度比43億1百万円増加)となりました。支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出19億80百万円、投資有価証券の取得による支出42億57百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は27百万円(前事業年度比11億94百万円減少)となりました。収入の主な内訳は長期 借入による収入15億円、支出の主な内訳は配当金の支払額13億64百万円、長期借入金の返済1億62百万円であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は77億35百万円(前事業年度末比10.0%減少)となり、8億53百万円減少しました。これは主に現金及び預金が9億64百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は170億91百万円(前事業年度末比59.8%増加)となり、63億96百万円増加しました。これは主に投資有価証券が43億31百万円増加したこと等によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は43億3百万円(前事業年度末比28.2%増加)となり、9億48百万円増加しました。これは主に、1年以内返済長期借入金が4億58百万円増加、未払法人税等が5億62百万円増加したこと等によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は24億80百万円(前事業年度末比69.6%増加)となり、10億18百万円増加しました。これは主に長期借入金が8億79百万円増加、退職給付引当金が64百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は180億42百万円(前事業年度末比24.7%増加)となり、35億75百万円増加しました。これは主に利益剰余金が当期純利益により48億88百万円増加した一方で、配当により13億64百万円減少したこと等によるものです。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は230億93百万円(前事業年度比12.2%増加)となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は120億79百万円(前事業年度比10.8%増加)となりました。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は70億98百万円(前事業年度比16.3%増加)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は営業外収益88百万円と営業外費用55百万円を計上した結果、71億31百万円(前事業年度比17.4%増加)となりました。
(税引前当期純利益)
当事業年度の税引前当期純利益は71億34百万円(前事業年度比17.6%増加)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は法人税等22億45百万円を計上したことにより、48億88百万円(前事業年度比10.6%増加)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入により資金調達することとしております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は41億72百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は5億6百万円、長期借入金の残高は9億43百万円となっております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
① KeePerの品質維持とブランディングについて
「サービス商品」であるKeePer商品は、工場やセントラルキッチンなどで画一的に造られる「製品」ではなく、キーパーLABO及びキーパープロショップなどの店頭で、一つ一つ造り上げられる「サービス商品」なので、その品質維持に難しいものがあります。
しかし、それをKeePerは、材料ケミカルの高い性能と、それを店頭での施工技術力の維持のために、全国22か所のトレーニングセンターを設置し約80名のインストラクターが活動しております。それにも増して、全国のキーパープロショップの皆さんの高品質に対する意識の高さが、施工されたキーパーコーティングの、サービス商品としての高品質の向上と維持を実現しています。その品質の高さは定評があり、キーパーコーティングを施工されたお客様はリピート率約85%という高い率で支持され、その積み重ねと、認知度アップでの新規顧客の獲得と相まってKeePerのガラス系コーティングは市場を拡大しています。
また、この高い品質が競合商品との決定的に差別化された競争力になっており、これをいかに維持していくかが今後の事業の拡大に大きな影響を与えます。その為に、「技術研修」、「キーパー技術コンテスト」や「上達会」が、キーパープロショップや施工店さんたちへの当社の主な活動となっており、キーパーLABO運営事業においては、より一層高い品質を維持することが専門店としての生命線として維持向上に努めています。
