2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
■サステナビリティ全般
(1) サステナビリティに対する基本的な考え方
当社グループは、企業理念である“空間に思いを馳せ人々の笑顔を創造する。”を実現し、笑顔あふれる“まちづくり”を牽引する空間創造企業となることを2035年の目指す姿と定め、5つの事業領域別の戦略、そして財務戦略・人事戦略・ESGの3つの機能戦略に注力しております。
人事戦略に関しては、“らしさ”を活かして、一人ひとりが笑顔の創造者となる企業を目指し、人材育成方針と社内環境整備方針のもと、人的資本経営を推進しております。
また、ESGを重視した経営を実施し、当社独自のトリプルボトムラインによる好循環サイクルの確立と経営の下支えとなるガバナンスの強化を推進することで、持続可能な社会の実現と当社グループの成長を両立してまいります。
(2) ガバナンス
当社グループは、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然環境災害等への危機管理など サステナビリティを巡る様々な課題へ対応し、社会及び当社グループの事業活動の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を推進するとともに、当社グループのサステナビリティへの取り組みに関する適切かつ効果的な情報開示を推進することを目的に、サステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、サステナビリティへの取り組みの推進強化と責任の明確化を目的に、代表取締役社長が委員長を務め、本業や経営戦略との一体化を図りながらサステナビリティへの取り組みを推進しております。四半期に1回の頻度で開催し、気候変動関連のリスクや機会をはじめとした当社グループにおける横断的なサステナビリティ課題について、サステナビリティ推進事務局※の報告を踏まえ、全社的な方針、体制、施策を企画立案するとともに、特に気候変動関連など重要なテーマは経営戦略や経営計画に反映することを審議します。同委員会の審議の結果は、年に2回程度、監督責任を持つ取締役会へ付議・報告されます。取締役会で承認された内容は、同委員会が監督するサステナビリティ推進事務局にてとりまとめ、各部署・グループ全従業員に共有し取組を推進しております。
※同委員会が監督するサステナビリティ推進事務局は、総務担当役員を事務局長とし、各社・各事業のサステナビリティの推進を担います。
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サステナビリティ推進委員会の概要
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委員会の役割
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当社グループにおける横断的な重要テーマについて、活動方針の策定や各専門分野をモニタリングし、取締役会に付議・報告することを目的に、社内役員会メンバーにより組織し、サステナビリティ推進事務局を監督するとともに、同事務局から報告を求めます。なお、サステナビリティ推進委員会はコーポレートガバナンス体制の中にも位置づけられ、全社的なサステナビリティ推進の役割を担います。
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委員長
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代表取締役社長
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委員メンバー
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原則として社内役員会メンバー
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開催頻度
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四半期に1回程度
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2024年度の 主要審議事項
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・気候変動におけるリスク及び機会の見直し、リスクインパクト評価と対応策の検討 ・サステナビリティサイトの内容
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(3) 戦略
サステナビリティ経営方針
当社グループは、これまで取り組んできたCSRを発展させ、提供空間及び周辺地域における環境・社会に配慮した、独自のトリプルボトムライン“PLACE,PLANET,PEOPLE”を掲げております。これは、地球環境をケアし、従業員と家族や事業を支えてくれる人々をケアし、地域社会をケアすることを意味しております。
このコンセプトに基づき、事業を通じてサステナビリティ課題に対応する「サステナビリティ経営」を掲げ、経営によるリーダーシップのもと、グループ全体で事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献すべく取り組みを行っております。
トリプルボトムラインを基に、当社グループ子会社では事業内容に合わせた個別のサステナビリティ方針を策定しております。例えば、秋川流域の自然豊かな東京都あきる野市にて50年以上にわたり、総合レジャー施設を運営している 東京サマーランドにおいては、トリプルボトムライン ”PLACE , PLANET , PEOPLE“を再定義し、取り組みを行っております。
サステナビリティ経営方針及び具体的な各種取組については、当社グループ各社の専用ページをご確認ください。
東京都競馬:https://www.tokyotokeiba.co.jp/sustainability/
東京サマーランド:https://www.summerland.co.jp/sustainability/index.php
サステナビリティ課題において、特に気候変動問題は、社会及び当社グループにとって重要な課題であると認識しており、“PLANET”そして “PLACE”の取組として、気候変動リスク及び機会が当社グループの事業活動に与える影響を評価・分析しております。
