2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 10,713 100.0 4,256 100.0 39.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社9社から構成されております。当社、JFX株式会社、HIROSE FINANCIAL UK LTD.及びHirose Financial MY Limitedは、主として投資家向けにインターネットを通じて外国為替証拠金取引を提供する金融商品取引事業を行っており、HIROSE FINANCIAL LIMITEDは、海外子会社に対する取引システムの提供、HIROSE BUSINESS SERVICE SDN. BHD.は、当社グループ会社に対するコールセンター業務提供を行っております。また、当社では金融商品取引業者向けホワイトラベルサービス(*1)の提供、金融商品取引業者のカウンターパーティ(*2)としてカバー取引(*3)及び店頭証券CFD取引も行っております。

なお、*の用語については後記「用語解説」をご参照ください。

 

 〔事業系統図〕


(注) 1.連結子会社HIROSE TRADING HK LIMITED、LION PAYMENT UK LTD.、HIROSE CONSULTING VIETNAM COMPANY LIMITED及びHirose Solutions Limitedは、重要性が乏しいため、事業系統図には記載しておりません。

2.店頭証券CFD取引は、重要性が乏しいため、事業系統図には記載しておりません。

 

 

(1) 当社グループの事業内容

① 外国為替証拠金取引について
イ 当社グループが行う外国為替証拠金取引の特徴

当社グループが行う外国為替証拠金取引は、24時間取引(*4)が可能であり、顧客が証拠金を預託することにより、預託した金額またはその数倍の金額の外貨を売買することでその差金を授受することができる取引であります。また、外国為替取引の商慣習である通常2営業日後に実行される受渡し期日を繰延べすることにより、決済を行うまでポジション(*5)を保有し続けることが可能となっております。

当社グループが行う外国為替証拠金取引は、当事者間の相対取引でありますが、顧客との取引により生じる自己ポジションの為替変動リスクを回避するため、原則として顧客の注文を直接カバー先へ繋げることで自己ポジションを可能な限り保有しない方針をとっております。自己ポジションを保有した場合でも、当社規程に基づきリスクを限定するよう管理を行っております。また、当社グループの特徴として、国内外の実績ある銀行等金融機関20社以上と取引を行っており、取引先の提示する中で最良のレートを顧客へ配信することが可能となっております。過度なリスクをとらず、顧客にとっての最良のレートを提供し続けることで、安定して公平な取引環境を提供し続けることに加え、投資単位を一般的な10,000通貨単位ではなく1,000通貨単位を主とすることにより、初心者も含めた幅広い層の顧客が投資に親しむことができる環境を提供しております。

 

ロ 外国為替証拠金取引の仕組み

a ロスカット制度

当社グループでは、顧客の資産を保全する目的で、顧客口座の有効比率(*6)が100%を下回った時点で、自動的に顧客の保有ポジションの全部を反対売買して決済する自動ロスカット制度を取り入れております。

 

 

b レバレッジ

外国為替証拠金取引は、少額の資金でその数倍の外貨を売買することが可能であり、この仕組みをレバレッジといいます。レバレッジを使うことで少額の資金で高い投資収益が期待できる反面、為替相場が予想と反対に変動した場合は高い投資損失を被る危険性があります。

当社及び連結子会社JFX株式会社において、個人投資家に対しては「金融商品取引業等に関する内閣府令」によるレバレッジ規制の対象となっており、取引証拠金に対して最大25倍までの取引が可能となっております。

なお、連結子会社HIROSE FINANCIAL UK LTD.、Hirose Financial MY Limited及びHirose Solutions Limitedは、事業エリアが海外であるため、各国の規制等に基づきレバレッジを設定しております。

 

(レバレッジ説明図)

<米ドル/円100円の時>

~レバレッジ1倍~

100万円の資金を取引証拠金として預け入れ、1ドル100円のレートの時に1万ドル買った場合、預け入れ額100万円で100万円分のドルを買っているため、投資金額と等倍となり、レバレッジ1倍の取引となります。

 


 

