2025年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

エネルギー関連 水関連 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
エネルギー関連 5,788 64.9 1,875 123.4 32.4
水関連 3,129 35.1 353 23.2 11.3
その他 - - -709 -46.6 -

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されており、水関連事業及びエネルギー関連事業を行っています。各事業の内容は以下の区分のとおりで、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。

なお、当社の親会社である株式会社ハマダグループ、株式会社ハマダ及び株式会社ハマダコムは、当社事業とは異なる事業を営んでいます。ただし、当社は株式会社ハマダに対し、水関連事業及びエネルギー関連事業に係る製品製造工程の一部について製造委託を行っています。また、株式会社ハマダコムとの間で当社姫路工場の土地及び建物に係る賃貸借契約を締結しています。

 

(1) 事業の内容

 ① 水関連事業(当社、那賀設備(大連)有限公司、NAGAOKA VIETNAM CO., LTD. 、矢澤フェロマイト株式会社)

 超高速無薬注生物処理装置(以下「ケミレス」という。)及び省エネルギー型充填塔式気散処理装置(以下「エアシス」という。)等の設計・製造・施工・販売・メンテナンス、並びに、取水用スクリーン及び建築・土木分野の建設向け排水用スクリーンの製造・販売を行っています。また、矢澤フェロマイト株式会社では、浄水場等で使用される水処理設備の設計から製作、工事の施工まで、一連の水処理プラント工事を請け負っています。これらの製品や工事の施工により取水・水処理された地下水は、生活用水、工業用水、農業用水等に幅広く利用されています。

 

 ② エネルギー関連事業(当社、那賀設備(大連)有限公司)

 スクリーン・インターナルの製造・販売を行っています。スクリーン・インターナルは、石油精製、石油化学、肥料プラントの心臓部である反応塔内で、原料の原油や天然ガスを変化させ、反応、抽出、分離を行う触媒をサポートする内部装置です。スクリーン・インターナルを経由して化学繊維やプラスチック、ペットボトル等、私たちの暮らしに欠かせない様々な製品が作られています。

 

(2) 製・商品及びサービスの特長

① ナガオカスクリーンの特長(水関連事業及びエネルギー関連事業)

 ナガオカスクリーンの基本性能は、固体と液体又は気体を効率良く分離することで、様々な用途に使用されます。製品の基本的な特長は、三角形の断面のワイヤー形状により目詰まりを起こしにくく、構造的に強度がある等です。このナガオカスクリーンを使用して、エネルギー関連事業のスクリーン・インターナルや水関連事業の取水用スクリーン等を生産しています。

 

② スクリーン・インターナルの特長(エネルギー関連事業)

 スクリーン・インターナルは、石油精製、石油化学プラントの心臓部である触媒反応・合成等のプロセスで使用されます。スクリーン・インターナル上に触媒を広げ、液体又は気体の石油原料を流し、触媒と化学反応させて物質を変化させます。この原料の流れを均一な整流に保つことは、プラント生成物の質の均一化に大きく関係しますので、スクリーン・インターナルはスクリーンのスロット・サイズだけでなく、形状加工や溶接等2次加工を含めた製品全体の高い精密性が要求されます。また、通常、触媒反応・合成等のプロセスは圧力容器で覆われており、容器の中は高温・高圧・高腐食になります。そのような過酷な使用環境下でも長期間使用できる高い耐久性も要求されます。もし、スクリーン・インターナルに不具合が生じると、プロセスに影響を与えるだけでなく、プラント全体の生産に不具合が生じてしまいます。このようにスクリーン・インターナルは、プラントにおける重要機器の1つです。そのため、プロセス・オーナーから認証を取得するためには、非常に厳しい水準の生産体制や能力に対する審査に合格することが求められています。

 

③ 取水用スクリーンの特長(水関連事業)

