2023年10月期有価証券報告書より
  • 社員数
    461名(単体) 767名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.6年(単体)
  • 平均年収
    8,108,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1)  連結会社の状況

 2023年10月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

機械製造販売

429

化学工業製品販売

261

全社(共通)

77

合計

767

 

(注) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

 

 

(2)  提出会社の状況

2023年10月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

461

[64]

40.0

13.6

8,108

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

機械製造販売

253

[38]

化学工業製品販売

144

[13]

全社(共通)

64

[13]

合計

461

[64]

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.[ ]内は、派遣社員を除いた嘱託および海外支店の現地採用社員を外数で表示しております。

 

(3)  労働組合の状況

当社グループには、巴工業労働組合(組合員数362人、上部団体には属さず。)が組織されており、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

1.1

73.3

67.8

66.0

67.8

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、男女の賃金の差異については、同一労働の賃金に差はなく、主に職掌や管理職比率によるものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方および取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(サステナビリティ経営の基本方針)

当社グループは、グローバルに展開する事業基盤とネットワーク、多岐にわたる知見や多様性を強みに既存の枠組みに囚われない新たな価値創造と持続的成長を目指します。また、SDGsや気候変動を始めとする世界共通の課題および働き易い職場環境作り推進などの人的資本に関する課題に積極的に取り組み、持続可能な未来のために変革と成長を続け業績拡大と企業価値向上を実現して参ります。サステナビリティに関する考え方や取組については、「サステナビリティ経営推進基本方針」を定め種々の課題に積極的に取り組んでいます。

 

(1)気候変動に関する取組

① ガバナンス

当社グループは2021年11月、サステナビリティに関する全社的な取り組みをより推進するために総務部担当取締役を委員長、両事業本部の執行役員を委員とした「サステナビリティ推進委員会」を創設しました。同委員会は適宜開催し、世界的潮流となっているSDGsに関する事項全般、特に気候変動が当社グループの事業にもたらす機会・リスクの評価、温室効果ガス削減などの社会的課題に関する討議や方針決定およびその進捗管理を行っています。更に同委員会における決定事項等については取締役会に報告することにより、取締役会の監督・監視機能が適切に行使される体制を構築・運用しております。

 

② 戦略

気候変動による世界的な平均気温上昇の社会に及ぼす影響が甚大になりつつあり、脱炭素社会実現に向けた温室効果ガス排出量の抑制は、今や国際社会が取り組むべき喫緊の課題となっております。

こうした中、当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題の1つとして認識し、気候変動による影響を把握し評価するため、低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと現状予想される以上の気候変動対策が実施されないことを想定した4℃シナリオについて分析を行いました。

1.5℃シナリオについては、脱炭素税等による原材料調達、製品製造におけるコスト増等のリスクが想定される反面、低炭素や環境配慮に寄与する技術や商材の将来的な成長によるビジネス機会の獲得により業績向上に貢献すると考えます。この1.5℃シナリオに関する機会・リスクの内容は下表①の通りです。

一方、4℃シナリオについては、異常気象の激甚化による国内外拠点への被害等が想定されますが、基幹システムを始めとする主要システムインフラ等のクラウド化といったBCP対策を施す等、事業運営に影響を与えるリスクを抑える努力をしております。

気候変動はリスクである一方、低炭素や環境配慮に寄与する技術や商材などにより新たな事業獲得の機会に繋がると考え、温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、環境・エネルギー分野における環境負荷低減商材やサービスの提供に注力し脱炭素社会への貢献を目指します。

 

 

表①「リスクと機会」(1.5℃シナリオの場合)

リスク・機会

内容

主な対応策

移行

リスク

政策法規制

温室効果ガス排出やエネルギー使用に関する法制強化(脱炭素税等)に伴い、対応コストが増加するリスクおよび違反した場合の企業価値が低下するリスク

・温室効果ガス排出量の継続的な削減(再生可能エネルギーの利用、省エネルギーの徹底)

