2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,329名(単体) 10,500名(連結)
  • 平均年齢
    38.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.4年(単体)
  • 平均年収
    14,367,707円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク事業

288

(58)

エネルギー事業

1,061

(95)

製品輸送事業

4,677

(1,187)

 

うち、コンテナ船事業

54

(5)

ウェルビーイングライフ事業

2,541

(1,206)

 

うち、不動産事業

1,217

(1,023)

関連事業

474

(154)

その他

945

(178)

全社(共通)

514

(193)

合計

10,500

(3,071)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2)提出会社の状況

2025年3月31日現在

区分

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

陸上従業員

976

(362)

39.5

13.9

14,293,649

海上従業員

353

(14)

34.5

11.5

14,614,023

合計

1,329

(376)

38.5

13.4

14,367,707

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク事業

106

(18)

エネルギー事業

520

(75)

製品輸送事業

178

(34)

 

うち、コンテナ船事業

53

(5)

ウェルビーイングライフ事業

25

(18)

 

うち、不動産事業

0

(0)

関連事業

0

(0)

その他

0

(0)

全社(共通)

500

(231)

合計

1,329

(376)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。

2.陸上及び海上従業員の平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、当社から社外への出向者を含み、社外から当社への出向者を除きます。

3.陸上及び海上従業員の平均年間給与は、賞与及び時間外手当等を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

 陸上従業員及び海上従業員それぞれに労働組合があります。

 現在、労使間に特別の紛争等はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

2025年3月31日現在

当事業年度

管理職に占める女性労働者の

割合(%)

(注)1.(注)2.(注)3.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1.(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.(注)2.(注)4.

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

7.8

68.2

68.2

63.1

68.8

44.2

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので あります。

2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

3.うち、陸上従業員 女性管理職比率12.2%

4.男女の賃金の差異は、男性の賃金平均に対する女性の賃金平均の割合を示しております。管理職比率及び有期社員比率により男女の賃金差が発生しておりますが、当社では男女において同一の報酬制度・評価制度を適用しております。

 

 当社では現在、女性を含む多様な人財がイキイキ・ワクワクと働ける職場の実現を目指し、時間外労働の削減に向けた取り組みや育児・介護支援制度の拡充などに継続して取り組んでおります。取組み実績の一つとして、2024年度の時間外労働時間は、前年度比6%の削減、取り組み開始前である2022年度比16%の削減を達成しました。従業員の多様なキャリア選択を支援する為に、様々な社員のキャリアや、キャリア選択に対しての考えをロールモデルブックとして纏めて社内に紹介しており、その中に育児休職を取得した男性社員の事例も取り上げる等の取組みを通じて女性も男性も希望どおりに育児休職を取得できるように、意識醸成を継続していきます。

 また、経営計画のCore KPIの一つとして、2025年度の女性管理職比率(陸上職)の目標値15%を掲げて、進捗管理をしています(2024年度実績12.2%)。計画的な育成、登用を通じて、女性管理職比率の向上、ひいては男女賃金格差の縮小に取り組んでいます。

 当社は、「商船三井グループ Human Capital(HC)ビジョン」が掲げる3つの原則、「多様性」、「共創・共走」、「働き甲斐」の実現に向けた取り組みをグループ全体で推進してまいります。

② 連結子会社

2025年3月31日現在

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1.(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.(注)2.

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

興産管理サービス・西日本㈱

21.9

64.3

88.9

74.3

興産管理サービス㈱

57.6

80.2

59.7

㈱商船三井さんふらわあ

0.7

50.0

50.0

81.6

88.1

29.7

㈱宇徳

7.3

50.0

50.0

82.5

82.6

22.0

商船三井ロジスティクス㈱

20.4

27.3

27.3

98.8

97.7

99.8

商船三井興産㈱

13.7

62.1

81.4

53.9

 

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

(注)2.

