2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 11,641 100.0 239 100.0 2.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、ビッグデータ(注1)処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを源泉とした、アドテクノロジーのDSP(注2)「Logicad(ロジカド)」を中心とする「マーケティングテクノロジー事業」の単一セグメントを提供しております。主要なサービスは、1.アドテクノロジー、2.マーケティングソリューション、3.デジタルソリューション、4.その他の4つに大別され、2025年3月31日現在、当社ならびに連結子会社4社で構成されております。

 

1.アドテクノロジー

 DSP「Logicad」及びデジタルハウスエージェンシーを提供しています。はじめにDSP「Logicad」についてご説明いたします。

 DSPは、Demand Side Platformの略で、RTB(注3)を活用した広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームです。RTBは、広告枠をリアルタイムに売買する広告配信の入札手法で、欧米にて2009年頃から、日本では2011年頃から急激に普及した広告配信テクノロジーです。これまでのインターネット広告は、一定期間単位で広告枠を売買する「純広告」が主流でしたが、RTBの出現により、広告主と媒体社は「インプレッション」(注4)ごとに「オークション形式」で取引を行うことができるようになりました。具体的には、広告主はDSPを通じて「広告を配信するユーザー」、「広告を配信する媒体」、「広告を配信するタイミング」、「広告の配信量」、「広告枠の購入単価」をインプレッション単位で適切にコントロールすることで広告枠買付の投資効果を改善できるほか、広告効果の仮説検証を短期間に繰り返し行うことが可能となりました。

 

 当社は、内製開発したDSP「Logicad」を広告主及び広告代理店に提供しております。Logicadの大きな特徴として、次の3点が挙げられます。1点目は独自開発の人工知能を用いた、精度の高いターゲティングです。2点目はビッグデータ処理技術と安定性です。2025年3月末現在、月間約10,469億件を超える入札リクエストに対して、3,200件を超える広告キャンペーン(注5)を運用していますが、各広告キャンペーンにおいて最適と予測した価格を瞬時に判断して応札しております。秒間最大48万件を超える膨大なオークション情報を平均数ミリセカンド(注6)でリアルタイムに処理するビッグデータ処理技術により、タイムアウト(注7)の発生を抑制しております。3点目は多くのウェブサイトを通じた国内最大級のリーチ可能なユーザー層の厚さです。

 これにより、メーカーなどの広告主は「Logicad」を利用することで、自社の広告を最も効果的なタイミングで最も関心の高いユーザーに届けることができます。

 デジタルハウスエージェンシーはDSP「Logicad」の開発・運用を通じて培ってきた高度なテクノロジーと専門的な知見を最大限に活用し、広告主企業のデジタルマーケティング活動の内製化、つまりインハウス化を包括的に支援するサービスです。近年、インハウス化が求められる背景には、いくつかの共通した課題認識があります。例として、外部委託に依存することで、広告運用やデータ分析のプロセスがブラックボックス化し、実態が把握しづらくなるケースが挙げられます。また、プライバシー保護意識の高まりや規制強化により、顧客データの適切な取得・管理と、それを基にした深い顧客理解に基づく戦略立案の重要性が増す一方で、その実行が外部任せでは形骸化し、「戦略の空洞化」を招くリスクも指摘されています。しかしながら、インハウス化の実現には、最新のデジタルマーケティングに関する高度な専門知識、それを実行できる適切な人材の確保と育成、そして戦略的な組織変革が求められるため、その難易度は決して低くありません。

 当社のデジタルハウスエージェンシーは、このインハウス化の課題を克服するために、自社プロダクトの開発・運用で培った技術力とエンジニア人材をはじめ、AI技術、ビッグデータ処理、データ可視化、高速マッチングといったコア・ケイパビリティを活用し、「戦略策定の精度向上」、「広告主企業が保有する膨大な顧客データの分析基盤構築」などを提供することで、広告主企業が有するデータに基づいた効率的かつ透明性の高いデジタルマーケティングの実行を支援しております。

 

2.マーケティングソリューション

 連結子会社のSMT株式会社はクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN(スキャン)」を提供しております。アフィリエイトサービスとは、インターネット上で商品やサービスを販売している広告主の広告を、WEBサイトやスマートフォンアプリ等の媒体に掲載し、広告掲載の成果(商品購入、会員登録の実績等)に応じて報酬を得るサービスです。当社のクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN」の特徴は、当社の独自の審査により厳選した媒体に限定した広告出稿を行っており、広告主の投資効果の最大化を支援している点にあります。

 

3.デジタルソリューション

 連結子会社の株式会社ASAはWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。連結子会社であったルビー・グループ株式会社では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しておりましたが、2024年9月30日に株式譲渡を実施し、連結の範囲から除外しております。

 

4.その他

 テレビ番組表ポータル「テレビ王国」やインターネット利用支援ポータル「PreBell」の広告枠の企画及び販売を行っております。

 

5.用語

注1.

ビッグデータ

従来のデータベース管理システムなどでは処理することが困難なほど巨大で複雑なデータ集合の集積物。

2.

