2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    754名(単体) 1,032名(連結)
  • 平均年齢
    28.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    3.1年(単体)
  • 平均年収
    4,837,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 人材戦略における考え方

当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスの実現に向け、「競争力の核となる人材の拡大と強化」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しております。当社グループにとって「人」こそ最重要経営資源であり、事業成長の推進力そのものと認識のもと、人材戦略およびそれをもとにした人的資本マネジメント方針を策定しております。

現在は、企業の経営課題である成約活動に対して、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルの成約支援事業を主軸に事業を展開する中、2030年3月期を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「ODYSSEY800」において、売上収益800億円、EBITDA130億円の達成に向け、CAGR30%以上の高い成長継続を中長期成長戦略として定めております。この成長を牽引する両輪が、オーガニック成長への人的投資と、M&Aを活用したインオーガニック成長であります。この中長期的な成長を支える競争力の源泉は、マルチチャネルマーケティング力と成約支援組織にあると考えており、特に内製化された成約支援組織における高い人材採用力と組織開発力が不可欠な要素となります。

 

② 従業員エクスペリエンスを軸とした人材戦略

当社は、従業員が企業内で経験するすべてのタッチポイント(仕事、報酬、人間関係、理念等)の総体である従業員エクスペリエンスの量と質の向上を、当社の成長戦略実現に向けた重要な組織基盤と位置付けております。数ある企業の中から当社を選択した従業員に対し、Purpose(パーパス)、Work(職務・成長)、People(人間関係・支援)、Reward(報酬・承認)の4要素を重要な観点と捉え、多面的なエクスペリエンスを提供することで、従業員の「働く」フルフィルメントに応えることを基本方針としております。入社後の成果状況を鑑みた採用活動の高速PDCA、および組織拡大に伴う徹底した組織開発を通じて、優秀な人材の定着(高い定着率の維持)と生産性の最大化を図っております。

 

上記人材戦略の実行を確実なものとするため、当社グループでは、ピープルアナリティクスを基盤としたデータ駆動型のアプローチを通じて、組織および従業員のコンディションを定量的に可視化・蓄積し、これをベースとして以下の6つの重要施策を推進・強化しております。

項目

状況

E&B(Equity & Belonging)の推進

全従業員に対する機会の公平性(Equity)と組織への心理的帰属意識(Belonging)を醸成する組織環境を整備しております。

スキルUP(専門性の深化)

競争力の源泉たるWEBマーケティング及びセールス力等を向上させるため、各部門単位で職務に直結する専門スキルの習得プログラムを展開しております。

リーダーシップの強化

リーダー育成プログラムである「PORT DOJO」や経営陣による人材開発コンテンツである「マネジメントカンファレンス」等の研修を通じて、組織拡大を牽引する経営・管理人材を計画的に育成しております。

ホリスティックウェルビーイングの向上

従業員の心身の健康、社会的幸福、および職場環境を包括的に捉えた施策を展開し、フルフィルメント(働く充足感)の向上に努めております。

組織流動化の促進

社内公募制度や自律的な配置転換、抜擢人事等を通じて、適材適所の配置をダイナミックに実現し、組織の活性化と自律的なキャリア形成を促しております。

柔軟な働き方の拡充

リモートワークの活用や各個人のライフステージに応じた柔軟な勤務形態の整備など、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる柔軟な労働環境をアップデートしております。

 

 

③ 人材戦略を踏まえた「従業員給与等の決定方針」

オーガニック成長を下支えする人的資本の重要な投資において、Reward(報酬・承認)は社員の量と質を確保させる上で重要な要素であると位置付けており、以下の3つの方針を策定しております。

 

(1)採用競争力の強化:初任給引上げ

中期経営計画「ODYSSEY800」達成に向けて、当社は年々新卒採用数を増やしており、2026年4月には190名が入社(24年度は89名、25年度128名)いたしました。今後も今年度同水準以上の採用を計画しております。この計画を確実なものとするため、2026年4月入社の新卒社員に対しては採用市場における競争力向上を目的とした新卒初任給の引き上げを実施しており、前年度比で約7.0%引き上げ率となる30万円となっております。

 

(2)頑張った社員が報われる評価:高い昇給率と業績給の導入

既存社員に対しては、CAGR30%を実現する企業として、これに見合う高い昇給率を設定しており、前年度の年間平均昇給率は8.2%と、民間企業の平均昇給率(改定率)4.1%(「令和6年 賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」)と比較し、高い水準となっております。

