人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,907名(単体) 3,215名(連結)
-
平均年齢45.1歳(単体)
-
平均勤続年数16.4年(単体)
-
平均年収6,375,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2025年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
情報コミュニケーション部門 |
818 |
(42) |
情報セキュリティ部門 |
805 |
(95) |
生活・産業資材部門 |
947 |
(170) |
その他 |
251 |
(92) |
全社(共通) |
394 |
(7) |
合計 |
3,215 |
(406) |
(注)1.従業員数は、就業人員であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当連結会計年度の平均雇用者数であります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門及び研究開発部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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1,907 |
(136) |
45.1 |
16.4 |
6,375 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
情報コミュニケーション部門 |
345 |
(0) |
情報セキュリティ部門 |
679 |
(52) |
生活・産業資材部門 |
489 |
(77) |
全社(共通) |
394 |
(7) |
合計 |
1,907 |
(136) |
(注)1.従業員数は、就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期中平均雇用者数であります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門及び研究開発部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合は共同印刷労働組合(2025年3月31日現在の組合員数は1,543名)ほかがあります。労使間の問題は経営協議会を通じて円満な解決を図っており、会社の発展なくして組合員の生活向上はないという見地から生産性向上に協力的であります。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1.3. |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
9.4 |
103.7 |
66.4 |
68.8 |
58.9 |
欄外に記載(注)4 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。なお、出産年度と育児休暇等取得年度が異なる社員がいる場合、取得率が100%を超えることがあります。
3.上記指標の算出にあたっては、以下のような定義や計算方法を用いております。
賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く
人員:2025年3月31日時点の人員数で算出
(パートタイム労働者は、正規雇用労働者の所定労働時間(8時間/日)に換算し算出)
正規雇用労働者:当社から社外への出向者を含み、他社から当社への出向者を除く
パートタイム労働者・有期労働者:エルダー社員(定年後再雇用者)、準社員(フルタイム)、
パートタイマー、アルバイト、嘱託契約社員(派遣社員は含まず)
4.賃金の差異の補足説明
・賃金制度をはじめ、人事制度において男女の差はありません。
・差異の主な要因は、①役割等級別の人員構成比差(上位の等級に女性の割合が少ないこと)、②勤務時間・勤務形態の違い(短時間勤務、深夜勤務等)やそれに付随する手当の支給有無によるものです。
② 連結子会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
当社グループは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題を収益機会や成長性につながる重要な経営課題と認識し、持続可能な社会の実現及び当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざす「サステナビリティ経営」を推進しております。
