2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,433名(単体) 11,567名(連結)
  • 平均年齢
    38.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.9年(単体)
  • 平均年収
    16,599,254円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    15.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」におけるサステナビリティ課題の一つである「人財」に紐づく基本方針として「All on Board, Success through Growth」をスローガンにHuman Capital (HC)ビジョンを策定しました。その3つの基本原則である「多様性」「共走・共創」「働き甲斐」に沿って、多様な人財が強みや専門性を最大限に活かし、組織の垣根を越えた協働を促すとともに、働き甲斐を継続的に高めていくための環境・仕組みづくりを促進しています。今後は経営戦略とより一層連動した人財ポートフォリオの最適化に注力することで、「人と組織の力の最大化」を実現し、全てのステークホルダーへの価値創出を目指します。

 

 また当社は、前述のHCビジョンに基づき人事制度の設計・運用を行っています。従来の年功的な等級・号俸制度を見直し、担う業務・ポストの重さに基づく「ジョブ・グレード」と能力・発揮行動に基づく「コンピテンシー・グレード」を合算して基本給としています。報酬水準については、外部労働市場の動向等も考慮し、人財の確保及び維持の観点から競争力の確保に努めています。

また、賞与については、BA2035で掲げるROE目標を目安としたフォーミュラを用いることで、経営目標及び市場評価の視点を取り入れるとともに、業績数値と臨手支給率を連動させることで、透明性の高い制度設計としています。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク事業

328

(48)

エネルギー事業

1,230

(96)

製品輸送事業

5,341

(1,425)

 

うち、コンテナ船事業

57

(4)

ウェルビーイングライフ事業

2,648

(1,264)

 

うち、不動産事業

1,255

(1,065)

関連事業

483

(157)

その他

989

(140)

全社(共通)

548

(204)

合計

11,567

(3,334)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人数を外数で記載しています。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

②提出会社の状況

2026年3月31日現在

区分

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(円)

平均年間給与の

対前事業年度

増減率(%)

陸上従業員

1,046

(378)

39.5

13.5

16,541,845

15.7

海上従業員

387

(14)

34.6

10.7

16,784,572

14.9

合計

1,433

(392)

38.4

12.9

16,599,254

15.5

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク事業

108

(11)

エネルギー事業

585

(79)

製品輸送事業

184

(32)

 

うち、コンテナ船事業

56

(4)

ウェルビーイングライフ事業

25

(17)

 

うち、不動産事業

0

(0)

関連事業

0

(0)

その他

0

(0)

全社(共通)

531

(253)

合計

1,433

(392)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人数を外数で記載しています。

2.陸上及び海上従業員の平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、当社から社外への出向者を含み、社外から当社への出向者を除きます。

3.陸上及び海上従業員の平均年間給与は、賞与及び時間外手当等を含んでいます。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

③労働組合の状況

 陸上従業員及び海上従業員それぞれに労働組合があります。

 現在、労使間に特別の紛争等はありません。

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の

 差異

(a) 提出会社

 当社では、計画的な採用・育成・登用を通じて、職種を問わない女性比率及び女性管理職比率の向上を図るとともに男女賃金格差の縮小に取り組んでいます。2025年度には多様な人財一人ひとりが能力を最大限に発揮し、継続的に成長できる環境の実現を目指し、人事制度改定を行いました。当社は、HCビジョンが掲げる3つの原則、「多様性」「共創・共走」「働き甲斐」の実現に向けた取り組みをグループ全体で推進してまいります。

 

(ア)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

2026年3月31日現在

項目

当事業年度実績

備考

正規雇用労働者

10.4%

・経営計画に連動したHCビジョンにおけるKPIの一つとして、2030年度の女性管理職比率(陸上職)の目標値20%を掲げて、進捗管理をしています。加えて、海上従業員に関する女性比率も新たに目標として掲げました。

うち陸上従業員

15.9%

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

   2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

 

 

(イ) 男性労働者の育児休業取得率

2026年3月31日現在

項目

当事業年度実績

備考

全労働者

69.8%

・次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画 にて、2027年度末の男性育児休業取得率100%を目標に掲げ、取り組みを推進しています。