また、業績貢献・組織貢献に応じて業績給を一部の事業部門で導入しており、適材適所かつメリハリの効いた報酬制度を実施しております。

 

(3)トータルリワードと非金銭報酬への投資:福利厚生と賞賛文化

ホリスティックウェルビーイングの向上が、社員の生産性や定着に寄与すると考え、給与以外の報酬要素にも注力しております。具体的には、従業員持株会、リモートワーク制度、キャリアやスキルアップを支援する資格取得支援制度、家族と過ごすための特別休暇制度、ボランティア休暇、旅行や帰省など余暇にかかる費用を会社が負担するリフレッシュ支援手当、各事業部における懇親会費の補助といった、社員の多様なニーズに対応できる福利厚生施策を取り揃えています。

さらに給与以外の非金銭報酬は従業員のエンゲージメントと組織力に大きな相乗効果をもたらすと考え、承認・賞賛文化への投資を行なっております。当社グループでは、四半期ごとに実施するQ総会、年に1度全国の社員を一堂に集めた対面式の社員総会を開催しています。ここでは、その1年で当社グループの成長を牽引した優秀成績者を全社を挙げて賞賛したり、1年の頑張りを経営陣が直接慰労する機会として定着化しており、当社の賞賛文化を象徴するイベントとして位置付けております。

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

成約支援事業

1,032

(377)

合計

1,032

(377)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループの事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

3.前連結会計年度末に比べ従業員数が355名増加しておりますが、主として業容の拡大に伴う新卒採用及び2025年11月4日付で株式会社HRteamを子会社化したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

754

(118)

28.9

3.1

4,837

1.1

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社の事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

4.前事業年度末に比べ従業員数が170名増加しておりますが、主として業容の拡大に伴う新卒採用によるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 提出会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

2026年3月31日現在

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

28.7

116.6

79.9

77.2

141.7

属性(勤続年数、役職等)が同じ男女労働者間での賃金の差異はありません。

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(補足説明)

1.当社では女性を含む若手人材の人材開発を経営上の重要テーマと位置付けており、管理職候補の育成講座「PORT DOJO」などOJT/OFFJT含め計画的に人材開発投資を実施しております。

2.当社では性別に関係なく、当社従業員が育児休業等を公正に取得できる環境の整備を心がけており、事業責任者や管理監督者に対する啓もうや積極的な取得推進を図ることで全社への浸透を図っております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスとしております。社会が今を優先した結果、これまで積み重ね、残してきた“負債”を100年後の次世代に課題として引き継ぐのではなく、自らが解決すべき社会課題を特定し、提言から実行まで、テクノロジー×リアルで推進し、解決に導くことをグループの目的としております。

そのため、当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する最重要規律であるコーポレート・ガバナンス・ガイドラインの中で、パーパスに従い、当社事業領域における社会課題に対して積極的にそれらの解決を目指すことは当然とし、その上で、当社及び当社経営環境を支えるマルチステークホルダー、また産業や社会の持続可能性を十分に考慮し、当社の存在意義の証明を目指すと定め、これをサステナビリティに関する基本方針としております。

コーポレート・ガバナンス・ガイドラインの詳細につきましては当社HPよりご確認ください。

https://www.theport.jp/ir/assets/pdf/corporat_governance_guidelines.pdf

 

(2) ガバナンス

(a) サステナビリティに関する取締役会の関与の在り方

当社では、「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスのもと、上記「サステナビリティに対する考え方」で示すとおり、取締役会はサステナビリティに関する取組を取締役会における最も重要なテーマの一つとして認識しております。そのため、取締役会はサステナビリティ委員会の活動を監督するとともに、指名委員会と連携し、取締役候補の選任にあたり、コーポレート・ガバナンス委員会によって作成された経営評価やパーパスへの適合状況などを重要な評価軸の一つとして設定しております。なお、サステナビリティ施策への取締役会の具体的な関与として、サステナビリティ委員会の構成員の選解任の決定、サステナビリティに関する方針及び予算の決定、委員会活動状況の報告によるモニタリングの義務化などを実行しております。

 

(b) サステナビリティに関する規律設計

当社ではサステナビリティに関する基本方針を「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」に規定しております。「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」は、当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する最重要規律であり、当ガイドラインの改定については取締役会の決議を必要としております。加えて、当ガイドラインの改定をした際には、速やかに各ステークホルダーへ開示することを義務化しております。これにより、当社のサステナビリティに関する取組の健全性・透明性を確保しております。