企業の成長は、株主・投資家をはじめ、顧客企業や消費者、取引先、従業員、地域社会など多様なステークホルダーから提供される有形・無形のリソース(資本)によって成り立つものと認識しております。当社グループは、外部環境やステークホルダーから受ける正・負の影響に的確に対応するとともに、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組むことで新たな価値を創出し、その価値をステークホルダーへ適切に還元することで、持続的な成長を実現しております。
価値創出の原動力である人的資本への取り組みとして、価値創造人材の活躍に向けた多様性の確保や労働環境の整備を進めております。また、環境や人権課題等のESGへの取り組みについては、サプライチェーンへの展開を含め、着実に実行しております。これらの取り組みとともに、ステークホルダーとの透明性のある対話と誠実なコミュニケーションを通じて、経営理念に掲げる「共にある未来の実現」をめざしてまいります。
ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営の実現に向けた総合的な施策を検討・推進するため、取締役会の監督・指示のもと、サステナビリティ推進会議を設置しております。本会議では、外部環境が当社グループに与える影響や、企業活動が社会・環境・経済に与える影響を踏まえ、気候変動対応や人的資本への投資など、中長期的な成長の基盤となる重要課題について協議を行い、取締役会に報告・提言しております。また、重要な施策の進捗や成果については、指名報酬委員会を通じて経営陣の報酬制度に反映することで、企業価値の持続的向上と経営陣のインセンティブの整合を図っております。
サステナビリティ推進会議は、代表取締役社長を議長とし、常務執行役員以上で構成され、必要に応じて社外有識者等を招聘します。本会議では、外部から受ける経営への影響を評価し、当社グループ全体のサステナビリティに関する重要な方針やマテリアリティ(重要課題)、総合的施策等についての協議を行っております。2024年度は、外部有識者とのダイアログを開催し、マテリアリティの見直しに向けたご意見をいただきました。これらの協議結果や意見をもとに、取締役会への定期的な報告・提言を行い、サステナビリティの取り組みをグループ全体に反映しております。(2024年度の開催実績は9回)
当社グループのサステナビリティ経営推進に関するガバナンス体制は、以下のとおりであります。
2024年度開催の取締役会におけるサステナビリティに関する主な議論は以下のとおりであります。
■マテリアリティの重点取り組みテーマ・KPIのモニタリング
■理念体系とマテリアリティの見直しについて
■人権デューデリジェンスの取り組みについて(リスク評価及び対策優先課題の特定等)
戦略及び指標・目標
当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざし、社会課題に与える影響を考慮したうえで、中長期的な価値創造能力に重大な影響を与える要素をマテリアリティとして特定しております。2023年度に設定したマテリアリティの重点取り組みテーマ及びKPIに基づき、取り組み状況は取締役会で定期的にモニタリング・評価を行い、今後の取り組み強化につなげていきます。
重点取り組みテーマにおけるKPIの2024年度実績は以下のとおりであります。なお、当社グループは、2024年度にマテリアリティの見直しを実施し、2025年度より新たなマテリアリティに基づく取り組みを開始しております。本報告書におけるKPIの実績については、従来のマテリアリティに基づき記載しております。
◆価値創造領域
多様なライフスタイル ~情報コミュニケーションで、豊かさと幸せを実感できる暮らしをつくる |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
誰もがやりがいをもって働ける環境の提供 |
スマートな働き方支援ソリューションの提供数 (2030年度までに300社以上) |
22社 |
誰もが自らが望む形で生涯学び続けられる機会の提供 |
生涯学習向けソリューションの提供数 (2030年度までに250社以上) |
15社 |
多様なライフスタイルに合わせたさまざまな体験価値の創出 |
体験価値創出ソリューションのコンテンツ数 (2030年度までに400本以上) |
36本 |
スマート社会 ~情報セキュリティで、誰もが安心・便利な社会をつくる |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
いつでもどこでも簡単に手続きや決済が可能な環境の提供 |
次世代金融ソリューションのサービスラインアップ数 (2030年度までに5本以上) |
2本 |
いつでもどこでも簡単に行政手続きが可能な環境の提供 |
スマート自治体向けソリューションの提供数 (2030年度までに導入自治体数20以上) |
1団体 |
すべての人が健康に暮らせる社会への貢献 |
ヘルスケアソリューションのサービスラインアップ数 (2030年度までに10本以上) |
