2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,291名(単体) 2,537名(連結)
  • 平均年齢
    38.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.0年(単体)
  • 平均年収
    7,602,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業務

リース業務

その他

合計

従業員数(人)

2,291

43

203

2,537

[1,301]

[17]

[45]

[1,363]

 

(注) 1  従業員数は、嘱託及び臨時従業員1,348人を含んでおりません。

2  臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2) 当行の従業員数

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,291

38.9

16.0

7,602

[1,301]

 

(注) 1  従業員数は、嘱託及び臨時従業員1,279人を含んでおりません。

2  当行の従業員はすべて銀行業務のセグメントに属しております。

3  臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5  当行の労働組合は、七十七銀行労働組合と称し、組合員数は1,977人であります。

    労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3) 当行の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度(注1)

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注2)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注2)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

19.4

92.3

36.8

59.2

51.1

 

(注) 1  当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

2  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

3  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。なお、出生日から事業年度を跨いで育児休業を取得した対象者が含まれているため、取得率は100%を下回っておりますが、全対象者が育児休業を取得しております。

 

 

労働者の男女の賃金の差異に関する補足説明

階層別・雇用区分別の男女の賃金の差異(%)

①正規雇用労働者

②パート・有期労働者

全労働者

管理職(注)

事務職

先任行員

全体

業務嘱託等

パート

臨時雇

全体

74.4

76.3

83.8

59.2

90.5

103.6

92.8

51.1

36.8

 

(注)管理職は、執行役員12名を含んで算出しております。

 

① 正規雇用労働者

当行の賃金体系は性別による差を設けていないため、階層別にみると男女間の賃金に大きな差はありませんが、相対的に賃金の高い管理職以上において男性の割合が高いため、全体では上記の差異が生じていると考えられます。2024年度においては、女性の能力開発および管理職への登用を推進した結果、管理職に占める女性労働者の割合が前年度比1.9ポイント増加し、男女賃金格差は前年度比1.1ポイント改善しました。引き続き女性の能力開発に向けた積極的な取組みを行い、管理職以上への女性登用を計画的に推進してまいります。

② パート・有期労働者

正規雇用労働者と同様に、賃金体系においては性別による差を設けていないため、雇用区分別にみると男女間の賃金に大きな差はありませんが、相対的に賃金の高い業務嘱託等において男性の割合が高いため、全体では上記の差異が生じていると考えられます。2024年度においては、女性の割合が高いパートタイマーの時給引上げや業務区分の細分化等を通じた処遇の改善に取り組んだ結果、男女賃金格差は前年度比5.2ポイント改善しました。引き続き、性別や年齢に関わらず多様な働き方が選択できるよう、働きやすい環境を整備してまいります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行及び当行の関係会社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであり、サステナビリティ全般、気候変動、人的資本に分けて記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行及び当行の関係会社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

A.ガバナンス

当行では、適切かつ十分なサステナビリティ推進管理を行うことを目的として、「サステナビリティ推進管理方針」を策定するとともに、頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ推進管理にかかる重要事項等を審議・報告のうえ、結果を経営戦略やリスク管理へ反映させているほか、総合企画部内に「サステナビリティ推進室」を設置し、施策推進の実効性を確保しております。

また、当事業年度は「サステナビリティ委員会」を3回開催し、サステナビリティ経営の実践に向けた審議・報告を行い、その内容を取締役会へ報告することにより、取締役会がサステナビリティへの取組状況を監督する体制を確立しております。

更に「七十七グループのマテリアリティ」の特定において、監査等委員とサステナビリティ経営と経営計画との整合等について意見交換を実施するなど、監査等委員会がサステナビリティ経営全般に関与・監督する体制を確立しております。加えて、内部監査計画に基づく監査において、2024年度はテーマ別監査「SDGsへの取組状況(マテリアリティへの取組状況等)」を実施し、SDGsの実践にかかるPDCAサイクルの発揮状況や、「七十七グループのマテリアリティ」の解決に向けた施策の取組状況等について検証・評価を行うなど、監査部が適切に関与する体制を確立しております。

 