 

(c) サステナビリティ施策を推進する体制

当社グループは、コーポレート・ガバナンス・ガイドラインのもと、サステナビリティに関する方針案の策定や推進責任を持つ機関として、取締役会直下にサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、取締役会によって選任された取締役及び執行役員によって構成されております。

サステナビリティ委員会では、取締役会が決定するサステナビリティに関する方針の策定案の審議をはじめ、マテリアリティの特定とマテリアリティに基づき取組むべきテーマやプロジェクトを設定しております。また、取締役会より、サステナビリティ投資に係る予算の一部執行権も委譲されております。

具体的な施策の実行にあたっては、設定されたテーマやプロジェクトに従い、サステナビリティ委員会によって、それぞれワーキンググループを直接任命し、委員会の指揮命令のもと予算が執行され、施策の執行状況を監督いたします。

加えて、当委員会が起案するプロジェクト等以外にも業務執行部門が担う諸活動の中で、サステナビリティ方針と関連性の高いプロジェクト等に関しても活動状況の報告を求めるとともにその執行状況を監督いたします。

なお、サステナビリティ委員会は、ワーキンググループを含む委員会の運営状況を、取締役会に遅滞なく報告することを、同委員会規則に定めております。

 

サステナビリティガバナンス体制図


 

なお、当社のコーポレート・ガバナンス全般については「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

 (d) 当社のマテリアリティ(最重要課題)

当社は「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスを掲げております。このパーパスを実現するため、下記、1~4の手順に沿って、マテリアリティを特定しております。

 

1.当社におけるマテリアリティの位置付けを定義

当社グループはパーパス自体が、企業・社会等のサステナビリティの実現を志向しており、概念として内包されていると考えられることを踏まえ、当社における「マテリアリティ」の位置付けを定義しております。

 

2.価値創造の各プロセスにおいてリスクを抽出

当社のパーパスに基づく価値創造の各プロセスにおいて、その阻害要因になるリスクをリスク管理委員会にて作成したリスク分類表から抽出し、当該リスクに対する対応をまとめました。

 

3.リスクの対応について検討及び評価

サステナビリティ委員会にて議論を重ね、リスクの対応を評価し、当社としてのマテリアリティ案としてまとめました。

 

4.マテリアリティの特定

取締役会にてサステナビリティ委員会の案をもとに審議し、当社が取り組むべきマテリアリティの特定を行いました。

 

 

特定された6つのマテリアリティ及び取組み

マテリアリティ

説明

取組

迅速果断で規律ある挑戦のためのガバナンス体制の構築

パーパス実現のためには、継続的な迅速果断な挑戦が必要です。そしてその挑戦は無謀ではなく、規律あるものである必要があります。透明性と公正性を確保するすることで、多様なステークホルダーとの良好な信頼関係の構築を実現し、経営陣による適切で積極的なリーダーシップの発揮を可能にする仕組みとしてガバナンス体制を構築し続けます。

経営意思決定の規律の制定・運用・監視

透明性のあるディスクロージャー

 

安心安全な事業運営のためのリスク管理体制の強化

持続的な成長のために、限りある経営資源を保全し、有効かつ効率的に運用するため、そして、安心安全な事業運営を進めるため、リスク管理・内部統制を継続的に強化改善してまいります。

 

情報セキュリティの強化

防災・BCP

 

競争力の核となる人材の拡大と強化

当社グループにとって「人」こそ最重要経営資源であり、競争力の核となるものです。多様な人材を確保し、それぞれが、生き生きと自身の才能を存分に発揮できる環境・体制を整備いたします。

キャリア教育・投資DEI推進

多様な働き方の用意健康管理・ウェルネス経営

産業・業界の持続的発展への貢献

産業・業界の発展は当社の持続的な成長に寄与します。当社は、企業価値の向上ひいてはパーパス実現のために、効率化支援や人材の供給を通じて産業・業界の持続的発展に貢献します。

産業・業界の拡大・効率化支援

産業・業界への人材の供給

人権の尊重

社会の安定と持続的発展のためには、基本的な権利である人権の尊重が欠かせません。「人」を中心とした事業を営む当社だからこそ、誰よりも人権の重要性を理解し、リーダーシップを発揮をしてまいります。