・希望する全ての従業員とそのパートナーを対象に出産育児と仕事の両立に関するセミナーを実施しています。従業員の多様なキャリア選択を支援する為に社内版ロールモデルブックを発行し、育児休職長期取得者の事例を取り上げ、性別を問わず希望どおりに育児休職を取得できるよう、職場の意識醸成を継続しています。

うち正規雇用労働者

71.3%

うち有期雇用労働者

0.0%

(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づいて算出した育児休業等の取得割合であり、算定対象は国内に勤務する労働者としています。

   2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

 

(ウ) 労働者の男女の賃金の額の差異

2026年3月31日現在

項目

当事業年度実績

備考

全労働者

68.7%

・男女間賃金差異が生じる主な要因として、管理職に占める女性比率などにより、相対的に賃金の高い役職における男女比率が異なることが挙げられます。当社では職務内容と個人の能力・行動に基づいた人事運用を行っており、男女において同一の報酬制度・評価制度を適用しています。正規雇用労働者の管理職・非管理職ごとの男女間賃金格差については、以下の表をご参照ください。

・キャリアパスの複線化、評価・処遇制度の見直しなどを行い、男女賃金差異縮小に取り組むとともに、多様な人財一人ひとりが継続的に成長できる環境づくりを推進していきます。

うち正規雇用労働者

73.8%

うち有期雇用労働者

50.6%

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

   2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

   3.男女の賃金の差異は、男性の賃金平均に対する女性の賃金平均の割合を示しています。

 

 なお、正規雇用労働者の男女間賃金格差について、管理職・非管理職ごとの状況は以下に示しています。管理職及び非管理職における女性比率の構成差を主因に、正規雇用労働者における賃金格差が生じています。

 

・正規雇用労働者

 

男女間賃金差異

女性比率

管理職

86.3%

10.4%

非管理職

87.9%

29.9%

正規雇用労働者

73.8%

22.0%

 

・うち、陸上従業員

 

男女間賃金差異

女性比率

管理職

87.5%

15.9%

非管理職

88.0%

39.6%

正規雇用労働者

75.0%

30.5%

 

(人事制度改定についての補足説明)

 2025年度には多様な人財一人ひとりが能力を最大限に発揮し、継続的に成長できる環境の実現を目指し、人事制度改定を行いました。新人事制度においては、従来の年功的・画一的な運用を見直し、職務内容と個人の能力・行動に基づく評価・処遇を軸とする制度へと転換しました。これにより性別や年齢、キャリアの中断有無に左右されにくい公正・公平な人事運用の実現を目指しています。また、制度上でキャリアパスの複線化を明確に示すことで、女性をはじめとする多様な人財が適所適材で力を発揮しやすい設計としています。

 

(b) 連結子会社

2026年3月31日現在

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)1.(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異

(%)

(注)1.(注)2.

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

興産管理サービス・西日本㈱

23.3

62.2

79.6

70.2

興産管理サービス㈱

100.0

100.0

59.3

90.1

60.8

㈱商船三井さんふらわあ

0.8

82.4

82.4

78.8

82.7

54.6

㈱宇徳

11.4

72.7

72.7

77.1

76.4

44.1

商船三井興産㈱

16.0

64.6

84.7

60.9

商船三井ロジスティクス㈱

21.9

33.3

33.3

98.4

100.0

77.8

商船三井クルーズ㈱

26.1

66.7

66.7

77.8

79.4

72.4

 

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

エムオーツーリスト㈱

45.0

グリーンシッピング㈱

4.8

㈱さんふらわあマリン&エージェンシー

11.8

商船三井テクノトレード㈱

18.2

ダイビル・ファシリティ・マネジメント㈱

㈱丹新ビルサービス

16.7

宇徳港運㈱

20.0

商船港運㈱

3.4

商船三井システムズ㈱

23.8

日本栄船㈱

1.9

ダイビル㈱

15.2

宇徳トランスネット㈱

商船三井ドライバルク㈱

5.4

宇徳流通サービス㈱

5.6

商船三井マリテックス㈱

5.7

 