 


 

<サステナビリティ委員会構成>

委 員 長:頭取

副委員長:副頭取、専務取締役

委  員:常務取締役、総合企画部長、グループ事業戦略部長、リスク統轄部長、営業統轄部長、

     コンサルティング営業部長、地域開発部長、人事部長、総務部長

 

 

B.戦略

当行及び当行の関係会社は、「七十七グループのマテリアリティ」の解決に向けて、「『Vision 2030』~未来を切り拓くリーディングカンパニー~」において、金融サービスの充実と非金融分野における事業領域の拡大等による最良のソリューションで感動と信頼を積み重ね、ステークホルダーとともに、宮城・東北から活躍のフィールドを切り拓いていく「リーディングカンパニー」を目指しております。

また、「Vision 2030」において、中長期的な時間軸の中で、抜本的な改革に取り組むとともに、事業年度毎にサステナビリティにかかる経営計画である「SDGs実践計画」を策定しております。

 

<七十七グループのマテリアリティとSDGs宣言>


 

<七十七グループにおけるサステナビリティ経営のフレームワーク>


 

 

<マテリアリティに関連するリスク、機会及び主な取組>

1.宮城・東北の活性化 

リスク

・地域経済の衰退による収益機会の減少(自治体の財政難、人口流出・人口減少、コミュニティの弱体化等)

機会

・インフラ等への公共投資拡大に伴う投融資機会の増加

・スタートアップを含む企業等の民間投資増加に伴う投融資機会の増加

主な取組

・みやぎ広域PPPプラットフォーム(MAPP)を活用した産学官金の連携強化

・ナノテラスや半導体プロジェクト等の地域開発プロジェクトへの参画

・創業・スタートアップ企業の成長支援

・ビジネスコンテストの主催(X-Tech Innovation等)

・各種商談会を通じた販路開拓・拡大支援

・海外ビジネス支援による取引先の成長支援

 

 

  2.地域のお客さまの課題解決

リスク

・お客さま満足度低下による当行利用者減少(=お客さまの減少による収益機会の減少)

・お客さまの業績悪化による収益機会の減少、信用リスクの増加

・取組み遅延に伴う競争力の低下

機会

・ソリューションの多様化および事業領域の拡大に伴う収益機会の増加

・高齢者・子育て世帯等の多様なニーズの囲い込みによる収益機会の増加

・金融リテラシー向上による投資意欲の醸成

主な取組

・「金融×コンサルティング」の実践を通じた多様なソリューションの提供

・七十七グループ一体となったソリューションの多様化・高度化

・取引先のサステナビリティ向上に向けた伴走支援

・ESG投融資への取組強化

・DX推進支援

・新事業・新分野への取組み

・シニアビジネスの拡充

 

 

3.ステークホルダーへの還元

リスク

・財務基盤の脆弱化に伴うマーケットからの信用低下

機会

・人的資源創出に伴うコンサルティング体制の強化

・財務基盤の強化に伴う企業価値向上(株式価値の向上、外部格付の向上)

主な取組

・事務レス促進による営業・専門人材の創出

・非対面チャネルの強化等による拠点網の適正化

・地域の金融リテラシー向上への貢献

・株主還元方針の策定

 

 

 

4.気候変動・災害への対応

リスク

・防災・減災、気候変動への対応の遅れによる信用コストの増加

・当行の営業店舗等が自然災害で被災することによるオペレーショナルリスク等の発生

機会

・防災・減災に向けた公共投資や民間設備投資の拡大に伴う投融資機会の増加

・お客さまの脱炭素社会への移行支援に関する収益機会の増加

・省資源、省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用による当行の事業コストの低下

主な取組

・地域のカーボンニュートラル推進に向けた取組み

・取引先との脱炭素にかかるエンゲージメントの強化

・お客さまのBCP策定支援

・環境に配慮した店舗づくり

・防災林再生に向けた森林保全活動

・気候変動や生物多様性への取組みの強化および情報開示の拡充

 

 

