事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| (単一セグメント) | 2,188,660 | 100.0 | - | - | - |
3 【事業の内容】
当社は、保険業法に基づく免許・認可を得て生命保険業を営んでおり、主に保険引受業務及び資産運用業務を行っております。当社及び当社の関係会社は、当社、連結子会社1社及び持分法適用関連会社1社を中心に構成されており、当社グループは、生命保険業の単一セグメントであります。
なお、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社は、情報システムの設計、開発、保守及び運用業務の受託を行っております。また、当社グループのセグメントについては、単一セグメントであるため記載を省略しております。
当社の営む事業の主な内容は次のとおりであります。
(1) 生命保険業
当社は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、当社には、他の生命保険会社にはない、業務を行うにあたっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(参考) 郵政民営化法による特例措置(4)~(6)」に記載のとおりであります。
(注) 当社と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを当社が受再しております。
(2) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行
当社の支店では、当社の保険商品の販売に加え、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。
・アフラック生命保険株式会社
・エヌエヌ生命保険株式会社
・住友生命保険相互会社
・第一生命保険株式会社
・東京海上日動あんしん生命保険株式会社
・日本生命保険相互会社
・第一ネオ生命保険株式会社
・三井住友海上あいおい生命保険株式会社
・明治安田生命保険相互会社
・メットライフ生命保険株式会社
(3) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務
当社は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。
(事業の系統図)
2026年3月31日現在
(注) 1.簡易生命保険契約の保険責任のすべてを再保険。
2.簡易生命保険契約の管理業務(保険料の収納、保険金の支払、契約の維持・管理、資産運用業務等)を委託。
3.当社の生命保険契約の募集及び維持・管理業務を委託。
4.郵政管理・支援機構から委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再委託。
5.簡易郵便局に対する当社の生命保険契約に係る教育・指導・管理を委託。
6.当社の生命保険契約の募集業務を委託。
7.当社から委託を受けた当社の生命保険契約の維持・管理業務を再委託。
8.当社から再委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再々委託。
9.持分法を適用していない非連結子会社13社及び関連会社2社については、記載を省略しております。
(参考) 郵政民営化法による特例措置
当社の事業運営は、生命保険会社として保険業法を遵守することに加え、郵政民営化法及び関係政省令を遵守して遂行する必要があります。郵政民営化法及び関係政省令の主な目的は、郵政事業の改革を通じて、国内における公正かつ自由な競争を促進し、皆さまの利便向上及び経済の活性化を目指すことに加えて、日本郵政グループ各社の業務と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じることにあります。このため、(1)に定める期間においては、新規業務を開始する場合に他の生命保険会社には課されていない追加的な手続きが求められ、また、当社が提供する商品の設計についても、他の生命保険会社には課されていない法令上の制約(以下、これらの制約等を「本特例措置」といいます。)が適用されることとなります。詳細は次のとおりであります。
(1) 本特例措置が継続する期間
本特例措置が継続する期間は、次に掲げる日のいずれか早い日までであります(郵政民営化法第134条)。
・日本郵政株式会社が保有している当社株式を全部処分した日
・郵政民営化法第135条第1項の決定(※)があった日
※ 内閣総理大臣及び総務大臣は、日本郵政株式会社から総務大臣に当社株式の2分の1以上を処分した旨の届出があり、その旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、当社と他の生命保険会社との適正な競争関係等を阻害するおそれがないと認められるときには、本特例措置を適用しないことを決定しなければなりません。内閣総理大臣及び総務大臣は、かかる決定を行うにあたっては、郵政民営化委員会の意見を聴取することとされております。
「2 沿革 (参考) 当社の設立経緯等」に記載のとおり、2021年6月に日本郵政株式会社の当社に対する議決権比率は49.9%程度まで低下し、2021年6月9日付けで、日本郵政株式会社は当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出ております。
<郵政民営化委員会とは>
郵政民営化委員会は、内閣に設置されております。主な所掌事務は次のとおりであります(郵政民営化法第18条、第19条)。
・3年ごとに、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の経営状況並びに国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な検証を行い、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること
・郵政民営化法の各条において、内閣総理大臣及び総務大臣が郵政民営化委員会への通知を行うとされている事項について、必要があると認めるときは、内閣総理大臣を通じて関係各大臣に意見を述べること
・上記のほか、郵政民営化に関する事項について調査審議し、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること等
(2) 新規業務等に係る郵政民営化法の手続き
