2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 20,405 100.0 N/A N/A N/A

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社6社で構成され、住宅ローンの貸付を中心とした住宅金融事業を行っています。当社グループにおける2024年3月31日現在の会社の名称及び取引関係の概要は、「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4関係会社の状況」に記載のとおりであります。

 

当社の住宅ローンは、主に貸金業法に基づく貸金業者として、証券化を資金調達手段とした住宅ローンのオリジネート(貸付)とサービシング(回収)を行う、いわゆるモーゲージバンク事業(注1)であります。加えて、銀行法に基づく銀行代理業者として提携金融機関の住宅ローンを代理で販売しております。また、グループ会社のSBIエステートファイナンス株式会社では売却つなぎローンや不動産担保ローンなどを取り扱っています。

当社グループが融資実行した住宅ローンは原則として証券化され、また、代理で販売した住宅ローン商品等は当社グループのバランスシートに計上されないため、当社グループの住宅ローンは信用リスクや金利リスクが最小化されたフィービジネスとしての特徴を有しております。

当社グループは年間約20兆円(注2)の住宅ローン市場で、14年連続シェアNo.1(注3)を獲得している「ARUHIフラット35(及びARUHIスーパーフラット)」をはじめ、銀行代理商品、「ARUHI住宅ローン(MG保証)」及び「ARUHI スーパー40」といった当社オリジナルの変動金利住宅ローン商品、住宅ローン補完商品「ARUHIフラットつなぎ」等に加え、各種保険の取扱いを行っています。また、グループ会社で取り扱っている個人のお客さま向けの不動産担保ローン、売却つなぎローン、リースバック、不動産事業者向けの仕入資金ローンなどの多岐にわたる商品ラインアップ、全国100以上の拠点(注4)、非対面チャネルの活用など、お客さまの多様なニーズにきめ細かく対応できる営業体制を整備しております。

 

(注)1.具体的には、まず当社でオリジネートされた住宅ローン債権は、原則として、独立行政法人住宅金融支援機構(以下、「住宅金融支援機構」という。)や信託銀行などの金融機関にそれぞれ債権譲渡されます。その後、当該住宅ローン債権を裏付資産とする住宅ローン担保証券(Residential Mortgage-Backed Securities)又は信託受益権が発行され、投資家へ販売されます。これにより、当社は資金調達リスク、金利変動リスク、信用リスクなど事業運営にかかわる各種リスクの最小化を図っております。また、当社は住宅金融支援機構や信託銀行などの金融機関から委託を受けて、債権譲渡後の住宅ローンに関する債権の管理・回収を行っております。

2.出典:住宅金融支援機構(2022年度)

3.融資実行件数ベース(当社調べ)

4.2024年3月末時点

 

なお、当社グループは住宅金融事業の単一セグメントであり、区分すべき事業セグメントが存在しないためセグメント別の記載は省略しておりますが、業務区分ごとの内容を以下に記載しております。

 

①融資実行業務

当社は「ARUHIフラット35」をはじめ、さまざまな住宅ローン商品を、住宅ローンを希望するお客さまに対して提供しております。当業務における主な収入は当社が融資実行した際に受領するオリジネーション・フィー売上(実行金額に一定の料率を乗じて算出。)であり、主な費用はFC運営法人へ支払う支払手数料(オリジネーション・フィー売上の約50%)であります。

 

②ファイナンス業務

当社は、住宅ローンの融資実行により発生した貸付債権を対象として、債権流動化・証券化を実施することで資金調達を行っております。また、融資実行後、債権流動化・証券化を実施するまでの間、当社が貸付債権を保有する場合には、主に銀行借入により資金調達を行っております。当業務における主な収入は、貸付債権の債権譲渡時に発生する貸付債権流動化関連収益(債権譲渡の対象となる貸付債権について、当社が受け取る権利を有している金利スプレッド等の将来キャッシュ・フローを公正価値で評価し収益認識するもの。)、当社で保有している貸付債権から発生する利息収入及び不動産担保ローン等による利息収入であります。

