事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 1,302 | 100.0 | 217 | 100.0 | 16.7 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社㈱ケアサンクで構成されております。当社は、ビジョンとして「高齢者が笑顔で居る未来を堅守する」を掲げ、家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会の実現を目指しております。また、事業を通じて、介護家族(※1)が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう、「介護家族にとって、シニアホーム(※2)の利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指し、「家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会」の創出に貢献してまいります。
※1 介護家族とは、介護を必要とする人を介護する家族などのケアラー(介護を必要とする人を無償でケアする人)をいう。
※2 シニアホームとは、当社が主に紹介する有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅及びグループホームをまとめて示す表現をいう。
(1)当社概要
当社は、介護家族が被介護者の心の介護に寄り添うことを実現するため、シニアホームの検討・選択に必要な情報を基に、適切な情報の入手が困難なためにシニアホームへの入居を躊躇したり、諦め(あきらめ)たりしている介護家族に対し、シニアホームの紹介サービスを提供する「シニアライフサポート事業」を主たる業務として展開しております。
さらに、介護家族が被介護者の心の介護に寄り添うことに加え、シニアホームが自らの強みを伸ばしサービス向上を行い、また、サービスの質の高いシニアホームを世の中に増やすことを目的として、ケアプライム事業を展開しております。
当社の創業者である榎並将志は、不動産業の延長として「高齢者施設事業」への参入を検討しておりました。そのため、2010年9月に株式会社トータルプロデュースを設立いたしました。株式会社トータルプロデュースにおける介護現場での研修をきっかけに、2012年1月、「戦前戦後の物資に困窮する時代を経て、現在の豊かで安全なわが国を作り上げた先人の努力に恩返しをしたい」との想いから、入居対象者(※3)一人ひとりに理想的な終の棲家を紹介する施設マッチングを行うシニアホーム紹介業に本格的に参入することを目的として、現在の社名である株式会社笑美面へ社名変更をしております。
その後、シニアホームへの入居を検討する介護家族が必要とする情報の整備と、相談員(以下、「コーディネーター」という。)の育成により、シニアホーム紹介のプロフェッショナルとしての立ち位置を確保し、シニアライフサポート事業におけるシニアホーム紹介サービスにおいては、紹介できるシニアホームの数が2024年10月には、9,914ホームとなっております。さらに、入居対象者の紹介を行っているシニアホームに対して、入居対象者及び介護家族視点でのニーズを伝え、シニアホームのクオリティを高めるべく、2021年7月には、シニアホームに対する情報提供サービスを行う「ケアプライム事業」を立ち上げました。2023年3月には、成長戦略の1つであるシニアホーム運営事業者向け プラットフォーム「ケアプライムコミュニティサイト」をリリース。中・小規模の運営事業者が大半を占める介護業界において、課題とする情報の非対称性を解消すべく様々なサービス・ソリューション情報をお届けするプラットフォームは、世の中のシニアホームの質が向上することで「介護家族にとって、 ホーム介護の利用がポジティブ/当たり前になっている状態」の実現を目指す当社にとっては、 必要不可欠なサービスであると考えております。多くのホーム情報とノウハウを持つからこそ、入居ニーズの紹介に加え、各々のホームに最適な開設・改善コンサルティングや、 拡張性あるプラットフォームビジネスで、インパクト企業として経済価値と社会価値の共創を実現してまいります。
※3 入居対象者とは、シニアホームへ入居する高齢者、利用者をいう。
(2)サービス概要
当社は、シニア関連サポート事業の単一セグメントでありますが、シニアライフサポート事業として「シニアホーム紹介サービス」、ケアプライム事業として「シニアホーム運営コンサルティング」の2つのサービスを提供しております。
(a) シニアライフサポート事業
シニアホーム紹介サービスとして、介護を必要とされる方を優先に対面サービスによるマッチングサービスを提供しており、入居対象者をシニアホームに紹介することで、対価としてシニアホーム運営事業者から入居のタイミングで紹介手数料を受領しております。
また、当社のコーディネーターがシニアホームへ直接足を運ぶなどして得たシニアホームの詳細情報を元に、シニアホームへの入居を検討する入居対象者・介護家族に当事者の身体状況や家庭の事情に適したシニアホームを紹介し、入居までのサポートを無料で行うことで、入居検討者(※4)の不安・負担を軽減しております。
