2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

エネルギー関連 水関連 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
エネルギー関連 6,566 69.1 1,985 118.0 30.2
水関連 2,940 30.9 367 21.8 12.5
その他 N/A N/A -670 -39.9 N/A

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されており、水関連事業及びエネルギー関連事業を行っています。各事業の内容は以下の区分のとおりで、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。

なお、当社の親会社である株式会社ハマダグループ、株式会社ハマダ及び株式会社ハマダコムは、当社事業とは異なる事業を営んでいます。ただし、当社は株式会社ハマダに対し、水関連事業及びエネルギー関連事業に係る製品製造工程の一部について製造委託を行っています。また、株式会社ハマダコムとの間で当社姫路工場の土地及び建物に係る賃貸借契約を締結しています。

 

(1) 事業の内容

 ① 水関連事業(当社、那賀設備(大連)有限公司、NAGAOKA VIETNAM CO., LTD. 、矢澤フェロマイト株式会社)

 超高速無薬注生物処理装置(以下「ケミレス」という。)及び省エネルギー型充填塔式気散処理装置(以下「エアシス」という。)等の設計・製造・施工・販売・メンテナンス、並びに、取水用スクリーン及び建築・土木分野の建設向け排水用スクリーンの製造・販売を行っています。また、矢澤フェロマイト株式会社では、浄水場等で使用される水処理設備の設計から製作、工事の施工まで、一連の水処理プラント工事を請け負っています。これらの製品や工事の施工により取水・水処理された地下水は、生活用水、工業用水、農業用水等に幅広く利用されています。

 

 ② エネルギー関連事業(当社、那賀設備(大連)有限公司)

 スクリーン・インターナルの製造・販売を行っています。スクリーン・インターナルは、石油精製、石油化学、肥料プラントの心臓部である反応塔内で、原料の原油や天然ガスを変化させ、反応、抽出、分離を行う触媒をサポートする内部装置です。スクリーン・インターナルを経由して化学繊維やプラスチック、ペットボトル等、私たちの暮らしに欠かせない様々な製品が作られています。

 

(2) 製・商品及びサービスの特長

① ナガオカスクリーンの特長(水関連事業及びエネルギー関連事業)

 ナガオカスクリーンの基本性能は、固体と液体又は気体を効率良く分離することで、様々な用途に使用されます。製品の基本的な特長は、三角形の断面のワイヤー形状により目詰まりを起こしにくく、構造的に強度がある等です。このナガオカスクリーンを使用して、エネルギー関連事業のスクリーン・インターナルや水関連事業の取水用スクリーン等を生産しています。

 

② スクリーン・インターナルの特長(エネルギー関連事業)

 スクリーン・インターナルは、石油精製、石油化学プラントの心臓部である触媒反応・合成等のプロセスで使用されます。スクリーン・インターナル上に触媒を広げ、液体又は気体の石油原料を流し、触媒と化学反応させて物質を変化させます。この原料の流れを均一な整流に保つことは、プラント生成物の質の均一化に大きく関係しますので、スクリーン・インターナルはスクリーンのスロット・サイズだけでなく、形状加工や溶接等2次加工を含めた製品全体の高い精密性が要求されます。また、通常、触媒反応・合成等のプロセスは圧力容器で覆われており、容器の中は高温・高圧・高腐食になります。そのような過酷な使用環境下でも長期間使用できる高い耐久性も要求されます。もし、スクリーン・インターナルに不具合が生じると、プロセスに影響を与えるだけでなく、プラント全体の生産に不具合が生じてしまいます。このようにスクリーン・インターナルは、プラントにおける重要機器の1つです。そのため、プロセス・オーナーから認証を取得するためには、非常に厳しい水準の生産体制や能力に対する審査に合格することが求められています。

 

③ 取水用スクリーンの特長(水関連事業)