人権DD

地球環境に対する責任と取組み

地球環境の保全は、地球に生きる我々人類の責任であり、また人類社会の発展のための必要条件であると考えます。事業活動を通じて排出される温室効果ガスを削減していくとともに、グリーンエネルギーの利用促進、エネルギー関連新規事業の開発等、社会全体のカーボンニュートラルに向けて貢献してまいります。

CO2排出量の削減

再エネ創出量拡大・安定化

 

 

なお、サステナビリティ委員会では当社を取り巻く社会情勢や事業の状況を鑑みて、継続的に議論しマテリアリティ及び取組の見直しを実施してまいります。マテリアリティの変更があった場合には速やかに、ステークホルダーの皆様へ向け開示いたします。

 

(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

(a) 人的資本に関する考え方

当社は持続的な成長率を実現するために、最重要経営資源である「人(役職員)」及び組織の成長が欠かせないと認識しております。サステナビリティ基本方針におけるマテリアリティ「競争力の核となる人材の拡大と強化」に掲げる通り、人的資本投資は経営戦略の実行に不可欠な投資行為であり、またその向かうべき方向は経営目標の達成にあると考えます。

そのため、原則、中期経営計画等の中長期における経営目標や経営戦略の実現に不可欠な組織及び組織構造を形成させることを目的として、「人的資本マネジメント方針」を策定しております。

本方針に関しては、中期経営計画等の達成可能性及びその後の非連続成長の可能性を高めるために効果的、効率的な投資計画であるかを判断しており、適宜その内容について見直し、指標に対する進捗状況を取締役会にてモニタリングをしております。

 

 

(b) 人的資本に関する戦略及び指標
<戦略>

当社は「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスとして、社会課題に対して「採用支援」と「販促支援」の2軸からなる成約支援事業を展開しております。

直近の事業年度において、当社グループはM&A等を活用したインオーガニック成長と、人的投資を牽引力とするオーガニック成長を両輪として事業規模を拡大してまいりました。現在進行中の中期経営計画「ODYSSEY800」の達成に加え、早期に社会課題の解決に寄与するソーシャルインパクトを実現すべく、当社では、CAGR30%を持続的に確保する方針を掲げており、当事業年度においては売上収益291億円、EBITDA53.34億円へと急成長と遂げ、従業員数も約1,000名体制へと急拡大を遂げております。このような急激な組織規模の拡大を見込む中、「健全な急成長」を実現するためには、人的資本の確保とその活性化を有機的に連携させることが不可欠です。当事業年度までは6つの指標を掲げ人材育成・人材開発のソリューションを具体化し、実効性を確保しておりましたが、これまでの人的資本指標の進捗状況及び、中期経営計画「ODYSSEY800」の達成に向け、人的資本マネジメント方針を改定し、新たな指標を掲げております。
 

<旧・人的資本指標の進捗と達成状況>

当社はこれまで、持続的成長の最重要指標として6つの人的資本指標を定義し、モニタリングしてまいりました。上記の通り事業および組織規模が急拡大する中において、本ポリシーを通じた人材マネジメントの品質改善により、以下の通り一定の成果を収めることができたと評価しております。

 

 

 

以下を重要指標と位置付け、人的資本への投資を行ってまいりました。

重要人的資本指標

選定理由

①FTEベースでの人的資本充足率

中期経営計画の達成にあたって人材獲得競争の激しい中でも継続的に人的資本を確保し続けることは当社の最重要課題である。働き方や価値観の多様化を踏まえ、当社では単純な人数ベースではなく、FTEベースでリソースの充足率を評価することが適切と判断し、重要指標とする。

②重要ポジションの充足率

業績拡大にあたり、迅速かつ果断な意思決定を支える体制づくりの一つとして、積極的な権限委譲を行っている。その委譲先の中核である執行役員や部長は当社の事業推進及びリスクマネジメントにおいて重要ポジションであると判断し、その充足率を重要指標とする。

③女性管理監督者比率

従業員への持続的なキャリア形成・能力開発の機会を提供することは中期経営計画実現のために肝要であるが、特に当社は女性社員が全体の約40%を占めており、各役職・レイヤー、特に全体への影響の大きい管理監督者における女性比率を重要指標とする。

④管理監督者の充足率、内部登用率

健全な急成長には適時適切な管理監督者の配置が重要であると考える。また当社は新卒採用等により若手人材を積極的に採用していることも踏まえ、当該若手人材を育成し、持続的に管理監督者を輩出し続ける体制が重要であると認識し、充足率と内部登用率を重要指標とする。