入居対象者に関しては、患者の早期退院問題に取組む病院のメディカルソーシャルワーカー(※5)(以下、「MSW」という。)と高齢者の在宅介護を支援するケアマネジャー(※6)(以下、「CM」という。)をシニアホーム探しの“紹介パートナー”として捉え、継続的なご紹介をいただいております。
※4 入居検討者とは、入居対象者とその介護家族(介護を必要とする人を介護する家族などのケアラー(介護を必要とする人を無償でケアする人))をいう。
※5 MSWとは、保健医療機関等において患者や家族の相談にのり、社会福祉士の立場から経済的・心理的・社会的問題の解決、調整、社会復帰を支援する専門職をいう。
※6 CMとは、要介護認定申請の代行及び認定調査やケアプランの作成、各サービス事業者との連絡調整を行うために必要となる専門資格をいう。
〔サービスの特徴〕
シニアホーム紹介サービスは、「専門性」、「中立性」、「シニアホームを探す入居対象者を紹介いただく紹介パートナー」、「幅広いシニアホーム・MSWとの連携」を軸としております。
(イ) 専門性
シニアホームの紹介の“プロフェッショナル”として、コーディネーターが入居対象者一人ひとりに最適なマッチングを提供できるよう努めております。当該サービスの提供のためには、医療・介護の専門性、マッチングサービスの理解度やコミュニケーション能力などを有する人材の確保が必要となります。今後、コーディネーター数の増加を見据え、組織的な成長を目指すために、Salesforce.com,Inc.が提唱するSales Enablement(※7)を導入し、営業活動の最適化・効率化に向けた育成体系化を行っております。具体的には、成功ナレッジ(以下、「知恵袋」という。)を5~10分程度の動画にして、新人を含めた全コーディネーターが反復視聴することで、育成効率化に繋がり、リモートワーク体制にも適した環境整備をしております。さらに、Salesforceを活用し、全コーディネーターが自身の知恵袋を発信できる環境を作り、継続的なオペレーションの進化を行っております。
当社が提供するシニアホーム紹介サービスは、介護や医療などを必要とする入居対象者の生活に係わる仕事でもありますので、エリアごとにチーム制を導入し、複数人で対応できるバックアップ体制を構築し、入居検討者へのサポートをトータルで行っております。
※7 Sales Enablementとは、営業組織を強化・改善するための取組み。営業研修や営業ツールの開発・導入、営業プロセスの管理・分析といったあらゆる改善施策をトータルに設計し、目標の達成状況や各施策の貢献度などを数値化し、数値分析により、営業活動の最適化と効率化を目指す取組みをいう。
(ロ) 中立性
「中立性」(=意思決定の主体者は入居検討者であり、当社は意思決定に向けたサポートの実施)を重要メッセージとして全コーディネーターの活動指針としております。すべての入居対象者を支援することを経営アイデンティティとし、生活保護受給の入居対象者や介護保険対象外の入居対象者など、シニアホームからの手数料収入が低い入居対象者に対しても、当社はすべての相談に対応することとし、身体状況やニーズに合ったシニアホームへの紹介を最優先としております。
(ハ)シニアホームを探す入居対象者を紹介いただく紹介パートナー
入居対象者のシニアホーム探しの課題として、在宅介護を受けられている入居対象者には担当するCMがついており、また、病院に入院されている入居対象者にはMSWが退院調整を行っておりますが、CMにとってはシニアホームの紹介は職責外の業務になり、また、MSWについても退院後のシニアホーム探しは、職責の業務となるものの、そのために必要な情報へのアクセスには限りがあり、転院調整等の他の業務の多忙さから、時間がかけきれない等の現状があります。そのため豊富なシニアホーム情報を有しており、入居ノウハウを持つ当社が、入居対象者を支援されている紹介パートナーであるMSWやCMなどへ直接営業を行い、シニアホーム探しの支援をしております。
また、紹介パートナーからご相談をいただいた際に、きめ細やかな対応と報連相による業務負担軽減になるように対応することで、継続してシニアホーム探しが必要な入居対象者の情報を紹介いただく仕組みを実現しております。紹介パートナーに対してのきめ細かい対応、報連相のタイミングなどは属人的な部分を排除するために、マニュアル化し、新人を含めた全コーディネーターのサービス均質化に向けた研修を実施しております。
(ニ) 幅広いシニアホーム・MSW(病院に在籍)との連携
提携している9,914(2024年10月末時点)のシニアホームと連携し、コーディネーターが入居対象者をシニアホームに紹介できるようにしております。提携シニアホームの運営事業者からの紹介手数料を財源とする仕組みにより、入居検討者に無料でサービスを提供しております。また、入居対象者の入居ニーズを把握するMSWとの連携を通じ、入居検討者のニーズを効率的に汲み取ります。
〔収益構造〕
シニアライフサポート事業の収益構造は、シニアホーム運営事業者へ介護を必要とされる方を優先に紹介し、対価としてシニアホーム運営事業者から入居のタイミングで紹介手数料を受領しております。シニアホーム運営事業者は一般的に広告などを出し入居者を募集しておりますが、当社が紹介することによりその費用が抑えられるため、当社が紹介手数料を受領しても、入居された入居対象者の家賃が値上がりする等の不利益はありません。