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティ経営は、長期的な戦略に基づき、社会と共に当社グループの持続的な成長を目指すものです。2035年のありたい姿であるグループビジョンでは、グローバルな社会インフラ企業への飛躍を謳っており、その実現に向けたグループ経営計画「BLUE ACTION 2035」に取り組んでいます。

2026年度より開始した「BLUE ACTION 2035」のPhase 2では、経済価値と社会価値を共に創出していくことを目指し、事業にかかる3つの主要戦略に加え、それらを支える経営基盤としてサステナビリティ課題(マテリアリティ)である「環境」「安全」「人財」「DX」と企業の恒久的なテーマである「ガバナンス」に注力します。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものです。

 

(1)ガバナンス(サステナビリティ推進体制)

 当社グループは、サステナビリティ経営をグループ全体で推進すべく、当社代表取締役社長(CEO)を最高責任者としたマネジメント体制を構築しています。サステナビリティ経営における重要分野に関しては、主に経営会議の下部機構である各委員会(サステナビリティ委員会、BLUE ACTION委員会、投資戦略委員会、安全・品質推進委員会、HCアクション委員会、コンプライアンス委員会)にて審議しています。また、当社取締役会はサステナビリティに関するリスク・機会の監督責任を負い、特に重要な事項に関しては取締役会での決議を経て決定します。リスク・機会への対応状況は、サステナビリティ委員会及び経営会議にて定期的にモニタリングが行われ、取締役会に報告が実施されています。

2024年度からはサステナビリティ経営の方針・戦略の見直しについて取締役会の関与を強化するべく、一般的な決議・報告事項とは別に「サステナビリティ討議」を実施しています。

 

 

 

(2)リスク管理

 リスク管理については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

(3)戦略

 当社グループでは、グループビジョンの実現を通じて、社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題を「サステナビリティ課題」(マテリアリティ)として特定しています。経営計画「BLUE ACTION 2035」Phase 2においては、サステナビリティ課題を「環境」「安全」「人財」「DX」に見直し、4つのサステナビリティ課題と「ガバナンス」を「経営基盤」として位置付けています。

 見直しにあたっては、ダブルマテリアリティの考え方を採用し、各課題のインパクト、リスク、機会の重要性の評価に加えて、ステークホルダー及び当社グループにとっての重要性の観点からも評価を行いました。それにより、従来のサステナビリティ課題よりも経済価値・社会価値の双方の創出への貢献度がより高い課題へと整理されています。(なお、以降の各課題に関する説明では、インパクトは省略し、認識した重要なリスク・機会を開示しています。インパクトも含む内容は当社ウェブサイト(https://www.mol.co.jp/sustainability/management/#ancMateriality)をご参照ください。

 各課題にかかる目標・KPI・アクションは、4つのテーマ別ビジョン(環境ビジョン、安全ビジョン、Human Capitalビジョン、DXビジョン)にて設定・管理し、進捗状況は定期的に開示します。

 

サステナビリティ課題(マテリアリティ)

 

①環境(サステナビリティ課題)

重点テーマを「気候変動」「海洋環境」とし、各テーマに紐づく当社グループにとって重要なリスク・機会は以下のとおり認識しています。

重点テーマ

分類

(リスク/機会)

リスク/機会の内容

時間軸*1

関連する事業*2

気候変動

 

 

 

 

 

リスク

環境規制対応のための設備投資による支出の増加

短・中期

海運

リスク

環境規制違反による罰則、課税、レピュテーション棄損による支出の増加

短・中期

海運

リスク

脱炭素化の進展に伴う化石燃料等のGHG多排出資源の需要減少による収益の悪化

短~長期

海運

機会

低・脱炭素技術の導入による競争力強化及び、それによる収益の増加

短・中期

海運、エネルギーインフラ

機会

クリーンエネルギーの普及等の低・脱炭素技術や燃料の需要を先読みした事業展開による収益の増加

中・長期

海運、エネルギーインフラ

機会

省エネ機器の導入や運航最適化等の燃費効率の改善による支出の減少

短・中期

海運

海洋環境

リスク

油濁事故等を起因とした環境規制違反の罰則、レピュテーション棄損による支出の増加

短期

海運、エネルギーインフラ

*1 2025年を起点として短期を1年以内、中期を5年以内、長期を5年超として分析しています(以下同)。

*2 当社グループの事業を「海運」「エネルギーインフラ」「港湾・ロジ」「クルーズ・フェリー」「不動産」「関連事業・その他」 に分類して分析しています(以下同)。

 

