事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 47,295 | 77.1 | 3,185 | 78.2 | 6.7 |
中国 | 11,881 | 19.4 | 678 | 16.7 | 5.7 |
その他 | 2,202 | 3.6 | 209 | 5.1 | 9.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社及び当社の関係会社は、当社、連結子会社6社、持分法適用関連会社4社及びその他の関係会社2社で構成されております。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社、以下同じ。)は、当社、連結子会社6社及び持分法適用関連会社4社により構成されており、国際貨物輸送(船舶・航空機・自動車等の輸送手段を利用した国際貨物の輸送)とこれらに付帯する輸出入通関等、並びに検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務や物流の管理・運営を行う3PL(サードパーティー・ロジスティクス)業を合わせた国際貨物輸送事業を行っております。
(1)当社グループの事業内容
(国際貨物輸送事業)
当社グループは、自ら輸送手段(船舶・航空機・自動車等)を所有・運行せず、顧客(荷主)の需要に応じて、船会社等の実運送業者のサービスを利用し国際貨物輸送を行っております。またそれらの業者は一般的に「フォワーダー(貨物利用運送業者)」と呼ばれています。その中でも特に国際海上貨物を取扱う事業者をNVOCC(注)といい、有償で国際物品の利用運送を行う事を業としています。
さらに、当社グループの行っております国際貨物輸送事業とは、上記の国際貨物輸送に加え、これらに付帯する輸出入通関、貨物の保管・梱包、船積書類等の作成、貨物海上保険の手配、並びに検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務や従来、荷主自身が行っていた商品の調達、保管、在庫、仕分け、配送、納品といった一連の物流業務を一括して請け負う3PL業を示しております。
(注)”Non Vessel Operating Common Carrier”の略称であり、自身では輸送手段を所有せず、船会社等のサービスを利用して輸送を引き受ける利用運送事業者を指します。複合一貫輸送業者とも呼ばれます。
※コンテナの輸送形態
日本発着の国際貨物の輸送手段は船舶を利用した海上輸送、航空機を利用した航空輸送となっており、当社グループは船舶を利用した国際海上貨物の輸送を主に取扱っております。海上輸送には様々な輸送形態がありますが、当社グループは主に国際海上コンテナを利用した国際貨物の輸送を行っており、コンテナによる輸送形態には以下の2種類があります。
ア) FCL(FULL CONTAINER LOAD)輸送
単一荷主の貨物をコンテナ単位で輸送することをFCL輸送といいます。
イ) LCL(LESS THAN CONTAINER LOAD)輸送
貨物輸送業者が複数の荷主からコンテナ単位に満たない小口貨物を集荷し、それらの貨物をコンテナ単位にまとめて輸送することをLCL輸送といいます。混載輸送とも呼ばれます。
※収益の形態
FCL輸送においては、荷主から収受するコンテナ輸送運賃と船会社に支払うコンテナ輸送運賃の差額が、LCL輸送においては、複数の荷主から収受する小口(混載)貨物輸送運賃と船会社に支払うコンテナ輸送運賃の差額が、それぞれ当社グループの収益源となります。
[主な関係会社]
当 社
(日 本)
連 結 子 会 社 : 日新運輸株式会社
持分法適用関連会社 : 青島海新達国際物流有限公司
(中 国)
連 結 子 会 社 : 上海愛意特国際物流有限公司、日一新国際物流(上海)有限公司
持分法適用関連会社 : 蘇州邦達新物流有限公司、上海邦達新物流有限公司、太倉邦達新物流有限公司
(台 湾)
連 結 子 会 社 : 台湾愛意特国際物流股份有限公司
(ベトナム)
連 結 子 会 社 : AITC LOGISTICS (VIETNAM) CO.,LTD.
(ミャンマー)
連 結 子 会 社 : NISSHIN (MYANMAR) CO., LTD.