 当社の取水用スクリーンは、井戸や集水埋渠などの取水設備に使用されています。当社の取水用スクリーンは、開口率が大きいため取水効率が高く、周囲の砂層に含まれる水を井戸内へ緩やかに流れ込ませる特性を持っています。これにより、スクリーンの周囲の砂層を極力動かさずに取水することができ、砂層の目詰まりを防ぐことができます。この技術・ノウハウを「サンド・コントロール」と呼んでいます。また、取水用スクリーンを横にして川底などに埋設し、上を覆う砂層を通して取水する集水埋渠では、埋設されたスクリーンの上部にある砂層の目詰まりを解消するために、取水方向と逆方向に空気や水を押し出して、砂層に溜まった微細物を取り除き、取水効率を元に戻します。この技術・ノウハウは「逆洗」と呼ばれています。これらの技術・ノウハウにより、井戸や集水埋渠の寿命が伸長し、安定した取水量を維持することができます。また、「サンド・コントロール」、「逆洗」の技術・ノウハウは、ケミレス及びハイシスでも活用されています。

 

④ ケミレスの特長(水関連事業)

 ケミレスは、地下水に含まれる飲用基準を超える濃度の鉄分やマンガンなどの金属イオン及びアンモニア態窒素、ヒ素などの無機物を、溶存酸素を使った接触酸化処理並びに硝化菌や鉄分バクテリアなどの生物処理で水処理する装置です。

 水処理装置は、塩素を代表とする薬品を使った薬注処理装置が現在の主流となっています。これに対し、ケミレスは、無薬注でかつ超高速の水処理装置であり、薬物処理では排出されてしまう産業廃棄物を出さない等、環境にやさしいという特長があります。また、ケミレスの処理性能を支えているのが洗浄技術であり、集水とは逆方向の水の流れで下部集配水管を通して処理水を逆噴出させることで、ろ過層に沈着した鉄分・アンモニア態窒素・マンガンの処理済み物質を排水とともに排出させ、同時にケミレス上部からも処理水を噴出し、ろ過層の表面を洗浄する技術です。ろ過層を洗浄することにより生物ろ床の損傷リスクが懸念されますが、当社が培ったノウハウで、原水の水質を見極めて生物ろ床の損傷を装置の処理能力を低下させない範囲で洗浄頻度・時間を自動制御し、ろ過層に溜まった処理済物質を取り除きます。これにより、ケミレスのろ過プロセスの処理能力を半永久的に持続することができます。

 

⑤ エアシスの特長(水関連事業)

 エアシスは、地下水や河川水に含まれる有機性化合物質(以下「VOC」という。)や遊離炭酸などの汚染物質を99%以上除去し、難しいとされる水道法水質基準超過の低濃度VOCも0.001mg/L(水道法水質基準値の10分の1)まで除去します。同時に、既存技術と比べ、運転に必要なエネルギー量の60%削減を実現します。更に、エアシスに改良を加えたエアシスPlusは、空気中に含まれるVOCの除去も可能とします。

 エアシス及びエアシスPlusはこれまで主に土壌汚染対策装置として販売してきましたが、用途を拡大し、上水道向けに、遊離炭酸を低減した「おいしい水」を提供することが可能となりました。

 

⑥ 高速海底浸透取水システム(ハイシス)の特長(水関連事業)

 ハイシスは、当社の取水技術・ノウハウを用いて日立造船株式会社と共同で開発した海水淡水化プラント向けの海水取水装置です。

 従来の海水淡水化プラントは、海水を海中から直接取水するシステムのため、初期費用・維持費用ともに割高にならざるを得ない構造となっています。その結果、淡水から造水する場合と比較して、造水コスト(一定量の水を造り出すコスト)が高すぎて事業化の大きな障壁となっています。原因の1つは、取水設備の表面及び内部に海洋性生物が付着・成長してしまうことです。それらを除去するために、塩素系薬剤を大量に海中へ投入する必要があります。塩素系薬剤の使用は、海域環境の汚染に繋がるだけでなく耐性菌の発生やプラント内部での海洋性生物の再増殖を起こし、前処理工程で各種薬剤の投入が必要になり、ランニング・コストつまり造水コストが増加する一因となっています。また、各種薬剤は逆浸透膜の寿命を縮める原因となり、逆浸透膜を短い周期で交換する必要があります。更には、投入した薬品を中和するための設備、海洋性生物等の不純物を除去して処理する産業廃棄物処理設備などの初期投資とランニング・コストも必要となります。