エムオーツーリスト㈱

43.3

㈱丹新ビルサービス

ダイビル・ファシリティ・マネジメント㈱

グリーンシッピング㈱

㈱ブルーハイウェイサービス

MOLマリン&エンジニアリング㈱

11.4

宇徳港運㈱

20.0

商船港運㈱

2.9

商船三井テクノトレード㈱

16.7

日本栄船㈱

2.0

商船三井システムズ㈱

21.7

宇徳トランスネット㈱

商船三井ドライバルク㈱

5.0

宇徳流通サービス㈱

ダイビル㈱

12.9

商船三井クルーズ㈱

33.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.労働者には受入出向者を除き、出向者、海上従業員、陸上従業員を含みます。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティ経営は、長期的な戦略に基づき、社会と共に当社グループの持続的な成長を目指すものです。2035年度のありたい姿であるグループビジョンでは、グローバルな社会インフラ企業への飛躍を謳っており、その実現に向けたグループ経営計画「BLUE ACTION 2035」に取り組んでいます。企業理念と行動規範「MOL CHARTS」の精神に沿って「BLUE ACTION 2035」に取り組み、マテリアリティである「サステナビリティ課題」を解決することを通じ、すべてのステークホルダーへの提供価値を最大化していきます。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものです。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ経営をグループ全体で推進すべく、当社代表取締役社長(CEO)を最高責任者としたマネジメント体制を構築しています。サステナビリティ経営における重要分野に関しては、主に経営会議の下部機構である各委員会(サステナビリティ委員会、BLUE ACTION 委員会、投資戦略委員会、安全推進委員会、HCアクション委員会、コンプライアンス委員会)にて審議しています。また、当社取締役会はサステナビリティに関する取組に対して監督責任を負い、特に重要な事項に関しては取締役会での決議を経て決定します。2024年度からはサステナビリティ経営の方針・戦略の見直しについて取締役会の関与を強化するべく、一般的な決議・報告事項とは別に「サステナビリティ討議」を実施しています。

 

(2)リスク管理

 リスク管理については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

(3)戦略

 当社グループでは、グループビジョンの実現を通じて、社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題を「サステナビリティ課題」(マテリアリティ)として特定しています。経営基盤となる「Governance(事業を支えるガバナンス・コンプライアンス)」の強化を基本とし、「Innovation(海の技術を進化させるイノベーション)」と「Human & Community(人の活躍と地域社会の発展)」への取組を相互に作用させながら、「Safety & Value(安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供)」と「Environment(海洋・地球環境の保全)」の達成を目指します。

 2019年度に初めてサステナビリティ課題を特定した際は、事業活動が社会に与えるネガティブ・インパクトとポジティブ・インパクトを検討した上で、社会課題との関連性を整理しました。その上で、ステークホルダーと当社グループにおける重要性の2軸から絞り込み、5つの課題にまとめました。また、2021年度には、各課題に紐づく具体的な目標・KPI・アクションプランを設定した「MOL Sustainability Plan」を策定し、サステナビリティ課題への取組を加速してまいりました。2023年度からは、この「MOL Sustainability Plan」を経営計画「BLUE ACTION 2035」の一部として位置付け、経営計画と一体となった取組を推進しています。なお、経営計画では、サステナビリティ課題のうち安全、環境、人財、DX、ガバナンスに関する事項が最重点5項目に位置付けられており、特にガバナンス以外の4項目は、それぞれ「安全ビジョン」、「環境ビジョン」、「Human Capital(HC)ビジョン」、「DXビジョン」を策定し、取組の進捗管理を行っています。

 

 <サステナビリティ課題(マテリアリティ)>

① Safety & Value(安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供)

海運を中心とした社会インフラ事業を展開する中で、さまざまな物資やエネルギーを安全・安定的、経済的に輸送またはサービスを提供することで、世界中の人々の豊かな暮らしと産業を持続的に発展させていくことを目指します。

また、当社グループにおける安全のあるべき姿を示すものとして「商船三井グループ 安全ビジョン」(2024年1月策定)を掲げています。本ビジョンのもと、当社は安全の取り組みをさらに強化し、社会インフラ事業の責任ある担い手として、「安全」なオペレーションで人々の毎日の "あたりまえ" を支え続けます。

 

「商船三井グループ 安全ビジョン」の枠組みと全体像

 

 

② Environment(海洋・地球環境の保全)

事業を通じて与える海洋および地球環境への負のインパクト(気候変動 、海洋環境汚染、大気汚染、生物多様性の阻害等)を最小化し、世界中の人々が暮らす地球を持続可能なものとすることを目指します。

特に、気候変動対策は喫緊の課題と認識しており、「2050年 ネットゼロ・エミッション達成」に向け、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」(2023年4月更新)に掲げる各アクションを実行してまいります。なお、2024年度の当社グループのGHG排出量は、Scope1 10,428,320トン、Scope2 18,857トン、Scope3 8,408,714トンです。

「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」のKPI・マイルストーン

 

③ Human & Community

多様な個性と価値観を尊重し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮し活躍できる企業グループとして、その事業活動を通じ、当社グループに関わる全ての人々との共生、地域社会の持続可能な発展・振興を目指します。

また、「商船三井グループ Human Capital(HC)ビジョン」(2023年4月策定)を掲げ、新たな事業を牽引する専門人財や地域戦略強化のためのグローバル人財の登用・育成、人財計画のグループ・グローバルでの一元化など、人財方針・施策の抜本的な転換を図り、経営計画、ひいてはグループビジョンの実現を目指しています。その中でもPhase 1(2023~2025年度)の3年間を「変革期」と位置づけ、2025年度末までの目標達成へ向け、行動計画「HC ACTION 1.1」(2024年2月更新)に沿った取組を進めています。