3本 |
循環型社会 ~革新的なパッケージとサービスで、サステナブルな未来をつくる |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
環境配慮製品の提供 |
環境に配慮した包材・容器の売上高比率 (2030年度までに100%) |
39.0% |
資源循環システムへの貢献 |
プラスチック資源循環システムの構築 (2030年度までにPIR※確立とリサイクル材の本格的利用開始) |
共同印刷グループ内でのプラスチック循環開始 |
フードロスの削減に貢献 |
食品向け包材・容器におけるフードロスソリューションパッケージの売上高比率 (2030年度までに20%以上) |
9.5% |
※PIR(ポストインダストリアルリサイクル):市場に出る前の製品製造工程で発生した廃棄物をリサイクル・再利用すること
◆経営基盤領域
地球環境との共生 |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
気候変動の緩和と適応 |
GHG排出量削減率 (2030年度までに2022年度を基準とし42%以上) |
9.2% |
生物多様性の保全 |
FSC認証紙の調達率<重量ベース> (2030年度までに30%以上) |
25.2% |
原材料木材の合法性が確認された用紙の調達率 <購入金額ベース>(2030年度までに100%) |
81.2% |
|
価値創造人材の活躍 |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
・多様な価値観の活用 ・価値創造人材の確保と強化 ・能力を最大限発揮できる環境の整備 |
女性管理職比率 (2025年度までに10%以上) |
9.4%※1 |
デジタル人材※2比率 (2030年度までにデジタルを活かせる人材15%以上、デジタルを作れる人材15%以上) |
デジタルを活かせる人材1.9%、 デジタルを作れる人材10.0%※3 |
|
男性の育児休業取得率 (2030年度までに80%以上) |
103.1%※4 |
|
年次有給休暇平均取得率 (2030年度までに70%以上) |
65.6% |
|
責任ある企業行動 |
||
重点取り組みテーマ |
KPI |
2024年度実績 |
企業倫理と公正な事業慣行 |
コンプライアンス教育の受講率(毎年100%) |
100% |
人権の尊重 |
人権教育の受講率(毎年100%) |
100% |
人権デュー・デリジェンス(人権DD)の推進 (2024年度までにDD体制の構築、以降人権DDを継続実施) |
人権尊重分科会を中心に人権DDを推進し、経営層の討議等を踏まえ対策優先課題を特定・開示 |
|
情報セキュリティとプライバシー |
情報セキュリティ教育の受講率(毎年100%) |
100% |
サイバーセキュリティ訓練の実施(1回/年) |
1回実施 |
|
統合的なリスクマネジメント |
サステナブル調達アセスメントのサプライヤーカバー率<取引金額ベース> (2030年度までに90%以上) |
73.9% |
リスクマネジメント活動の高度化 (2030年度までにグループ重大リスク対応の有効性向上及びリスクマネジメント領域の拡大/全従業員のリスク感度向上) |
・共同印刷単体の事業部門等を対象にERM教育及びリスクアセスメントを展開 ・重大リスク対応策の遂行状況のモニタリング(PDCA) |
(注)経営基盤領域の各KPIの対象範囲は、当社及び国内の連結子会社としております。ただし、「GHG排出量削減率」、「人権デューデリジェンスの推進」、「サステナブル調達アセスメントのサプライヤーカバー率」、「リスクマネジメント活動の高度化」については、海外の連結子会社を含みます。なお、「FSC認証紙の調達率」、「原材料木材の合法性が確認された用紙の調達率」、「女性管理職比率」については当社単体としております。
※1.参考:2025年4月1日時点の数値は10.4%
※2.当社グループのデジタル人材の定義
デジタルを活かせる人材:ビジネスモデルやビジネスプロセスの変革をリードする人材
デジタルを作れる人材:市民開発者や部門アナリスト(各部門)、システム開発者やデータサイエンティスト(IT系部門)など
※3.数値は当社単体のみ 連結子会社は展開準備中
※4.出産年度と育児休業等取得年度が異なる従業員を含むため、100%を超過
リスク管理
当社グループでは、外部環境が経営に及ぼす影響や、通常業務を通じて得られる知見を踏まえ、リスク及び機会の識別・評価を行っております。サステナビリティ推進会議においては、識別されたリスク及び機会の影響度を評価し、重要度に応じた対応策を検討・協議したうえで、取締役会へ報告しております。2024年度は、当社グループの中長期的な価値創造能力に重大な影響を及ぼすものとして特定しているマテリアリティに基づき、重点取り組みテーマ及びKPIの進捗状況を取締役会においてモニタリング・評価しました。
