2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 15,027 100.0 520 100.0 3.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、婦人フォーマルウェアの製造、販売並びにこれに附随するアクセサリー類の販売を主要な業務としております。

製品は主に全国の百貨店及び量販店等に卸売販売をしており、一部はネット販売も含めた直営店舗で直接販売をしております。

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、経済活動の正常化が本格的に進みましたが、海外経済の減速への懸念や資源価格の高止まりなどもあり、先行き不透明な状況が続いております。

当アパレル業界におきましては、行動制限の緩和により社会活動の正常化が進み、個人消費の回復傾向が見られました。一方、物価上昇や原材料及びエネルギー価格の上昇で、衣料品に対する消費マインドの冷え込みが想定されるなど、今後の事業環境への影響が依然として懸念されます。

このような経営環境の中、当社は2022年度を初年度とする中期経営計画に基づき、事業継続のための「効率的な財務体質の構築」と持続的な成長を実現するための「新たな収益構成の構築」、デジタルシフトや地球環境問題への配慮をはじめとする「社会環境変化への対応」に取り組んでおります。

卸売事業におきましては、継続して取引条件の改善や不採算店舗からの撤退を進めるとともに、「tokyo soir ショップ」では、従来とは異なるカテゴリーの商品展開や、魅力的な売場づくりにより、新たなお客様の開拓に向けて取り組んでおります。

小売事業におきましては、直営店「フォルムフォルマ」は、卒入学式をはじめとする行事や式典の正常化による来店客数の増加に加え、オリジナル商品の提案やデジタル活用によるプロモーションを積極的に行い、唯一無二のショップへの進化に取り組んでおります。Eコマース販売では、自社ECサイトにおけるマーケティングツールの活用やポイント制の導入、ECサイト限定商品の提案を強化することで、売上を伸ばしております。

新規事業におきましては、レンタル事業は、リアル店舗と自社ECサイトの連携や多様化するお客様ニーズに対応した商品の拡充、リアル店舗の試着スペース拡張による予約枠の増加などから堅調に売上を伸ばしております。ライフスタイルブランド「kuros’」は、リアル店舗とECサイトの両軸で、各種プロモーションによる認知度向上を図り、事業拡大に向けて取り組んでおります。

この結果、当事業年度末の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

イ. 財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ6億41百万円増加し、147億14百万円となりました

事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ2億35百万円減少し、53億50百万円となりました

事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ8億76百万円増加し、93億64百万円となりました。

 

ロ. 経営成績

事業年度の経営成績は、売上高は150億26百万円(前事業年度は142億41百万円)、売上総利益は78億30百万円(前事業年度は72億18百万円)、営業利益は5億20百万円(前事業年度は3億39百万円)、経常利益は6億17百万円(前事業年度は4億49百万円)、当期純利益は7億98百万円(前事業年度は5億19百万円)となりました

 

② キャッシュ・フローの状況

事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金減93百万円、投資活動による資金増7億67百万円、財務活動による資金減2億64百万円により、前事業年度末に比べ4億9百万円増加し、27億60百万円となりました

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

業活動の結果使用した資金は、93百万円となりました。これは主に税引前当期純利益9億23百万円や、売上債権の増加2億88百万円がありましたが、棚卸資産の増加10億73百万円や、未払又は未収消費税等の減少2億10百万円によるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

資活動の結果得られた資金は、7億67百万円となりました。これは主に敷金及び保証金の差入による支出24百万円がありましたが、投資有価証券の売却による収入6億51百万円や、有形固定資産の売却による収入1億73百万円によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

務活動の結果使用した資金は、2億64百万円となりました。これは主にリース債務の返済による支出1億54百万円や、配当金の支払69百万円によるものであります

 

イ. 生産実績

当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

 生産高(千円)

前年同期比(%)

ブラックフォーマル

2,393,183

+48.0

カラーフォーマル

538,295

+56.0

合計

2,931,479

+49.4

 

(注) 金額は製造原価であります。

 

ロ. 外注実績

当社の製品生産にあたっての縫製加工は外注に依存しております。外注加工費は次のとおりであります。

 

品目

 外注高(千円)

前年同期比(%)

ブラックフォーマル

981,756

+66.6

カラーフォーマル

144,339

+83.8

合計

1,126,096

+68.6

 

