2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,912名(単体) 3,136名(連結)
  • 平均年齢
    45.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.3年(単体)
  • 平均年収
    6,711,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

〇人材戦略に関する基本方針

 当社グループは、長期ビジョン「NexTOMOWEL2034」の実現に向けた事業ポートフォリオ変革を推進するにあたり、人材を企業価値創出の基盤となる重要な経営資本と位置づけております。

 事業戦略と連動した人材戦略として、「人材ポートフォリオに基づく人事運営強化」及び「人材を活かす制度基盤・組織力の向上」を基本方針として掲げ、戦略的な人材配置、専門人材の確保・育成、組織力の向上等の取り組みを推進しております。

 なお、人材戦略の詳細な内容については、「第2 事業の概況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 3.人的資本への対応」に記載しております。

 

〇従業員の給与その他の給付の額及び内容における決定方針

 当社は、役割等級制度及び評価制度に基づき、社員一人ひとりの役割・職責と評価を総合的に勘案して処遇を決定しております。評価結果は報酬のみならず、育成や配置にも適切に反映させることで、社員の成長と企業の持続的な成長を支えております。また、スキルや行動特性に基づく人材要件と連動し、中長期的な企業価値向上に資する貢献も評価に反映しております。特に幹部職員(部長級)には、年功的昇給を見直し、業績貢献を直接反映するシングルレート制度を導入し、短期的な成果だけでなく、中長期的な企業価値向上を目指す組織力強化の取り組みも評価しております。

 当社は、透明性と公正性を確保し、多様な人材が力を発揮できる処遇制度の運用に努め、持続的な成長を目指します。

 

(2)【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

情報コミュニケーション部門

709

(29)

情報セキュリティ部門

792

(83)

生活・産業資材部門

978

(187)

その他

255

(85)

全社(共通)

402

(6)

合計

3,136

(390)

(注)1.従業員数は、就業人員であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当連結会計年度の平均雇用者数であります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門及び研究開発部門に所属しているものであります。

4.当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,912

(127)

45.6

16.3

6,711

5.3

 

セグメントの名称

従業員数(名)

情報コミュニケーション部門

334

(0)

情報セキュリティ部門

668

(46)

生活・産業資材部門

508

(75)

全社(共通)

402

(6)

合計

1,912

(127)

(注)1.従業員数は、就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期中平均雇用者数であります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門及び研究開発部門に所属しているものであります。

5.当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は共同印刷労働組合(2026年3月31日現在の組合員数は1,505名)ほかがあります。労使間の問題は経営協議会を通じて円満な解決を図っており、会社の発展なくして組合員の生活向上はないという見地から生産性向上に協力的であります。

 

(4)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.3.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

10.5

100.0

67.9

69.7

62.2

欄外に記載(注)4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。なお、出産年度と育児休暇等取得年度が異なる社員がいる場合、取得率が100%を超えることがあります。

3.上記指標の算出にあたっては、以下のような定義や計算方法を用いております。

賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く

人員:2026年3月31日時点の人員数で算出

(パートタイム労働者は、正規雇用労働者の所定労働時間(8時間/日)に換算し算出)

正規雇用労働者:当社から社外への出向者を含み、他社から当社への出向者を除く

パートタイム労働者・有期労働者:エルダー社員(定年後再雇用者)、準社員(フルタイム)、

パートタイマー、アルバイト、嘱託契約社員(派遣社員は含まず)

4.賃金の額の差異の補足説明

・賃金制度をはじめ、人事制度において男女の差はありません。

・全労働者における男女の賃金差異は、前年度比で1.5%の改善となりました。当該変動は、退職者の役職別・性別構成の変化によるものです。

・全労働者差異の主な要因は、①役割等級別の人員構成比差(上位の等級に女性の割合が少ないこと)、

②勤務時間・勤務形態の違い(短時間勤務、深夜勤務等)やそれに付随する手当の支給有無によるものです。

 

② 連結子会社

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

 当社グループは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題を収益機会や成長性につながる重要な経営課題と認識し、持続可能な社会の実現及び当社グループの中長期的な企業価値の向上をめざす「サステナビリティ経営」を推進しております。

