人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数4,304名(単体) 51,834名(連結)
-
平均年齢42.5歳(単体)
-
平均勤続年数17.9年(単体)
-
平均年収17,087,936円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
|
オペレーティング・セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
ライフスタイル |
7,503 |
[58] |
フォレストプロダクツ |
2,873 |
[506] |
情報ソリューション |
8,325 |
[2,907] |
食料第一 |
2,804 |
[441] |
食料第二 |
4,484 |
[292] |
アグリ事業 |
7,482 |
[763] |
化学品 |
1,547 |
[124] |
金属 |
511 |
[29] |
エネルギー |
950 |
[1,212] |
電力 |
2,024 |
[245] |
インフラプロジェクト |
655 |
[22] |
航空・船舶 |
444 |
[22] |
金融・リース・不動産 |
1,101 |
[131] |
建機・産機・モビリティ |
7,672 |
[144] |
次世代事業開発 |
415 |
[103] |
次世代コーポレートディベロップメント |
446 |
[80] |
その他(本部・管理等) |
2,598 |
[231] |
合計 |
51,834 |
[7,310] |
(注)1. 一部の連結子会社については当連結会計年度末と異なる時点での人員数となっております。
2. 出向者については、出向先の属するセグメントの従業員数に含めております。
3. 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
4. 「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」には、独立したオペレーティング・セグメントではない「新エネルギー開発推進部」に属する人員数も含めております。
なお、「新エネルギー開発推進部」の損益等については、オペレーティング・セグメント情報では
「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」にそれぞれ含めております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
4,304 |
42.5 |
17.9 |
17,087,936 |
オペレーティング・セグメントの名称 |
従業員数(人) |
ライフスタイル |
149 |
フォレストプロダクツ |
167 |
情報ソリューション |
180 |
食料第一 |
210 |
食料第二 |
146 |
アグリ事業 |
49 |
化学品 |
254 |
金属 |
256 |
エネルギー |
228 |
電力 |
299 |
インフラプロジェクト |
184 |
航空・船舶 |
128 |
金融・リース・不動産 |
258 |
建機・産機・モビリティ |
188 |
次世代事業開発 |
89 |
次世代コーポレートディベロップメント |
15 |
その他(本部・管理等) |
1,504 |
合計 |
4,304 |
(注)1. 従業員数に海外事業所の現地社員326人及び他社からの出向者108人を含め、他社への出向者1,055人を除いた人員数は3,683人であります。
2. 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3. 「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」には、独立したオペレーティング・セグメントではない「新エネルギー開発推進部」に属する人員数も含めております。
なお、「新エネルギー開発推進部」の損益等については、オペレーティング・セグメント情報では
「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」にそれぞれ含めております。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社において、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)多様性に関する指標
提出会社
管理職に占める女性労働者の割合(注)1 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
8.2% |
9.0% |
9.6% |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)第19条第1項第1号ホに定める事項を算出したものです。
当社では、2022年8月より「女性活躍推進2.0」という方針を掲げ、採用・成長機会・配置の観点から、女性のタレントパイプライン拡張に注力して取組みを進めています。その結果として、正社員に占める女性比率は年々増加しており(2022年度28.9%→2024年度30.1%)、管理職に占める女性比率も増加傾向となっています(2022年度8.2%→2024年度9.6%)。取組みの概要は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財戦略 ④ 指標及び目標 (a)女性活躍推進」に記載のとおりです。
男性労働者の育児休業等取得率(注)2 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
66.7% |
79.3% |
95.0% |
(注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
