リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業界動向
当社グループが事業を営む、コンタクトレンズ業界につきましては、長期的な視点に立ちますと、日本の人口減少は否めず、市場の縮小や構造変化等が予想されます。このような状況の中、国内シェアの向上や海外販路を開拓する等により、グループの業績向上のために事業活動を行っておりますが、予期せぬ市況環境の変化等に的確に対応できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループが実施する、顧客とその業界の動向モニタリング、影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化の時期・規模に応じた影響度を以て顕在化する可能性があると認識しております。
(2) 製造物責任について
当社グループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害が発生する可能性があります。当社グループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった事が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。
(3) 知的財産権について
当社グループは保有する知的財産権について適切な保護及び管理を行っておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害し、市場において当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、対価の支払や損害賠償請求等の訴訟等、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。
当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。
(4) 情報漏洩
当社グループは、個人情報や研究開発情報等の機密情報の取扱いについては、個人情報保護規程、知的財産管理規程の制定・運用による管理や、内部監査の実施等により、厳重な管理体制を敷いておりますが、何らかの原因により、漏洩事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うばかりか社会的信用を失うこととなり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、情報の機密保持管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する蓋然性は低いと認識しております。
(5) 法規制・法令遵守等
当社グループが事業活動を行うには、医薬品医療機器等法に基づく医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録が必要となり、その許可取得及び登録をしております。これらの許可及び登録を受けるため、又は更新するための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において、当該許可及び登録が取消しになる事由の発生並びにその認識はしておりません。しかしながら、法令に抵触し当該許可及び登録が取消しになる事態となった場合には、規制の対象となる製品を回収し、加えて、その製品の販売中止及び対象事業の活動中止が求められる可能性が生じ、回収損失等が発生するだけでなく、事業活動に支障を来すこととなり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、関連する法律等が改正された場合、その内容によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。更に、同業他社が違反等により摘発された場合、若しくはメディア報道等からコンタクトレンズ業界全体が社会問題視される場合、風評被害により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社グループの法規制等に起因するリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しておりますが、その顕在化の内容、時期等を当社グループが制御できるものではないことから、その影響度を事前に見積ることは困難であると認識しております。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
(6) 商品調達
当社グループは、複数の海外協力工場から商品の調達を行っておりますが、供給元とは、生産数の変動や供給体制等の情報を常に共有し、安定的な供給が受けられるよう努めております。商品の供給元のうち、St.shine optical Co.,Ltd. への依存度が高い状況にあります。同社との取引は当社が設立して以来のものであり、同社とは良好な関係を築いております。しかしながら、外的要因により不測の事態が発生した場合には、必要な商品の調達が困難になることも考えられ、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループが実施する、影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・規模に応じた影響度を以て顕在化する可能性があると認識しております。
(7) 為替変動の影響について
当社グループは海外協力工場から商品を調達しており、仕入額の大部分を米国ドル建てで決済しております。従って、米国ドルの円に対する為替相場の変動により当社グループの輸入取引価額が変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループではヘッジ会計を採用していないデリバティブ取引が存在するため、当該デリバティブ取引の各四半期末及び期末時点での残高について期末為替レートを以て時価評価を行い、そのデリバティブ評価損益は営業外損益に計上されます。
従って、期中に為替相場が大きく変動した場合、各四半期の経常利益及び当期純利益は著しく変動する可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。
(8) 重要な訴訟
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。また、提起される恐れは認識しておりませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。
(9) 大規模災害・感染症等による影響について
当社グループは、本社、1箇所の物流拠点及び子会社の事業拠点を有しております。各事業拠点においては、地震、台風等の大規模災害による停電及び感染症への対策は実施しておりますが、その被害及び流行の程度によっては事業拠点の損壊や停止、システム障害の発生等により、当社グループの資材や商品の購入、販売及び物流における遅延や停止等の事業運営上の支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また仕入先、販売先に同様の影響が生じた場合も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。
なお、当社グループでは、感染拡大防止のために、従業員の健康管理の徹底や在宅勤務・時差出勤の推進、オンライン会議の積極活用等の対策を実施しております。
(10) 親会社グループとの関係について
当社の親会社である株式会社ユカリアは、2023年12月31日時点において、当社発行済株式総数の59.0%(4,050,000株)を所有しております。親会社グループは医療機関の経営支援、医療周辺事業、高齢者施設運営を主たる事業としております。
当社グループは、親会社グループにおいて唯一のコンタクトレンズ事業を営む会社であり、当社グループと親会社グループとの間に競合関係はなく、取引もないため、当社グループの事業活動に影響を与えるものはありません。また、当社グループの経営判断については当社グループが独自に検討のうえ決定しております。なお、当社の親会社である株式会社ユカリアは当社発行済株式総数の50%超を当面保有する方針ではありますが、漸次的に持分を減少させる予定であります。
現在、親会社グループとの関係について大きな変更を想定しておりませんが、将来において、親会社グループとの関係に大きな変化が生じた場合は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新規事業について
永続的な成長のために新規事業は重要であり、M&Aによる事業の多様化を推進しております。M&Aにあたっては、対象企業の詳細な事前調査を行い、十分にリスクを検討した上で決定しておりますが、当初の予測とは異なる状況が発生し当初想定した収益が見込めなくなった場合、減損損失の計上が必要になる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけており、機動的な利益還元と、経営財務の安定性確保の観点から、当期純利益の水準に応じた業績連動型配当の実施と柔軟な自己株式の取得を基本方針とし、連結配当性向につきましては30%を目処としております。
当社の剰余金の配当につきましては、期末配当の年1回を基本的な方針としており、期末配当の決定機関は株主総会であります。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、中間配当を行う場合の決定機関は取締役会であります。
また、株主優待制度として、毎年12月末日現在の株主名簿に記載または記録された当社株式2単元(200株)以上保有されている株主様に、当社ブランド商品公式販売ウェブサイトでご利用いただける株主様特別ご優待券(クーポンコード)及びQUOカードを保有される株式数及び保有期間に応じて進呈いたしております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり14円の配当を実施することを決定しました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。