2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    276名(単体) 44,019名(連結)
  • 平均年齢
    45.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    2.8年(単体)
  • 平均年収
    7,302,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

(2025年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

航空事業

18,001

[257]

航空関連事業

20,678

[1,641]

旅行事業

1,439

[54]

商社事業

1,307

[734]

報告セグメント計

41,425

[2,686]

その他

2,318

[217]

全社(共通)

276

[-]

 合計

44,019

[2,903]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しています。

2.従業員数には、当社及びその連結子会社から連結子会社外への出向社員を除きます。

3.従業員数には、連結子会社外から当社及びその連結子会社への出向社員を含みます。

4.全社(共通)には、当社の従業員で特定のセグメントに属さない全社管理部門の従業員を記載しています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

(2025年3月31日現在)

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

一般従業員

276

45.5

2.83

7,302

(注)1.従業員数は就業人員です。

2.従業員数には、他社から当社への出向社員を含みます。

3.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

4.当社の従業員は全員、特定のセグメントに属さない全社管理部門の従業員です。

5.平均勤続年数は2.83年となっていますが、その理由は、当社の従業員は主として連結子会社である全日本空輸㈱からの出向社員で構成されているためです。

 

(3) 労働組合の状況

2025年3月31日現在、当社に労働組合はありません。

一部の子会社には労働組合が組織されています。

なお、労使関係について、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

 ANAホールディングスの原籍雇用社員は少数のため、記載はありません。

②連結子会社

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)(注3)

補足説明

全労働者

うち正規雇用労働者

うち

パート・

有期労働者

ANAグループ合計(注4)

21.9

98.7

55.5

56.1

38.1

 

全日本空輸

21.0

97.3

43.4

43.0

33.6

(注5)

ANAウイングス

21.4

102.3

34.2

34.0

42.8

(注5)

エアージャパン

100.0

0.0

61.2

63.5

59.6

Peach Aviation

30.6

81.8

31.4

30.0

37.3

(注5)

ANAエアポートサービス

20.8

103.4

85.5

83.1

102.5

ANA大阪空港

28.8

91.7

81.1

79.7

111.8

ANA関西空港

30.8

90.0

74.6

74.1

62.4

ANA成田エアポートサービス

28.1

100.0

78.6

78.3

67.3

ANA福岡空港

38.7

118.2

86.8

85.3

81.7

ANA中部空港

23.6

100.0

74.9

75.4

71.8

ANA新千歳空港

28.0

100.0

85.1

75.0

84.4

ANA沖縄空港

20.7

90.0

84.0

83.6

77.9

ANAベースメンテナンステクニクス

1.3

126.3

62.5

65.4

49.7

ANAエアロサプライシステム

14.3

150.0

91.7

89.9

80.4

ANAラインメンテナンステクニクス

0.8

101.9

78.8

79.2

74.8

ANA Cargo

17.6

114.3

83.0

82.6

79.0

OCS

12.4

75.0

79.9

78.1

87.1

ANAシステムズ

17.3

109.1

82.2

81.8

61.1

ANAケータリングサービス

7.1

100.0

60.4

75.8

79.0

ANAテレマート

87.5

100.0

97.4

95.6

126.0

ANA X

28.2

116.7

83.1

82.7

65.7

ANAあきんど

19.8

100.0

74.2

74.2

全日空商事

40.3

91.7

75.2

72.3

32.1

ANAフーズ

12.9

100.0

64.0

79.2

70.2

ANA FESTA

79.2

100.0

92.5

82.6

100.2

ANAビジネスソリューション

43.5

100.0

81.8

83.2

85.8

ANAスカイビルサービス

13.7

80.0

69.4

79.8

68.5

 

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3.労働者の男女の賃金の差異については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示しています。

4.ANAグループ合計の対象会社は、連結子会社欄に記載のある27社です。

5.全日本空輸およびANAウイングス、Peach Aviationについては、男性の平均年齢が女性に比べて高いことや、相対的に賃金が高水準である運航乗務職の男性割合が高いこと等が要因で、全体的に男女の賃金の差異が大きくなっています。

  男女賃金差異縮小のため、従業員の育児や介護等と仕事との両立、一人一人の多様な働き方を支援する制度の整備と職場の意識醸成を進め、選択肢を増やすことで、社員が長く働ける環境づくりを推進して参ります。

 

<参考①>全日本空輸 男女・職種別 人員構成比(全体に占める割合)・平均年齢

(2025年3月時点 日本雇用社員 休職者・出向派出社員等を含む)

