人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数6,635名(単体) 39,192名(連結)
-
平均年齢43.7歳(単体)
-
平均勤続年数19.9年(単体)
-
平均年収7,306,609円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
日本 |
9,338 |
(2,204) |
米州 |
14,653 |
(713) |
欧州・アフリカ |
910 |
(278) |
中国 |
2,482 |
(334) |
アジア |
9,517 |
(1,418) |
インド |
2,292 |
(2,141) |
合計 |
39,192 |
(7,088) |
(注) 従業員数は就業人員数です。なお、臨時従業員数(派遣社員およびパートタイマー)は年間の
平均人員を( )外数で記載しています。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
6,635 |
(1,210) |
43.7 |
19.9 |
7,306,609 |
(注)1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループ
への出向者を含む)です。なお、臨時従業員数(派遣社員およびパートタイマー)は年間の平均人員を
( )外数で記載しています。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
3.当社は、「日本」の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員の状況の記載を省略しています。
(3)労働組合の状況
当社の労働組合は、全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しており、2025年3月末現在における組合員数は5,777人です。現在まで労使間に特別な紛争などはなく正常かつ円満に推移しています。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、次のとおり
算出しています。
当事業年度 |
|||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%)
(注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2 |
|||
正規雇用 労働者 |
パート ・ 有期労働者 |
全労働者 |
うち 正規雇用 労働者 |
うち パート ・ 有期労働者 |
|
3.6 |
63.6 |
33.0 |
79.1 |
78.4 |
84.9 |
(注)1.管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しています。
2.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。
なお、同一労働の賃金に差はなく、差異の主な要因は、①職能資格別の人員構成比差(上位の職能資格に
女性の割合が少ないこと)、②勤務時間・勤務形態の違い(短時間勤務、深夜勤務等)やそれに付随する
手当の支給有無によるものです。
特に、①については、2010年から女性活躍促進の取り組みを開始し、「女性リーダー養成研修」による本人
の意識向上や、産休・育休によるブランクを挽回する施策などを実施しています。その結果、女性管理職
比率は、0.4%(2011年3月)から3.6%(2025年3月)へ増加し、賃金差は縮小傾向にあります。また、新卒採用
においても女性比率を高めており、次の世代の管理職候補として、計画的な育成を進めています。当面は
男女の職能資格別の人員構成比を同等とすることを目標とし、取り組みを継続していきます。
② 連結子会社(国内)
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、次のとおり
算出しています。
ア)労働者数301人以上
当事業年度 |
||||||
名称 |
管理職に 占める 女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2 |
|||
正規雇用 労働者 |
パート ・ 有期労働者 |
全労働者 |
うち 正規 雇用 労働者 |
うち パート ・ 有期 労働者 |
||
TGロジスティクス㈱ |
1.6 |
16.7 |
- |
73.5 |
72.1 |
83.0 |
豊田合成九州㈱ |
0.0 |
77.8 |
- |
75.9 |
78.0 |
75.0 |
TGテクノ㈱ |
3.8 |
91.7 |
- |
74.0 |
79.4 |
73.5 |
(注)1.管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しています。
