人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数936名(単体) 2,152名(連結)
-
平均年齢41.6歳(単体)
-
平均勤続年数10.6年(単体)
-
平均年収7,661,204円(単体)
-
平均年収の
対前年増減率5.3%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループの人材戦略としては、まず、産業印刷のデジタル・オンデマンド化を推進すべく、製品開発力の強化、営業力・サービス力の強化、管理体制の強化を担う中核人財を確保することです。職種別に必要人財の要件を明確にして、新卒採用計画、キャリア採用計画を立案、着実に推進していきます。併せて、技術開発から営業力強化に至るまで、全社的な専門教育の深化で新しさと違いを提供するイノベーターを創出していきます。また、多様性の確保、ジョブ型人事制度の運用、職場環境の改善等を通じて、「各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土」を目指します。
当社グループにおける従業員の給与その他給付の額及び内容については、当社グループを取り巻く外部環境、内部環境を踏まえ、適切かつ持続的な賃上げに取り組むとともに、業績連動型賞与制度により、企業成果を従業員へ適切に還元していきます。当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業の動向、業績推移ならびに今後の見通し等を分析のうえ、予算編成会議で議論を行い、取締役会にて決定しております。
(2)【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
|
2026年3月31日現在 |
|
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
|
日本・アジア・オセアニア |
1,722 |
(236) |
|
北・中南米 |
229 |
(-) |
|
欧州・中東・アフリカ |
201 |
(10) |
|
合 計 |
2,152 |
(246) |
(注)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外からの出向者を含むほか、常用パートを含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、平均人員を( )に外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
|
|
2026年3月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
|
|
936 |
(159) |
41.6 |
10.6 |
7,661,204 |
5.3 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
|
日本・アジア・オセアニア |
936 |
(159) |
|
合 計 |
936 |
(159) |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外からの出向者を含むほか、常用パートを含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、平均人員を( )に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
|
当事業年度 |
補足説明 |
||||
|
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1. |
|||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
|
4.8 |
88.0 |
76.8 |
79.9 |
53.3 |
国内子会社への出向者を含む |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等に、当社独自の休暇制度利用者を含めて取得率を算出したものであります。※当社独自の制度:本人に対し、配偶者の出生時に際して取得できる特別休暇(有給1日・無給1日の最大2日まで)
(3)連結子会社の状況
女性活躍推進法に基づき全労働者に占める女性労働者の割合を公表する連結子会社は以下のとおりであります。
|
当事業年度 |
|
|
名称 |
全労働者に占める女性労働者の割合(%) |
|
株式会社砺波製作所 |
17.3 |
(4)労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ方針、マテリアリティの概要
当社グループはこれまで、経営方針に則り持続可能な社会への貢献を目指してまいりました。その取組みをさらに効果的・効率的に推進すべく、マテリアリティ(重要課題)を特定しました。その結果、当社グループの持続的な成長及び長期的な価値提供において重要な課題を下記の5つに絞り込み、「社会的価値を提供するためのマテリアリティ(以下、価値提供マテリアリティ)」と「企業価値を向上するためのマテリアリティ(以下、価値向上マテリアリティ)」に大別しております。
◆ 価値提供マテリアリティ
A. 既存・新規事業を通じた産業印刷のデジタル化
B. イノベーションを通じたサステナビリティへの貢献
◆ 価値向上マテリアリティ
C. グループ人財の活躍と地域社会の活性化
D. 責任あるサプライチェーンの実現
E. 企業成長に応じたガバナンスの徹底
価値提供マテリアリティはすなわち、当社グループが事業活動を通じて産業印刷ならびに社会のサステナビリティ向上に取り組むことを意味します。一方、価値向上マテリアリティとは、社会的価値の提供を将来も持続するため、そして当社グループが長期的に成長するためのマテリアリティです。具体的にはサステナビリティ・リスクを予防・低減し、事業活動を通じステークホルダーへ良いインパクトを提供することで、当社グループ、産業印刷、社会のサステナビリティ向上につながることとなります。