<リスク・機会への対応戦略>

 環境ビジョンで定めるアクションにて上記リスク、機会に対応します。

環境ビジョンでは、「2050年ネットゼロ・エミッションの達成」を目標とし、自社からのGHG排出量の削減に向けては、アクション1「代替燃料の導入」とアクション2「燃費効率の改善」に取り組みます。アクション1「代替燃料の導入」は、既に実用可能かつ経済合理性のあるLNGやバイオディーゼル等の低炭素燃料の導入を進め、船種・航路に合わせた最適な燃料選択を行うことで、足元から着実に排出量を削減していきます。中長期的には、アンモニアを脱炭素燃料の主力と位置付け、アンモニア燃料船の導入や調達体制等の整備を進め、将来の需要拡大期に即応できる基盤固めを進めています。アクション2「燃費効率の改善」では、DarWINプロジェクト*1によるエネルギー消費を最小限に抑える効率運航の徹底と、ウインドチャレンジャー*2等の風力活用の両輪で推進します。

加えて、機会の獲得に向けて、アクション3「低・脱炭素事業の拡大」にも取り組みます。海上輸送で培った強みを活かし、低・脱炭素エネルギーの輸送や洋上風力関連事業、CO2バリューチェーンの構築等の事業を拡大し、脱炭素社会の実現への貢献と当社グループの成長を目指します。

海洋環境に関するリスクについては、気候変動の緩和を通じて海洋環境や生物多様性の保全にも寄与するとの認識の下、気候変動対策を強力に推進します。また、マングローブの再生・保全プロジェクトや藻場再生を通じたブルーカーボンの活用拡大等、海洋環境への副次的メリットが期待できる活動にも取り組みます。

 

*1 船舶の推進やエネルギー消費を改善して効率オペレーション実現をめざすプロジェクト。

*2 当社が開発した硬翼帆式の風力補助推進システム。風力を船の推進力に活用し、GHG排出量の大幅な削減が可能。

 

アクションの詳細

 

ネットゼロ・エミッションへのPathway

 

②安全(サステナビリティ課題)

重点テーマを「人命」「海洋環境」「安定操業」とし、各テーマに紐づく当社グループにとって重要なリスク・機会は以下のとおり認識しています。

 

重点テーマ

分類

(リスク/機会)

リスク/機会の内容

時間軸

関連する事業

人命

 

リスク

従業員及びビジネスパートナーの生命・健康被害による罰則、訴訟、レピュテーション棄損による支出の増加

短期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー

リスク

安全な労働環境の整備不足を理由とした人財の流出、医療費の支払等による支出の増加

短期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー

海洋環境

リスク

油濁事故等を起因とした環境規制違反の罰則、レピュテーション棄損による支出の増加

短期

海運、エネルギーインフラ

安定操業

 

リスク

重大事故の発生による罰金、訴訟、レピュテーション棄損による支出の増加

短期

海運、クルーズ・フェリー

機会

継続的な安全・品質の維持・向上と、低・脱炭素技術等の新技術導入にかかる安全性の担保による競争力強化及び、それによる収益の増加

短~長期

海運

 

<リスク・機会への対応戦略>

 安全ビジョンで定めるアクションにて上記リスク・機会に対応します。

 安全ビジョンでは、「労災死亡事故ゼロ」「重大事故ゼロ」を目指し、事故による経済的損失とステークホルダーからの信頼低下を防止します。また、今後のグループの成長に向けて、低・脱炭素技術等をはじめとした新技術の導入も進めていく必要があります。それらの新技術の導入を可能とするための安全面の課題を解消していくことも重要なテーマです。