2.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。
なお、同一労働の賃金に差はなく、差異の主な要因は、職能資格別の人員構成比差(上位の職能資格の
人員数差)、および管理職比率の差によるものです。
3.「-」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しています。
イ)労働者数101人以上300人以下
当事業年度 |
|
名称 |
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注) |
海洋ゴム㈱ |
0.0 |
TGメンテナンス㈱ |
0.0 |
豊田合成日乃出㈱ |
0.0 |
豊田合成東日本㈱ |
0.0 |
一榮工業㈱ |
0.0 |
(注) 管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループは、サステナビリティ活動をより一層推進していくために、環境(E)・社会(S)・ガバナンス
(G)への取り組みを基盤とした、基本的な考え方とサステナビリティマネジメント体系図を策定しています。
(1) サステナビリティに関する基本的な考え方
当社の社是「限りない創造 社会への奉仕」は豊田綱領に基づき策定され、経営の根幹として脈々と受け継がれ
てきました。
その考え方は「事業活動を通じて環境・社会課題解決に貢献する」サステナビリティの概念と共通しています。
私たちは、これからもステークホルダーや社会から信頼され、必要とされる企業であり続けるために、
サステナビリティ重要課題と中長期事業計画との統合を図った経営に取り組み、時代の変化に即した、社会の
持続的な発展と当社の持続的な成長を目指していきます。
マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)
私たちは「限りない創造 社会への奉仕」を社是とし、当社の成長を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、
「社会的価値」と「経済的価値」の両立を目指しています。
2030事業計画で掲げている「目指す姿」と「提供価値」の実現に向けて、変化する事業環境を考慮し、
社会予測やSDGsなどの様々な社会課題の中から、当社として特に貢献できる重要な分野を「マテリアリティ」と
して選定し、取り組んでいます。
< マテリアリティ特定のプロセス >
< マテリアリティ(サステナビリティ重要課題) >
詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.toyoda-gosei.co.jp/csr/think/materiality/
(2)サステナビリティへの取り組み
①推進体制
社是・経営理念のもと、事業活動を通じて、社会の持続的な発展と当社の持続的な成長に向けた取り組みを
推進するためのマネジメント体制を構築しています。全てのステークホルダーの皆様との対話を重ね、中期経営
計画の達成に向けたKPI・目標を設定し、PDCAサイクルを回していくことが重要と考えています。
< サステナビリティマネジメント体制 >
②サステナビリティ会議(ガバナンス・リスク管理)
取締役社長を議長とし、社外を含む全取締役、全監査役および海外地域を含めた本部長をメンバーとして構成し
ており、客観性と透明性の高いバランスの取れたサステナビリティの施策を実行しています。(原則年2回開催)
< サステナビリティ会議の概要 >
目的 |
サステナビリティに関する重点取り組み事項の審議・決定と実施状況の確認 |
開催頻度 |
原則2回/年 |
議長 |
取締役社長 |
構成員 |
全取締役・全監査役(社外取締役・社外監査役を含む)、本部長および海外地域本部長 |
主なアジェンダ |
・サステナビリティに関する重点取り組み事項の決定 ・重点取り組み事項および目標値の実施状況の報告 ・重要な社外開示項目の決定 |
③サステナビリティKPI・目標
マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)をベースとした、環境・社会課題解決と当社の持続的成長に
つながる中長期KPI・目標値を設定し、それらの達成に向けて単年度のPDCAサイクルを回しています。
環境、人的資本に関する中長期KPI・目標値については、表「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」を
ご参照ください。
(3)主な取り組み
①環境の分野(E)
当社は、1993年に第1次環境取組みプランを策定し、環境課題の解決に向け取り組んできました。
2016年2月には、長期目標「TG2050環境チャレンジ(※)」を発表するとともに、マイルストーンとして
2030年までの目標を設定、さらに5年間の活動項目と目標を設定した取組みプランを策定し、環境保全活動を推進
しています。