これらのマテリアリティを踏まえ、当社グループがサステナビリティにどのように取り組むべきかを改めて整理し、サステナビリティ方針を次のとおり策定しております。
◆当社グループのサステナビリティ方針
1. 産業印刷のデジタル・オンデマンド化を推進し、持続可能な社会の実現に貢献する
・インクジェット技術を用いたデジタル・オンデマンド印刷なら、必要な時に必要な分だけ生産することで、製品の在庫レス・廃棄ゼロに貢献し、過剰在庫の管理費用をも抑制
・多品種・小ロットを短納期で生産可能、多様な素材に適用できるこの手法を、既存市場でさらに普及・浸透させつつ、新たな市場でも産業印刷のデジタル化を推進していく
・大量生産・大量廃棄社会から脱却し、高品質を保ちつつ、ものづくりを迅速・柔軟に行うためのソリューション提供を通じて、社会のサステナビリティ向上に貢献する
2. 安心して成長・挑戦できる職場環境を提供し、地域社会の維持・発展に尽力する
・互いに助け合いながら成長できる組織、働きやすく、挑戦を尊重する企業風土を実現し、従業員の自己実現によって持続可能な社会への歩みとグループの進化を支える
・創業以来、ともに歩み続けてきた地域社会が 将来も活気あるまちとして持続できるよう、リーダーシップを持ってその活性化に向けた役割を果たす
(2)サステナビリティに関する取組
① 戦略
マテリアリティの詳細(財務的リスク・機会ならびに正負のインパクト)
ここでは、リスク・機会を「直面する財務的なリスク」「享受する財務的な機会」、またインパクトについては「(他者へ)及ぼす正または負の影響」と定義いたします。マテリアリティ特定にあたっては、当社グループの事業を取り巻く状況やその特性を踏まえ、どのような機会・リスク・正負のインパクトが顕在化しているか、あるいは潜在的に存在するかを短期・中期・長期の時間軸で広く抽出したうえで、その重要性を数値で評価いたしました。また欧州に現地法人を有することから、欧州の開示規制で指定されている欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)を参考に特定を実施しております。
特に重要な5つの項目の詳細は次のとおりです。
A. 既存・新規事業を通じた産業用印刷のデジタル化 →機会・正のインパクトの増大
当社グループは産業用印刷機器等を市場に提供し、SG・IP・TA市場のデジタル化に貢献しております。既にノウハウを蓄積しているこのビジネスにおいて、既存の製品群の改善や高度化を続け、業界の課題解決と、当社グループのさらなる成長を目指します。加えて、Mimaki Innovation 30(以下、MI30)に基づきイノベーションとそれを起こす人的資本への投資を積極的に行い、新たな市場を開拓いたします。これはデジタル化による課題解決を、より多様な分野に展開していくためであります。業界・社会に正のインパクトをもたらすこれらの戦略は、中長期的な収益源の維持・確保、すなわち財務的な機会としても重要であります。
B. イノベーションを通じたサステナビリティへの貢献 →機会・正のインパクトの増大、負のインパクトの低減
気候変動や水質汚染、人手不足など、社会が抱える問題に対し、当社グループはイノベーターとして、技術力でソリューションを提案していきたいと考えております。デジタル・オンデマンド印刷を可能にする当社の製品史には、世界初の機能を誇る発明がいくつもあります。このイノベーションの歴史を、複雑化する社会課題の解決に役立てるべく、マテリアリティを掲げ、今後も取り組んでまいります。具体的には、印刷工程で水を使わず、簡単に多様な繊維素材へ顔料転写ができるシステム「TRAPIS」や、ポリエステル生地から染料を脱色し、アップサイクルを可能にする「ネオクロマト・プロセス」(開発中)など、独自性のあるソリューションの展開です。またMI30においては、当社グループのコア技術の応用・発展により高粘度領域に進出し、Digital Paintの実現を目指しております。これらは当社グループの技術力がより広範な正のインパクトを社会に創出することを意味し、同時に当社グループの新たな収益源となる可能性を秘めております。
C. グループ人財の活躍と地域社会の活性化 →正のインパクトの増大、リスクの予防・低減
それぞれのマテリアリティに取り組むうえで、長期的な成長及び継続的な価値の提供のため、グループ従業員のさらなる成長・活躍と、地域社会の維持・発展を推進することが重要になると考えております。MI30の達成に向けては、オープンイノベーションを含めた多様な連携を展開し、技術開発から営業力強化に至るまで、全社的な専門教育の深化を通じて、「新しさと違い」を提供するイノベーターを創出してまいります。同時に、地域との連携を強化し、その活性化においてリーダーシップを発揮していく必要があります。雇用創出の側面では、従業員が長く安心して就業を継続できるよう、借上げ社宅制度や帰省手当の支給など、勤務地域外に生活の本拠地がある社員にも配慮した取組みを行っております。また、地域のスポーツクラブや美術館等の事業を通じた文化振興、観光資源でもある季節の催事等への支援や参加を通じて、地元企業として、活気あるまちづくりへの貢献を目指しております。こうした取組みを通じて、当社グループ内外のステークホルダーに正のインパクトを提供してまいります。人的資本への投資が採用競争力を高め、人財の定着に繋がり、そして競争力の源となるイノベーションを促進する点、それから当社グループの人財獲得や地域支援が直接的・間接的に地域の都市機能の維持に貢献するという点では、これらの分野に取り組まないことが財務的なリスクになりうると考えております。
D. 責任あるサプライチェーンの実現 →リスク・負のインパクトの予防・低減