⑤マネジメントへの信頼度スコア

組織が拡大していく中においても、経営の意思、価値観を十分に浸透させていくためには、マネジメントへの信頼が欠かせず、パルスサーベイによる当該項目の指数を重要指標とする。

⑥複合的エンゲージメントスコア

従業員の定着及びパフォーマンスの向上のためには、「働きがい」のある職場を形成することが重要であり、パルスサーベイ上、特に当社においては定着、活性化等に相関性が高いと評価できる複数のスコアを重要指標とする。

 

 

 

(c) 各指標の目標と結果
(ⅰ)①FTEベースでの人的資本充足率、②重要ポジションの充足率

FTEベースでの人的資本充足率は、2025年3月期に目標水準に達しております。重要ポジションの充足率については、現状ポストへの人員配置が概ね完了したことから、今後はさらに中長期の視点で人材開発、人材育成を推進していくためにも、重要ポストへのサクセッション・カバレッジとして指標を変更しモニタリングを実施してまいります。

 


 

(ⅱ)③女性管理監督者比率、④管理監督者の充足率、内部登用率

2017年度よりリーダー育成プログラムである「PORT DOJO」を推進しており、その育成の効果として若手人材の管理監督者への内部登用率を高い水準に維持できております。その結果、管理監督者の充足率も目標水準に達しております。また、女性管理監督者の比率については2026年4月1日付での新規昇格者を含めると31%となりました。引き続き組織規模拡大に合わせ、次期リーダー候補の育成に取り組みつつ、従業員の46%が女性社員であることも踏まえ、多様な人材が活躍できる健全な環境づくりや登用を推進してまいります。

 


 

 

(ⅲ)⑤マネジメントへの信頼度スコア、⑥複合的エンゲージメントスコア

当社では月に一度、全従業員に対するエンゲージメントパルスサーベイを行っております。2022年3月期においては、同サーベイを利用する企業の平均的なスコアでしたが、人材育成プログラムへの積極的な投資や上司部下による面談機会の充実化、および福利厚生をはじめとした就業環境の整備等、組織活性化に向けた施策を継続的に推進してまいりました。その結果、当事業年度においては前年度比で若干の低下傾向がみられたものの、依然として高水準を維持しております。また、取得したサーベイ結果については人事部門が継続的に分析を行い、全社横断的あるいは各事業部固有の課題に合わせた改善施策の展開へと直結させるなど、サーベイを有効に活用した機動的な組織改善を実施しております。

 


 

 

<組織フェーズの移行に伴う新たな指標の策定>

上記の総括を踏まえ、当社はこの3年間での事業・組織の拡大傾向に適合し、より中長期の事業成長を見据えたモニタリング体制を構築するため、人的資本に関する指標を最重要指標と重要指標の2つの区分へと再定義いたしました。

今後は、人的資本への投資がより直接的に事業成長と企業価値向上に連動しているかを客観的かつ厳格に測定・管理するため、最重要指標を、より客観的な行動結果指標である「FTEベースでの人的資本充足率」、「管理監督者の充足率、内部登用率」、「重要ポストへのサクセッション・カバレッジ」へとアップデートいたします。一方で、「女性管理監督者比率」「マネジメントへの信頼度」及び「複合的エンゲージメント」については一定の成果を達成したことから、今後は組織基盤を維持するための重要指標として位置付け、引き続きモニタリングを実施してまいります。

 

 


 

指標体系の変更およびその背景の詳細は以下の通りです。

 

(ⅰ)「女性管理監督者比率」の重要指標への移行

当社グループは、多様な視点の確保および女性社員の持続的キャリア形成機会の提供は、当社成長に不可欠であると認識しております。2026年4月1日付での新規昇格者を含めると定量的な目標は達成水準であることから、今後は重要指標へと位置付けを変更し、健全な水準の維持に向けて引き続きモニタリングしてまいります。

 

(ⅱ)「マネジメントへの信頼度」及び「複合的エンゲージメント」の重要指標への移行

当社グループはこれまで、組織の健全性を測る最重要指標として「マネジメントへの信頼度」、「複合的エンゲージメント」を掲げ、従業員が働きやすい環境の構築と組織風土の改善に努めてまいりました。その結果、スコアは継続的に高い水準を維持し、組織の基盤作りにおいて大きな成果を上げることができました。今後は、パルスサーベイによる「マネジメントへの信頼度」、「複合的エンゲージメント」を重要指標とし、引き続き現場のマネジメント層が組織コンディションをきめ細かく把握し、自律的な組織改善を行うための社内モニタリングツールとして活用を継続いたします。当社は今後も、データに基づいた実効性の高い人的資本経営を推進してまいります。