 一方、ハイシスは、海の砂でろ過をして取水するため、取水部分への海洋性生物の付着や海洋性生物・ゴミ等の不要物の取り込みが無くなります。また、取水した海水の水質が清澄であることから、濁り等の懸濁物質を取り除く薬品処理工程も不要となります。これらにより、処理設備を縮小することができ、また、汚泥などの産業廃棄物が発生しないことから、環境負荷を低減することができます。

 

(3)事業系統図

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

(1) 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や個人消費・インバウンド需要の持ち直しがあった一方、資源高による物価の上昇、世界的な金融引き締めや中国経済の成長鈍化に伴い海外景気の停滞が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移しました。

 このような状況の下、当社グループでは、2022年6月期から3ヵ年を計画期間とする中期経営計画「FLIGHT PLAN:VISION 2024」のもと、持続可能な成長を目指し、「既存事業の深化・拡充」「戦略的パートナーとの連携」「新規市場参入」の取り組みを推進してまいりました。

 水関連事業では、国内の上水道や食品・農業に関連する分野の水処理を幅広く行っております。前連結会計年度より連結子会社となった矢澤フェロマイト株式会社は、上水道・排水処理設備の設計、製作、据付工事を事業としており、これにより対応可能な施設設計・受託範囲が広がったことで、受注機会が拡大しました。また、国内向けの営業活動だけでなく、海外顧客への営業活動も積極的に進め、当社グループがこれまでに提供してきた取水技術や水処理技術を基盤に、需要の創出・獲得に取り組んでまいりました。

 エネルギー関連事業では、安定的に収益を確保できる体制の構築が課題と考えており、プラント設備に対するメンテナンスサービスの強化を行い、サービス提供面で顧客と対話を重ね、信頼関係を深化させ、設備更新ニーズを早期に把握することを目指し取り組んでまいりました。また、受注機会の拡大や新たな受注機会の創出を目指し、製造コスト低減による価格競争力の強化、プロセス・オーナーとの関係構築・深化、これまで認証を取得していない新たなプロセス・オーナーとの関係構築についても取り組んでまいりました。

 これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高9,505,480千円(前期比16.7%増)、営業利益1,682,452千円(前期比28.3%増)、経常利益1,828,804千円(前期比35.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,150,692千円(前期比32.7%増)となりました。

 

 セグメント別の状況は、以下のとおりです。

 

 ① 水関連事業

 取水分野では、各地で進められている取水設備の老朽化や耐震化に伴う改修工事等により、取水スクリーンの需要は底堅く、堅調に推移しました。水処理分野では、官公庁向けは、前連結会計年度に大口受注しました浄水場設備更新案件が予定どおり進捗しました。また、国内民間向けは、当社グループの取水・水処理技術を基盤とした需要の創出・獲得への取り組みの成果が少しずつ現れてきており、売上の増加に寄与しました。海外向けについては、日本から現地へ訪問しての営業活動の再開や、ベトナム子会社のNAGAOKA VIETNAM CO., LTD. を通じた営業活動の強化など、積極的に受注拡大に向けて取り組んでまいりました。

 これらの結果、売上高2,939,964千円(前期比12.4%増)、セグメント利益367,424千円(前期比5.7%増)となりました。

 

 ② エネルギー関連事業

 世界経済の先行きが不透明な中、顧客各社は新規プラント建設投資については慎重な姿勢であるものの、既存プラントの定期修繕、生産能力増強などの設備更新に係る投資については積極的な状況にあり、当社グループでは、納品実績や品質等の強みを最大限活かし、プロセス・オーナーや顧客との信頼関係の構築・深化に取り組みながら、既設プラントの更新需要に対して積極的に営業活動を進めた結果、多くの受注を獲得することができました。また、受注が積み上がる中、基幹工場である那賀設備(大連)有限公司において、生産計画の最適化を図りながら製造を進めることで、年間を通して高い稼働率を維持できたことや、外注加工費等の製造に係る費用についても低減が実現し、収益の向上に寄与しました。

 これらの結果、売上高6,565,515千円(前期比18.7%増)、セグメント利益1,985,488千円(前期比30.0%増)となりました。なお、売上高6,565,515千円のうち、既設プラント向けの売上高は5,050,245千円であり、エネルギー関連事業の売上高の76.9%を占めております。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

