2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    568名(単体) 808名(連結)
  • 平均年齢
    42.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.5年(単体)
  • 平均年収
    8,076,038円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

  (1)人的資本に関する基本的な考え方

当企業グループは、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供することを企業ミッションとしております。そうしたミッション実現のために、中期経営計画『ATOM2028』において、人的資本を経営戦略の重要な基盤として位置付け、以下の人材目標として掲げております。

①エンジニアリング力の強化と価値創出に挑む人材の育成

②部門連係により、挑戦を促し、成果を生む組織風土の醸成

③生産性と社員の豊かさの好循環による持続可能な成長基盤の構築

 

 これらの人材目標の実現に向け、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるための、人材育成や社内環境整備が重要であると認識しております。この認識に基づき、人材育成及び社内環境整備に関する方針を定め、人材への投資を積極的に行っております。

 


 

(人材の多様性の確保を含む人材の育成方針)

機械と技術の総合商社として産業界の顧客に新たな価値を提供するために、異なるバックグラウンド、知識、スキルを持った社員一人ひとりが相互啓発し合うことで自律的な成長を促し、その能力を最大限発揮できる人材配置を行っていくことを人材育成の基本方針としております。

 

(社内環境整備方針)

当企業グループは、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるよう、自由闊達で健全な社内環境の整備を進め、多様で柔軟な働き方の実現に向けて取組むことを方針としております。

 

また、当企業グループは、機械と技術のプロフェッショナル集団としてさまざまな業界の多岐に亘るサプライチェーンに長年関わってきた経験から、サプライヤーと共にサプライチェーン上の人権リスクの低減に取組んでいくことは重要な課題のひとつであり、当企業グループが果たす社会的責任であると認識しております。当企業グループは、サステナビリティ基本方針に則った「人権方針」を制定し、その方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指してまいります。当企業グループは、人権に関する国際規範を遵守・尊重し、グループ全体で人権尊重の取組を推進し、その責任を果たすよう努めてまいります。

 

(人権方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。持続可能な社会の実現に向けて、当企業グループは、以下の通り「人権方針」を制定し、人権尊重の取組を推進し、その責任を果たすよう努めます。

 

 

 1.人権尊重に関連した規範や法令の遵守

当企業グループは、世界のすべての人々が享受すべき基本的人権について規定した「国際人権章典」、労働における基本的権利(結社の自由及び団体交渉権、強制労働の禁止、児童労働の実効的な廃止、雇用及び職業における差別の禁止)を規定した国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等の人権に関する国際規範を支持、尊重します。また、本方針は国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて策定しています。

当企業グループは、事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される法令を遵守します。

なお、国際的に認められた人権と各国や地域の法令の間に矛盾がある場合、国際的な人権の原則を最大限尊重するための方法を追求していきます。

 

 2.事業活動全体を通じた人権尊重の責任

当企業グループは、他者の人権を侵害しないこと、事業活動を通じて起こり得る人権への負の影響を最小化すること、そして事業活動を通じて積極的に人権尊重の実践を広げていくことに取組んでいきます。

 

 3.適用範囲

本方針は、当企業グループのすべての役員と従業員に適用します。また、サプライヤーをはじめ、すべてのビジネスパートナーに対しても、本方針の理解・遵守を求めます。

 

 4.人権デュー・デリジェンスの実施

当企業グループは、人権デュー・デリジェンスの仕組みを通じて、事業活動における直接的、間接的な人権への負の影響を特定し、その予防または軽減を図るよう努めます。

 

 5.是正・救済

当企業グループが人権に対する負の影響を引き起こした、または負の影響を助長したことが明らかになった場合、適切な手段を通じて、その是正、救済に取組みます。

また、当企業グループが直接人権への負の影響を助長していない場合でも、その事業活動を通じて、当企業グループのビジネスパートナー、またはそのほかの関係者が人権への負の影響と直接つながっている場合、人権を尊重し侵害しないよう、ステークホルダーと協力しながら改善に努めていきます。