 具体的なアクションは、「安全を支える人財活躍の促進」「テクノロジーを軸とした安全インフラの整備」「リスク・危機の先制的な管理」という3つの安全施策と、安全施策を推進するための共通的な取り組みとして「相互啓発を通じた安全意識改革」「あるべき組織体制・業務プロセスの追求」という2つの安全基盤で構成されます。今後は、当社グループの事業ポートフォリオの変化や新技術の進展等の内部・外部環境変化を踏まえたアクションの継続的改善を続けると共に、特に「新たな事業や挑戦に対する安全性検証」、「リスク低減のための新技術活用」等の施策に重点的に取り組みます。

 

アクションの詳細

 

③人財(サステナビリティ課題)

重点テーマを「多様性」「共走・共創」「働き甲斐」とし、各テーマに紐づく当社グループにとって重要なリスク・機会は以下のとおり認識しています。

重点テーマ

分類

(リスク/機会)

リスク/機会の内容

時間軸

関連する事業

多様性

機会

多様な人財確保による生産性の向上と多様な視点を活用した事業機会の拡大と環境変化への対応、それによる収益の増加

短~長期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー、不動産、関連事業・その他

共走・共創

機会

組織の垣根を超えた協働によりシナジーを発揮し、イノベーションの創出と事業機会の拡大、それによる収益の増加

短・中期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー、不動産、関連事業・その他

働き甲斐

機会

働き甲斐の向上による生産性の向上及び人財の定着、それによる支出の減少と収益の増加

短・中期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー、不動産、関連事業・その他

 

<リスク・機会への対応戦略>

 Human Capitalビジョン(以下「HCビジョン」)で定めるアクションにて上記機会に対応します。

 HCビジョンでは、多様な人財が持つ強みや専門性を最大限に活かし、組織の垣根を超えた協働を促すとともに、働き甲斐を継続的に高めていくことで、事業戦略に連動した「人と組織の力」を最大化させることを企図しています。

 具体的なアクションとしては、「継続的なタレント開発」「人財データ活用の深度化」「海技者の活躍機会の拡大」「組織の垣根を超えた人財交流の促進」「グループ全体での人事機能の強化」「エンゲージメントの向上」の6つを設定しています。「継続的なタレント開発」では、グループの成長を牽引する重要なポジション「MGKP(MOL Group Key Positions)」において中長期的な後継者計画を策定し、グループ横断で候補人財の確保・育成を進めることで、多様な人財の活躍を推進します。また、エンゲージメントの向上に向けては、各組織における主体的な改善アクションを促進、グループ横断での支援を強化することで、一人ひとりが新しい価値創造に挑戦する組織風土を醸成していきます。

 

アクションの詳細

 

④DX(サステナビリティ課題)

重点テーマを「IT・デジタル基盤」「生産性・安全性」「事業変革」とし、各テーマに紐づく当社グループにとって重要なリスク・機会は以下のとおり認識しています。

重点テーマ

分類

(リスク/機会)

リスク/機会の内容

時間軸

関連する事業

IT・デジタル基盤

生産性・安全性

事業変革

機会

先端的なテクノロジーの導入による効率運航の深度化と、それによる気候変動の緩和

短~長期

海運

機会

テクノロジーの進化に応じた業務効率改善・安全性向上、高度かつ迅速な経営判断の実現と、それによる収益の増加

短~長期

海運、エネルギーインフラ、港湾・ロジ、クルーズ・フェリー、不動産、関連事業・その他

 

 

<リスク・機会への対応戦略>

DXビジョンで定めるアクションにて上記機会に対応します。

DXビジョンでは、先端的なAIとデータ活用を核に、これまで構築してきたIT・デジタル基盤を更に発展させ、社会課題の解決と当社グループの持続的成長の両立を実現するイノベーションの創出を目指しています。引き続き生産性・安全性の向上を進めつつ、効率化によって創出した時間を価値創造業務へと転換し、AI-nativeな事業変革を促していくことで稼ぐ力の強化を図ります。

 具体的なアクションは、「AIドリブン変革」「海上デジタル」「グローバル共創インフラ」の3つとしています。特に、「AIドリブン変革」では、AIとデータを活用することで、迅速で確度の高い経営判断の実現や、業務・人財活用の再設計を進めます。

 

アクションの全体像

 