事業の継続と成長に伴い、グローバルにビジネスを行う当社グループのサプライチェーンは今後も拡大が予想されます。このサプライチェーンにおいて人権侵害、森林破壊等、当社グループのステークホルダーに対する脅威となりうる事項の把握、予防、低減に努めることは、企業としての責任であります。同時に世界規模の課題である気候変動等に対しても、対応の緊急性をグループ全体で認識し、GHG排出量の削減や再生可能エネルギーの導入等の取組みを積極的に行う必要があります。これらの対応も含めて、安定した製品供給とそのレジリエンスを確保するための事業継続計画の重要性の高まりを認識し、平時の準備を進めてまいります。こうした負のインパクトの予防・低減に適切に対処できない場合には、当社グループの事業に対する財務的なリスクが発生する可能性があります。
E. 企業成長に応じたガバナンスの徹底 →リスク・負のインパクトの予防・低減
当社グループにおいては、MI30で定めた目標の達成に向け、ガバナンスの実効性を一層高めるとともに経営管理体制を強化し、VUCAの時代において顕在化し得る財務リスクの低減を図ることが重要と考えます。リスク予防・低減を適切に実施できない場合、具体的には法令違反や経営管理上の過誤等により、当社グループならびにそのステークホルダーへ負のインパクトが及ぶ可能性があります。そうした事態を防ぐべく、AIをはじめとするテクノロジーを最大限に活用し、従業員一人ひとりの業務効率・品質の向上や、DXによる内部統制の強化など、当社グループの成長速度と時代の流れに則したガバナンス体制・経営管理体制を維持してまいります。
戦略の実践として、当期に取り組んだサステナビリティ関連施策の一部を抜粋して記載いたします。
既存・新規事業を通じた産業用印刷のデジタル化
IP市場向け製品として、従来機と比較してさらに「厚く盛る」「深く打つ」機能を充足し生産性・ランニングコスト削減を追求した「UJF-7151 plusII e」を発表しました。また、SG市場向け製品としては「高画質と誰でも使える簡単さ」のエントリーモデル「JV200-160/-130」や、プリント形状の課題を解決し高付加価値のプリントビジネスを創出する当社初のUV-DTF(UV硬化式-Direct To Film)プリンタ「UJV300DTF-75」を発売しました。さらに、グラフィック製作用の大判インクジェットプリンタ「330 シリーズ」の新製品として、ハイブリッドUVインクジェットプリンタ 「UJ330H-160」を発表しました。本製品はロール素材への出力に加え、リジット(ボード)素材のダイレクトプリントにも対応しています。TA市場向け製品としては、最大1,940mm幅のテキスタイルをシームレスに出力可能な「TS330-1800」や、初めて昇華転写プリンタを扱う方でも簡単に高品質な印刷ができる「TS200-1600」をラインナップに追加しました。今後も、顧客のニーズを捉え、「新しさと違い」を提供する新製品を継続して投入してまいります。詳しくは、4(1)経営成績等の状況の概要をご参照ください。
イノベーションを通じたサステナビリティへの貢献
2025年5月、人の健康及び環境への配慮を重視した次世代のUV硬化型インクを当社のUVインク製品ラインナップに新たに加えました。本製品は、欧州をはじめとするグローバル市場における環境規制への対応を目的としたものであり、SVHC*1に該当する物質を含まないインクです。
*1 欧州のREACH規制で定められる、特に人の健康や環境に重大な影響を与える恐れのある懸念物質
2025年9月に幕張メッセで開催された「サステナブル経営WEEK」では、宣伝用タペストリーやのぼり旗を脱色して再印刷することで、CO₂削減や資源循環に貢献する新たなアプローチ「ネオクロマト・プロセス」を来場者の皆様に提案しました。会場では、世界で初めて実機の参考展示を行い、大手小売業者、宣伝アイテム製造業者、行政機関等に向けて「再利用」を軸とした新たな付加価値モデルを紹介しました。2026年2月には、当社の高画質大判プリンタ「UCJV330シリーズ」と、それに搭載されるUV硬化型インク「LUS-200」及び「LUS-170」が3M™ MCS™ 保証プログラムに認定されました。3M™ MCS™ 保証プログラムは、お客様へ高品質なグラフィックスを届ける仕組みです。指定の材料を用いて本プログラムの認定店が製作したグラフィックスについて、最長6年の耐候性保証を提供します。看板をはじめとする各種グラフィック制作におけるタイムパフォーマンス・施工性に加え、長期間の耐候性保証という価値をお客様へ提供可能となりました。
当社はこれまで、デジタル・オンデマンド技術や、環境に配慮した製品展開の提供を通じて、CO₂排出量や廃棄物の削減、水使用量の抑制など、環境への負荷低減に取り組んできました。こうした取組みを進める中、近年、原材料調達から廃棄に至るサプライチェーン全体にわたる環境影響を把握・管理する重要性が高まってきており、環境負荷を体系的に管理するための社内体制構築を進めております。これにより、当社製品の使用を通じて得られる環境負荷削減効果を、より定量的で分かりやすい形でお客様に示していくことを目指してまいります。
グループ人財の活躍と地域社会の活性化に資する取組
少子高齢化の進展による人手不足や、業務の高度化・複雑化が進む中、限りある当社の人財が付加価値の高い業務に集中できるよう、基幹業務システム(ERP)周辺に存在する個別ツールや業務の整理・統合を進めるとともに、生成AIやローコードツール活用を業務支援の手段として活用し、業務プロセスの標準化・簡素化に取り組んでおります。これにより、従業員の業務負担の軽減や生産性の向上を図るとともに、組織全体の働き方改革につなげてまいります。また、国内グループ従業員を対象に、サステナビリティに関する教育動画の定期配信を開始しました。従業員が、多様性・包摂性への理解を深め、多様な人財が活躍できる職場づくりを推進してまいります。さらに、当期において当社は創立50周年という節目を迎えました。当社の歩みや価値観を、社内外関係者に共有することを目的に、社史を発行しました。