 

 6.ステークホルダーとの対話・協議

当企業グループは、「企業倫理規定」及び各分野の方針やガイドラインで規定した取組を通じて、人権尊重の取組を推進していきます。実際のまたは潜在的な人権への負の影響に関する対応について、関連するステークホルダーとの対話と協議を行っていきます。

 

 7.役職員に対する教育

当企業グループは、本方針が事業活動全体に定着するよう、必要な手続きの中に反映するとともに、本方針が理解され効果的に実施されるよう、役職員に対して適切な教育・研修を継続的に行っていきます。

 

 8.情報の開示

当企業グループは、本方針に基づく人権尊重の取組について、適切な情報開示に努めます。

 

 9.人権に関する重点課題

当企業グループは、社会の変化や事業の動向などにより取組むべき具体的な課題が変わるため、ステークホルダーや社外の専門家との対話と協議を行い、適宜重点課題の見直しを図っていきます。

 

 

(給与その他の給付の内容の決定に関する方針)

当企業グループは、人的資本戦略の実現に向け、人材の育成、組織風土の醸成および成長基盤の構築を推進しております。これらを支える基盤として、従業員一人ひとりの能力および成果を適正に評価し、その価値を適切に還元する給与制度を整備しております。

 

 1.基本方針

当企業グループは、従業員一人ひとりの能力および成果を適正に評価し、公正かつ透明性の高い給与制度を構築・運用することで、持続的な企業価値向上に資する人的資本の最大化を図ることを基本方針としております。

給与水準については、外部労働市場の動向、同業他社の水準および当社の経営状況を総合的に勘案し、従業員の納得性および採用競争力のある水準の維持に努めております。

 

 2.給与体系の構成

当企業グループの従業員給与は、主に以下の要素により構成されております。

・基本給(職能資格制度に基づく資格給、役職給、家族手当)

・賞与(業績および個人評価に連動)

・各種手当(通勤手当、別居手当、時間外勤務手当等)

なお、賞与におきましては、個人業績および部門、会社業績との連動性を高めることとしております。

 

 3.給与決定プロセス

基本給の内、資格給、役職給については以下の要素を総合的に勘案し決定しております。

・職務内容および個人の能力・スキル・経験

・市場水準および同業他社ベンチマーク

評価については、目標設定制度および能力評価制度に基づき、複数段階の面談、査定を通じて公平性・客観性の確保に努めております。

 

 4.業績連動性

賞与については、会社全体の業績指標(売上高・営業利益等)および部門・個人の達成度に応じて変動する仕組みを採用しております。これにより、従業員一人ひとりの成果と企業業績との連動性を高め、組織全体のパフォーマンス向上を促進しております。

また、2026年5月8日付で取締役会決議した従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入しており、従業員の成果と企業価値との連動を高め、中長期的な業績向上への意識醸成を図っております。

 

 5.公平性・透明性の確保

当企業グループは、給与制度の公平性および透明性を確保するため、

・部門間調整の実施

・評価者研修の実施

・フィードバック機会の提供

等を通じて、納得性の高い処遇決定に努めております。

 

 

 

  (2)人的資本投資の戦略的取組み

当企業グループは、技術力と挑戦意欲を兼ね備えた人材の育成、多様な人材が活躍できる組織の構築、ならびに心身ともに安心して働ける職場環境の整備を目的として、各種施策を通じた人的資本への投資を推進しております。さらに、当企業グループでは、業績の向上や企業体質の強化に加え、持続可能な社会の実現へ寄与することを目指し、2026年度から2028年度までの3カ年を対象とする中期経営計画『ATOM2028』を策定しており、この中では、下記に特に留意した人材戦略を策定し、人材へのさらなる積極投資を実践しております。

 