 5.信頼性の高い金融サービスの提供

リスク

・脆弱な内部管理態勢による事業継続リスク等の発生

・脆弱なITガバナンスによる競争力の低下

機会

・強固な内部管理態勢による地域からの更なる信用の獲得

・適時かつ適切な情報開示による投資家からの評価上昇

主な取組

・法令等遵守にかかる教育・啓蒙活動強化

・反社会的勢力への対応態勢の強化

・マネー・ローンダリング等防止態勢の強化

・金融犯罪への迅速な対応および未然防止に向けた対応の強化

・サイバーセキュリティ意識の向上

・ITリテラシー向上に向けたデジタル人材の育成

 

 

  6.生き生きと働ける職場環境の創出

リスク

・労働環境の悪化による人材の流出および生産性の低下

・雇用機会の逸失

・企業イメージの低下

機会

・多様な人材の獲得・定着による持続的成長

・挑戦的な企業文化に基づくイノベーションの促進

主な取組

・「地域やお客さまに役立つ人材」「企業変革に資する人材」の育成

・女性活躍推進に向けた取組強化

・健康経営への取組強化とワークライフバランスの推進

・シニア人材の活用

・障がい者雇用の促進

 

 

C.リスク管理

当行及び当行の関係会社では、サステナビリティを巡る課題への対応が重要な経営課題であるとの認識のもと、サステナビリティにかかるガバナンス体制に基づき、リスク管理へと反映しております。なお、気候変動にかかるリスク管理については、(2)気候変動に記載しております。

また、当行では環境・社会に負の影響を与える恐れのある事業等に対して「特定事業等に対する融資方針」を定めておりますほか、人権の尊重が企業活動における重要な土台であるとの認識のもと、マテリアリティに掲げる「生き生きと働ける職場環境の創出」を実現するため「七十七グループの人権方針」を策定しております。

 

 

<特定事業等に対する融資方針>

当行は、「SDGs宣言」を策定し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け取り組むことで、地域の未来を創造し、持続可能な社会の実現を目指しております。

持続可能な社会の実現に貢献するため、環境・社会課題の解決に資する事業等に積極的な支援を行っていくとともに、環境・社会に負の影響を与える恐れのある事業等に対して、以下の融資方針を定めております。

[環境課題]

1.環境保全

違法な森林伐採や生物多様性を毀損するパーム油農園開発等、環境に重大な負の影響を及ぼす恐れのある案件については、取り組みません。

2.低炭素社会への移行

石炭火力発電所の新規建設を資金使途とする融資は、原則として、取り組みません。リプレースメント案件については、環境に配慮した高効率な発電技術(超々臨界圧以上または同等の発電効率性能)を採用する場合に限り、環境への影響等を総合的に勘案し、慎重に対応を検討します。

[社会課題]

1.人権侵害の防止

人身売買、児童労働または強制労働に関与する事業者に対する融資は、資金使途を問わず、取り組みません。

2.非人道兵器の排除

クラスター弾等の非人道兵器の開発・製造に関与する事業者に対する融資は、資金使途を問わず、取り組みません。

 

<七十七グループの人権方針>

七十七グループは、創業より受け継がれる「地域の繁栄を願い、地域社会に奉仕する」という行是の理念に則り、人権の尊重は果たすべき重要な責務の一つであるとの認識のもと、お客さま、役職員をはじめ、あらゆるステークホルダーの人権を尊重します。

 

1.国際規範の尊重

七十七グループは、「世界人権宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範を尊重します。

   2.適用範囲

人権方針は、七十七グループ全役職員に適用されます。また、お客さまを含む、あらゆるステークホルダーに対しても、本方針を理解し、ご支持いただくことを期待します。

   3.人権尊重に対するコミットメント

七十七グループは、あらゆる企業活動において、人種、民族、国籍、出身、社会的身分、年齢、宗教、信条、性別、性的指向、性自認、障がいの有無、身体的特徴などを理由とした差別やハラスメント行為、人権侵害を行いません。

