事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
人材開発事業 | 1,290 | 78.9 | 215 | 125.2 | 16.6 |
ITサービス事業 | 344 | 21.1 | -43 | -25.2 | -12.6 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社(KDテクノロジーズ株式会社)の計2社で構成されており、ビジネスコーチ株式会社は人材開発事業としてコーチングを柱とした人材・組織開発サービスを提供しております。KDテクノロジーズ株式会社はSXi事業として、コスト削減コンサルティングサービス及びITサービスを提供しております。グループ全体では、下記2セグメントにて構成しており、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
人材開発事業
人材開発事業を担うビジネスコーチ株式会社は2021年9月に、創業時のミッションを時代の変化に対応して見直し、「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」ことをパーパス(当社の存在意義)とし、下記のビジョンとミッションを掲げて事業を展開しております。また、これらを端的に現わす言葉として「あなたに、一人の、ビジネスコーチ」をコーポレートスローガンにしております。
ビジョン :一人ひとりにビジネスコーチがついている社会を実現する
ミッション:プロフェッショナルチームとテクノロジーの力で、一人ひとりに最適なビジネスコーチングを提供する
ビジネスコーチングは、特定の業種・事業分野のスキル向上を目的としたものではなく、ビジネス全般のあらゆるシーンにおいて、経営層から新入社員まで、ビジネスパーソンの一人ひとりの力を最大限に引き出すアプローチで実施するサービスです。
ビジネスコーチングは、コーチング対象者(クライアント)がビジネス目標を達成するために、
(フェーズ1)自己の行動変容を実現する必要があることに気付く
(フェーズ2)目標として定めた行動変容を実践して効果があることを確認する
(フェーズ3)行動変容を継続し、定着させて成果に繋げる
というプロセスをコーチが意図的に実現させる行為です。
人材開発事業において提供するサービスは、下図1のとおり、1対1型サービスと1対n型サービスで構成されています。
(図1)
1.エグゼクティブコーチング
<サービスの概要>
エグゼクティブコーチングは、企業のトップおよび経営幹部クラスの方が、より一層優れたリーダーとして周囲に肯定的な影響を及ぼせるようになるために意識変革・行動変容を行っていただくプログラムです。
組織にとってより良い行動を促し、より良い影響を生みだすことを目的とします。組織が変わるためには、トップ自身・経営幹部自身の変革が不可欠であるため、ここ数年多くのお問い合わせを受けているプログラムです。
エグゼクティブコーチングはコーチング対象者(クライアント)とコーチの1対1の形式で実施され、下図2の通り、通常約6ヶ月間を1サイクルとして2回実施し、1年程度にわたって実施されるプログラムです。
一般的なコーチングとの大きな違いは、コーチングの事前と事後にステークホルダーに対するヒアリングを実施することです。コーチングの目的が「リーダーとして周囲に肯定的な影響力を及ぼす」ことにあるため、周囲の方々がコーチングの対象となるリーダーの言動についてどのように評価しているかが成果を測る上で重要な指標となります。
(図2)
エグゼクティブコーチングにおける典型的な課題例は下記の通りであります。
・リーダーとしての自己変革促進、悪癖改善、行動変容の定着化・習慣化
・経営幹部の若返り(マネジメント経験がないまま経営幹部へ昇格)による環境への適応
・様々な組織的要請(部下育成力強化、イノベーション促進、女性活躍推進、ダイバーシティ・多様化)への適応
2.ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチング
<サービスの概要>
ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングとは、コーチング対象者(クライアント)1名に対して当社のパートナーコーチが、オンラインで月1回のビジネスコーチングを提供するサービスです(下図3参照)。
コーチングで決定したアクションプランの実行状況はクラウドコーチングを利用して管理し、クライアントがリーダー(部下がいる、チームを率いる役目を負っているクライアント)であるか、ビジネスパーソン(自己の目標達成を課題とするクライアント)であるかにより求める行動変容の内容が異なるため、各クライアントの状況に応じて、コーチのバックグランドと経験を基準に担当するコーチを決定しています。
(図3)
ビジネスリーダー/パーソンコーチングでは、クライアントの目標達成に特化したコーチングを提供します。目標には、達成のために最適な行動プロセスあるいは行動様式が必ず存在します。つまり、目標を達成するためには、常に自らの状況を俯瞰して、どのような行動をとるべきか、どのように行動すべきかの次の一手を打ち続ける必要があります。
次の一手を打ち続けるには、このような「自己への問いかけ」を臨機応変に繰り出すことが効果的です。