 

     ※ 人員構成比および平均年齢は小数点第一位を四捨五入しています。

 

<参考②>全日本空輸㈱ 職種別 男女賃金差異・平均年齢・人員構成比

(2025年3月時点 日本雇用社員 休職者・出向派出社員等を含む)

 

6.対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2025年4月1日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2024年4月1日から2025年3月31日です。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

 当社グループは、航空事業を中核として「ヒトとモノの移動」で社会に貢献し、将来にわたり社会から必要とされる企業として価値を生み出し続けていくために、グループの垣根を越えたグローバルかつ長期的な視点で「環境」「社会」「ガバナンス」に配慮したサステナビリティ経営を推進しています。

 航空事業をはじめとするグループが営む事業活動を通じて、経済的価値を生み出すことに加え、社会課題の解決に寄与し、社会から必要とされる価値を同時に生み出すことにより、持続的な企業価値向上を目指していきます。そのために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)は、「環境」「人(人財・DEI・人権)」「地域創生」であると考えています。

 

① ガバナンス

 サステナビリティに関する様々な課題への対応については、ANAホールディングス代表取締役社長を総括、ESG経営推進の最高責任者であるチーフESGプロモーションオフィサー:CEPO(グループリスク&コンプライアンス担当役員)を議長とし、当社およびグループ会社の取締役・執行役員、ならびに当社常勤監査役を委員とする「グループESG経営推進会議」にて、重要方針や施策について議論すると共に、目標に対する進捗のモニタリング等を年2回以上(2024年度実績で年4回)行っています。また、経営戦略に関わる重要な課題は、「グループ経営戦略会議」にて議論、審議し、「取締役会」に上程しています。取締役会は、サステナビリティに関する課題への対応を含むグループ全体の経営方針や目標を定めつつ、グループ各社の経営および業務執行を監督する役割を担っています。詳細は第4-4「コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。

 

 ANAグループでは、社外有識者の皆様との定期的な対話から、最新の社会要請や関心の変容等をタイムリーに把握すると共に、事業や社会におけるインパクトを評価し、経営戦略に取り入れた上で取り組みに反映しています。

 

 グループ各社にESG経営推進の責任者およびグループESG経営推進会議のメンバーとしてESGプロモーションオフィサー(EPO)、組織のESG経営推進の牽引役としてグループ各社・各部署にESGプロモーションリーダー(EPL)を配置し、取締役会、グループ経営戦略会議、グループESG経営推進会議で議論・決議・報告された事項は、EPOならびにEPLとの密接な連携のもとにグループ全体で共有、実践されます。EPLに対しても、年2回のEPL会議を通じて、包括的に情報を共有すると共にグループ各社・各部署における取り組みの促進につなげています。

 

 また、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、ESG経営の推進状況を客観的かつ多面的に把握する目的で「CO2排出量」や「ESG外部評価」等の評価指標を設定し、役員報酬にも反映させています。

 

 

② リスク管理

リスクマネジメント体制

 取締役会で決定された方針のもと、当社グループにおけるリスクマネジメントに関する基本事項を規定した「ANAグループ・トータルリスクマネジメント規程」に基づき、グループESG経営推進会議にて施策の進捗のモニタリングを行っています。

 グループ各社においては、ESGプロモーションオフィサー(EPO)をESG経営推進の責任者、ESGプロモーションリーダー(EPL)をESG経営推進の牽引役として、リスクマネジメント体制を構築しています。サステナビリティに関するリスクについても、トータルリスクマネジメントの仕組みの中で取り扱っています。

 

トータルリスクマネジメントの仕組み

 グループ各社において、リスクの極小化を目的としてリスクマネジメントサイクル(リスクの洗い出し→分析→評価→対策の検討・実施→モニタリング)の仕組みを構築しています。

 グループ各社で、毎年事業ごとにリスクアセスメントを実施することにより洗い出された重要なリスクについては、レビューすると共に、グループ全体で取り組むべきと判断されたサステナビリティに関するリスクを含む課題については、グループ総務部等が中心となって対策を講じ、その進捗をグループESG経営推進会議で報告しています。また、グループ全体の方針や戦略に反映させる必要があるものは、取締役会に対して上程しています。

 