 当社の取水用スクリーンは、井戸や集水埋渠などの取水設備に使用されています。当社の取水用スクリーンは、開口率が大きいため取水効率が高く、周囲の砂層に含まれる水を井戸内へ緩やかに流れ込ませる特性を持っています。これにより、スクリーンの周囲の砂層を極力動かさずに取水することができ、砂層の目詰まりを防ぐことができます。この技術・ノウハウを「サンド・コントロール」と呼んでいます。また、取水用スクリーンを横にして川底などに埋設し、上を覆う砂層を通して取水する集水埋渠では、埋設されたスクリーンの上部にある砂層の目詰まりを解消するために、取水方向と逆方向に空気や水を押し出して、砂層に溜まった微細物を取り除き、取水効率を元に戻します。この技術・ノウハウは「逆洗」と呼ばれています。これらの技術・ノウハウにより、井戸や集水埋渠の寿命が伸長し、安定した取水量を維持することができます。また、「サンド・コントロール」、「逆洗」の技術・ノウハウは、ケミレス及びハイシスでも活用されています。

 

④ ケミレスの特長(水関連事業)

 ケミレスは、地下水に含まれる飲用基準を超える濃度の鉄分やマンガンなどの金属イオン及びアンモニア態窒素、ヒ素などの無機物を、溶存酸素を使った接触酸化処理並びに硝化菌や鉄分バクテリアなどの生物処理で水処理する装置です。

 水処理装置は、塩素を代表とする薬品を使った薬注処理装置が現在の主流となっています。これに対し、ケミレスは、無薬注でかつ超高速の水処理装置であり、薬物処理では排出されてしまう産業廃棄物を出さない等、環境にやさしいという特長があります。また、ケミレスの処理性能を支えているのが洗浄技術であり、集水とは逆方向の水の流れで下部集配水管を通して処理水を逆噴出させることで、ろ過層に沈着した鉄分・アンモニア態窒素・マンガンの処理済み物質を排水とともに排出させ、同時にケミレス上部からも処理水を噴出し、ろ過層の表面を洗浄する技術です。ろ過層を洗浄することにより生物ろ床の損傷リスクが懸念されますが、当社が培ったノウハウで、原水の水質を見極めて生物ろ床の損傷を装置の処理能力を低下させない範囲で洗浄頻度・時間を自動制御し、ろ過層に溜まった処理済物質を取り除きます。これにより、ケミレスのろ過プロセスの処理能力を半永久的に持続することができます。

 

⑤ エアシスの特長(水関連事業)

 エアシスは、地下水や河川水に含まれる有機性化合物質(以下「VOC」という。)や遊離炭酸などの汚染物質を99%以上除去し、難しいとされる水道法水質基準超過の低濃度VOCも0.001mg/L(水道法水質基準値の10分の1)まで除去します。同時に、既存技術と比べ、運転に必要なエネルギー量の60%削減を実現します。更に、エアシスに改良を加えたエアシスPlusは、空気中に含まれるVOCの除去も可能とします。

 エアシス及びエアシスPlusはこれまで主に土壌汚染対策装置として販売してきましたが、用途を拡大し、上水道向けに、遊離炭酸を低減した「おいしい水」を提供することが可能となりました。

 

⑥ 高速海底浸透取水システム(ハイシス)の特長(水関連事業)

 ハイシスは、当社の取水技術・ノウハウを用いてカナデビア株式会社と共同で開発した海水淡水化プラント向けの海水取水装置です。

 従来の海水淡水化プラントは、海水を海中から直接取水するシステムのため、初期費用・維持費用ともに割高にならざるを得ない構造となっています。その結果、淡水から造水する場合と比較して、造水コスト(一定量の水を造り出すコスト)が高すぎて事業化の大きな障壁となっています。原因の1つは、取水設備の表面及び内部に海洋性生物が付着・成長してしまうことです。それらを除去するために、塩素系薬剤を大量に海中へ投入する必要があります。塩素系薬剤の使用は、海域環境の汚染に繋がるだけでなく耐性菌の発生やプラント内部での海洋性生物の再増殖を起こし、前処理工程で各種薬剤の投入が必要になり、ランニング・コストつまり造水コストが増加する一因となっています。また、各種薬剤は逆浸透膜の寿命を縮める原因となり、逆浸透膜を短い周期で交換する必要があります。更には、投入した薬品を中和するための設備、海洋性生物等の不純物を除去して処理する産業廃棄物処理設備などの初期投資とランニング・コストも必要となります。