地域社会の活性化に資する取組みとしては、本社地区において、2026年度マイクロバスの運行開始に向けた準備を進めました。マイクロバスは、最寄り駅である滋野駅と加沢工場、牧家工場を結ぶルートで運行を予定しています。今後の安定的な運行を通じて従業員の利便性向上を図るとともに、当社従業員による公共交通の利用促進を通じ、地域交通インフラの維持・向上にも貢献してまいります。国内グループ会社においては、地域住民や関係者を対象とした「ミマキまつり」での工場見学会の実施、地域イベントへの参加・協賛等を通じ、地域社会との関係構築及びその維持・発展に取り組んでおります。また、地域スポーツチームや子育て支援団体へ協賛することより、地域コミュニティ活動の継続的な運営を支援しております。さらに、国内外においては、インターンシップの受入れや学生向けの職業体験、教育機関と連携したショールーム見学会・特別授業の実施により、人財育成及び地域における教育機会の提供を行っております。このほか海外拠点においては、地域イベントにて当社製品によるバナー印刷協力、社会貢献活動(寄付、教育支援等)を実施しております。グローバル社会への貢献としては、当社グループ会社協力のもと、国際医療NGOである認定特定非営利活動法人ジャパンハートがカンボジアで展開する医療活動を支援しました。新病院で着用されるユニフォームに、当社の印刷技術を活用した企業ロゴプリントを無償で提供しました。
責任あるサプライチェーンの実現に向けた取組
本社・加沢工場では、オンサイトPPA契約による再生可能エネルギー電力の利用を2025年6月より開始しました。工場の屋上に設置した太陽光発電設備により、年間電力使用量の約16%にあたる843MWhを賄う見込みです。外部からの電力供給依存度を低減し、エネルギー自給率を改善するとともに、事業継続性の向上に貢献します。また、同工場では、従来廃棄していた気泡緩衝材、ストレッチフィルムについて、回収業者と連携した資源回収を行い、再び製品化して再生・再利用する、ループリサイクルの運用を開始しました。あわせて、同工場から出荷されるインク集合梱包箱についても、管理された森林由来の原材料を使用したFSC®認証取得済み段ボールへ切り替えを進めています。さらに、装置の洗浄に使用する洗浄液について、段階的に蒸留設備を導入し蒸留再生を行うことで、資源の循環利用を推進しております。加えて当期は、導入から20年以上が経過していた社服を刷新しました。あわせて、外部のリサイクルスキームを活用し、旧社服を資源として回収し再資源化する取組みを実施しました。今後も、本スキームを活用した社服リサイクルを継続していく予定です。さらに、取引先との共存共栄を図る取組みとして、「パートナーシップ構築宣言」を行いました。本宣言に基づき取引先との適切な取引慣行の遵守やサプライチェーン全体での付加価値向上に向けた連携を進めてまいります。今後も関係者との対話を通じて、ともに持続可能な事業活動の実現に取り組んでまいります。
リスク管理の面では、事業継続体制の強化とレジリエンス向上を目的として、事業継続計画(BCP)策定に向け、非常時における製品供給・事業活動の継続性確保に向けた体制整備を進めています。当期は、サイバー攻撃や情報漏洩等のセキュリティリスクについてリスクアセスメントを実施し、情報セキュリティ管理規程等の見直しにより社内体制を強化しました。地震・風水害等の自然災害や、地政学的リスクを含む社会情勢の変化を踏まえた調達・物流に関するリスクについても、リスク評価及び対応整備を進めております。人権については、国内外のグループ会社を対象に人権リスクの調査を行うとともに、対応優先度の高いリスクを特定し、人権侵害リスクの把握・予防・低減に向けた体制整備を進める予定です。
企業成長に応じたガバナンスの徹底
ガバナンス機能の補強を目的に、グローバル管理室を中心に、グループ全体の社内規程等の見直しを進め、内部統制システムの実効性向上に取り組んでいます。あわせて、仕組みの整備、社内教育や運用状況の確認などを通じて、規程等ルールの定着を進めております。また、グループ各社内の各種申請手続きの電子化を進め、業務効率・品質の向上と相互牽制の強化に取り組んでおります。
なお、SDGsに関する取組みについては、当社ウェブサイトの「サステナビリティ」ページで開示している、「長野県SDGs推進登録 具体的な取り組み(要件2)(様式第3号).pdf」をご参照ください(https://ir.mimaki.com/about/sustainability/)。
② リスク・機会・インパクトの管理
様々なリスク・機会・インパクトを取り扱うにあたり、当社グループにおいては、必要なアクションを迅速に認識・実行することを目的として、対応を行う各部門より経営陣と各責任者へ定期的に報告を行っております。これにより情報を遅滞なく浸透させ、重要度に応じて取締役会も含めた的確な判断を行える体制を敷いております。
当社グループの全般的なリスク管理は、コーポレート統括本部が統括し、体制整備と運用状況のモニタリングを行っています。監査室は、独立した立場から内部監査を実施し、その有効性について客観的な検証を行っております。
サステナビリティ関連リスク・機会・インパクトは、主に製品開発や生産他、業務執行における課題の解決が、当社グループの事業の持続可能性にも資するという観点で各部門が個々に抽出してきました。それらを業務計画に織り込んで対応し、包括的な識別・評価・管理プロセスは、SDGs推進会議が担っております。現在、マテリアリティを中心として課題の解決に取り組んでおります。
気候変動関連のリスク・インパクトは、総務部及びSDGs推進室を中心に対応を行い、月次のSDGs推進会議を通じて進捗管理を行います。機会については、グローバル・マーケティング部が捕捉し、ビジネスに繋げる活動を行います。中長期的な財務的リスク・機会に関しては、2023年度のTCFDプロジェクト活動において、識別・評価を行いました。また、ESRSを参考にしたマテリアリティ特定プロセスにおいても、最新の動向を踏まえてこの気候変動関連リスク・機会を考慮しました。