 

③債権管理回収業務

当社は、主に当社が融資実行した住宅ローン債権について、住宅金融支援機構や信託銀行などの金融機関から委託を受けて、債権譲渡後の住宅ローンに関する債権の管理回収業務を受託しております。当業務における主な収入は、当社が住宅金融支援機構等から受領するサービシング・フィー売上であります。なお、住宅ローンの債権譲渡により会計上認識される回収サービス資産について、期中回収分をサービシング・フィー売上に含めております。

 

 

④保険関連業務

当社は住宅ローンの販売に際して、住宅金融支援機構や保険会社からの業務委託を受けて、保険の申込受付や販売代理業務等を行っております。また、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険や全疾病保障特約付の保険商品等の取扱いに関する業務を行っております。当業務における主な収入は、保険代理店手数料売上及び団体信用生命保険料売上であります。

 

⑤その他業務

その他業務の主な売上の内容は、販売用不動産、不動産リースバック及び家賃保証等による売上、事務受託業務による売上等であります。

 

(取扱商品)

2024年3月末現在当社が取り扱っている主な住宅ローン商品は次のとおりであります。

種別

商品名

資金使途

説明

全期間固定

金利商品

ARUHI フラット20

ARUHI フラット35

新規借入

及び借換

住宅建設費(土地取得費を含む。)や住宅購入価格の10割以下までの借入が可能。繰上返済手数料が無料。

ARUHI フラット20は最長20年、ARUHI フラット35は最長35年の全期間固定金利のローン。

ARUHI フラット50は、長期優良住宅を取得する場合に利用できる最長50年の全期間固定金利のローン。

住宅金融支援機構の証券化支援事業(買取型)(注1)を活用し、住宅金融支援機構に対し住宅ローン債権を譲渡。

ARUHI フラット50

新規借入

ARUHIスーパーフラット5~

ARUHIスーパーフラット9・ARUHIスーパーフラット借換(全9商品)

 

新規借入

及び借換

 

手持金に応じて、ARUHI フラット35より低金利で利用可能。住宅金融支援機構の証券化支援事業(保証型)(注2)を活用し、当社で住宅ローン債権を証券化。

変動金利商品

ARUHI 住宅ローン
(MG保証)

新規借入

住宅建設費(土地取得費を含む。)や住宅購入価格の10割及び住宅購入に伴う諸費用の借入が可能な最長35年の変動金利、短期固定金利及び全期間固定金利のローン。MG保証株式会社が保証会社となり、当社で住宅ローン債権を証券化。

ARUHI スーパー40

新規借入

住宅建設費(土地取得費を含む。)や住宅購入価格の10割及び住宅購入に伴う諸費用の借入が可能な最長40年の変動金利(短期固定金利を含む。)タイプのローン。静銀信用保証株式会社が保証会社となり、当社で住宅ローン債権を証券化。

銀行代理

商品

住信SBIネット銀行の住宅ローン

新規借入

及び借換

当社が住信SBIネット銀行株式会社の銀行代理業者として販売する住宅ローン。

auじぶん銀行の

住宅ローン

新規借入

及び借換

当社がauじぶん銀行株式会社の銀行代理業者として販売する住宅ローン。

ソニー銀行の

住宅ローン

新規借入

及び借換

当社がソニー銀行株式会社の銀行代理業者として販売する住宅ローン。

 

 

種別

商品名

資金使途

説明

変動金利商品

(付帯商品)

ARUHI フラットα

新規借入

ARUHI フラット35(融資比率9割以下)と組み合わせることで物件価格の10割まで借入が可能となる変動金利タイプのパッケージローン。

ARUHI フラットつなぎ

つなぎ

融資

フラット関連商品において、土地取得資金、着工金等の住宅建築過程で必要な資金及び中古住宅購入後にリフォームをする過程で必要な資金を対象としたローン。

ARUHI 変動つなぎ

つなぎ

融資

ARUHI 住宅ローン(MG保証)及びARUHI スーパー40において、土地取得資金、着工金等の住宅建築過程で必要な資金及び中古住宅購入後にリフォームをする過程で必要な資金、諸費用を対象としたローン。

