事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
メディア&コンテンツ | 708 | 13.9 | -369 | - | -52.1 |
企画&プロデュース | 2,261 | 44.4 | 67 | - | 3.0 |
食関連 | 2,113 | 41.5 | -54 | - | -2.5 |
その他 | 5 | 0.1 | -11 | - | -230.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(INCLUSIVE株式会社)、子会社9社及び関連会社1社により構成されており、報告セグメントを「メディア&コンテンツ事業」「企画&プロデュース事業」「食関連事業」「その他事業」の4つに分類しております。
a. メディア&コンテンツ事業 |
デジタルメディア企画、運営支援、コンテンツに対する個人課金サービス(ニュースレターサービス)、ゴルフテックサービスに関連する一切の事業 |
b. 企画&プロデュース事業 |
コンサルティング・ブランディング支援関連サービス、広告運用サービス、プロモーション企画・PRサービス、ならびに地域創生サービスをはじめとする企画、広告に関連する一切の事業 |
c. 食関連事業 |
下鴨茶寮ブランドを活用したサービス・商品提供に関する一切の事業 |
d. その他事業 |
上記に含まれない宇宙関連事業を含む新規の事業 |
当社グループが展開するそれぞれのセグメントの概要は、以下のとおりです。
a.メディア&コンテンツ事業
メディア&コンテンツ事業は、メディア、ニュースレターなど多岐に渡る情報発信フォーマットを通して、インターネット上でユーザーを集客し、広告による法人クライアントからの収益獲得、その他個人ユーザーに対するコンテンツ・サービス販売による課金を行う事業領域です。
当社の強みとして、コンテンツマトリクス(注)の活用を始めとした論理的かつ定量データに基づいた体系的なコンサルティングとコンテンツ運用体制があげられます。ターゲットユーザーを明確化したうえで、コンテンツとのマッチング状況やサービスとしての質を、数値(ページビューやユニークユーザー数、課金金額等)化し、KPI管理ツールとして活用する事も可能な仕組みとなっています。また、運用タスクベースの受託ではなく、事業構築視点でのサービスとして戦略から運用までワンストップで提案できるため、自社内にメディア運用体制がないクライアントに対しても、新規事業構築に最適な環境を提供出来るのが当社のメディア関連サービスの特徴です。
(注)当社が運用している仕組みの一つで、コンテンツ制作時に文章の構成要素の軸を決定(例:30代女性×家事領域)し、それぞれの要素についてさらに細分化し、要素を複数個明示化しカテゴリーを掛けあわせることで、コンテンツの方向性策定をプロセス化していく仕組みのことを指します。
b. 企画&プロデュース事業
当セグメントにおいては、事業会社及び自治体ほか各種団体をクライアントとして、事業戦略のコンサルティングから企業や団体のブランディングに関連する企画の提供、地域資源を有効活用する地域創生事業を展開しております。地域の日本文化や食といった切り口でのプロモーション企画を推進する大型案件においては、空間デザイン、施工サービスの提供、デジタルメディアに関連したサービスの提供も実施しております。
当事業領域においては、大手クライアントとのプロデュース案件を数多く手掛けてきたことで培われた、幅広いジャンルの市場や業界に対する知見や実績を強みとしております。それらの領域を超えた掛け合わせによる新しい価値創出を得意とし、クライアントの事業戦略やコンセプトから、クリエイティブ、PR、コミュニケーション全般をワンストップで設計、実施しております。
また、SNS運用支援の領域では、マーケティング戦略のコンサルティングも含めたSNS活用メニューを取り揃え、事業を展開しております。
c.食関連事業
食関連事業においては、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、食に関連する各種サービスを提供しています。
食関連領域においては、自社製造体制を活用することで、料亭に加え、百貨店、ふるさと納税を含むEC事業を通して幅広く商品を展開しております。確かなブランド価値の構築とその拡張体験を提供していく事で差別化を図り、新たな地域への事業展開や和食というコンテンツを海外へ輸出していくといった事業機会に対しても展開を強化していく方針です。
d.その他事業
宇宙関連事業と、既存事業領域で得たノウハウやクライアントコネクションを活用した、上記a.~c.に含まれない新規の事業となります。宇宙関連事業については、LAND INSIGHT株式会社が、衛星データの利活用による地方行政の農業・観光・防災等におけるDXサービスの展開に注力しています。2023年5月には、同社が経済産業省の衛星データ無料利用事業者へ採択され、北海道大樹町および釧路市における実証実験や福島県南相馬市では、農業行政における現地調査支援サービス「圃場(ほじょう)DX」を導入し、転作確認業務における人的負担の軽減や業務効率化を実現いたしました。これらを契機として、各自治体との協業体制の構築を進めるとともに、衛星データ利活用による自治体向け行政効率化・省人化サービスの事業化を推進しております。
[事業系統図]
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,747,970千円となり、前連結会計年度末に比べ99,742千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が68,785千円、現金及び預金が61,264千円減少した一方、その他流動資産が35,138千円増加したこと等によるものであります。固定資産は1,015,133千円となり、前連結会計年度末に比べ1,442,011千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が229,193千円、無形固定資産が1,078,818千円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、3,763,104千円となり、前連結会計年度末に比べて1,541,754千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は913,630千円となり、前連結会計年度末に比べ29,353千円減少いたしました。