 当社グループの中長期的な企業価値の向上は、株主・投資家をはじめ、顧客企業や消費者、取引先、従業員、地域社会など多様なステークホルダーとの関係性を通じて形成・活用される有形・無形の資本に支えられていると認識しております。また、これらの資本を取り巻く外部環境の変化やステークホルダーからの期待や要請は、当社グループの事業活動に対し、リスク及び機会の双方から影響を及ぼすものと捉えております。

 そのため、当社グループは、これらを適切に識別・評価した上で経営戦略に反映し、事業活動を通じた社会課題の解決による新たな価値の創出に努めております。さらに、その成果をステークホルダーに適切に還元し、価値創出の基盤となる資本の維持・強化を図ることで、企業価値の向上を目指しております。

 また、こうした価値創出の基盤である人的資本への投資を推進するとともに、環境・人権等の重要なサステナビリティ課題について、リスク及び機会の観点から体系的に管理し、取り組みを推進しております。加えて、これらの取り組みにあたっては、ステークホルダーとのコミュニケーションや建設的な対話を通じて期待や要請を的確に把握し、経営に反映することで、経営理念に掲げる「共にある未来の実現」をめざしてまいります。

 

ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティ経営の実現に向けた総合的な施策を検討・推進するため、取締役会の監督・指示のもと、サステナビリティ推進会議を設置しております。同会議は、代表取締役社長を議長とし、常務執行役員以上で構成され、必要に応じて社外有識者等を招聘します。

 同会議では、外部環境が当社グループの価値創造能力に与える影響への対応に加え、気候変動を含むサステナビリティ課題への対応や、イノベーション創出に向けた人的資本への投資など、当社グループの価値創造能力の強化に資する重要な課題について協議を行い、取締役会に報告・提言を行っております。

 また、重要な施策の進捗や成果については、指名報酬委員会を通じて経営陣の報酬制度に反映しており、企業価値の持続的向上と経営陣のインセンティブの整合を図っております。

 2025年度は、同会議を8回開催いたしました。そのうち1回は外部有識者とのダイアログを実施し、価値創造ストーリーの高度化及び経営戦略への統合に向けた助言をいただきました。これらの協議結果や外部有識者からの意見を踏まえ、取締役会への定期的な報告・提言を行い、サステナビリティの取り組みをグループ全体に反映しております。

 

 当社グループのサステナビリティ経営推進に関するガバナンス体制は、以下のとおりであります。

 

 2025年度開催の取締役会におけるサステナビリティに関する主な議論は以下のとおりであります。

■価値創造ストーリーの策定及び高度化

■マテリアリティの重点取り組みテーマの指標設定

■重要リスクの見直し及び対応方針の検討

■人材ポートフォリオの検討

 

戦略及び指標・目標

 当社グループでは、長期ビジョン「NexTOMOWEL2034」の実現に向け、外部環境が当社グループの価値創造能力に与える影響及び当社グループが社会・環境に与える影響を踏まえ、中長期的な企業価値の向上に向けた重要課題をマテリアリティとして特定及び見直しを行っております。

 2025年度には、当社グループの価値創造を取り巻く外部環境の変化やこれまでの取り組みの進展を踏まえ、取締役会において3つのマテリアリティ及び11の重点取り組みテーマを再設定するとともに、関連する指標の見直しを決議いたしました。

 マテリアリティの重点取り組みテーマの指標や取り組み状況については、取締役会において定期的にモニタリング及び評価を行うことで、継続的な改善及び取り組みの高度化を図っております。

 

 重点取り組みテーマの指標の2025年度実績は以下のとおりです。

 

イノベーションを通じた社会課題解決への貢献

重点取り組みテーマ

主な指標

2025年度実績

人々の豊かな暮らしに貢献する

製品・サービスの提供

期待事業※1の連結売上高構成比

(2034年度までに40%以上)

13.5%

サステナブルな地球環境の実現に

貢献する製品・サービスの提供

環境に配慮した新たな製品・サービスの創出数

(2030年度までに2025年度から累計で25件

以上)