性別役割分担意識を解消し、男性も積極的に育児参画できる職場風土づくりを目指して、社長から全社員へのメッセージ発信、子が生まれた男性社員及びその上長への制度周知、事前の取得意向確認及び事後の取得状況確認等の取組みにより、制度への認知向上及び理解醸成が図られ、男性の育児休業等取得率は顕著に増加しています(2022年度66.7%→2024年度95.0%)。また、育児休業以外にも、コアタイムを柔軟に設定できるフレックスタイム勤務や報酬減額のない時短勤務の整備等を進めることで、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を可能としており、男女ともに仕事と育児を両立できる環境を実現しています。制度の概要は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財戦略 ③ リスク管理 (a)仕事と育児・介護の両立をサポートする制度」に記載のとおりです。
労働者の男女の 賃金の差異 (注)3 |
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||||||
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
60.2% |
60.2% |
61.7% |
60.4% |
60.5% |
62.0% |
41.8% |
39.8% |
42.3% |
(注)3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項第1号リに定める事項として、男性労働者の年間平均賃金に対する女性労働者の年間平均賃金の割合を算出したものです。
当社の人事制度では、性別による処遇の差は一切設けておりませんが、男女の賃金の差異が発生する要因の一つに、管理職に占める女性比率が少ないことが挙げられます。当社では、今後の管理職・管理職候補を着実に増やす仕組みとして女性のタレントパイプラインの拡張に向けた取組みを進めており、この要因による差異は縮小していくものと考えています。
また、男女の賃金の差異が発生するもう一つの要因として、当社の人事制度では、従来、正規雇用労働者を総合職と一般職という2つの職掌に区分し、そのうち主に組織の事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のない一般職の女性比率が100%であったことが挙げられます。これに対しては、一般職のキャリアパスを更に拡大することを目的に、2021年度に、原則全世界転勤必須であった総合職のなかに、原則転勤のないエリア限定コースを設けました。また、2024年度からは、職掌にとらわれない実力本位の適材適所を図るとともに、本人が担うミッションに応じた時価的な報酬制度を全社的に実現することを目指し、総合職と一般職の職掌区分を廃止するとともに、管理職以上には既に適用していた、ミッションをベースとした処遇決定の仕組みを非管理職にも導入しました。性別による差を設けないこれらの施策の実行・定着を図ることで、男女の賃金の差異は着実に縮まっていくものと考えています(2025年3月期では、処遇上の資格が同じ男女の賃金の差異はどの資格においても94%以上となっています。)。
連結子会社
オペレーティング・セグメントの名称 |
会社名 (注)1 |
管理職に占める女性労働者の割合 (注)2 |
男性労働者の育児休業等取得率 |
労働者の男女の賃金の差異(注)3 |
||||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
(注) |
|||||
|
(注) |
|||||||
ライフスタイル |
丸紅ファッションリンク |
5.9% |
- |
4 |
67.7% |
66.3% |
72.8% |
7,12 |
丸紅インテックス |
8.3% |
- |
4 |
68.9% |
66.5% |
68.7% |
8,12 |
|
フォレストプロダクツ |
丸紅フォレストリンクス |
0.0% |
50.0% |
6 |
65.3% |
64.9% |
- |
8,13 |
興亜工業 |
2.4% |
87.5% |
5 |
79.6% |
79.8% |
- |
9,13 |
|
情報ソリューション |
MXモバイリング |
7.9% |
45.3% |
5 |
73.1% |
74.7% |
73.7% |
7,14 |
maテレコム |
3.7% |
66.6% |
6 |
85.3% |
84.9% |
101.3% |
7 |
|
丸紅ITソリューションズ |
13.2% |
0.0% |
6 |
83.1% |
82.3% |
81.7% |
7,12 |
|
丸紅情報システムズ |
4.4% |
75.0% |
6 |
70.9% |
55.5% |
86.4% |
8,12 |
|
丸紅ネットワークソリューションズ |
5.2% |
0.0% |
6 |
67.2% |
69.8% |
40.6% |
8,15 |
|
アルテリア・ネットワークス |
8.2% |
54.5% |
6 |
73.8% |
75.7% |
33.7% |
7,12 |
|
丸紅ロジスティクス |
3.5% |
80.0% |
6 |
41.2% |
64.1% |
67.9% |
7,16 |
|
食料第一 |
山星屋 |
1.7% |
11.0% |
5 |
57.9% |
64.0% |
63.5% |
8,16 |
アトリオン製菓 |
9.1% |
0.0% |
6 |
76.5% |
75.8% |
94.3% |
7 |
|
丸紅食料 |
8.5% |
0.0% |
6 |
68.5% |
67.9% |
16.0% |
10,12 |
|
丸紅シーフーズ |
2.1% |
40.0% |
6 |
63.2% |
60.4% |
- |
7,13 |
|
食料第二 |
ウェルファムフーズ |
4.1% |
44.0% |
6 |
68.1% |
71.7% |
67.6% |
8,17 |
日本チャンキー |
11.1% |
100.0% |
6 |
85.0% |
84.0% |
100.0% |
8 |
|
日清丸紅飼料 |
5.4% |
36.4% |
6 |
73.8% |
75.7% |
50.2% |
8,12 |