 1.個のスキル強化

技術力および専門性の向上に向けた育成体系の整備を進めるとともに、従業員の資格取得や語学力向上を積極的に支援しております。また、生成AI等の先端技術の活用力強化を通じた業務効率の向上を図るほか、情報セキュリティリテラシーの向上に資する研修を継続的に実施しております。

さらには、現場でのOJTと各種研修を組み合わせた育成体系を構築することで、付加価値の高いソリューションを創出できるエンジニアリング人材を継続的に育成し、事業領域の価値向上につなげます。

 

 2.組織力の強化

多様なチャネルを活用した人材採用を推進するとともに、早期戦力化を支援するオンボーディング施策の充実を図っております。また、挑戦を後押しする組織風土の醸成、部門および事業の枠を超えた協働・連携の促進に取り組んでおり、評価・マネジメントの仕組みを整備することで、主体的なチャレンジと成果創出が両立する組織風土を醸成します。

 

 3.働く基盤の整備

健康経営を推進するとともに、柔軟な働き方の拡充により働きやすい職場環境の整備に努めております。加えて、フリーアドレス化やペーパーレス化の推進など、オフィスおよびDX環境の整備を進め、生産性と快適性の両立を図っております。さらに、適宜ベースアップや報酬制度の見直しを実施し、従業員にとって安心感および納得感の高い処遇の実現を目指しており、社員の成長と企業価値向上の好循環を創出し、中長期的な持続可能な成長基盤を構築します。

 

(2) 【従業員の状況】

 (1) 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

東日本本部

233

西日本本部

196

中日本本部

107

開発戦略本部

132

全社(共通)

140

合計

808

 

(注) 1 従業員数は、当企業グループから当企業グループ外への出向を除き、当企業グループ外から当企業グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

 

 (2) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前
事業年度増減率(%)

568

42.5

15.5

8,076,038

0.2

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

東日本本部

141

西日本本部

137

中日本本部

91

開発戦略本部

59

全社(共通)

140

合計

568

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

 (3) 労働組合の状況

 労働組合は結成しておりません。また、労使関係については、特に記載すべき事項はありません。

 

 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

  提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.3

107

58.2

62.1

56.0

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女間の管理職比率の違いが賃金格差の大きな要因であり、同一職種における賃金体系においての性別による処遇差ではありません。

 

 

 (5) 当企業グループの使用人その他の従業員のみを対象とした従業員株式所有制度の内容

当社は、2026年5月8日開催の取締役会において、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入し、本制度に基づき、ツバコー従業員持株会を割当予定先として、譲渡制限付株式としての自己株式の処分を行うことについて決議いたしました。本制度の内容については「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

また、サステナビリティに関しては、当社のホームページにも記載しております。ホームページアドレスは、次の通りであります。(https://tsubaki.co.jp/ja/ir/sustainability/

 

(1)サステナビリティに対する考え方及び当企業グループの重要課題(マテリアリティ)

当社の社是のひとつとして、「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」と掲げており、古くからの経営理念として「持続可能な社会の実現に貢献する」ことを連綿と受け継いでまいりました。また、その精神は当企業グループの「サステナビリティ基本方針」にも組み込まれ、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組み、持続可能な社会の実現に向けて日々事業活動に反映させてまいりました。

しかし、一方では、地球温暖化、人権の侵害、貧困・格差の拡大等社会課題は拡大・深刻化の一途を辿っております。社会の健全な発展が無くては、当企業グループの事業の持続的発展もありません。

以上の状況から、社会の健全な発展に資するために当企業グループでは、2023年度に開始した中期経営計画『ATOM2025』において、「サステナビリティ経営の推進」を重点施策の一つと定め、各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を策定し、それに基づく事業活動を開始いたしました。

また、2026年5月に公表いたしました2026年度から2028年度までの3カ年を対象とする新中期経営計画『ATOM2028』では、下記のように重要課題(マテリアリティ)の見直しを行い、「事業領域の価値向上」「資本構成の最適化と株主還元強化」「ESG経営の深化」の3つの基本戦略のもとで、取組を進めてまいります。

