人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数247名(単体) 656名(連結)
-
平均年齢40.1歳(単体)
-
平均勤続年数14.7年(単体)
-
平均年収11,020,063円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
外航海運事業 |
256 |
内航海運事業 |
365 |
その他 |
35 |
合計 |
656 |
(2)提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
247 |
40.1 |
14.7 |
11,020,063 |
(注)1.従業員の平均年間給与には基準外賃金および賞与が含まれております。
2.外航海運事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載を省略しております。
(3)労働組合の状況
① 陸員
提出会社については、NSユナイテッド海運労働組合が1962年5月15日に結成され、現在に至っております。労働組合との間に特記すべき事項はありません。
② 海員
当社グループの海上従業員は、全国単一労働組合である全日本海員組合に加入しております。労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
0.0 |
111.1 |
69.0 |
69.5 |
57.9 |
② 連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の 育児休業取得率 (%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
NSユナイテッド内航海運㈱ |
0.0 |
50.0 |
69.0 |
68.5 |
- |
③ 連結会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%) |
男性労働者の 育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
0.9 |
92.3 |
76.4 |
76.7 |
73.1 |
(注)1.上記指標のうち、管理職に占める女性労働者の割合、および労働者の男女の賃金の差異の数値は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.上記指標のうち、男性労働者の育児休業取得率の数値は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号) 第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.連結子会社における各指標の数値について、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではない会社は、記載を省略しております。
4.連結会社における各指標の数値は、提出会社および国内の連結子会社を合計して算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社のサステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、「海上物流で、共に世界の今をつくる責任、未来へとつなぐ責任を果たす」をパーパスとして掲げています。また、サステナビリティ基本方針に基づいて、自社およびステークホルダーにとって優先的に取り組むべきサステナビリティに関する重要な経営課題として、「最優先である安全運航の徹底」「環境保全・気候変動への取り組み強化」「輸送品質向上による顧客満足の向上」「人材の育成・評価、D&I、人権」「技術、イノベーション、DX」「健全なガバナンス、BCP」をマテリアリティとして特定し、継続的に課題解決に取り組んでおります。
加えて、2024年3月には中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」(2024~2027年度)を策定し、2030年に目指す姿として、「クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在」として、ビジョンを設定しました。中期経営計画では、「2050年GHGネットゼロに向けた環境ロードマップ」を定めるほか、事業戦略を支える取り組みとして、サステナビリティに関する4つの取り組みを掲げました。中期経営計画の実行を通じて、サステナビリティの推進に取り組んでいます。
(1) ガバナンス
① 組織体制
2024年6月に社長執行役員を委員長、全執行役員を委員とするサステナビリティ委員会を設立しました。本委員会は、人権、気候変動、生物多様性、非財務情報開示など、サステナビリティ全般の事項に特化し、取締役会に報告、提言を行っています。
2025年3月には、従来のESG経営推進チームを更にサステナビリティに特化する形で、主に人権やガバナンスに関する取り組みや、社内教育、非財務情報開示などを担当するESG・内部統制チームを設立しました。人的資本経営を推進する秘書・人事チームや、環境負荷低減に取り組む環境保全推進チーム等、関連部署と連携し、サステナビリティへの取り組みにおける実効性の向上に取り組みます。
サステナビリティ推進体制図
各組織の役割
組織 |
開催頻度 |
責任者 |