環境配慮製品・サービスの定義

及び判定基準の見直しを実施

イノベーションを促進する

知的資本の強化

イノベーションを促進する仕組みの整備状況

イノベーション促進に向けて、研究・技術開発部門に選任組織を新設

事業成長の原動力となる人材戦略

重点取り組みテーマ

主な指標

2025年度実績

人材ポートフォリオに基づく

人事運営強化

デジタル人材比率※2

(2030年度までにデジタルを活かせる人材15%以上、デジタルを作れる人材15%以上)

デジタルを活かせる人材5.0%、

デジタルを作れる人材10.3%

人材を活かす

制度基盤・組織力の向上

女性管理職比率

(2034年度までに20%以上)

8.9%

エンゲージメント調査回答率

(90%以上)

91.0%

経営戦略と連動したリスクマネジメント

重点取り組みテーマ

主な指標

2025年度実績

地球環境の保全

GHG排出量削減率(Scope1・2)

(2030年度までに2022年度を基準として42%以上)

11.8%

廃棄物排出原単位削減率

(2030年度までに2022年度を基準として10%以上)

23.6%

原材料木材の合法性が確認された用紙の調達率

<購入金額ベース>(2030年度までに100%)

90.4%

水使用量原単位削減率

(2030年度までに2022年度を基準として25%以上)

9.1%

企業倫理と公正な事業慣行

コンプライアンス教育の受講率(毎年100%)

100%

情報セキュリティとプライバシー

情報セキュリティ教育の受講率(毎年100%)

100%

サイバーセキュリティ訓練の実施(1回/年)

1回

人権の尊重

人権教育の受講率(毎年100%)

100%

レジリエントな

サプライチェーンの構築

サステナブル調達アセスメントのサプライヤーカバー率

<取引金額ベース>

(2030年度までに90%以上)

86.6%

リスクマネジメント体制の

整備・強化

リスクマネジメント研修の参加率(毎年100%)

100%

ERMの高度化

新中長期戦略の策定に伴い、重大リスクの見直しを実施

(注)・「事業成長の原動力となる人材戦略」の各指標の対象範囲は、共同印刷株式会社及び国内の連結子会社としております。ただし、「エンゲージメント調査回答率」については共同印刷株式会社単体としております。

   ・「経営戦略と連動したリスクマネジメント」の各指標の対象範囲は、共同印刷株式会社及び海外を含む連結子会社とする。ただし、「原材料木材の合法性が確認された用紙の調達率」、「コンプライアンス教育の受講率」、「情報セキュリティ教育の受講率」、「サイバーセキュリティ訓練の実施」、「人権教育の受講率」については、共同印刷株式会社及び国内の連結子会社としております。

※1.人々の豊かな暮らしに貢献し、成長が期待できる事業の合算

※2.当社グループのデジタル人材の定義

デジタルを活かせる人材:ビジネスモデルやビジネスプロセスの変革をリードする人材

デジタルを作れる人材:市民開発者や部門アナリスト(各部門)、システム開発者やデータサイエンティスト(IT系部門)など

 

リスク管理

 当社グループでは、外部環境が経営に及ぼす影響や、通常業務を通じて得られる知見を踏まえ、リスク及び機会の識別・評価を行っております。識別されたリスク及び機会については、サステナビリティ推進会議において影響度を評価し、重要度に応じた対応策を検討・協議したうえで、取締役会へ報告しております。2025年度は、当社グループの中長期的な価値創造能力に重大な影響を及ぼすものとして、3つのマテリアリティ及び11の重点取り組みテーマを再設定するとともに、関連する指標の見直しを決議いたしました。

 また、グループ全体のリスク管理体制として、全社リスクマネジメント(ERM)を運用しております。ERMでは、経営目標の達成や財務状況に与える影響度及び対応状況を踏まえ、重要度の高いリスク項目を重大リスクとして特定し、継続的にモニタリング及び評価を行っております。

 これらの重大リスクは、当社グループが特定したマテリアリティとも相互に関連しており、重点取り組みテーマの指標及び取り組みの進捗状況については、取締役会において定期的にモニタリング及び評価を行うことで、グループ全体で一体的なリスク対応を推進しております。

 当社グループの全社リスクマネジメントの詳細については、「3.事業等のリスク」を参照ください。

 