 

(サステナビリティ基本方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。加えて、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築及び積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

 

(重要課題(マテリアリティ))

外部環境

重要課題

(マテリアリティ)

『ATOM2028』における

主な取組

主なKPI(2030年度目標)

脱炭素・資源循環社会への移行

脱炭素・資源循環社会への対応

・サステナビリティ商材の開拓、提案力の強化

・事務所における再生可能エネルギー電力の活用

・脱炭素貢献商材の売上2倍(2023年比)

・GHG排出量50%削減(2013年比)

少子高齢化・労働力制約社会

人的資本施策の強化

・技術力・専門性を高める人事施策の実施

・“いきいき”と働き続けるための基盤整備

・人権リスクの把握と対応策の推進

・付加価値創造性5%向上(2025年比)

 *付加価値創造性=1人あたり人件費+1人あたり営業利益

・特定資格保有者数(注)100人

・従業員エンゲージメント指数120

  (2022年度100)

・健康経営スコア60以上
*回答法人全体の平均に基づく偏差値

AI・ロボティクス活用など自動化・高付加価値化ニーズへの対応

・フィジカルAI、ロボット関連商材の開拓

・総合ソリューション提案の推進

・高度技術の取り込み、新商品開発

 

DX投資による業務品質・生産性の向上

・業務効率化に向けた社内DXへの継続的投資

・DX推進を担う人材の育成

 

グローバル経済の不確実性

安定的かつ責任ある海外取引の実施・拡大

・輸入商材を含む新商材開発部署の拡充

・国内外連携・ガバナンス強化に向けた部署新設

 

ESG・非財務課題への社会的要請

サステナビリティを意識した経営

・サプライヤーエンゲージメントの向上

・外部の第三者機関による取締役会の実効性評価やガバナンス体制の点検の実施

・グループ会社の内部統制強化

 

 

(注)特定資格保有者:監理技術者等有資格者

 

(2)ガバナンス

① 取締役会の監督体制

当社の取締役会は、サステナビリティ課題対応を経営上の重要課題と認識し、中長期の経営戦略の中核に据えております。そして、この課題に対応するためサステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の諮問機関として設置しており、管理部門を総括する取締役を委員長として、経営会議が指名した委員3名以上で構成しております。同委員会は、当企業グループのサステナビリティ課題に関する重要方針やその施策について取締役会、経営会議、執行役員会に適宜報告・連携することで、経営トップ層間の意思統一と周知徹底を図っております。

取締役会は同委員会での結論を、経営会議を経て報告を受け、必要に応じ「リスク」及び「機会」を検討し審議を行い、審議の結果を同委員会へ承認・指示する体制となっております。

同委員会は、年1回以上開催され、取締役会に対し開催内容についての報告を定期的に実施しており、取締役会から指示を受けた経営戦略上や事業運営上の課題への対応策について、該当部門に確実に実施させるべく適宜にサポート・進捗管理することで改善策実施の確実性を図っております。

このように監督側である取締役会と業務執行側であるサステナビリティ推進委員会の役割を明確にし、サステナビリティに関するガバナンス体制を構築しております。

 

(サステナビリティ推進体制図)

 


 

② 経営陣の役割

当社は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の意思決定の諮問機関であるサステナビリティ推進委員会を設置しております。

同委員会は、管理部門を総括する取締役を委員長として、経営会議が指名した委員3名以上で構成しており、経営戦略上や事業運営上の課題に対処することにしております。

同委員会は下部組織として、分野別に実務担当者を中心とした複数のサステナビリティ推進実行チームがあり、同実行チームから経営戦略上や事業運営上における気候変動課題や人的資本・多様性課題を含む、当企業グループに関するサステナビリティ課題全般への対応策を検討する報告を適時に受け、それに対し具体的な対応策の検討を行っており、この対応策を代表取締役社長が議長である経営会議を経て取締役会へ報告いたします。

