リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこのようなリスク管理をはじめとして、会社情報の管理・統制、コンプライアンス等の内部統制に関する事項を検討する機関として「情報管理委員会」を設置し、情報の収集に当たり、取締役会への報告を行っております。
また、当社グループは「経営危機対策規程」を定め、「経営危機」と判断される事象が発生した場合には速やかに代表取締役会長兼社長を本部長とする危機管理対策本部を設置し、対策を実施することとしております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの事業環境に関するリスク
① 当社グループが行っているメディカルサービス事業は、介護保険法に基づく介護保険制度に大きく依存しており、介護保険に関連する当事業の売上高の5割以上を占めております。この対策として、当社グループでは介護保険制度に過度に依存しない収益基盤づくりを行い、アクティブシニアをターゲットとする「リハテック」ブランド製品の開発・販売に注力し、介護保険関連以外の売上高の拡大を図っております。しかし、介護保険制度は3年ごとに改定が行われることから、その改定内容において当社グループが提供しているサービス等が保険適用外に指定されたり、適用率が減少した場合等には売上高が減少し、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループが行っているインテリア健康事業の取引先が属する家具小売市場は、景気動向やそれに伴う消費マインドの増減、地価動向及び住宅税制等の影響を比較的受け易い傾向にあります。この対策として、既存の家具販売店等との取引に加えて、EC企業やホームセンター、量販店など幅広く多業種への販路拡大を推進し売上高の維持と収益の確保を図っております。しかし、景気の低迷による所得の減少、市場金利の上昇、地価上昇及び住宅税制の課税強化、少子高齢化の進行等により市場の需要が減少した場合、また、製品の差別化を図るものの、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合には、売上高が減少し、取扱製商品の販売価格が下落する等により利幅が縮小する可能性がある他、取引先の経営状態の悪化や、貸倒れの発生等により当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは、各工場において、JIS(日本工業規格)及び同規格よりも厳しい独自の品質基準であるFES(FRANCEBED ENGINEERING STANDARDS)を制定し、それらに基づいて各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。また、当社グループは製造物責任賠償に係る保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありませんし、引き続きこのような保険に加入できるとは限りません。
万一製品に欠陥が生じ、当社グループが賠償責任を負う場合、また、顧客の安全のために大規模なリコールを実施した場合等においては、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、製品回収や損害賠償責任等の費用の発生、さらに当社グループ及び製品に対する社会的信用を低下させ、ブランドを毀損した場合には、売上高が減少し、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 個人情報漏洩等に関するリスク
当社グループは、事業の特性上大量の顧客情報等の個人情報を取扱っており、個人情報保護には特に配慮して対策を進め事業活動を行っております。また、当該リスクによる各種損害の軽減、ならびに被害者の方への賠償を行う目的で、損害賠償保険に加入しております。しかし、万一サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生し個人情報の漏洩があれば、法的責任を負う可能性がある他、社会的信用を大きく毀損することとなり、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 信用に関するリスク
当社グループは、様々な営業取引を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っております。したがって、当該リスクを管理するために、取引先毎に取引限度額や代金決済方法等を定め、更に債権管理委員会を設置し、その動向を検証・管理することで機動的な運営を行っております。しかし、このリスクを全て排除することは困難でありますので、取引先の信用悪化や経営破綻等があれば、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替変動等に関するリスク
当社グループは、原材料及び取扱製商品の輸出入取引を行っており、それらに係る外貨建金銭債権債務(外貨建予定取引を含む。)は、為替相場の変動リスクを有しております。この対策として当社グループは、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的でデリバティブ取引を行っておりますが、間接的な影響を含め、これをすべて排除することは困難であります。したがって、為替相場の変動が当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの輸出入取引は、アジア・ヨーロッパを中心とした複数の国々と行っており、今後もその取引は継続されます。したがって、各国の経済情勢の変化及び災害や暴動・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱の発生等に伴う輸出入環境の変化が、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 災害に関するリスク
当社グループは日本国内を中心に多くの事業拠点を有しており、台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故、疫病の流行等が発生し、対象拠点等の休止により事業活動が停止した場合や施設の改修に多額の費用が発生するリスクを有しております。
また、新型コロナウイルス感染症のように、未曾有のウイルス感染が拡大したような場合には、当社の役職員や関係者の安全を最優先とし、さらには感染拡大防止のため、事業活動を大幅に縮小する必要が生じます。このような事態が生じた場合、当社グループでは、直ちに当社代表取締役会長兼社長を責任者とする危機管理対策本部を設置し、役職員個々人や部門別の行動レベルまで落とし込んだ事業継続計画に基づいて、対策を実施してまいります。しかしながら、影響が及ぶ期間や経済への影響度合いなどによっては、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 社会情勢の変化に関するリスク
当社グループが行っている事業活動は、主に海外の資源産出国における経済情勢の変化及び災害や暴動・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱の発生等に伴い、資源需要や資源価格の変動等による影響を受けるリスクを有しております。これらに対して国内や海外各国の社会情勢については常に動向を注視しておりますが、原材料や商品仕入価格をはじめ、一般費用まで当社グループにかかるコストが増加する可能性があり、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材確保に関するリスク
当社グループは、継続的に事業の拡大を図り安定的な成長を達成するために、定期的な新卒採用や必要に応じたキャリア採用等を行い、またシニアの経験を活かした継続雇用制度、パート社員からの社員登用制度を通じて、安定的に人材を確保することに加え、社内外での研修受講などで人材育成を行うことにより、各事業において提供するモノとサービスの品質の維持と向上に努めております。
当社グループでは、今後も引き続き人材の確保と育成に努めてまいりますが、必要な人員計画の未達や想定以上の人員流出などによる人材不足が発生した場合、これらに起因する業務効率の低下などにより当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主価値を最大化していくため、株主に対する利益還元を重要な経営政策のひとつとして位置づけており、安定的な配当の継続に努めることを基本方針とし、業績、経営環境ならびに財務体質強化の必要性などを総合的に勘案して決定することとしております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、当事業年度に係る期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、当期は1株当たり39円(うち中間配当17円)を実施することを決定いたしました。
内部留保資金につきましては、将来成長が見込まれるメディカルサービス事業に対する設備投資などに有効活用してまいります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年11月10日 |
612 |
17.00 |
取締役会決議 |
||
2024年6月25日 |
759 |
22.00 |
定時株主総会決議 |