(2)気候変動への対応

 当社グループは、気候変動を含む環境課題を経営の重要課題ととらえております。脱炭素社会の実現に向けて、2050年カーボンニュートラル宣言を公表するとともに、2023年5月にTCFD提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに加入しております。気候変動に関するリスク及び機会を特定し、シナリオ分析を通じて事業インパクトと財務影響を評価し、対応策を講じることで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上の両立に取り組んでおります。

 

ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスの枠組みに組み込んで管理しております。

 当社グループでは、取締役会の監督・指示のもと、サステナビリティ推進会議において、気候変動が当社グループの経営に与える影響の評価、対応方針や目標、経営施策の検討を行い、取締役会に定期的に報告・提言を行っております。取締役会は、サステナビリティ推進会議からの報告・提言を踏まえ、必要な意思決定を行うとともに、執行側の取り組みに対する指示・監督を行っております。気候変動への対応に関する具体的な執行については、担当執行役員を委員長とする「グループ環境委員会」及び同委員会の下部専門組織である「温暖化対策部会」を中心に、各部門・グループ会社が連携して取り組んでおります。

 なお、サステナビリティ全般に関するガバナンスの詳細については、「(1)サステナビリティ全般_ガバナンス」を参照ください。

 

戦略

 当社グループでは、TCFD提言に基づく気候変動のシナリオ分析を、事業部門を対象に2つのシナリオ(1.5℃/2℃及び4℃)を用いて実施しました。今後想定されるリスクと機会を幅広く洗い出したうえで、経営層や各事業部門を中心とした協議・検討を経て、当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性の高い事象とその影響度を評価し、その評価結果に基づいて対応策の検討・策定を行いました。

 

◆対象シナリオ

シナリオ

想定事象

主な参照シナリオ

1.5℃/2℃

シナリオ

・日本を含む世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇する

・消費者の嗜好の変化により、低炭素・脱炭素の製品・サービスへの需要が拡大する

・ステークホルダーからの脱炭素化要求が高まり、対応できない企業が淘汰される

・サプライチェーン全体における脱炭素化の加速により、操業及び製造コストが増加する

IEAWorldEnergyOutlook2021 (SDS,NZE2050)

IEAWorldEnergyOutlook2018 (SDS)

IPCC (SSP1-1.9,SSP1-2.6)

4℃シナリオ

・日本を含む世界各国でカーボンプライシングの導入が進まない

・気温上昇に伴い、衛生ニーズなどの新たな消費者ニーズが創出される

・自然災害が激甚化し、生産拠点の被災による操業停止などのリスクが高まる

IEAWorldEnergyOutlook2021 (STEPS)

IEAWorldEnergyOutlook2018 (NPS)

IPCC (SSP5-8.5)

 シナリオ分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による操業コストの増加や、エネルギー価格の変動に伴う原材料コストへの影響が大きいことを確認しました。これらのリスクに対しては、温室効果ガス(GHG)排出量の削減と、事業活動の効率化を推進します。一方で、環境配慮型製品・サービスの販売拡大をはじめとする、環境負荷低減に貢献する新たな顧客ニーズを的確に捉えることで、事業成長の機会となり得ることを確認しました。

 また、4℃シナリオにおいては、自然災害の激甚化に伴う物理リスクが事業継続の阻害要因となり得ますが、分析の結果、各生産拠点におけるリスクは軽微でした。今後もリスク分析の精緻化及び災害などへの事前対応を進めることで影響の最小化を図っていきます。

 今後も定期的かつ継続的にシナリオ分析を実施することでその精度を高め、想定されるリスクに柔軟に対応しながら、不確実な将来においても持続可能でレジリエントな経営体制の構築を目指していきます。一方、機会については、気候変動の動向や市場の変化、顧客との対話を重視しつつ、持続的な企業価値の向上につながる低炭素製品・サービスの開発に取り組んでいきます。

 

◆リスクと機会の特定

種別

ドライバー

概要

期間

※1

1.5℃
シナリオ
影響度

※2

4℃
シナリオ
影響度

※2

物理リスク

急性リスク

サイクロン、洪水などの

異常気象の激甚化

洪水・浸水による生産拠点操業に影響するリスクの増加

中長期

慢性リスク

降雨パターンの変化、気象パターンの極端な変動性

降水・気象パターン変化による災害対策コストの増加

中長期

移行リスク

政策及び法規制

GHG排出の価格付け進行(カーボンプライシング)