|
化学品 |
丸紅プラックス |
2.6% |
0.0% |
6 |
67.0% |
67.0% |
- |
11,13 |
丸紅ケミックス |
1.9% |
50.0% |
6 |
67.1% |
67.7% |
42.8% |
8,18 |
|
エネルギー |
丸紅エネルギー |
6.8% |
50.0% |
6 |
69.5% |
67.5% |
45.7% |
8,12 |
インフラプロジェクト |
丸紅プロテックス |
0.0% |
100.0% |
6 |
68.5% |
68.7% |
75.8% |
7,14 |
航空・船舶 |
丸紅エアロスペース |
11.8% |
- |
4 |
76.3% |
74.9% |
98.1% |
8,12 |
金融・リース・不動産 |
丸紅リアルエステートマネジメント |
7.7% |
50.0% |
6 |
66.1% |
68.3% |
62.7% |
7,12 |
丸紅セーフネット |
6.8% |
25.0% |
6 |
69.3% |
69.3% |
- |
7,13 |
|
建機・産機・モビリティ |
丸紅エレネクスト |
1.7% |
50.0% |
6 |
53.3% |
69.2% |
26.2% |
8,17 |
丸紅テクノシステム |
15.2% |
50.0% |
6 |
79.6% |
75.6% |
70.1% |
7,12 |
|
次世代事業開発 |
丸紅コンシューマーブランズ |
9.1% |
100.0% |
6 |
68.9% |
67.7% |
85.7% |
8,16 |
(注)1. 当社グループ全体でのダイバーシティ推進の取組みの更なる強化に繋げることを目的として、下記の①から④のいずれかに該当する国内連結子会社については、「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業等取得率」及び「労働者の男女の賃金の差異」を、各社にて公表のうえ、この有価証券報告書にて開示しています。
①年度末時点の常用労働者数(雇用期間を定めず雇用されている労働者をいう。以下同じ。)が301人以上である
②年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」等の関係法令を踏まえ、多様性に関する指標のいずれか1つ以上を公表している
③年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、前年度の有価証券報告書にて多様性に関する指標のいずれか1つ以上を開示している
④年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、当社事業報告において「重要な子会社及び関連会社の状況」に掲載されている
2. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項ホに定める事項を算出したものです。
3. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項第1号リに定める事項として、男性労働者の年間平均賃金に対する女性労働者の年間平均賃金の割合を算出したものです。
4. 2025年3月期において対象となる男性労働者はいませんでした。
5. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
6. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
7. 管理職に占める女性比率が少ない又はいないことが主な要因です。
8. 管理職に占める女性比率が少ない又はいないこと、及びコース別人事制度を採用しており、主に事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のないコースの女性比率が高いことが主な要因です。
9. 管理職に占める女性比率が少ないこと、及びコース別人事制度を採用しており、過去の総合職採用において女性の採用者が少なく、中堅世代以上で女性比率が少ないことが主な要因です。
10.コース別人事制度を採用しており、主に事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のないコースの女性比率が高いことが主な要因です。
11.コース別人事制度を採用しており、女性労働者の大半が主に事務・実務を担うコースに属しており、担っている業務内容の性質(責任、難易度等)が賃金に反映されていることが主な要因です。
12.パート・有期労働者では、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であることが影響しています。
13.パート・有期労働者に該当する女性労働者がいない場合又はパート・有期労働者を雇用していない場合に、「-」と記載しています。
14.高い水準の賃金が支給される業務に従事する女性のパート・有期労働者が少ない又はいないことが影響しています。
15.パート・有期労働者では、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であること、女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算していること、高い水準の賃金が支給される業務に従事する女性労働者が少ないことが影響しています。
16.女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算していることが影響しています。
17.パート・有期労働者では、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であること、及び女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算していることが影響しています。
18.パート・有期労働者として雇用されている労働者の総数が少ないことが影響しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのサステナビリティ
当社グループにとってのサステナビリティとは、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じて、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指す経営理念の実践そのものです。環境・社会課題を先取りし、プロアクティブにソリューションを提供します。
当社グループは、サステナビリティを実践するための最も重要な要素として、人財、経営基盤、ガバナンスの3つを「基盤マテリアリティ」に特定しています。また、基盤マテリアリティを活用して取り組むべき課題「環境・社会マテリアリティ」として、気候変動対策、自然との共生、循環型経済への取組み、人権の尊重の4つを特定しています。こうした課題にグループ全体で取り組むことによって、環境・社会価値を創出し、当社グループの持続的成長並びに企業価値の向上を目指します。
更に、サプライチェーン全体で「環境・社会マテリアリティ」に取り組むことにより、競争力・差別化に直結するものと認識しています。引き続き、取引先と協働し、持続可能で強靭なサプライチェーン構築に向けた取組みを強化していきます。
当社グループのサステナビリティに関する取組みについては、当社ウェブサイト内「サステナビリティサイト」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/
(2)ガバナンス
当社グループはサステナビリティ関連の重要事項(対応方針、目標、アクションプラン等)について、経営会議及び取締役会にて審議・決定しており、取締役会の監督が十分に得られる体制を構築しています。取締役の報酬では、個人定性評価において、グリーン戦略を含むサステナビリティに関する取組み等に関する貢献を考慮する等、中長期的な企業価値との連動性をより高める仕組みを取り入れています。
社長直轄の「サステナビリティ推進委員会」においては、サステナビリティに関連する幅広い事項を議論の対象としており、例えば、気候変動対策に関し、TCFD(*1)提言に基づく気候関連のリスク及び機会の評価、戦略、リスク管理、指標及び目標の設定や見直し、モニタリングを、気候関連のイノベーションの進捗や外部環境の変化を踏まえて議論し、定期的(年1回以上)に取締役会への報告を行っています。2025年3月期はサステナビリティ推進委員会を2回開催し、中期経営戦略「GC2024」で掲げる「グリーン戦略」の推進及びTCFD開示・TNFD(*2)開示等について議論しました。
サステナビリティ推進委員会の委員長は常務執行役員が務め、関連する営業本部、コーポレートスタッフグループから委員を任命しています。社外役員もアドバイザーとしてメンバーに加わり、独立した外部の視点も踏まえながらサステナビリティに関する事項の管理・統括を行いました。
また、営業本部、コーポレートスタッフグループの各部、支社・支店・現地法人ごとに、サステナビリティ推進の責任者としてサステナビリティ・リーダーを、営業部ごとの責任者としてサステナビリティ・マネジャーを任命し、充実した現場体制があるなかでサステナビリティに関する事項の討議・推進を行っています。
なお、当事業年度における提出会社のコーポレート・ガバナンスの取組みについては、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
(*1)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
(*2)自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Task Force on Nature-related Financial Disclosures)
(3)リスク管理
当社グループは、気候変動、自然資本及びサプライチェーンマネジメントをはじめとする、サステナビリティの観点で重要度の高いリスク及び機会について、サステナビリティ推進委員会で管理・モニタリングを行っています。
ビジネスのサステナビリティ面における潜在的なリスク評価として、環境、安全衛生、社会の3カテゴリ、27項目の多角的観点から分析・検討を行う仕組みを構築し、それぞれの評価項目における潜在リスクの重要度と影響度を判断しています。
事業におけるサステナビリティに係るリスク評価項目(3カテゴリ27項目)
環境 気候変動/環境汚染/生物多様性/資源管理/対策・管理手順(環境)
安全衛生 機械安全/火災・爆発/有害物質との接触/感染/危険性のある作業/対策・管理手順(安全衛生)
社会 強制労働・人身取引/児童労働/労働時間/賃金・雇用契約/差別/ハラスメント・懲罰/多様性の尊重/結社の自由及び団体交渉権/土地の問題/地域コミュニティへの負の社会的影響/先住民・文化遺産/紛争鉱物/プライバシー/アニマルウェルフェア(動物福祉)/責任あるマーケティング/対策・管理手順(社会)
このリスク評価手法を用いて、グループ内やサプライヤーのサステナビリティ調査を実施しています。また、投融資決定プロセスにおいても、このリスク評価手法を用いて、既存事業のモニタリングを含め、グループの事業をサステナビリティの観点より継続的に評価する体制を構築しています。リスク評価手法については、国際機関や各国政府・各産業セクターや産業団体を中心とした国内外のサステナビリティ関連動向、投資家、金融機関、非政府組織等ステークホルダーに関連する情報も参考としながら、定期的に見直しを実施しています。
とりわけ重要度の高い気候変動の影響に関しては、IEA(*)等の様々なシナリオ分析を参照してリスクが高いと判断される場合には、想定される温室効果ガス排出量の削減計画、案件実施国における脱炭素計画、気候変動長期ビジョンとの整合性等を考慮し、気候関連のリスク及び機会、事業の優先度等を踏まえたうえで、投融資の意思決定に活かしています。また、気候変動の影響を含むリスクの高い事業領域については、必要に応じ、投融資委員会・経営会議・取締役会で審議しています。これらのリスク管理体制については、毎年実施している内部統制の基本方針の見直しのなかで、前期の運用状況が取締役会に報告され、有効性を確認しています。