2025年4月には、世の中の環境動向を鑑み、環境基本方針の内容改訂し「豊田合成グループ環境行動憲章」とし
て、国内外関係会社及び行政・顧客・サプライヤーとも連携して取組みを推進しています。
カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブを実現するため、材料調達から廃棄まで
のライフサイクル全体での環境に配慮・貢献した事業活動に努めます。
また、地域社会の一員としての環境マインドを持ち、ステークホルダーとの連携による保全活動に努めます。
<豊田合成グループ環境行動憲章で定める環境行動指針>
(※)TG2050環境チャレンジ
ゴム・樹脂の高分子分野の専門メーカーである当社が象徴としている六角形の「ベンゼン環」(高分子の原
点となる構造体)にちなんだ「6つのチャレンジ」を掲げ、2050年を見据えた長期的視点で環境保全活動を推
進しています。
その実現に向けたロードマップとして、5カ年計画である環境取組みプランを策定して活動しています。
また、2023年8月に気候変動問題への対応を強化するためカーボンニュートラル(Scope1、2)の実現時期を
2050年から2030年に前倒しすることを宣言しています。
項目 |
範囲 |
実績 |
削減の主な活動 |
|
2023年 |
2024年(概算値) |
|||
CO2排出量(Scope1) (注1) |
連結 |
9.0万t-CO2 |
8.5万t-CO2 |
・ボイラー・冷温水発生器などの ユーティリティ設備の高効率化 ・太陽光発電システム設置など再生可能 エネルギーの利用拡大 |
(Scope2) (注1) |
連結 |
35.8万t-CO2 |
33.0万t-CO2 |
|
(Scope3) (注1) |
連結 |
274.4万t-CO2 (注2) |
― (注2) |
・リサイクル材、バイオマス材の開発・ 活用・物流における積載効率、運航 ルートの効率化 ・製品の軽量化 |
廃棄物量 |
単体 |
4.6 千t |
4.3 千t |
・徹底的な分別による有価物化の推進 ・発生源対策として歩留改善 ・ゴムの廃棄物削減に向けた脱硫再生に よるリサイクルの推進 |
水 (売上高当り取水量) |
単体 |
0.51千t/億円 |
0.47千t/億円 |
・冷却機器の更新 ・製品の洗浄方法の変更 (蒸気式⇒電気式) |
生物多様性 (緑の復元面積) |
単体 |
13ha |
14ha |
・里山整備の拡大(森町工場での新規 実施) ・干潟の保全活動 ・平和町工場のビオトープが環境省の 「自然共生サイト」に認定 |
過去の実績値については当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.toyoda-gosei.co.jp/csr/environmental/report8/
(注1)Scope1: 企業自身が直接排出したCO2排出量(化石燃料・天然ガス等)
Scope2: 企業が間接的に排出したCO2排出量(購入電力等)
Scope3: 企業が間接的に排出するサプライチェーンでの温室効果ガス排出量
(原材料製造、輸送、出張、通勤など)
(注2)Scope3の2024年度実績データは算定中につき、「豊田合成レポート2025」で開示予定
これらの取り組みは、2024年 日本経済新聞社「SDGs経営度調査」の環境評価価値でS評価を得ています。引き続き
顧客・サプライヤーと連携し、各Scopeの排出量低減と情報開示などを進め、環境保全活動の充実を図っていきま
す。
ア)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社は、気候変動への対策として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築をマテリアリティ(重要課題)の1つ
として掲げ、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ盛り込む活動
を実施しています。なお、今後も財務への影響を検証するなど充実していきます。
a.ガバナンス
2016年2月に長期の環境活動計画となる「TG2050環境チャレンジ」をカーボンニュートラル・環境委員会
で策定し、公表を行い、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化しました。
カーボンニュートラル・環境委員会は取締役社長が委員長を務め、年2回開催し、サプライヤーへの影響
も含めて気候変動によるリスクと機会について審議し、中長期目標の認定、実現に向けたシナリオの策定を
行い、経営戦略へ反映しています。その結果を取締役会、経営会議等へ定期的に報告しています。
b.戦略
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的
要請の高まりを受け、工場CO2排出量ゼロの達成時期を2050年から2030年に前倒し、さらに2030年再生可能