その他の関係会社 : ロジスティードホールディングス株式会社
ロジスティード株式会社 (注)1,2
(注)1.2024年3月1日付でロジスティードグループ株式会社から「ロジスティード株式会社」に商号変更されております。
2.2024年3月1日付でLマネジメント株式会社(2024年3月1日付でロジスティード株式会社より商号変更)とロジスティード株式会社(旧商号:ロジスティードグループ株式会社)間の吸収分割の効力が発生し、Lマネジメント株式会社(旧商号:ロジスティード株式会社)が保有する当社株式の全てがロジスティード株式会社(旧商号:ロジスティードグループ株式会社)へ承継されております。それにより、Lマネジメント株式会社(旧商号:ロジスティード株式会社)は、2024年3月1日付で当社のその他の関係会社に該当しないこととなりました。
〔参考〕国際海上貨物輸送の流れ
(注)「船荷証券」とは、貿易における船積書類のひとつであり、船会社やNVOCCなどの運送人が発行します。英語では”Bill of Lading”、B/Lと略されます。船荷証券は運送人が荷主との輸送契約に基づき、積地での貨物の受取及び船積みを行ったことを証明する有価証券であります。
(2)国際貨物輸送事業の特徴
当社グループの国際貨物輸送事業における取扱貨物の大部分は日中間の海上輸送貨物となっており、当社グループでは設立当初より中国沿海部各地に重点的に拠点を設置し、中国における当社グループ輸送貨物の細部にわたるフォロー及び顧客(荷主)への迅速な貨物情報の提供を行っております。なお、当社グループでは、2025年2月28日現在、中国において、上海・大連・天津・青島・蘇州・寧波・厦門・深圳等に拠点を設置しております。
当社グループが属するNVOCC業界においては、それぞれの出身母体により倉庫・通関業者系NVOCCや商社系NVOCC、メーカー系NVOCCなどが存在しております。近年の日中間貿易の拡大により、出身母体の中国進出に併せて中国への拠点展開を進めるケースが見受けられる中で、当社グループは特定の系列に属さない独立系NVOCCとして、中国において国際海上貨物輸送に特化した独自の拠点網の拡充を通じて日中間貨物輸送のノウハウを蓄積するとともに、特定の商社・メーカー等の系列にとらわれることなく、それぞれの荷主の要求に応じた幅広い貨物輸送サービスを提供することを目指しております。
当社グループでは通常の貨物輸送に加えて、以下のような付加サービスを提供しております。
①ホット・デリバリー・サービス
混載輸送は、本船の到着から小口貨物の引取りまで、コンテナの荷揚げ作業、コンテナからの小口貨物積出・仕分作業、貨物引渡しに係る各種書類の作成・受渡等の様々なプロセスを経て行われております。当社グループではこれらの各プロセスの時間短縮を図り、荷主に対して出来るだけ早く貨物の引渡しを行うサービスを提供しております。
②バイヤーズ・コンソリデーション・サービス
国内輸入者が海外同一地域の複数の輸出者から小口貨物を輸入する場合、海外の各輸出者から個別に小口貨物の輸送が行われるため、輸送コストが割高になります。当社グループでは、国内輸入者の指示に基づき、これらの小口貨物を輸出港の倉庫においてコンテナ単位に集約し、コンテナ単位の貨物として輸送を行うサービスを提供しております。小口貨物をコンテナ単位の貨物に集約することにより、国内輸入者は海上運賃・国内陸送費用等の輸送コストを削減することが可能となります。
③カーゴ・インフォメーション・サービス
海外からの輸入を行っている顧客にとって、輸出者がいつ船積の予約を行ったか、いつ船積が行われるか、いつ貨物が日本に到着するのかを把握することが困難な場合があります。当社グループでは、これらの船積に関する様々な情報をウェブサイト上で各顧客に提供するサービスを行っております。また、当サービスでは、通関手続きの簡素化や通関業務の可視化に繋がる機能を備えており、「輸送の可視化」と「通関手続きの最適化」を実現しております。
[事業系統図]
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度において、連結子会社であった「愛特 (香港) 有限公司」は清算しております。
2.2024年3月1日付でロジスティードグループ株式会社から「ロジスティード株式会社」に商号変更されております。
3.2024年3月1日付でLマネジメント株式会社(2024年3月1日付でロジスティード株式会社より商号変更)とロジスティード株式会社(旧商号:ロジスティードグループ株式会社)間の吸収分割の効力が発生し、Lマネジメント株式会社(旧商号:ロジスティード株式会社)が保有する当社株式の全てがロジスティード株式会社(旧商号:ロジスティードグループ株式会社)へ承継されております。それにより、Lマネジメント株式会社(旧商号:ロジスティード株式会社)は、2024年3月1日付で当社のその他の関係会社に該当しないこととなりました。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより緩やかな回復基調で推移しました。一方、長引く円安や原材料費・エネルギー価格の高止まりを背景とした生活必需品の相次ぐ値上げにより、個人消費は力強さを欠き、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続いております。
また、当社グループの取扱いの多くは、中国や東南アジアから日本への輸入貨物ですが、当連結会計年度では、為替相場が一時1ドル160円を超え、円安相場が定着する中で、輸入者にとってもコストが増加するなどし、苦しい環境が続きました。それに加え、海上輸送では、紅海情勢に起因する需給の逼迫や世界の主要港での混雑、海上輸送の需要の高まりなど複数の要因により、複数の航路で海上運賃が上昇しました。
当連結会計年度は、さまざまなコストが上昇する環境下でありましたが、当社グループは、安定した輸送サービスの提供に努めながら、前々期、前期と減少が続いていたコンテナ取扱量、通関受注件数をグループが一丸となり回復させ、収益拡大を図るべく、国際貨物輸送を始め、通関や配送の受注獲得に向けた営業活動を推進してまいりました。また、検品・検針、海外倉庫でのアソートを含めた流通加工業務といった輸出入の付帯業務や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)案件の受注増加にも努め、さらには、デジタル戦略として、オンラインでのフォワーディング・通関サービス「Cargo Information Service」の機能拡充や子会社においても当社同様のデジタルサービスを提供するなどして、競争優位性をさらに高めるための施策を実施してまいりました。
当社グループにとっても、この一年、厳しい経営環境が続きましたが、前述の取り組みが奏功し、日本への輸入貨物の取扱数量が前年同期比で増加することとなりました。また、円安の環境下で、日本からの輸出貨物の集荷も精力的に行ってまいりました。