役割・主な審議内容 |
取締役会 |
1回/月 |
代表取締役社長(議長) |
サステナビリティに関する取り組みについて、サステナビリティ委員会から報告を受け、サステナビリティ活動を監督する役割を担っています。特に重要な事項については、適宜必要な指示・助言を行っています。 |
サステナビリティ委員会 |
2回/年 |
代表取締役社長(委員長) |
サステナビリティの取り組みに関する協議を行い、取締役会へ報告、提言を行っています。 |
安全運航・環境 保全推進委員会 |
4回/年 |
代表取締役社長(委員長) |
安全運航および気候変動を含む環境保全の取り組みに関する協議を行い、取締役会へ報告を行っています。 |
内部統制・コンプライアンス委員会 |
3回/年 |
代表取締役社長(委員長) |
全社リスクの管理を含むガバナンスの強化、コンプライアンス推進の取り組みに関する協議を行い、取締役会へ報告を行っています。 |
② スキル・マトリクス
2025年6月20日(有価証券報告書提出日)現在の取締役が備えるスキルは以下です。サステナビリティ関連のスキルについて、山中一馬(代表取締役社長)は人事部門、宮本教子(取締役)はIR部門、また、藤田透(取締役)は安全管理部門、大西節(社外取締役)は監査部門、吉田正子(社外取締役)は監査役、井上龍子(社外取締役)は弁護士としての実務経験があります。
取締役会に求められるスキル |
取締役に期待するスキル |
||||||||
社内取締役 |
社外取締役 |
||||||||
山中 一馬 |
宮本 教子 |
藤田 透 |
北里 真一 |
金光 潔 |
大西 節 |
井上 龍子 |
吉田 正子 |
||
マネジメント |
企業経営 |
〇 |
〇 |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
市場・事業 |
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
|
〇 |
|
現場・技術(ICT含む) |
|
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
|
|
個別 |
財務・ファイナンス |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
|
|
ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス |
〇 |
〇 |
|
〇 |
|
〇 |
〇 |
|
|
人材マネジメント |
〇 |
|
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
|
サステナビリティ |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
〇 |
|
カスタマーリレーションズ |
〇 |
|
〇 |
|
〇 |
|
|
〇 |
|
経験 |
海外駐在(グローバル) |
|
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
〇 |
|
他社勤務(社内取締役) |
〇 |
〇 |
|
|
|
|
|
|
|
経営経験(社外取締役) |
|
|
|
|
|
〇 |
|
〇 |
2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、当社の取締役が備えるスキルは、以下の通りとなる予定です。新任の社外取締役である竹ケ原啓介は環境・CSR部門、加野理代は弁護士としての実務経験があります。
取締役会に 求められるスキル |
取締役に期待するスキル |
|||||||||
社内取締役 |
社外取締役 |
|||||||||
山中 一馬 |
宮本 教子 |
藤田 透 |
北里 真一 |
金光 潔 |
大西 節 |
吉田 正子 |
竹ケ原 啓介 |
加野 理代 |
||
マネジメント |
企業経営 |
〇 |
〇 |
|
|
|
〇 |
〇 |
|
|
市場・事業 |
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
現場・技術(ICT含む) |
|
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
|
|
|
個別 |
財務・ファイナンス |
|
|
|
〇 |
|
〇 |
|
〇 |
|
ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス |
〇 |
〇 |
|
〇 |
|
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
人材マネジメント |
〇 |
|
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
|
|
|
サステナビリティ |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
カスタマーリレーションズ |
〇 |
|
〇 |
|
〇 |
|
|
|
|
|
経験 |
海外駐在(グローバル) |
|
〇 |
|
|
〇 |
〇 |
|
〇 |
|
他社勤務(社内取締役) |
〇 |
〇 |
|
|
|
|
|
|
|
|
経営経験(社外取締役) |
|
|
|
|
|
〇 |
〇 |
|
|