また、グループ全体のリスク管理体制として、全社リスクマネジメント(ERM)を運用しております。ERMでは、経営目標の達成や財務状況に与える影響度及び対応状況を踏まえ、重要度の高いリスク項目を絞り込んだうえで、重大リスクとして特定し、継続的にモニタリング・評価を行っております。これらの重大リスクとマテリアリティは相互に連携しながら、グループ全体でリスク対応を推進しております。
当社グループの全社リスクマネジメントの詳細については、「3.事業等のリスク」を参照ください。
(2)気候変動への対応
当社グループは「地球環境との共生」をマテリアリティの一つとして特定し、気候変動がもたらす影響を重要な経営課題として認識しております。気候変動は、事業活動におけるリスクであると同時に、新たな事業創出の機会でもあると捉え、2050年カーボンニュートラルの実現を目標に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しております。その一環として、TCFD提言に基づき、気候変動に関連するリスク及び機会を特定し、シナリオ分析などを通じて事業活動や財務への影響を評価した上で、対応策を講じ、その結果を経営判断や中長期的な戦略策定に反映しております。また、2024年4月には、サプライヤーに遵守いただく事項を定めた「共同印刷グループサステナブル調達基準」を改定し、環境関連の項目を拡充しました。これにより、気候変動をはじめとする環境課題への対応を、サプライチェーン全体で推進しております。
ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスに組み込まれております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般_ガバナンス」を参照ください。
戦略
当社グループでは、TCFD提言に基づく気候変動のシナリオ分析を、事業部門を対象に2つのシナリオ(1.5℃/2℃及び4℃)を用いて実施しました。今後想定されるリスクと機会を幅広く洗い出したうえで、経営層や各事業部門を中心とした協議・検討を経て、当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性の高い事象とその影響度を評価し、その評価結果に基づいて対応策の検討・策定を行いました。
◆対象シナリオ
シナリオ |
想定事象 |
主な参照シナリオ |
1.5℃/2℃ シナリオ |
・日本を含む世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇する ・消費者の嗜好の変化により、低炭素・脱炭素の製品・サービスへの需要が拡大する ・ステークホルダーからの脱炭素化要求が高まり、対応できない企業が淘汰される ・サプライチェーン全体における脱炭素化の加速により、操業及び製造コストが増加する |
IEAWorldEnergyOutlook2021 (SDS,NZE2050) IEAWorldEnergyOutlook2018 (SDS) IPCC (SSP1-1.9,SSP1-2.6) |
4℃シナリオ |
・日本を含む世界各国でカーボンプライシングの導入が進まない ・気温上昇に伴い、衛生ニーズなどの新たな消費者ニーズが創出される ・自然災害が激甚化し、生産拠点の被災による操業停止などのリスクが高まる |
IEAWorldEnergyOutlook2021 (STEPS) IEAWorldEnergyOutlook2018 (NPS) IPCC (SSP5-8.5) |
シナリオ分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による操業コストの増加や、エネルギー価格の変動に伴う原材料コストへの影響が大きいことを確認しました。これらのリスクに対しては、温室効果ガス(GHG)排出量の削減と、事業活動の効率化を推進します。一方で、環境配慮型製品・サービスの販売拡大をはじめとする、環境負荷低減に貢献する新たな顧客ニーズを的確に捉えることで、事業成長の機会となり得ることを確認しました。
また、4℃シナリオにおいては、自然災害の激甚化に伴う物理リスクが事業継続の阻害要因となり得ますが、分析の結果、各生産拠点におけるリスクは軽微でした。今後もリスク分析の精緻化及び災害などへの事前対応を進めることで影響の最小化を図っていきます。
今後も定期的かつ継続的にシナリオ分析を実施することでその精度を高め、想定されるリスクに柔軟に対応しながら、不確実な将来においても持続可能でレジリエントな経営体制の構築を目指していきます。一方、機会については、気候変動の動向や市場の変化、顧客との対話を重視しつつ、持続的な企業価値の向上につながるよう、柔軟かつ戦略的に取り組みの検討・展開を進めていきます。
◆リスクと機会の特定