当社は、これまで新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用を行う場合には、郵政民営化法上、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされておりましたが(郵政民営化法第138条)、上記(1)に記載のとおり、2021年6月9日付けで、日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は、新規業務等に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。
※ 日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、本特例措置が終了する日まで、従前の認可手続きに代わり、新たな業務を行おうとするときは、その内容を定めて内閣総理大臣及び総務大臣に届け出るとともに、業務を行うにあたっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないとされております(郵政民営化法第138条の2)。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。
新規業務、新商品、資産運用方法に係る規制の詳細は、それぞれ下記(3)~(5)に記載のとおりであります。
(3) 業務範囲
① 保険業法による定め
生命保険会社が営むことのできる業務の範囲については、保険業法第97条の規定により行う業務(以下「固有業務」といいます。)として定められており、「保険の引受け」と「資産の運用」がその範囲に含まれます。また、生命保険会社は、固有業務のほか、当該業務に付随する業務(以下「付随業務」といいます。)を行うことができるとされていますが、付随業務のうち、他の保険会社等の業務の代理又は事務の代行を行う場合は、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第98条)。
② 郵政民営化法による定め
当社が付随業務を行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。
手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。
(4) 新商品の開発・販売
① 保険業法による定め
新たな商品の開発・販売にあたり、生命保険業免許の申請時に添付書類として提出した事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書の内容に変更が必要となる場合には、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第4条、第123条)。
② 郵政民営化法による定め
当社が事業を承継した公社が旧簡易生命保険法の定めにより2006年6月30日現在において引受けを行っていた以下の保険種類以外の保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります。
また、以下の保険種類であっても、公社が引受けを行っていた商品と、契約者配当の有無等、一定の差異のある保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。
手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。
<公社が引受けを行っていた保険種類>
・終身保険、定期保険、養老保険、家族保険、財形貯蓄保険
・終身年金保険、定期年金保険、夫婦年金保険
・次の二つの保険を一体として提供する保険
終身保険及び終身年金保険で被保険者を同じくするもの
終身保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの
養老保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの
家族保険及び夫婦年金保険で主たる被保険者及び配偶者たる被保険者を同じくするもの
・特約
(5) 新たな資産運用の方法
① 保険業法による定め
生命保険会社の資産運用は、以下の方法によらなければならないとされております(保険業法第97条、保険業法施行規則第47条)。
・有価証券、不動産、金銭債権、短期社債等、金地金の取得
・金銭、有価証券の貸付け
・民法第667条第1項に規定する組合契約又は商法第535条に規定する匿名組合契約に係る出資
・預金又は貯金
・金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託
・金融商品取引法第2条第20項、第28条第8項第6号、保険業法第98条第1項第8号に規定するデリバティブ取引
・先物外国為替取引
・上記に掲げる方法に準ずる方法
② 郵政民営化法による定め
当社が以下に掲げる方法以外の方法により資産を運用しようとするときには、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。
手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。
<手続きが不要な資産運用>
・保険契約者に対する資金の貸付け
・地方公共団体に対する資金の貸付け
・コール資金の貸付け
・日本郵政株式会社又は日本郵便株式会社に対する資金の貸付け
・郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け
・郵便貯金銀行及び郵便保険会社に係る移行期間中の業務の制限等に関する命令第16条に定める次の方法
国債証券、地方債証券、政府保証債、社債券、外国債、不動産の取得(投資の目的をもって取得するものを除く)、金融機関への預金、先物外国為替取引等
<認可・届出を行った資産運用>
・有価証券、不動産、金銭債権の取得
・金銭(シンジケートローン(参加型)に限る)、有価証券の貸付け
・民法第667条第1項に規定する組合契約又は商法第535条に規定する匿名組合契約に係る出資
・金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託
・金融商品取引法第2条第20項、第28条第8項第6号に規定するデリバティブ取引
(6) 引受け可能な保険金額等の制約
郵政民営化法及び同施行令上、被保険者一人につき当社が引受け可能な保険金額等の限度(加入限度額)が定められております。また、この加入限度額については、簡易生命保険契約の被保険者一人あたりの保険金額等との合算であります(郵政民営化法第137条及び郵政民営化法施行令第6条から第8条)。
① 保険(基本契約)の加入限度額
財形貯蓄保険及び年金保険を除く保険契約(終身保険、定期保険、養老保険、家族保険)については、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。
・被保険者が満15歳以下の場合・・・被保険者一人あたり:700万円