人的資本関連リスク・インパクトは、人事部を中心に対応を行い、月次のSDGs推進会議を通じて進捗管理を行っております。採用計画、人事制度や研修プログラム等、全社に係わる案件を含むことから、経営会議や取締役会においても報告を行っております。詳細は、(4)人的資本関連の取組①ガバナンス及び③リスク管理をご参照ください。
SDGs推進会議では、期初に設定した目標値に向けて、関連部署との定期的な情報共有・更新を兼ねて取組みの進捗と課題を報告し、適宜方向修正を行います。
③ 指標・目標
当期は、ミマキグループの持続的な成長及び企業価値向上に向け実効性ある取組みを推進するとともに、その進捗を社内外に明示するため、マテリアリティごとにKPIを設定しました。設定したKPIについては、SDGs推進会議において定期的なモニタリングを行い、進捗状況を継続的に管理してまいります。
A. 既存・新規事業を通じた産業印刷のデジタル化
中長期成長戦略MI30の基本方針を基に、次のKPI達成を目指してまいります。
※基本方針:安定的な収益性で売上高成長の追求を継続し、資源の積極的な活用により新たな領域にチャレンジすることで、2030年3月期に売上高1,500億円を目指す
a. 2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率8%以上
b. 新製品売上高比率(NPVI)年30%の達成
B. イノベーションを通じたサステナビリティへの貢献
環境負荷低減や労働生産性向上に資するソリューションを提供することで、産業印刷分野における社会課題及び環境課題の解決に取り組みます。
a. インク品質・安全性を確認する独自試験を繰り返し実施し品質検証を徹底します。またインクの需要予測精度の向上や在庫管理の最適化を通じてインク廃棄を抑制し、CO₂排出量、廃棄物の削減に貢献します。
b. プラスチック使用量の削減及び紙カートリッジを採用したインク製品の適用品目拡大を進めることにより、CO₂排出量の削減に取り組みます。
C. グループ人財の活躍と地域社会の活性化
人的資本関連施策と指標・目標の詳細は、(4)をご参照ください。
a. 教育の深化によるイノベーションの促進、人財の高度化
b. 労働環境の改善による採用競争力の強化、人財の定着
D. 責任あるサプライチェーンの実現
a. 温室効果ガス(以下、GHG)排出量の削減をはじめとする気候変動対策を推進します。
目標及び削減計画については、(3)③をご参照ください。
*1:インク廃棄率(%) = インク廃棄額 ÷ インク売上高 × 100
*2:改善度 =(廃棄率基準値*3 - 廃棄率実績値*4)÷ 廃棄率基準値*3
*3:廃棄率基準値: 過去5年間(FY20~FY24)の平均インク廃棄率(%)
*4:廃棄率実績値: 将来5年間(FY26~FY30)の平均インク廃棄率(%)
*5:紙カートリッジ切替率(%) = 紙カートリッジ切替済品目数 ÷ 紙カートリッジ切替対象品目数 (141品目)
④ ガバナンス
ここでは、当社グループのサステナビリティ関連のリスクや機会、インパクトに対して、どのようなガバナンス体制を敷き、経営陣や会議体がどのように関与しているかを説明いたします。当社グループ全体の事業活動を対象とした企業統治の詳細については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
サステナビリティ関連のリスクや機会、インパクトに関する取組みにおいては、SDGs推進室が主幹として各本部の対応を統括し、毎月SDGs推進会議を開催しております。
この会議にはSDGs推進室のほか、代表取締役社長、専務取締役、常務取締役ならびに一部の取締役・執行役員を含む全本部の責任者が出席し、全社的な推進体制を敷いております。取組みの本格化のため、2022年4月のSDGs推進室設置と同時に発足いたしました。
これまで各部門が別個・独自に推し進めてきた活動の全容を統括し、部門横断的な課題にも柔軟なアプローチを行う、あるいはESG領域以外の課題との優先順位を整理するなど、効率的な取組推進を見据えた議論、タイムリーな報告、迅速な判断を行う場としての役割を担います。毎月の会議においては、各本部のESG業務計画の進捗報告のほか、当社グループとして認識・開示するESG領域の課題や目標等、審議事項についての議論・合意形成も行われます。また、本部長自らが参加することで、当社グループにおけるESG課題の重要性の認識、意識の向上にも貢献しております。その他の会議体に関しては、四半期に一度、全社の責任者が出席するQレビュー会議にてSDGs推進室が全体的な取組状況を報告し、財務・経営に大きな影響のある事案については適宜、経営会議でもSDGs推進室や人事部・総務部など当該案件を取り扱う部門より報告・議論を行い、取締役会でも管掌役員より報告を行います。
(3)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
① 戦略
全社横断体制で気候変動に関する議論を深める必要性から、2023年度には全本部より選出したメンバーによる「TCFDプロジェクト」を実施しました。全社的な視点で気候変動関連課題の分析、財務的影響の算定等を実施し、多角的に当社グループの状況を把握したことで、中・長期的に取り組むべき課題が明確になりました。当期は当社グループ全体のマテリアリティ特定作業を行うにあたり、このTCFDプロジェクトの結論と最新の動向を踏まえ、各本部の意見を反映しました。
具体的には下記の手順で、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会特定と財務的影響の算定、インパクトの特定、対応策の検討を行いました。引き続き、特定した内容への対応を継続し、新たなリスク・機会・インパクトに関する対応策の検討を行ってまいります。
|