③ サステナビリティのインセンティブ
2024年6月の取締役会にて決議された取締役報酬改定にて、業績連動報酬のうち、株式購入報酬の算出に用いる指標として、ESG指標を新たに追加しました。
④ サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
マテリアリティ |
対応する取り組み |
指標および目標 |
リスク |
機会 |
最優先である 安全運航の徹底 |
サステナブル シッピング戦略 |
・労災死亡事故 件数 ・重大海難事故 件数 ・重大貨物事故 件数 |
・事故発生による 顧客の信頼失墜 |
・事故発生リスクの 低減と競争力強化、 顧客の信頼獲得 |
環境保全・ 気候変動への 取り組み強化 |
サステナブル シッピング戦略
DX戦略 |
・年間GHG排出量 ・船舶からの 漏油事故件数 |
・次世代燃料船への投資が遅れ、環境保全に 後ろ向きと評価
・次世代燃料の供給 インフラの整備が 進まない |
・サプライチェーンの環境負荷低減を重視する顧客と契約獲得
・次世代燃料の供給 インフラ整備など 新たな機会へ参画 |
輸送品質向上による顧客満足の向上 |
サステナブル シッピング戦略 |
今後の取り組み 課題として、KPI 設定を検討 |
・サービス品質の低下に伴う貨物輸送シェア 縮小
・安定収益基盤が 損なわれるリスク |
・次世代燃料船を含めた環境対応船の導入促進
・製鉄プロセス脱炭素化に伴う貨物の輸送機会増加 |
人材の育成・ 評価 D&I 人権 |
人的資本戦略 |
・女性管理職数 ・人権に関する 基本的な考え方を理解している社員の 割合 ・人権研修 受講率 |
・勤労意欲の低下、 業務の非効率
・人権侵害などによる社会的信用や信頼の 失墜、取引機会の喪失 |
・労働生産性の向上と 競争力強化、 エンゲージメント向上
・人権意識の向上により社会的評価が高まり、多様な人材を確保 |
技術、イノベーション、DX |
DX戦略 |
今後の取り組み課題として、KPI設定を検討 |
・既存の仕組みに 固執し、必要な変革の 遅れ、競争力低下 |
・船舶管理の高度化、 事故・災害の予防保全
・時代の変化に進んで 対処し、他社との差別化、商圏の維持拡大 |
健全な ガバナンス、BCP |
ガバナンス強化 |
- |
・ガバナンス機能不全による企業価値毀損、 株価下落
・本社機能喪失、 事業継続不能 |
・透明性確保により 信用が高まる
・輸送サービス提供の 継続による社会貢献 |
(2) リスク管理
① サステナビリティ全般に関するリスク管理
全社リスクについては、内部統制・コンプライアンス委員会にて、年に一度、各部門への執行状況のヒアリングを通じて、リスクの管理を行っています。サステナビリティ全般および気候変動に関するリスクについても、リスク項目に含めることで、サステナビリティ関連リスクと全社リスクの統合を図っています。リスク項目表については、取締役会および執行役員会に報告を行っています。
なお、当社グループにおけるリスクマネジメントの取り組みについては「3 事業等のリスク」にも記載しております。
② 気候変動に関するリスクおよび機会を識別、評価および管理するための過程
気候変動に関するリスクおよび機会については、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を通じて、識別および評価を行っています。シナリオ分析においては、不確実な将来に対してグループ全体のレジリエンスを確認するため、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」というパリ協定目標の達成を見据えた「2℃未満シナリオ」と、長期目標でもある2050年CO2排出ネットゼロ/カーボンニュートラルの達成を想定した「1.5℃シナリオ」、および世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合を想定した「3℃シナリオ」について検討しております。
分析に参照したシナリオは、IEA WEO(World Energy Outlook)の、持続可能な発展シナリオ(SDS)、宣言国ネットゼロ達成シナリオ(APS)、2050年ネットゼロ実現シナリオ(NZE)、公表政策シナリオ(STEPS)であり、リスクまたは機会が発現しうる期間としては、短期(2025年まで)、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)を想定しています。
各シナリオで想定したそれぞれの将来の事業環境の変化、および特定したリスクと機会は次のとおりです。
(3) 戦略
① サステナビリティ全般の戦略
上記リスクと機会の認識のもと、当社は2024年3月に発表した中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」において、「人的資本戦略」「サステナブルシッピング戦略」「ガバナンス強化」「DX戦略」の4つの取り組みを掲げました。クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の更なる向上を図ってまいります。
人的資本戦略
事業環境の 変化 |
・新たな市場への挑戦、脱炭素化に向けた技術革新など、中長期的な事業戦略を担える人材の 確保・育成が必要 ・サプライチェーン全体での人権リスクの防止・軽減など「ビジネスと人権」への関心の高まり |
|
計画 |