   4.人権啓発教育の充実

七十七グループは、人権に関するあらゆる課題の解決に向け、役職員一人ひとりが人権に関する正しい知識と理解を深めるために、幅広い人権啓発教育に取り組みます。

   5.是正・救済

七十七グループが、人権に対して負の影響を及ぼした場合、もしくは助長していることが認められた場合には、適切に対応し、是正・救済に努めます。

   6.情報開示と対話

七十七グループは、積極的な情報開示とステークホルダーとの対話を通じ、人権に関する取組みの改善・向上に努めます。

 

 

D.指標及び目標

当行では、事業年度毎に策定する「SDGs実践計画」において、サステナビリティにかかるリスクと機会を管理・評価する指標及び目標を設定しております。気候変動、人的資本にかかる指標及び目標については、(2)気候変動、(3)人的資本に記載しております。

項番

KPI項目

2024年度実績

2030年度目標

創業期の事業者に対する成長支援件数(単年度)

2,264件

4,000件

金融教育提供者数(累計)

71,420名

120,000名

SDGsに関するセミナー開催回数/参加人数(累計)

72回/4,483名

120回/10,000名

サステナブルファイナンス累計実行額

9,590億円

1.2兆円

 

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

 

<サステナブルファイナンスの推移>

お客さまとのエンゲージメントを通じて、環境・社会課題の解決に向けたソリューションを強化していきます。

 


(注) 地域活性化や持続可能な社会の実現に資する投融資の累計実行額(環境、医療、創業、事業承継等の
SDGsへの取組支援・促進にかかる投融資)

 

 

(2) 気候変動

A.ガバナンス

当行及び当行の関係会社は、「七十七グループのマテリアリティ」において、「気候変動・災害への対応」を重要課題として明記しており、取組みを強化しております。詳細は、(1)サステナビリティ全般に記載しております。

 

B.戦略

<リスク>

気候変動リスクについては、お客さまの事業への影響や当行の業務継続において想定されるリスクとして、リスクカテゴリー毎に以下のとおり「物理的リスク」と「移行リスク」を認識のうえ、リスクが顕在化した際の影響等について、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸に基づき分析を進めております。

 

区分

想定されるリスク

時間軸






お客さまの営業拠点が自然災害で被災し、事業が停滞することによる信用リスクの発生

短期~長期

自然災害に起因して不動産担保の価値が毀損することによる信用リスクの発生

短期~長期

当行の営業店舗等が自然災害で被災することによるオペレーショナル・リスクの発生

短期~長期

海面上昇によるお客さまの営業拠点浸水等に伴う事業撤退による信用リスクの発生

長期





気候変動に対応した規制や税制等が変更になり、お客さまの事業へネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

短期~長期

脱炭素関連技術の失敗や市場の変化に伴い、お客さまの事業へネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

短期~長期

気候変動への対応や情報開示が不足した場合の当行の風評リスクの発生

短期~長期

 

 

[シナリオ分析]

「物理的リスク」、「移行リスク」について、以下のとおりそれぞれのリスクが高まるシナリオを想定し、リスクが顕在化した際の影響について分析を実施しております。

 

物理的リスク

移行リスク

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)4℃シナリオ

NGFS(気候変動リスクにかかる金融当局ネットワーク)Net Zero 2050

分析対象

宮城県内の事業性与信

電力・ユーティリティセクター

分析手法

水害による浸水深に応じた担保毀損および事業停滞に伴う財務内容の悪化が与信費用に与える影響

炭素税導入による課税負担や既存設備の座礁資産化に伴う財務内容の悪化が与信費用に与える影響

分析期間

2050年まで

2050年まで

分析結果

与信費用が30億円程度増加

与信費用が100億円程度増加

 

 

[炭素関連資産]

2024年度の当行の貸出金等(貸出金、支払承諾)に占める炭素関連資産の割合は下表のとおりです。

エネルギー

運輸

素材・建築物

農業・食料・林産物

合計

4.8%

2.5%

18.7%

2.1%

28.1%

 

 

<機会>

当行では、自社のカーボンニュートラルに向けた取組みは勿論のこと、Scope1、2及び3にかかる算定結果を踏まえ、お客さまの脱炭素に向けた取組みを長期かつ持続的に支援することが重要であると認識しております。