1 |
前提条件の設定 |
分析対象範囲(地域、事業)、時間軸の設定 |
|
2 |
リスク・機会の特定 事業インパクト評価 |
TCFD提言で挙げられている、低炭素経済への移行に伴う4分野のリスクと、気候変動の物理的影響に関連した2分野のリスク、そして気候変動への適応・緩和策に関する5分野の機会から事業継続において想定される影響を特定。「影響を受ける可能性」と「影響の大きさ」を点数化し、事業インパクトの大きいリスク・機会を抽出し、重要度を評価 |
|
3 |
シナリオ分析 |
2で特定したリスク・機会のうち、影響度が高いと推定されるものについて 2℃以下・2℃以上の各シナリオにおける当社グループ事業への財務的影響を算定 |
|
4 |
対応策の検討 |
3の結果、事業インパクトの大きいリスク・機会について対応策や方針を検討 |
|
5 |
インパクトも踏まえた再検討 |
気候変動を含むサステナビリティ関連リスク・機会ならびに当社グループが及ぼす正負のインパクトを検討。重要度を評価し、重要と判断したIROをマテリアリティに位置づけ、サステナビリティ領域において高い優先順位で取り組むことを決定。 |
A. 採用シナリオ
TCFDプロジェクトにおける分析には、移行リスクの面で国際エネルギー機関(IEA)によるSTEPSならびにSDSシナリオ、物理リスクの面で気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP8.5及び2.6シナリオ*1を採用いたしました。
*1 RCP8.5及び2.6シナリオ:IPCC 第5次報告書の気候モデル予測で用いられる、温室効果ガスの代表的な濃度の仮定(シナリオ)
*2 GHG:温室効果ガス
出典:環境省「IPCC第5次評価報告書の概要 -第1作作業部会(自然科学的根拠)- (2014年12月版)」
IPCC「第5次評価報告書」のRCP8.5シナリオ、RCP2.6シナリオ
IEA「世界エネルギー見通し2021年版(WEO-2021)」のSDSシナリオ、STEPSシナリオ
B. シナリオ分析結果と、対応するマテリアリティ
*分析対象: 本社地区 / マシン本体(プリンタ・プロッタ)
*財務的影響の尺度: 小… ~5,000万円 / 中… 5,000万円~5億円 / 大… 5億円~(売上高との比率として考慮の上で決定)
*想定時間軸: 短期… 0~3年 / 中期… 3~10年 / 長期… 10年~
a.レジリエンスの向上
シナリオ分析を通じて認識している今後の大きな気候変動関連リスクとして、コストの上昇(レピュテーション低下による人財不足対応を含む)、異常気象による調達難、そして機会としてはデジタル・オンデマンド印刷需要の増加があります。
具体的には、炭素税の導入やそれに伴う材料・エネルギーの価格高騰など、製品コストにかかわるリスクの発生が予想されます。対策として、製品自体の原価率低減のほか、製品の容器・梱包等におけるコスト削減及び資源利用量の削減を継続しております。また気候変動の影響に限らず、昨今のコスト上昇に対応すべく販売価格を適切に見直すなど、取り得る選択肢を柔軟に検討してコスト上昇リスクに対処しております。
加えて、調達難を含む想定外の事態の影響を最小限に留めるために備えております。管理部門においては、緊急時の基本的対応に用いる安否確認システムの導入徹底や、地政学リスクへの対応も考慮して、各工場間における生産品目の移管等も適宜行っております。
最後に、気候変動対応の緊急性が叫ばれる今、当社グループの強みであるインクジェットプリンタと関連技術がもたらす価値は向上し続けると推測しております。多品種生産のニーズに応えるこの製品・技術は、大量生産による過剰在庫や廃棄物の削減に資するものであります。この技術・製品の普及により、当社グループはお客様先のビジネスの支援と同時に、環境負荷の削減、管理面の負担軽減をもサポートしております。お客様の持続可能なデジタル・プリンティングビジネスを支え、各本部によるリスクの低減・緩和、機会の最大化を通じて統合的なサステナビリティ向上を目指すことが、全社的なレジリエンス強化に繋がると考えております。
② リスク・機会・インパクトの管理
当社グループでは2024年度に、全本部より選出されたメンバーからなるプロジェクトチームにおいて、気候変動関連を含むサステナビリティに関するリスク・機会・インパクトを識別・評価しました。当該内容は、代表取締役社長をはじめとする社内取締役・一部執行役員と各本部責任者で組織するSDGs推進会議へ報告しました。以降もリスクの発生時には関係部門にて認識のうえ、全社的な影響の大きい場合は適宜、SDGs推進会議のほか、Qレビュー会議ならびに取締役会への報告により管理し、内容によっては監査等委員会においても議論の対象となりました。
|
リスクの抽出 |
評価・分析 |
対策・管理 |
|
TCFDプロジェクトのアウトプットやESRS基準ほか各機関の提言・発表等を参考に、連結のサステナビリティ関連リスク・機会・インパクトを抽出。 |
抽出したリスク・機会・インパクトによる影響を点数評価し、重要度が高いと推定される項目を特定。 |
重要なリスク・機会・インパクトを集約してマテリアリティを特定し、それに対応するサステナビリティ方針を策定。SDGs推進会議ならびに取締役会へ適宜報告。引き続き、各マテリアリティへの対応を各部門の業務において進める。指標・目標と達成計画の策定後、経営計画に反映し毎月のSDGs推進会議でPDCAサイクルを回す。 |
③ 指標・目標
A. Scope 1, 2 連結ベース(2016~2024年度)
2021年度以降、国内外の拠点において、CO₂フリー電力や再生可能エネルギーの導入を進め、Scope 2削減に尽力しております。今後も、CO₂フリー電力導入拠点の増加に取り組んでまいります。
*排出量の数値は、算定範囲や算定に使用する排出係数等により、後に変更となる可能性があります。
B. Scope 1~3 単体ベース(2024年度)