・グローバルな海運会社として、人権意識や環境問題への取り組みが企業価値を向上 ・戦略業務に専心できる職場環境の整備によるエンゲージメント向上 |
|
戦略 |
人財を育て、活かす |
・人材育成・研修体系を整備し人的資本の価値最大化を目指す ・挑戦・成果を評価する人事制度の運用 ・キャリア形成のための教育・研修制度拡充 ・事業戦略実現のための要員・採用施策 ・女性・シニアの活躍推進 |
社会的責任を果たす |
・人権DDの推進、Well-beingの実現により人権を尊重する意識の向上を図る ・サプライチェーン全体における人権尊重を徹底し、人権侵害の予防・軽減・救済に取り組む ・働きやすさの向上と健康経営の推進 |
サステナブルシッピング戦略
事業環境の 変化 |
・コロナ禍により船員の交代難が発生し、長期乗船など労働環境が悪化 ・「ビジネスと人権」意識の高まりとともに、船員のWell-being向上などが求められる ・陸から海へのモーダルシフトが進む内航海運業界でも船員不足は深刻 |
|
計画 |
・「人権DDの対象範囲の拡大」「船員のWell-beingの最大化」「エンゲージメントの向上」に より、船員の判断力、創造力を最大限に発揮できる職場環境を実現 ・職場環境の整備により、優秀な船員を確保し、競争力の源泉とする |
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戦略 |
・安全運航の徹底のため、国内外の優秀な船員と海技士の確保・育成に努め重大事故・災害ゼロへ ・新燃料船への配乗・液体貨物輸送への展開など成長戦略を支える有資格船員の育成 |
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継続的な次世代船員の確保 |
新卒採用の継続、採用先の多様化 |
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船員の教育・訓練システム強化 |
育成プランの充実・明確化、システム連携の高度化 |
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船舶管理機能強化 |
監督育成の強化、IT/DXの積極的な導入 |
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2050年カーボンニュートラルの実現 |
2030年GHG総排出量削減目標達成に向けた環境ロードマップの実行・次世代燃料の導入検討 |
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運航効率追求 |
省エネ装置導入、超減速の深度化 |
ガバナンス強化
事業環境の 変化 |
・海運業界を取り巻く事業環境の変化による経営リスクの増大と、リスクマネジメント強化の 必要性が高まる ・多様なステークホルダーに対する社会的責任を果たすためコーポレート・ガバナンス強化が 求められる |
|
計画 |
・環境変化に対する迅速な意思決定の実現と、全社的なモニタリング機能の強化を図る ・ステークホルダーとの対話を通じて中長期的な企業価値の向上を目指す |
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戦略 |
中期経営計画の進捗状況を継続的にモニタリングすることで、環境変化への対応や、成長戦略 など長期的な課題に関する議論を充実させることにより取締役会の実効性向上を図る |
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取締役会の実効性 |
取締役会の実効性評価アンケートを通じた運営の改善 |
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コンプライアンス 体制強化 |
社内教育の充実、取り組み強化 |
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リスク管理 |
各組織が自律的に対応できるリスクカルチャーの醸成 |
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情報管理 |
情報管理の徹底、情報セキュリティの強化による安全性向上 |
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情報開示 |
公平かつ迅速な情報開示の強化 |
DX戦略
事業環境の 変化 |
・環境対応による海運業界の構造変化を踏まえた価値創造モデルの構築 ・脱炭素化や「ビジネスと人権」を意識した顧客ニーズに応える船舶管理の高度化 ・多様なステークホルダーの立場を踏まえた公正かつ迅速な意思決定 |
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計画 |
人的資本戦略 |
DX推進により社員が高度な戦略業務に専心できる職場環境を整備する |
サステナブル シッピング戦略 |
船舶DXを推進し事故・災害の予防保全、船舶管理の高度化、 運航効率改善 |
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ガバナンス強化 |
DX推進によりモニタリング効率化を含むガバナンスの強化を図る |
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戦略 |