 一方、ハイシスは、海の砂でろ過をして取水するため、取水部分への海洋性生物の付着や海洋性生物・ゴミ等の不要物の取り込みが無くなります。また、取水した海水の水質が清澄であることから、濁り等の懸濁物質を取り除く薬品処理工程も不要となります。これらにより、処理設備を縮小することができ、また、汚泥などの産業廃棄物が発生しないことから、環境負荷を低減することができます。

 

(3)事業系統図

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

(1) 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要により緩やかに回復しているものの、物価の上昇、為替相場の変動、中国経済の停滞、長引くウクライナ、中東情勢に加え、米国の関税政策の影響により、先行き不透明な状況で推移しました。

 このような状況の下、当社グループでは持続可能な成長の実現に向けて、2024年8月9日に公表しました2025年6月期から2027年6月期までの3ヵ年を計画期間とする中期経営計画「FLIGHT PLAN: TRANSFORM 2027」に掲げた①既存事業の改革、②M&Aを活用した事業構造の変革、③人的資本の強化に取り組んでおります。

 水関連事業では、従前より当社グループの事業領域であった上水道の地下水取水や水処理プロセスに係る一部の設備工程以外に、その前後の工程を新たな事業領域とするとともに、水処理プラント運営、メンテナンスなど、当社グループが提案・受託可能な範囲の拡充に向けて取り組んでおります。また、下水道や排水処理といった上水道以外の水事業領域への参入についても検討を進め、総合水処理企業への転換を図り、事業領域と事業規模の拡大、収益力の強化を目指しております。

 エネルギー関連事業では、設備更新が計画的に実施される既設プラントの更新需要の獲得に注力することで事業の安定化を図りつつ、新規プラント建設に係る需要についても積極的な営業活動に取り組んでおります。また、当社グループが競争優位性を持つプロセス以外の製品群の取り扱いの拡大、コスト競争力の強化や地政学的なリスクも視野に入れた製造拠点の最適化を進めることで、受注機会の拡大、収益力の強化を目指しております。

 また、当社グループは、中期経営計画に掲げた「M&Aを活用した事業構造の変革」を実行すべく、当連結会計年度において、公開買付けでの取得を目的とした入札に参加いたしましたが、結果として子会社化には至りませんでした。

 これらの取り組みの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高8,917,041千円(前期比6.2%減)、営業利益1,519,852千円(前期比9.7%減)、経常利益1,509,150千円(前期比17.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益970,374千円(前期比15.7%減)となりました。

 

 セグメント別の状況は、以下のとおりです。

 

 ① 水関連事業

 受注については、取水分野は堅調に推移しており、水処理分野では国内の浄水場等の設備更新や修繕に係る受注、国内民間向けの受注が重なったこと、海外向け営業活動の成果もあり、前期を上回る結果となりました。損益面については、受注済み案件の製造・工事が予定どおり進捗し、売上高は3,129,140千円(前期比6.4%増)となりましたが、一方で、人員の増強、研究開発活動の強化、子会社である矢澤フェロマイト株式会社の本社オフィス移転など、経費の増加要因があり、セグメント利益は353,303千円(前期比3.8%減)となりました。

 

 ② エネルギー関連事業

 受注については、中国経済の低迷によるプラント設備への投資減退や、米国の関税政策等の影響を見極めたい顧客の意向によるプロジェクトの延期といった影響を受け、前期を下回る結果となりました。損益面については、低調な受注の状況や顧客都合によるプロジェクトの中断に伴って新設プラント向けの売上が減少しましたが、以前より注力している既設プラント向けについては前期並みの売上を確保することができた結果、売上高は5,787,901千円(前期比11.8%減)となりました。また、セグメント利益は、採算性の高い案件の獲得と原価低減が相まって利益率が前期と比べて上振れたことから1,875,353千円(前期比5.5%減)となりました。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

3,222,834

86.4

水関連事業

1,903,773

103.6

合計

5,126,608

92.1

 (注)金額は製造原価を基にしています。

 