~レバレッジ10倍~

10万円の資金を取引証拠金として預け入れ、1ドル100円のレートの時に1万ドル買った場合、預け入れ額10万円で100万円分のドルを買っているため、投資金額の10倍となり、レバレッジ10倍の取引となります。

 


 

※ 各通貨のレートは仮定の数値であり、実際のレートとは異なります。

 

 

c スワップポイント

スワップポイントとは、2国間の通貨を交換することによって発生する金利差額のことをいいます。外国為替取引の商慣習では、2営業日後に金銭の受渡しが実行されますが、外国為替証拠金取引では、ロールオーバー(*7)を行うことで受渡日を繰延べ、長期に渡りポジションを保有することが可能となっております。このポジション保有中は、2国間のスワップポイントを受取りもしくは支払うことになります。例えば、金利の高い豪ドルを買って金利の低い日本円を売る豪ドル/円の買いポジションを保有している場合、買っている豪ドルの金利を受取り、売っている円の金利を支払わなければなりません。このときの金利差額がプラスであれば2国間のスワップポイントを受取ることができ、反対にマイナスであれば支払うことになります。

 

(スワップポイント説明図)

 


 


 

※ 各通貨の金利は仮定の数値であり、実際の金利とは異なります。

 

 

ハ 収益構造

a カバー取引による収益

外国為替証拠金取引は、当事者間の相対取引でありますが、顧客との取引により生じたポジションは、為替が顧客に有利に動いた場合は当社の損失に、反対に不利に動いた場合は当社の利益に繋がることになり、為替変動によるリスクを伴っております。当社は、この為替変動リスクを回避し、安定的な収益を確保するため、複数のカウンターパーティからレートを取得し、最良のレートを提示しているカウンターパーティと速やかにカバー取引を行っております。カバー取引の際は、顧客が当社に注文した約定価格と当社がカウンターパーティに注文した約定価格の差額が収益になります。例えば、顧客が米ドル/円を100.001円で当社に買い注文を出した場合、顧客と同注文をカウンターパーティに発注します。当社がカウンターパーティに出した買い注文が100.000円で約定した場合、顧客とのポジションの差額0.001円が当社の収益となります。

 


 

※ 各通貨のレートは仮定の数値であり、実際のレートとは異なります。

 

 

b 為替マリーによる収益

当社は、顧客との取引により生じるポジションの為替変動リスクを回避するため、原則としてカバー取引を行っておりますが、カバー取引を行っていない取引については保有する同一通貨の買い注文、売り注文のポジションを社内において相殺させる為替マリーを行っております。例えば、それぞれの顧客から同通貨の売り注文が合計8Lot、買い注文が合計18Lot発注された場合、同数量である8Lotにつき為替マリーが可能となります。このとき為替マリーができたポジションは、当社が顧客に提示する売りレートと買いレートの差額のすべて(売りレート99.998円、買いレート100.001円であれば、0.003円)が収益となります。為替マリーを行わずにカバー取引を行った場合は当社が顧客に提示するレートとカウンターパーティが提示するレートの差額(当社提示買いレート100.001円、カウンターパーティ提示買いレート100.000円であれば、0.001円)のみが収益となることに比べ、高い収益を見込むことができます。複数の顧客からの注文で売りと買いがほぼ同じタイミングでマッチングすることが多く、マッチングしない分についてだけリスクを回避するためにカバー取引を行っております。顧客との取引から生じるポジションをリアルタイムでシステムが計算し、為替マリーができなかった当社保有のポジションを解消するためカウンターパーティとの間で速やかにカバー取引を行っております。

 

(為替マリー説明図)

 


 

※ 各通貨のレートは仮定の数値であり、実際のレートとは異なります。

 

c スワップポイントによる収益

スワップポイントは異なる通貨間の金利差のことであり、低金利国の通貨で高金利国の通貨を購入することで金利差が生まれ、保持しているだけで金利が得られる仕組みのことであります。