これは主に契約負債が55,999千円減少した一方、その他流動負債が22,439千円増加したこと等によるものであります。固定負債は720,248千円となり、前連結会計年度末に比べ234,218千円減少いたしました。これは主に長期借入金が96,212千円、繰延税金負債が155,589千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、1,633,878千円となり、前連結会計年度末に比べ263,572千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,129,225千円となり、前連結会計年度末に比べ1,278,182千円減少いたしました。これは、主に利益剰余金が1,080,639千円、非支配株主持分が228,723千円減少したこと等によるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は4,897,245千円(前年同期比8.6%減)、売上総利益は1,890,627千円(前年同期比14.9%減)、調整後EBITDA(△は損失)は△106,129千円(前年同期は調整後EBITDA190,271千円)、営業損失は366,589千円(前年同期は営業損失94,826千円)、経常損失は353,793千円(前年同期は経常損失103,315千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,073,835千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益313,567千円)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、調整後EBITDAは、減価償却費、のれん償却費や株式報酬費用の非現金支出項目、ならびに寄付金支出を控除した収益指標であり、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として今後モニタリングしていく方針です。
当社グループは、「メディア&コンテンツ事業」「企画&プロデュース事業」「食関連事業」「その他事業」の4つを報告セグメントとしております。
(メディア&コンテンツ事業)
メディア&コンテンツ事業では、ネットメディア業界の低迷による収益の悪化および協業先メディアとの取り組み条件の悪化により不採算部門が増加いたしました。選択と集中による不採算案件の撤退を敢行したものの、それらの手続きが大幅に遅れるなど、売上高、収益共に、当初見込みより大幅に減少いたしました。また、物価高や人件費高騰の影響により、事業推進に必要な人的コスト等の費用がかさんだことで、セグメント損失が増加いたしました。
これらの結果、メディア&コンテンツ事業における当連結会計年度の売上高は666,306千円(前年同期比57.9%減)、セグメント調整後EBITDAは△303,193千円(前年同期はセグメント調整後EBITDA△202,533千円)、セグメント損失は369,111千円(前年同期はセグメント損失290,244千円)となりました。
(企画&プロデュース事業)
企画&プロデュース事業では、事業会社および自治体ほか各種団体向けブランドコンサルティングやプロデュース、地域資源を有効活用する地域創生事業を展開しております。当連結会計年度においては、地域の日本文化や食といった切り口でのブランディングやプロモーション企画を推進する大型案件が堅調に推移いたしました。また、当社が監修した京都芸術大学通信教育部の芸術学士課程「食文化デザインコース」は順調に推移しており、サブスクリプション型の収益逓増ビジネスモデルとして2期目を迎えております。
これらの結果、企画&プロデュース事業における当連結会計年度の売上高は、2,136,522千円(前年同期比20.4%増)となりました。セグメント調整後EBITDAは141,878千円(前年同期比43.2%減)、セグメント利益は67,048千円(前年同期比60.1%減)となりました。これは主に、原材料費や仕入原価等の高騰に伴う費用増加によるものです。
(食関連事業)
食関連事業では、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮という日本ブランドを基盤として、インバウンド需要を満たす京都・東京の店舗運営と料亭ブランドを基軸にしたデパ地下店舗運営、EC事業などに取り組んでおります。当連結会計年度においては、新商品開発や自社製造体制の整備、EC事業の強化に注力いたしました。料亭事業およびデパ地下などの法人営業事業は堅調に推移しましたが、EC事業はシステムの改善、セキュリティの不備対応などにより事業が停滞し、これらの課題解決に伴う関連する人件費等が増加いたしました。
これらの結果、食関連事業における当連結会計年度の売上高は、2,089,638千円(前年同期比4.4%増)となりました。原材料費や仕入原価等の高騰により、セグメント調整後EBITDAは66,437千円(前年同期比56.7%減)、セグメント損失は53,528千円(前年同期はセグメント利益37,798千円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,152,911千円となり、前連結会計年度末に比べ55,964千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は102,315千円(前年同期は88,319千円の獲得)となりました。
これは主に、法人税等の支払による支出が106,328千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は80,484千円(前年同期は468,776千円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出34,195千円、投資有価証券の取得による支出50,500千円があった一方で、投資有価証券の売却による収入88,879千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が44,835千円、事業譲渡による収入が18,000千円、敷金及び保証金の回収による収入が16,544千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16,235千円(前年同期は138,771千円の使用)となりました。これは、短期借入による収入337,500千円、非支配株主による払い込みによる収入が40,000千円あった一方で、短期借入金の返済による支出が304,500千円、長期借入金の返済による支出91,751千円があったこと等によるものであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、メディア&コンテンツ事業及び企画&プロデュース事業については、生産活動を行っておりません。