サイバーセキュリティの強化 |
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船舶DX |
予防保全装置、作業支援ロボ、運航支援システム |
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IT人材育成 |
IT研修の拡充、デジタルコア人材の育成 |
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基幹システム投資 |
新基幹システム検討、営業支援システム、会計システム |
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業務高度化 |
業務高度化投資、人事DXの活用、DXによる業務の効率化 |
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デジタル教育の加速 |
② 気候変動に関する戦略
気候変動については、上記シナリオ分析を踏まえ、新たに策定した中期経営計画では、新燃料船の整備へ1,650億円の投資を計画しています。この投資は、既存船のリプレースやメタノールDF船など新燃料船への投資、バイオ燃料の安定確保などを含みます。
また、詳細は当社ホームページにて開示しております。
https://www.nsuship.co.jp/sustainability/environment/tcfd/
③ 人材の多様性の確保を含む人材育成方針および社内環境整備方針
当社では、持続可能な社会の実現に貢献するためには、多様な個性を活かすとともに、人材へ積極的に投資することにより、さまざまな事業環境の変化に対応し、誇りや意欲を持ちながら会社の成長を支える人材を育成することが重要であると考えております。なお、以下は当社単体の方針です。
人材の確保・育成方針
当社は、人材を最も貴重な資産であり、競争力の源泉であるとの認識の下、新たな事業戦略の実行に必要な人材を育て活かすために、2024年度から新人事制度を導入しました。
新制度では人材確保の観点から、女性・シニアの活躍を実現すべく、職制統合および定年延長を実施しました。また、事業環境の変化に対応し、中長期的な事業戦略を担う人材への成長を促す評価制度とすべく、アサインアンドコミットメント制度や評価力育成会議を導入し、社員の挑戦や貢献に対する昇格やインセンティブの連動を強化しました。さらに職制の複線化を導入し、社員が自分の能力や適性に応じて、管理職や専門職として活躍できるキャリアパスを整備しました。
新制度に連動し、キャリア形成のための教育・研修制度拡充や、事業戦略実現のための要員・採用施策についても取り組んでいます。人材育成・研修体系を整備し、人的資本の価値最大化を目指します。
また、当社の重要経営課題の一つである安全運航の徹底のためには、安定的な船員を確保し、知識と経験に裏打ちされた実務能力と高い安全意識を持った船員への育成が不可欠と考えています。
急速に少子化が進む国内では、今後海技者人材の不足が進むと予測されるため、事前の備えとして外国人船員の活用、船員の確保強化(採用)に取り組んでいます。
外国人船員の活用については、東京本社での海技者としての勤務、インストラクター業務を含む各国研修部門への配置など陸上での海技者ニーズの増加を見込み進めています。また船員の確保強化は、船員供給ソースに応じて、他の海事関連校など複数校への採用拡大に加え、説明会実施による当社への理解促進、事前面接や試験を通じた人柄をみた選定など強化を継続しています。
船員の育成においては、船員の担う業務は多岐に渡り、かつ運航に関する経験が必要という観点から、知識については、職位別、技能別に必要な教育・訓練を実施すべくカリキュラムの整理・見直しを継続しています。
また経験については、危険を察知する気づきやその対処方法を習得することが必要なため、実際に現場で起きた事例を利用したインハウスセミナーの実施など乗船中の教育の実施、そして昇格時に必要なレベルに達しているかをアセスメントにより確認するといった方法を継続しています。
船員研修チームでは、毎年フィリピン・ベトナムの船員研修部門と連携し、研修・訓練内容のレビューや新規項目の検討を行いながら育成方法を改善するとともに、現場の安全意識を高いレベルで維持・向上させる対策実施を継続しています。
多様性の確保を含む社内環境整備方針
人材の多様性の確保及び社内環境の整備について、以下のような具体的な取り組みの継続・強化を図ります。
女性の活躍推進
女性採用の拡大 |
・キャリア採用を含め女性の採用拡大に一層取り組む ・準総合職、一般職の総合職への統合実施 |
離職防止対策 |
・ライフイベントによる離職を防止するための制度整備 ・育児介護休業制度やテレワーク(自宅以外も含む)の拡充 ・女性のキャリア形成を支援する研修、セミナーの実施 |
管理職登用に資する配置、育成施策 |
・ライフイベントを見越した研修の早期実施(海外研修など) |
管理職への教育、 職場理解の醸成 |
・管理職教育を通じ、職場全体に女性が活躍しやすい風土を醸成 |
働き方改革
働き方 |
・会社において「長時間労働」することを前提とした働き方からの脱却 ・部下の長時間労働を前提としない組織マネジメントを管理職が追求 ・長時間労働を良しとする考課制度から成果重視の考課制度への改革 ・業務改革、DX推進の加速 |
休み方 |
