2023年11月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

HR事業 事業再生・成長支援
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
HR事業 1,907 71.6 214 78.5 11.2
事業再生・成長支援 758 28.4 59 21.5 7.7

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社1社及び非連結子会社1社で構成されております。食ビジネスにおいてこれまで支援し続けた「人」を起点に、新たにDXや事業再生を通じて持続可能な食ビジネスのためのエコシステムを提供するため、「HR事業」及び「事業再生・成長支援」を主たる事業として展開しております。

 

なお、当連結会計年度より当社の報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。

 

「HR事業」

(1)HR事業の概要

当社グループは、飲食業界に特化した求人情報サイト「cookbiz」を運営しており、当該サイトを通じて、コンサルタントを介した有料職業紹介を行う「人材紹介サービス」、求人情報を求職者に提供する「求人広告サービス」、ダイレクトリクルーティングサービスを提供する「スカウトサービス」を中心に展開しております。また、研修サービスや、CAST事業等の新規サービスを「その他」に分類しております。

当事業の特徴としては飲食業界に特化した事業展開を行っていることにあります。当該事業領域における業務やその特性、人材ニーズ、職種ごとに必要とされる経験やスキル、求職者の求職条件やキャリアプラン等に精通しており、求人企業及び求職者双方が求めるきめ細かいニーズをくみ取った事業サービスを構築しております。また、これらの社内に蓄積されたノウハウ等の共有及び活用や各種サポートツールを提供すること等により、求人企業と求職者のマッチング向上及び業務の迅速化を推進しております。

 

①人材紹介サービス

 飲食事業者向けに職業安定法に基づく人材紹介サービスを展開しております。

イ.サービス概要

当サービスは、求人企業に対して、当社サイトにて登録された求職者を当社コンサルタントを介して紹介するサービスであり、求人企業の人材ニーズと求職者の希望条件をマッチングし、求人企業への就業を実現するものであります。

当該サービスにおいては、求職者の就業開始をもって年収に応じた手数料を求人企業から受領する成功報酬形態を採用しております。

ロ.業務の流れ

求人を希望している企業から求人依頼の詳細ニーズをヒアリングし、当該情報をデータベースとして登録します。

また一方で、飲食分野で就職・転職先を探している求職者を、当社の運営する求人情報サイト等で募集を行い、当社にご登録頂きます。その上で、飲食業界を専門とする当社コンサルタントが求職者に対して、経験・保有スキル、今後の志向、希望条件(就業時間・給与・休日など)をヒアリングし、求人企業からの求人依頼内容と照合し、適性等を考慮して企業の紹介を行います。その後、求職者における求人企業への応募同意に基づき、求人企業へのエントリーを行い、求人企業の了承が得られれば採用面接が行われます。求人企業が求職者の採用を内定した場合、求職者の意思確認を行ったうえで入社手続きを行います。求職者が採用された場合、当社は人材紹介にかかる成功報酬として契約に基づき年収に応じた手数料を求人企業より受領します。

なお、採用が決まらなかった求職者に対しては、求職者の希望に応じて継続した求人企業の紹介を実施しております。また、採用決定から入社までの期間もコンサルタントが定期的にフォローを実施するほか、入社後の求職者の企業定着を目的として入社後の様子をヒアリングする等、一定期間のアフターフォローを実施しております。

ハ.求職者の集客とマッチング

当サービスにおける求職者の集客は、当社求人情報サイトである「cookbiz」を主体として行っており、キッチン・ホールスタッフを中心として、ソムリエ、パティシエ、ブーランジェ等の飲食業界における多様な職種を対象として、人材紹介を希望する求職者の登録募集を行っております。

また、当サービスにおいては、求職者と求人企業とのマッチングは重要な要素であり、その精度が当社のサービス品質に影響を及ぼす要因となります。当社においては、継続的なコンサルタント人材のスキル向上を図るとともに、コンサルタントのマッチング業務の支援を目的として、求人ニーズのデータベース化を行い、求職者情報に適した紹介候補案件を自動的に抽出する仕組みを構築するなど、システム化による効率化及びマッチング精度の向上への取り組みを推進しております。

 