気候関連の「物理的リスク」については、当社グループでは、個々の対策が最適かを評価し、あらゆる危機に関して対応する体制の構築に継続して取り組んでいます。2022年4月、それまでの個別の危機事象をベースにしたBCP(Business Continuity Plan)を改定し、自然災害等を含む、オールハザード型の丸紅グループBCPを導入しています。BCPを有効に機能させ、BCM(Business Continuity Management)体制を構築・推進するため、本社総務部内に専任組織を設け、人員・システム・オフィス(建物)・決済機能及びグループ会社経営に関わる重要リソースに対する罹災が生じた場合には人命の安全を最優先に速やかに対応できる体制を構築しています。
なお、営業活動その他に係る環境・社会リスクについては、「3 事業等のリスク」の「(2) 個別のリスクについて ⑨ 環境・社会リスクについて」に記載のとおりであります。
(*)国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)
(4)戦略
① グリーン戦略・グリーンへの取組
中期経営戦略「GC2024」において、グリーン戦略(「グリーン事業の強化」と「全事業のグリーン化推進」を両輪として、「グリーン」への貢献を通じた収益力の強化・企業価値の最大化を図る)を基本方針の一つとして掲げて取組みを進めてきました。このグリーン戦略が社員一人ひとりに浸透・定着するなかで、新たな中期経営戦略「GC2027」においても引き続きグリーンへの取組を推進し、企業価値向上を図ります。グリーンを事業価値の構成要素の一つとして捉え、収益力を強化するとともに、国際社会の目標(*1)「自然と共生する社会」に向け、脱炭素社会・循環経済への移行に貢献し、ネイチャーポジティブを実現します。
(*1) 国際社会の目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」
2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された2030年に向けたミッション「ネイチャーポジティブ」において、「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め、反転させるための緊急の行動をとる」ものとされています。当社グループが目指す「グリーン」は、2030年に向けた国際目標「ネイチャーポジティブ」及び2050年ビジョン「自然と共生する社会」に合致しています。
② 気候変動対策への貢献
(a)気候変動長期ビジョン
自然との共生に向けた取組みのなかでも、脱炭素化に向けた動きは国境を越えた喫緊の課題の一つです。当社グループは、2021年3月に「気候変動長期ビジョン」を公表しました。2050年までにグループの温室効果ガス排出ネットゼロを達成するとともに、事業を通じて社会の低炭素化・脱炭素化に貢献していきます。当社グループは、気候変動問題に対してポジティブインパクトを創出し、成長する企業グループを目指しています。
詳細は、当社ウェブサイト内「『気候変動長期ビジョン』~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/sustainability/pdf/environment/approach/data1.pdf
(b)シナリオ分析
当社グループでは、気候変動による事業への影響度及び当社グループへの影響度(資産規模、収益規模等)が相対的に高い事業を選定し、短期(~3年)、中期(3~10年)、長期(10~30年)の時間軸を定義したうえで、現行シナリオと移行シナリオにおける事業環境認識(移行リスク/機会、物理的リスク/機会、時間軸(短期・中期・長期))を踏まえた中期の財務的影響及び対応方針・取組みについて、TCFD提言に沿ってシナリオ分析を実施しました。
当社グループの事業ポートフォリオは多岐に分散されており、特定の産業やビジネスに固有のリスクがグループ全体の財務状況に与え得る影響は限定的ですが、適切なリスク管理を継続的に強化し、気候変動に対するレジリエンスを更に高めていきます。
シナリオ分析の詳細は、当社ウェブサイト内「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 シナリオ分析」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_07
(5)気候変動に関連する指標及び目標
当社グループは、気候変動リスクの低減に努めており、2050年までに事業活動に伴う温室効果ガス排出ネットゼロ(*1)の達成を目指すことを基本的方針としています。また、本方針を実効性のあるものとするため、2030年に向けたアクションプラン(行動計画)を策定しております。気候関連のリスク及び機会への対応の一環として、主に以下の指標及び目標を定めています。
・石炭火力発電事業によるネット発電容量を2019年3月期末の約3GWから2025年までに半減、2030年までに約1.3GW、2050年までにゼロにする
・2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロ
2030年までに
① Scope 1・Scope 2のCO2排出量を2020年3月期(約1百万トン)対比50%削減
② Scope 3 カテゴリ15(投資)のCO2排出量を2020年3月期(想定CO2排出量約36百万トン(*2))対比20%削減
(*1)温室効果ガス排出削減を行ったうえで、削減できない残余排出を、自然を基盤とした手段や技術的手段により除去し、大気中への人為的な温室効果ガス排出をネットゼロとすること。なお、ネットゼロの対象範囲は当社及び連結子会社のScope 1(直接排出)及びScope 2(間接排出)に加え、Scope 3(Scope 1、Scope 2以外の間接排出・サプライチェーン排出)カテゴリ15(投資)に含まれる持分法適用関連投資先の排出としております。