3,728,620

111.4

水関連事業

1,837,982

108.0

合計

5,566,602

110.2

 (注)金額は製造原価を基にしています。

 

② 受注実績

 受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

7,374,222

121.9

3,139,399

137.7

水関連事業

2,296,237

55.6

1,825,890

73.5

合計

9,670,459

95.0

4,965,290

104.3

 (注)水関連事業の受注高及び受注残高が減少しています。これは主に、前連結会計年度に大口案件の受注(受注額 約15億円、契約納期 2029年9月)したこと及び当連結会計年度において当該案件の工程が一部進捗し、収益を認識したことによるものです。

 

③ 販売実績

 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

6,565,515

118.7

水関連事業

2,939,964

112.4

合計

9,505,480

116.7

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Honeywell UOP

913,268

11.2

1,584,119

16.7

 

 

(3) 経営成績等の分析

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

② 経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況」に記載のとおり、水関連事業、エネルギー関連事業ともに増収増益を達成し、売上高は前連結会計年度に比べ16.7%増の9,505,480千円、営業利益は前連結会計年度に比べ28.3%増の1,682,452千円となりました。

 また、前連結会計年度は為替差益を24,748千円計上しておりますが、当連結会計年度においても、引き続き円安基調で推移したことが影響し、為替差益を84,333千円計上しております。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ35.2%増の1,828,804千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ32.7%増の1,150,692千円となりました。

 

③ 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,670,230千円となり、前連結会計年度末に比べ468,474千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が424,974千円、売掛金が374,673千円、原材料及び貯蔵品が138,168千円増加した一方で、契約資産が485,310千円減少したことによるものです。

 また、固定資産は2,583,129千円となり、前連結会計年度末に比べ897,967千円の増加となりました。これは主に投資有価証券が120,600千円、長期前払費用が714,855千円増加したことによるものです。

 これらの結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,366,442千円増加し、10,253,359千円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は3,095,845千円となり、前連結会計年度末に比べ129,644千円の増加となりました。これは主に、短期借入金が835,139千円減少した一方で、未払金が137,397千円、未払費用が245,640千円、未払法人税等が185,499千円、契約負債が261,262千円、その他が112,198千円増加したことによるものです。

 また、固定負債は157,140千円となり、前連結会計年度末に比べ132,995千円の減少となりました。これは主に、長期借入金が109,924千円減少したことによるものです。

 これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,351千円減少し、3,252,985千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は7,000,374千円となり、前連結会計年度末に比べ1,369,794千円の増加となりました。これは主に、為替換算調整勘定245,854千円の増加、配当金の支払162,131千円及び親会社株主に帰属する当期純利益1,150,692千円の計上により利益剰余金が988,560千円増加したことによるものです。

 

④ キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,446,431千円となり、前連結会計年度末に比べ424,974千円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は2,296,179千円(前連結会計年度は365,468千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,822,371千円、売上債権の減少327,514千円、未払費用の増加額239,617千円、契約負債の増加額218,037千円の増加要因に対し、法人税等の支払額491,841千円の減少要因によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は182,895千円(前連結会計年度は49,840千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出99,137千円、有形固定資産の取得による支出46,488千円及び差入保証金の差入による支出35,120千円の減少要因によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は1,772,773千円(前連結会計年度は309,260千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の減少額871,493千円、自己株式の取得による支出689,074千円及び配当金の支払額162,002千円の減少要因によるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

 当社グループの資金需要は、主に運転資金、研究開発及び設備投資に対するものです。運転資金は、主に製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、研究開発費は、主に研究開発に携わる従業員の人件費です。設備投資は、主に製造に必要となる機械装置及び治具が中心です。

 短期運転資金及び研究開発費につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、資金繰りの状況及び見通しを把握し、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約を締結することで、十分な流動性を確保しています。また、設備投資や長期運転資金につきましては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、金融機関からの長期借入による調達を行う方針です。

 なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は319,961千円となっており、現金及び現金同等物の残高は2,446,431千円となっています。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画「FLIGHT PLAN:VISION 2024」(2022年6月期~2024年6月期)の最終年度である当連結会計年度(2024年6月期)の達成状況は以下のとおりです。