お客さまの脱炭素への取組みにかかる支援として、関連するコンサルティング機能や脱炭素にかかる投融資等の金融仲介機能(トランジション・ファイナンス)に関する社会的な要請が高まることにより、新たなビジネス機会が発生・拡大していくものと認識しております。

気候変動対応にかかる「機会」につきましては、「リスク」と同様、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸を認識しながら対応を行ってまいります。

 

項番

想定される機会

時間軸

省エネルギー化および製造業等の燃料・原料転換に向けた、研究開発投資・設備投資等にかかる投融資機会の拡大

短期~長期

再生可能エネルギーの主力電源化に伴う発電設備への投融資機会の拡大

短期~中期

事業者等における脱炭素化に向けた戦略策定やリスクコントロールにかかるコンサルティングニーズの増加

短期

事業者等の脱炭素関連の新事業開始にかかる投融資機会の拡大

中期~長期

環境保全に配慮した運用商品による投資ニーズの拡大

短期~中期

 

 

[主な取組]

①サステナビリティ関連商品の導入

・77SDGs私募債(寄付型/カーボンオフセットコース)の導入(2024年4月)

 私募債発行手数料の一部でカーボンクレジットを購入し、公共施設や関与するイベント等で排出され

た温室効果ガスに対してオフセットを行うものです(2024年度実績:15件/14億円)。

②再生可能エネルギー関連融資の実行(2024年度実績:45件/56億円)

③各種コンサルティングに関するサービスの導入等

・77SDGs支援サービスの提供(2024年度実績:58件)

・77脱炭素ナビゲーターの提供(2024年度実績:6件)

・77SDGsコネクトサービスの取扱開始(2024年9月、2024年度実績:3件)

④今後のビジネス機会拡大に向けた取組

・取引先の脱炭素に向けたエンゲージメントの強化

  環境省の公募事業である「令和6年度移行戦略策定・エンゲージメント実践プログラム」を活用し、FE(ファイナンスド・エミッション)算定結果および貸出ポートフォリオの分析を通じて、「食品」「建設」「自動車」の3セクターをエンゲージメント優先セクターとして特定しました。また、当事業年度は、宮城県内FE上位先と優先セクター該当先を中心に、継続的なエンゲージメントを実施しております。

・脱炭素にかかるエンゲージメントツールの作成

  脱炭素への理解促進とエンゲージメントの実効性向上を図る観点から、以下のエンゲージメントツールを作成しております。今後も地域の脱炭素に向けて、取引先とのエンゲージメントを強化してまいります。

  ・脱炭素支援チラシ

  ・脱炭素取組状況ヒアリングシート

  ・脱炭素啓蒙動画

  ・優先セクターとのディスカッションペーパー

⑤取引先の運用商品の拡充

・77オープン型グリーン外貨定期預金の提供

 

C.リスク管理

当行では、気候変動に起因する「物理的リスク」や「移行リスク」が、将来的に大きな財務的影響を及ぼす可能性があることを認識しております。

気候変動に関するリスクを適切に捕捉・検証するため、「物理的リスク」「移行リスク」が具現化した場合のリスク資本耐性について、ストレステストによる検証を実施しております。ストレステストの結果については、気候変動以外の信用リスクや市場リスクにかかるストレステストの結果とあわせて、ALM・収益管理委員会に報告を行っております。

 

D.指標及び目標

<CO2排出量(Scope1、2)>

七十七グループは、2023年度より気候変動への更なる対応強化を図るため、CO2排出量の削減目標にかかるKPIを、「2030年度までのカーボンニュートラル実現を目指す」としております(対象:Scope1,2)。 

2024年度のCO2排出量は、2013年度比59.5%削減しており、省エネ設備の導入等による排出量削減に向けた取組みを実施しております。

(単位:t-CO2)

項目

2013年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1
 (灯油、A重油等
但し、ガソリンは除く)

1,894

1,483

1,185

1,138

1,150

Scope2
 (電気、地域温水)

14,901

8,848

8,079

7,295

5,653

合計 (Scope1+2)