しかし、日々の業務に取組みながらこれを実行するのは容易ではありません。そこで、コーチングを受けることで、目標達成のための最適な自己への問いかけによる効果を、負担を感じることなく得ることができます。
ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングの料金は、3ヶ月間(毎月1回のコーチングセッション)が基本単位で、役職(部長職、課長職、非管理職)別の単価を設定しています。
<サービスの効果>
クライアントのキャリア・個性に合ったビジネス経験豊富なコーチが、ときにアドバイスを交えながら、課題を解決して目標達成につながる行動変容を継続的にサポートすることで、下記のような効果が期待できます。
① ビジネスリーダーコーチング
リーダーとして、コーチングと日々の振り返り機能による内省を通じて自己変革のための習慣が身に付き、無自覚であったリーダーとしての悪癖がメタ認知力(自分の認知活動を客観的にとらえる力)の向上により改善され、コーチングセッションと内省を繰り返すことにより物事を客観的に分析してその本質から最適解を見出す能力が向上するといった効果が期待できます。また、コーチに具体的な部下への接し方の相談ができるとともに、コーチングセッションの経験を自身の手法に反映させることで部下育成力の向上が期待できます。
② ビジネスパーソンコーチング
コーチによるコーチングと日々のふりかえり機能による内省を通じて自己変革のための習慣が身に付き、コーチングによる「気づき」や内省によって業務の意義を理解して、より主体性をもって業務に臨むことが期待できます。コーチがユーザーの抱えている悩みなど相談を受けることで心身の状態が記録され、メンタル不調予防の早期の対応や離職に繋がる原因を明らかにでき、組織対応で改善策を導き出すことができます。
3.ビジネスコーチングプログラム
<サービスの概要>
ビジネスコーチングプログラムでは、マネジメント層・管理職・リーダーが短期間で“Good Coach”として機能し、企業における1on1ミーティングが効果的に実施できるように、組織への1on1導入のポイントを学び、実践的スキルの修得機会を提供いたします。
マネジメント層・管理職・リーダーが企業において“Good Coach”として「対話の質向上」に効果的に取り組んでいただくため、1on1導入の目的・狙い・哲学(フィロソフィー)に合わせて、完全オーダーメイドで企画し、展開いたします。
ビジネスコーチングプログラムは、コーチと受講者の対話や受講者同士の対話を中心に進めることから1回30名を上限としてサービス提供しています。そのため、料金はプログラム単価×実施回数により決定いたします。
また、顧客がビジネスコーチングプログラムを特定の組織課題解決を意図して実施する場合は、基本となる行動変容コーチングにカスタマイズ項目を組み込むご提案も致します。カスタマイズに関しては、カスタマイズ作業のボリュームに応じて追加で料金を頂いております。
<サービスの効果>
得られる効果は1on1ミーティングの導入の目的によって異なってきますが、これまでに導入された企業においては、自律型社員の増加、退職率の低減、1on1ミーティングの対話の質の向上、クラウドコーチングによる目標・自己変革項目の「見える化」による成果に繋がる変革の確認、職場の活性化といった効果を実現しています。
4.クラウドコーチング
<サービスの概要>
クラウドコーチングシステムは、行動変容の目標を立て、目標行動の実行を記録することで、日次・週次の振り返りを行い、コーチ等のコミュニケーションにより目標実現の確度を高めるためのシステムです。エグゼクティブコーチングやビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングで利用しています。
クラウドコーチングは、当社が企画・立案し、ITベンダーにシステムの設計・開発・運用・保守を委託しているクラウドシステムです。クラウドシステムのため、毎年、機能追加・改善のためのシステム投資を行っており、今後も継続的に投資していく予定です。
販売料金は、エグゼクティブコーチングやビジネスリーダー/パーソンコーチングの料金に含まれています。
5.マイクロラーニング
<サービスの概要>
当社のマイクロラーニングは、ビジネスコーチングプログラムの一部である「1on1実践スキル研修」でご提供している内容のエッセンスをまとめた動画、及び1on1を実践する中で頻度高く発生する問題や困りごとの対応を解説した動画で構成された1on1動画が中心となっています。
なお、マイクロラーニングに関する新商品を拡充の観点から、上記1on1動画以外のラインナップ拡充するために、クライアント企業向けにプレマーケティング及び社内企画を行い、「マネジメント改革」・「キャリア自律支援」に関する動画開発を行いました。
本サービスは、当社が管理する動画配信システムに顧客従業員がアクセスして視聴する権利をサブスクリプション契約で提供しており、1年契約で顧客企業の従業員数に応じた年間利用料金を定めて販売しています。
なお、顧客が自社のLMS(学習管理システム)を活用されており、新たな動画配信システムの利用を希望されない場合は、顧客のLMS上で利用できるように動画データの販売も行っております。