取締役会は、これらのサステナビリティ経営重点テーマやKPI(重要業績評価指標)をグループ全体で共有させ、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取組めるように、サステナビリティ推進委員会を主導いたします。

 

(3)リスク管理

① サステナビリティ関連リスク及び機会に係る戦略の策定及びリスク管理

当企業グループでは、サステナビリティ推進実行チームを中心にサステナビリティ関連リスクの特定・評価及び機会の分析を実施しております。サステナビリティ関連リスク及び機会のうち、気候変動に関連するリスク及び機会については、シナリオ分析を基本として識別し、分析・評価しております。また、人的資本・多様性に関するリスク及び機会については、当企業グループの人材育成方針や社内環境整備方針に基づいて人材育成や登用等の進捗状況を踏まえ、分析・評価しております。

特定・評価された重要なリスク及び機会は適宜、サステナビリティ推進委員会から取締役会・経営会議に報告する体制であり、リスク及び機会の共有をすると同時に、リスクについては適切な対応策の検討が行われており、機会については必要に応じて経営戦略及び対処すべき課題に反映することとしております。具体的には、サステナビリティに関するリスクのうち、経営戦略上・事業運営上のリスクについては必要に応じて経営会議や取締役会において審議しており、適宜リスクマネジメント委員会と連携しつつ、当該リスク事象の発生の回避及び発生した場合の対応策を検討しております。また、機会についてもサステナビリティ推進委員会が主導し、事業部門の取組をサポートしております。気候変動に関する機会については、お客様ニーズに即した脱炭素関連などの新しい商品開発による販売機会の拡大に努めております。

 

② 上記プロセスとリスク管理全体との統合状況

当企業グループでは、リスクマネジメント規定を制定しており、取締役会の下に置いたリスクマネジメント委員会がグループ全体のリスク全般の監視及び対応について主導しております。

リスクマネジメント委員会は、原則として年2回開催することを規定に定めており、サステナビリティ推進委員会と適宜連携しつつ、気候関連リスク及び人的資本・多様性に関するリスクに関するリスクを含め、事業等のリスクに記載している主要なリスクを含む全社的なリスクの特定及び評価を行っております。また、特定された重要なリスクについては、対応策の検討を行うために必要に応じて臨時に委員会を招集することにもなっております。

 

(4)戦略

① 気候変動に関する当社の取組

当企業グループでは、社是に準じるミッション・ステートメントの中にもある通り、従来から省エネ・環境関連機器(バイオマス機器、低炭素排出焼却炉、EV関連部品、水素関連装置、インフラ関連機器、風力発電関連部品等)を幅広く販売することで、地球環境の保全等の社会要請に対応してまいりました。今後は、中長期的に社会全体が脱炭素に移行する中で、顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の取扱いが更に増加すると考えております。営業部門においては、これらの省エネ・環境関連機器の販売が客先や社会全体へ役立つものとの信念を持ち続け、販売増加に努めております。また、ホームページや社外広報活動を通じて、当企業グループの取扱商品を広く周知する活動も実施しております。

一方で、TCFDの考え方に基づき、当企業グループにおいて気候変動リスク・機会が事業の戦略・財務計画に及ぼすインパクトを評価・見直しを実施しております。この中で、シナリオ分析においては、1.5℃シナリオ、4℃シナリオを採用しております。1.5℃シナリオにおいては、リスクの顕在化が想定される移行リスクの検討を行っており、4℃シナリオにおいては、物理リスクの検討を実施しております。

参照したシナリオの詳細は以下のとおりです。

 

シナリオ

想定状況

参考シナリオ

1.5℃シナリオ

持続可能な社会を実現する2050年ネットゼロに向けて、厳しい政策がとられ技術革新が進む。21世紀末の温度上昇は1.5℃未満で安定する。

〇IPCC SSP1-1.9
〇IEA WEO2024 NZEシナリオ

4℃シナリオ

現在実施されている政策がそのまま継続され、追加的な措置は行われない。21世紀末の温度上昇は2℃を上回り、気候変動の影響を大きく受ける。

〇IPCC SSP5-8.5
〇IEA WEO2024 STEPシナリオ

 