・被保険者が満16歳以上の場合・・・被保険者一人あたり:1,000万円
(注) 1.被保険者が満20歳以上満55歳以下の場合で、加入後4年以上経過した契約がある場合には、当該契約の保険金額のうち、1,000万円までは上記限度額には含みません。
2.特定養老保険(保険契約加入後早期に病気で死亡した場合等の保険金額を低く設定した養老保険)については、年齢にかかわらず、被保険者一人あたり500万円が上限となっております。
3.被保険者が満55歳以上の場合は、普通定期保険、普通定期保険(R04)及び特別養老保険(死亡保険金額を満期保険金額の2倍、5倍又は10倍とする養老保険)については、被保険者一人あたり800万円が上限となっております。
<当社が引受け可能な保険金額の限度額の概要>
(2026年3月31日現在)
② 財形貯蓄保険
財形貯蓄保険(勤労者財産形成促進法第6条第1項第2号及び第4項第2号に規定する契約に係る保険業法第3条第4項第1号に掲げる保険)については、払込保険料の総額に関して、以下の限度額が定められております。
被保険者一人あたり:550万円
③ 年金(基本契約)の加入限度額
年金保険については、年金の年額に関して、以下の限度額が定められております。
被保険者一人あたり:初年度の基本年金額 90万円
(注) 1.過去に販売していた年金保険の中には、年金の支払い開始の2年目以降から年金額が逓増する種類がありますが、この逓増額は上記限度額に含まれません。
2.過去に販売していた年金保険の中には、契約者配当金を年金の支払い時に積み増ししてお支払いする種類がありますが、この積み増す額は上記限度額に含まれません。
3.過去に販売していた年金保険の中には、夫婦が被保険者となる種類の年金保険がありますが、この場合、配偶者である被保険者に係る額は、上記限度額に含まれません。
④ 特約の加入限度額
特約については、それぞれの事由において、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。
a.疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・被保険者一人あたり:合計1,000万円
b.上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・被保険者一人あたり:1,000万円
(注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。
(7) 子会社の保有に関する特例
① 保険業法による定め
生命保険会社が子会社として保有できる会社は、保険業法により、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、銀行等、特定の業を営む会社に限定されております。
また、保有が認められている会社を子会社とする場合は、内閣総理大臣の認可又は内閣総理大臣への届出が必要となります(保険業法第106条、第127条)。
② 郵政民営化法による定め
郵政民営化法において、当社は、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、保険業を行う外国の会社を子会社としてはならないと定められております(郵政民営化法第139条)。
また、保有が認められている会社を子会社とする場合、郵政民営化法上の認可又は届出が必要となります(郵政民営化法第139条、第149条)。
なお、当社が、子会社化することが禁じられている業種の会社に対して、子会社化に至らない議決権割合で出資する場合であっても、監督官庁からの監督上の措置(郵政民営化法第147条)により、当該出資が制限される可能性があります。
(8) 事業再編等に関する特例
① 保険業法による定め
生命保険会社が以下の行為を行う場合、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(保険業法第139条、第142条、第167条、第173条の6)。
・保険契約の移転
・事業の譲渡又は譲受け
・合併
・会社分割
② 郵政民営化法による定め
郵政民営化法上、当社が以下の行為を行う場合、郵政民営化法上の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(郵政民営化法第141条)。
・保険業法第135条に規定する保険契約の移転
・当社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け
・当社を当事者とする合併
・当社を当事者とする会社分割
ただし、以下の場合には、認可を受けられないこととされております。
・保険契約の移転について、移転先会社が日本郵政株式会社又は当社の子会社であるとき
・事業の譲渡又は譲受けについて、保険の引受けに係る事業の全部の譲渡であるとき及び保険の引受けに係る事業の譲受けであるとき
・合併について、合併により当社が消滅するとき及び合併の相手方が保険会社であるとき
・会社分割について、吸収分割承継会社又は新設分割設立会社に保険契約を承継させるものであり、かつ、吸収分割承継会社等が日本郵政株式会社又は当社の子会社となるとき
業績状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。
なお、金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損処理
金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。
なお、有価証券の減損処理に係る基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金銭の信託関係)に記載のとおりであります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積もっております。当該課税所得の見積りは、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。
当連結会計年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売減少等の影響により経営計画の水準まで達しておらず、今後の新契約水準が将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。
以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社を取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
④ 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