種別 |
ドライバー |
概要 |
期間 ※1 |
1.5℃ ※2 |
4℃ ※2 |
|
物理リスク |
急性リスク |
サイクロン、洪水などの 異常気象の激甚化 |
洪水・浸水による生産拠点操業に影響するリスクの増加 |
中長期 |
小 |
中 |
慢性リスク |
降雨パターンの変化、気象パターンの極端な変動性 |
降水・気象パターン変化による災害対策コストの増加 |
中長期 |
小 |
小 |
|
移行リスク |
政策及び法規制 |
GHG排出の価格付け進行(カーボンプライシング) |
炭素税や排出権取引制度の導入によるコストの増加 |
短期 |
大 |
小 |
GHG排出量の報告義務の強化 |
省エネ政策の強化による設備投資の増加 |
短期 |
中 |
中 |
||
既存製品/サービスに 対する義務化/規制化 |
環境低負荷プラスチックへの切り替えによるコストの増加 |
短期 |
中 |
中 |
||
技術 |
既存製品/サービスの低炭素オプションへの置換 |
低炭素化への対応遅延による市場の喪失と収益の減少 |
短期 |
小 |
- |
|
市場 |
原材料コストの高騰 |
サプライチェーン全体における脱炭素化の加速 |
短期 |
大 |
小 |
|
顧客行動の変化 |
CO2排出を伴う既存ペーパーメディアの減少 |
短期 |
中 |
中 |
||
評判 |
ステークホルダーの不安増大、またはマイナスのフィードバック |
投資対象からの除外、株価下落、 資金調達の困難化 |
中長期 |
中 |
- |
|
機会 |
資源効率 |
効率的な生産及び 流通プロセスの使用 |
エネルギー使用量削減及び製造コストの削減 |
短期 |
大 |
小 |
製品及びサービス |
低排出商品及びサービスの開発・拡大 |
環境要件への適合や製品ライフサイクルにおけるCO2排出量算定による市場優位性の確保 |
短期 |
中 |
- |
|
消費者によるサステナブル志向な購買行動の拡大 |
短期 |
大 |
小 |
|||
消費者の嗜好の変化 |
デジタルメディア需要の拡大 |
短期 |
中 |
中 |
||
市場 |
新しい市場へのアクセス |
気温上昇による消費者ニーズの変化 |
短期 |
中 |
中 |
|
低炭素型ビジネスモデル開発の推進 |
短期 |
中 |
中 |
※1 期間 短期:2023~2030年頃まで 中長期:2030~2050年頃まで
※2 影響度 リスク:基準=営業利益に対する影響額 5億円超(大)/ 2億円超(中)/ 2億円未満(小)
機会:基準=売上高に対する影響額 10億円超(大)/ 3億円超(中)/ 3億円未満(小)
リスク管理
気候変動に関連するリスク管理は、サステナビリティ全般に関するリスク管理の一環として実施しており、当社グループの持続的な成長に影響を及ぼしうる重要な課題の一つとして位置づけております。これらのリスクは、全社的リスクマネジメント(ERM)の枠組みとも連携しながら、組織横断的に対応を進めております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般_リスク管理」を参照ください。
指標・目標
当社グループでは、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立すべく、「2050年カーボンニュートラル宣言」を掲げております。これは、脱炭素社会への対応を中長期的な競争力の源泉と位置づけ、資本コストの低減や収益性の向上を図るための経営戦略の指針となるものです。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、事業活動に伴うGHG排出量(Scope1+2)については、2022年度を基準年として2030年度までに42%削減する目標を設定しております。また、Scope3については、サプライヤーとの連携を強化し、支出額ベースで90%のサプライヤーが2030年度までにSBT※に準拠したGHG排出量削減目標を設定することをめざしております。なお、当社グループのSBT認定については、2024年度に申請を完了し、2025年度内の取得をめざしております。
※SBT:「Science Based Targets」の略、「科学的根拠に基づく目標」の意味。
パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出削減目標を立てていることを示す国際認証。
◆GHG排出量削減ロードマップ
GHG排出量(Scope1+2)[t-CO2]
◆GHG排出量実績(海外含むグループ全体)
GHG排出量 (単位:t-CO2) |
2022年度(基準年) 排出量 |
2024年度 排出量 |
基準年比 削減率 |
||
Scope1+2+3 |
492,916 |
441,489 |
10.4% |
||
|
Scope1+2 |
46,387 |
42,133 |
9.2% |