今後も継続的に顧客へのニーズを確認し、プレマーケティングを丁寧に行いながら、新商品の開発を行い、コンテンツ数を充実させてまいります。
6.個人アセスメント(事前・事後)
<サービスの概要>
個人特性を測定するサービスとしてCP360, ProfileXT、DiSC(いずれもHRD株式会社)及びEQアセスメント(シックスセカンズジャパン株式会社)を提供しています。社員等の能力発揮や組織フィットの検討材料が不十分な場合に、能力特性、コミュニケーション特性、ステークホルダーの認識といった情報を体系的に取得することで、コーチングにより実現すべき行動変容項目の検討を効果的に実施することができます。
7.組織アセスメント(事前・事後)
<サービスの概要>
組織のエンゲージメントを測定するサービスとしてwevox(株式会社アトラエ)、スマレビ360(株式会社シーベース)等を提供しています。組織の健康診断として、エンゲージメント向上を実現するために着目すべきポイントを明確にすることができます。
SXi事業
SXi(サービストランスフォーメーション)事業を担うKDテクノロジーズ株式会社は2014年4月の設立以来、ITとシステムを活用し、クライアント企業の購買活動のフォローアップ等を通じた稼ぐ力とESGの両立に向けた支援、DXに関するコンサルティング及び設計・運用サポートを通じて、生産性向上と持続可能性の高い社会の実現に貢献しております。
SXi事業において提供するサービスは、コスト削減コンサルティングサービスとITサービスで構成されています。
1.コスト削減コンサルティングサービス
クライアント企業の間接材を中心とした販管費のコスト削減コンサルティングによる経費効率化のデザインを支援しております。全業界が対象となるマーケットであり、売り手情報の有効活用が可能となります。収益構造としては、主に成功報酬モデルでの事業となっておりますが、今後は、成功報酬モデルと固定報酬モデルのハイブリッドを目指してまいります。
具体的なソリューションとしては、クライアント企業の購買フォローアップサービスを通じて、企業活動における日々の購買活動データを取組可能なボリュームになるような集約や分解手法を用いてパレート分析を実施し、その分析を通じて、蓄積してきた過去の取り組みデータと比較検討し、最適なサプライヤ(事業者) 紹介を行ったり、サプライヤ選定するプロセスを支援するかで、コスト効率化(主にコスト削減につながる収益拡大)を行います。
また、クライアント企業のRPA導入支援も担い、業務プロセスの効率化・改善支援に関するサポートも行います。
2.ITサービス
持続可能な経営に向けて、上流工程やインフラのコンサルティングを通じIT活用を推進し、業務プロセスを変革する支援を行います。業務プロセスの改善提案(企画・要件定義・設計)から顧客のIT化推進(開発・運用・保守)までトータルなサポートを実施いたします。
具体的には、情報システムの管理・業務ナレッジの断片化・IT費用の非効率性・ベンダートラブルといったクライアント企業の課題に対して、情報システム部門の立ち上げと本格稼働・継続的ナレッジの維持・IT投資の最適化・ベンダーコントロール支援といったきめ細かなサービスを提供しております。
<事業系統図>
当社グループ全体の事業系統図は、以下の通りです。
(2024年9月30日現在)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、779,141千円となりました。主な内容は、現金及び預金が441,857千円、売掛金及び契約資産が284,644千円、未収還付法人税等が10,497千円であります。
また、固定資産は、596,376千円となりました。主な内容は、有形固定資産が28,650千円、ソフトウエアが55,328千円、のれんが78,873千円、顧客関連資産が252,000千円、敷金が46,955千円、保険積立金が77,902千円であります。繰延資産は、148千円であります。
この結果、総資産は1,375,666千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、346,980千円となりました。主な内容は、買掛金が123,276千円、1年内返済予定の長期借入金が24,682千円、未払金が22,670千円、未払法人税等が35,781千円、契約負債が86,377千円、賞与引当金が10,974千円であります。
また、固定負債は、193,143千円となりました。主な内容は、役員退職慰労引当金が91,116千円、繰延税金負債が96,183千円であります。