エネルギー導入率100%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注3)」、
「1.5℃/2.0℃シナリオ(注4)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク
(物理リスクおよび移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注3)4℃シナリオ:産業革命前と比べ4℃前後上昇するシナリオ
(注4)1.5/2.0℃シナリオ:産業革命前に比べ21世紀末に世界平均気温の上昇幅が1.5/2.0℃に抑えられる
シナリオ
< 物理リスク > 気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
影響する項目 |
リスク |
影響 (注5) |
機会 |
影響(注5) |
対応 |
|
急性 |
・異常気象による大規模災害 |
・河川の氾濫、巨大台風、サプライチェーンの分断、渇水などに よる生産支障 |
大 |
・BCPのレジリエンス強化による盤石な生産体制の確保と競争力の向上 |
中 |
・BCPのレジリエンス体制・訓練の強化 ・緊急時における重要インフラの確保 ・土地・建屋の耐久性、浸水リスクの 点検・改修 ・耐久、耐水、耐熱性に優れた機能性材料開発および新製品開発 |
慢性 |
・気温上昇 ・降水、気象パターンの変化 |
・温暖化による製品耐久 性の不足で品質不具合 |
中 |
・製品の耐久性の充実で付加価値が向上し、収益向上 |
中 |
< 移行リスク > 脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
影響する項目 |
リスク |
影響 (注5) |
機会 |
影響 (注5) |
対応 |
|
政策 ・ 規制 |
・電動化の促進施策 (ZEV(注6)、 燃費、ガソリン車 規制) ・政府のカーボン ニュートラル宣言 (CP(注7) 制度、補助金の 拡大) |
・BEV開発の加速に伴うガソリン車専用部品の売上減少 ・炭素税の導入による コスト競争力の低下 |
大
大 |
・ZEVであるBEV/FCEVの製品開発が進み売上増加 ・国の支援(補助金等)を活用した環境配慮型の製品、工法開発の伸展で競争力を確保 ・燃費(電費)向上に向けた軽量化の製品・部品の売上増加 |
大
中
中 |
・BEV/FCEV向けの新製品開発 ・BEV先行市場・OEMへの拡販 ・高分子材料の知見を活かした樹脂・ ゴム製品の高い耐久性・軽量化、 脱炭素化 ・ICPの導入による取り組みの加速 ・2030年へのカーボンニュートラル 前倒し ・省エネ、創エネによる工場・オフィス のZEB(注8)化 |
市場 |
・CASE、MaaS市場 拡大 ・グリーンテクノロ ジー(注9)に よる新分野の市場 拡大 |
・ユーザーの価値観、 使い方の変化で従来 製品の売上減少 ・環境負荷の高い製品の不買化による売上減少 |
中
中 |
・カーシェアの拡大に伴う除菌/抗菌製品の売上増加 ・グリーンテクノロジーの開発による事業拡大 |
中
大 |
・深紫外線LED技術を活かした除菌/浄化製品の開発 ・GaNパワーデバイスの開発・商品化 ・自動運転向けの新製品開発 ・非自動車ビジネスの拡大(ヘルスケア、エネルギーなど) |
技術 |
・エネルギー生産・ 転換技術の開発・ 普及 ・再生可能エネルギ ー技術の進歩、 普及 ・省エネ技術の普及 |
・新たなエネルギー資源への対応による生産 技術コストの増加 ・技術普及の乗り遅れによる競争力の低下(CO2削減の鈍化、炭素税によるコスト増) |
中
中 |
・省エネ活動によるエネルギーコストの削減による競争力の確保 ・環境に配慮した製品開発、工程整備が進み収益向上 |
大
中
|
・工場エネルギーの最適化を推進 ・IoT、デジタル活用による生産プロセスの効率化による省エネ ・再生可能エネルギーの積極的な導入 ・CAR to CARリサイクルや製品ライフサイクルでの負荷低減の推進 ・水素タンク事業の拡大 |
評判 |
・顧客の評価の変化 ・投資家の評判の 変化 |
・発注条件に環境配慮(脱炭素、 リサイクル材料など)が加わり対応できず競争力の低減 |
中 |
・自動車部品のゴム・樹脂分野で先んじたグリーンテクノロジーの開発による競争力の向上 |
中 |
・環境配慮型の製品開発と事業化(高機能材料、バイオ材料、リサイクル材料 開発) |
(注5)影響:発生の頻度・規模による事業への影響度。
(注6)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV/FCEV等。
(注7)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注8)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
