リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
<知名度及び信用度リスク>
当社が従事する投資業務においては、投資検討先ならびに金融業界全般における知名度や社会的信用が重要です。当社役職員及び関係者による法令や社会規範に反する行為が発生した場合、顧客保護・市場の健全性・公正な競争・公共の利益及び当社のステークホルダーに悪影響を及ぼす恐れがあります。当社は、経営上の重大な知名度及び信用度リスクを特定・評価し、コントロール策によるかかるリスクの低減・制御を図っています。また、企業風土を重んじる人事評価制度を通じ、上場する投資会社に求められる行動規範及び健全なリスクカルチャーの浸透・醸成に努めています。しかしながら、これらの取組みにも関わらず、役職員等の不適切な行為が原因で、市場及び公共の利益等に悪影響を与えた場合、取引先及び金融業界等からの信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<人材確保、育成>
当社の成長力の源泉は、主として投資先企業の成長を支えるとともに各種収益機会を獲得する投資担当者に大きく依存いたします。一方管理部門においても、合理化を進める中で少人数の運営体制を築いており、個別人材への依存度が高い状態にあります。従いまして過度な離職を防止し、能力ある人材を確保できないと、当社の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、業務運営に支障をきたす恐れがあります。
<ファンド残高の減少>
ファンドの運用成績が芳しくない場合、又は出資者対応が適切に行えなかった場合には、当社が運営するファンドに対する社会的信用及び投資家からの信頼の低下を招き、新規ファンドの設立及び募集が困難になる恐れがあります。また、顧客ニーズを適時適切にとらえた商品設計ができない場合も同様に、新規ファンドの設立及び募集が困難になる恐れがあります。その結果、当社がファンドから受領する管理報酬金額の減少や十分な投資実行が行われないことによる将来の収益の減少により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<M&Aに対するリスクについて>
当社グループは事業拡大及び安定収益の確保を目的として、積極的に地域企業等のM&Aの検討を進めております。M&Aにおいては、対象企業の財務内容や主要事業に関するデューデリジェンスを実施することにより、事前にリスクを把握するように努めておりますが、事業環境の急激な変化や、予期せぬ簿外債務や偶発債務が発生した場合、取引時に想定したシナジー効果が達成されなかった場合並びに対象企業の事業が計画通りに進展せずのれんの減損処理が生じる場合等、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
<法的規制>
当社はファンドの管理運営、プライベート・エクイティ投資を行っており、その活動にあたっては、種々の法的規制(会社法、金融商品取引法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律等)を受けることとなります。従いまして、その活動が制限される場合及びこれらの規制との関係で費用が増加する場合があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<投資能力の劣化>
投資機会の減少により投資担当者の能力が低下し、又は担当者の離職により投資先との信頼関係が劣化すること等により、ファンドの運用パフォーマンスが悪化すると、ファンドの損益を取り込むことにより当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、運用パフォーマンスの悪化は新規ファンドの設立及び募集を困難にする恐れがあり、そうなると当社がファンドから受領する管理報酬金額の減少や十分な投資実行が行われないことによる将来の収益の減少により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<コンプライアンス>
「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、コンプライアンス体制構築には万全を期した上で業務の合理化を進めてはいるものの、少人数での運営体制になることで牽制機能が弱まり、何らかの不祥事等が生じた場合、その内容によっては当社の信頼が損なわれ、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<投資資金の回収>
当社のファンド運営成績には、ファンドの運営期間中に投資資金を早期に、かつ、どれだけ投資金額を上回って回収できるかということが直接的な影響要因となります。当社の主な投資対象は、株式上場を目指す成長性の高い未上場企業でありますが、投資先企業が株式上場に至ることなく経営破綻する場合、又は株式上場時期が延期となる場合、さらには、株式上場後に株式売却金額が想定額を大幅に下回る場合等が考えられます。それに伴い、営業投資有価証券の売却損失や投資資金の回収期間の長期化が発生し、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<ベンチャーキャピタル業務への偏り>
当社は、現在収益源をベンチャーキャピタル事業に依存しており、経営資源を投資事業組合(以下、「ファンド」という。)の管理・運営、投資先企業の選定及び育成支援に集中しております。地域企業等のM&Aによる収益の多角化を目指しておりますが、当該M&A実行前においては、当社の業績は日本の経済情勢の変化や株式市場の影響を強く受けることとなり、経済環境の変化に適切に対応できない場合、当社の業績及び財政状態が悪化する可能性があります。
<株式市場の下落と新規上場市場の低迷>
当社が株式上場した投資先企業の株式売却によって得られる収益は、株式市場の動向等に大きく影響を受けます。株式市場が下落した場合や新規上場市場が低迷した場合には、保有する上場株式に評価損が発生し、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新規上場銘柄は場合により、ロックアップ契約等によって上場後一定期間売却が制限されることがあります。その間の価格変動リスクは不可避であり、株価が下落した場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<株式の希薄化>
当社は、資金調達又は連携先との関係強化を目的として、今後新株式及び新株予約権等を発行する可能性があることから、これらの発行及び行使により、当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
<投資損失引当金の計上及び減損処理の実施>
当社の投資先企業の多くは、新しいビジネスを営んでいる未上場企業であります。このため、当初想定していたとおりの成長が出来ない場合には、その投資先企業に著しい業績悪化、資金繰り悪化又は破綻の可能性が生じます。その場合、当該投資先企業の有価証券について、投資損失引当金の繰入又は減損損失を計上することになり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<資金の調達>
当社の投資の原資は手元資金により賄われておりますが、今後の既存事業拡大や新規事業構築に伴い、金融機関からの借入や資本市場により資金調達する場合があります。その際、金融市場その他の要因の変動が借入条件に影響を与える場合には、当社の財政状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。
<システムリスク>
当社は、会計システムや情報管理システム等により、経理情報や投資先企業の情報等を管理しております。このため、コンピュータウィルス感染やサーバ等への不正アクセス等の防止及びデータ保全のためのバックアップなどの対策を実施しております。しかし、コンピュータウィルス感染や天変地異等により、システムダウンや誤作動等が発生するリスクがあります。また、不正アクセスなどにより、データの改ざんや投資先企業の情報が流出する等の可能性があります。これらの事態が発生した場合、業務遂行に支障をきたす可能性があり、損害賠償や社会的信用の低下等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<情報管理>
当社が保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理について、情報セキュリティ管理規程はじめ各種規程を制定するとともに役職員への周知徹底を行っておりますが、今後、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<為替レートの変動>
連結財務諸表の作成時、当社グループの海外における外貨建ての資産・負債を円換算いたしますが、換算時の為替レートによりましては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社では、主たる事業であるベンチャーキャピタル事業という事業特性上、投資状況によりキャピタルゲインが大きく見込まれ、想定以上に当社の手元資金が潤沢となる場合においては、企業成長とのバランスを考慮しながら、配当や自社株買いによる株主還元の実施を行うことを基本方針としております。
なお、会社法第454条第5項の規定に基づき、中間配当も行うことができる旨定款に定めております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。