炭素税や排出権取引制度の導入によるコストの増加

短期

GHG排出量の報告義務の強化

省エネ政策の強化による設備投資の増加

短期

既存製品/サービスに

対する義務化/規制化

環境低負荷プラスチックへの切り替えによるコストの増加

短期

技術

既存製品/サービスの低炭素オプションへの置換

低炭素化への対応遅延による市場の喪失と収益の減少

短期

市場

原材料コストの高騰

サプライチェーン全体における脱炭素化の加速

短期

顧客行動の変化

CO2排出を伴う既存ペーパーメディアの減少

短期

評判

ステークホルダーの不安増大、又はマイナスのフィードバック

投資対象からの除外、株価下落、

資金調達の困難化

中長期

機会

資源効率

効率的な生産及び

流通プロセスの使用

エネルギー使用量削減及び製造コストの削減

短期

製品及びサービス

低排出商品及びサービスの開発・拡大

環境要件への適合や製品ライフサイクルにおけるCO2排出量算定による市場優位性の確保

短期

消費者によるサステナブル志向な購買行動の拡大

短期

消費者の嗜好の変化

デジタルメディア需要の拡大

短期

市場

新しい市場へのアクセス

気温上昇による消費者ニーズの変化

短期

低炭素型ビジネスモデル開発の推進

短期

※1 期間  短期:2023~2030年頃まで 中長期:2030~2050年頃まで

※2 影響度 リスク:基準=営業利益に対する影響額 5億円超(大)/ 2億円超(中)/ 2億円未満(小)

    機会:基準=売上高に対する影響額   10億円超(大)/ 3億円超(中)/ 3億円未満(小)

 

リスク管理

 気候変動に関するリスクは、サステナビリティ全般に関するリスク管理の一環として管理しております。取締役会の監督・指示のもと、各部署において識別されたリスク及び機会について、サステナビリティ推進会議が中心となって影響度・発生可能性・発生時期等の観点から評価を行っております。また、識別されたリスクについては、全社的リスクマネジメント(ERM)の枠組みにおいて、他の重要リスクと統合的に管理しております。

 詳細については、「(1)サステナビリティ全般_リスク管理」を参照ください。

 

指標・目標

 当社グループでは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、事業活動に伴う温室効果ガスの排出量削減をめざし、以下の環境中長期目標を設定しております。本目標は、2025年6月にSBT※認定を取得しており、パリ協定が定める水準と整合した温室効果ガス削減目標となっております。

※SBT:「Science Based Targets」の略、「科学的根拠に基づく目標」の意味。

パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出削減目標を立てていることを示す国際認証。

対象

目標

Scope1+2

2030年度までに、2022年度を基準年度として自社排出総量を42%削減する

Scope3

2030年度までに、SBT水準に整合するサプライヤーを調達額ベースで90%とする

 

 

◆GHG排出量削減ロードマップ

GHG排出量(Scope1+2)[t-CO2

 

◆GHG排出量実績(海外含むグループ全体)

GHG排出量

(単位:t-CO2

2022年度

(基準年)

排出量

2025年度

排出量

基準年比

削減率

Scope1+2+3

520,882

426,096

18.2%

 

Scope1+2

46,387

40,898

11.8%

 

Scope3

474,495

385,198

18.8%

 

 

Scope3_カテゴリー1

(購入した製品・サービス)

300,934

258,756

14.0%

 

 

Scope3_カテゴリー4

(輸送、配送 上流)

28,242

24,273

14.1%

 

 

Scope3_カテゴリー9

(輸送、配送 下流)

29,883

17,354

41.9%

 

 

Scope3_カテゴリー12

(販売した製品の廃棄)

86,213

59,827

30.6%

 

 

Scope3_その他

29,223

24,989

14.5%

※ 当社グループでは、GHG排出量に関する暫定的な算定結果を報告書に記載しております。最終的な数値は、第三者保証プロセスを経て2026年8月末に確定予定であり、それに基づき変更が生じる可能性があります。確定後、必要に応じて開示内容を更新し、変更点についてはステークホルダーに適切に説明いたします。

 