介護を必要とされる入居対象者を直接支援されているMSW及びCMへ直接営業を行っているため、当社の営業収益は以下の算式により算出されます。また、一律対面サービスによるマッチングサービス(※8)を提供しており、仕入原価が発生せず、一般の入居検討者集客のためのリスティングや媒体広告などの広告宣伝費も発生しないため、主に発生するコストは、人件費コストとなる収益構造となっております。
営業収益 = 成約数( (1) 紹介数(※9)× (2) 成約率(※10))× (3) 1室当たり手数料単価 - (4)返金額
なお、上記の算式のそれぞれの変数への対応は以下のとおりであります。
(イ) (1)の紹介数について
MSW等からの紹介数の増加に向けて、エリアごとにチーム体制を敷くことで地域の特性情報を蓄積しつつ、紹介の中でも重要視する病院に在籍するMSWからの紹介数を促進するため病院開拓の型及びMSWの横展開の型をマニュアル化し、営業活動を推進しております。初回のサービス提供の満足度を高めることで、2回目以降は営業工数をかけずとも反復して案件の紹介をいただいております。
また、口コミで病院内の別のMSWからも相談をいただくことができ(横展開)、MSWからの紹介数向上の重要ポイントと認識しております。
(ロ) (2)の成約率について
成約率の向上に向けて、コーディネーター人材の採用、入社後のSalesforceシステムを活用した約400本(2024年10月末時点)を超えるナレッジ動画の反復視聴を推進することで、均一なサービス水準を保ちつつ成約率向上を目指しております。特に、当社の強みとして、社内でオペレーショナル・エクセレンス(※11)の定着を発信し、新人コーディネーターの育成体系化を行うことで、早期立ち上がりを重要視しております。
(ハ) (3)の一室当たり手数料単価について
一室当たり手数料単価の向上に向けて、当社平均単価を下回らないシニアホーム提携及びシニアホーム運営事業者の担当者との連携頻度を高めることで、入居検討者に価値のある最新の空室情報及びシニアホームの情報の蓄積を推進しております。
(ニ) (4)の返金額について
シニアホーム運営事業者と入居者の紹介に関する契約を締結する際、入居者がシニアホーム入居後、早期にご逝去や再入院等により退去となる場合もあり、紹介手数料の返金条項を定めるケースが多くなっております。主に3か月以内に退去となった場合において、入居日数に応じた返金が発生する場合があります。その場合は、シニアホーム運営事業者から取得した退去情報を基に、社内において情報を精査したうえで、契約に基づき返金を行っております。
※8 対面サービスによるマッチングサービスとは、お客様と直接お会いする「Face to Face(対面式)」 等でお客様のご要望などをお伺いし最適な情報を提案するサービスをいう。
※9 紹介数とは、MSW等からの入居検討者の紹介数をいう。
※10 成約率とは、「スマイル数(※12)/紹介数×100」で算出した値をいう。
※11 オペレーション・エクセレンスとは、現場で徹底的にオペレーション(業務の管理や実行過程)を改革することで、競合優位性の獲得を目指す考え方をいう。
※12 スマイル数とは、シニアホーム入居に至った入居対象者数(成約数)をいう。
(b) ケアプライム事業
シニアホーム運営コンサルティングに係るサービスとして、地域に優良なシニアホームを増やすことを目的に、シニアライフサポート事業において蓄積された入居検討者の要望・ニーズに関する情報を提携シニアホーム及びシニアホーム運営事業者に提供することで、シニアホームのサービス向上の促進に繋げております。
〔サービスの特徴〕
(イ) シニアホーム新規開設コンサルティング
シニアホーム運営を検討されている土地オーナー等と、シニアライフサポート事業の取引先であるシニアホーム運営事業者をマッチングすることで、質の高いシニアホームを増やすことを目指しております。
(ロ) ケアプライムコミュニティサイト運営
シニアライフサポート事業で蓄積された有益な情報提供を行うため、2023年3月にプラットフォーム「ケアプライムコミュニティサイト」をリリースいたしました。(登録数2024年10月末時点:7,540ホーム)。
シニアホーム運営事業者に対し、運営シニアホーム単位で入居検討者が見学や入居に至らない理由などを共有することで気付きの機会を提供し、現場からより良いシニアホームへと変えていくため、シニアホームの経営力・運営力強化をサポートし、質の高いシニアホームを増やすことを目指しております。
「ケアプライムコミュニティサイト」(シニアホーム運営事業者との情報連携サイト)は、主に運営事業者の責任者が自社の運営シニアホームへのお客様紹介に関わる情報取得、入力等ができるサイトになっております。その得られた情報をデータベースに蓄積していくことで、シニアホーム情報を入居検討者に提供し、シニアホームには「ケアプライムコミュニティサイト」を介して入居検討者の声を共有しております。さらに、シニアホームのサービス品質向上に資する商品・ソリューションを提供する“他”事業者の広告掲載(有償)を開始し、ホーム入居に関わる情報の取得・管理ツールから、ホーム運営に欠かせないプラットフォームへの第一歩を踏み出しました。ネットワーク構築が困難な中・小規模の運営事業者をメインに、これまで築いた意思決定者とのネットワークを活かし、介護家族が安心できるホームの増加に向け、集客力向上と運営力向上に寄与する情報提供するプラットフォーマーとしてのソリューション拡充を推し進めてまいります。