(*2)既存投資先の2020年3月期実績に、2021年3月時点での約定済み案件(電力事業については売電契約締結済みで商業運転開始前の案件)からの想定排出量を加えた排出量
なお、事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献を進めるため、バリューチェーン上の温室効果ガス排出を当社グループがその削減に貢献できる「機会」と捉え、関連する全てのScope 3のカテゴリを算定しています。更に当社グループが提供しているソリューションの効果を定量的に把握するため、削減貢献量・CO2蓄積量を算定しています。
気候変動のための指標及び目標の進捗状況は、当社ウェブサイト内「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献」「同 データ」をご参照ください。
「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献」
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_02_03_01
「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) データ」
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_04
(6)人財戦略
人財は当社グループの最大の資本であり、価値創造の原動力です。中期経営戦略「GC2027」では、「Global crossvalue platform」を追求するための仕掛けの一つとして「グループ人財戦略の強化」を掲げています。これまでの中期経営戦略「GC2021」「GC2024」で構築してきた「多彩な人財が集い、活き、繋がる場」は、人財戦略を遂行する上での強固な基盤です。GC2027における人財戦略では、この基盤を活かし、これまでも追求してきた「ミッション本位・実力本位」を更に徹底していきます。当社では、人財の成長の源泉は質の高いミッションの遂行にあると考えています。社員一人ひとりが組織の戦略にアラインした、より大きなミッションを掲げ、実現に向けて全力を尽くすことで、組織としての競争力の強化に繋がります。この積み重ねをより一層徹底し、組織と人財がともに成長する在り姿を実現していきます。丸紅グループ全体で、人財の持てる力を最大限に引き出すとともに、「成長領域への人財シフト」、「事業投資・経営人財の強化」、「株主目線の報奨拡充」に重点的に取り組み、更なる高みに向けてグループ人財を強化していきます。
なお、当項目内において、「当社グループ/丸紅グループ」と記載していない箇所は、全て提出会社における記載です。
① ガバナンス
経営戦略と整合した人財戦略を推進するために、社長・CHRO・CSO・CAOを主要メンバーとする人財戦略会議「タレントマネジメントコミッティ」を実施しています。人事制度・施策だけでなく、リーダー開発、エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン等、当社の人財戦略において重要度が高いアジェンダの議論を深めています。
また、2023年度から経営戦略に資する人財戦略を策定・推進することを役割としてCHROを新設し、2024年度からは、グループ人財戦略の推進をより一層強化することを目的に、CHROを社長直轄としました。CHROは、社長を補佐し、人財戦略に関する経営全般に参画しています。
② 戦略
(a)経営との連動
(i)経営層と社員の対話
当社グループでは、経営層と社員が直接繋がる機会を通じて経営理念や在り姿、戦略を議論・共有することを重視しています。定期的に社長と社員の意見交換会を実施しているほか、社員から社長へ直接意見を届けられるフォームを用意しています。
(ⅱ)従業員持株会制度
2025年3月末の従業員持株会加入率は95.9%(前年は94.5%)と年々増加しています。社員の資産形成に寄与するとともに、社員一人ひとりの経営参画意識や企業価値向上への一体感を高めたいとの考えから、特別奨励金の支給も行っています。
(b)多彩な人財が「集う」施策
(i)多彩な人財の確保
当社では独自の採用手法を取り入れながら、専門性・能力・個性を活かし新たな価値創造のドライバーとなる多彩な人財へアプローチしています。
(ⅱ)外部評価
当社は、「ONE CAREER」(※1)の就活クチコミアワード2024(※2)にて約5万の掲載企業のなかから総合ランキング5位(商社1位)、(株)ダイヤモンド・ヒューマンリソース「2025年[春](26卒就活後半戦調査)大学生が選んだ就職人気企業ランキング」(※3)の女性ランキングで1位に選出されました。
(※1)(株)ワンキャリアが運営する、国内外の大学に在籍する就活生が利用する最大規模の就活情報掲載サイト
(※2)就活生の実際の体験談・クチコミをもとにした企業アワード
(※3)2026年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生が対象。文系男性(当社3位)、理系男性(同4位)、文系女性(同1位)、理系女性(同1位)の4つのランキングで構成。
(ⅲ)障がい者雇用の推進
当社では、障がい者雇用の推進を目的に、2009年3月期に丸紅オフィスサポート(株)を設立し、特例子会社の認定を受けています。同社は2021年3月期には「障害者雇用に関わる優良事業主の認定(もにす認定)」を東京都の第1号として取得したほか、2022年3月期には東京都から「東京都『心のバリアフリー』好事例企業」として選定されました。
2025年3月現在で、丸紅単体とあわせて107名の障がい者を雇用しており、雇用率は、法定を上回る2.97%となっています。
(c)多彩な人財が「活きる」施策
(i)ミッションを核とする人事制度
当社では、各組織が個人の実力や特性に応じてミッション(期待役割及び定量・定性目標)を設定し、社員一人ひとりが大きなミッションに果敢にチャレンジすることで、組織の戦略実行力の向上と人財の成長を促しています。