(4) リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ推進委員会の監督する事務局組織であるサステナビリティ推進事務局が、各部署・グループ会社のリスク管理責任者(各部(室)長)からサステナビリティに関するリスクの回避と軽減にかかる情報を吸い上げる体制を構築しております。同事務局にて、サステナビリティに係る重要なリスクの特定(識別)・分析・評価を実施し、同委員会にて、特定した重要なリスクの管理・モニタリングを行い、リスク管理プロセスを通して、リスク顕在化の未然防止及び最小化に努めております。また、内部統制監理室においては、サステナビリティのリスクの発生防止に係る管理体制が適切に整備され問題なく機能しているかについて、内部監査方針に基づき監査を行っております。また、その結果を統括責任者(代表取締役社長)に報告することにより、リスク管理の強化を図っております。
※リスク評価頻度は年に1回以上、対象となる時間軸は短期、中期、長期
※特に気候変動関連リスクに関しては、サステナビリティ推進事務局とサステナビリティ推進委員会が定期的に
情報共有、連携
■気候変動問題に関する情報開示
(1) 戦略
当社グループは、TCFD提言を参考に、気候変動リスク及び機会が事業活動に与える影響を特定したうえで、対応策等を検討しております。
[前提条件]
実施対象範囲
当社グループの事業の内、特に気候変動による財務的影響が大きいと思われる、公営競技事業(競馬施設賃貸のみ)と遊園地事業に加え、2024年度からサービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸と空調整備のみ)と倉庫賃貸事業を対象としております。
参照した気候関連シナリオ
シナリオ分析については、脱炭素社会への移行リスクが大きいと思われる「1.5℃」と、災害等の物理的リスクが大きいと思われる「4℃」のシナリオを採用しました。
採用 シナリオ
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1.5℃シナリオ ※急速に脱炭素社会が実現
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4℃シナリオ ※気候変動により自然災害の甚大化と頻度が増加
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現象
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産業革命以前と比較して平均気温上昇が1.5℃程度。気候変動対策の政策・法規制が大幅に強化され、この結果、脱炭素に向けて社会変容が発生する。災害等の物理的リスクは現状比不変。
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産業革命以前と比較して平均気温上昇が4℃程度。気候変動対策の政策・法規制および脱炭素社会への移行が進まず、気候変動による物理的リスクが顕在化。
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参照 シナリオ
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物理面
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IPCC SSP1-1.9
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IPCC SSP5-8.5
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移行面
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IEA WEO2023 APS シナリオ(Announced Pledges Scenario) IEA WEO2023 NZE シナリオ(New Zero Emissions Scenario)
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IEA WEO2023 STEPSシナリオ (Stated Policies Scenario)
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IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機構
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):国連気候変動に関する政府間パネル
時間軸、リスク重要度の評価基準
時間軸は、グループ中期経営計画実行年度及び日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸にあわせ、
短期2025年、中期2030年、長期2050年に設定しました。リスク重要度は、リスク管理委員会のリスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類しております。
[シナリオ分析のステップ]
公営競技事業と遊園地事業においては、分析ステップにおける③④の段階であり、すでに特定・評価したリスクと機会を見直したうえで、事業インパクト評価を実施し、対応策を検討しました。サービス事業と倉庫賃貸事業については、分析ステップにおける①として、気候変動により想定される重要なリスクと機会の特定を行い、考えうる対応策を洗い出しました。
今後は、サービス事業と倉庫賃貸事業におけるインパクト評価及び機会における影響の分析を行う予定です。
公営競技事業・遊園地事業における2030~2040年の世界観:
1.5℃シナリオでは、脱炭素社会の実現に向けて、炭素税の導入や資源循環・リサイクル規制等の政策推進に加え、顧客の環境意識の高まりが想定されます。また、環境政策の推進や電力需要の増加により、エネルギー価格の上昇や、環境負荷の少ない設備・備品(バイオプラスチック・代替燃料)等への切替によるコスト負担の増加が懸念されます。消費者行動の変化については、気候変動や自然資本に対する意識が向上により、娯楽のための外出先の選択において、EVの充電スタンドの有無や環境負荷の程度が重視されるようになる可能性があります。このシナリオでは、競馬開催やプール・遊園地の営業などを円滑に継続するため、ハード面・ソフト面への投資拡大の必要性が高まると考えられます。