なお、貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑤ 支払備金の計上方法
連結会計年度末時点において支払義務が発生したが保険金等の支出をしていないもの、または、まだ支払事由の報告を受けていないが支払事由が既に発生したと認められるもののうち保険金等の支出をしていないものについて支払備金を積み立てております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積額から変動する可能性があります。
⑥ 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑦ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に記載のとおりであります。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
営業面においては、当連結会計年度における個人保険の新契約件数は、一時払終身保険の販売減少等の影響により、前連結会計年度と比べ36.6万件減少し42.8万件(前期比46.1%減)となりました。個人保険の保有契約件数(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)は、前連結会計年度末と比べ108.4万件減少し1,772.5万件(前期比5.8%減)となりました。新契約年換算保険料は、個人保険が前連結会計年度と比べ777億円減少し、973億円(前期比44.4%減)となり、第三分野が15億円減少し56億円(同21.3%減)となりました。保有契約年換算保険料については、個人保険が1,724億円減少し2兆6,833億円(前期比6.0%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)、第三分野が255億円減少し5,123億円(同4.7%減)(受再している簡易生命保険契約を含む)といずれも減少となりました。なお、個人保険の保有契約年換算保険料(受再している簡易生命保険契約(保険)を含まない)は、2兆179億円(前期比5.6%減)となっております。
資産運用面においては、円金利資産と円金利負債のマッチングを図るALMの観点から、公社債を中心に運用しております。総資産残高は、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し、58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。株式、外国証券等の収益追求資産については、日経平均株価等の上昇により、主に国内株式の含み益が増加したことにより、前期比で残高は増加し、収益追求資産の占率も総資産比で上昇し22.1%となりました。平均予定利率は一時払終身保険の販売や再保険の活用等により前期比で0.02ポイント下落し1.59%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、国内株式・オルタナティブなど収益追求資産の収益貢献等により前期比で0.23ポイント増加し2.14%となり、順ざやは前期比で1,130億円増加し2,555億円となりました。キャピタル損益は、国債及び社債の売却損の増加等により、1,231億円のキャピタル損となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少や運用環境の好転等による順ざやの増加等により、1,687億円と前連結会計年度と比べ453億円の増益(前期比36.7%増)となりました。
なお、連結当期純利益に対し、新契約の初年度に係る標準責任準備金の積増負担及びのれん償却による影響を調整した修正利益は、前連結会計年度と比べ257億円増加し、1,715億円(前期比17.7%増)となりました。
① 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の総資産額は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。
a.資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し、58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。主な資産構成は、有価証券44兆9,312億円(同3.4%減)、金銭の信託8兆398億円(同24.5%増)及び貸付金2兆1,347億円(同15.6%減)となっております。
b.負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆257億円減少し、54兆2,885億円(前期比3.6%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は、保有契約の減少により前連結会計年度末と比べ減少し48兆1,023億円(同4.1%減)となりました。
c.純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ9,122億円増加し、4兆1,536億円(前期比28.1%増)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末に比べ8,968億円増加し、2兆4,485億円(同57.8%増)となりました。
なお、当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率(経済価値ベースのソルベンシー比率)(大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つ)は、181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっております。当社は、適切な資本管理の観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しており、当連結会計年度末においては適正水準の範囲内となっております。
② 経営成績の状況及び分析・検討
a.経常収益
経常収益は、前連結会計年度と比べ5,395億円減少し、5兆6,257億円(前期比8.8%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入2兆1,886億円(同30.6%減)、資産運用収益1兆3,107億円(同9.6%増)、その他経常収益2兆1,262億円(同17.2%増)となっております。
(a) 保険料等収入
保険料等収入は、一時払終身保険の販売減少の影響等により、前連結会計年度に比べ9,662億円減少し、2兆1,886億円(前期比30.6%減)となりました。