②求人広告サービス

当サービスにおいては、飲食事業者向けに求人広告サービスを展開しております。人材採用を希望する求人企業の求人広告を、当社求人情報サイト「cookbiz」に掲載するサービスであり、飲食業界における正社員採用広告を主体としております。

また、掲載する求人広告については、業界特性を考慮した業種、職種等の多様な検索機能を提供しているほか、当社サイトから求職者が直接応募可能な仕組みを提供するなど、求職者の利便性向上を図っております。

当社は、特集記事への掲載やサイト上位への優先表示の有無、また、その掲載期間、掲載職種や掲載エリア数等に応じた掲載料金を得る仕組みとなっております。

 

③スカウトサービス「ダイレクトプラス」

ダイレクトリクルーティングサービスである「ダイレクトプラス」は、当社サイトの登録求職者に対して、求人企業が自社にマッチした人材を自ら探し、直接スカウトを行う仕組みを提供しております。当該サービスは、当社が有する人材データ(登録求職者による入力情報)から、求人企業が興味をもった人材に対して、当社システムを通じて直接採用を呼びかけることが可能です。

当該サービスは、利用開始時には管理画面の設定や求人票作成方法の案内、利用開始後も、スカウトエントリー率向上のポイントや事例の共有などを専任部署によるサポートを通じて実施することにより、求人企業の採用成功へのアシストを実施しております。求人企業からは利用期間に応じて予め定められた利用料金を得る仕組みとなっております。

 

④採用総合支援サービス「採用総合パッケージ」

採用総合支援サービスである「採用総合パッケージ」は、人材採用にまつわる飲食事業者のお困りごとを、自社の既存サービスである人材紹介・求人広告・スカウトはもとより、それらのサービス提供で培ったノウハウを活かし、総合的に支援・解決するワンストップ型サービスとして2022年より提供を開始しました。他社求人媒体の選定やディレクション、Web広告運用や分析、採用業務代行など各社の採用戦略や計画に合わせて総合的に提案しております。

 

⑤その他

(a)研修サービス「クックビズフードカレッジ」

研修サービスである「クックビズフードカレッジ」は、飲食事業者向けの研修サービスであり、飲食店で働く人々の人材定着、育成支援を主な目的としたサービスを展開しております。当該サービスにおいては、マナー、ビジネススキル、クレーム対応、計数管理、人材採用、定着関連等の研修テーマを設定しております。顧客企業からは提供する研修内容や時間数に応じた受講料を受領しております。

 

(b)シフト管理・勤怠管理・給与管理SaaSプロダクト「CAST」

SaaSプロダクトである「CAST」は、クライアントである店舗がWebブラウザーにより、ユーザーであるアルバイトがアプリにより、シフト、勤怠及び給与を管理できるプロダクトです。主に飲食事業者向けに展開しており、アプリ内のチャットでシフト・スケジュール調整が可能です。費用は、店舗の登録ユーザー数に応じた月額・従量課金型で、個人ユーザーは無償で利用することができます。

 

(2)求人情報サイト「cookbiz」について

当社においては、求人情報サイト「cookbiz」を通じて人材紹介サービス及び求人広告サービスを提供しております。当該サイトにおいては、当社が受注した求人広告及び人材紹介にかかる求人情報を掲載しております。

当該サイトにおいて、求職者は会員登録を行わずに掲載求人広告への応募が可能であるほか、無料会員登録を行うことにより、新着求人情報の配信サービスやスカウトサービスの利用、人材紹介にかかるコンサルタントによる転職支援を受けることが可能となっております。また、求職者及び登録会員の利便性向上を図るため、求人情報の拡充及び多様な検索機能の強化のほか、サイト内のデザイン・機能・ユーザビリティの改善、コンテンツ・サービスの拡充等の取組みを継続しております。

当社においては、求職者の集客が重要であり、「cookbiz」サイトにおける登録会員数の拡大に努めております。

当該集客については、上記の求人情報の拡充及びサイト利用者の利便性向上に加えて、費用対効果を踏まえた継続的な広告宣伝費の投下、SEOの推進及び外部ソーシャルメディアの活用や自社メディアによるコンテンツマーケティング等による集客拡大を推進しております。

 

