2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    554名(単体) 792名(連結)
  • 平均年齢
    42.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.4年(単体)
  • 平均年収
    8,057,458円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

東日本本部

233

西日本本部

187

中日本本部

103

開発戦略本部

133

全社(共通)

136

合計

792

 

(注) 1 従業員数は、当企業グループから当企業グループ外への出向を除き、当企業グループ外から当企業グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

554

42.5

15.4

8,057,458

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

東日本本部

144

西日本本部

126

中日本本部

87

開発戦略本部

61

全社(共通)

136

合計

554

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成しておりません。また、労使関係については、特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

  提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.5

84

59.8

60.0

52.7

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女間の管理職比率の違いが賃金格差の大きな要因であり、同一職種における賃金体系においての性別による処遇差ではありません。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

また、サステナビリティに関しては、当社のホームページにも記載しております。ホームページアドレスは、次の通りであります。(https://tsubaki.co.jp/ja/ir/sustainability/

 

(1)サステナビリティに対する考え方及び当企業グループのマテリアリティ

当社の社是のひとつとして、「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」と掲げており、古くからの経営理念として「持続可能な社会の実現に貢献する」ことを連綿と受け継いでまいりました。また、その精神は当企業グループの「サステナビリティ基本方針」にも組み込まれ、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて日々事業活動に反映させてまいりました。

しかし、一方では、地球温暖化、人権の侵害、貧困・格差の拡大等社会課題は拡大・深刻化の一途を辿っております。社会の健全な発展が無くては、当企業グループの事業の持続的発展もありません。

以上の状況から、社会の健全な発展に資するために当企業グループでは、2023年度に開始した新中期経営計画『ATOM2025』において、「サステナビリティ経営の推進」を重点施策の一つと定め、各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を策定し、それに基づく事業活動を開始しております。

また、当企業グループでは、下記のようにサステナビリティの重要課題(マテリアリティ)を特定し、その取組を評価する指標として重要業績評価指標(KPI)を共有し、進捗管理をしております。

 

(サステナビリティ基本方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。加えて、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築及び積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

 

(重要課題(マテリアリティ))

ESG

外部環境の変化

重要課題
(マテリアリティ)

環境
Environment

脱炭素社会への移行加速

・EV化の加速による産業構造の変化

・脱炭素関連製品の需要増加

脱炭素社会への対応

・新分野へのアプローチ強化

・事業機会の探索

社会
Social

少子高齢化・人材確保難

デジタル社会の進展

人的資本施策の強化

 (健康・ダイバーシティ経営含む)

自動化社会への対応

高付加価値化戦略

海外事業強化

デジタル関連分野の強化

DX投資による生産性向上

ガバナンス
Governance

ESG投資の拡大

サステナビリティ経営推進の要請

サステナビリティ経営を重視した健全な事業活動の推進

・事業活動を通じた社会価値の創造

・環境・人権など各分野におけるSDGsの取組加速

 

 

(重要業績評価指標(KPI))

重要課題
(マテリアリティ)

重要業績評価指標
(KPI)

基準数値
(2022年度)

2025年度目標

脱炭素社会への対応

GHG排出量 (注1)
(Scope1・2)

1,293 t-CO2
(2013年度 *3)

30%削減

人的資本施策の強化

人的付加価値率 (注3、4)
(売上総利益/総人件費)

100

108

女性総合職比率 (注2)

5%

8%

男性育休取得率 (注2)

82%

100%

自動化社会への対応

特定資格保有者数 (注2、3、5)
(監理技術者数)

100

115

DX投資による生産性向上

年間残業時間 (注2、3)

100

90

 

(注)1 GHG排出量は当企業グループの国内全拠点を対象としております。

2 提出会社のみの数値であります。

3 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

4 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

5 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。 

 

(2)ガバナンス

① 取締役会の監督体制

当社の取締役会は、サステナビリティ課題対応を経営上の重要課題と認識し、中長期の経営戦略の中核に据えております。そして、この課題に対応するためサステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の諮問機関として設置しており、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当、財務担当、人事担当の執行役員を委員とする5名体制であります。同委員会は、当企業グループのサステナビリティ課題に関する重要方針やその施策について取締役会、経営会議、執行役員会に適宜報告・連携することで、経営トップ層間の意思統一と周知徹底を図っております。

取締役会は同委員会での結論を、経営会議を経て報告を受け、必要に応じ「リスク」及び「機会」を検討し審議を行い、審議の結果を同委員会へ承認・指示する体制となっております。