|
|
Scope3 |
446,529 |
399,356 |
10.6% |
|
|
|
Scope3_カテゴリー1 (購入した製品・サービス) |
291,213 |
264,775 |
9.1% |
|
|
Scope3_カテゴリー4 (輸送、配送 上流) |
27,870 |
25,257 |
9.4% |
|
|
Scope3_カテゴリー9 (輸送、配送 上流) |
12,286 |
8,111 |
34.0% |
|
|
Scope3_カテゴリー12 (販売した製品の廃棄) |
86,408 |
72,073 |
16.6% |
|
|
Scope3_その他 |
28,752 |
29,141 |
△1.4% |
※1 2024年度にGHG排出量算定方法の見直しを実施したため、昨年度報告の実績に基づき、2022年度(基準年)、2023年度、2030年度(目標年)の数値を修正しました。なお、本修正による影響は軽微であると判断しております。
※2 当社グループでは、GHG排出量に関する暫定的な算定結果を報告書に記載しております。最終的な数値は、第三者保証プロセスを経て2025年8月末に確定予定であり、それに基づき変更が生じる可能性があります。確定後、必要に応じて開示内容を更新し、変更点についてはステークホルダーに適切に説明いたします。
◆施策の実行状況
当社グループでは、気候変動への対応を事業戦略や調達戦略、設備投資・運用戦略などに統合的に組み込み、将来的な収益性と資本効率の向上をめざしております。2024年度は、原材料及びエネルギー調達を含む「サステナブル調達基準」を改定し、Scope3対応を起点としたバリューチェーン全体での環境負荷低減に向けた取り組みを推進しております。また、生産体制においては、老朽設備の更新や自動化設備の導入などによりエネルギー効率を高めるとともに、保全コストの抑制にもつなげる施策を推進しております。
こうした取り組みの結果、Scope1+2のGHG排出量は、2023年度に14.7%、2024年度に9.2%と2年連続で基準年度(2022年度)比の削減を実現しております。2024年度は、使用電力の排出係数(電力会社公表値)の変動により削減幅がやや縮小したものの、当社グループの設備・運用改善による実質的な削減努力は継続しております。Scope3については、基準年度比で10.6%の削減を実現しました。これは、輸配送の効率化、分別活動の徹底、そして有価物化の推進といった、以前から実施している施策を継続的に強化した結果です。今後は、サプライヤーとの連携を一層強化し、削減率のさらなる向上を目指してまいります。
今後は、低炭素・リサイクル素材を活用した製品の開発・拡充や、それに伴うバリューチェーン全体の見直しを通じて、事業ポートフォリオの高度化を図ってまいります。これにより、気候変動リスクの緩和と環境価値の創出を新たな成長機会として位置づけ、資本コストの最適化にもつなげていく考えです。
(3)人的資本への対応
当社グループでは、「人材」を企業の競争優位性を高め、持続的な成長を実現するための重要な経営資本と位置づけております。すべての従業員が自らの能力を最大限に発揮し、価値を創造する「価値創造人材」として成長できるよう、人材に対する投資を積極的に行っております。
ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスに組み込まれております。
詳細については、「(1)サステナビリティ全般_ガバナンス」を参照ください。
戦略
当社グループでは、「人材育成及び社内環境整備方針」を定めるとともに、「価値創造人材の活躍」をマテリアリティとして特定しております。これらに基づき、目指すべきビジネスモデルや経営戦略に沿った多様な価値観を持つ人材の確保と活用、能力強化、そして、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでおります。
◆重点取り組みテーマ① 多様な価値観を持つ人材の確保と活用
社会や事業環境の変化に対応し、新たな価値を社会に提供し続けるためには、多様な価値観を持つ人材が各自の視点や経験、能力を活かすことが重要です。当社グループでは、新たな価値創造と事業変革を牽引する多様な人材の確保と活用、定着に向けた施策を推進しております。
a.多様な人材の確保と活用
新たな事業領域の拡大に向け、中核人材の強化のために自社にはない能力や経験をもつキャリア人材の採用を加速しております。また他社との人材交流や再雇用制度、自社内ではキャリアチャレンジ制度、自律的にキャリアを考えるキャリアデザイン制度等によって人材流動性を高めるなど、中長期的な企業価値の向上に努めております。
b.管理職の価値観の変革と女性活躍推進