② 受注実績

 受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

4,719,028

64.0

2,019,007

64.3

水関連事業

3,153,338

137.3

1,844,944

101.0

合計

7,872,366

81.4

3,863,952

77.8

 (注)エネルギー関連事業の受注高及び受注残高が減少しています。これは主に、中国経済の低迷によるプラント設備への投資減退や、米国の関税政策等の影響を見極めたい顧客の意向によるプロジェクトの延期といった影響を受けたことによるものです。

 

③ 販売実績

 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

エネルギー関連事業

5,787,901

88.2

水関連事業

3,129,140

106.4

合計

8,917,041

93.8

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Honeywell UOP

1,584,119

16.7

993,768

11.1

 

 

(3) 経営成績等の分析

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

② 経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況」に記載のとおり、水関連事業では増収となったものの経費増加要因があり減益となりました。また、エネルギー関連事業では、中国経済の低迷、米国の関税政策等の影響を受け、受注が伸び悩んだ結果、減収減益となりました。これらの結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ6.2%減の8,917,041千円、営業利益は前連結会計年度に比べ9.7%減の1,519,852千円となりました。

 また、前連結会計年度は円安で推移したことから為替差益84,333千円を計上しましたが、当連結会計年度では2025年に入り円高に反転したことが影響し、為替差損44,182千円を計上しております。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ17.5%減の1,509,150千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ15.7%減の970,374千円となりました。

 

③ 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,700,966千円となり、前連結会計年度末に比べ30,736千円の増加となりました。これは主に、契約資産が1,065,594千円増加した一方で、売掛金が809,161千円、原材料及び貯蔵品が77,209千円、その他が47,425千円減少したことによるものです。

 また、固定資産は2,322,687千円となり、前連結会計年度末に比べ260,441千円の減少となりました。これは主に、長期前払費用が143,859千円、建物及び構築物が73,494千円減少したことによるものです。

 これらの結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ229,705千円減少し、10,023,654千円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,381,433千円となり、前連結会計年度末に比べ714,412千円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が366,098千円増加した一方で、契約負債が436,352千円、未払金が192,130千円、未払法人税等が190,666千円、1年内返済予定の長期借入金が100,000千円減少したことによるものです。

 また、固定負債は134,443千円となり、前連結会計年度末に比べ22,696千円の減少となりました。これは主に、社債が10,000千円、長期借入金が9,924千円減少したことによるものです。

 これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ737,108千円減少し、2,515,877千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は7,507,777千円となり、前連結会計年度末に比べ507,403千円の増加となりました。これは主に、配当金の支払237,833千円及び親会社株主に帰属する当期純利益970,374千円の計上により利益剰余金が732,540千円増加した一方で、為替換算調整勘定が248,271千円減少したことによるものです。

 

④ キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,427,654千円となり、前連結会計年度末に比べ18,776千円の減少となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は514,954千円(前連結会計年度は2,296,179千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,507,046千円、仕入債務の増加額411,616千円の増加要因に対し、売上債権の増加額356,482千円、契約負債の減少額400,708千円、法人税等の支払額743,532千円の減少要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は133,947千円(前連結会計年度は182,895千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出113,782千円及び差入保証金の差入による支出21,029千円の減少要因によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は308,957千円(前連結会計年度は1,772,773千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出109,924千円及び配当金の支払額237,730千円の減少要因によるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

 当社グループの資金需要は、主に運転資金、研究開発及び設備投資に対するものです。運転資金は、主に製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、研究開発費は、主に研究開発に携わる従業員の人件費です。設備投資は、主に製造に必要となる機械装置及び治具が中心です。

 短期運転資金及び研究開発費につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、資金繰りの状況及び見通しを把握し、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約を締結することで、十分な流動性を確保しています。また、設備投資や長期運転資金につきましては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、金融機関からの長期借入による調達を行う方針です。

 なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は231,107千円となっており、現金及び現金同等物の残高は2,427,654千円となっています。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況

 中期経営計画「FLIGHT PLAN: TRANSFORM 2027」(2025年6月期~2027年6月期)の1年目である当連結会計年度(2025年6月期)の達成状況は以下のとおりです。