同委員会は、毎年少なくとも1回は開催され、取締役会に対し開催内容についての報告を定期的に実施しており、取締役会から指示を受けた経営戦略上や事業運営上の課題への対応策について、該当部門に確実に実施させるべく適宜にサポート・進捗管理することで改善策実施の確実性を図っております。

このように監督側である取締役会と業務執行側であるサステナビリティ推進委員会の役割を明確にし、サステナビリティに関するガバナンス体制を構築しております。

 

(サステナビリティ推進体制図)

 


 

② 経営陣の役割

当社は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の意思決定の諮問機関であるサステナビリティ推進委員会を設置しております。

同委員会は、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当、財務担当、人事担当の執行役員を委員とする5名体制で、経営戦略上や事業運営上の課題に対処することにしております。

同委員会は下部組織として、分野別に実務担当者を中心とした複数のサステナビリティ推進実行チームがあり、同実行チームから経営戦略上や事業運営上における気候変動課題や人的資本・多様性課題を含む、当企業グループに関するサステナビリティ課題全般への対応策を検討する報告を適時に受け、それに対し具体的な対応策の検討を行っており、この対応策を代表取締役社長が議長である経営会議を経て取締役会へ報告いたします。

取締役会は、これらのサステナビリティ経営重点テーマやKPI(重要業績評価指標)をグループ全体で共有させ、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取り組めるように、企業として非財務情報の充実及び積極的な情報開示が可能になるように、サステナビリティ推進委員会を主導いたします。

 

(3)リスク管理

① サステナビリティ関連リスク及び機会に係る戦略の策定及びリスク管理

当企業グループでは、サステナビリティ推進実行チームを中心にサステナビリティ関連リスクの特定・評価及び機会の分析を実施しております。サステナビリティ関連リスク及び機会のうち、気候変動に関連するリスク及び機会については、シナリオ分析を基本として識別し、分析・評価しております。また、人的資本・多様性に関するリスク及び機会については、当企業グループの人材育成方針や社内環境整備方針に基づいて人材育成や登用等の進捗状況を踏まえ、分析・評価しております。

特定・評価された重要なリスク及び機会は適宜、サステナビリティ推進委員会から取締役会・経営会議に報告する体制であり、リスク及び機会の共有をすると同時に、リスクについては適切な対応策の検討が行われており、機会については必要に応じて経営戦略及び対処すべき課題に反映することとしております。具体的には、サステナビリティに関するリスクのうち、経営戦略上・事業運営上のリスクについては必要に応じて経営会議や取締役会において審議しており、適宜リスクマネジメント委員会と連携しつつ、当該リスク事象の発生の回避及び発生した場合の対応策を検討しております。また、機会についてもサステナビリティ推進委員会が主導し、事業部門の取組をサポートしております。気候変動に関する機会については、お客様ニーズに即した脱炭素関連などの新しい商品開発による販売機会の拡大に努めております。

 

② 上記プロセスとリスク管理全体との統合状況

当企業グループでは、リスクマネジメント規定を制定しており、取締役会の下に置いたリスクマネジメント委員会がグループ全体のリスク全般の監視及び対応について主導しております。

リスクマネジメント委員会は、原則として年2回開催することを規定に定めており、サステナビリティ推進委員会と適宜連携しつつ、気候関連リスク及び人的資本・多様性に関するリスクに関するリスクを含め、事業等のリスクに記載している主要なリスクを含む全社的なリスクの特定及び評価を行っております。また、特定された重要なリスクについては、対応策の検討を行うために必要に応じて臨時に委員会を招集することにもなっております。

 

(4)戦略

① 気候変動に関する当社の取組

当企業グループでは、社是に準じるミッション・ステートメントの中にもある通り、従来から省エネ・環境関連機器(バイオマス機器、低炭素排出焼却炉、EV関連部品、水素関連装置、インフラ関連機器、風力発電関連部品等)を幅広く販売することで、地球環境の保全等の社会要請に対応してまいりました。今後は、中長期的に社会全体が脱炭素に移行する中で、顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の取扱いが更に増加すると考えております。営業部門においては、これらの省エネ・環境関連機器の販売が客先や社会全体へ役立つものとの信念を持ち続け、販売増加に努めております。また、ホームページや社外広報活動を通じて、当企業グループの取扱商品を広く周知する活動も実施しております。