 

ハ. 商品仕入実績

当事業年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。

 

品目

 仕入高(千円)

前年同期比(%)

アクセサリー類

1,110,867

+4.2

合計

1,110,867

+4.2

 

(注) 金額は仕入価額であります。

 

ニ. 製品仕入実績

当事業年度における製品仕入実績は、次のとおりであります。

 

品目

 仕入高(千円)

前年同期比(%)

製品

3,993,546

+20.7

合計

3,993,546

+20.7

 

(注) 金額は仕入価額であります。

 

 

ホ. 受注実績

当社は原則として受注生産ではなく見込み生産を行っております。

 

ヘ. 販売実績

当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

 販売高(千円)

前年同期比(%)

ブラックフォーマル

9,917,191

+7.3

カラーフォーマル

2,617,234

△1.1

アクセサリー類

2,492,552

+6.1

合計

15,026,978

+5.5

 

(注) 1. 輸出については、該当事項はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオンリテール㈱

2,251,199

15.7

2,474,154

16.5

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ. 財政状態
(資産の部)

動資産は、売上債権の減少2億88百万円がありましたが、棚卸資産の増加10億73百万円や、現金及び預金の増加4億9百万円により、前事業年度末に比べ12億25百万円増加しました

固定資産は、土地の減少3億3百万円や、リース資産の減少1億36百万円、建物の減少1億8百万円により、前事業年度末に比べ5億83百万円減少しました

(負債の部)

動負債は、仕入債務の増加1億93百万円がありましたが、契約負債の減少1億86百万円や、未払金の減少1億24百万円により、前事業年度末に比べ40百万円減少しました

定負債は、リース債務の減少1億57百万円や、長期借入金の減少40百万円により、前事業年度末に比べ1億94百万円減少しました

(純資産の部)

資産は、当期純利益7億98百万円や、その他有価証券評価差額金の増加1億29百万円により、前事業年度末に比べ8億76百万円増加しました

 

ロ. 経営成績

(売上高)

上高は、取引条件の改善が進んだことや、行事や式典の正常化による来店客数が増加したことにより、150億26百万円(前事業年度は142億41百万円)となりました

品面では、ブラックフォーマルが99億17百万円(同92億45百万円)、カラーフォーマルが26億17百万円(同26億45百万円)、アクセサリー類が24億92百万円(同23億50百万円)となりました

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

上原価は、71億96百万円(前事業年度は70億22百万円)となりました。

売費及び一般管理費は、退職給付費用の減少はありましたが、販売促進費や従業員給料の増加により、73億10百万円(同68億79百万円)となりました

(営業外損益、特別損益)

業外収益は、助成金収入の減少により、1億56百万円(前事業年度は1億76百万円)となりました。営業外費用は、支払利息の減少により、59百万円(同66百万円)となりました

特別利益は、投資有価証券売却益の増加により、4億66百万円(同82百万円)となりました。特別損失は、減損損失の増加により、1億60百万円(同41百万円)となりました

(当期純利益)

期純利益は、法人税等調整額の増加はありましたが、税引前当期純利益の増加により、7億98百万円(前事業年度は5億19百万円)となりました

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検証内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております

資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金より充当し、必要に応じて金融機関から借入れを実施することにより、必要な資金を調達しております。なお、当事業年度末における有利子負債の残高は9億33百万円となり、現金及び現金同等物の残高は27億60百万円となっております

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況  1 財務諸表等  (1) 財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年2月に開示いたしました「2022~2024年度 中期経営計画」において、最終年度の2024年度は売上高155億円、営業利益2億5千万円、売上高営業利益率1.6%以上の達成を数値目標として掲げております。さらに、効率的な財務体質の構築のため、棚卸資産回転率3.75回転、売上総利益率51.4%、販管費比率49.8%を数値目標として掲げております。

当事業年度は、小売事業を中心に店舗の集客が回復したこともあり、売上高150億26百万円となりました。売上原価において一部に製造コストの上昇はありましたものの、販売費及び一般管理費は人件費を削減したこともあり、営業利益5億20百万円となりました。賃貸料収益や投資有価証券売却益により、当期純利益7億98百万円となりました。その結果、ROE8.9%となりました。