(注9)グリーンテクノロジー:環境問題を解決、あるいは緩和するための技術・製品(例:軽量化や脱炭素に資する技術・製品など)
c.リスク管理
当社は、カーボンニュートラル・環境委員会、内部統制委員会やマネジメントシステム(ISO14001)
で、気候関連のリスク(物理リスクおよび移行リスク)を管理しています。リスク管理のプロセスは、リ
スクの識別・評価を行い、発生頻度やインパクトから優先順位付けした上で、委員会等で回避・軽減・移
転・保有などの対策を決定し、進捗管理をしています。
重要リスクについては定期的に取締役会に報告しています。
d.指標及び目標
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的
要請の高まりを受け、自社の生産活動などで発生するCO2排出量(Scope1,2)について、カーボン
ニュートラル実現時期を2050年から2030年に前倒し、さらに2030年再生可能エネルギー導入率100%とより
高い目標に見直しました。また、環境に配慮した生産工程や設備の開発など、社内横断的にCO2低減活動を
進めていきます。さらに5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の会社目標へ落とし込んで活動
を推進しています。
< 中長期目標 >
取組み |
目標年 |
目標値 |
第7次環境取組みプラン |
2025年 |
Scope1+ Scope2における CO2排出量2015年度比 25%減 |
2030年マイルストーン |
2030年 |
・Scope1+ Scope2における再生可能エネルギーなどを 組み合わせ、カーボンニュートラルを実現 ・再生可能エネルギー導入率100% ・Scope3におけるCO2排出量2019年度比 27.5%減 |
TG2050環境チャレンジ |
2050年 |
・Scope1+ Scope2+ Scope3におけるカーボンニュートラル ・製品技術での環境社会への貢献 |
イ)循環型社会の構築への取り組み
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、循環型社会への対応として、廃棄物低減、水リスク低減に
よる循環型社会の構築をマテリアリティ(重要課題)の1つとして掲げ、取り組みを推進しています。
a.ガバナンス
「ア)気候変動への取り組みとTCFDへの対応 a.ガバナンス」に記載しています。
b.戦略
当社は、廃棄物量・水リスクの極小化やリサイクルしやすい製品設計を通じて、循環型社会の実現に
向け、取り組みを進めてきました。昨今の資源循環を取り巻く動向など事業活動に与えるリスクと機会を
抽出し、活動へ反映させています。
廃棄物低減としては、製品設計段階では自動車のライフサイクル全体を考え、リサイクルしやすい製品
や材料の開発・設計、廃材リサイクル技術の開発を推進しています。また、生産段階では、発生源対策と
リサイクルを推進しています。
水リスク低減としては、国内外の拠点を水量・水質の両面でリスク評価し、それぞれリスクのレベルを
付け、リスクレベルごとに対策を分けて活動をしています。
< リスクと機会 >
影響する項目 |
リスク |
機会 |
対応 |
資源の枯渇 (不足) |
・原材料の調達難や価格 高騰による収益悪化 と生産支障 |
・リサイクル技術、材料使用 量の削減による収益向上 ・上記技術開発による企業 価値の向上 |
・軽量化に向けた製品開発の推進 ・原材料のリサイクル技術開発 ・植物由来のバイオ材や リサイクル材の活用拡大 |
水リスク (量・質) |
・生産に必要な水の確保 難による生産支障 ・水質悪化による製品 品質の悪化 ・水害による生産支障 |
・水の再利用、使用量の削減 による収益向上 ・上記技術開発による企業 価値の向上 |
・水の再利用技術の開発 ・雨水の利用の活用拡大 ・生産体制の見直し、電気設備の 設置場所見直し
|
c.リスク管理
「ア)気候変動への取り組みとTCFDへの対応 c.リスク管理」に記載しています。
d.指標及び目標
当社の環境活動は、長期計画である「TG2050環境チャレンジ」の中の項目として、廃棄物量・水リスク
の極小化を目指して、2030年マイルストーンとして目標を設定し、取り組んでいます。更に5年ごとに
「環境取組みプラン」を策定し、毎年の会社目標へ落とし込んで活動を推進しています。
< 中長期目標 >
項目 |
2025年目標 第7次環境取組みプラン |
2030年目標 マイルストーン |
2050年目標 TG2050環境チャレンジ |
||
廃棄物 低減 |
豊田合成 |
2012年度比 40%削減 |
2012年度比 50%削減 |
廃棄物量の 極小化 |
|
海外関係会社 |
2015年度比 50%削減 |
2015年度比 55%削減 |
|||
水リスク<グローバル> |
高リスク エリア |
水質 (4拠点) |
2拠点で 対策完了 |
4拠点(全拠点)で 対策完了 |
水リスクの 極小化 |