一方で、TCFDの考え方に基づき、当企業グループにおいて気候変動リスク・機会が事業の戦略・財務計画に及ぼすインパクトを評価・見直しを実施しております。この中で、シナリオ分析においては、1.5℃シナリオ、4℃シナリオを採用しております。1.5℃シナリオにおいては、リスクの顕在化が想定される移行リスクの検討を行っており、4℃シナリオにおいては、物理リスクの検討を実施しております。

参照したシナリオの詳細は以下の通りです。

 

シナリオ

想定状況

参考シナリオ

1.5℃シナリオ

持続可能な社会を実現する2050年ネットゼロに向けて、厳しい政策がとられ技術革新が進む。21世紀末の温度上昇は1.5℃未満で安定する。

〇IPCC SSP1-1.9
〇IEA WEO2024 NZEシナリオ

4℃シナリオ

現在実施されている政策がそのまま継続され、追加的な措置は行われない。21世紀末の温度上昇は2℃を上回り、気候変動の影響を大きく受ける。

〇IPCC SSP5-8.5
〇IEA WEO2024 STEPシナリオ

 

 

1.5℃シナリオにおける当企業グループの主なリスクとして、社会全体が脱炭素社会に大きく移行する中において、顧客ニーズの変化による化石燃料関連商品の需要減、炭素税の導入拡大や、社会的要請による取扱商品へのカーボンプライシング実施に伴う原材料コストの上昇、プラスチック規制強化による代替材料コストの上昇などが考えられます。一方で、再生可能エネルギー関連商品やEV関連商品、省エネ・省人化を目的とした物流効率化に寄与する商品への移行需要が当社のビジネスにおいて機会になると想定しております。顧客ニーズの変化については、従来までの商品ポートフォリオの見直しを行い、脱炭素社会への移行を後押しするビジネスを強化することを事業機会として捉えていきたいと考えております。脱炭素社会に向けた対応策としては、再生可能エネルギーの利用や営業車のHEV/BEV化等によって自社対応を進めると同時に、サプライチェーンとも連携しながら環境負荷の低減に努めていきたいと考えております。

4℃シナリオにおける当企業グループの主なリスクとして、自然災害の激甚化によるサプライチェーンの寸断、在庫資産の毀損、平均気温の上昇による労働生産性の低下などが考えられます。これらの気候関連リスクを認識し、仕入先との連携を含めたBCP(事業継続計画)の強化、定期的な保険範囲の見直し、労働環境の変化に対するきめ細やかな対応を行ってまいります。また、人協働ロボットなど社会のレジリエンス強化に資する商品展開を検討し、リスクを踏まえた事業機会の創出も図ってまいります。

シナリオ分析によるリスクと機会の評価結果は以下のとおりです。

 

分類

シナ

リオ

項目

当企業グループにおける

具体的な影響

影響度

(注)1

影響時期

(注)2

対応策

 

 

移行リスク

1.5

炭素税の導入

・炭素税の導入に伴い、事業所の光熱費や営業車の燃料費が増加する

中期

・再生可能エネルギー電力の調達

・営業車・社有車のHEV/BEV化

・省エネ設備導入に関するテナントオーナーとの協業検討

・(中長期)物流の効率化、グリーン物流の活用

 

原材料コストの増加

・再生可能な原材料への転換や炭素税への対応に伴い原価が上昇する

中期

・仕入先とのエンゲージメントによる原材料価格高騰の影響の極小化に向けた取組

・顧客企業とのエンゲージメントによる価格転嫁への理解醸成

 

次世代技術の進展

・脱炭素に資する新製品の開発が遅れることにより販売機会が損失する

・既存製品のニーズがなくなることにより販売機会が喪失する

中期

・脱炭素社会に資する商品の積極的な取り扱い及び営業体制強化など、能動的な商品ポートフォリオの見直し

・脱炭素に資する新技術の探索、知識習得、メーカーとの連携強化

・削減貢献量・LCCO2による商品選定

 

リサイクル規制

・プラスチック規制等が強化され、不織布などで代替材料の比率が増加し原価が上昇する

・据付工事の際、発生する撤去設備や梱包材などの産業廃棄物処理に対するコストが増加する

中期

・代替原材料の探索

・産業廃棄物の縮減に向けた取組

・顧客へのリサイクルに関する提案

 

顧客/投資家の評判変化

・脱炭素化への取組が不十分と評価され、販売機会が減少する

・取組と開示の不足により、ステークホルダーからの信頼や対外評価が低下する

中期

・気候変動対応に関する積極的な情報開示の実施

・CDP・Ecovadisなど外部イニシアチブを通じた情報開示

・脱炭素社会を事業機会と捉えた新中期経営方針の策定

 