当社と顧客との間に発生するスワップポイントと、当社とカウンターパーティとの間に発生するスワップポイントがあり、それらの差額が当社の収益となります。

 

d カウンターパーティとしての収益

当社と外国為替証拠金取引契約を締結している他の金融商品取引業者において、当社が契約先のカウンターパーティになり、契約先の注文を受注することで上記 a カバー取引による収益、b 為替マリーによる収益、c スワップポイントによる収益が発生いたします。

 

 

② ホワイトラベルサービスについて

当社が提供する外国為替証拠金取引システムの「LION FX」は、大容量の情報処理を可能とするサーバ製品を採用しており、その特徴を活かし金融商品取引業者向けにカスタマイズを行いホワイトラベルサービスを提供しております。また、当社がホワイトラベル提供先のカウンターパーティになり、ホワイトラベル提供先の注文を受注することで、当社に上記 a カバー取引による収益、b 為替マリーによる収益、c スワップポイントによる収益が発生いたします。当社をカウンターパーティとする外国為替証拠金取引にかかる取引収益及び当社からホワイトラベル提供先企業に対する収益分配額(リベート)はトレーディング損益に計上しております。

 

③ 店頭証券CFD取引

当社が提供する店頭証券CFD取引は、主要国の株価指数(日本N225、米国D30等9銘柄)、ETF(IT関連、米国半導体等14銘柄)を対象とした差金決済取引であります。

当社が行う店頭証券CFD取引は、当事者間の相対取引でありますが、顧客との取引により生じる自己ポジションの価格変動リスクを回避するため、原則として顧客の注文を直接カバー先へ繋げることで自己ポジションを可能な限り保有しない方針をとっております。自己ポジションを保有した場合でも、当社規程に基づきリスクを限定するよう管理を行っております。

 

④ 海外事業

当社が日本国内で培ってきたノウハウをグローバルに展開するため、HIROSE FINANCIAL UK LTD.、Hirose Financial MY Limited及びHirose Solutions Limitedにて海外の顧客をターゲットに、外国為替証拠金取引等の金融商品取引を展開しております。
 なお、HIROSE FINANCIAL LIMITEDは海外子会社に対する取引システムの提供、HIROSE BUSINESS SERVICE SDN. BHD.は海外子会社に対するコールセンター業務の提供、LION PAYMENT UK LTD.はカード決済事業、HIROSE CONSULTING VIETNAM COMPANY LIMITEDは市場調査、HIROSE TRADING HK LIMITEDは出版事業を行っております。また、HIROSE TRADING HK LIMITEDはアジア市場における外国為替証拠金取引事業を行うため、事業体制を構築中であります。

 

⑤ 当社グループの事業における特徴

当社グループは、幅広い投資家層に投資を身近に感じてもらえる金融商品取引業者となるため、顧客のニーズの実現を第一義として事業を展開しております。また、当社グループの事業における特徴としては、「低コストでの取引環境提供」、「顧客サービスの徹底」、上記④に記載の「海外事業」の3点が挙げられます。

 

イ 低コストでの取引環境提供

当社グループでは、幅広い投資家層にとって投資を身近に感じてもらうことができるよう、低スプレッドでのサービス提供や、1,000通貨単位からの取引を手数料なしで提供する等、少額資金での取引が可能となっております。当社グループは、取引には高額な費用が必要だと考えていた潜在顧客の獲得に注力しており、特定の大口顧客の動向に左右されない営業基盤の構築に努めております。

 

 

ロ 顧客サービスの徹底

a 取引ツールについて

初心者の方から上級者の方まで、幅広く利用していただけるよう、使いやすさを追求して開発を重ねております。顧客が自身の環境に適した取引システム環境を選択することができます。

 

<取引ツールのタイプ>

・インストールタイプ(当社グループがおすすめする最新バージョンのツール)

・ブラウザタイプ(インターネット環境があれば使用可能なツール)

・Mac専用アプリ

また、iPadアプリ、iPhoneアプリ、Androidアプリ等のモバイルアプリも提供しており、操作性、機能性、コンテンツ等PC版並の機能を有しています。

 

b 取引ツールのバージョンアップについて

当社では「お客様の声」を何よりも大切にしております。月に1回程度のペースで実施しているツールのバージョンアップは、ホームページに設置しているご意見箱に寄せられたお客様のご意見等をもとに実施しています。