取水量 (7拠点) |
3拠点で 対策完了 |
7拠点(全拠点)で 対策完了 |
|||
低リスクエリア |
2019年度比 売上高当り 取水量 6%削減 |
2019年度比 売上高当り 取水量 11%削減 |
ウ)生物多様性の保全に向けた自然共生社会の構築への取り組み
当社は、自然から原材料や水など多くの資源を受けている一方で、CO2排出や排水など、自然環境に影響を与えて
います。ネイチャーポジティブの実現に向け、生物多様性の保全活動を推進しています。
具体的な活動としては「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでは自然との共生を目指したさまざまな取組みを推進してきました。現在は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに則り、自然資本に関連する事業リスクおよび機会を特定し、それらを経営戦略に反映させる活動を進めています。
詳細につきましては、当社ウェブサイト内の「TNFD」をご参照ください。
「TNFD」ページURL
https://www.toyoda-gosei.co.jp/csr/environmental/report12/
②社会の分野(S)
ア)人材戦略
2030事業計画において、経済的/社会的価値を再定義し、それを実現するために事業構造の改革を進めると
ともに、環境の変化に柔軟に対応し、新たな価値を創出できる「高分子型組織」をめざして、人と組織の活性
化に取り組んでいます。
当社が社会に提供する価値の源泉は「人」にあります。ゴムや樹脂といった高分子技術によって培われた専
門力と、それを製品として形にする組織力を結集し、「高分子型組織」として2030事業計画で掲げた事業成長
と構造改革を推進するため、私たちは2つのテーマに基づく人材戦略を進めています。
<2030事業計画と人材戦略>
a.戦略
・人材ポートフォリオに基づく配置・育成・確保
事業成長・事業基盤強化を支える取り組みとして、これまでも中期での要員計画を立案する中で、各部
のニーズに基づき強化分野の必要人員数を整理し、既存業務の効率化を進めることにより、要員構造の転
換(強化分野へのリソーセスシフト)にチャレンジしてきました。
要員構造を変えていくというこれまでの方向性はふまえつつ、2030事業計画の実現に向けて全社的な重
点強化分野と必要人材の要件をあらためて整理し、事業ポートフォリオに基づいた人材ポートフォリオと
してまとめることで、量(人員数)の管理だけでなく質の管理を強化していきます。そのために人材ポー
トフォリオにおける「人材の3本柱」を定義しました。
<人材の3本柱>
これらをさらに「15の人材」タイプに層別、各々の専門性をあるべき人材ポートフォリオとして整理
して、現有人材と2030事業計画の実現に向けた必要人材とのギャップを洗い出し、計画的な人材の確
保・配置・育成計画の立案につなげていきます。
併せて、従業員個人のキャリア形成や成長を実現していくためにも、人材ポートフォリオを活用しなが
ら、目指したいキャリアイメージの具体化や必要な専門性の習得を促していきます。
・多様な人材のウェルビーイングの実現
事業の持続的な成長のために「ウェルビーイングの実現」は不可欠であると考えています。その実現
に向け、従業員が入社後に体験するエクスペリエンスを通じて、心理的安全性の確保やエンゲージメン
トの向上に取り組んでいます。
心理的安全性の確保という点では、双方向のコミュニケーションを軸に、労使間の対話を活性化し、
従業員が安心して本音を語れる風通しの良い職場づくりを推進してきました。特に職場での上司との関
係は、従業員一人ひとりが活力を感じるうえでも重要であり、マネジメント改革を通じて、思いやりと
信頼に基づく「安心できる居場所づくり」の整備に取り組んでいます。
さらに、従業員が当社で働く意義を実感することが、仕事への目的意識やエンゲージメント向上につ
ながると考え、「ビジョンへの共感」を促進する施策を展開しています。従業員が自らキャリアを築
き、成長する機会を得られる環境づくりにも注力し、一人ひとりが「活躍できる舞台」で輝けるよう支
援しています。
b.ガバナンス および c.リスク管理
人材戦略に基づく施策に関しては、「人事会議」(年2回開催)にて、また、部長職以上、関係会社役員
などの重要なポジションの任免や、将来の登用計画などについては「GSC:Global Succession Committee」
(年5回開催)にて審議しています。これにより、経営戦略の実現を念頭に置いた人材育成や配置などを
行っています。人事会議、GSCとも議長は総務・人事本部長が務め、人事会議は取締役社長以下、取締役、
監査役、執行役員、GSCは取締役と本部長以上が参加し、議論を行っています。
d.指標及び目標
< 2024年度重点項目の実績と2025年度・2030年度目標値[単体] >
重点項目 |
2024年度実績 |
2025年度目標 |