年齢や性別を問わず、潜在能力と意欲、変革力を持つ人材の早期登用を進める制度へ改定するとともに、マネジメント力向上を図る研修プログラムの導入を通し、管理職の意思決定の刷新と多様化を図っております。なかでも女性の登用については、女性管理職比率を2025年度中までに10%とする目標に向け順調に推移しており、部門長や執行役員にも女性を登用するなど、着実に変革を進めております。
◇女性管理職比率の推移(共同印刷単体)
◆重点取り組みテーマ② 価値創造に向けた能力開発
当社グループを取り巻く環境は、社会全体のデジタル化や生活者の価値観の変容など大きく変化しております。当社グループでは、こうした変化にしなやかに対応し、新たな価値を創造する人材を企業の持続的な成長を支える重要な経営資本として捉え、能力やスキルの開発と育成を推進しております。
a.デジタル人材の育成
当社グループでは、「共同印刷グループDX戦略」のもと、企業としての競争力を強化し、成長性を高めるためにデジタル技術を活用した変革を推進しております。特に、デジタル人材の育成を重要視しており、デジタルリテラシーを持つ人材の確保と育成は、事業基盤の強化や新規事業領域の拡大に不可欠な要素と捉えております。当社グループでは、事業ポートフォリオに基づき、各種DX推進スキルの教育を強化し、グループ全体のデジタルリテラシーの向上を図っております。また、変革を自分ごととして捉え、既存の慣例や風土を乗り越えて新たな価値を創造するためのマインドセットにも力を入れております。
◇共同印刷グループのDX戦略の概要
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b.能力開発基盤の強化
当社グループでは、従業員と組織のパフォーマンスを最大化する人材マネジメントを推進しております。特に自律的なキャリア形成支援に注力しており、2024年度には、当社の社内公募制度(キャリアチャレンジ制度)の利用拡大を図り、募集職場・応募者共に伸長しております。この施策により従業員が主体的に選択したポジションで働くことで、モチベーションが高まり、業務の生産性も向上しております。
さらに、急速な事業環境の変化に対応するため、新たなスキルの習得や専門性の強化を重視し、オンライン学習サービスの継続導入や資格取得支援を強化しております。
◆重点取り組みテーマ③ 能力を最大限に発揮できる職場環境
企業の生産性と競争力を向上させるには、従業員が働きがいを持てる職場環境を構築し、従業員エンゲージメントを高めることが重要です。当社グループでは、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の促進やワークライフバランス、健康と安全といった、職場環境の整備に向けた取り組みを推進しております。
a.生産性の高い職場環境づくり
長時間労働の是正や年次有給休暇の取得促進、健康経営の推進によって、従業員のエンゲージメント向上と組織の活性化につなげております。年次有給休暇については、グループ全従業員が年10日以上取得することを目標に掲げ、進捗を管理しながら取り組みを進めております。また、健康経営の推進については、労働生産性に影響を及ぼすプレゼンティーズムへの対応として、女性特有の健康課題に優先的に取り組むなど、課題の重要度に応じた取り組みを進めております。
また、テレワークの導入をはじめとするハイブリッドワークの推進を通じて柔軟な働き方を促進し、働きやすく生産性の高い職場環境の整備に進めております。
b.仕事と家庭の両立支援
従業員の仕事と家庭の両立を支援することで、優秀な人材の確保と定着、生産性向上を図るだけでなく、従業員自身が多様な価値観を獲得する機会と認識のもと、個の創造性向上につなげております。
特に、男性の育児休業取得については目標値を設定し、グループ全体で推進しております。具体的な取り組みとして、従業員が望む両立が実現できるよう、マネジメント層への研修の実施や配偶者が出産予定の男性社員と人事部の面談を進めております。
また、両立支援制度の多くは、法令よりも制度の適用期間を長く設定しており、当社独自の両立支援制度である「ライフサポート休業制度」では、不妊治療や子の不登校時にも休業を認めることで、従業員の離職防止と、従業員エンゲージメントの向上を図っております。
リスク管理
人的資本に関連するリスク管理は、サステナビリティ全般に関するリスク管理の一環として実施しており、当社グループの持続的な成長に影響を及ぼしうる重要な課題の一つとして位置づけております。これらのリスクは、全社的リスクマネジメント(ERM)の枠組みとも連携しながら、組織横断的に対応を進めております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般_リスク管理」を参照ください。
指標・目標
人的資本に関する指標・目標は、マテリアリティの重点取り組みテーマ及びKPIに組み込まれております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般_戦略及び指標・目標」を参照ください。