16,795

10,331

9,264

8,433

6,803

  (2013年度比削減率)

△38.5%

△44.8%

△49.8%

△59.5%

 

(注)1 当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

   2 2023年度までのCO2排出量は、法令に基づく定期報告におけるCO2排出量から、再生可能電力利用分のCO2排出量を「0」として控除し記載しております。

   3  今後のCO2排出量の算定・開示につきましては、算定対象範囲の拡大や算定方法の変更、使用データの精緻化等に伴い、変動する可能性があります。

 

<CO2排出量(Scope3)

Scope3のうち、カテゴリ6(出張)、カテゴリ7(雇用者の通勤)、カテゴリ15(投融資)の排出量を算定しております。Scope3カテゴリ15は、PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)スタンダードに基づき算定しております。算定対象は、2024年3月末時点の当行投融資のうち、「国内法人事業性融資」、「国内株式」、「社債」としております。なお、算定対象の全投融資金額に占めるカバー率は91.3%となっております。

(単位:t-CO2)

項目

2022年度

2023年度

Scope3合計

10,013,332

8,535,613

 

カテゴリ6(出張)

524

494

 

カテゴリ7(雇用者の通勤)

1,212

1,159

 

カテゴリ15(投融資)

10,011,596

8,533,960

 

(注)1  当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

   2  今後の排出量等の算定・開示につきましては、算定対象範囲の拡大や算定方法の変更、使用データの精緻化等に伴い、変動する可能性があります。

 

[算定式]

カテゴリ6:排出量=Σ{(従業員数×排出原単位)}

カテゴリ7:排出量=(勤務形態・都市階級別)Σ { (従業員数×営業日数×排出原単位) }

カテゴリ15:投融資先のGHG排出量であるFE(ファイナンスド・エミッション)および投融資先の売上高あ

      たりのGHG排出量である炭素強度は、以下の通り算定しております。

投融資先の排出量=Σ(投融資先への投融資残高/投融資先の資金調達総額×取引先のGHG排出量)

炭素強度=Σ(取引先のGHG排出量)÷ Σ(取引先の売上高)

 

(注)1 Scope3の算定には、環境省より発行されている「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver2.5)」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver3.4)」を使用しております。

2  PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)は、 投融資先のGHG排出量を計測・開示する基準を開発する国際的な枠組みです。

 

[Scope3カテゴリ15の内訳]

 

当行投融資先全体

 

TCFD18セクター

排出量

炭素強度

データクオリティ

スコア

電力ユーティリティ

2,040,693

19.8

2.24

資本財

1,607,857

2.3

3.02

建設資材

653,992

25.7

2.78

加工食品・加工肉

481,110

5.2

3.63

化学

241,229

4.4

1.80

トラックサービス

226,051

11.2

3.74

石油及びガス

210,061

2.0

3.18

金属・鉱業

194,654

26.2

1.93

製紙・林業製品

135,406

5.4

2.14

10

不動産管理・開発

127,233

1.3

3.14

11

自動車及び部品

65,789

0.7

2.08

12

農業

55,833

7.0

3.68

13

鉄道輸送

20,697

2.1

1.95

14

海上輸送

19,087

12.2

2.62

15

旅客空輸

11,641

10.9

2.58

16

飲料

8,267

2.6

3.58

17

航空貨物

1,392

2.4

4.00

18

石炭

772

8.0

4.00

19

その他

2,432,197

2.2

2.86

合 計

8,533,960

3.8

2.84

 

(単位)排出量:t-CO2、炭素強度:t-CO2/百万円

(注)「資本財」には、主に建設業(建築・土木)や建設資材関連の商社・流通業が分類されています。

 

 

宮城県内事業者

 