DSP

(Demand Side Platform)

広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォーム。媒体側の広告収益の最大化を支援するプラットフォームであるSSP(Supply Side Platform)と対になる仕組みであり、両者はRTB(Real Time Bidding)を通して、広告枠の売買をリアルタイムに行っている。「Logicad(ロジカド)」の場合、2025年3月末現在、複数のSSPと接続しており、月間約10,469億件を超えるリクエストを処理している。

3.

RTB

(Real Time Bidding)

媒体を閲覧したユーザーの1インプレッション毎にインターネット広告枠の売買がリアルタイムにオークション形式で行われる仕組み。

4.

インプレッション

媒体に掲載される広告の効果を計る指標の一つで、広告の掲載回数のこと。媒体にユーザーが訪れ、広告が1回表示されることを1インプレッションという。

5.

広告キャンペーン

広告主から受託した広告を管理するための単位で、商品やサービス毎に広告キャンペーンを作成しており、広告キャンペーン毎に予算やターゲットユーザー、地域などを設定。「Logicad」の場合、同一商材であっても、PC向けとスマートフォン向けの広告で別の広告キャンペーンとしてカウントしている。

6.

ミリセカンド

時間の単位のひとつで、1,000分の1秒のこと。
「Logicad」の場合、2025年3月末現在、秒間最大48万件を超えるオークション情報を平均数ミリセカンドでリアルタイムに処理している。

7.

タイムアウト

SSPが受け付ける各DSPによるオークションの入札期限のこと。「Logicad」の場合、2025年3月末現在、平均数ミリセカンドでの入札を実現することで、タイムアウトによる広告出稿機会のロスを防いでいる。

 

6.事業系統図
以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。
 

(注)親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とは、当社グループサービスのアドテクノロジーにおいて取引を行っており、「Logicad」の広告枠の販売、デジタルハウスエージェンシーの提供を行っております。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けています。「2024年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2024年のインターネット広告費は、SNS上の縦型動画広告をはじめ、コネクテッドTVなどの動画広告需要の高まりなどが成長に寄与し、前年から9.6%増加して3兆6,517億円となりました。

 このような経営環境のもと、当社グループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、2025年3月期は「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」となることを目指す姿として掲げ、目指す姿の実現に向けて、ソニーグループとの連携を強化させつつ3つの取り組みを進めています。1つ目は3つの構造改革である「中核事業改革」「事業ポートフォリオの再定義」「収益構造改革」の推進による成長性と収益性の向上、2つ目はソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長、3つ目は成長を支える強靭な経営基盤の確立です。

 当連結会計年度は、売上高においては、アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度では増収となりました。営業利益、経常利益は、アドテクノロジー、マーケティングソリューション、デジタルソリューションに属する既存事業の回復により増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益、経常利益の黒字幅の増加及び連結子会社であったルビー・グループ株式会社の株式譲渡による影響で増益となり、2020年3月期以来5期ぶりに当期純利益黒字化を達成しました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ711,950千円減少し、5,963,039千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ992,003千円減少し、1,982,929千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ280,052千円増加し、3,980,110千円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は11,640,954千円(前期比24.7%増)、営業利益は239,156千円(前期比134.0%増)、経常利益は165,299千円(前期比72.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は291,745千円となりました。

 

 当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。

 

1.アドテクノロジー

 広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP「Logicad」の提供を行っております。また、今期より広告主のデジタル広告・デジタルマーケティングを総合的に支援するデジタルハウスエージェンシーの提供を開始しています。当連結会計年度は、取り組んできた営業力強化や商品力強化の各施策が奏功したことによる業績回復に加え、デジタルハウスエージェンシーの想定を上回る立ち上がり等の影響により、アドテクノロジーの売上は前期比46.9%増の9,767,770千円となりました。

 

2.マーケティングソリューション

 広告主と媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っています。当連結会計年度は、広告主及び媒体運営業者の開拓に努めましたが、ASP領域の競争環境激化による一部カテゴリでの販売不調の影響等により、マーケティングソリューションの売上は前期比40.0%減の493,260千円となりました。
 

3.デジタルソリューション

 連結子会社の株式会社ASAではWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。連結子会社であったルビー・グループ株式会社では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しておりましたが、2024年9月30日に株式譲渡を実施し、連結の範囲から除外しております。当連結会計年度ではルビー・グループ株式会社の株式譲渡に伴う減収により、デジタルソリューションの売上は前期比28.1%減の1,288,870千円となりました。

 

4.その他

 テレビ番組表ポータル「テレビ王国」やインターネット利用支援ポータル「PreBell」の広告枠の企画及び販

売事業を行っています。当連結会計年度は、「テレビ王国」と「Prebell」の広告売上の増加により、その他の売上は前期比25.8%増の91,052千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ42,531千円増加し2,476,134千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動においては、税金等調整前当期純利益322,798千円、減価償却費544,048千円、顧客関連資産償却額7,030千円を計上し、また、売上債権が158,092千円減少、仕入債務が314,694千円増加、法人税等の支払額46,210千円がありました。その結果、営業活動により得られた資金は1,322,194千円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が407,149千円、造作・サーバー等の有形固定資産の取得による支出が26,303千円となりましたが、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が310,509千円となりました。その結果、投資活動により使用した資金は103,230千円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動においては、長期借入金の返済による支出が1,174,497千円となりました。その結果、財務活動により減少した資金は1,176,410千円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、マーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