・法規制の遵守徹底

技術

脱炭素社会に向けた熾烈な技術開発競争(省エネ性能、低炭素サービス等)で劣勢になり、顧客ニーズへの対応不足になった場合に市場シェア低下が生じるリスク

気候変動問題解決に向けた高省エネ製商品・低炭素サービスの開発、技術革新の推進

市場

消費者行動が変容し原材料コストが上昇するリスク

ニーズに見合う商材開発や代替材の開発を推進

評判

気候変動対策遅延等に関するステークホルダーからのネガティブ評価に伴い、企業価値低下、対応コスト増大などが生じるリスク

気候変動対策の透明性を確保するための積極的な情報開示

物理的

リスク

急性的

気候変動に起因する自然災害による調達・物流ルートの断絶に伴う製品・サービスの販売機会の喪失および工場、社屋、設備等の被害により操業・営業停止となるリスク

BCP対策の着実な実行による事業継続可能な体制の強化

機会

製品

サービス

脱炭素に繋がる製品の開発および製品・サービスの販売増加

 

・機械製造販売事業

低動力型高効率遠心脱水機(HED型)への切替需要や長寿命化に向けた部品修理販売増加。バイナリー発電等の再生可能エネルギー分野における研究開発の推進

・化学工業製品販売事業

生分解性樹脂などの脱炭素に繋がる商材の需要拡大による販売増大。電気自動車およびそれを支えるパワー半導体等向け商材の販売拡大

市場

環境課題に対する消費行動の多様化や顧客意識の向上に伴う低炭素市場への参入による機会獲得

低炭素市場に貢献する商材の開発やソリューションの提供の推進

 

 

当社グループの国内工場および本社並びに各支店・営業所等による温室効果ガス排出量については、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるなど、半減させる取り組みを行っております。

当社グループの機械製造販売事業では省エネ、高性能(低含水率、低薬注率、高回収率)な遠心分離機の研究開発に向け飽くなき努力を続けております。また現状、遠心分離機は様々な産業で使用されておりますが、今後は脱炭素に繋がる用途への販売活動に一層注力することに加えて、遠心分離機以外の脱炭素に貢献できるバイナリー発電等の製商品開発や営業活動に積極的に取り組んでいます。更に、脱炭素に貢献する第3の柱となる製商品発掘に向けた取り組みを推進します。

化学工業製品販売事業では、多岐にわたる産業分野においてニッチな高付加価値商材を提供しておりますが、更に脱炭素社会実現に必要な商材の販売に注力します。具体的には電気自動車およびそれを支えるパワー半導体などに有益な商材を提供します。

当社グループはユーザーの要求に応えるべく永続的に研究開発を推進すると共に脱炭素社会実現に資する取り組みを推進すべく技術力向上や商材開発を追求し続けます。

 

 

③ リスク管理

経営環境が不確実性を増す中、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処することが、経営戦略や事業目的を遂行する上で不可欠と認識しております。

当社グループでは、気候変動問題を経営上の重大なリスクの1つとして位置付け、その識別、評価、管理を「サステナビリティ推進委員会」で実施しております。具体的プロセスとして、事業部門が業績に影響を及ぼすと考える機会・リスクを抽出し、それを「サステナビリティ推進委員会」で集約・分析しております。また、経営戦略に影響する気候変動問題に関する動向や法制度・規則変更等の外部要因を共有すると共に影響度が大きく発生頻度が高いリスクについて優先順位を付けて対応策を検討します。その内容や対応については適宜取締役会に報告しています。

 

④ 指標と目標

当社グループは当面の気候変動リスクへの対応として、再生可能エネルギーの導入による温室効果ガス排出量削減および業務のペーパーレス化(紙の原料となる森林の伐採抑制や紙を廃棄する際の焼却抑制により脱炭素に繋がる)に着手しております。

温室効果ガス排出量削減としてはスコープ1,2合計の温室効果ガス排出量を2023年10月期は2021年10月期比45%削減しました(表②参照)。特にスコープ2(他社から供給された電気、熱、蒸気に伴う間接排出)については、主力工場であるサガミ工場では従来より太陽光パネルで電気の一部を賄っておりましたが、2022年4月から100%再生可能エネルギー由来に切り替え、更に湘南工場においても同年11月から100%再生可能エネルギー由来に切り替えることにより、温室効果ガス排出量を2021年10月期比67%以上の削減を実現しております。スコープ3への対応については部分的ではありますが算定に着手しております。