(2)重要課題1 環境

 当社グループでは「ANAグループ環境方針」を掲げ環境負荷低減に取り組んでいます。

 具体的には、「2050年長期環境目標」を設定し、2050年度までのカーボンニュートラル(実質CO2排出量ゼロ)を宣言するとともに、その道筋として「2030年中期環境目標」を設定しています。

 2050年度カーボンニュートラルを実現していくために設定したトランジション戦略に基づいて、SAFの活用を中核とする4つの戦略的アプローチ(運航上の改善・航空機等の技術革新、SAFの活用等航空燃料の低炭素化、排出権取引制度の活用、ネガティブエミッション技術の活用)を組み合わせ、経済合理性との両立も追求しながら環

境負荷の低減に向けた取り組みを続けています。

 

・TCFD提言およびTNFD提言に沿った情報開示

 当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures〈以下TCFD〉)提言に沿った情報開示に2019年度に賛同を表明したのに続き、2023年度には自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures〈以下TNFD〉)提言に沿った情報開示に賛同を表明して、それぞれのフレームワークに即した開示の充実に努めています。

1)ガバナンス

上記サステナビリティのガバナンス体制参照

 

これまで取締役会に上程・報告された気候変動と生物多様性に関する事案(例)

・中長期目標の策定、年度実績

・TCFD提言に沿った情報開示

・TNFD提言に沿った情報開示

・2050年カーボンニュートラル実現に向けたトランジション戦略の策定

・中期経営戦略への気候変動への対応の組み込み

・気候変動問題への取り組みに関する進捗

 

 

2)リスク管理

 取締役会で決定された基本方針に則って定められた「ANAグループ・トータルリスクマネジメント規程」に基づき、「グループESG経営推進会議」にて基本方針の立案・発議、進捗のモニタリングを行っています。

※ リスクマネジメント体制については、上記サステナビリティに関するリスクマネジメントの体制図参照

3)戦略

 気候変動が当社グループ航空事業に与えるリスクと機会を特定し、収入および費用へのインパクト評価および対応策の検討を目的として、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)および国際エネルギー機関(IEA)による4℃と1.5℃のシナリオに基づき、シナリオ分析※を実施しました。

※ 詳細はウェブサイト(https://www.ana.co.jp/group/csr/environment/goal/pdf/img_10_2305.pdf)参照

 当社グループは、生物多様性の保全を重要な経営課題として「ANAグループ生物多様性方針」を制定しています。生物多様性と自然について、当社が事業活動を通して与えている影響と事業活動が依存している関係を分析し、自然関連のリスクと機会の適切な評価・管理に努めています。TNFD提言に沿った初期的な情報開示を行いました。

 

4)指標と目標

CO2排出にかかわる「ANAグループ中長期環境目標」

 

2030年度目標

2050年度目標

2019年度

CO2排出量

CO2排出量の削減

航空機

実質10%以上削減(2019年度比)

消費燃料の10%以上をSAFに置き換え

実質ゼロ

1,233万トン

航空機以外

33%以上削減(2019年度比)

実質ゼロ

10.5万トン

 

 

(3)重要課題2 人(人財・DEI・人権)

 当社グループの価値創造の源泉は、航空に関する高い専門性やお客様に笑顔と喜びを届けようとする想いを持つ

社員の「人の力」と、互いに連携・協力して成果を生み出す「チームワーク(組織の力)」であると考えています。

 主力の航空事業において、安全性・定時性・快適性などで高い品質・サービスを提供し競争優位を確立するに

は、高度の専門性を備えた様々な職種の従業員が、個々のスキルとチームワークを発揮することが極めて重要で

す。ANAでは、これら「人の力」と「チームワーク(組織の力)」を推進した結果、高品質なサービス提供やグローバルカスタマーのニーズを踏まえた継続的なサービス改善が高く評価され、英国SKYTRAX社からサービス品質において最高評価となる「5スター」に12年連続で認定されました。また、米国の非営利団体APEXから高品質なサービスの提供が評価され、最高評価となる「WORLD CLASS」を初受賞し、米国のAir Transport World誌からは優れた業績と先進的なサービスが評価され、「2025 Airline of the Year Award」を受賞しました。

 今後も人的資本への投資をより一層強化しながら、「人の力」と「チームワーク(組織の力)」の最大化を図るこ

とを通じて、持続的な企業価値向上を目指します。

 また、「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」の推進では、持続的成長を担う人づくり

と、お客様の多様性への対応の両面から、グループ全体で取り組みを進めています。

 当社グループの事業を進める上では様々なステークホルダーの「人権」に影響を及ぼす可能性があります。グル

ープ従業員の人権はもとより、サプライチェーン上における人権尊重へも適切に対応していきます。

 