物理リスク

4

異常気象(自然災害の激甚化)

・大規模災害に伴うサプライチェーンの寸断、販売活動の停滞、顧客工場の停止・減産により、売上が減少する

・洪水などの災害により、在庫資産等の保有資産が毀損する

中~長期

・仕入先とのBCPに関するエンゲージメント

・顧客ポートフォリオの多様化

・定期的な拠点リスク評価と防災対応強化

・可能な商品については調達ルートの分散化

 

平均気温の上昇

・気温上昇による労働環境悪化に伴い従業員の業務効率が悪化する

中~長期

・労働環境変化に対するきめ細やかな対応による生産性低下の予防

・健康経営の推進

・高付加価値商品(サービス)の取扱いによる労働生産性の向上

 

機会

1.5

4

効率化・脱炭素化

・営業車をHEV/BEV等エコカーに代替することにより燃料費が削減される

・在庫拠点の再編及び物流効率化に伴いエネルギー使用量の削減される

中期

・エコドライブ推進による燃費効率改善

・営業車のHEV/BEV化

・充電設備の導入検討(三河安城・四国営業所)

・物流効率化の推進

 

消費者・顧客の嗜好の変化等による低炭素排出商品及びサービスの開発・拡大

・再生可能エネルギー、電動モビリティ、水素エネルギーに関する部品・設備装置事業の需要が増加する

・物流関連、鉄道インフラ、食品(アグリ)、農業関連ビジネスが拡大する

・その他リサイクルなど環境関連ビジネスが拡大する

中~長期

・GX関連ビジネスの強化(資本・人材投入)

・中期経営計画への反映

・(中長期)人協働ロボットなど気温上昇下での生産性向上に対応する製品の検討

 

顧客/投資家の行動変化

・脱炭素化への取組が顧客から評価され、販売機会が拡大する

・脱炭素化への取組、環境ビジネスの積極化による投資家からの評価向上と調達機会の多様化

中期

・気候変動対応に関する積極的な情報開示の実施
・CDP・Ecovadisなど外部イニシアチブを通じた情報開示
・脱炭素社会を事業機会と捉えた新中期経営方針の策定

 

 

(注)1 大:当社への影響が大きい(利益の10%以上)、中:当社への影響は一定程度(利益の1~10%未満)、小:当社への影響はほとんどない(利益の1%未満)

2 中期:5年以内に発生、長期:20年以内に発生

 

なお、1.5℃シナリオ、4℃シナリオにおいても、当企業グループの事業における気候変動リスクに対するレジリエンスは確保されていると考えております。今後も、シナリオ分析及び財務インパクト評価の定期的な見直し、リスク・機会及び対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を進めていきたいと考えております。

 

② 人的資本・多様性に関する当社の取組

当企業グループは、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供することを企業ミッションとしております。そうしたミッション実現のためには、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるための、人材育成や社内環境整備が重要であるとの認識に基づき、具体的に以下の通り方針を定め、人材への投資を積極的に行っております。

 

(人材の多様性の確保を含む人材の育成方針)

機械と技術の総合商社として産業界の顧客に新たな価値を提供するために、異なるバックグラウンド、知識、スキルを持った社員一人ひとりが相互啓発し合うことで自律的な成長を促し、その能力を最大限発揮できる人材配置を行っていくことを人材育成の基本方針としております。

 

(社内環境整備方針)

当企業グループは、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるよう、自由闊達で健全なる社内環境の整備を進め、多様で柔軟な働き方の実現に向けて取り組むことを方針としております。

 

具体的な取組として、多様な人材を採用するためのダイレクトリクルーティングやリファラル採用による経験者採用、女性総合職採用、監理技術者等のシニア採用等を推進しております。人材育成の面では、社員の成長のため、カフェテリア方式のラーニングを全社員に導入するとともに、若手社員に向けた技術基礎のラーニングを導入しております。また、新入社員に対するメンター制度を導入し、入社後の定着と長期的な成長を促進するためのオンボーディング施策を強化しております。

社内環境整備の面では、主要拠点のフリーアドレス化を完了し、より働きやすい、社員の共創を生むオフィス空間の構築に取り組んでおります。

 

また、当企業グループは、機械と技術のプロフェッショナル集団として様々な業界の多岐に亘るサプライチェーンに長年関わってきた経験から、サプライヤーと共にサプライチェーン上の人権リスクの低減に取り組んでおります。これに対応していくことは重要な課題のひとつであり、当企業グループが果たす社会的責任であると認識しております。当企業グループは、サステナビリティ基本方針に則った「人権方針」を制定し、その方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指してまいります。