 

 

④ Innovation

クリーンエネルギーやICTを活用する技術を高めることで、当社事業にイノベーションを起こし、「安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」「海洋・地球環境の保全」にも通じる様々な社会課題の解決に貢献することを目指します。

 

また、「商船三井グループ DXビジョン」(2023年2月策定)を掲げ、これまでのデジタル化の取り組みを更に推し進め、社会インフラ企業としての責任を果たし、社会課題を解決するリーディングカンパニーへのトランスフォーメーションを実現していきます。Phase1の3か年においては、行動計画「DX ACTION 1.2」(2025年4月更新)も策定しており、ビジネスとカルチャーの両面から変革を推進しています。

 

 

⑤ Governance

コーポレート・ガバナンスの充実およびコンプライアンスの徹底を通じ、当社グループ経営における透明性を確保し、事業活動を通じた社会課題への取り組みの基盤の構築、また、人権や安全・環境に配慮した持続可能なバリューチェーンの構築を目指します。

 

経営計画では、3つの主要戦略(ポートフォリオ戦略、地域戦略、環境戦略)に加えて、その基盤整備にもあたるサステナビリティ課題への取組のうちの5つ(環境、安全、人財、DX、ガバナンス)を最重点項目として設定しています。また、2035年のありたい姿(グループビジョン)の実現へ向け、ゴールまでの期間を3つのフェーズに分けて中間目標を設定しています。Phase1(2023-2025年度)では、毎年Core KPIをモニタリングしながら、アクションプランの更新を続けていきます。

 

経営計画「BLUE ACTION 2035」のCore KPI

 

(4)指標及び目標(MOL Sustainability Plan)

① Safety & Value(安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供)

*1 当社グループにおける事業セグメント毎に定義、設定する。

*2 100万人・時間あたりの労災事故発生件数(当社は乗船時間を分母として計算している)。

*3 機器故障や事故による船舶の年間運航停止時間を1隻当たりで表したもの。

*4 船舶の運航停止に至る機器故障や事故の年間発生件数を1隻当たりで表したもの。

② Environment(海洋・地球環境の保全)

*1 当社グループ全体(連結範囲)における、スコープ1及びスコープ2が対象。

*2 当社グループの外航自社運航船における、スコープ1及びスコープ3の一部が対象。なお、スコープ3 カテゴリー15にはOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.をはじめとする持分法適用会社の排出量(当社持分相当分)を算入している。

 

③ Human & Community(人の活躍と地域社会の発展)

*1 本社部長級が就くポスト及び国内外の当社グループ会社において本社部長級相当職と定義したポスト。

*2 2023年度~2025年度の累計。

 なお、上記のうち、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針についての指標(KPI)及び2024年度実績(当連結会計年度)は、次のとおり。

・単体陸上職 女性管理職比率:12.2%

・MOL Group Key Positions(MGKP)在任者の構成率:女性比率6.3%、本社外出身者比率24.4%、40代以下比率11.9%

・国内外のグループ会社92社におけるエンゲージメントサーベイ(ES)の回答率:90.2%

④ Innovation(海の技術を進化させるイノベーション)

*1 風力を活用した推進補助装置。

*2 プロペラ装着型効率改善装置。船のプロペラ後方に発生するハブ渦を削減することで効率改善に貢献する。

*3 「トリム」とは船体の前後方向の傾きのことで船首と船尾の喫水の差を指し、貨物やバラスト水の積載位置で調整する。当社船長による航行姿勢の知見を水槽試験・実船試験を通じて定量的に評価、乗組員が容易に活用できるようグラフ化したトリムチャートに基づき最適なトリム調整を行う。

*4 排水量およびプロペラ没水率を可能な限り最小化させる。

*5 日本財団が推進する無人運航船プロジェクト。2023~2026年をフェーズ2とし、フェーズ1で課題となった避航技術や自動離着桟の改善等の運用に向けた検討を行う。

*6 従業員が定型作業に掛けている工数を、デジタル活用、業務・組織の最適化により、新しい価値創造及び安全業務への工数に転換した比率。

*7 チェンジリーダーを「ビジネスモデル・業務プロセス・企業風土などの変革を担う存在」、「ビジネスやプロセスの課題を把握し、ありたい姿を描き、変革をリードする存在」と定義し、従業員をトレーニングによってチェンジリーダーへと育成した数。

 

⑤ Governance(事業を支えるガバナンス・コンプライアンス)

*1 影響範囲に応じて定めた4つのインシデントレベルの内、レベル4(最も重大)に該当するもの。

*2 公正取引及び贈収賄に関連する重大なもの。