当期に集計を完了した2024年度のCO₂排出量は次の表のとおりであります。なおScope 3排出量は独自のシナリオに基づいて算定しており、前提条件の変更等により数値が変動する可能性があります。Scope 3については、カテゴリ1の排出量が最も多いことから、製品の容器や梱包材において、排出係数が比較的小さな素材への切替を積極的に進め、売上伸長と排出量削減の両立を目指します。
連結ベースのScope 3については、集計・開示の実施に向けて検討、準備を進めてまいります。
*Scope 3 試算困難との表記について 合理的な根拠数値の算出と、それによる精緻な排出量の算定が困難なカテゴリは、今回の算定結果より除外しております。
*Scope 3 について精緻化した事により一部数値に変動がございます。
C. CO₂排出削減目標
Scope1, 2排出量について、直近の年度で最大の排出量であった2019年度と比較し、2026年度に60%、2030年度に61%の削減目標を設定し、削減に取り組んでおります。なお、この目標は国内外にほぼ毎年、拠点1箇所ずつを新設する想定の元に設定しており、企業成長を続けながらも排出量の抑制・削減に努める意向であります。目標と前提条件、削減施策は次のとおりです。
[目標]
2019年度比 2026年度 ▲60%
2019年度比 2030年度 ▲61%
*2019年度排出量は記録のある2016年以降で最大
[前提]
・2023年度よりほぼ毎年、国内外に各1箇所の拠点新設を想定
・売上高が伸長を継続する想定
・拠点増加、売上高伸長等の企業成長を実現しつつCO₂排出量の増加抑制・削減に努める
[排出量削減に向けた主な施策(実績)]
・省エネルギーの推進
(省エネ空調・LED照明の導入、HV・EV車の導入、デマンドコントロール、電力会社要請に応じた節電等)
・再エネ由来電力導入拠点の拡大
・創エネシステムの導入(加沢工場)
④ ガバナンス
ガバナンスについては、(2)④をご参照ください。
(4)人的資本関連の取組
(基本的な考え方)
経営ビジョンに「開発型企業」「イノベーター」をありたい姿として掲げる当社にとって、多様な価値観を有する「人財」こそ最大の経営資源です。前期に策定したサステナビリティ方針に則り、産業印刷のデジタル・オンデマンド化を引き続き推進すべく、特に製品開発を担える人財、グローバルな環境で活躍できる人財の確保を積極的に推進しております。
併せて、ダイバーシティ、特に女性活躍推進や障がい者雇用の推進に向け、管理職を含めた意識改革、働きやすい環境づくりを進めております。また、全社的な専門教育の深化、教育投資の増加を図り、各人の能力を最大限発揮できる企業風土の醸成に取り組んでおります。
① ガバナンス
人的資本の諸課題に対応するため、2024年度に設置したグローバル人財総務本部を中心に、月次の経営会議等で採用・人員計画の進捗状況の確認を行うとともに、人的資本経営に関する重要事項については、担当役員から取締役会へ適宜報告を行い、必要情報の共有を行っております。
また、こうした企業風土の醸成には、従業員と経営との情報共有や意見交換等の対話が不可欠であり、従業員代表と経営層で構成される「社員経営者協議会」を毎月開催して、従業員の要望や意見の確認、施策の状況説明等を継続しております。
今後もマテリアリティのひとつである「企業成長に応じたガバナンスの徹底」を図りつつ、Mimaki Innovation 30の実現に不可欠な人財戦略を着実に遂行してまいります。
② 戦略
(中核人財の確保)
「開発型企業」「イノベーター」を目指すために、中核となる人財の育成・確保は重要な経営課題です。経営層も候補人財へのアプローチや選考に深く関わることで、人財戦略と連動する採用体制を強化しております。
・職種別に定めた人財要件に基づき、適材適所の考え方を基本に、採用活動を積極的に進めております。具体的には、キャリア採用は製品開発力の強化、営業力・サービス力の強化、管理体制の強化に向けた「即戦力」を、新卒採用は中長期的視点から開発・営業の中核を担える「将来戦力」を確保してまいります。
・処遇や評価の納得性を高め、組織の活性化を図るために、2025年度に人事制度(賃金・評価体系)を改正しました。従来の役割等級制度にジョブ型要素を加えて、各人が取り組むべき課題や職責を明確にするとともに、メンバー相互が連携して、組織として計画達成に邁進する体制を構築しました。また、経営環境や業績等を踏まえつつ、適切かつ持続的な賃上げに取り組むとともに、業績連動型賞与制度を通じて、企業成果を従業員へ適切に還元しております。
(多様性の確保)
多様な人財が活躍できる環境を整え、「各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土」の実現を目指して取り組みます。
・女性活躍推進:女性管理職比率(管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合)は、2022年度以降、増加基調に転じており、2025年度では4.8%となりました。女性管理職を担える人財の採用、育成・動機づけ、ダイバーシティ研修等を通じた従業員の意識改革も行い、引き続き女性管理職比率の維持・改善に取り組みます。また、女性従業員比率については製造業では相応の水準にはあるものの、2022年度以降は若干の低下傾向にあり、2025年度は21.1%となりました。今後も、男性にも女性にも働きやすい環境整備に取り組み、人財育成や教育投資、採用活動を通じて、比率の維持・改善に取り組みます。
・障がい者雇用:関係法令の趣旨を踏まえ、積極的に取り組むべき課題と認識しています。2023年度に新設したオフィスサービスG(障がい者が活躍できる部門)を中心に、社員用の弁当提供サービス(2024年4月開始)や外部委託をしていた清掃業務の内製化、福利厚生施設である本社カフェの運営担当など従事業務を拡大しており、2023年度以降、累計で11名を採用しております。
[女性管理職比率・女性従業員比率]