そして、下落していた海上運賃は、6月以降、当社グループの取扱う一部の航路でも上昇基調に転じ、さらには中国の春節前にも高騰するなどし、営業収益を押し上げる要因となりました。また、利益面では、海上運賃が上昇する中で価格転嫁を進めてきましたが、激しい競争環境下で売上総利益率が低下しました。さらに、給与のベースアップなどで人件費を中心に費用も膨らみましたが、一方では、継続して様々な費用の見直しや削減、抑制も行いながら、可能な限りの利益創出に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は55,638百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は4,073百万円(前年同期比5.9%減)となり、経常利益は、為替差益の計上などで4,532百万円(前年同期比0.1%減)と前年同期と同水準となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,047百万円(前年同期比2.0%増)と前年同期を上回りました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、報告セグメントの「中国」では、当連結会計年度において、香港の現地法人「愛特(香港)有限公司」の清算に伴い、同社を連結の範囲から除外しております。
(日本)
海上輸送では、6月以降、海上運賃が上昇基調に転じたものの、一方では競争が厳しさを増す状況となりました。さらには、為替相場も円安進行から一変して急激に円高に向かう局面もあり、事業環境が激しく変化する状況にありました。
このような状況下、当社グループは、収益拡大に向けて精力的に営業活動を展開し、様々な物流提案を行うとともに、タイムリーな価格改定及び情報提供も行い、さらには機能拡充した「Cargo Information Service」を武器に、新規顧客の獲得と既存顧客の取引深耕に注力してまいりました。
これらにより、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で231,070TEU(前年同期比1.1%増)と前年同期を上回り、また、円安の状況下で輸出貨物の集荷にも注力したことにより、米国や中国、台湾、インドなどに向けた貨物が増加し、輸出で17,829TEU(前年同期比19.2%増)と堅調な伸びとなりました。その結果、輸出入合計では248,899TEU(前年同期比2.2%増)となりました。また、通関受注件数も子会社での受注増加が寄与し、139,294件(前年同期比3.2%増)と前年同期を上回りました。
以上のことから、日本における営業収益は、47,143百万円(前年同期比7.5%増)となりました。一方でセグメント利益は、6月以降の海上運賃の上昇による売上総利益率の低下と人件費などの増加により、3,185百万円(前年同期比10.2%減)となりました。
(中国)
検品・検針の受注は、厳しい環境が継続しているものの、4月以降で日本向け貨物の取扱いが安定したことで、中国国内での輸送関連の収益も確保でき、さらには、円安に伴う円貨換算額の増加が収益をさらに押し上げる要因となりました。
その結果、中国における営業収益は6,869百万円(前年同期比6.8%増)となりました。また、セグメント利益は、売上総利益率の改善に加え、費用の削減や抑制にも取り組み、678百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
(その他)
ベトナムの子会社では、日本向け貨物の取扱いが回復傾向にあり、台湾の子会社でも、日本からの輸入貨物の増加等により収益機会が増加しました。また、ミャンマーの子会社では、輸送関連の収益が安定的に確保できており、検品・検針の受注も堅調に推移しました。加えて、円安に伴う円貨換算額の増加も追い風となって、営業収益は1,624百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益は209百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,671百万円増加し25,538百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ384百万円増加し20,353百万円となりました。これは主に、売掛金が521百万円、立替金が281百万円増加した一方で、現金及び預金が424百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,286百万円増加し5,184百万円となりました。これは主に、投資有価証券が1,858百万円増加した一方で、顧客関連資産が263百万円、のれんが108百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し6,059百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ300百万円増加し4,409百万円となりました。これは主に、買掛金が395百万円増加した一方で、未払法人税等が84百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ264百万円減少し1,650百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が73百万円、リース債務が71百万円、退職給付に係る負債が66百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,635百万円増加し19,478百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益3,047百万円を計上した一方で、剰余金の配当により1,879百万円が減少したことによるものであります。また、為替換算調整勘定が325百万円、非支配株主持分が99百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ432百万円減少し、14,016百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は3,228百万円(前年同期比54百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を4,585百万円計上したことのほか、減価償却費561百万円、仕入債務の増加326百万円、利息及び配当金の受取額269百万円、のれん償却額108百万円等の資金の増加要因に対し、法人税等の支払額1,545百万円、売上債権の増加452百万円、立替金の増加281百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は1,878百万円(前年同期比1,676百万円増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,812百万円、定期預金の預入による支出1,061百万円等の資金の減少要因に対し、定期預金の払戻による収入1,057百万円等の資金の増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は2,108百万円(前年同期比1,956百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払1,879百万円等の資金の減少要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、国際貨物輸送サービスの提供をしております。従って、サービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
3. 「中国」では、当連結会計年度において、香港の現地法人を清算に伴い、連結の範囲から除外しております。
