2024年12月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの業績及び財政状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクには以下のものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。

 当社グループは、リスクマネジメント規程を定め、推進体制として当社代表取締役を委員長とした「リスク・コンプライアンス委員会」を四半期毎に開催しております。当該委員会において、以下のリスクを含めた重要リスクについて、リスクアセスメントを推進、各取り組みを共有し、リスクの未然防止に努めております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.事業環境に関するリスク

①国内市場の変化による業績の変動

 当社グループは国内で事業を行っております。国内人口が減少傾向にある中、当社グループの既存事業領域である建設市場やマンション市場は底堅い成長が見込まれておりますが、今後、レンタルサービスにおいて、競争が激化した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

〔対策〕

 当社グループでは、2024年度からスタートした中期経営計画NE26の重点戦略である「新規事業の創出」への取り組みを行っております。実行施策であるレンタル市場の拡大及びDXの推進等を遂行し、事業領域の拡大を図り、影響の回避に努めてまいります。

②市場動向の変化による商品管理

 当社グループは、100万点を超えるレンタル商品を保有し、商品稼働率は近年の旺盛なレンタル需要によって、高い数値を維持しております。今後もレンタル需要に応えるため、継続的に商品調達を行ってまいりますが、需要が想定を超えて増加した場合には、商品不足による機会損失が発生する可能性があります。また、需要が想定を超えて減少した場合には、過剰在庫により、在庫保管のための施設不足が発生する可能性があります。

〔対策〕

 当社グループでは、商品や納品現場、配送に関する情報をシステムにより一元管理し、効率的な商品運用を行っております。また、中期経営計画の重点戦略である「経営基盤の強化」の施策の一つである「物流のDX推進」を進め、影響の回避に努めております。

③災害等による影響

 当社グループにおいて、地震、火災、台風、洪水、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)等の発生時、当該災害が想定を超えた規模であった場合、事業を適切に遂行出来ず、当社グループの事業展開、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

〔対策〕

 当社グループでは、当該リスクの対応において、事業の継続性を確保するために、事業継続計画(BCP)を整備しております。2024年度は、BCP訓練の実施及び関連規程の見直しを行い、影響の回避に努めております。

 

2.組織体制に関するリスク

①事業拡大のための人材確保

 当社グループが継続して事業拡大を進めていくには、優秀な人材の採用、定着、育成、活用の人事サイクル確立が必要であると考えております。国内労働力人口が減少する中、人材の獲得競争は年々激しさを増しており、かかる状況で優秀な人材を十分に確保できず、あるいは在職中の従業員が退職するなどした場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

〔対策〕

 当社グループでは、中期経営計画NE26の重点戦略の一つである「人的資本の充実」への取り組みを行っております。2024年度は本取り組みの一環として「エンゲージメントサーベイ」と人事制度の再構築に向けての検討等を実施し、優秀な人材の採用、定着、育成、活用の人事サイクル確立に向けての対応を着実に進めております。

②情報管理体制

 当社グループのネットワークシステムは各種対策を講じておりますが、自然災害等によりインターネットが遮断された場合や、サーバーダウンの際には、サービス提供等に支障が生じる場合があります。また、不正アクセス等によって、当社システムに大規模な障害が発生した場合等には、当社の業績及び事業運営に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

〔対策〕

 当社グループでは、ネットワークシステムに関する災害等による回線不通リスクの対策として、本社地区以外にDRサイト※を構築し、当該リスクの回避に努めております。また、情報セキュリティに関するコンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入リスクの対策として、ファイアウォールやウイルス対策ソフトにより外部からの通信を遮断する等の対策を講じております。(※ディザスタリカバリサイト:緊急の代替拠点として使用する設備)

③内部管理体制

ステークホルダーの期待と信頼に応えるため、リスクマネジメントやコンプライアンス推進等の内部管理体制の強化は、当社グループにおける重要な課題の一つであると位置付けております。しかし、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績及び各事業の運営に影響を及ぼす可能性があります。

〔対策〕

当社グループでは、リスクマネジメントへの取り組みとして、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクの再発防止及び未然防止の仕組みを徹底すると共に、従業員に対しては、コンプライアンス研修を毎年開催し、従業員一人一人のコンプライアンスの啓発に努めております。また、万が一、不正や不法行為又は疑義ある行為を発見した場合は、従業員が速やかに通報・相談できるよう、社内及び外部(弁護士事務所)を窓口とした内部通報制度を整備しております。

 

3.法的規制に関するリスク

①法的規制に関するリスク

 当社グループは、会社法及び金融商品取引法の他、建設業法、宅地建物取引業法、古物営業法、産業廃棄物処理法、個人情報保護法など各種法的規制のもとで業務運営を行っておりますが、今後、これらの法的規制の改廃や、当社グループの業務運営上不利となるような新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

〔対策〕

 当社グループでは、法改正、法的規制に関する動きがあった場合、いち早く対応できるよう、グループウェアから当該情報を配信する仕組みを整えております。また、毎月10日を「コンプライアンスの日」とし、法的規制やコンプライアンス情報について、従業員一人一人が学べるよう、定期的に情報発信を行っております。

②訴訟、不祥事及びレピュテーション等に係るリスク

 当社グループはコンプライアンス(法令遵守)を重視した事業活動を行っておりますが、クライアント企業等を相手方とする各種クレームの発生、訴訟、係争、また、これらに起因する損害賠償請求の当事者となる可能性があります。これらの法的手続によって当社グループに不利な司法判断がなされ、さらに、不測の費用等を支出した場合には、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を与える恐れがあります。

〔対策〕

 当社グループでは、ISOマネジメントシステムを導入しております。当該マネジメントシステムにおいて、事後のクレーム対応のみならず、日々の業務における予防・改善へ取り組み、商品・サービスにかかわる事故やクレーム等の未然防止及び業務改善活動を推進しております。また、会社規程において、クレーム、セキュリティインシデント、不正、不法行為等、各事象に応じた各種委員会等を規定し、速やかに当該事象に対応できるよう、体制を整えております。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社グループは収益力の向上に努め、株主に対し将来にわたって安定的な利益配当を行うことを経営の重要な課題の一つと位置づけております。

 一方で、持続的な成長の源泉として内部留保による財務基盤の強化も不可欠であります。これらの考えのもと業績、計画、内部留保等を総合的に勘案し安定的な配当を実施することを配当の基本的な方針としております。

 内部留保資金につきましては、財務体質の強化及び今後予想される経営環境の変化に対応するためのFF&Eの投資に活用する計画であります。

 当社の剰余金の配当は、年1回の配当を基本方針としておりますが、定款に中間配当を行うことができる旨を定めております。中間配当については、業績、計画、内部留保等を総合的に勘案し実施してまいります。剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。

 上記の方針に基づき、当事業年度の配当につきましては、1株につき年間配当は60円といたしました。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

基準日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2025年3月27日

2024年12月31日

331,294

60.00

定時株主総会

(注)2025年1月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。当事業年度に係る剰余金の配当につきましては、当該株式分割前の株式数を基準とした金額を記載しております。