 


 

c お客様サポートの充実

外国為替証拠金取引は、24時間取引が可能な金融商品であるため、24時間対応の顧客サポートを外部委託ではなく、当社従業員にて実施しております。

パソコンに不慣れなお客様や、外国為替証拠金取引初心者の方でも安心して取引が行えるよう、電話サポート業務については長期の研修期間やテスト期間を設け、顧客サポート能力の向上、均一化に努めております。

 

d バリエーション豊かなキャンペーンについて

当社では、新規のお客様限定のキャンペーンから、既存のお客様に取引をしながら楽しんでいただけるキャンペーンまで様々なキャンペーンを毎月開催しております。

 

e 反省会の実施

FX取引で損益が思わしくなかったお客様を反省会にご招待し、食事をしながら勝つためのセミナーを開催しております。

 

 

(2) 外国為替証拠金取引における顧客預り資産の区分管理について

外国為替証拠金取引業者は、「金融商品取引法」第43条の3の規定により、顧客が金融商品取引業者等へ預けた金銭を金融商品取引業者等の固有財産と分別して管理することが義務付けられております。また、「金融商品取引業等に関する内閣府令」第143条第1項第1号により、利用者保護の充実を図るため、顧客より預託を受けた資産の区分管理の方法を金銭信託に一本化することが義務付けられました。当社及び連結子会社JFX株式会社は、株式会社三井住友銀行と顧客区分管理信託契約を締結しており、顧客の資産は信託財産として保全されております。

また、内部管理責任者である受益者代理人(甲)が、信託財産の確認等日々の信託状況の管理を行っており、万一当社が破綻した場合には、社外弁護士である受益者代理人(乙)が顧客の資産の返還作業を行います。

信託財産の管理は、毎営業日ごとに算定を行い、追加信託がある場合は算定日の翌日から起算して2営業日以内に追加信託を行います。

 

(区分管理信託説明図)

 


 

 

用語解説

*1 ホワイトラベルサービス

ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)サービスやシステムを他社に提供することにより、提供先の独自ブランドとして、一般顧客(エンドユーザー)へのサービス提供を可能とするサービスパッケージをいいます。

*2 カウンターパーティ

デリバティブ取引や外国為替取引等の取引の相手方のことをいいます。

*3 カバー取引

顧客からの売買注文による為替変動リスクを回避するため同一の売買注文をカウンターパーティに発注することをいいます。

*4 24時間取引

月曜日7:00~土曜日6:00 (ただし、米国がサマータイム適用時は月曜日6:00~土曜日5:00)

*5 ポジション

新規注文が約定した後、未決済の状態にある外国為替証拠金取引の持高をいいます。

*6 有効比率

有効証拠金(顧客から預け入れた金額に評価損益を加減算した金額)

×

100

必要証拠金(ポジションを建てるため及び維持するために最低限必要な金額)

 

*7 ロールオーバー

外国為替取引の商慣習である2営業日後の金銭の受渡日を繰延べるため、1日1日決済日を順延していく取引手法をいいます。

 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で長く停滞していた経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、不安定な国際情勢や資源・エネルギー価格の高騰による物価上昇、世界的な金融引締めなどの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

こうした環境のもと、当社グループの関連する金融商品取引市場におきましては、政府・日銀による円買い・ドル売り介入への警戒感や日銀のマイナス金利政策の早期解除観測、FRBの早期利下げ観測を受けた米金利の低下などにより一時円高に転じる場面もありましたが、概ね日米金利差が開いた状況が続くとの見方から円安基調で推移し、3月には日銀がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する姿勢を示したことから151円台半ばで期末を迎えました。