業務のペーパーレス化への取り組みとしては主要業務のワークフロー化により2023年10月期コピー用紙使用量を2019年10月期比約44%削減しました。(表③参照)。

今後は一層の脱炭素社会実現に貢献する取り組みを推進すると共に中期目標の設定を検討してまいります。

 

表②「スコープ1,2」対象範囲:提出会社および国内連結子会社(巴機械サービス、巴マシナリー)(単位:t)

項目

温室効果ガス排出量

削減率

2021年比

2021年10月

2022年10月

2023年10月

スコープ1

277

285

285

+4.4%

スコープ2

626

514

204

▲67.4%

合計

903

799

489

▲45.8%

 

 

表③「コピー用紙使用量」対象範囲:提出会社

 

2019年10月

2020年10月

2021年10月

2022年10月

2023年10月

枚数(千枚)

2,901

2,422

2,104

1,830

1,607

2019年比

▲16.5%

▲27.5%

▲36.9%

▲44.6%

 

 

 

(2)人的資本に関する取組

① 戦略

「高い技術と優れた製商品を提供し、社会に貢献する」という当社グループの経営理念の実践には、それを担う人材の確保と育成が必要不可欠であり、また、「従業員に生きがいを見出す場を提供する」ことも経営理念の一つです。サステナビリティ経営推進基本方針のもと、第13回中期経営計画「For Sustainable Future ~持続可能な未来のために~」では、持続可能な社会の実現を目指して活躍する人材の育成と、社員が働きやすい良好な職場環境の構築に取り組んでいます。

 

1.人材育成方針

遠心分離機を主とする分離等の技術やその生産を担う人材、専門性の高い化学分野で活躍できる人材、そしてグローバルに活躍できる人材を、事業戦略に基づき新卒、中途、年齢、性別、国籍等に関わらず採用し、OJT、各種階層別研修・目的別専門研修等を通じて育成します。各社員に求める能力や役割を明確にして自覚を促し、指導・教育・研修を適時実施することで、必要なスキルやマインドの習得を図ります。また、自己啓発を推奨しており、自らが学び成長できる環境の整備にも注力します。

この方針のもと、職種別の新卒採用、専門職の中途採用、管理職研修やフィリピンでの約1か月の語学研修、コース・等級別昇格資格要件制度の運用等に取り組んでいます。

 

2.社内環境整備方針

役員・社員が遵守すべき行動の基本的な考え方を示した巴工業グループの「行動規範」に、社員の基本的人権と多様性を尊重し、働きやすい職場環境を確保する旨を明記しています。会社と役員・社員はこの行動規範の理解を深める活動を継続的に行い、多様な背景や価値観を持つ社員がお互いを尊重し、それぞれの特徴を活かして活躍できる働きやすい環境の整備に努めます。

この方針のもと、ワークライフバランスに配慮した多様な働き方を実現するため、社員エンゲージメント調査の実施、時差勤務や在宅勤務制度の整備、年次有給休暇の計画的付与制度の拡充や時間単位の有給休暇制度の導入、定年再雇用者や障碍者が活躍できる環境の構築等に取り組んでいます。

(注)上記各方針に基づく取り組みについては、提出会社のものを記載しております。

 

② 指標および目標

当社グループは、上記戦略に示す各方針に基づく取り組みとして以下の指標および目標を設定し、その成果を検証してまいります。特に「総合職に占める女性比率の向上」は、現在低い水準にある女性管理職比率向上のため、その候補となる人材の拡充を図る目的で設定しております。

 

指標

2021年10月期末実績

2022年10月期末実績

2023年10月期末実績

2026年10月期末目標

総合職正社員に占める女性比率の向上

3.9%

4.3%

5.6%

8%以上

離職率の低減・維持

0.9%

3.0%

1.9%

2.0%以下を維持

有給休暇取得率の向上

66.8%

73.9%

83.9%

90%以上

 

(注)当社グループ各社の業容や規模が様々で連結グループとしての記載が困難であることから、提出会社のものを記載しております。