この制度を支える仕組みとして、ミッションの大きさと報酬水準を一致させることで、実力に見合うミッションの付与を推進するとともに、客観性が高く、より時価的な処遇を実現する「ミッションレーティング」を導入しています。より大きなミッションへの挑戦、キャリア・オーナーシップが一層促進されることで、人財と会社がともに成長し、長期的な企業価値の向上に繋がります。2024年7月からは、従来からあった総合職と一般職という職掌区分を廃止するとともに、このミッションレーティングの仕組みを、非管理職を含む全社員に適用しました。
GC2027の定量目標・利益成長計画の達成に向けてミッションの質(=組織ミッションとのアラインメント×ストレッチ度合×ジブンゴト化)を高めるべく、既に社内でミッションを設定するための対話にこれまで以上に力を入れ始めています。各社員が質の高いミッションを「心を込めて」「やり抜くこと」を目指していきます。社員一人ひとりのミッション達成が、各組織のミッションの達成に繋がり、その総和としてGC2027の達成が実現されると考えています。この考え方を丸紅グループ全体で共有し、グループ一丸となってより大きなミッションを掲げ、達成していく好循環を創っていきます。
(ⅱ)エンゲージメントサーベイ
当社では、エンゲージメントを「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」であると考え、エンゲージメントスコア(※)を測定しています。当社の2025年3月期のスコアは前回比で上昇しており、(株)リンクアンドモチベーションが発表した「ベストモチベーションカンパニーアワード2025」において、大手企業部門(5,000名未満)で「第2位」を受賞しました。
サーベイの結果を踏まえ、改善を希望する組織に対して「組織改善プログラム」を提供しています。改善に向けたアクションプランを策定・実行することで、プログラムに参加した多くの組織でスコアが改善する結果が得られています。こうした取組みを通じて、エンゲージメントスコアが高い組織の割合も年々上昇しています。
(※)組織状態を示すエンゲージメントスコア(偏差値)。偏差値50は(株)リンクアンドモチベーションの提供するサービスを利用する企業の平均を表す。
(ⅲ)人財開発
当社では、企業価値の源泉となる人財の成長・活躍を促進すべく、「On the Job Training」と「Off the Job Training」の両輪で、人財の開発を推進しています。
(d)多彩な人財が「繋がる」施策
(i)丸紅キャリアマーケット
当社では、社内外の組織を超えて人財が行き交う独自のキャリアマーケットの活性化により、社員の自律的なキャリア開発とオープンコミュニティを促進し、新たな価値や機能の発見、事業展開に結び付けています。社内の取組みとしては、部署が人財を求めて公募する「社内人財公募」や、社員が他部署への異動を求めて登録する「ジョブマッチングシステム」を実施しています。社外との関わりでは、他業界のリーディングカンパニーと社員を派遣し合う「社外人財交流プログラム」を実施しています。
(ⅱ)15%ルール、クロスケット、クロスバリューコイン
当社では、担当業務に限らない丸紅グループの価値向上に繋がる活動に、就業時間の15%の時間を充当できる「15%ルール」、組織がパートタイムでの協力を求めて社内に助っ人を公募する「クロスケット」、他組織や地域戦略へ貢献した人財に対してコインを付与する「クロスバリューコイン」を実施しています。これらの施策が有機的に紐づき、組織を超えた新たな価値創造を促しています。
(ⅲ)ビジネスプランコンテスト
丸紅グループ全体で実施している公募型ビジネス提案プロジェクトは2025年度で8年目を迎えました。2024年度は、インドネシアのデジタル母子手帳事業等の発展事例や、進行中のテストマーケティングの途中経過報告等、事業化に向けた示唆をグループ全体で共有しました。今後も社内のイノベーションを促し、ビジネスを創出する場として重要な役割を担っていきます。
(ⅳ)M-Alumni(まるムナイ)
当社では、2023年11月より退職者コミュニティ「M-Alumni(まるムナイ)」を運営しています。専用SNSを通じた当社とアルムナイ若しくはアルムナイ同士のネットワーク形成及びネットワークを通じた人財獲得やビジネス協業等の価値共創を目的としています。
専用SNSでは、各退職者が現在の所属会社や仕事内容、興味のある分野といった情報を登録しており、その登録情報を各自が検索して、新たな繋がりを持ちたい人に個別メッセージ等で直接アプローチできます。また、ニュースリリースや会社が関与するイベント・商品情報等を、会社から専用SNSへ定期的に投稿しています。専用SNS以外でもオフライン交流会の実施に取り組んでいます。
③ リスク管理
当社では、価値創造の源泉である人財が、仕事と家庭の両立に悩み退職してしまうことや、キャリアアップの機会を諦めざるを得ないこと等の「リスク」に対して、制度・風土の両面からアプローチすることが重要であると考えています。労働人口の減少や働くことへの価値観の多様化といった環境変化に対応しながら、社員がライフステージに関わらず、「持続的なキャリア形成」と「高いパフォーマンス発揮」を実現できるよう、様々なワークライフマネジメント施策を実施しています。
(a)仕事と育児・介護の両立をサポートする制度
当社では、制度利用者本人のセルフマネジメントに加え、上司、周囲が制度を理解し、互いの立場を尊重しながら、性別にかかわらず制度を効果的に利用できるよう、協力し合える体制作りを進めています。妊娠中・介護中に利用可能な妊娠休暇・介護休暇、家族のサポートを目的としたファミリーサポート休暇等の特別休暇等を、法定を上回る形で整備していることに加え、育児・介護時間(時短勤務制度)を活用したキャリア継続を支援するため、短縮時間分の報酬減額を廃止する等、仕事と育児・介護の両立を支援しています。
また、男性社員の育児休業取得支援を目的に、育児休業を一部有給扱いとする制度を設けているほか、フレックスタイム制度・テレワーク制度も整備しており、自律的で柔軟な働き方を実現しています。
(b)配偶者の転勤時もキャリアを継続できる制度