◆施策の実行状況

 Scope1+2については、2030年度目標の達成に向け、設備改善や運用改善を中心とした省エネルギー施策を推進しております。2025年度のGHG排出量削減については、当該目標の達成に向け、概ね計画に沿って推移しております。また、Scope3排出量については、「共同印刷グループサステナブル調達基準」及びSBT水準に準拠したGHG排出量削減目標の設定について主要取引先に説明し、理解と協力を求めるなど、サプライチェーン全体での排出量削減に向けた取り組みを推進しております。

 一方で、脱炭素社会への移行に伴う市場・顧客ニーズの変化を踏まえ、環境配慮型製品・サービスの創出及び提供拡大に向けた取り組みを推進しております。2025年度は、環境ビジョン2050に基づく環境中長期目標として、当該製品・サービスの創出件数に関する指標を設定し、持続的な企業価値向上につながる取り組みを進めております。

 

(3)人的資本への対応

 当社グループでは、長期ビジョン「NexTOMOWEL2034」の実現に向け、事業ポートフォリオ変革を中核とした経営戦略を推進しております。長期ビジョンを実現するためのマテリアリティとして「事業成長の原動力となる人材戦略」を特定しており、新たな事業領域の拡大を通じた事業ポートフォリオ変革の推進を担う価値創造人材の確保・育成及び戦略的なマネジメントが不可欠であると認識しております。

 そのため当社グループは、「人材ポートフォリオに基づく人事運営強化」と「人材を活かす制度基盤・組織力の向上」を柱として、人的資本への戦略的投資を推進しております。事業戦略と連動した人材の配置・採用・育成を進めるとともに、人材が能力を最大限発揮できる組織基盤の整備を進めてまいります。

 

ガバナンス

 人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティ経営の統合的な枠組みの中で一体的に運用しております。当該ガバナンスの全体像については、「(1)サステナビリティ全般_ガバナンス」を参照してください。

 人的資本に基づくグループの人材戦略については、代表取締役社長及び常務以上の執行役員が参加する戦略会議で定期的に議論されております。また各事業本部別に「HRBP」(Human Resource Business Partner)を配置し、戦略会議で議論された内容に基づき、事業戦略を推進するための人材配置や育成計画を策定・実行しております。

 これらの取り組みの進捗については、サステナビリティ推進会議において状況を把握するとともに、人的資本に関する主要指標については、マテリアリティ指標の一部として取締役会へ報告しております。こうした監督と執行の両輪により、経営戦略との一体的な推進を図っております。

 

戦略

 当社グループは、事業ポートフォリオ変革に向けた成長戦略を展開しております。

情報系事業

生活・産業資材系事業

情報に付加価値をつける情報加工サービスにシフトし、非印刷領域を拡大

高付加価値製品を開発し、東南アジアなどの

成長市場や新規事業分野を拡大

 こうした戦略の実行にあたり、デジタル活用による非印刷領域の拡大や海外への事業展開、新素材開発の推進等の分野において高い専門性を発揮し、事業変革をリードできる人材の確保・育成に注力してまいります。

 

◆重点取り組みテーマ① 人材ポートフォリオに基づく人事運営強化

 2034年を見据えたあるべき組織体制と、それを担う人材の量・質・役割を可視化し、事業戦略の実現に向けて、現状とのギャップを埋めるための戦略的な配置・採用・育成をグループ全体で推進します。

 

■戦略的人材配置とキャリア開発

 事業戦略に基づく人材ポートフォリオの策定に向けて、各事業領域において求められる人材の質・量を明確化するため、事業領域ごとに必要な専門性の定義及び人員構成の可視化を進めております。これにより、戦略領域への人材配置や育成の方向性を明確化するとともに、戦略領域への人材シフトを目的として、部門間異動を計画的に実行しております。さらに、公募制の「キャリアチャレンジ制度」や「海外トレーニー制度」を通じて、自律的なキャリア形成を支援しております。

 

■専門人材の確保・育成

 戦略領域である「デジタル活用、海外展開、新素材開発」において、即戦力となるキャリア採用を強化するとともに、新卒人材においても将来の中核人材として計画的に確保・育成します。

 

■スキルの高度化

 全社的なスキル高度化に向けてリスキリングを推進し、推奨資格の取得促進やオンライン学習プラットフォームの活用を通じて、実務に直結する能力の強化を図っております。特にデジタル人材の育成を重点的に進めております。