2030年度目標 |
DX人材の育成人数 |
325名 |
270名 |
400名 |
女性管理職の人数(率) |
41名(3.6%) |
45名(4.0%) |
100名(8.8%) |
ナショナルスタッフ幹部比率 |
37% (グローバル) |
40%以上 (グローバル) |
60% (グローバル) |
中途採用者の管理職比率 |
33% |
30%以上(注) |
30%以上 |
障がい者雇用 |
2.70% [国内グループ全体] |
法定雇用率達成 [国内グループ各社] |
- |
サーベイスコア肯定率結果 |
59% |
70%以上 |
75%以上 |
平均残業時間 |
15.1H/月・人 |
10.0H/月・人以下 |
- |
年休取得率 |
94% |
95%以上 |
- |
(注)中途採用者の在籍比率と同等の管理職比率を使用しています。
◇主な取り組み
・女性管理職の人数
製造業の傾向として、女性従業員比率が低く、男性従業員が標準となっている職場環境、ロールモデ
ルの不足により、当社において女性管理職の登用・育成が遅れていました。そのため、女性管理職登用
の目標数を2025年度までに45名、2030年度までに100名とし、女性活躍の施策を加速させています。
具体的な施策としては、スタッフ系従業員には自身をまず知り、強みを活かしたリーダーシップ像を
描くための「エンカレッジプログラム」を開設しました。一方、製造現場の従業員向けには、女性リー
ダーを中心に誰もが働きやすい職場環境づくりに向けた取り組みを始めました。
・ナショナルスタッフ幹部比率
各地域において積極的な登用を加速するために、2021年度に、ナショナルスタッフ幹部(副社長以
上)登用の基本方針・ターゲットを定め、実現に向けて各事業体にて取り組みを進めています。
また、2025年度までにナショナルスタッフ幹部比率40%達成を目指し、各地域でハイポテンシャル人
材の評価・育成計画の作成を進めています。主な施策としては、ナショナルスタッフ幹部候補への「経
営スキル基礎研修」「課題設定型問題解決研修」の実施などによりナショナルスタッフの育成を進めて
いるほか、地域でのサクセッションコミッティを米州、東南アジア、中国で開催し、幹部後継者候補の
育成・採用の活動状況や課題を共有しています。
・障がい者雇用
これまでも当社では、障がいを持つ方々の製造現場での採用を進めてきました。製造現場で働く日常
のイメージを持ってもらえるよう、特別支援学校と連携しながら採用前のインターンシップを実施して
います。実務を体験することにより、入社後は職場に早く馴染むことができ、その後の活躍につなげる
ことができています。
また、2024年度からは、スタッフ職での採用強化を図っています。受け入れ職種の拡張や、障がい者
向け就職セミナーへ積極的に参加し、選ばれる企業となるよう取り組みを進めています。また、当社で
長く働いていただけるよう各事業所に生活相談員を配置し、定期ケア面談による困りごとの吸い上げな
ど、働きやすい職場環境づくりも継続しています。
・サーベイスコア肯定率結果(従業員エンゲージメント肯定率)
2021年度より、従業員エンゲージメント向上をねらい、国内外出向者も含めた全従業員を対象に、エ
ンゲージメントサーベイを開始しました。2015年度より進めてきた風土改革の取り組み効果を確認しつ
つ、当社への帰属意識や仕事への貢献意欲を示すエンゲージメントスコアを把握することにより、さら
に働きがいのある職場づくりに向けての施策を推進してきました。サーベイの回答率は、開始以来97%
を下回ることはなく、また「サーベイ」によって前向きな変化が起こることへの期待」を問う設問のス
コアは66%を下回ることなく、現在に至ります。2024年度より、多様化する価値観や社会環境の変化を
ふまえ、従業員一人ひとりのウェルビーイングを実現するために不可欠な「心理的安全性」と「エンゲ
ージメント」を支える「エクスペリエンス(仕事やキャリアが従業員の期待に沿った体験となっている
か測るもの)」を確認するためにサーベイを更新。この変更に伴い、エンゲージメントを測定する設問
を5問から3問へ変更しました。目標値については維持し、2025年度には70%を目指します。サーベイ
結果に基づき、一人ひとりのモチベーションの源泉を把握し、より高いエンゲージメント、その先には
それぞれのウェルビーイング向上につながることをねらい、「従業員目線」で期待に沿ったマネジメン
ト施策を実施しています。
イ)人権の取り組み
豊田合成グループは、「世界人権宣言」や「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする国際規
範を支持・尊重するとともに、「豊田合成グループ行動憲章」において、「人権や個人の多様性・人格・個性を
尊重し、差別的行為やハラスメント行為等を行わず、労使協調のもとで常に健全で働きやすく安全な職場づくり
を努めます」との基本方針を定め、人格・人権の尊重、公正な採用、強制労働や児童労働およびあらゆる形態の