TCFD18セクター

排出量

炭素強度

データクオリティ

スコア

資本財

1,146,428

3.3

3.98

電力ユーティリティ

831,036

15.6

1.52

加工食品・加工肉

387,382

5.2

3.94

トラックサービス

153,573

3.8

3.96

石油及びガス

137,949

2.2

4.00

建設資材

118,873

15.5

3.88

不動産管理・開発

70,191

1.0

4.00

化学

61,243

4.9

3.87

農業

42,018

6.8

3.62

10

金属・鉱業

37,431

9.0

2.21

11

製紙・林業製品

19,286

3.0

3.55

12

自動車及び部品

17,246

1.4

3.69

13

飲料

6,354

3.4

4.00

14

海上輸送

5,714

13.6

4.00

15

航空貨物

1,383

2.4

4.00

16

鉄道輸送

1,079

3.9

4.00

17

旅客空輸

623

12.1

4.00

18

石炭

19

その他

1,466,480

1.8

3.85

合 計

4,504,289

4.5

3.71

 

(単位)排出量:t-CO2、炭素強度:t-CO2/百万円

(注)「資本財」には、主に建設業(建築・土木)や建設資材関連の商社・流通業が分類されています。

 

 

(3) 人的資本

A.ガバナンス

当行及び当行の関係会社は、「七十七グループのマテリアリティ」において、「生き生きと働ける職場環境の創出」を重要課題として明記しており、取組みを強化しております。詳細は、(1)サステナビリティ全般に記載しております。 

 

B.戦略

当行及び当行の関係会社は、以下の「基本的な考え方」のもと、グループ全体の人的資本価値向上に取り組んでおります。

 

<七十七グループの人的資本経営にかかる基本的な考え方>

七十七グループでは、人材を価値創造の源泉である「人的資本」と位置づけ、コンサルティング等の専門性と豊かな人間力を兼ね備えた「顧客・地域に役立つ人材」および挑戦的な企業文化の確立に向けたチャレンジ精神溢れる「企業変革に資する人材」の育成、ならびに多様な人材が持てる力を最大限に発揮できる「働きやすい職場環境」および「働きがいのある職場環境」の整備に向けて、「人的資本経営の基本方針」を制定しています。また、「人的資本経営の基本方針」に基づく積極的な人的資本投資による事業基盤の強化と持続的な企業価値向上を図る観点から七十七グループにおける「人材戦略」を策定しています。

 

<七十七グループにおける人的資本経営のフレームワーク>

 


 

[主な取組み] 

①人材ポートフォリオ戦略

「人」への積極的な投資と人事運用の高度化を通じ、一人ひとりの挑戦意欲やエンゲージメントを高め、「個の力を最大化し、挑戦し続ける組織」へと成長するために、経営戦略にもとづく人材ポートフォリオの策定や、事業領域の拡大等を見据えた採用およびタレントマネジメントの実践等に取り組んでおります。

②人材育成戦略

挑戦と成長を喜び合う組織風土のもと、一人ひとりの自律的なキャリア形成・スキルアップを支援し、多様な専門性と豊かな人間力・チャレンジ精神を育み、「力を高め、成長や貢献を共感できる組織」へと成長するため、キャリアオーナーシップの定着や多様な専門人材の育成等に取り組んでおります。

 ③多様性推進戦略

多様性を認め合い尊重する意識の醸成と体制整備を通じ、多様な人材が様々なフィールドで活躍できる職場環境を実現することで、「一人ひとりが個性を発揮できる組織」へと成長するために、女性活躍推進のさらなる強化やシニア人材等の活躍促進に努めております。

 

④ウェルビーイング推進戦略

健康経営の推進や福利厚生の充実化等を通じ、従業員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できる職場 環境を実現することで、「働きやすく・働きがいのある組織」へと成長するために、健康保持・増進への積極的支援や働きやすい職場環境の実現等に取り組んでおります。

 

 C.リスク管理

 詳細は、(1)サステナビリティ全般に記載しております。 

 

D.指標及び目標

七十七グループにおける「人材戦略」は4つの戦略領域で構成し、戦略毎にKPIを設定のうえ進捗状況を管理しています。

 

<①人材ポートフォリオ戦略>

指標

2024年度実績

目標

渉外人員比率

49.0%

2025年度:51.0%

エンゲージメントスコア(挑戦指数)