 

(人権方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。持続可能な社会の実現に向けて、当社グループは、以下の通り「人権方針」を制定し、人権尊重の取組を推進し、その責任を果たすよう努めます。

 

1.当企業グループは、「国際人権章典(国際連合)」や「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(国際労働機関(ILO))」、「ビジネスと人権に関する指導原則(国際連合)」などの人権に関する国際規範を遵守・尊重し、人権への取組を行います。

2.当企業グループは、ビジネスパートナーと連携して、他者の人権を侵害しないこと、事業活動を通じて起こり得る人権への負の影響を最小化すること、そして事業活動を通じて積極的に人権尊重の実践を広げていくことに取り組んでいきます。

3.当企業グループは、人権デュー・デリジェンスの仕組みを通じて、事業活動における直接的、間接的な人権への負の影響を特定し、その予防または軽減を図るよう努めます。また、当社グループの事業活動によって、人権に対する負の影響を引き起こした、または負の影響を助長したことが明らかになった場合は、必要に応じて、ビジネスパートナーと連携しつつ、適切な手段を通じて、その是正、救済に取り組みます。

4.当企業グループは、本方針が事業活動全体に定着するよう、必要な手続きの中に反映するとともに、本方針が理解され効果的に実施されるよう、役職員に対して適切な教育・研修を継続的に行っていきます。

 

(5)指標及び目標

① 気候関連リスクの指標及び目標

当企業グループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当企業グループのGHG排出量(グループの国内全拠点におけるScope1、Scope2排出量)を採用しております。当企業グループのGHG排出量の推移は下記の通りであり、2024年度は2013年度比で25.8%の削減を達成したものの、2023年度以降、各拠点の活動増加に伴い増加傾向となっております。再生可能エネルギーの活用などの脱炭素に向けた各種取組等により2030年度には2013年度比50%削減、2050年にはカーボンニュートラルの達成を目指します。

2023年度より、自社の排出量(Scope1、Scope2)に加えて、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)の算定・把握を行っています。2024年度は、大型設備装置の完工等により排出量が増加しましたが、引き続きScope3の算出精度の向上に努め、Scope3の削減目標についても検討を進めてまいります。

 

 

(GHG排出量 Scope1、2の削減目標と実績の推移)

 

排出量(t-CO2)

割合(%)

 

 

うちScope1(注1)

うちScope2(注2)

 

2013年度実績

1,293

710

583

100.0

2021年度実績

968

513

456

74.9

2022年度実績

928

533

395

71.8

2023年度実績

939

537

402

72.6

2024年度実績

960

562

398

74.2

 

(注)1 Scope1とは、自ら排出した温室効果ガスの直接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の燃料使用量(ガソリン、軽油、重油、都市ガス、LPG)から算出しております。

2 Scope2とは、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の電気使用量から算出しております。

 

 

(GHG排出量 Scope3の実績の推移)

 

カテゴリ

排出量(t-CO2)

2023年度

2024年度

Scope3

(注3)

カテゴリ1 :購入した製品・サービス

531,315

570,580

カテゴリ2 :資本財

1,953

2,070

カテゴリ3 :Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動

200

204

カテゴリ4 :輸送、配送

637

873

カテゴリ5 :事業者から出る廃棄物

265

305

カテゴリ6 :出張

1,811

1,603

カテゴリ7 :雇用者の通勤

251

276

カテゴリ11:販売した製品の使用

217,220

294,244

合 計

753,651

870,155

 

(注)3 Scope3とは、サプライチェーンにおけるScope1,Scope2以外の他社の排出量と定義されております。従って、当企業グループ(海外含む)の活動に伴う他社の排出量を、カテゴリ別に算出しております。

 

② 人的資本・多様性関連リスクの指標及び目標

当社では、人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標として、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」欄における女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」「男性の育児休暇取得率」「男女間賃金格差」の3つの指標に加え、人材育成・社内環境整備方針に関する指標として、下記の通りの指標を採用しております。

 

(人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標)

項目

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

人的付加価値率(注2、3)

100

106

108

108

女性総合職比率(注1)

5%

6%

5

8

男性育休取得率(注1)

82%

70%

84

100

特定資格保有者数(注1、2、4)

100

101

104

115

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき公表している提出会社のみを対象としております

2 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

3 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

4 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。