リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項は、以下のようなものがあります。当社グループにおいては、事業に関連する様々なリスクを適切に管理し、事業の遂行とリスク管理のバランスを取りながら持続的成長による企業価値向上をめざしております。このため、取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント方針を制定し、全社的なリスクマネジメントを計画・実行するために「リスクマネジメント委員会」を設置しております。事業を遂行していく上で生じる可能性のある様々なリスクへ適切な対応を行うために、現状を正しく評価し、発生可能性とその影響度を分析し、リスク対策の実施等を行い、リスクマネジメントの継続的な改善に努めてまいります。
なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 事業セグメントごとの経営成績の変動リスク
当社グループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおり、各セグメントの主要なリスクは以下のとおりです。
(物流関連事業のリスク)
当社グループの主要顧客基盤は大手の食品、家電、医療分野と生活必需品となっております。しかしながら、顧客の市場環境は様々であり、市場環境に対応し各顧客の物流戦略が変わる可能性があります。その影響を受け、当社グループでの取扱量の変動による収益への影響、運営方法の変動による運営コストへの影響、また、運営拠点の見直し等、事業採算が悪化するリスクが考えられます。当社グループとしては、顧客との連携を図り顧客ニーズを速やかにとらえ、採算と顧客ニーズのバランスを考慮した提案を行うことにより、リスクの低減を図れると考えております。
(食品関連事業のリスク)
人口減少や消費者の消費性向の変動により米の消費量は減少していくことが想定されます。この市場環境の影響により競合との価格競争リスクが高まることが考えられます。一方で米の生産地における高齢化の進展と昨今の気候変動の影響により生産量が減少していくことも想定され、調達価格の変動リスクも高まることが考えられます。当社グループとしては、生産地との協業を強化していくことによって調達力を高めていくことにより、販売、調達両面での価格リスクの低減を図れると考えております。製造している商品につきましては、品質管理の徹底を目的とした「CS向上委員会」を設置し、商品管理を徹底しておりますが、万が一製品の表示や品質に問題があった場合には社会的信用の低下を招くとともに商品回収や交換、弁金等大きな損失が発生する可能性があります。
(情報関連事業のリスク)
当社グループは汎用系システムを主力事業としてまいりました。しかしながら、AI、IoT等の先端IT技術が急速に進展する中で、汎用系システム事業は一定程度の需要は見込まれるものの、技術競争力が低下していくリスクが考えられます。当社グループとしては、専門部署において先端技術をキャッチアップすると共に外部システム会社との連携を強化していくことにより、リスクの低減が図れると考えております。
(不動産関連事業のリスク)
当社グループは首都圏を中心に保有しているオフィスビルの賃貸事業を主力事業としております。しかしながら、首都圏では大型オフィスビルの供給が続いており、テナント退去による空室リスクや価格競争リスクが考えられます。当社グループとしては計画的な修繕や再開発により競争力を維持し、リスクの低減を図れると考えております。
(各事業に共通するリスク)
取引をしている顧客の属する業界の環境変化あるいは顧客独自の理由による事業の状況変化により取引を継続することができない事態になる可能性があります。また、その様な際には、突然の取引停止により損失を被る可能性もあります。
(2) 財政状態の変動について
当社グループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。また、当社グループが保有する資産について、今後経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施する必要が生じ、財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティについて
情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱いについてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合には当社グループのみならず取引先企業等への影響が予想され、当社グループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。
(4) 自然災害等について
大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、当社グループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。
(5) コンプライアンスについて
当社グループにおいては、企業の社会的使命を認識し、関係法令及び社内規程遵守の徹底により全ての企業活動が健全な商習慣と企業倫理に適合するよう、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、コンプライアンス・マニュアルを作成するとともに、行動規範、行動原則を制定しています。しかしながら、この様な活動を実施していても、関連法令、規制などに抵触する事態が発生する可能性があり、その場合には社会的信用の低下と多額の費用発生あるいは損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人財について
当社グループにとって人財は重要な経営資源であり、グループの成長のためには、人財の活用が大きな課題となります。またグループではそれぞれ異なる事業を展開しており、様々な人財を必要としております。この様な状況において、優秀な人財の採用、確保と人財の育成が出来ない場合、あるいは人財の流出等を防止できない場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、適切な労務管理ができない等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など社会的信用の低下などの問題が生じる可能性があります。
(7) エネルギー価格や外注コスト等の高騰について
ウクライナ情勢の長期化や円安の進行等によりエネルギー価格等の高騰が更に進み、長期化する可能性があります。当社グループでは、物流事業での運送事業コスト等の上昇や食品事業での製造コストの上昇、また、設備投資額の上昇等により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、物流2024年問題の顕在化等により、懸念されるドライバー不足の傾向はさらに強くなることが予想され、外注コスト等の上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは可能な限り顧客への価格転嫁を進め、また、効率的な事業運営や生産工程の効率化等により、業績への影響の低減を図ってまいります。
(8) M&A等について
当社グループでは、企業買収や出資を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業等についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収や出資後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境や競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、従来から中長期的な視点に立って事業収益の拡大と財務体質の強化を図りながら、株主の皆様への安定配当の継続を基本方針としております。また、内部留保資金は設備投資及び財務体質強化のための借入金返済資金に充当することとしております。
当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。
当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる」及び「毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。また、2024年の創業100周年に向けて、安定配当の基本方針を維持しながら株主の皆様への利益還元を強化するため、段階的に増配していく「累進配当」を行うこととしております。
このような方針のもと、2024年5月16日取締役会決議により、当事業年度末日(2024年3月31日)を基準日とする年間配当金を前事業年度の1株当たり56円00銭から9円00銭増配し65円00銭とさせていただきました。なお、2023年12月1日に中間配当として1株当たり25円を実施しており、期末配当40円については支払開始日(効力発生日)を2024年6月4日からとさせていただきます。
次期の配当金につきましては、上記方針のもと中期経営計画の最終財務目標である配当性向35%以上を踏まえ、中間配当金は1株当たり40円、期末配当金1株当たり50円を予定しており、年間配当金は1株当たり90円を予定しております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。