「事業再生・成長支援」

・事業再生・成長支援の概要

付加価値の高い事業や商品を有する企業・店舗が抱える事業継続の課題となる、経営者の高齢化や事業の成長鈍化に対し事業再構築や財務周りを包括的にサポートし対象企業の企業価値を最大化すべく働きかけております。

当事業の特徴としては、事業承継課題を抱える中堅・中小企業が今後益々増加していく社会的背景があり、中小企業庁より2017年7月に発表された「中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継5ヶ年計画)」によると、今後5年間で30万以上の経営者が70歳になるにも関わらず、6割が後継者未定と発表されております。

 

また、高齢化が進むと企業の業績が停滞していること(売上増は70代で14%、30代で51%)や、70代の承継準備を行っている経営者は約半数とされていることも報告されています。また、同じく中小企業庁より2019年12月に発表された「第三者承継支援総合パッケージ」によると、中小企業のM&Aは年間4,000件弱に留まり、潜在的な後継者不在の中小企業数(127万弱)からして不十分であり、このうち2025年までに従来の黒字廃業の可能性のある約60万社の第三者承継を促すことを目標とした施策が報告されています。事業承継課題を抱える中小企業は今後も益々増加していくものと考えられ、市場は拡大傾向にあり、従来の人材支援サービスであるHR事業だけでなく、事業再生・成長支援への取り組みを開始しました。

 

・ホタテ・ホッケ・サバ等の冷凍加工業

当社の連結子会社であるきゅういち株式会社において、ホタテ・ホッケ・サバ等の冷凍加工業を行っております。主に道南の漁業協同組合や商社から買付を行い、冷凍加工後、仲卸等へ販売することを主要業務としております。同社においては漁業協同組合において多くの買参権を保有していることや、海水を工場まで引き込むことで鮮度を維持したまま冷凍し、高品質な加工品を製造しております。

 

「HR事業」

①人材紹介サービス

 

②求人広告サービス

 

③スカウトサービス「ダイレクトプラス」

 

④採用総合支援サービス「採用総合パッケージ」

 

 

⑤その他

(a)研修サービス「クックビズフードカレッジ」

 

(b)シフト管理・勤怠管理・給与管理SaaSプロダクト「CAST」

 

「事業再生・成長支援」

・ホタテ・ホッケ・サバ等の冷凍加工業(きゅういち株式会社)

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当社グループは、当連結会計年度より連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書を作成しているため、「①財政状態及び経営成績の状況 (b)経営成績、③生産、受注及び販売の実績」について前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループのビジョン・ミッション・バリューを基礎として、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた次の10年を「食ビジネスの変革を支援する会社」と定義しています。激変する消費者の行動・価値観変容を理解し、飲食店の新たな収益機会や業態の創出と変革にかかる店舗・業務・人材・資金をトータルサポートすることで食産業の再成長に貢献いたします。

 主要事業であるHR事業においては、コロナ前・コロナ禍を比較・分析し、中期的なターゲットとなるKPIを設定し、2026年~2027年にはHR事業売上が40~50億円(CAGR25~30%)程度まで回復・再成長すると試算しています。これまで支援し続けた「人」を起点に、新たな食体験・食サービスとエコシステムを提供することで、事業規模の再拡大に向けた取り組みを加速させてまいります。

 

 当連結会計年度におきまして、主要事業であるHR事業においては、人流の回復とインバウンド需要も増加し、飲食業界の人材採用ニーズはさらに高まっております。特に第4四半期におきましては、従来の当社事業における季節性において高い需要が見込まれる期間でしたが、当連結会計年度におきましても年末年始の繁忙期を見据えた企業の人材需要の高まりを受け、季節性通りの堅調さとなり、より一層コロナ前の傾向が戻りつつあります。さらに、従前の課題であった求職者の集客においても回復し、堅調に推移しております。

 また、事業再生・成長支援セグメントであるきゅういち株式会社の売上高は東京電力によるALPS処理水問題の影響を受け、第4四半期において売上高減少となるものの、第3四半期累計期間までにおいては概ね想定通りで進捗いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 (a)財政状態

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ634,342千円増加し、3,441,539千円となりました。

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて311,943千円増加し、1,914,637千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて322,399千円増加し、1,526,902千円となりました。

 