住み替え関連

商品

ARUHI 住み替え実現ローン

つなぎ

融資

現在所有している住宅の買替えに必要な買替え先の居住用住宅購入資金、住宅ローン事前完済資金及びリフォーム資金、諸費用等を対象としたつなぎ融資。

 

 (注)1.住宅金融支援機構が、民間金融機関が融資する長期固定金利の住宅ローン債権を買い取り、証券化を行う制度。

2.住宅金融支援機構が、民間金融機関が融資する長期固定金利の住宅ローンについて、住宅ローン利用者が返済不能となった場合に民間金融機関に対し保険金の支払いを行う住宅融資保険(保証型用)を引き受け、当該住宅ローン(その信託の受益権を含む。)を担保として発行された債券等に係る債務の支払いについて、投資家に対し期日どおりの元利払い保証を行う制度。

 

(販売チャネル)

当社グループは、リアルチャネルであるFC店舗、直営店舗及び直販拠点(ホールセール営業)に加え、来店不要で手続きが可能な非対面チャネルを配置しております。

リアルチャネルは、お客さまの意思決定を左右する不動産事業者へのアプローチに加え、来店されるお客さま及び非対面チャネルにて相談等を行った来店希望のお客さまに対して、相談受付から融資実行までのサービスを提供しております。非対面チャネルは、相談受付から融資実行まで来店不要で利便性の高いサービスを提供しており、お客さまが自らの希望に合わせてリアルチャネルと非対面チャネルを自由に行き来できるよう、チャネルの融合を推進しております。

店舗・拠点展開は、アプローチ対象である不動産事業者の規模や物件種別、地域の住宅需要等を勘案し、出店計画を立てております。

 

販売チャネルごとの特徴は次のとおりであります。

区分

特徴

FC店舗

フランチャイズ方式を採用して全国に店舗を展開しております。来店されるお客さま及び非対面チャネルにて相談等を行った来店希望のお客さまに対して、相談受付から融資実行までのサービスを提供することに加えて、不動産事業者に向けた営業活動を行っております。

直営店舗

「フラット35」に加え、銀行代理による変動金利商品の取扱いや地域内の戦略的なセグメントに対する営業などを行っております。

直販拠点

(ホールセール営業)

マンション事業者及びハウスメーカーとの提携等を推進しており、アカウント別の営業を行っております。

非対面チャネル

Web申込やビデオチャットなどを活用することにより、来店不要で相談受付から融資実行まで手続きが可能なサービスを展開しております。

 

2024年3月末現在の地区別拠点数は次のとおりであります。

地区

FC店舗

直営店舗/

直販拠点

他取扱拠点

合計

北海道

1

1

2

東北

6

2

8

関東

30

10

2

42

甲信越

2

1

3

6

北陸

3

3

東海

6

2

8

近畿

16

1

17

中国・四国

7

2

9

九州・沖縄

9

3

12

80

22

5

107

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

事業系統図

 

 

 

(2024年3月31日現在)