アドテクノロジー

9,767,770

146.9%

マーケティングソリューション

493,260

60.0%

デジタルソリューション

1,288,870

71.9%

その他

91,052

125.8%

合計

11,640,954

124.7%

(注)1.サービス間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

708,580

7.6

3,307,107

28.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1) 財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における流動資産は、4,377,902千円となり、前連結会計年度末に比べ410,271千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が32,531千円増加した一方で、売掛金及び契約資産が369,652千円減少したことによるものであります。固定資産は1,585,136千円となり、前連結会計年度末に比べ301,678千円減少いたしました。これは主に、ルビー・グループ株式会社の株式譲渡に伴う顧客関連資産等の無形固定資産が215,501千円、敷金が51,577千円減少したことによるものであります。

 その結果、総資産は5,963,039千円となり、前連結会計年度末に比べ711,950千円減少いたしました。

 

(負債合計)

 当連結会計年度末における流動負債は1,860,009千円となり、前連結会計年度末に比べ14,941千円増加いたしました。これは主に、買掛金が138,369千円、未払消費税等が54,405千円増加した一方で、一年内返済長期借入金が214,452千円減少したことによるものであります。固定負債は122,919千円となり、前連結会計年度末に比べ1,006,944千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が960,045千円減少したことによるものであります。

 その結果、負債合計は1,982,929千円となり、前連結会計年度末に比べ992,003千円減少いたしました。

 

(純資産合計)

 当連結会計年度末における純資産合計は3,980,110千円となり、前連結会計年度末に比べ280,052千円増加いたしました。これは主に、資本金及び資本剰余金が10,819千円、利益剰余金が291,745千円増加したことによるものであります。

 その結果、自己資本比率は66.7%(前連結会計年度末は54.9%)となりました。

 

2) 経営成績

(売上高)

 アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度は増収となりました。この結果、売上高は11,640,954千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は9,264,363千円となりました。これは主に売上の増加にともなう仕入費用の増加によるものです。この結果、売上総利益は2,376,591千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

 販売費及び一般管理費は2,137,434千円となりました。これは主に2024年9月30日に連結子会社であったルビー・グループ株式会社の株式を譲渡したことによる影響になります。この結果、営業利益は239,156千円となりました。

営業外収益は10,425千円、営業外費用は84,282千円発生しており、経常利益は165,299千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業利益、経常利益の黒字幅の増加及び連結子会社であったルビー・グループ株式会社の株式譲渡による影響で、親会社株主に帰属する当期純利益は291,745千円となりました。

 

当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の区分による分析は省略しております。

 

3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、広告枠の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、主にソフトウエア開発にかかる無形固定資産投資、サーバー等の有形固定資産の取得によるものであります。

(財務政策)

 当社グループは、運転資金及び設備資金については主に、内部資金により調達しております。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することで、手許流動性を確保しております。

 

c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況

 当連結会計年度は、売上高はアドテクノロジーの増収により、期初計画を上回って着地いたしました。営業利益は、アドテクノロジー、マーケティングソリューション、デジタルソリューションに属する既存事業の回復により、期初計画を上回って着地いたしました。期初計画に比べ、売上は1,640百万円(+16.4%)増加し11,640百万円、営業利益は89百万円(+59.4%)増加し239百万円となりました。

 

指標

2025年3月期

(実績)

2025年3月期

(期初計画)

2025年3月期

(期初計画比)

売上高

11,640百万円

10,000百万円

1,640百万円

(116%)

営業利益

239百万円

150百万円

89百万円

(159%)

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、その他、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは常に市場動向を留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 2024年4月に策定いたしました中長期戦略におきまして、戦略の柱として「3つの構造改革(『中核事業改革』・『事業ポートフォリオの再定義』・『収益構造改革』)の推進による成長性と収益性の向上」、「ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長」「成長を支える強靭な経営基盤の確立」を掲げています。

 事業環境の見通しにつきましては、景気の先行きに対する不透明感は依然として残るものの、広告主の出稿意欲、とりわけインターネット広告の出稿意欲は緩やかに回復していくものと見込んでいます。一方で、インターネット広告におけるプライバシー保護や透明性への要求水準は向上し、生成AIの活用普及は急速に拡大し、性能も加速度的に向上すると見込んでおり、当社のマーケティングテクノロジー事業にも一定の影響を及ぼすものと想定しています。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報にもとづき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、マーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一製品・サービスの区分の外部顧客売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書売上高の10%以上を占める相手がいないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一製品・サービスの区分の外部顧客売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

3,307,107

マーケティングテクノロジー事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度において、固定資産の減損損失1,124,873千円を計上しておりますが、当社は、アドテクノロジー事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 単一セグメントとしているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。