この様な状況の中、当社グループは、ボラティリティの上昇、世界的な金利上昇に伴うスワップ目的の取引機会が増加することを見込み、2023年6月より「LION FX」において新たにチェココルナ/円・イスラエルシュケル/円・タイバーツ/円の取扱いを開始して通貨ペアを54種類に、株価の上昇に伴い2023年11月には「LION CFD」において新たにIT関連、米国半導体等ETF14銘柄の取扱いを開始して23銘柄(株価指数CFD9種、ETF CFD14種)に増やすなど、取引環境の拡充を行いました。

また、上記の状況を踏まえ、これまでに取引経験が少ない顧客の取引のサポートを目的として自動でテクニカルの有効性を確認できる「LIONシグナルマップ」のスマートフォン用ツールのリリース、「LIONチャートPlus+」にテクニカルの売買サインに沿って自動注文する機能の追加、休眠していた顧客の取引復活に備え、パソコン並の高機能が満載の新アプリ「LION FX5」のAndroid版や、取引情報に高金利通貨に特化した情報を確認できる「高金利通貨ニュース」、従来の方法よりも厳重なログイン方法である二段階認証を導入し、セキュリティを強化するなど、顧客ニーズの実現に取り組みました。

さらに、2022年より継続・拡大している看板広告の宣伝効果によりFX取引がさらに増加することを見込み、豪ドル円のスプレッドの縮小や、新規口座開設キャッシュバックキャンペーンの強化、最大55%スワップポイント増額キャンペーンの新設、魅力的な食品キャンペーンなど、取引意欲が向上するような各種施策にも努めました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a . 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して15,345,571千円増加して、119,070,342千円となりました。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して13,057,395千円増加して、101,564,282千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して2,288,175千円増加して、17,506,060千円となりました。

 

b . 経営成績

当連結会計年度の営業収益は10,713,360千円(前期比3.8%増)、純営業収益は10,672,350千円(同4.3%増)、営業利益は4,256,336千円(同18.7%増)、経常利益は4,255,002千円(同18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,925,446千円(同21.5%増)となりました。

なお、当社グループの事業セグメントは、金融商品取引事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ40,835千円

増加し6,037,948千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により支出した資金は306,578千円(前連結会計年度は、126,804千円の収入)となりました。これは主に受入保証金の増加による収入5,352,255千円、トレーディング商品(負債)の増加による収入4,499,259千円、税金等調整前当期純利益による収入4,255,002千円等があった一方、預託金の増加による支出11,101,000千円、トレーディング商品(資産)の増加による支出1,615,723千円、未収収益の増加による支出1,312,108千円、短期差入保証金の増加による支出1,204,827千円等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は314,036千円(前連結会計年度は、32,974千円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入5,725,000千円等があった一方、定期預金の預入による支出5,995,000千円、無形固定資産の取得による支出39,349千円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は546,992千円(前連結会計年度は、1,143,667千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増額1,800,000千円等があった一方、長期借入金の返済による支出500,000千円、自己株式の取得による支出529,665千円等があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a . 生産実績及び受注実績

当社グループの事業内容は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b . 販売実績

当社グループの事業内容は、提供するサービスの性格上、販売実績の記載になじまないため、当該記載を以下(a)~(d)に置き換えて記載しております。

なお、当社グループの事業セグメントは、金融商品取引事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(a) 営業収益

 

 

 

(単位:千円)

区分

第20期連結会計年度
(自  2022年4月1日
  至  2023年3月31日)

第21期連結会計年度
(自  2023年4月1日
  至  2024年3月31日)

前年同期比
(%)

営業収益

 

 

 

 トレーディング損益

10,248,691

10,697,722

104.4

 金融収益

3,086

4,948

160.3

 その他の売上高

66,502

10,688

16.1

合計

10,318,279

10,713,360

103.8

 

 

(b) 外国為替受入証拠金

 

 

 

(単位:千円)

区分

第20期連結会計年度
(2023年3月31日)

第21期連結会計年度
(2024年3月31日)

前年同期比
(%)

外国為替受入証拠金

72,976,247

78,278,242

107.3

 

 

(c) 通貨別取引高

 

 

 

 

 

区分

第20期連結会計年度
(自  2022年4月1日
  至  2023年3月31日)

