2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 7,136 100.0 -940 100.0 -13.2

事業内容

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社4社(ティー・ビー・ロジスティックス株式会社、TB関西物流株式会社、横浜エコロジー株式会社、株式会社カリブ)の計5社で構成されており、「リサイクリングで地球環境の未来を創る」の経営理念のもと、建設業、物流業及び廃棄物の中間処理業者より排出される木質廃棄物を自社にて処理を行い、原材料として再資源化し、住宅用建材とするパーティクルボード「E・V・Aボード」を製造及び販売を通し、地球環境への負荷を低減することを目的とした循環型木材環境ソリューション事業を主要な事業としております。

 

当社グループの事業における当社及び子会社の位置付け及び各事業の内容は、次のとおりであります。

 

事業

会社名

木材環境ソリューション事業

当社

ティー・ビー・ロジスティックス株式会社

TB関西物流株式会社

横浜エコロジー株式会社

その他

当社

株式会社カリブ

 

 

 

(1) 木材環境ソリューション事業

(製造)

パーティクルボードとは、木材の小片(木材チップ)に接着剤を噴霧し、熱圧成形した木質ボードでありますが、JIS規格で定められた性能、厚さや寸法によって様々な種類及び用途があります。

このうち当社では、主力商品であるマンションの二重床(※)の床下地材として使われるパーティクルボードに加えて、佐倉PB工場にて構造用パーティクルボード「壁武者」及び、主に床下地材とフローリングなどの仕上材との間に捨て貼りとして使用される合板の代替商品となるパーティクルボード「静香美人」の製造を開始し、また、オフィス用のOAフロアー基板、体育館などの文教施設、家具や木工などに使われるパーティクルボードを製造しております。

なお、製造及び加工におきましては、「人にやさしい」住宅部材を目指し、ホルムアルデヒド放散量の最も少ない最上位区分であるF☆☆☆☆等級を実現するため、ホルムアルデヒドを含まない接着剤を使用しております。

主原料となる木質チップは、木質廃棄物を加工して自社で製造しております。当社グループ内で、産業廃棄物及び一般廃棄物の収集運搬や処理業の許可を取得し、子会社を通じて収集、もしくは排出事業者から直接持ち込まれる木質廃棄物を、新木場リサイクリング工場、埼玉工場、及び横浜チップ工場(子会社「横浜エコロジー株式会社」)において木材チップへと加工しております。特に新木場リサイクリング工場における木質廃棄物の回収は、東京都23区内に存在する「近距離にある木質廃棄物の受入場所」として、大手ゼネコンや工務店などの排出事業者より利便性が高いとの評価を得ており、パーティクルボードの主原料である木材チップをほとんど購入することなく調達できることが当社の強みとなっております。

 

(収集運搬)

子会社「ティー・ビー・ロジスティックス株式会社」及び「TB関西物流株式会社」は、排出事業者である大手ゼネコンや工務店などの建設現場から木質廃棄物の収集を行い、当社の新木場リサイクリング工場、埼玉工場及び子会社「横浜エコロジー株式会社」の横浜チップ工場へ運搬しております。

各工場に運搬された木質廃棄物は、直ちに加工され木材チップとして再資源化されます。その後再資源化された木材チップは佐倉工場へ「ティー・ビー・ロジスティックス株式会社」を通じて運搬され、パーティクルボードとして生まれ変わり、再び「ティー・ビー・ロジスティックス株式会社」及び「TB関西物流株式会社」またはその他の運送会社によって建設現場や販売先の倉庫などに納品されております。

 

以上の流れにより、当社グループでは、木質廃棄物の回収、木材チップへの加工、パーティクルボードの製造及び製品の納入までをグループ内で行う一貫体制を構築しております。

特に、製品の納入を行ったトラックの帰り便においては、木質廃棄物の回収を行う効率的な運用を実現しており、原材料の調達から製造販売までを「木材リサイクルのプロセスを一つの輪として完結させる」木材環境ソリューション事業として、枯渇資源の有効利用と環境負荷の低減により、循環型社会の構築という社会的要請に応えるよう努力しております。

 

(※)二重床:コンクリート床に支持脚を立て、パーティクルボードで下地(置床)を作った上に捨て貼りを施工し、フローリングなど仕上材を貼付する工法です。コンクリート床に仕上材を直接貼付する直貼工法に比べ、遮音性、衝撃吸収性、断熱性などに優れ、またリフォーム・リノベーションなどの際には床下に施工されている上下水配管やガス配管などの配置を容易に変更できるなど利便性に優れているとされております。

 

(主な関係会社)

  当社、ティー・ビー・ロジスティックス株式会社、TB関西物流株式会社、横浜エコロジー株式会社

 

 

(2) その他

東京都足立区梅田にて、ショッピングタウン「カリブ梅島」として施設の管理運営をしております。

 

(主な関係会社) 当社、株式会社カリブ

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されたことで経済活動が正常化に向かう一方、世界情勢の緊迫化、資源価格や原材料価格の高騰、円安による物価の上昇などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