この結果、負債合計は540,123千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、835,543千円となりました。その内容は、資本金が208,205千円、資本剰余金が165,805千円、利益剰余金が313,552千円、非支配株主持分が148,052千円であります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、社会経済環境の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、金融資本市場の変動の影響やエネルギー価格の高まりを背景とした物価上昇等による生活不安に加え、地政学的リスクの高まり等により、引き続き、先行きは不透明な状況で推移しております。当連結会計年度における人材開発市場は、上場企業を対象に始まった人的資本の情報開示を契機に人的資本投資を企業価値向上に繋げるため、自社の課題把握や人と組織活性化に関する戦略的な投資が積極的に検討され、引き続き市場全体に活発な動きが見られます。また、人材開発に関するテーマ別の状況では、組織開発やエンゲージメント向上、サクセッションプラン、キャリア自律、リスキリング等に関連した自律型の人材育成・組織開発関連の需要が拡大しつつあります。このような状況の中、当社グループは、人的資本投資の開示や実践に向けて、プライム上場企業を中心に経営戦略と人材戦略を連動させる試みが活発化してきた状況を捉え、人的資本投資の成果を確実にするために個々人の課題に対して個別に支援を行うサービス需要の増加に応えてまいりました。また、当連結会計年度よりKDテクノロジーズ株式会社をグループに迎え入れ、クライアント企業における無形資産投資の中核である人的資本投資、DX化投資の両側面に加え、間接材のコスト削減コンサルティングによる付加価値向上を支援し、取引先のサステナビリティを高めるサービス展開を進めております。以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,601,091千円、営業利益は79,888千円、経常利益は79,043千円、親会社株主に帰属する当期純利益は54,158千円となりました。なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。
当社グループの報告セグメントは、従来「人材開発事業」のみの単一セグメントでありましたが、当連結会計年度より、KDテクノロジーズ株式会社の50.2%の株式を取得し、新たに連結の範囲に含めたことに伴い、単一セグメントから、人材開発事業及びSXi(サステナビリティ・トランスフォーメーション)事業の2区分に変更しました。セグメント別の業績は次の通りであります。
a. 人材開発事業
人材開発事業では、アカウントマネジメントを強化するために、コーポレートコーチ職の採用と育成を進め、大型契約に繋げる取り組みと、エグゼクティブコーチ本部新設によるエグゼクティブコーチングサービスの高度化を進めてまいりました。特に、1対1型サービスについては、企業の「個」を重視した育成施策拡大による追い風を受け、新規大型案件の獲得に成功し、当連結会計年度の売上高は424,843千円(前年同期比7.3%増)となりました。なお、日本を代表するプライム上場企業より複数年にわたる大型契約を受注するなど1対1型サービス利用増加の流れは、来期以降も継続する見込みであります。1対n型サービスについては、顧客の固有の人材及び組織課題に解決するためのカスタマイズプログラムの需要が高まったことに加え、昨年度から取り組みを進めていた動画関連の新サービス販売等も進捗し、当連結会計年度の売上高は700,365千円(前年同期比9.5%増)となりました。その他サービスについては、顧客の人材及び組織課題の把握ニーズが高まり、組織アセスメントツールの売上が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は165,250千円(前年同期比37.1%増)となりました。この結果、当連結会計年度の人材開発事業における売上高は1,290,460千円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益は214,568千円となりました。
当社の法人取引における顧客数は、既存のクライアント企業へのアカウントマネジメント推進による大型化に注力したことにより、前年同期比約4%減の317社となり通期目標の380社には届きませんでした。しかしながら、一社当たり平均売上高は、コーポレートコーチによる顧客課題に対する深掘りした提案活動が奏功し、大型案件の獲得に繋がり、前年同期比約16%増の3.9百万円となり、通期目標である3.8百万円を達成いたしました。サービス提供を支える契約パートナーコーチ数は、積極的な採用活動を行った結果、前年同期比約11%増の189名となりました。
b. SXi(サステナビリティ・トランスフォーメーション)事業
SXi事業においては、購買活動の行動変容を通じてコストダウンに寄与するコスト削減コンサルティングサービスと、顧客のDX化推進を後押しするコンサルティング業務や開発業務を中心としたITサービスを展開しております。当連結会計年度において、コスト削減コンサルティング事業において、インフレが加速した影響により、大型固定報酬型プロジェクトへ人員シフトを行ったため、成功報酬型案件のクロージングが長期化したことにより期初計画を下回りましたが、ITサービス事業においても、引き続きクライアント企業のDX推進ニーズが高く、計画通りに進捗しました。この結果、当連結会計年度のSXi事業における売上高は344,264千円、顧客関連資産及びのれんの償却費、並びに、子会社株式取得費用等を合計で65,774千円負担した結果、セグメント利益は△43,212千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は402,015千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、136,928千円の資金収入となりました。