 

1.5℃シナリオにおける当企業グループの主なリスクとして、社会全体が脱炭素社会に大きく移行する中において、顧客ニーズの変化による化石燃料関連商品の需要減、炭素税の導入拡大や、社会的要請による取扱商品へのカーボンプライシング実施に伴う原材料コストの上昇、プラスチック規制強化による代替材料コストの上昇などが考えられます。一方で、再生可能エネルギー関連商品やEV関連商品、省エネ・省人化を目的とした物流効率化に寄与する商品への移行需要が当社のビジネスにおいて機会になると想定しております。顧客ニーズの変化については、従来までの商品ポートフォリオの見直しを行い、脱炭素社会への移行を後押しするビジネスを強化することを事業機会として捉えていきたいと考えております。脱炭素社会に向けた対応策としては、再生可能エネルギーの利用や営業車のHEV/BEV化等によって自社対応を進めると同時に、サプライチェーンとも連携しながら環境負荷の低減に努めていきたいと考えております。

4℃シナリオにおける当企業グループの主なリスクとして、自然災害の激甚化によるサプライチェーンの寸断、在庫資産の毀損、平均気温の上昇による労働生産性の低下などが考えられます。これらの気候関連リスクを認識し、仕入先との連携を含めたBCP(事業継続計画)の強化、定期的な保険範囲の見直し、労働環境の変化に対するきめ細やかな対応を行ってまいります。また、人協働ロボットなど社会のレジリエンス強化に資する商品展開を検討し、リスクを踏まえた事業機会の創出も図ってまいります。

 

シナリオ分析によるリスクと機会の評価結果は以下のとおりです。

 

分類

シナ

リオ

項目

当企業グループにおける

具体的な影響

影響度

(注)1

影響時期

(注)2

対応策

 

 

移行リスク

1.5

炭素税の導入

・炭素税の導入に伴い、事業所の光熱費や営業車の燃料費が増加する

短~中期

・具体的な省エネの実施(オフィスのLED化、省エネルギー機器への更新等)

・再生可能エネルギー電力の調達

・営業車のHEV/BEV化

・GreenEX(JR東海)の導入によりCO2排出量削減

 

排出量報告義務の強化

・GHG排出量の第三者認証費用などコンプライアンス費用が増加する

短~中期

・第三者認証取得に向けたGHG算定システムの導入

・Scope3削減に向けたサプライチェーンとの協業検討

 

リサイクル規制

・プラスチック規制等が強化され、不織布などで代替材料の比率が増加し原価が上昇する

・据付工事の際、発生する撤去設備や梱包材などの産業廃棄物処理に対するコストが増加する

中期

・低コストな代替不織布の原材料の探索

・政策·規制等に関する継続的な情報収集

・産業廃棄物の種類の把握

・顧客へのリサイクルに関する提案(撤去設備など)

 

次世代技術の進展

・脱炭素に資する新製品の開発が遅れることにより販売機会が喪失する

・既存製品のニーズがなくなることにより販売機会が喪失する

短~中期

・脱炭素社会に資する商品の積極的な取扱

・能動的な商品ポートフォリオの見直し

・脱炭素に資する新技術の探索、知識習得、メーカーとの連携強化

・削減貢献量·LCCO2による商品選定

 

原材料コストの増加

・再生可能な原材料への転換に伴い原価が上昇する

中期

・仕入先とのエンゲージメントによる原材料価格高騰の影響の極小化に向けた取組

・顧客企業とのエンゲージメントによる価格転嫁への理解

 

顧客/投資家の評判変化

・脱炭素化への取組が不十分と評価され、販売機会が減少する

・取組と開示不足により、ステークホルダーからの信頼や対外評価が低下する

中~長期

・気候変動対応に関する積極的な情報開示の実施

・CDP·EcoVadis等外部イニシアチブを通じた積極的な情報開示

・脱炭素社会を事業機会と捉えた新中期経営方針の策定

 