キーパーLABOは2025年6月30日時点で156店舗(直営137店舗)、キーパープロショップが6,661店舗と非常に多くの店舗であり、それぞれの店舗の責任において施工がされていて、そのすべての商品品質を均一に高く維持することは極めて困難でありますが、逆に、これを実現することが競合商品との差別化、決定的な競争力であり、KeePerのブランディングそのものです。もちろん、KeePerのブランディングは、全国へのテレビCMやYouTube、Webサイトで広く一般に認知を広げるなどマーケティングを通じても作り上げられております。これは2025年度以降も継続して行きたいと思っています。
② 新車マーケットでのKeePerコーティングの拡大について
カーメーカーやカーディーラーなどの新車マーケットである自動車業界においてもKeePerの拡大をすべく積極的に営業活動がされております。方策としては、KeePer初の”新車用”コーティングとして発売した、「EXキーパー」を中心に導入を推し進めております。その活動は、各メーカーへの純正採用として、まず初めて2020年10月より『SUBARU WダイヤモンドKeePer』が発売され、着実に販売シェアが広がってきております。2021年9月1日からは、トヨタグループの自動車部品専門の卸売会社である、トヨタモビリティパーツ株式会社より、KeePerボディーコートが発売されました。2023年3月31日からは、株式会社ホンダアクセスより、「EXキーパー」「ECOダイヤモンドキーパー」が純正品として発売開始されました。新車から既販車まで一貫してKeePerのサービスを提供し、日本国中の車をより美しくし、お客様に喜びを提供していきます。
③ キーパープロショップ登録店舗数の増加と1店舗当たりの施工台数の増加について
KeePer製品等関連事業の主力であるキーパープロショップは主にガソリンスタンドです。ガソリンスタンドは石油製品(燃料)が徐々に販売減少していく中でそのインフラを活かし、燃料以外で収益を上げる必要があり、どこの石油元売りもこぞってカーコーティングの施工販売に力を入れております。ガソリンスタンド自体の店舗数は減少の一途ではありますが、いまだに29,000店舗以上あり、その中でキーパープロショップは2025年6月30日時点で、約23%の6,661店舗であります。期首6,598店から期末6,661店と微増ですが、主要製品の一つであるダイヤモンドキーパーケミカルとレジン2、ECOレジンの売上が、前年同期比約25%増の伸びとなっており、1店舗当たりのコーティング実績が向上している事がわかります。
キーパープロショップは、入会金ゼロ、会費無料であり、獲得のための営業活動も全くしておりませんが、実際に売上実績が上がる功績で自然に増えてきたものなので、ガソリン業界だけではなく、カーディーラーやカーショップなどへも拡大していくと予想しております。
④ キーパーLABO既存店の売上向上と新規出店のペースアップについて
キーパーLABO運営事業については、「愛車をキレイに、長く乗ろう」というマインドが高い状態が続き、新しい次元に入った実績が続きながら、KeePerコーティングがYouTubeなどのSNS上での高い評価を見て、高額商品の需要が高くなって、KeePerコーティングの人気は上昇し続けております。
キーパーLABOの前年実績のある既存店舗は、SNSの中で良い評判が広がっていること、TVコマーシャルなどでKeePerブランドが消費者の中に浸透してきていることによってKeePer全体の信頼が上がってきて、購買商品がより価格の高い上位商品である「EXキーパー」「ECOダイヤモンドキーパー」の施工が新車を中心に増加し、キーパーLABOの販売単価を押し上げて来ています。
キーパーLABO新店用の物件は、従来通り計画通りの出店を達成するための十分な候補数を確保しております。
今後も出店ペースを落とすことのないよう常に物件候補地の検討を継続しKeePerの認知度向上に努めてまいります。
⑤ キーパーLABOとキーパープロショップの共存共栄について
初回施工はキーパーLABOで施工したお客様も、2回目以降の施工は近くて便利なキーパープロショップで施工される方がおよそ50%もいて、キーパーLABOが、周辺のキーパープロショップの活性化に役立っています。逆に、全国のキーパープロショップにKeePerの看板が上げられ、店頭ではパンフレットなどでの営業が行われることで、KeePerブランドの認知度がアップし、キーパーLABOの集客や運営に大きなプラスの力になっています。つまり、キーパーLABOとキーパープロショップの存在は相乗効果を持っており、このシナジー効果を持っていることもKeePerの大きな強みとなっております。
⑥ 新規出店に伴う人員の採用と、資金計画について
キーパーLABOの新規出店に伴う人員は、大学卒、高校卒とも、来春の新卒採用が前年を上回るペースで順調に推移しているため、中途採用も含めて十分な採用人数を得られるものと考えております。
企業理念にあるように、お客様の満足(CS)を高い技術で実現すると同時に、お客様の「ありがとう」の言葉で、従業員のやりがいと満足(ES)を生み出していくことが定着率の高さに結びつくと考えており、この理念の下で採用数の増加と相まって社員全体の増強が実現しております。今後も更なる店舗数拡大と品質の維持向上を図るため積極的な採用活動と従業員教育を進めてまいります。
新店の構築のためのコストは上昇しておりますが、新規開店から採算ベースに乗るようになってきており営業キャッシュ・フローでのプラス要因と、現在の現預金をもとに考えると、今後毎年30店舗余りの開店資金は安定的に調達をすることができると考えております。