(b) 資産運用収益
資産運用収益は、主に有価証券売却益が減少したものの、金銭の信託運用益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1,151億円増加し、1兆3,107億円(前期比9.6%増)となりました。
(c) その他経常収益
その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ3,114億円増加し、2兆1,262億円(前期比17.2%増)となりました。
b.経常費用
経常費用は、前連結会計年度と比べ6,412億円減少し、5兆3,538億円(前期比10.7%減)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が4兆4,177億円(同15.1%減)、資産運用費用が4,448億円(同59.4%増)、事業費が4,133億円(同4.2%減)、その他経常費用が701億円(同10.7%減)等となっております。
(a) 保険金等支払金
保険金等支払金は、満期保険金等の保険金支払の減少及び再保険料の支払の減少等により、前連結会計年度に比べ7,875億円減少し、4兆4,177億円(前期比15.1%減)となりました。
(b) 資産運用費用
資産運用費用は、金融派生商品費用は減少したものの、有価証券売却損等が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1,657億円増加し、4,448億円(前期比59.4%増)となりました。
(c) 事業費
事業費は、業務委託手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ180億円減少し、4,133億円(前期比4.2%減)となりました。
(d) その他経常費用
その他経常費用は、税金の減少等により、前連結会計年度に比べ83億円減少し、701億円(前期比10.7%減)となりました。
c.経常利益
経常利益は、主として、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少等による保険関係損益が増加するとともに、順ざやの増加等により、前連結会計年度に比べ1,016億円増加し、2,719億円(前期比59.7%増)となりました。
提出会社の経常利益等の明細については、「(参考4) 健全性の状況 (1) 基礎利益」の(経常利益等の明細(基礎利益))に記載のとおりであります。
d.特別損益
特別損益は、キャピタル損益相当額及び順ざやに含まれる為替に係るヘッジコストに対応した価格変動準備金の戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ641億円増加し、1,078億円の利益となりました。
e.契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、前連結会計年度に比べ465億円増加し、1,435億円(前期比48.0%増)となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益に特別損益を加減し、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少や運用環境の好転等による順ざやの増加等により、前連結会計年度に比べ453億円増加し、1,687億円(前期比36.7%増)となりました。
なお、当社の当事業年度における基礎利益は、4,189億円(前期比73.0%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、保有契約の減少等により保険金支払が減少した一方で、一時払終身保険の販売減少の影響等により保険料等収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ2,570億円支出増の1兆8,849億円の支出となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、一時払終身保険の販売減少に伴う運用額の減少等により有価証券の取得による支出が減少した一方で、有価証券の売却・償還による収入、売現先勘定の純増額及び貸付金の回収による収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ6,003億円収入減の1兆7,860億円の収入となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度にあった社債の発行による収入がなかったこと及び自己株式の取得による支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1,843億円収入減の1,242億円の支出となりました。
d.現金及び現金同等物の残高
上記a.~c.の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首から2,230億円減少し、1兆7,529億円となりました。
e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の設備投資を含む当面の設備投資及び株主還元などは自己資金又は社債の発行による調達資金で賄う予定であります。
(3) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、前中期経営計画において、財務目標として「修正利益」、「修正ROE」、「1株当たり配当額」及び「EV成長率」を、非財務目標として「お客さま満足度」、「ネットプロモータースコア(NPS®※1)」及び「保有契約件数(個人保険)」を主要目標と掲げ、達成に向けて取り組んでまいりました。このうち、「修正利益」、「修正ROE」及び「EV成長率」について、順ざやの過去最高水準の達成や金利の上昇等により、「修正利益」は1,715億円、「修正ROE」は10.1%、「EV成長率」は9.5%※2となり、それぞれ目標を達成しました。「1株当たり配当額」についても、目標に掲げたとおり、前中期経営計画期間中の毎期の増配を実現しました。一方、新契約実績の回復は道半ばであり、「保有契約件数(個人保険)」は1,772万件と目標を下回りました。また、「お客さま満足度」は84%となり、「ネットプロモータースコア(NPS®)」も含めて向上したものの、目標の達成には至りませんでした。
本中期経営計画においては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載した主要目標の達成に向けて取り組んでまいります。
(注)1. NPS®とは、Net Promoter Scoreの略語であり、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。