物理リスク

4

異常気象(自然災害の激甚化)

・大規模災害に伴うサプライチェーンの寸断、販売活動の停滞、顧客工場の停止·減産により、売上が減少する

中~長期

・仕入先とのBCPに関するエンゲージメント

・可能な商品については調達ルートの分散化

・顧客ポートフォリオの多様化

 

・洪水などの災害により、在庫資産等の保有資産が毀損する

中~長期

・定期的な拠点リスク評価

・拠点の防災(水害)対応等の強化

・保険のカバー範囲の見直し(一部在庫資産は火災のみで水害による損失がカバーできていない)

 

平均気温の上昇

・気温上昇による労働環境悪化に伴い従業員の業務効率が悪化する

中~長期

・労働環境の変化に対するきめ細やかな対応による生産性低下の予防

・健康経営の推進

・DX推進による補完

 

機会

1.5

4

物流・生産効率化

・在庫拠点の再編および物流効率化に伴うエネルギー使用量の削減

中期

・在庫拠点の見直し、物流の効率化

 

省エネ化・脱炭素化

・営業車をEV等エコカーに代替することによりエネルギーコストを削減

短~中期

・エコドライブ推進により燃費効率改善

・社有車のHEV/BEV車への更新実施

・充電設備の導入(三河安城·四国営業所、導入済)

 

消費者・顧客の嗜好の変化等による低炭素排出商品およびサービスの開発・拡大

・再生可能エネルギー、電動モビリティ、水素エネルギーに関する部品·設備装置事業の拡大

・物流関連、鉄道インフラ、食品(アグリ)、農業関連ビジネスの拡大

・その他リサイクルなど環境関連ビジネスの拡大

短~中期

・GX関連ビジネスの強化·中期経営計画への反映

・低炭素排出輸入商品の発掘

・〔中長期〕労働ロボットなど気温上昇下での生産性向上に対応する製品の検討

 

顧客/投資家の行動変化

・脱炭素化への取組が顧客から評価され、販売機会が拡大する。

・脱炭素化への取組、環境ビジネスの積極化による投資家からの評価向上と調達機会の多様化

中期

・気候変動対応に関する積極的な情報開示の実施

・CDP·EcoVadis等外部イニシアチブを通じた積極的な情報開示

・脱炭素社会を事業機会と捉えた新中期経営方針の策定

 

 

(注)1 大:当社への影響が大きい(利益の10%以上)、中:当社への影響は一定程度(利益の1~10%未満)、小:当社への影響はほとんどない(利益の1%未満)

2 中期:5年以内に発生、長期:20年以内に発生

 

なお、1.5℃シナリオ、4℃シナリオにおいても、当企業グループの事業における気候変動リスクに対するレジリエンスは確保されていると考えております。今後も、シナリオ分析及び財務インパクト評価の定期的な見直し、リスク・機会及び対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を進めていきたいと考えております。

 

 

② 人的資本・多様性に関する当社の取組

人的資本・多様性に関する当社の取組については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等」をご参照下さい。

 

(5)指標及び目標

① 気候関連リスクの指標及び目標

当企業グループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当企業グループのGHG排出量(グループの国内全拠点におけるScope1、Scope2排出量)を採用しております。当企業グループのGHG排出量の推移は下記の通りであり、2025年度は自社所有施設および一部の賃貸事務所の電力を再生可能エネルギーに切替したことでScope2排出量を大きく削減することができました。一方、Scope1排出量は活動量の増加に伴い増加傾向が続いています。引き続き再生可能エネルギーの活用などの脱炭素に向けた各種取組等により2030年度には2013年度比50%削減、2050年にはカーボンニュートラルの達成を目指します。