その主な要因は、資金収入として税金等調整前当期純利益79,043千円、減価償却費27,270千円、のれん償却額19,718千円、顧客関連資産償却額36,000千円、役員退職慰労引当金の増加額10,779千円、仕入債務の増加額87,682千円、法人税の還付額15,871千円等があったことに対し、資金支出として売上債権の増加額99,737千円、法人税等の支払額49,870千円があったこと等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、132,937千円の資金支出となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が9,890千円、保険積立金の積立による支出57,429千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出89,590千円があったこと等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、123,243千円の資金支出となりました。 その主な要因は、長期借入金の返済による支出50,184千円、社債の償還による支出15,000千円、配当金の支払額54,995千円があったこと等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績、受注実績、販売実績に関する情報は、次のとおりであります。
a. 生産実績
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
b. 受注実績
c. 販売実績
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先が無いため記載を省略してします。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
(資産)
総資産1,375,666千円のうち、現預金が441,857千円と32.1%を占めております。売掛金及び契約資産は284,644千円で総資産の20.6%となっており高い流動性を確保しております。
(負債)
負債のうち、社債5,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の借入金を含む)30,525千円の合計35,525千円の有利子負債があり、負債・純資産合計額の2.6%をしめております。
また、契約負債は86,377千円と負債・純資産合計額の6.3%となっております。
(純資産)
純資産835,543千円のうち、資本金が208,205千円、資本準備金が165,805千円となり合計で、純資産の44.8%をしめております。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と配当金の支払いによる減少により利益剰余金が313,552千円と純資産の37.5%をしめております。
(売上高)
売上高は1,601,091千円となりました。KDテクノロジーズ株式会社の子会社化により売上高が増加したことと、クライアント企業において人的資本投資に関する関心が高まり、「個」の成長による生産性の向上や従業員等のエンゲージメントを高める方法としてコーチングの効果の認識が広まってきたことによるものです。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、628,055千円となりました。ビジネスリーダー・ビジネスパーソンコーチングの売上構成比が高まりパートナーコーチへの支払が増加したこと、人材開発サービス以外のサービスも含めた包括的なプロジェクトの受注があり、外部コンサルタントの活用で原価率が高騰した案件があったこと等から売上原価率が悪化し、売上総利益も973,035千円となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
販売費及び一般管理費は893,146千円となりました。これは、子会社株式取得に伴う取得費用並びにのれんや顧客関連資産の償却に伴う償却費を計上したこと等によるものです。この結果、営業利益は79,888千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は、4,472千円となりました。営業外費用は5,318千円となりました。この結果、経常利益は79,043千円となりました。
(法人税等合計及び当期純利益)
法人税等合計は、28,067千円となりました。この結果、当期純利益は50,976千円、親会社株主に帰属する当期純利益は54,158千円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、人的資本投資の開示義務化により顧客の人材開発投資のニーズに変化が生じていること、及びこれによる市場拡大期待によりコーチング市場に参入する企業が増加していることがあります。
顧客においては、従来のインプット中心の階層別研修だけでは人的資本投資として不十分という認識が出てきており、組織における個人のパフォーマンスを極大化するための人的投資としてコーチングが選択肢として検討される機会が増加してまいりました。