第21期連結会計年度
(自  2023年4月1日
  至  2024年3月31日)

前年同期比
(%)

米ドル/円

(百万米ドル)

6,443,141

5,797,146

90.0

ユーロ/円

(百万ユーロ)

335,907

271,654

80.9

ポンド/円

(百万ポンド)

935,741

559,059

59.7

豪ドル/円

(百万豪ドル)

583,028

428,307

73.5

NZドル/円

(百万NZドル)

64,410

55,249

85.8

南アフリカランド/円

(百万ランド)

50,784

49,724

97.9

ユーロ/米ドル

(百万ユーロ)

406,138

201,747

49.7

ポンド/米ドル

(百万ポンド)

242,321

102,416

42.3

豪ドル/米ドル

(百万豪ドル)

203,115

153,057

75.4

その他

(百万通貨単位)

897,547

1,015,064

113.1

合計

(百万通貨単位)

10,162,137

8,633,428

85.0

 

(注) 1.通貨別取引高には外国為替証拠金取引業者とのホワイトラベルサービス取引及びカバー取引を含んでおります。

2.当社及び連結子会社4社(JFX株式会社、HIROSE FINANCIAL UK LTD.、Hirose Financial MY Limited及びHirose Solutions Limited)の合算数値を記載しております。

 

 

(d) 自己資本規制比率

(ヒロセ通商株式会社)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

区分

第20期事業年度末

(2023年3月31日)

第21期事業年度末

(2024年3月31日)

基本的項目

(A)

13,247,475

14,937,012

補完的項目

(B)

544,893

36,247

 

その他有価証券評価差額金(評価益)等

 

44,893

36,247

 

金融商品取引責任準備金等

 

 

一般貸倒引当金

 

 

長期劣後債務

 

 

短期劣後債務

 

500,000

控除資産

(C)

1,166,160

1,544,092

固定化されていない自己資本

(A)+(B)-(C)

(D)

12,626,208

13,429,166

リスク相当額

(F)+(G)+(H)

(E)

1,740,785

1,707,942

 

市場リスク相当額

(F)

1,300

3,225

 

取引先リスク相当額

(G)

231,688

257,952

 

基礎的リスク相当額

(H)

1,507,796

1,446,764

自己資本規制比率

(D)/(E)×100

 

725.3%

786.2%

 

 

(JFX株式会社)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

区分

第20期事業年度末

(2023年3月31日)

第21期事業年度末

(2024年3月31日)

基本的項目

(A)

1,993,276

2,745,988

補完的項目

(B)

 

その他有価証券評価差額金(評価益)等

 

 

金融商品取引責任準備金等

 

 

一般貸倒引当金

 

 

長期劣後債務

 

 

短期劣後債務

 

控除資産

(C)

80,420

100,909

固定化されていない自己資本

(A)+(B)-(C)

(D)

1,912,856

2,645,078

リスク相当額

(F)+(G)+(H)

(E)

166,210

170,798

 

市場リスク相当額

(F)

 

取引先リスク相当額

(G)

1,414

340

 

基礎的リスク相当額

(H)

164,796

170,458

自己資本規制比率

(D)/(E)×100

 

1,150.8%

1,548.6%

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a . 財政状態の分析
(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して15,345,571千円増加して、119,070,342千円となりました。これは主に顧客区分管理信託の増加11,101,000千円、デリバティブ取引(資産)の増加1,615,723千円、外国為替取引未収収益の増加1,311,995千円、外国為替差入証拠金の増加1,219,884千円等により流動資産が15,280,191千円増加したことによるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して13,057,395千円増加して、101,564,282千円となりました。これは主に外国為替受入証拠金の増加5,301,994千円、デリバティブ取引(負債)の増加4,499,259千円、外国為替取引未払費用の増加2,056,081千円、短期借入金の増加1,800,000千円等があった一方、1年内返済予定の長期借入金の減少500,000千円等により、流動負債が13,038,052千円増加したことによるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して2,288,175千円増加して17,506,060千円となりました。これは主に利益剰余金の増加2,683,621千円等があった一方、自己株式の取得により528,960千円減少したことによるものです。