 

① 人財

1)人財への投資を起点とした価値創造サイクル

 人財はANAグループの最大の資本です。従業員一人ひとりの価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上(社会的価値・経済的価値)につなげることを目的に、人財への投資を起点に、さらなるエンゲージメント向上を図りながら生産性を向上させていきます。人財戦略の各種取組みを強化することで、価値創造サイクルの確実な循環を目指します。

 

「ANAグループの価値創造サイクル」

 

2)人的資本を高めるための施策

 ANAグループでは経営戦略と人財戦略の連動を図りながら、人的資本を向上させるための様々な取り組みを行っています。経営戦略を実現する上での人・組織に関わる課題、および社員意識調査の分析に基づいた課題の双方に対応すべく、下記の4つの重点施策を実行しKPIの達成を目指すことを通じて、経営戦略の実現可能性を高めていきます。

 

3)指標および目標(ANAグループ社員意識調査「ANAs Way Survey」)

 当社グループでは、人財戦略の達成度を上げるため「社員意識調査」を毎年実施しています。この調査は「ANAs Way」に掲げる「安全」、「お客様視点」、「社会への責任」、「チームスピリット」、「努力と挑戦」の5項目や「エンゲージメント」に関わる設問を含む68問で構成されています。2024年度はグループ従業員36,876名が回答(回答率94.8%)し、全設問の平均スコアは3.98(5点満点)と高い水準を維持しました。「私はANAグループで働いていることを誇りに思っている」のスコアが4.11となる等、従業員が会社に対して高い愛着心を持ちながら働いていることも当社グループの経営基盤となっています。

 

 

 

2023年度実績

 

2024年度実績

 

2025年度目標

(KPI)

(a)全体指標

 

 

 

 

 

 

全設問平均スコア

 

3.96

 

3.98

 

4.03

(b)エンゲージメント関連指標

 

 

 

 

 

 

「私はANAグループで働いて

いることを誇りに思っている」

 

4.05

 

4.11

 

4.09

「私は今の仕事にやりがい・

達成感を感じている」

 

3.80

 

3.86

 

3.88

「私は、ANAグループの将来について期待を持っている」

 

3.87

 

3.93

 

3.91

 

4)人的資本の最大化による価値創造(価値関連性分析)

 グループ内で展開する人財施策やグループ社員の活躍が売上・利益・株価指標などの財務価値や企業価値を生み出すことを、定量・定性の両面から見える化することによって、人的資本を基軸とした価値創造ストーリーに対するステークホルダーの共感を高めるとともに、社員のエンゲージメント向上と価値創造ストーリーの理解に基づく更なる行動の推進を目的として「Human Capital Story Book」を発行しました。人財にかかわるグループ内の施策が、どのような価値の連鎖を経て経済的価値の創出に結びつくのかについて、520種類の指標データの相関分析により検証しており、その結果、チームワークの醸成や現場における専門スキルの向上などが、基本品質や生産性の向上、お客様の喜びを通じて、売上・利益・株価などの経済的価値に連関していることが定量的に証明されました。

※分析実行:アビームコンサルティング株式会社 Digital ESG Platform

 

ANA Group Human Capital Story Bookより

(参照:https://www.ana.co.jp/group/csr/human_resources/pdf/human_capital_202503.pdf

 

 

② DEI(多様性、公正性、受容・共生)

 当社グループは、大きく変化するグローバル環境において、よりよい社会と豊かな生活に貢献し、持続的な成長と価値創造の実現を目指しています。そのために従業員一人ひとりの個性や強みを活かし、いきいきと働けるインクルーシブな職場作りに取り組んでいます。その進捗状況を可視化し、指標に基づいた課題抽出と対応策を実施していきます。

ジェンダー平等

 意思決定の場における多様性を確保するため、人事サポート制度の見直しや能力開発・意識醸成を進めています。

[KPI]2020年代の可能な限り早い時期に当社グループの女性役員・女性管理職比率を30%以上とする。

(2025年4月 女性役員比率   当社グループ 12.2%、ANA 25.5%

       女性管理職比率 当社グループ 21.6%、ANA 21.0%)