2. EV成長率は、2026年3月末における経済価値ベースのソルベンシー規制の適用開始に伴い見直しを実施した計算基準によって算出しております。EVの計算方法については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考5) 当社のEV」をご参照ください。なお、「(4) 前事業年度末EVからの変動要因」に記載しているEVの変動要因から「経済前提と実績の差異」を除いているほか、のれんの影響を除いて算出しております。
(4) 生産、受注及び販売の状況
生命保険事業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(参考1) 当社の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(1) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(2) 新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(3) 保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(4) 新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考2) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
(注) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
(参考3) 当社の資産運用の状況
(1) 一般勘定資産の構成
(注) 1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(2) 一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%)
(注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(参考4) 健全性の状況
(1) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
当社の当事業年度における基礎利益は、4,189億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円)
(参考) その他項目の内訳
(単位:百万円)
(2) 連結ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
当社は、適切な資本管理という観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しております。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっており、円金利の上昇による大量解約リスクの影響等により、前連結会計年度末から15ポイントの低下となっておりますが、適正水準の範囲内となっております。
(単位:兆円)
(注)1. 令和7年金融庁告示第74号「保険業法施行規則第八十六条及び第八十七条等の規定に基づき保険金等の支払能力に相当する額及び通常の予測を超える危険に相当する額の計算方法等を定める件」に基づいて算出しております。
2. 当連結会計年度末の数値は、監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値であります。また、前連結会計年度末の数値は、当連結会計年度末における計算方法を適用した試算値であります。
(3) 負債中の内部留保(危険準備金及び価格変動準備金)の積立状況
生命保険会社では、大災害の発生、金融資産の価格変動等、生命保険事業の経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたる健全で安定的な経営を確保するために、危険準備金と価格変動準備金を積み立てることとしております。
当連結会計年度末における残高は危険準備金1兆2,497億円、価格変動準備金7,192億円となり、合計で1兆9,690億円となりました。
(単位:億円)
(4) 追加責任準備金
追加責任準備金とは、加入時の計算基礎で計算した積立額では、逆ざや等により保険金等の支払いに不足する額として追加して積み立てている責任準備金であります。当連結会計年度末における追加責任準備金は4兆7,395億円を積み立てております。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
(単位:億円)
(参考5) 当社のEV
(1) EVの概要
① EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
② 計算方法の変更について
当社では、前事業年度末まで、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則に則り、市場整合的手法を用いた計算方法(以下「旧基準」といいます。)により計算したヨーロピアン・エンベディッド・バリューを開示しております。
このたび、2026年3月末の経済価値ベースのソルベンシー規制導入を踏まえ、当事業年度末のEVについては、経済価値ベースのバランスシートにおける連結純資産から、株主に帰属しない要素を控除したものとして計算する方法(以下「新基準」といいます。)に変更しております。
旧基準と新基準の計算方法の違いがEVに与える影響は、主に、保険負債の割引率としてリスク・フリー・レートに調整後スプレッドを上乗せすることによる差や、旧基準ではリスク・コストとしてヘッジ不能リスクに係る費用という形で反映していたものを、経済価値ベースのバランスシートにおけるMOCEを反映する手法に変更したことによる差であります。これらの影響によるEVの変動については「(4) 前事業年度末EVからの変動要因」をご参照ください。
(2) 簡易生命保険契約について
当社は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、当社が受再しております。
当社は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
(3) EVの計算結果
国内株価上昇による国内株式の含み益の増加を主な理由として、当事業年度末におけるEVは前事業年度末から増加しております。
(単位:億円)
(注) 1.前事業年度末は旧基準の数値であります。
2.保険契約に係る有価証券、貸付金および不動産の含み損益、ならびに旧簡易生命保険契約に係る危険準備金および価格変動準備金は、修正純資産相当額には含めず、保有契約価値相当額に含めております。