※1 年度は年度末時点です
※2 従業員数は単体+国内子会社出向の正規雇用・非正規雇用社員の合計です
※3 女性管理職比率は管理職全体に占める女性管理職の比率、女性従業員比率は全従業員(※2)に占める女性の比率です
・男女の賃金格差:2025年度で男性100%に対して女性76.8%となり、前年度比+2.0%改善しました。当社は、ジョブグレード等級制度を導入しており、賃金体系上は男女間の賃金差を設けていませんが、管理職の男性比率がまだ高いこと、給与の高い階層における男性比率が高いこと等が要因であると考えております。引き続き、女性管理職比率や女性従業員比率の維持・改善に取り組んでまいります。
(教育体系の充実・人財育成の強化)
サステナビリティ方針で掲げる、「安心して成長・挑戦できる職場環境の提供」のため、人財確保と併せて、教育体系の充実を図り、人財育成の強化に取り組みます。
・専門教育の充実(人事部・各本部主管)…各本部で選定したテーマに基づき、計画的に専門教育を実施しております。技術部門では、2023年度から信州大学「リスキリング教育短期プログラム」契約を継続しており、2025年度も技術教育講座3講座を行いました。また、2025年度には長野高専とも同様の契約を結び、技術教育講座を拡充しました。2025年度では、延べ127名(前年度比+6名)が受講しました。営業部門では、今年度も引き続き国内営業を対象に営業パフォーマンス向上トレーニングを継続しております。若手営業担当者を選抜して、社内講師を据えた個別指導型の研修として、営業力強化に取り組みました。また、社内リソースだけでは対応が難しい専門教育については、引き続き、外部教育機関との連携を図ってまいります。
・階層別教育の充実(人事部主管)…新任管理職研修、中堅社員研修、部長研修等の階層別教育を人財育成のベースと位置づけ、国内グループ会社社員も参加して実施しております。2025年度には、管理職向けにグループリーダー研修を新設しました。2025年度の階層別研修は、延べ228名(前年度比-6名)が受講しました。
・有益な資格取得に関わる取得費用や報奨金を支給する資格取得報奨制度の運営により、従業員個々人の成長を継続的に支援しております。2025年度は26名(前年度比+0名)が対象となりました。
(職場環境の改善・福利厚生制度の充実)
ワークライフバランスに配慮した職場環境、福利厚生制度の充実に加え、事故防止等安全安心にも配慮した職場環境の実現に取り組みます。
・有給休暇の取得促進…2023年度から5日間以上連続して有給休暇が取得可能な「リフレッシュ休暇」制度を導入しており、一人当たり有給休暇取得日数は2025年度実績で14.4日(前年度比+0.2日)となりました。引き続きリフレッシュ休暇の定着に努め、有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組みます。
・時間外労働の縮減…一定期間における一人当たり時間外労働が多い部門は、改善計画の策定を行う等の対策を継続しています。2025年度では勤怠管理方法の見直しを行い、時間外労働管理体制の強化を図りました。引き続き必要人財の確保やAIの活用による業務効率化に取り組み、時間外労働の縮減を進めてまいります。
・男性の育児休業の取得率向上…人事部に相談窓口を設置し、職場・本人への制度周知や休暇取得の促進に取り組みました。2025年度の取得率は88%となりましたが、男性の育児に対する意識の変革、育児との両立、男性女性問わず働きやすい環境づくりを引き続き進めてまいります。
[育児休業取得率]
※1 年度は年度末時点です
※2 従単体+国内子会社出向の正規雇用・非正規雇用社員の合計です
・両立支援の取組み…2025年2月に不妊治療両立支援制度を導入しました。不妊治療に伴う特別休暇(上限10日/年)ならびに不妊治療費の補助(最大100万円)を内容とするものです。ライフステージ充実や両立支援を強化するために、今後も制度の充実に取り組んでまいります。
・事故防止・安全衛生活動の推進…安全衛生委員会を中心に横断的な活動を行い、定期的なリスクアセスメントの実施や事故防止に取り組んでおります。特に、交通事故防止や労災事故防止は、職場における安全安心確保の点からも重要であり、未然防止のためのKY活動、事故発生時の原因分析と再発防止を徹底してまいります。
③ リスク管理
「人財」こそ最大の経営資源であり、採用力が低下して必要人財の確保が進まないこと、職場環境の改善が進まず社員の離職により必要人財が不足することが大きなリスクと考えております。特に、雇用の流動性が高まる中で、処遇の改善や教育の充実、職場環境の改善を通して多様な人財が活躍できる環境を整備することで、リスク低減に努めてまいります。
④ 目標及び指標
2025年度に掲げた重点項目の達成状況ならびに2026年度に取り組む指標ならびに目標は以下のとおりです。人財育成・専門教育の深化として従業員一人当たり教育関連投資額の増加、職場環境の改善として有給休暇の取得促進に引き続き取り組んでまいります。なお、人的資本に関する目標及び指標に関しては、連結子会社と統一した取組みまでは行っていないため、ガバナンスや企業価値、業績等に与える影響度も考慮の上、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の指標・目標・実績を記載しております。
<2025年>
|
カテゴリー |
KPI |
2025年目標 |
2025年実績 |
|
人材育成・教育の充実 |
1人当たり教育関連投資 |
38.1千円 |
38.1千円 |
|
職場環境の改善 |
1人平均有給休暇取得日数 |
14.0日 |
14.4日 |
※1 数値は各事業年度末時点です
<2026年>
|
カテゴリー |
KPI |
2026年目標 |
|
人材育成・教育の充実 |
1人当たり教育関連投資 |
39.0千円 |
|
職場環境の改善 |
1人平均有給休暇取得日数 |
14.0日 |
※1 目標数値は事業年度末時点です