セグメント名 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
食関連事業 |
833,032千円 |
△10.0 |
(注)1.金額は製造原価であります。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注確定から売上計上までの期間が短期間であるため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメント名 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
メディア&コンテンツ事業 |
666,306 |
△57.9 |
企画&プロデュース事業 |
2,136,522 |
20.4 |
食関連事業 |
2,089,638 |
4.4 |
その他 |
4,778 |
- |
合計 |
4,897,245 |
△8.6 |
(注)1.当連結会計年度において、メディア&コンテンツ事業に著しい変動がありました。これは前連結会計年度において連結されていた子会社について、連結除外により減少したためであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、日経平均株価の史上最高値を更新するなど好調な企業業績に支えられ、総じて回復基調を維持しております。また、春闘賃上げや政府日銀によるマイナス金利政策の終了といったデフレ脱却に向けた兆しも見られています。しかしながら、米国の政権交代後の通商政策の行方や中東・東アジアの地政学的リスクの高まりなど不確定要素も多く、今後もわが国経済の先行きには警戒が必要な状況が続いております。
当社グループは、ネットメディア収益化およびネット広告などのメディア&コンテンツ領域、企画&プロデュース領域、食関連領域、宇宙関連事業領域など複数領域での事業展開に取り組んでおります。
メディア&コンテンツ領域においては、国内のインターネット広告費が日本の総広告費の47.6%を占め、そのうちインターネット広告媒体費がSNSや動画広告の伸びとともに前年比110.2%の2兆9,611億円と高い成長率で推移しており(「2024年日本の広告費」株式会社電通)、社会のデジタル化を背景に堅調に成長を続けております。
食関連事業領域においては、インバウンド需要の好調が続いており、2024年(暦年)における下鴨茶寮の出店場所である京都府及び東京都の旅行消費額は、それぞれ5,458億円及び28,701億円(国土交通省観光庁「訪日外国人消費動向調査:都道府県別集計」)と国内でも需要が集中するエリアになっております。
企画&プロデュース領域においては、政府が掲げる「観光立国推進計画」の実現に向けて、インバウンド旅行者の消費拡大や再来訪の促進、観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化など、さまざまな取り組みが進められています。当社グループでは、地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、地域発のテックベンチャーに対するブランディング支援やデジタルマーケティングの展開など、観光と地域産業の活性化に貢献するプロジェクトを手がけています。
宇宙関連事業領域においては、政府が推進するアナログ規制撤廃の流れを受け、衛星データを活用した業務効率化および省人化など地方自治体の農業行政におけるDXを推進し、地域課題の解決支援に積極的に取り組んでおります。2025年4月の国会では、平デジタル大臣による答弁において当社の取り組みが紹介されるなど、政府の方針と一致した施策として注目を集めております。
このような事業環境下におきまして、当社グループは当連結会計年度を業績改善と新たな事業領域の開拓に向けた改革の期と位置づけ、事業集約と効率化を進めておりました。長期視点での成長領域である宇宙(衛星データ利活用)領域においては地方自治体の農業行政DXが実績を残すことができ、今後拡大が想定されます。上述のとおり、今春の国会で当社の取り組みが取り上げられ、政府の方針と一致した施策として期待されております。しかしながら、創業からの基軸であるネットメディアおよびネット広告領域においては、案件の選択と集中に時間を要し移行が遅れ、さらに新規協業先の獲得が大幅に計画を下回りました。また、食関連事業において、伸長を計画していたEC事業の進捗が遅れたことなどにより、当初見込みを下回ることとなりました。また、当連結会計年度において、当社グループにおけるのれん等の資産価値再評価を行った結果、当初事業計画と将来の投資回収可能性を鑑み、特別損失を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,897,245千円(前年同期比8.6%減)、売上総利益は1,890,627千円(前年同期比14.9%減)、調整後EBITDAは△106,129千円(前年同期は調整後EBITDA190,271千円)、営業損失は366,589千円(前年同期は営業損失94,826千円)、経常損失は353,793千円(前年同期は経常損失103,315千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,073,835千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益313,567千円)となりました。