4℃シナリオでは、温暖化の進行により異常気象の増加が予想され、これに対応するため、豪雨対策をはじめとする施設の防災対策が求められると想定されます。エネルギーや資材のコストの増減は限定的である一方で、極端な気象現象を起因とした食品価格の上昇や、自然災害対策の設備投資によるコスト増加の影響が大きくなるものと見込まれます。このシナリオでは、気候変動を含む大災害等に対応できるよう、BCP(事業継続計画)の重要性がより高まると考えられます。
公営競技事業(競馬施設賃貸のみ):事業インパクト評価結果
リスク分類
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要因
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ID
|
考えられるリスク
|
事業 インパクト
|
時間軸
|
対応策案
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1.5℃
|
4℃
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移 行 リ ス ク
|
対策 ・ 規制
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炭素税の 導入
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R1
|
カーボンクレジット購入によるコスト増加(カーボンクレジット価格の高騰)
|
小
|
小
|
中-長
|
・CO2排出量削減目標を設定し、排出量削減の取り組みを計画的に実行 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電やバイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
気候変動の影響による競馬法の改正、主催者の方針変更
|
R2
|
競技開催条件の変更によるコスト増加、開催数減少
|
中
|
小
|
長
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応による現行開催体系の維持
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R3
|
電力消費量が多いナイター競馬の開催数減少
|
大
|
小
|
長
|
資源循環・リサイクル規制強化(サーキュラーエコノミー)
|
R4
|
リサイクル可能な資材・備品への変更
|
大
|
小
|
長
|
・ペットボトルのリサイクル徹底、馬券等紙の全量リサイクル、分別の徹底 ・コップやカトラリー等を植物由来のバイオプラスチックに切り替え、使い捨てプラスチックの完全除去 ・競馬場特有の廃棄物(藁、馬糞等)、プラスチック備品(手すりや障害物ウィング等)のリサイクル手法の開発
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R5
|
廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加
|
大
|
小
|
中-長
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討
|
技術
|
低排出技術の普及及び移行
|
R6
|
太陽光パネルの新規設置に伴うコスト増加
|
中
|
小
|
中-長
|
・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・上記における費用対効果を最大化させるコストシュミレーション及びシナリオ分析の実施 ・太陽光発電よりも炭素効率の高い代替発電・システムの構築検討(バイオマス燃料発電やコージェネレーションシステム以上の炭素効率を実現)
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サーバー停止リスクとデータセキュリティ
|
R7
|
SPAT4のデータセキュリティの重要性の高まり
|
大
|
小
|
中
|
・データセキュリティ強化に向けた監視体制、システム制御・人員増強
|
市場
|
原材料費高騰
|
R8
|
必要資材・備品・食品等の調達コストの増加
|
中
|
中
|
中-長
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討
|
エネルギー価格・需要の変動
|
R9
|
電源構成やエネルギー価格変動への対応
|
中
|
小
|
中-長
|
・エネルギー効率を最大化する制御システムの構築、シナリオ分析によるエネルギー構成の多角化検討
|
物 理 的 リ ス ク
|
急性
|
気候変動による災害激甚化
|
R10
|
積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止
|
大
|
大
|
長
|
・積雪・豪雨・凍結の頻度の高まりを前提とした競技開催スケジュールの構築とインフラ更新による予防策の実施
|
R11
|
豪雨や長期的降雨、または渇水によるダートコース整備不調
|
小
|
中
|
長
|
・排水性を確保しつつ馬場状態の悪化を防ぐクッション砂の導入、整備不良による開催中止の回避
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R12
|
競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止
|
大
|
大
|
長
|
・コスト効率と気候変動へのレジリエンスを両立する競技設備の導入検討
|
R13
|
自然災害による競走馬・騎手の輸送・移動不能による競技開催中止
|
中
|
大
|
長
|
・自然災害発生を前提とした輸送・移動手段の確保、もしくは代替オプションの構築検討
|
R14
|
SPAT4サーバー設置地域の重度罹災等によるシステム障害の発生
|
小
|
大
|
中
|
・災害激甚化に備えたサーバー設置場所の分散化によるデータセキュリティ強化