 (b)経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高2,665,054千円、営業利益290,428千円、経常利益287,714千円、親会社株主に帰属する当期純利益は267,372千円となりました。

 なお、当社グループは、前期連結会計年度においては連結損益計算書を作成していないため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 HR事業における売上高は1,907,200千円、セグメント利益は213,785千円となり、事業再生・成長支援における売上高は757,873千円、セグメント利益は58,643千円となりました。

 なお、当社グループは、単一セグメントであったためセグメント別の記載を省略しておりましたが、前連結会計年度末においてきゅういち株式会社を連結子会社化したことに伴い、開示情報としての重要性が増したため「事業再生・成長支援」を報告セグメントとしてセグメント情報を記載することとしました。また、当連結会計年度において、従来「事業再生」としていたセグメント名称を「事業再生・成長支援」に変更しております。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

(HR事業)

 HR事業におきましては、クックビズ株式会社で飲食業界に特化した求人情報サイト「cookbiz」を運営しており、当該サイトを通じて、コンサルタントを介した有料職業紹介を行う「人材紹介サービス」、求人情報を求職者に提供する「求人広告サービス」、ダイレクトリクルーティングサービスを提供する「スカウトサービス」を中心に展開しております。また、研修サービスやCAST事業等の新規サービスを「その他」に分類しております。

 その結果、当セグメントにおける売上高は1,907,200千円、セグメント利益は213,785千円となりました。

※ cookbiz:当社は人材紹介サービス及び求人広告サービスともに「cookbiz」の同一ブランドにて展開しております。

(事業再生・成長支援)

 事業再生・成長支援におきましては、きゅういち株式会社でホタテ・ホッケ・サバ等の冷凍加工業を行っております。

 主に道南エリアの漁業協同組合等から買付を行い、冷凍加工後、商社、大手水産加工会社等へ販売することを主要業務としております。同社においては2023年8月末の東京電力のALPS処理水放出問題に起因した中国の禁輸影響を受け第4四半期におきまして中国向け輸出の出荷が停止となり、売上が減少いたしましたが、第3四半期累計期間までにおいては概ね想定通りで進捗いたしました。

 その結果、当セグメントにおける売上高は757,873千円、セグメント利益は58,643千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して215,548千円減少し、2,059,171千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、前連結会計年度においては連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は28,232千円となりました。その主な要因は、売上債権の増加額116,062千円、棚卸資産の増加額190,057千円等の資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益289,831千円、減価償却費34,805千円等の資金の増加があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は525,690千円となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出168,995千円、事業譲受による支出84,892千円、投資有価証券の取得による支出99,980千円、関係会社貸付けによる支出120,000千円等による資金の減少があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は281,909千円となりました。その主な要因は、短期借入金の純減額187,250千円による資金の減少に対し、長期借入れによる収入500,000千円の資金の増加があったことによるものです。

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社が提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b)受注実績

 生産実績と同様の理由により、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(c)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

HR事業

1,907,200

事業再生・成長支援

757,853

合計

2,665,054

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。

   2.前連結会計年度末においてきゅういち株式会社を連結子会社化したことに伴い、開示情報としての重要性が増したため「事業再生・成長支援」を報告セグメントとしてセグメント情報を記載することとしました。また、当連結会計において、従来「事業再生」としていたセグメント名称を「事業再生・成長支援」に変更しております。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当社グループは、当連結会計年度より連結損益計算書を作成しているため、「②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(b)経営成績の分析」については、前連結会計年度との比較・分析を行っておりません。

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。

この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ213,176千円増加し、2,786,549千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,118,796千円、商品及び製品291,994千円であります。

 また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ421,166千円増加し、654,989千円となりました。主な内訳は、有形固定資産が163,198千円、無形固定資産が305,531千円、投資その他の資産が186,259千円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、3,441,539千円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ14,855千円減少し、981,806千円となりました。主な内訳は、短期借入金392,750千円、契約負債121,622千円であります。