なお、当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの運転資金・設備資金等については、自己資金または金融機関からの借入等を基本としており、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,152,911千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場環境、人材採用・育成、法規制等様々なリスクが経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループでは、内部管理体制を強化しつつ、優秀な人材を確保・育成することによって、景気動向、市場環境に留意して市場ニーズにあったサービスを展開し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減する対策を引き続き行ってまいります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「ヒトを変え、事業を変え、そして社会を変える。」を企業ビジョンとして掲げており、グループにおける事業会社各々が迅速かつ柔軟な事業展開に取り組み、これまで培ってきたメディアマーケティング領域を活かしつつ、更なる事業拡大と企業価値向上を実現させることが重要課題と捉えております。
今後につきましては、急速に成長を遂げつつある宇宙領域、特に衛星データの利活用分野において、新たな事業の展開とサービス開発に一層注力してまいります。農業、インフラ、防災、環境管理など多岐にわたる分野での応用可能性が広がる中、衛星データを活用したソリューションは、地域課題の解決や行政の効率化に大きく寄与する重要な技術基盤となりつつあります。当社では、この成長領域においてリーディングポジションを確立すべく、技術開発・パートナーシップ・政策連携の各面から積極的な取り組みを進めてまいります。
なお、不採算領域については、部門の縮小およびコスト体制を見直すとともに既存注力領域である地域創生領域の拡大にグループリソースを活用し推進することで収益性の改善を図ります。事業拡大に伴う人員増や採用コスト高騰になど各種コストが増加する見込みですが、2025年3月期に実施したのれん等の減損により減価償却費は減少し、収益の改善が見込まれます。中期的には、各事業領域の売上拡大によりコスト増加を吸収し、事業収益性の適正化を図っていく方針です。
また、注力事業領域の変更と合わせて当社グループは、経営資源の適正化および経営と執行の分離による効率化を目的として、2025年10月付で持株会社体制へと移行いたします。
事業セグメントとしては、地域創生を事業展開の軸とし、メディアマーケティング・企画・ブランディングを掛け合わせた「ブランドコンサルティング事業」、下鴨茶寮ブランド等の展開を主とする「食関連事業」、急速に成長を遂げつつある衛星データを利用した地方自治体向けDXサービスの展開を図る「宇宙関連事業」、その他の新規事業の「その他事業」の4セグメントにて、それぞれの事業領域でノウハウを活用し共同プロジェクトを実現し、事業ポートフォリオの中長期的な成長を図っていく方針です。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するための定期的な検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、メディア&コンテンツ事業、企画&プロデュース事業、食関連事業を展開しております。
メディア&コンテンツ事業では、メディア、漫画、ニュースレターなど多岐に渡る情報発信フォーマットを通して、インターネット上でユーザーを集客し、広告による法人クライアントからの収益獲得、もしくは個人ユーザーに対するコンテンツ・サービス販売による課金を行っております。
企画&プロデュース事業では、主に法人をクライアントとし、企業や団体ブランディングに関連する企画の提供、プロモーション関連サービスの提供、空間デザイン、施工サービスの提供、あるいはシステム開発の支援等を行っております。
食関連事業は、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、食に関連する各種サービスの提供を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。また、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額 |
連結 (注)2 |
|||
メディア&コンテンツ |
企画& プロデ ュース |
食関連 |
計 |
|||||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約 から生じる収益 |
1,582,542 |
1,774,470 |
2,002,153 |
5,359,166 |
- |
5,359,166 |
- |
5,359,166 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への 売上高 |
1,582,542 |
1,774,470 |
2,002,153 |
5,359,166 |
- |
5,359,166 |
- |
5,359,166 |
セグメント間の内部売上高又は 振替高 |
72,136 |
105,877 |
4,543 |
182,556 |
- |
182,556 |
△182,556 |
- |
計 |
1,654,679 |
1,880,347 |
2,006,696 |
5,541,723 |
- |
5,541,723 |
△182,556 |
5,359,166 |
セグメント利益 又は損失(△) |
△290,244 |
167,923 |
37,798 |
△84,521 |
△10,304 |
△94,826 |
- |
△94,826 |
セグメント資産 |
3,332,059 |
1,833,418 |
2,414,517 |
7,579,995 |
64,782 |
7,644,777 |
△2,339,919 |
5,304,858 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
27,703 |
37,614 |
76,678 |
141,997 |
- |
141,997 |
- |
141,997 |
のれん償却額 |
35,638 |
43,727 |
37,319 |
116,685 |
- |
116,685 |
- |
116,685 |
持分法適用会社への投資額 |
21,732 |