〔収益構造〕
シニアホーム運営コンサルティングに係る主なサービスの収益構造は以下のとおりであります。
(イ)シニアホーム新規開設コンサルティング
シニアホーム開設を検討しているシニアホーム運営事業者と土地のオーナー等又は土地活用提案を行っている建築事業者にシニアホーム運営事業者の情報を提供し、シニアホーム運営事業者との間でシニアホーム開設が決まった時点で、主にシニアホーム運営事業者より情報提供による紹介料及びコンサルティング料を受領しております。
(ロ)ケアプライムコミュニティサイト運営
シニアホームのサービス品質向上に資する商品・ソリューションを提供する他事業者の広告掲載(有償)を提供しております。
[事業系統図]
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産は1,128,595千円となり、前事業年度末に比べ339,911千円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上に伴う現金及び預金170,464千円の増加及び営業収益の増加に伴う売掛金122,524千円の増加によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は407,972千円となり、前事業年度末に比べ83,677千円増加いたしました。これは主に人員の増加に伴う未払費用25,156千円の増加、人員や拠点オフィスの増加に伴う未払金19,494千円の増加及び未払消費税等21,001千円の増加によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は720,622千円となり、前事業年度末に比べ256,233千円増加いたしました。これは主に当期純利益を計上したことに伴う利益剰余金179,646千円の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、国内経済は緩やかな回復基調にあります。一方で、不安定な国際情勢を背景とする原材料価格の高止まりは継続しており、物価上昇や中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
介護業界におきましては、在宅介護を担う介護家族の介護負担状況は、ビジネスケアラー約318万人(※1)、老老介護約200万人(※2)、ヤングケアラー約32万人(※3)に達するなど、在宅介護を担う介護家族への支援は不十分な状況にあります。また、シニアホームの入居検討においては、適切な情報収集が困難なためにシニアホーム入居に対する誤解等により躊躇や諦めが起こっているケースもあり、介護する側の介護家族においても共倒れのリスクをはらんでおります。
※1 2030年予測経済産業省「新しい健康社会の実現」(令和5年3月)より抜粋。
※2 2030年予測65歳以上の要介護認定者数(厚生労働省「介護保険事業状況報告」(令和5年5月分))に、同居介護率及び同居介護内に占める当該割合(厚生労働省「国民生活調査」(令和4年))を乗じ試算。
※3 文部科学省「令和4年学校基本調査」における中学生・高校生の生徒数に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「ヤングケアラーの実態に関する調査報告書」における世話をしている家族がいる率を乗じ試算。
このような環境のもと、当社は介護家族の負担を軽減すべく、介護家族が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう「介護家族にとって、シニアホームの利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指し、当社コーディネーターによる「家族会議」を経て最適な入居支援を無料で行う「シニアホーム紹介サービス」と、安心して入居できる質の高いシニアホームを増やすため「シニアホーム運営コンサルティング」の継続的なサービス提供に努めてまいりました。
2024年10月期の実績においては、病院に在籍する退院支援等を担うメディカルソーシャルワーカー(МSW)からの「紹介数」が8,401件(前期比29.9%増)、介護家族にとって納得あるシニアホーム選びに欠かせない「家族会議実施数」は6,330件(前期比92.1%増)、入居成約数である「スマイル数」は3,550件(前期比49.1%増)とそれぞれ拡大いたしました。プラットフォームサイト登録数においては、2024年10月期計画6,000ホームに対し7,540ホームまで登録が進み、通期計画を大幅に超過いたしました。当社は、社会課題解決を加速させるため、コーディネーターのオンボーディング進展及び組織的な営業力の強化を進めてまいりました。
以上の結果、営業収益は1,301,646千円(前年同期比59.9%増)となりました。
営業費用は、主に人件費や営業に係る旅費交通費等の増加により1,084,839千円(前年同期比55.1%増)、営業利益は216,807千円(前年同期比89.1%増)、経常利益は213,804千円(前年同期比は118.4%増)、当期純利益は179,646千円(前年同期比69.5%増)となりました。