 ※ANAホールディングス、マネジメントルール適用会社38社 計39社

 ※日本国内の運用

LGBTQ+

 「多様な性(LGBTQ+)の尊重」に関する基本ポリシーに基づき、従業員がその性的指向や性自認に関わらず、いきいきと働くことが出来る環境整備と職場の理解促進に取り組んでいます。2023年度にはアライ※活動をスタートし、約550名の社員がアライメンバーとして意識醸成活動に取り組んでいます。

※アライ:性的マイノリティのおかれた環境に関心を持ち、自ら理解を深めて支援する人のこと

多様な働き方(両立支援)の推進

 従業員の育児や介護等と仕事との両立、一人一人の多様な働き方を支援する制度(短時間・短日数勤務、リモートワーク、事由を問わないサバティカル休暇など)の整備と職場の意識醸成を進めています。2023年度からはこれまで一部の会社で導入されていた3日間の育児休暇制度をグループ全体に展開し、男性の育児参画を促進することにより社員や家族の生活と充実した人生のサポートに取り組んでいます。

[KPI]「育児休暇制度(3日間)」対象男性社員の休暇取得率100%(2024年度 101.8%)

        育児休職(休業)制度について1カ月以上取得することを推奨

※ANAホールディングス、マネジメントルール適用会社38社 計39社

※日本国内の運用

障がい者雇用の推進

 2015年に障がい者雇用に関わる行動規範「3万6千人のスタート」を策定し、グループ全体で障がい者雇用に関わる理解促進を図っています。

[KPI]2025年のグループ全体の障がい者雇用率2.80%(2025年3月 2.74%)

※連結決算対象の日本法人子会社、かつ障害者雇用率制度適用となる会社 計40社

※日本国内の運用

③ 人権尊重

 当社グループでは、「2023-2025年度ANAグループ中期経営戦略」において「サプライチェーン上の人権尊重の徹底」を中核的な取り組み項目とし、推進していくことを掲げています。

 空港ハンドリング等にかかわる当社グループの協力会社では多数の外国人が就労しています。これらの方たちに適正な労働環境で働いてもらうため、定期的に労働状況調査や本人へ直接インタビュー等を実施し、リスクを検知した場合は、その予防・軽減・管理のための取り組みを実施します。

 また、国際線航空機を利用した違法な人身取引の防止を徹底することを目的に、全客室乗務員に対しての人身取引防止に関わる教育や、官民連携での業界としての取り組みも実施しています。

 これらの人権尊重に関わるグループの最新の取り組みは、当社のホームページに開示しています。

 

(4)重要課題3 地域創生

① 基本的な考え方

 地域創生は、地域の人口減少や少子高齢化、経済の縮小などの課題を克服し、将来にわたって地域が成長することを目指しており、航空運送事業を中核とする当社グループの持続的な成長を実現するために必要不可欠な取り組みです。

 当社グループでは地域創生事業を担うANAあきんど㈱を主管に、グループ各社が持つソリューションや顧客基盤を活用した「観光振興」「産農振興」「ふるさと納税」領域を軸に、地域課題を解決しながら、ヒト・モノ・コトの新たな出会いや繋がりを創出し、地域のファンを増やすことにより交流人口や関係人口の拡大に繋げる取り組みを推進しています。

 これまでに航空事業や旅行事業で築いた地域との信頼関係をもとに、「社会的価値」と「経済的価値」を同時に追求しながら、持続可能な社会の実現と企業価値の向上につなげていきます。

② ANAグループが解決したい地域課題

交流人口・関係人口の拡大

・観光誘客の支援/観光素材等の磨き上げ/旅行商品の開発/地域外の人を呼び込む取り組み/デジタル分野の取り組み

地域産品の販路拡大

・第一次産業や地域事業者等の支援/地域資源を活かした商品やサービス開発・物流支援・販路拡大

地域外へのプロモーション・認知拡大

・国内外メディアやANAウェブサイト、SNSを通じた情報発信/機内誌などANA独自の媒体を活用した情報発信

地域の受入体制の環境整備

・地域のDX推進/ANAのノウハウを活かした人材研修/観光人材の育成

 

詳細はウェブサイト(https://www.ana.co.jp/group/solution/tiiki_portal/)参照

 

③ 推進体制

 これらを推進すべく、ANAあきんど㈱にグループ全体の地域創生を推進する専門チームを設置し、グループの連携力をさらに強化する体制で地域課題の解決を目指します。ANAグループ各社が参加する「グループ地域創生会議」に加え、各社の担当役員で構成する「グループ地域創生ステアリング会議」を継続し、グループ会社連携による新たな価値創造を進めています。