3.前事業年度末については、2025年3月31日に取得(約定)した自己株式330億円を控除しております。
4.保有契約価値相当額は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約および保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。
新契約価値及び新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 1.前事業年度は旧基準の数値であります。
2.将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いた割引率で割り引いております。
(4) 前事業年度末EVからの変動要因
(単位:億円)
① 旧基準から新基準への調整
旧基準と新基準の計算方法の違いによる差を表したものであります。旧基準と新基準の計算方法の違いについては「(1) EVの概要 ②計算方法の変更について」をご参照ください。
② 前事業年度末EVの調整
当社は当事業年度において429億円の株主配当金を支払っており、EVがその分減少しております。また、当事業年度において469億円の自己株式の取得(約定)を行っており、EVがその分減少しております。
③ 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
④ 期待収益(割引率解放分)
EVの計算にあたっては、将来の期待収益を割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、調整後スプレッドに相当する割引率の解放ならびに保証とオプションの時間価値およびMOCEのうち当事業年度分の解放を含んでおります。
⑤ 期待収益(超過収益分)
EVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。当事業年度の超過収益を計算するために使用した期待収益率は、「付録B EV計算における主な前提条件 (1) 経済前提」に記載のとおりであります。
なお、期待収益率のうちの調整後スプレッド分に相当する期待収益は「④ 期待収益(割引率解放分)」に含めており、この項目で表される期待収益には調整後スプレッド分は含まれておりません。
⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
⑦ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支等が変化することによる影響であります。
⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。
国内金利上昇の影響による含み益の減少等により、EVは223億円減少しました。
(5) 感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に一つの前提のみを変化させることとしており、同時に二つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
前提条件を変更した場合の新契約価値の感応度は以下のとおりであります。
(単位:億円)
① 感応度1:国内金利50bp上昇
a.日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させてEVを再計算しております。
b.イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
② 感応度2:国内金利 50bp低下
a.日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
b.イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
③ 感応度3:米ドル金利50bp上昇
a. アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。
b. イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
④ 感応度4:米ドル金利50bp低下
a. アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
b. イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
⑤ 感応度5:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
⑥ 感応度6:為替10%円高
日本円の評価日時点の為替レートが10%上昇した場合の影響を表しております。
⑦ 感応度7:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
⑧ 感応度8:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
(6) 注意事項
EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
付録A EVの計算手法
(1) 対象事業
計算の対象範囲は、当社及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。
なお、当社は生命保険事業のみを取り扱っております。
また、当社は日本郵政グループの一員ですが、本計算は当社単独の計算となっております。
(2) 新契約価値の計算方法
当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値であります。
計算対象は、新契約、特約の中途付加及び更新特則による加入契約を対象としております。なお、将来時点における更新特則による加入契約については、EV及び新契約価値には反映しておりません。また、条件付解約による加入契約及び転換契約の新契約価値としては、旧契約の価値からの正味増加分を反映しております。また、経済前提は四半期毎の新契約に対してそれぞれ当該四半期末時点のもの、その他の前提はEVと同一の期末時点のものを用いております。
新契約価値の評価について、当社では、実際の契約者配当の水準を、保有契約全体の損益に基づいて決定していることを踏まえ、新契約を獲得した場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVと、新契約を獲得しなかった場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVの差とするマージナル方式としております。マージナル方式では、新契約獲得に伴う分散効果によるリスクの軽減の影響等も新契約価値として評価されております。