⑤ガバナンス

業容拡大を踏まえた当社グループ全体のガバナンス高度化を通じて、事業の持続的成長基盤を強化します。取締役会においては、戦略検討・監督機能強化のため、外部・独立機関による第三者評価を定期的に実施し、特定された課題への改善を通じて実効性向上に取り組んでいます。また、成長を牽引する執行体制強化のため、海外組織への権限委譲やシンガポール準本社の機能拡充といった海外における自律的経営の推進や、データドリブンな意思決定による経営管理の高度化、各チーフ・オフィサーによる横断的な統制を通じたグループガバナンス体制及びリスクマネジメントの強化を図っています。なお、当社のガバナンス推進体制詳細は、前述の(1)及び「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

①環境(サステナビリティ課題)

<中長期目標>

指標・目標

達成年度

ネットゼロ・エミッション*1

2050

GHG排出原単位45%削減(2019年比)*2

2035

ネットゼロ・エミッション外航船運航開始

2020年代中

*1 Scope 1, 2,3全てが対象。2050年時点において、残存排出量を10%以下とし、ネガティブエミッションとの中立化によりネットゼロ達成を目指します。

*2 Scope 1に加えScope 3の一部(外航自社運航船)が対象です。

 

<マイルストーン>

指標

2030年度目標

2035年度目標

代替燃料使用割合

20%

45%

 -代替燃料船機関船隻数

210隻

300隻

燃費効率改善率(2019年比)

14%

22%

-DarWINプロジェクトによるGHG排出削減量(2030年までの累積)

270万t-CO2e

-ウインドチャレンジャー搭載隻数

25隻

80隻

GHG排出量(2019年比、Scope1,2及び一部Scope3*1)

▲10%

▲40%

Scope2 電力再エネ割合

100%

*1 カテゴリー3(Scope 1, 2に含まれない燃料及びエネルギー活動)のうち、当社グループが運航する外航船で使用する船舶燃料の製造段階排出量を指します。

*2 なお、2025年度のGHG排出量実績の内訳は以下のとおりです。

GHG排出量

2025年度実績

Scope 1

10,148,350t-CO2e

Scope 2

14,456t-CO2e

Scope 3

14,823,542t-CO2e

 

②安全(サステナビリティ課題)

指標

2030年度目標

2035年度目標

労災死亡事故

ゼロ

ゼロ

重大事故*1

ゼロ

ゼロ

LTIF : Lost Time Injury Frequency*2

運航停止発生率(件/年/隻)*2

*1 4ZEROs(重大海難事故・油濁による海洋汚染・労災死亡事故・重大貨物事故のゼロ)を含みます。

*2 モニタリング結果に応じてアクションの有効性と進捗を評価・改善していきます。

 

③人財(サステナビリティ課題)

指標

2030年度目標

2035年度目標

MGKPの構成比率 -女性

15%

20%

MGKPの構成比率 -グループ人財

35%

40%

MGKP候補者準備率

100%

150%

エンゲージメントのスコアが向上した組織の割合*1

80%

80%

陸上職 女性管理職比率(単体)

20%

30%

海上職 女性比率(単体)

8%

-*3

船員 女性職員比率*2

4%

-*3

公募による異動件数

50件(年間)

-*3

上記のうち、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について

の指標は、「MGKPの構成比率(女性、グループ人財)」「エンゲージメントのスコアが向上した組織の割合」と整理しています。各2025年度の実績は、MGKPの構成比率(女性)が8.5%、MGKPの構成比率(グループ人財)が30.1%、エンゲージメントのスコアが向上した組織の割合が50.4%です。

*1 2025年度実績についてはサーベイ開始年度比向上した組織の割合、2030・35年度目標についてはスコアが良好(70以上)もしくは前年比向上した組織の割合。

*2 船長、機関長、一等~三等航海士・機関士。

*3 経営計画「BLUE ACTION 2035」Phase 2終了までに目標を設定予定。

 

④DX(サステナビリティ課題)

指標

2030年度目標

2035年度目標

価値創造業務のための時間創出率*1

20%

30%

グループ内データ・AI関連研修受講率

90%以上

90%以上

*1 KPIを設定した2022年を基準年としたときの業務時間削減率。