4.「その他」には、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金や退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益の概況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度は、円安での経営環境が続く中で、当社グループの主力となる海上貨物輸送では、需給バランスの正常化に伴って下落していた海上運賃が昨年6月以降に一部の航路で再び上昇基調に転じ、営業原価も大きく増加しました。その結果、当連結会計年度における営業原価は45,542百万円(前年同期比10.6%増)となりました。また、営業原価が増加する中で競争は激しさを増し、売上総利益率は1.8ポイント低下することとなりました。
販売費及び一般管理費では、DXの推進により実務の効率化を図るとともに、コストの見直しや削減、抑制に継続して取り組みましたが、給与のベースアップや昇給、円安等で人件費が増加したことなどで、販売費及び一般管理費は、6,021百万円(前年同期比2.2%増)と前年同期を上回りました。
営業収益は堅調であったものの、売上総利益率の低下と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は4,073百万円(前年同期比5.9%減)と前年同期を下回る結果となりました。
(経常利益)
営業外収益では、為替差益137百万円(前年同期は為替差損98百万円)の計上に加え、前連結会計年度に比べ、主に受取利息が11百万円、持分法による投資利益が2百万円増加することとなりました。これらにより、営業外収益は、前連結会計年度に比べ150万円増加し476百万円となりました
その結果、経常利益は4,532百万円(前年同期比0.1%減)と前年同期と同水準となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益にて関係会社清算益84百万円、固定資産売却益4百万円を計上し、特別損失にて事業構造改革費用24百万円、固定資産除却損10百万円を計上しました。また、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は1,428百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,047百万円(前年同期比2.0%増)と前年同期を上回る結果となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金を活用し、必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を行っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として、国際貨物輸送事業に係る営業原価、及び販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金として、業務の効率化や顧客の利便性向上を目的としたシステム投資等があります。
これら資金需要及び事業規模と業容の拡大を図るためのM&Aに係る資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応してまいります。
株主還元につきましては、各期の連結業績や連結配当性向、将来の国内外での事業展開及び経営基盤の強化を図るための内部留保を総合的に勘案しながら、安定的且つ継続的に配当を実施することを基本方針としております。この方針の下、株主の皆様のご期待にお応えするべく、配当による利益還元の充実を図っていきたいと考えております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法
当社及び連結子会社の報告セグメントは、当社及び連結子会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高意思決定機関である取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社及び連結子会社の事業は、国際貨物輸送事業ならびにこれらの附帯業務及びその他事業であり、国内においては主に当社及び国内子会社が、海外においては中国の現地法人が、それぞれ独立した経営単位として、各地域において包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社及び連結子会社は販売・受注・物流体制を基礎とした所在地別のセグメントから構成されており「日本」「中国」の2つを報告セグメントとしております。
2 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であり、報告セグメントの利益は営業利益の数値であります。
セグメント間の営業収益は第三者間取引価格に基づいています。
3 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) (単位:百万円)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人です。
2.セグメント資産の調整額4,399百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産、連結子会社との債権債務の相殺消去や当社及び連結子会社が計上した関係会社株式が含まれております。全社資産は、主に親会社の余裕運用資金(現金及び預金)であります。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) (単位:百万円)
(注) 1.「中国」の区分では、当連結会計年度において、香港の現地法人を清算に伴い、連結の範囲から除外しております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人です。
3.セグメント資産の調整額3,128百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産、連結子会社との債権債務の相殺消去や当社及び連結子会社が計上した関係会社株式が含まれております。全社資産は、主に親会社の余裕運用資金(現金及び預金)であります。
4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
1. 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。
2. 地域ごとの情報
(1) 営業収益
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
3. 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
1. 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。
2. 地域ごとの情報
(1) 営業収益
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
3. 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。