ハラスメントの禁止を明言しています。
人権方針の策定については、2022年4月に「豊田合成グループ人権方針」を策定しております。本方針は、外
部有識者の助言をふまえて作成し、全役員と本部長が参加するサステナビリティ会議での審議を経て、取締役会
で承認されております。
人権の取り組みを進める体制については、経営層のコミットメントを高めるため、サステナビリティ会
議で年2回進捗を報告しています。
また「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、同原則で記されている人権デューデリジェンスを2022年に
開始しました。
人権デューデリジェンスとは、企業の事業、サプライチェーン及びその他のビジネスの関係に関して、人権へ
の影響を特定し、その負の影響を防止・軽減し、実施状況及び結果について調査を行い、どのように負の影響に
対処したかを伝える一連のプロセスを指します。
< 当社グループ内における顕著な人権課題 >
豊田合成グループ人権方針
https://www.toyoda-gosei.co.jp/csr/social/report2/pdf/TG_human_rights.pdf
ウ)その他の取り組み
・品質保証
世界のお客様に安心・安全な製品をお届けできるようクルマの基本性能(走る・曲がる・止まる)や安全に直結
する保安部品の生産工程を中心に自工程完結を進めています。リコール、サービスキャンペーンなどの「重要な
品質問題(重品)」を絶対に出さない取組みとして、設備・管理要件のグローバル統一(人作業から設備保証への
置換含む)を継続して推進しています。
加えて、品質保証システムについては、ISO9001/IATF16949の認証を取得し、品質マネジメントシステムを確
立するとともに、CASE、MaaSなどにより様変わりする新規技術・新規開発品、ソフトウェアやコトビジネス等の
新規事業分野や、新規の顧客・アライアンス先・仕入先様との連携に対応できるよう継続的に品質保証システム
の改善に取り組んでいます。
・DX
事業運営や経営管理の効率化・高度化を実現するため、業務プロセス改善や情報の一元化を推進しています。
また、生成AIやデータ分析、クラウド環境の利用など先進的なデジタル技術の採用と、それらを活用できるデ
ジタル人材の育成にも取り組んでいます。非効率な業務や作業を見直し、そのリソーセスをより付加価値の高
い業務へシフトすることや、現場・事業・経営のあらゆる層でデータに基づく意思決定を促すためのIT・デジ
タル基盤を構築しています。
・サプライチェーンマネジメント
当社はサプライヤーとの共存・共栄の考えのもと、調達基本方針を定め、サプライヤーの皆様とパートナーシ
ップを深めながら、持続的な成長をともに目指しています。
当社が直接取引しているサプライヤーの数は、約600社、海外拠点を含むグローバルでは2,000社以上になりま
す。グローバルでの事業展開においてSQDCのあらゆる面を考慮し、さらに現地調達を推進していくために各地域
の調達担当者間での連携に取り組んでいます。
・安全健康
当社では安全衛生・健康に関する基本理念に安全と心身の健康の確保を最も重要な経営課題のひとつと位置付
け、全ての事業活動において安心で働きやすい職場環境を確保します。
当社では上記基本理念に基づき、安全衛生宣言を定めて企業活動を展開しています。
これを踏まえ、社会的責任を果たすための基盤強化として、従業員一人ひとりが将来にわたって、
いきいきと健康に働けることが必要不可欠であるという認識のもと従業員の健康維持/増進のため、健康経
営に取り組んでいます。健康KPIとして定めている「健康チャレンジ8」(体重・朝食・飲酒・間食・タバコ・
運動・睡眠・ストレスの8項目)のうち、ポイントの低い”運動”への取り組みとして、年に1度の健康診断を
活用した握力/柔軟性測定イベントを実施し一人ひとりが”健康を考える日”として筋力の重要性、運動実践な
どを自分事として考えるための動機づけを行っています。
・地域社会貢献
当社は、経営理念にもある「良き企業市民」であるべく「社会福祉」「環境保全」「青少年育成」「地域
防犯」の4つの柱で従業員による社会貢献の取り組みを世界各地で積極的に行っています。
今後も社内で社会貢献活動への参加機会を増やすとともに、地域のためになる活動を推進していきます。
詳細な取り組み内容は、統合報告書をご参照ください。
https://www.toyoda-gosei.co.jp/csr/
③ガバナンスの分野(G)
2023年6月にチーフオフィサー制度を導入し、社長の権限と責任の一部をチーフオフィサーに委譲すること
により、重点機能について事業本部・地域本部の枠を超えてグローバル全体で管理し、戦略性の高い業務執行
の実現と経営のスピードアップを図っています。
ガバナンスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しています。