リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)卸売市場を取り巻くリスク
当社は、東京都中央卸売市場豊洲市場で水産物を卸売販売することを主たる事業としており、卸売市場への依存度は非常に高いものとなっていますが、市場内の仲卸業者は、市場流通の減少や量販店の取扱量拡大などに伴い、近年経営状況が悪化している業者が漸増しています。当社は、それら取引先に対し、売上債権の回収状況に応じて貸倒引当金を設定しておりますが、今後の不良債権の発生が当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、豊洲市場の最新設備に係るコスト増もあり、卸売市場を取り巻く様々な要因が当社業績に影響を与える可能性があります。
(2)資金調達に関するリスク
当社グループは、金融機関から運転資金及び設備資金を借入しております。そのため、金融機関の貸出動向によって、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクについての対策は、営業キャッシュ・フローの黒字継続とネット借入金の削減による財務基盤の強化をもって対処しています。
(3)為替変動リスク
当社グループの一部取引においては、輸出入取引の外貨建てでの決済を行っております。当社は、為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、為替相場の変動は、これらの輸出入取引の単価に影響を与える可能性があります。
(4)在庫に関するリスク
当社グループは、市況を勘案して商品を買い付けておりますが、保有商品の市況価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。当該リスクに関しては、保有在庫の適正化と回転を早めるための社内管理体制として当社営業各部の目標月末在庫残高を設定し、定期的にレビューを実施しております。
(5)予期せぬ感染症の拡大等に関するリスク
予期せぬ感染症の拡大により、政府等による緊急事態宣言の発令などの影響で、主要セグメントである水産物卸売業の売上高が減少するなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は食品流通の要であり、社会的ライフラインである東京都中央卸売市場豊洲市場において水産物を集荷販売しておりますが、緊急事態宣言等の影響により業務筋の営業自粛や休止、宴会・パーティーの自粛されることや、高級魚の価格下落や売れ行き不振、輸出入の停滞などにより水産物の流通量が縮小する可能性があります。
(6)国際情勢等に関するリスク
国際的な政治情勢、地域紛争等により、輸入水産物の高騰や輸出入の取扱量が減少する可能性があります。またこれらの事象により、資源等の価格が高騰し、魚価、輸送費、関税などの仕入コストが上昇、これら価格上昇分を販売価格に転嫁できないことにより、損益に影響を及ぼす可能性があります。
(7)物流2024年問題に関するリスク
2024年4月の労働基準法改正により、物流業界においてドライバーの時間外労働が規制されることに伴ういわゆる「2024年問題」によって、当社グループの物流コストに影響を及ぼす可能性があります。新中期経営計画でも重点課題として取り上げており、物流問題の対応が急務と認識しております。当社グループの商流と物流の一元化や物流コスト等の販売価格への転嫁によっては、損益に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人材確保に関するリスク
当社グループは食の安定供給や市場機能の維持のため、休業日や勤務時間が変則的になっております。また日本の労働人口が減少傾向となっていることや転職市場が活性化していることもあり、当社グループが必要とする、人員・人材が確保できない恐れがあり、当社の業績へ影響を及ぼす可能性があります。
これらのことを踏まえ、新卒・第二新卒・中途採用活動を積極的に展開するとともに、社員の階層別の教育プログラムなどを刷新し、人材の育成にも注力していきます。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置づけ、中長期的な視野に立った事業展開を推進することにより、グループ全体での企業価値向上に努めております。
成果の配分につきましては、当社の財政状態、業績の推移、先行きの資金需要等を総合的に考慮することとし、配当につきましては、継続的かつ安定的に実施していくことを基本としつつ、各期の業績及び配当性向等を勘案して決定してまいります。
なお、業績に応じた利益配分を考慮する上で、基準とする配当性向につきましては、当面の間、原則、連結純利益の20%から30%程度を目安といたします。
2024年3月期の期末配当につきましては、今期の業績及び財務状況等を踏まえ、1株当たり35円の配当を実施することを決定いたしました。
剰余金の配当につきましては、期末配当の年1回を基本としており、株主総会で決定しております。
なお、内部留保資金につきましては、今後予想される、経営環境の変化に対応するため、投資などの有効的に活用してまいります。
また、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月25日 |
78 |
35.00 |
定時株主総会決議 |