また、当社グループが事業の主体を置く住宅市場におきましては、2023年4月~2024年3月の新設住宅着工戸数は、持家が前年比11.5%の減少、貸家が前年比2.0%の減少、分譲住宅が前年比9.4%の減少、全体では前年比7.0%の減少と、経営環境は総じて厳しい状況で推移いたしました。

当社グループにおきましても、2022年12月に発生した佐倉工場のチップ乾燥設備焼損の影響により、製造工程を見直した臨時生産体制で安定した生産が行えるようになったものの、平常状態に対しては少量でのパーティクルボードの生産となっております。

このような状況のなか、当社グループの強みでもある木質廃棄物の回収から製品の製造・販売の木材のマテリアルリサイクルを活かすべく、部署間・グループ間の連携の強化、製造工程管理の見直し、人材育成等に注力し、売上の増加及び経費の削減に努め、赤字幅の縮小を目指してまいりました。

当連結会計年度の業績は、売上高は7,135,966千円(前年同期比15.7%減)、営業損失は939,572千円(前年同期は、242,710千円の損失)、経常損失891,337千円(前年同期は、223,993千円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、957,041千円(前年同期は、507,807千円の損失)となりました。

なお、当社グループは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産の部)

当連結会計年度末における資産の残高は11,820,405千円となり、前連結会計年度末に比べ952,956千円減少いたしました。受取手形及び売掛金が420,086千円増加し、商品及び製品が203,542千円増加したものの、現金及び預金が909,966千円減少し、有形固定資産が主として減価償却費により691,953千円減少したことが主たる要因であります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債の残高は9,752,471千円となり、前連結会計年度末に比べ15,029千円減少いたしました。支払手形及び買掛金が39,458千円増加したものの、未払法人税等が37,807千円減少し、退職給付に係る負債が10,966千円減少したことが主たる要因であります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産の残高は2,067,934千円となり、前連結会計年度末に比べ937,927千円減少いたしました。親会社株主に帰属する当期純損失957,041千円の計上が主たる要因であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動において350,022千円の資金が減少し、投資活動において544,044千円の資金が減少し、財務活動において15,900千円の資金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ909,966千円減少し、当連結会計年度末には1,605,069千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は350,022千円(前年同期は1,076,605千円の増加)となりました。減価償却費1,255,084千円による資金の増加に対し、税金等調整前当期純損失891,008千円、売上債権の増加420,086千円、棚卸資産の増加258,697千円により資金が減少したことが主たる要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は544,044千円(前年同期は324,990千円の減少)となりました。主として、有形固定資産の取得による支出550,100千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は15,900千円(前年同期は25,918千円の減少)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出10,000千円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当社グループでは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

セグメントの名称

第79期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

生産高(千円)

前年同期比(%)

木材環境ソリューション事業

5,202,645

93.5

合計

5,202,645

93.5

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

 

 

(b) 受注実績

当社グループは、概ね見込生産を行っておりますので受注実績につきましては、記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当社グループでは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

セグメントの名称

第79期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

販売高(千円)

前年同期比(%)

木材環境ソリューション事業

6,752,805

83.4

合計

6,752,805

83.4

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第78期

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

第79期

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

販売高

(千円)

割合

(%)

SMB建材株式会社

1,632,886

19.3

1,369,330

19.2

双日建材株式会社

938,170

11.1

694,601

9.7

伊藤忠建材株式会社

1,301,191

15.4

685,030

9.6

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際して、資産・負債の金額及び偶発債務等の注記事項の開示並びに会計期間における収益・費用の金額に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a) 財政状態の分析

財政状態の分析は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

(b) 経営成績の分析

経営成績の分析は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(c) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(d) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(e) 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要は主として、製造費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
  短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7,452,798千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,605,069千円となっております。

 

(f) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、日本の総人口の減少と低出生率を鑑みると、新設住宅着工戸数が大幅に上昇する可能性は少ないと判断しております。また国際情勢などによる経済不安の影響により、更に新設住宅着工戸数が減少したときに備え、今期においても生産調整や損益分岐点を下げるように努め、利益を計上できる体制を構築するよう心掛けております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)及び当連結会計年度(自 2023年4月1日 至2024年3月31日

 当グループの事業セグメントは、木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

パーティクルボード

廃棄物の
収集運搬及び処理

その他

合計

外部顧客への売上高

5,578,422

1,859,174

1,029,111

8,466,707

 

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3  主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称または氏名

売上高

関連するセグメント名

SMB建材株式会社

1,632,886

木材環境ソリューション事業

伊藤忠建材株式会社

1,301,191

木材環境ソリューション事業

双日建材株式会社

938,170

木材環境ソリューション事業

 

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

パーティクルボード

廃棄物の
収集運搬及び処理

その他

合計

外部顧客への売上高

4,203,185

1,782,157

1,150,623

7,135,966

 

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3  主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称または氏名

売上高

関連するセグメント名

SMB建材株式会社

1,369,330

木材環境ソリューション事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。