・年次有給休暇と季節休暇を合わせて社員の平均取得日数を月1日以上とすることを目標に休暇計画等の施策を強化・継続 ・男性社員の育児休業取得促進。配偶者が出産した男性社員全員に推奨する |
ハラスメント防止
ハラスメント防止 |
・内部通報窓口の制度拡充、外部窓口の起用 ・内部統制・コンプライアンス周知月間を継続し、社員への教育・啓蒙を行う ・e-ラーニングの利用継続 ・LGBTQへの適切な理解と受容について、階層別研修で教育を行う |
健康の推進
健康診断 |
・健康診断未受診者およびその上長に対し受診義務があることを通知し、受診率の引き上げを強化 |
がん |
・がんの早期発見・早期治療を図るよう、会社が定める胃がん検診、大腸がん検診の受診を強化 |
脳心疾患 |
・生活習慣の改善を図る特定保健指導を強化 |
メンタル疾患
|
・早期発見・早期対応の促進のため、本人・上司などから産業医および相談窓口へ相談する機会があることを全社員に周知・浸透を図る ・メンタルヘルスチェックの継続 |
(4) 指標および目標
① サステナビリティ全般の指標および目標
(1) ガバナンス内、④ サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)をご参照ください。
② GHG排出削減に関する指標および目標
中期目標
・2030年までにGHG年間排出量を2019年比25%削減する。
2050年カーボンニュートラルに向けた2030年の中間目標として、中期経営計画「FORWARD 2030 II」の中で新たに設定しました。
長期目標
・2050年までにカーボンニュートラル実現を目指す。
脱炭素社会に向けた日本政府および日本船主協会の目標を支持し、サプライチェーンを通じた社会全体のカーボンニュートラルの実現を目指し、2050年ネットゼロに挑戦します。
GHG排出量実績(連結)
|
2023 |
2024 |
スコープ1 (事業による直接排出) |
2,342,423.02 |
2,469,009.65 |
スコープ2 (購入した電気、熱、上記の使用に伴う間接排出) |
139.72 |
129.80 |
スコープ3 (その他の間接排出) |
372,574.40 |
351,374.81 |
(単位:tCO2e)
目標に対する進捗(単体)
③ D&Iおよび働き方についての指標および目標
女性の活躍推進
目標 |
・管理職の女性社員数を、現在のゼロから2025年度に最低でも1人登用、2人以上を目指す。2030年には最低でも3人とし、5人以上を目指す |
取り組み進捗 |
・2024年度 女性採用人数 5人(2022年度 6人、2023年度 3人) ・2023年度 女性向けキャリアデザイン研修実施(参加率88%) ・2024年度 女性の実地研修*¹参加者 7人(2023年度 7人) |
*¹ 代理店研修、GO TO 業務視察研修*²、乗船研修、海外研修、などの社外での実地参加の研修
*² 主任層以下の若手を対象とした2週間にわたる海外研修
高齢者・障がい者雇用
目標 |
・2021年4月の高年齢者雇用安定法改正において、70歳までの就業機会確保が努力義務となったことから、今後の義務化や社会動向も睨みつつ、まずは65歳定年制への移行に取り組む ・障がい者雇用率を充足すべく、今後も法改正動向を注視し、法定雇用率を上回ることを目標として取り組む |
取り組み進捗 |
・65歳までの定年延長の実施(2024年4月開始) |
働き方改革
目標 |
・長時間労働の根絶*¹ (2020年度総労働時間:1,916時間→2025年度削減目標 1,850時間) ・多様な休み方の追求 |
取り組み進捗 |
・パーパスや基本理念、経営理念の実現に向けて求められる役割や能力に基づいた新人事制度の導入(2024年4月から正式導入) ・2024年度 総労働時間:1,904時間 ・2024年度 平均取得日数 年次有給休暇9.2日、季節休暇4.8日*² ・健康維持・増進を目的とした「ウェルネス休暇」の導入 |
*¹ 2020年経団連労働時間等実態調査 2019年平均1,987時間(製造業)、2,014時間(非製造業)
*² 2020年厚労省就労条件総合調査 (D&Iおよび働き方についての行動指針策定当時)
2019年平均9.2日(全産業従業員100-299人)、10.0日(運輸業、郵便業)
ハラスメント防止
目標 |
・個人の意識・職場風土を改革し、ハラスメントに関する相談がしやすい環境をつくる |
取り組み進捗 |
・公益通報者保護法への対応*(2024年1月開始) ・ハラスメント防止研修実施(2024年10月実施、全社員対象) ・宴席ハラスメント防止研修実施(2025年2-3月実施、役職者対象) |
*当該保護法では、常時使用する従業員数が300人を超える企業に対して義務を定めていますが、300人以下は努力義務に留まり、当社はこれに該当します。しかしながら、努力義務とはいえ、当該保護法に沿って内部公益通報体制を整備することは、通報者保護の仕組みや不正の防止と早期発見および是正の仕組みを向上させ、コンプライアンス遵守の強化につながるため、対応を実施しました。
健康の推進
目標 |
・健康診断受診率の引き上げを図る ・35歳以上の胃がん検診受診率の引き上げを図る ・対象者全員へ特定保健指導を実施する |
取り組み進捗 |
・2024年度 健康診断受診率 100% ・2024年度 特定保健指導受診率 93% ・健康経営企業宣言に向けた取り組みの開始(2024年2月開始) |