3.6点

2025年度:3.6点以上

ジョブトライアル参加者数

194名

2025年度:250名以上

ジョブエントリー応募者数

7名

2025年度:21名以上

本業にかかる労働生産性

16百万円

2025年度:18百万円

コンサルティング収益

84億円

2025年度:90億円

キャリア採用者比率

16.0%

2025年度:23.0%

キャリア採用者管理職登用比率

24.2%

2025年度:28.0%

 

(注)1 当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

2 エンゲージメントスコア(挑戦指数)は、当行従業員を対象に実施した「エンゲージメント・サーベイ」における調査結果を実績としております(5点満点)。

3 ジョブトライアルとは、行員が希望する本部・グループ会社・営業店の業務を自らが選択し最大5日間体験することができる制度です。

4 ジョブエントリーとは、事務行員が希望する業務等に直接応募し、書類審査や面接等の選考を経て、その業務を行う部署へ人事異動ができる制度です。

 

<②人材育成戦略>

指標

2024年度実績

目標

平均スキルレベル(法人)

2.7

2025年度:3.0

平均スキルレベル(個人)

2.0

2025年度:2.2

上位資格保有者数

274名

2025年度:330名

デジタル人材の人数

1,612名

2025年度:1,700名

(うち、専門人材)

9名

2025年度:10名

(うち、コア人材)

109名

2025年度:115名

(うち、ベース人材)

1,494名

2025年度:1,575名

リスキリング研修受講者数

141名

2025年度:150名

1人あたり研修費用

96千円

2025年度:146千円

1人あたり研修受講回数

6.0回

2025年度:7.0回

 

(注)1 当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

2 スキルレベルは2023年度より導入した行内基準に基づくスキル評価の値です(最大5.0)。

3 上位資格はFP1級、CFP、中小企業診断士としております。

4 デジタル人材の定義は以下のとおりとしております。

専門人材 :当行におけるデジタル人材のスキル領域を整理した「77DXスキル標準」に定める領

      域において、専門的な知識や技術を保有している人材。

コア人材 :ビジネススキルとデジタルスキルを併せ持ち、当行のDXを推進できる人材。

ベース人材:デジタル分野に関する能動的な学びによって自身を常にアップデートし続け、行内外の

      DX推進の土台となる人材。

5 より難易度の高い職務へのキャリアアップ等を支援するための行内集合研修を、リスキリング研修と

  総称しています。

 

 

<③多様性推進戦略>

指標

2024年度実績

目標

女性管理職比率

19.4%

2025年度:21.0%

法人渉外・融資プロパー・本部企画
業務における女性行員の比率

24.1%

2025年度:25.0%

男性育児休業取得率

92.3%

2025年度:100.0%

男性育児休業平均取得日数

6.0日

2025年度:7.0日

障がい者雇用率

2.8%

2025年度:2.7%以上

定着率(入行3年退職者割合)

90.2%

2025年度:90.0%以上

 

(注)1 当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。なお、出生日から事業年度を跨いで育児休業を取得した対象者が含まれているため、取得率は100%を下回っておりますが、全対象者が育児休業を取得しております。

3 障がい者雇用率は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(1960年法律第123号)の規定に基づき、当行と七十七ビジネスウィズ株式会社の2社合算で算出しています。

 

<④ウェルビーイング推進戦略>

指標

2024年度実績

目標

アブセンティーズム
(一定期間超の疾病休業者率)

2.7%

2025年度:1.8%以下

プレゼンティーズム
(心身に不調のない従業員割合)

94.4%

2025年度:95.0%以上

年次有給休暇取得率

75.6%

2025年度:75.0%以上

月間平均時間外勤務時間数

15.1時間

2025年度:10時間未満

企業型確定拠出年金(DC)加入率

60.2%

2025年度:65.0%以上

エンゲージメントスコア
(働く環境指数)

3.4点

2025年度:3.6点以上

七十七銀行持株会加入率

98.7%

2025年度:98.5%以上

 

(注)1 当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を実績としております。

  2 エンゲージメントスコア(働く環境指数)は、当行従業員を対象に実施した「エンゲージメント・

   サーベイ」における調査結果を実績としております(5点満点)。