 

◆重点取り組みテーマ② 人材を活かす制度基盤・組織力の向上

 「制度基盤の強化」と「組織力の向上」を重点テーマに掲げ、公正な処遇と健全な組織環境の整備を通じて、人材の定着と活性化を図り、事業変革を持続的に支える組織基盤の強化を推進します。

 

■処遇制度の高度化

 職務レベルに応じた「シングルレート」や「評価給」を導入し、あわせて「組織力評価」を取り入れることで、役割や貢献に応じた適正な処遇を実現し、挑戦と成果が適切に評価・反映される仕組みの整備を進めております。

 

■組織開発・DE&I

 2025年度より「組織診断(従業員エンゲージメント調査)」を導入し、その結果を所属長研修や社長対話会等に活用することで、組織力の向上を図っております。また、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりに向け、女性社員のキャリア形成支援やエルダー社員の活躍推進に取り組んでおります。

 

■安全衛生・健康経営

 労働災害の防止に向けた職場環境の整備や、メンタルヘルス相談窓口の周知、健康診断後のフォローアップの徹底等を通じて、従業員が安全かつ健康に働ける職場づくりを進めております。これらの取り組みにより、従業員のウェルビーイング向上及び労働生産性の向上を図っております。

 

リスク管理

 人的資本に関するリスクは、当社グループの持続的成長に影響を与える重要な課題として位置づけ、サステナビリティ全般のリスク管理の一環として対応しております。これらの取り組みは、全社的リスクマネジメント(ERM)の枠組みと連携し、組織横断的に対応を進めております。

 「(1)サステナビリティ全般_リスク管理」及び「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

指標・目標

 人的資本に関する指標・目標については、人材戦略の重点取り組みテーマに対応して設定を進めております。2025年度は、人材ポートフォリオの策定に向けた実態把握及び可視化を主な取り組みと位置づけており、各領域における人材の量及び質の状況を把握するための基礎データの整備を進めております。今後は各施策の進展に応じて指標の精緻化及び目標設定を段階的に進めてまいります。

 

 

領域

指標

2034年度目標

2030年度目標

2025年度実績

対象範囲

人材ポートフォリオに基づく

人事運営強化

配置

人材ポートフォリオ充足率

※1

国内外

グループ全体

採用

中途採用比率

※2

30.0%

国内グループ

育成

デジタル人材比率

デジタルを活かせる人材15%以上、デジタルを作れる人材15%以上

デジタルを活かせる人材5.0%、デジタルを作れる人材10.3%

国内グループ

推奨資格取得者数

専門性強化に向け、毎年度一定の増加(前年比100%以上)を目標として推進

92名

(前年比108%)

当社単体

人材を活かす

制度基盤・組織力の向上

組織力

DE&I

エンゲージメント調査回答率

※3

91.0%

当社単体

女性管理職比率

20%以上

14%以上

8.9%

国内グループ

安全衛生

健康経営

受診勧奨対象者への受診勧奨実施率

100%

100%

100%

当社単体

休業災害度数率

(休業1日以上)

1.0以下

1.4以下

1.88

国内グループ

「デジタル人材比率」「エンゲージメント調査回答率」「女性管理職比率」については、マテリアリティの主要指標として設定しております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般_戦略及び指標・目標」を参照ください。

 

※1 人材ポートフォリオについては、事業戦略に基づき必要となる人材区分の整理を完了しております。現在、各区分における必要人員数及びスキル要件の定量化を進めており、これに基づく「人材ポートフォリオ充足率」を指標として設定する予定です。当該指標については、2026年度を目途に開示する計画です。

※2 中途採用比率については、事業環境や採用市場の状況に応じて柔軟に運用する方針としており、数値目標は設定しておりません。一方で、専門性の高い人材や即戦力人材の確保を目的として中途採用を活用しており、新卒採用とのバランスを踏まえながら一定水準を維持しております。

※3 エンゲージメント調査回答率については、調査の信頼性を担保する観点から、90%以上の維持を目標とします。一方で、従業員エンゲージメントの実質的な向上を図るため、今後は総合満足度等を主要指標として設定する予定です。