 

 

b . 経営成績の分析

(営業収益)

当連結会計年度における営業収益は10,713,360千円(前期比3.8%増)となりました。これは主に、顧客向けの取引ツールに通貨ペア及び銘柄の追加やバージョンアップ、セキュリティの強化、大阪市内の主要駅に看板広告の設置、魅力的なキャンペーン等を実施したことによるものです。

 

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は4,256,336千円(前期比18.7%増)となりました。これは主に、営業収益が前連結会計年度と比較して395,080千円増加した一方、取引高に連動する費用が減少したこと等により販売費及び一般管理費が226,436千円減少したことによるものです。

 

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は4,255,002千円(前期比18.7%増)となりました。これは主に、営業利益が669,921千円増加したことによるものです。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は2,925,446千円(前期比21.5%増)となりました。これは主に、経常利益が669,511千円増加した一方、法人税、住民税及び事業税が179,814千円増加したことによるものです。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カバー取引を行うためにカウンターパーティに差入れている外国為替差入証拠金であります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は主に自己資金及び金融機関等からの借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7,600,000千円となっており、現金及び現金同等物の期末残高は6,037,948千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要な事業は外国為替証拠金取引事業であり、顧客の取引高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼします。顧客の取引高は為替の変動率が高いときには増加する傾向にあり、反対に為替の変動率が低いときには減少する傾向にあることから、為替変動率は経営成績に重要な影響を与える要因であると考えております。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

国内の外国為替証拠金取引業界においては、新規顧客の獲得や取引高の増加に向けた競争が激化しております。このような環境の中、当社グループでは顧客基盤の拡大を目指し、少額からの取引が可能な仕組みの導入、顧客にとって使い勝手のよい取引システムの構築、丁寧な電話対応サービス、独自性の高いキャンペーンの実施等に取り組んでまいりました。

また、これらの施策を国内だけでなく海外でも行うべく英国にHIROSE FINANCIAL UK LTD.及びLION PAYMENT UK LTD.、香港にHIROSE TRADING HK LIMITED及びHIROSE FINANCIAL LIMITED、マレーシアにHirose Financial MY Limited及びHIROSE BUSINESS SERVICE SDN. BHD.、ベトナムにHIROSE CONSULTING VIETNAM COMPANY LIMITED、アンティグア・バーブーダにHirose Solutions Limitedを設立し、更なる業容の拡大を目指しております。

しかしながら、今後も成長を続けていくには国内外の顧客からの信頼獲得や人材の育成が不可欠と考えております。そのために当社グループがこれまで培ってきたノウハウを最大限に活かしてブランディングの強化を行うとともに、世界中の顧客に対して質の高い取引環境やサービスを提供していけるよう努めていく所存であります。
 

セグメント情報

(セグメント情報等)
【セグメント情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当社グループの事業セグメントは、金融商品取引事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

当社グループの事業セグメントは、金融商品取引事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 営業収益

連結損益計算書の営業収益の90%以上を占めるトレーディング損益は、顧客等との外国為替証拠金取引等によって生じる損益とカバー取引によって生じる損益との差額であるため、特定の顧客に帰属する営業収益を算定することはできず、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

連結損益計算書の営業収益の90%以上を占めるトレーディング損益は、顧客等との外国為替証拠金取引等によって生じる損益とカバー取引によって生じる損益との差額であるため、特定の顧客に帰属する営業収益を算定することはできず、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 営業収益

連結損益計算書の営業収益の90%以上を占めるトレーディング損益は、顧客等との外国為替証拠金取引等によって生じる損益とカバー取引によって生じる損益との差額であるため、特定の顧客に帰属する営業収益を算定することはできず、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

連結損益計算書の営業収益の90%以上を占めるトレーディング損益は、顧客等との外国為替証拠金取引等によって生じる損益とカバー取引によって生じる損益との差額であるため、特定の顧客に帰属する営業収益を算定することはできず、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
  該当事項はありません。
 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
  該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

該当事項はありません。