なお、当社は、シニア関連サポート事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ170,464千円増加し、761,025千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、158,142千円(前事業年度は104,832千円)となりました。これは主に税引前当期純利益213,804千円の計上、未払費用の増加額25,156千円による増加の計上及び売上債権の増加額122,524千円による減少を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、44,614千円(前事業年度△9,364千円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出11,008千円の計上、関係会社株式の取得による支出10,000千円の計上及び敷金及び保証金の差入による支出13,971千円の計上によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、56,935千円(前事業年度303,108千円)となりました。これは主に株式の発行による収入76,780千円を計上したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をサービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、シニア関連サポート事業の単一セグメントでありますが、シニアライフサポート事業として「シニアホーム紹介サービス」、ケアプライム事業として「シニアホーム運営コンサルティング」の2つのサービスを提供しております。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
a.財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(営業収益、営業費用、営業利益)
当事業年度における営業収益は、1,301,646千円(前年同期比59.9%増)となり、前事業年度と比較して487,358千円の増収となりました。これはシニアホーム紹介サービスにおいて、シニアホームへの紹介者数が増えたことにより、シニアホーム運営事業者から受領する入居者紹介手数料が堅調に増加し1,099,012千円(前年同期比60.7%増)になったこと、また、シニアホーム運営コンサルティングにおいて、主にシニアホーム運営事業者のシニアホーム新規開設に係るコンサルティング収入が増加したことにより199,342千円(前年同期比55.1%増)になったことによるものであります。
当事業年度における営業費用は、1,084,839千円(前年同期比55.1%増)となりました。これは主に人件費や営業に係る旅費交通費等の増加によるものであります。
その結果、営業利益は216,807千円(前年同期比89.1%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、268千円(前年同期比97.7%増)、営業外費用は、3,271千円(前年同期比80.7%減)となりました。営業外費用は主に支払利息と株式交付費の計上であります。
その結果、経常利益は213,804千円(前年同期比118.4%増)となりました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
当事業年度における特別利益及び特別損失については、発生がありませんでした。また、法人税等調整額を含む法人税等合計は34,157千円の計上となりました。
その結果、当期純利益は、179,646千円(前年同期比69.5%増)となりました。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、シニアライフサポート事業においては「MSW(病院に在籍)等からの紹介数」「家族会議実施数」「スマイル数」、ケアプライム事業においては「プラットフォームサイト登録数」をKPIとしております。
当該KPIを採用した理由は、投資家が当社の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、当社が事業成長を伴いながら、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を意図する企業として、「介護家族がシニアホーム紹介サービスと出会い、家族会議等の支援を経て、マッチするシニアホームとの出会いにより介護負担が軽減する」「シニアホームが自らの強みを認識する等、介護家族ニーズを把握する機会が増加する」このような社会変化を生み出して「ビジョン(社会インパクト)」を実現するためであり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。
各KPIの推移は以下のとおりであります。
※ 2023年3月にプラットフォーム「ケアプライムコミュニティサイト」をリリースしております。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の財政状態及び経営成績の分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」及び「②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。