一方で、このような市場環境によりコーチング事業に参入を表明する企業も出てきており、様々な特徴を持ったコーチングサービス提供企業の増加で、今後の競争激化が懸念されております。また、AIサービスをコーチングに活用する動きも具体化しており、コーチングサービスの対象者やコーチングの手段等の多様化が進み、市場がダイナミックに変動する可能性が考えられます。
当社は、このような状況において、ビジネスコーチングというビジネス分野に特化したコーチングサービスを、経験豊富なエグゼクティブコーチにより大企業の経営層を中心に提供することで他社との差別化を図ってまいります。
また、動画と研修を組み合わせて人材開発課題に対して深い理解を実現するサービスを提供し、研修後のフォローアップとしてオンラインコーチングによる現場での実践を支援するサービスを準備することで、包括的かつ効果的な人的資本投資のプログラムを提供してまいります。
このような市場セグメンテーションとサービス開発施策の成否が、今後の事業成長の重要なポイントになると考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、ビジネスモデルの特性により利益額と営業キャッシュ・フローが比例的に増減するため営業キャッシュ・フローが増加しましたが、投資キャッシュ・フローは、子会社株式取得および保険積立金の積立による支出が大きくなりました。また、社債償還、借入金返済資金及び配当金の支払いにより財務キャッシュ・フローは減少し、現金及び預金は減少しましたが、現金及び現金同等物の期末残高は、402,015千円有しており、安定的であると考えております。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金、納税資金等であり、資本の源泉は営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。
なお、子会社取得資金は手持資金で対応いたしました。
また、当連結会計年度末の現金及び預金は、441,857千円あり、十分な短期流動性を確保していると考えております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積を必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」記載の通り、当社グループは取引先1社当たり売上高を重要指標としております。当連結会計年度においては、コーポレートコーチによる顧客課題に対する深掘りした提案活動により大型案件の獲得出来た結果、一社当たり平均売上高が、3.9百万円(前年同期比16ポイント増)となり、通期目標達成に繋がりました。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社グループの最高経営意思決定機関である取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象として決定しております。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
人材開発事業では、アカウントマネジメントを強化するために、コーポレートコーチ職の採用と育成を進め、大型契約に繋げる取り組みと、エグゼクティブコーチ本部新設によるエグゼクティブコーチングサービスの高度化を進めております。
SXi事業においては、購買活動の行動変容を通じてコストダウンに寄与するコスト削減コンサルティングサービスと、顧客のDX化推進を後押しするコンサルティング業務や開発業務を中心としたITサービスを展開しております。
(3)報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、KDテクノロジーズ株式会社が連結子会社となったことに伴い、報告セグメントを「人材開発事業」の単一セグメントから、「人材開発事業」「SXi事業」に変更しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会計処理の方法と同一であります。報告セグメントの利益又は損失は、営業損益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
(単位:千円)
(注)1.調整額は次のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△91,466千円は、セグメント間取引消去額△5,006千円、
各報告セグメントに配分していない全社費用△86,460千円であります。
全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない管理部門に係る一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額441,857千円は、当社での余資運用資金であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
(単位:千円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。