(注)当社は、2024年6月1日にアルヒRPAソリューションズ(株)を吸収合併しました。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の営業収益は、20,405百万円(前年比9.7%減)となりました。銀行代理商品及び2023年8月に取扱いを開始した「ARUHI住宅ローン(MG保証)」といった変動金利商品の融資実行件数は前年比約3倍と大幅に増加したものの、固定金利と変動金利の金利差等を背景に「フラット35」市場が引き続き低調であったため、融資実行業務は前年比15.0%減少しました。融資実行業務の収益と連動する貸付債権流動化関連の収益が前年比で減少したことに加え、前年度の金融商品の公正価値の増加に伴う収益の計上額が大きかった反動もあり、ファイナンス業務は前年比27.4%減少しました。一方で、債権管理回収業務は前年比2.2%増加、保険関連業務は前年比7.2%増加と好調に推移したほか、新規事業等のその他業務はSBIエステートファイナンスを完全子会社化したことで前年比44.8%と大幅に増加しました。営業費用は、委託業務を含む人員配置の最適化・業務委託の見直し等による固定費の削減に努めましたが、SBIエステートファイナンスを完全子会社化した影響もあり18,064百万円(同1.6%減)となりました。その結果、税引前利益については2,327百万円(同43.5%減)、当期利益は1,488百万円(同46.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,517百万円(同46.2%減)となりました。なお、当社グループは住宅金融事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は20,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,247百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは3,425百万円の支出(前連結会計年度は1,495百万円の収入)となりました。これは主に、税引前利益が2,327百万円となり、受益権の減少2,364百万円のキャッシュの増加要因があった一方で、営業貸付金の増加4,708百万円、預り金の減少2,791百万円及び貸付債権流動化関連収益のうち当連結会計年度においてキャッシュ回収期にない2,361百万円のキャッシュ減少要因があったことによるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは544百万円の収入(前連結会計年度は712百万円の支出)となりました。これは主に、子会社の支配獲得による1,208百万円の収入によるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは6,128百万円の収入(前連結会計年度は5,846百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入16,500百万円、短期借入金の増加12,380百万円等のキャッシュ増加要因があった一方、長期借入金の返済による支出20,949百万円等のキャッシュの減少要因があったことによるものです。

 

③販売の実績

1)販売実績

当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりであります。なお、当社グループは住宅金融事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。

(単位:百万円(前年同期比を除く。))

業務

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

前年同期比

融資実行業務

7,503

85.0%

ファイナンス業務

4,542

72.6%

債権管理回収業務

3,132

102.2%

保険関連業務

3,452

107.2%

その他業務

1,774

144.8%

合計

20,405

90.3%

(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。

 

 

2)融資実行業務売上及び件数

当連結会計年度における融資実行業務売上の内訳は、次のとおりであります。

(単位:百万円(前年同期比を除く。))

区分

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

前年同期比

新規借入

7,466

85.9%

借換

36

26.5%

合計

7,503

85.0%

(注)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりであります。

(単位:件(前年同期比を除く。))

区分

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

前年同期比

新規借入

11,603

80.3%

借換

116

30.2%

合計

11,719

79.0%

 

 

(参考情報)

投資情報としての有用性の観点から、参考情報として2020年3月期から2024年3月期に係る四半期ごとの実行件数を以下に記載しております。

 

1)新規借入

(単位:件)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

2020年3月期

5,761

6,756

6,202

6,568

25,287

2021年3月期

5,644

6,199

6,393

6,133

24,369

2022年3月期

5,699

5,107

4,795

4,460

20,061

2023年3月期

3,978

3,588

3,542

3,344

14,452

2024年3月期

2,634

2,702

3,231

3,036

11,603

 

 

2)借換

(単位:件)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

2020年3月期

300

440

441

214

1,395

2021年3月期

166

255

306

300

1,027

2022年3月期

233

211

208

231

883

2023年3月期

159

96

66

63

384

2024年3月期

41

28

22

25

116

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末における資産は191,351百万円となり、前連結会計年度末に比べ42,735百万円増加いたしました。これは主にSBIエステートファイナンス(同社子会社含む)を連結範囲に含めたことにより、営業貸付金が35,947百万円増加したことによるものです。

 

当連結会計年度末における負債は149,398百万円となり、前連結会計年度末に比べ33,517百万円増加いたしました。これは主にSBIエステートファイナンス(同社子会社含む)を連結範囲に含めたことにより、借入債務及び社債がそれぞれ31,084百万円、2,900百万円増加したことによるものです。

 

当連結会計年度末における資本は41,953百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,217百万円増加いたしました。これは主にSBIエステートファイナンスを株式交換完全子会社とする株式交換に伴う新株式発行に加え、当期利益を1,488百万円計上した一方、配当により利益剰余金が1,601百万円減少したことによるものです。