10,982 |
- |
32,714 |
- |
32,714 |
- |
32,714 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
3,727 |
9,940 |
18,489 |
32,158 |
- |
32,158 |
- |
32,158 |
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、宇宙関連サービス等でありま
す。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
3.セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額 |
連結 (注)2 |
|||
メディア&コンテンツ |
企画& プロデ ュース |
食関連 |
計 |
|||||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約 から生じる収益 |
666,306 |
2,136,522 |
2,089,638 |
4,892,467 |
4,778 |
4,897,245 |
- |
4,897,245 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への 売上高 |
666,306 |
2,136,522 |
2,089,638 |
4,892,467 |
4,778 |
4,897,245 |
- |
4,897,245 |
セグメント間の内部売上高又は 振替高 |
41,808 |
124,822 |
23,679 |
190,310 |
- |
190,310 |
△190,310 |
- |
計 |
708,115 |
2,261,345 |
2,113,317 |
5,082,778 |
4,778 |
5,087,556 |
△190,310 |
4,897,245 |
セグメント利益 又は損失(△) |
△369,111 |
67,048 |
△53,528 |
△355,591 |
△10,997 |
△366,589 |
- |
△366,589 |
セグメント資産 |
1,616,562 |
1,608,106 |
1,370,300 |
4,594,968 |
89,906 |
4,684,874 |
△921,770 |
3,763,104 |
その他の項目 |
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|
|
|
|
|
減価償却費 |
16,641 |
41,482 |
79,188 |
137,312 |
- |
137,312 |
- |
137,312 |
のれん償却額 |
23,684 |
33,016 |
40,284 |
96,986 |
- |
96,986 |
- |
96,986 |
持分法適用会社への投資額 |
- |
10,249 |
- |
10,249 |
- |
10,249 |
- |
10,249 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
8,668 |
7,419 |
18,919 |
35,007 |
- |
35,007 |
- |
35,007 |
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、宇宙関連サービス等であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
3.セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去であります。
4.報告セグメント「企画&プロデュース」の一部ののれんについて、「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第7号)第32項の規定に基づき、のれん償却額239,371千円を特別損失に計上しておりますが、当該金額は上記に含まれておりません。
4.報告セグメントの変更等に関する事項
該当事項はありません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
|
メディア&コンテンツ |
企画&プロデュース |
食関連 |
計 |
その他 |
調整 |
合計 |
減損損失 |
- |
111,110 |
239 |
111,350 |
- |
- |
111,350 |
(注)企画&プロデュースにおいて、のれんについて減損損失87,921千円、顧客関連資産について減損損失14,839千円、事業用資産について減損損失8,350千円を計上しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:千円)
|
メディア&コンテンツ |
企画&プロデュース |
食関連 |
計 |
その他 |
調整 |
合計 |
減損損失 |
- |
- |
873,215 |
873,215 |
- |
- |
873,215 |
(注)食関連において、のれんについて減損損失278,504千円、契約関連資産について減損損失46,159千円、商標権について減損損失325,532千円、事業用資産について減損損失223,019千円を計上しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
|
メディア&コンテンツ |
企画&プロデュース |
食関連 |
計 |
その他 |
調整 |
合計 |
当期末残高 |
50,365 |
272,388 |
309,140 |
631,893 |
- |
- |
631,893 |
報告セグメントごとののれんの償却額に関する情報はセグメント情報に記載しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:千円)
|
メディア&コンテンツ |
企画&プロデュース |
食関連 |
計 |
その他 |
調整 |
合計 |
当期末残高 |
17,567 |
- |
- |
17,567 |
- |
- |
17,567 |
報告セグメントごとののれんの償却額に関する情報はセグメント情報に記載しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。