 また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ326,798千円増加し、932,830千円となりました。主な内訳は、長期借入金897,519千円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末における負債は、1,914,637千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ322,399千円増加し、1,526,902千円となりました。主な内訳は、資本金760,463千円、資本剰余金753,463千円であります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は2,665,054千円となりました。要因としては、HR事業に関して、人流の回復とインバウンド需要も増加し、飲食業界の人材採用ニーズがさらに高まったためであります。さらに、従前の課題であった求職者の集客においても回復し、堅調に推移したためであります。また、事業再生・成長支援セグメントであるきゅういち株式会社の売上高は東京電力によるALPS処理水問題の影響を受け、第4四半期において売上減少となるものの、第3四半期累計期間までにおいては概ね想定通りとなりました。

 

(営業損益及び経常損益)

 当連結会計年度は、売上高が堅調に回復したことおよび前期から継続して費用削減に努め、人員は確保しつつ費用対効果を見極めた投資の結果、営業利益290,428千円となり、さらに営業外収益として利子補給金5,000千円の計上や、営業外費用として支払利息16,682千円の計上により経常利益287,714千円となっております。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度は特別利益としてSaaSプロダクトであるCAST事業を譲り受けたことによる負ののれん発生益2,264千円の計上がございました。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は22,459千円となりました。

 上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は267,372千円となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

 当社グループは、運転資金及び設備投資の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行からの借入又は第三者割当増資による調達を行う方針であります。

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業活動上において必要な人件費や広告費用の営業費用であります。

 当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(d)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、新規事業の開拓、組織体制の整備及び内部統制システムの強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応するよう努めてまいります。

 

(e)経営戦略の現状と見通し

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(f)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループが継続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高意思決定機関である取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループの事業は、飲食業界におけるHR事業及び事業再生を目的とした事業を展開しており、「HR事業」及び「事業再生・成長支援」の2つを報告セグメントとしております。

なお、当連結会計年度より、対象会社の事業再生だけではなく、持続的な成長ができるような経営支援を当社として行っていくための実態をより反映させるべく、セグメント名称を従来の「事業再生」から「事業再生・成長支援」に変更しております。なお、セグメント名称の変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

また、前連結会計年度のセグメントの名称は、当連結会計年度のセグメントの名称に基づき作成したものを開示しております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。また、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2021年12月1日 至 2022年11月30日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表計上額

HR事業

事業再生・成長支援

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,502,079

1,502,079

セグメント間の内部売上高又は振替高

1,502,079

1,502,079

セグメント利益

173,155

173,155

セグメント資産

2,644,130

289,726

2,933,856

△126,659

2,807,197

(注)セグメント資産の調整額△126,659千円の主な内容は投資と資本の相殺消去であります。

 

当連結会計年度(自 2022年12月1日 至 2023年11月30日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表計上額

HR事業

事業再生・成長支援

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,907,200

757,853

2,665,054

2,665,054

セグメント間の内部売上高又は振替高

20

20

△20

1,907,200

757,873

2,665,074

△20

2,665,054

セグメント利益

213,785

58,643

272,428

18,000

290,428

セグメント資産

3,173,071

583,927

3,756,999

△315,459

3,441,539

(注)1.セグメント利益の調整額18,000千円の主な内容は、セグメント間の取引高相殺消去に係るものであります。

2.セグメント資産の調整額△315,459千円の主な内容は、投資と資本の相殺消去、セグメント間の債権債務相殺消去に係るものであります。

【関連情報】

前連結会計年度(自 2021年12月1日  至 2022年11月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が全セグメントの売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、全セグメントの売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2022年12月1日  至 2023年11月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が全セグメントの売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、全セグメントの売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2021年12月1日  至 2022年11月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2022年12月1日  至 2023年11月30日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2021年12月1日  至 2022年11月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2022年12月1日  至 2023年11月30日)

該当事項はありません。

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2021年12月1日  至 2022年11月30日)

「事業再生・成長支援」において、きゅういち株式会社の株式取得による子会社化に伴い、負ののれん発生益148,159千円が発生しております。

なお、負ののれん発生益は特別利益ですが、当連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しており、連結損益計算書を作成していないことから、繰越利益剰余金にのみ反映しております。

 

当連結会計年度(自 2022年12月1日  至 2023年11月30日)

当連結会計年度において、当社がCAST株式会社からの事業譲受を実施したことにより、「HR事業」において、負ののれん発生益2,264千円を計上しております。なお、負ののれん発生益は特別利益のため、セグメント利益には含まれておりません。