 

2)経営成績

経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

経営成績に重要な影響を与える要因についての分析は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

2)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、住宅金融事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

1)資金調達の基本方針

当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として金銭消費貸借契約やコミットメントライン等による銀行等からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行や住宅ローン債権等の債権譲渡・流動化による資金調達を行っております。

 

2)資金需要の主な内容

当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金需要と貸付資金需要の2つになります。運転資金需要は主に、人件費、販売費及び一般管理費、システム開発、証券化に係る準備金や未収債権などであり、貸付資金需要は、お客さまへの住宅ローンの融資実行や当社子会社が提供する不動産事業者への仕入資金ローン等の融資実行のための資金需要になります。住宅ローンの融資実行は、基本的に貸付債権を融資実行後遅滞なく債権譲渡・流動化を行い資金化するため、融資実行から資金化までの短期間であり、当社子会社が提供する不動産事業者への仕入資金ローン等は、融資実行から返済期日まで一定期間の資金需要になります。

 

3)資金調達手段

当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用を行うとともに、金融機関からの借入、貸付債権の譲渡及び貸付債権を裏付資産とする信託受益権の売却などを行っております。

このようなオペレーションを行うに当たり、複数の金融機関から金銭消費貸借契約等による長期の借入やコミットメントライン等による十分な借入枠の確保を行うとともに、安定的に貸付債権の流動化が実施できる環境整備を行うなど、円滑な事業活動に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。

また、当社グループは、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しております。2024年3月31日現在の格付けは次のとおりであります。当社グループとしては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針であります。

 

格付機関名

長期発行体格付

見通し

コマーシャル・

ペーパー

株式会社格付投資情報センター

(R&I)

 A-

安定的

a-1

株式会社日本格付研究所

(JCR)

A

安定的

J-1

 

③重要性がある会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられるさまざまな要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。

a.のれんの評価

当社グループは、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けした際の買収価額と純資産の公正価値との差額をのれんとして認識しております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、年1回回収可能価額を見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。

減損判定における資金生成単位の回収可能価額は、見積り・前提を使用するため、見積り・前提は減損が認識されるか否かの判定及び認識される減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しております。見積将来キャッシュ・フローは社内で作成した5ヶ年事業計画を使用し、付随する財務資料、内部資料等を加え、一般に入手可能な市場情報も考慮に入れております。割引率に株主資本コストを使用しております。

2024年3月31日時点における評価の結果は、住宅金融事業の使用価値が帳簿価額を十分に上回っており、減損損失を認識することはありませんでした。

 

b.金融商品の公正価値

当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、市場価値に基づく価額により見積っております。市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価技法により見積っております。

これら金融商品のうち住宅ローン債権の債権譲渡により生じた受益権(配当受領権)は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、公正価値の評価においては、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)を将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用し、割引率等についても一定の前提条件を設定しております。

将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用するCPR、CDRについては、外部第三者機関の公表データを参照して見積っております。但し、一部のパッケージローンについては、CPRの見積りにおいて、外部第三者機関の公表データに、過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映しております。

 

 

セグメント情報

5.事業セグメント

(1) 一般情報

当社グループの事業内容は、長期固定金利の「フラット35」をはじめ、変動金利や固定選択型住宅ローンの貸付、回収及びこれに付帯する各種保険の販売等の住宅金融事業であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは単一となっております。

 

(2) サービスに関する情報

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

    至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

融資実行業務

8,829

39.1

7,503

36.8

ファイナンス業務

6,260

27.7

4,542

22.3

債権管理回収業務

3,065

13.6

3,132

15.4

保険関連業務

3,220

14.2

3,452

16.9

その他業務

1,224

5.4

1,774

8.7

合計

22,601

100.0

20,405

100.0

 

(3) 地域に関する情報

本邦以外の外部顧客への営業収益がないため、記載を省略しております。

 

(4) 主要な顧客に関する情報

外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める顧客からの売上収益の合計は3,448百万円であります。