 売上高は9,505百万円(計画比95.1%)、営業利益は1,682百万円(計画比113.1%)、経常利益は1,828百万円(計画比122.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,150百万円(計画比111.5%)となりました。

 売上高は計画に対し、わずかに未達とはなりましたが、利益面については、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてについて計画達成しております。当連結会計年度(2024年6月期)の経営成績及びセグメント別の経営成績の概要については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況」をご覧ください。

 

指標

2024年6月期

中期経営計画

(最終年度)

実績

計画比

売上高

10,000百万円

9,505百万円

95.1%

営業利益

1,488百万円

1,682百万円

113.1%

経常利益

1,488百万円

1,828百万円

122.9%

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,032百万円

1,150百万円

111.5%

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社及び連結子会社の各構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社グループは、取り扱う製品・サービスごとに包括的な戦略を立案し事業活動を展開しており、取り扱う製品・サービスの類似性を考慮し、「エネルギー関連事業」及び「水関連事業」の2つを報告セグメントとしています。

 「エネルギー関連事業」は、主に石油精製及び石油化学プラント用内部装置「スクリーン・インターナル」の製造・販売を行っています。「水関連事業」は、主に取水用スクリーンの製造・販売並びにケミレス及びハイシスの製造・販売、水処理プラント工事を行っています。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」と概ね同一です。また、セグメント利益は、営業利益ベースの数値です。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表  計上額  (注)4

 

エネルギー関連

水関連

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

5,531,960

2,616,055

8,148,016

8,148,016

セグメント間の内部売上高又は振替高

5,531,960

2,616,055

8,148,016

8,148,016

セグメント利益

1,527,029

347,704

1,874,734

△563,770

1,310,963

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

128,553

61,373

189,926

30,329

220,255

のれんの償却額

4,787

4,787

4,787

減損損失

105,405

105,405

105,405

(注)1.調整額の内容は以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額△563,770千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に、各報告セグメントに帰属しない役員及び管理部門に係る人件費、経費等の一般管理費です。

(2) 減価償却費の調整額30,329千円は、各報告セグメントに帰属しない全社費用です。

2.セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため記載していません。ただし、配分されていない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しています。

3.セグメント負債は、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載していません。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表  計上額  (注)4

 

エネルギー関連

水関連

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

6,565,515

2,939,964

9,505,480

9,505,480

セグメント間の内部売上高又は振替高

6,565,515

2,939,964

9,505,480

9,505,480

セグメント利益

1,985,488

367,424

2,352,913

△670,460

1,682,452

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

92,270

43,381

135,652

33,390

169,042

のれんの償却額

4,787

4,787

4,787

減損損失

(注)1.調整額の内容は以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額△670,460千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に、各報告セグメントに帰属しない役員及び管理部門に係る人件費、経費等の一般管理費です。

(2) 減価償却費の調整額33,390千円は、各報告セグメントに帰属しない全社費用です。

2.セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため記載していません。ただし、配分されていない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しています。

3.セグメント負債は、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載していません。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

(単位:千円)

 

日本

アジア

米州

欧州

中東

アフリカ

合計

中国

その他

2,710,898

2,682,918

1,121,203

28,331

269,005

1,335,659

8,148,016

(注) 売上高は製品の納入先及びサービスの提供先を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2)有形固定資産

 

(単位:千円)

 

日本

中国

ベトナム

合計

291,733

869,920

1,161,654

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

Honeywell UOP

913,268

エネルギー関連事業

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

(単位:千円)

 

日本

アジア

米州

欧州

中東

アフリカ

合計

中国

その他

2,922,742

3,092,700

1,496,610

721,198

134,267

542,545

595,414

9,505,480

(注) 売上高は製品の納入先及びサービスの提供先を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2)有形固定資産

 

(単位:千円)

 

日本

中国

ベトナム

合計

328,637

866,134

3,003

1,197,775

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

Honeywell UOP

1,584,119

エネルギー関連事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

(単位:千円)

 

エネルギー関連

水関連

合計

減損損失

105,405

105,405

(注) 減損損失の内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※5 減損損失」に記載のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

(単位:千円)

 

エネルギー関連

水関連

合計

当期末残高

19,151

19,151

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

(単位:千円)

 

エネルギー関連

水関連

合計

当期末残高

14,363

14,363

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。