付録B EV計算における主な前提条件
(1) 経済前提
① 金利
保険負債の評価に用いる金利は、金融庁が提示する経済価値ベースのソルベンシー規制におけるリスク・フリー・レートを基礎とし、調整後スプレッドを反映した金利を使用しております。
計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。
EVの計算に用いるリスク・フリー・レート
(注) 2025年3月31日については、旧基準のEVの計算に使用したリスク・フリー・レートを記載しております。
② 経済シナリオ(リスク中立シナリオ)
a.金利モデル
金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、豪ドルを通貨とする確率論的αβρ-LIBOR マーケットモデルを構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。保証とオプションの時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。
b.株式・通貨のインプライド・ボラティリティ
主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。なお、当社が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比を日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。
c.相関係数
前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元に当社の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。
相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。
③ 将来の資産構成
当社の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。
また、当社の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び豪ドル建から構成されるとみなしております。
④ 期待収益計算上の期待収益率
「前事業年度末EVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(割引率解放分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。
期待収益(超過収益分)の計算に用いる期待収益率は、前事業年度末における資産占率に上記の期待収益率を乗じることにより算出しております。会社全体における資産占率考慮後の期待収益率は、1.700%であります。
(2) その他の前提
保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して予測しております。
① 事業費
a.事業費の前提は、事業費実績を基に算出し、子会社に係るルック・スルー調整を行っております。また、将来、経常的に発生しないと考えられる一時費用(将来の業務効率化に資する施策の経費)を控除する一方、追加的に発生すると考えられる費用を加算する調整を行っております。
b.消費税については、10%としております。
c.将来のインフレ率は、リスク・フリー・レートの補外開始年度(経過30年)までは、物価連動国債に織り込まれたブレーク・イーブン・インフレ率を参考に1.42%としております。なお、インフレ率の適用にあたっては、当社の事業費構造を考慮して調整を行っております。リスク・フリー・レートの補外開始年度を超える期間についてはフォワード・レートの上昇に応じてインフレ率が上昇し、終局水準を2%としております。
② 契約者配当
現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。
なお、郵政管理・支援機構への再保険配当については、郵政管理・支援機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。
③ 実効税率
直近の実効税率に基づき、以下の実効税率を用いております。
当事業年度:28.00%
翌事業年度以降:28.93%
(参考6) 主要な財務数値等の新旧区分別実績
当社は、郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを受再しております。また、当該再保険契約に基づき、簡易生命保険契約及びそこから生じた利益を他の保険契約と区分して管理しており、過年度の実績の推移は下表のとおりであります。
下表における旧区分の数値は、上記に基づき算出した簡易生命保険契約に係るものであり、新区分の数値は、全体から旧区分の数値を差し引いたものであります。よって、下表は当社の内部管理上の数値であり、企業会計原則に則って作成される数値ではありません。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)及び当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
日本国内における生命保険事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)及び当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が単一であるため、製品及びサービスごとの情報の記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
経常収益全体に占める本邦の割合及び有形固定資産全体に占める本邦の割合が、いずれも90%を超えているため、地域ごとの情報の記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
経常収益の10%以上を占める外部顧客がないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
単一セグメントであるため、報告セグメントごとの固定資産の減損損失についての記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)及び当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)及び当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。