 売上高は8,917百万円(計画比79.6%)、営業利益は1,519百万円(計画比82.2%)、経常利益は1,509百万円(計画比81.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は970百万円(計画比80.9%)となりました。

 当連結会計年度(2025年6月期)の経営成績及びセグメント別の経営成績の概要については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況」をご覧ください。

 

指標

2025年6月期

中期経営計画

(1年目)

実績

計画比

売上高

11,200百万円

8,917百万円

79.6%

営業利益

1,850百万円

1,519百万円

82.2%

経常利益

1,850百万円

1,509百万円

81.6%

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,200百万円

970百万円

80.9%

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社及び連結子会社の各構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社グループは、取り扱う製品・サービスごとに包括的な戦略を立案し事業活動を展開しており、取り扱う製品・サービスの類似性を考慮し、「エネルギー関連事業」及び「水関連事業」の2つを報告セグメントとしています。

 「エネルギー関連事業」は、主に石油精製及び石油化学プラント用内部装置「スクリーン・インターナル」の製造・販売を行っています。「水関連事業」は、主に取水用スクリーンの製造・販売並びにケミレス及びハイシスの製造・販売、水処理プラント工事を行っています。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」と概ね同一です。また、セグメント利益は、営業利益ベースの数値です。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表  計上額  (注)4

 

エネルギー関連

水関連

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

6,565,515

2,939,964

9,505,480

9,505,480

セグメント間の内部売上高又は振替高

6,565,515

2,939,964

9,505,480

9,505,480

セグメント利益

1,985,488

367,424

2,352,913

△670,460

1,682,452

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

92,270

43,381

135,652

33,390

169,042

のれんの償却額

4,787

4,787

4,787

(注)1.調整額の内容は以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額△670,460千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に、各報告セグメントに帰属しない役員及び管理部門に係る人件費、経費等の一般管理費です。

(2) 減価償却費の調整額33,390千円は、各報告セグメントに帰属しない全社費用です。

2.セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため記載していません。ただし、配分されていない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しています。

3.セグメント負債は、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載していません。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

 

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表  計上額  (注)4

 

エネルギー関連

水関連

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

5,787,901

3,129,140

8,917,041

8,917,041

セグメント間の内部売上高又は振替高

5,787,901

3,129,140

8,917,041

8,917,041

セグメント利益

1,875,353

353,303

2,228,656

△708,804

1,519,852

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

102,282

18,461

120,744

37,176

157,921

のれんの償却額

4,787

4,787

4,787

(注)1.調整額の内容は以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額△708,804千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に、各報告セグメントに帰属しない役員及び管理部門に係る人件費、経費等の一般管理費です。

(2) 減価償却費の調整額37,176千円は、各報告セグメントに帰属しない全社費用です。

2.セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため記載していません。ただし、配分されていない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しています。

3.セグメント負債は、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載していません。

4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

(単位:千円)

 

日本

アジア

米州

欧州

中東

アフリカ

合計

中国

その他

2,922,742

3,092,700

1,496,610

721,198

134,267

542,545

595,414

9,505,480

(注) 売上高は製品の納入先及びサービスの提供先を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2)有形固定資産

 

(単位:千円)

 

日本

中国

ベトナム

合計

328,637

866,134

3,003

1,197,775

 

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

Honeywell UOP

1,584,119

エネルギー関連事業

 

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

(単位:千円)

 

日本

アジア

米州

欧州

中東

アフリカ

合計

中国

その他

3,078,349

1,765,793

1,055,508

933,687

440,160

1,249,707

393,835

8,917,041

(注) 売上高は製品の納入先及びサービスの提供先を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2)有形固定資産

 

(単位:千円)

 

日本

中国

ベトナム

合計

358,682

731,290

7,173

1,097,146

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

Honeywell UOP

993,768

エネルギー関連事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

(単位:千円)

 

エネルギー関連

水関連

合計

当期末残高

14,363

14,363

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 

 

 

(単位:千円)

 

エネルギー関連

水関連

合計

当期末残高

9,575

9,575

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。