 

 

(ⅲ)「重要ポストへのサクセッション・カバレッジ」の最重要指標への設定

従来の「重要ポジションの充足率」に基づく現状ポストへの人員配置が概ね完了したことから、今後はさらに中長期の視点で人材開発、人材育成を推進していく方針であります。そのため、現時点での充足率にとどまらず、経営陣が持続的成長を見据えて特定した重要ポストに対し、候補者を明確化し、具体的な育成プランを策定・実行していく一連の進捗状況を指標化する「重要ポストへのサクセッション・カバレッジ」を最重要指標として設定いたしました。当社の事業成長において、キードライバーとなる人材の育成および準備状況を可視化することで、中長期視点による持続的成長を担保する試金石として位置付けております。

 

<新たな人的資本に関する最重要指標一覧>

新・最重要人的資本指標

選定理由

FTEベースでの人的資本充足率

中期経営計画の達成にあたって人材獲得競争の激しい中でも継続的に人的資本を確保し続けることは当社の最重要課題である。働き方や価値観の多様化を踏まえ、当社では単純な人数ベースではなく、FTEベースでリソースの充足率を評価することが適切と判断し、最重要指標とする。

管理監督者の充足率と内部登用率

当社の健全な急成長には、適時適切な管理監督者の配置が重要である。また、新卒採用等により若手人材を積極的に採用していることも踏まえ、当該若手人材を育成し、持続的に管理監督者を輩出し続ける体制が重要であると認識し、充足率と内部登用率を最重要指標とする。

重要ポストへのサクセッション・カバレッジ

従来の「重要ポジション充足率」による人員配置が概ね完了したことに伴い、今後は中長期の持続的成長を牽引する人材開発へ方針を移行。当社の事業成長において、キードライバーとなる人材の育成・準備状況を可視化し、経営継続性とガバナンス強化を担保すべく最重要指標とする。

 

 

(4) リスク管理

(a) 価値創造プロセスとリスク

当社グループは「社会的負債を、次世代の可能性に。」という、社会課題の解決に直結したパーパスであるからこそ、価値創造に努めることで、サステナブルな社会の実現につながると認識しております。

当社グループの価値創造プロセスは2つのループで成立していると考えております。1つ目は、積極的な投資を通じた事業の拡大によって、社会に対する提供価値(社会的インパクト)を拡大させ、対価としての収益を再投資することでさらに事業、そしてその社会的インパクトを拡大させる「ビジネスループ」。2つ目は、社会的インパクトによって、当社が属する産業や社会の発展に寄与し、産業・社会の発展の結果として顧客やユーザー等の社会関係資本を中心とした当社の資本拡大に寄与する「サステナビリティループ」です。

この2つのループの強化により、さらに提供可能価値を拡大させつつ、各ステークホルダーとの連携・還元により当社グループ及び社会の持続的な発展に寄与することが当社グループのパーパス実現のための価値創造プロセスです。

 

 

この価値創造プロセスの循環にあたっては、以下の5つの要素がそれぞれ適切に機能することが重要です。

1.資本拡大から事業拡大

2.事業拡大から社会的インパクト

3.社会的インパクトから資本拡大

4.社会的インパクトから産業・社会の持続的発展

5.産業・社会の持続的発展から資本拡大

超長期的な視点で、当該価値創造プロセスの正常な循環を阻害しうる重大なリスク事項こそ、当社が取り組むべき最重要課題(=マテリアリティ)であり、サステナビリティに関するリスク管理の対象であると考えております。


 

 

(b) リスク管理体制の分類

当社グループはグループを取り巻くあらゆるリスクに対して、包括的かつ多面的に分析し、対処するため、各リスクの時間的特徴と、対応の視点に応じて複数の委員会にてそれぞれ中心的に議論する体制を整備しております。

特に、短中期的な時間軸と、超長期的な時間軸とでは、リスクの重要性評価が必ずしも一致しないという点から、短中期的な経営目標の達成に対するリスクの議論は内部統制委員会、リスク管理委員会で実施し、超長期的な企業、社会の持続性に対するリスクの議論はサステナビリティ委員会でそれぞれ中心的に実施することとしております。そのうえで、各委員会の情報連携を強化することで包括的かつ多面的なリスク管理を実現しております。


なお、短・中期的なリスク管理に関する詳細は「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。