2023年度より、自社の排出量(Scope1、Scope2)に加えて、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)の算定・把握を行っています。2025年度は算定方法の見直しや新幹線移動でのGHG削減(GreenEX)にも取組んだものの、活動量の増加に加え物価高騰の影響もあり排出量は増加しました。引き続きScope3の算出精度の向上に努め、Scope3の削減目標についても検討を進めてまいります。

 

(GHG排出量 Scope1、2の削減目標と実績の推移)

 

排出量(t-CO2e)

割合(%)

 

 

うちScope1(注1)

うちScope2(注2)

 

2013年度実績

1,293

710

583

100.0

2022年度実績

928

533

395

71.8

2023年度実績

945

543

402

73.1

2024年度実績

960

562

398

74.2

2025年度実績

856

573

283

66.2

 

(注)1 Scope1とは、自ら排出した温室効果ガスの直接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の燃料使用量(ガソリン、軽油、重油、都市ガス、LPG)から算出しております。

2 Scope2とは、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の電気使用量から算出しております。

 

(GHG排出量 Scope3の実績の推移)

 

カテゴリ

排出量(t-CO2e)

2023年度

2024年度

2025年度

Scope3

(注3)

カテゴリ1 :購入した製品・サービス

531,315

570,580

587,407

カテゴリ2 :資本財

1,953

2,070

1,107

カテゴリ3 :Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動

200

204

216

カテゴリ4 :輸送、配送

637

873

748

カテゴリ5 :事業者から出る廃棄物

265

305

84

カテゴリ6 :出張

1,811

1,603

2,383

カテゴリ7 :雇用者の通勤

251

276

308

カテゴリ11:販売した製品の使用

217,220

294,244

305,767

合 計

753,651

870,155

898,020

 

(注)3 Scope3とは、サプライチェーンにおけるScope1,Scope2以外の他社の排出量と定義されております。従って、当企業グループ(海外含む)の活動に伴う他社の排出量を、カテゴリ別に算出しております。

 

 

② 人的資本・多様性関連リスクの指標及び目標

当企業グループでは、前中期経営計画『ATOM2025』における人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標として、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」欄における女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」「男性の育児休暇取得率」「男女間賃金格差」の3つの指標に加え、下記のとおりの指標を採用してまいりました。

 

(管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異)

    提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.3

107

58.2

62.1

56.0

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女間の管理職比率の違いが賃金格差の大きな要因であり、同一職種における賃金体系においての性別による処遇差ではありません。

 

(人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標)

項目

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度実績

人的付加価値率(注2、3)

100

106

108

112

女性総合職比率(注1)

5%

6%

5%

5

男性育休取得率(注1)

82%

70%

84%

107

特定資格保有者数(注2、4)

100

101

104

107

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき公表している提出会社のみを対象としております

2 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

3 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

4 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

新中期経営計画『ATOM2028』においては、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」欄における女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」「男性の育児休暇取得率」「男女間賃金格差」に加え、(1)サステナビリティに対する考え方及び当企業グループの重要課題(マテリアリティ)に記載の主なKPI「付加価値創造性」「特定資格保有者数」「従業員エンゲージメント指数」「健康経営スコア」を人的資本KPIとして2030年度目標を定め、進捗管理をしております。

 

(重要課題(マテリアリティ)のうちの人的資本KPI)

外部環境

重要課題

(マテリアリティ)

『ATOM2028』における

主な取組

主なKPI(2030年度目標)

少子高齢化・労働力制約社会

人的資本施策の強化

・技術力・専門性を高める人事施策の実施

・“いきいき”と働き続けるための基盤整備

・人権リスクの把握と対応策の推進

・付加価値創造性5%向上(2025年比)

 *付加価値創造性=1人あたり人件費+1人あたり営業利益

・特定資格保有者数(注)100人

・従業員エンゲージメント指数120

  (2022年度100)

・健康経営スコア60以上
*回答法人全体の平均に基づく偏差値

 

(注)特定資格保有者:監理技術者等有資格者