当社では、配偶者の転勤という本人にはコントロールできない一時的な事情があっても、これまで丸紅で培った業務経験・スキルを活かし続けられるよう、各種制度を設けています。
従来より導入している配偶者転勤休業・配偶者転勤再雇用制度においては、2025年3月期に、期間の延長(3年→5年)や適用対象の拡大(海外転勤帯同のみ→国内転勤帯同も対象)、キャリアアップを目的とした休業中の副業の解禁を行いました。
また、2025年3月期からは、家庭の事情で日本国内の遠隔地に転居せざるを得ない社員のキャリア継続を支援するため、完全リモートワークを可能にする「ファミサポリモートプログラム」を新たに導入しました。
なお、不妊治療と仕事の両立のために、有給の特別休暇の付与や妊活・不妊治療の無料相談サービスの提供、不妊治療等を含む先進医療を受けた際の費用補助等の取組みを行っています。
(c)外部評価
当社は、2017年度に「えるぼし」認定(※1)、2019年度に「プラチナくるみん」認定(※2)を取得しています。2025年4月には「プラチナくるみんプラス」認定(※3)を新たに取得しました。
(※1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づいて届出を行った企業のうち、一定の基準を満たし、女性の活躍推進に関する取組みの実施状況等が優良な企業が認定されるもの。
(※2)2015年4月1日の次世代育成支援対策推進法改正に伴い創設された制度で、社員の子育てをより高い水準でサポートする企業認定されるもの。
(※3)2022年4月1日の次世代育成支援対策推進法改正に伴い創設された制度で、「プラチナくるみん」認定を受けた企業が、社員の子育てを高い水準でサポートすることに加え、不妊治療と仕事との両立にも積極的に取り組み、一定の基準を満たした場合に認定されるもの。
ワークライフマネジメント施策の詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
④ 指標及び目標
当社グループの人財が、経営戦略実行に向けて力を発揮できるよう、重点課題と捉えている人事施策・制度については、指標と目標を設定して具体的な取組みを進めています。なお、当社グループに属する全ての会社において指標及び目標を設定しているものではないことから、提出会社における指標及び目標を記載しています。
(a)女性活躍推進
当社では人財の多様性こそが成長戦略の土台であり、中でも男性偏重の組織は、向き合う社会(男:女=1:1)との乖離から、社会課題を捉えきれず、在り姿の実現を制約すると考えています。女性活躍推進は未来の丸紅をよりサステナブルにするための経営課題であり、2022年8月より「女性活躍推進2.0」を方針として打ち出しました。女性のタレントパイプラインの拡張に一層注力するため、明確な数値目標を定めて各種施策に取り組んでいます。
(i)採用の更なる強化
新卒・キャリア採用を合わせた採用全体の女性比率を50%程度にすることを目指しています。2025年3月期入社では、新卒採用における女性比率が42.9%、キャリア採用における女性比率が12.8%、新卒・キャリア採用を合わせた採用全体の女性比率が31.5%となっています。
また、正社員に占める女性比率を30%以上にすることを目指しており、2025年3月現在で30.1%となっています。
(ⅱ)計画的配置・登用の推進
管理職に占める女性比率について、2026年3月末までに10%以上にすることを目指しており、2025年3月現在で9.6%となっています。各組織で階層別の女性数・比率の目標値を設定し、目標達成に向けて計画・実行する仕組みを構築しています。
(ⅲ)Marubeni International Women’s Day
国連が定める「国際女性デー」(3月8日)を、当社では「活き活きと働く女性を応援する日」として、2018年3月期より「Marubeni International Women’s Day」(以下「MIWD」という。)を開催しています。2025年3月期は、女性社員とそのメンターによる対談とパネルディスカッション企画や、当社グループのリーダーたちによる「女性活躍を推進するために自らが実践する行動」のコミットメントムービー企画、「女性の健康を学び社会貢献!」の寄付企画等のプログラムを実施しました。
また、国際女性デーのシンボルフラワーであるミモザの花言葉「感謝」にちなんだ企画や、ドレスコード企画、社員食堂○Caféにてシンボルカラーや女性の健康応援にちなんだ MIWDコラボメニューを提供する等、イベントを盛り上げる様々な仕掛けを実施し、当社グループ全体でダイバーシティ推進やジェンダー平等について改めて考え、行動する意識や風土の醸成を図っています。
女性活躍推進の取組みの詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
(b)健康経営
社員一人ひとりの健康維持・増進を重要な経営課題と位置付け、丸紅グループの成長の源泉である社員の活躍を支えるため、CAOを最高責任者として、①健康リテラシーの向上、②がん・生活習慣病対策、③メンタルヘルス対応、④女性の健康維持・増進に向けた取組みの強化等の施策を推進しています。
(i)丸紅健康経営推進体制
人事部担当役員を最高責任者とする「丸紅健康経営推進体制」を構築し、産業医(社内診療所)・健康保険組合・人事部に加え、従業員から選定した健康経営推進担当の4者が一体となって健康経営に取り組んでいます。
(ⅱ)丸紅健康力向上指標
疾病の早期発見・早期対応を図るうえで極めて大きな意義を果たす取組みに対して「丸紅健康力向上指標」を定めており、健康意識の向上及び健康課題の解決を目指しています。
(ⅲ)外部評価
当社の健康経営の取組みは外部からも評価されています。2025年には3年連続4度目の「健康経営銘柄」に選定され、また、8年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されています。
健康経営に関する取組みの詳細は、当社ウェブサイト内「健康経営」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/24/