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リスク分類
|
要因
|
ID
|
考えられるリスク
|
事業 インパクト
|
時間軸
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
物 理 的 リ ス ク
|
慢性
|
海面の上昇
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R15
|
海面上昇による津波リスクの増大と対策設備の増強
|
小
|
中
|
長
|
・地方公共団体と共同しての津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者トレーニングの実施
|
平均気温の上昇
|
R16
|
暑熱による競走馬や競馬関係者(騎手・厩務員等)の健康被害の増大
|
中
|
大
|
長
|
・牧場、調教場、競馬場等での冷却設備の増設、屋根の設置 ・猛暑日の競技開催回避、猛暑日を予測した競技開催スケジュールの策定
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R17
|
設備冷却のための電力消費量の増加
|
小
|
大
|
長
|
・空調温度の一定化等、省エネ活動によるエネルギー使用量の削減 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電やバイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
原材料費 高騰
|
R18
|
必要資材・備品・食品等の調達コストの増加
|
小
|
中
|
短-中
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討
|
機会
|
主な影響
|
影響度
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
機会
|
EV等の普及拡大
|
EV等対応の駐車場整備による集客増加、収益力向上
|
○
|
△
|
・駐車場へのEV充電ステーションの設置及び設置コスト低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアリングサービスの提供検討
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気候変動による広報・PRの質的変化
|
グリーン競馬イベント等のキャンペーン実施による評判向上
|
○
|
△
|
・先進的な気候変動対応の実施と競技との連動キャンペーンの実施による「グリーンな競馬」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上
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気候変動への積極対応による顧客、スポンサーからのブランド・信頼性の向上
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○
|
△
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気候変動による災害激甚化
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災害復興競馬の開催による復興財源確保への貢献
|
△
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○
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・地方公共団体の災害復興支援への貢献、地方競馬に加え、中央競馬、他競技(競輪、ボートレース、オートレース等)との連携支援
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公営競技事業:事業インパクト評価を踏まえた対応策の検討
事業インパクト評価にて影響度が大きいと評価したリスクにおいては、財務への影響を整理し、影響規模の算定式と対応策を検討しました。なお、“エネルギー価格・需要の変動”リスクについては、公営競技事業における
バリューチェーン全体に影響することから、事業インパクト評価を踏まえた対応策の検討対象に加えております。
1.5℃シナリオ
リスク
|
財務への影響の想定
|
検討した対応策
|
要因
|
内容
|
移行リスク-政策・規制
|
|
|
気候変動の影響による競馬法の 改正・主催者の方針変更
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電力消費量が多いナイター競馬の開催数減少
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・灯油使用※が禁止された場合、ナイター競馬の開催が停止となり、ナイター競馬由来の売上は減少(なくなる)。 ※停電による馬の暴走リスク対策のためナイター競馬では、灯油による発電を行っています。 ・持続可能な合成燃料の普及・商用化された場合、合成燃料への切り替えコスト発生により費用は増加。
|
・調達先・調達方法の見直し、産業用蓄電池の導入検討
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資源循環、 リサイクル規制強化
|
リサイクル可能な資材・備品への変更
|
・ワンウェイプラスチックに対する規制が強化された場合、企業に対するワンウェイプラスチック削減目標の設定義務化及びバイオプラスチックへの切り替えにより費用は増加。
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・グリーンローンの利用検討、調達先・ 調達方法の見直し
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廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加
|
・廃棄物処理に関する規則が厳格化された場合、廃棄物処理手数料の増加により費用は増加。
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・ 調達先・調達方法の見直し、低炭素化への取り組み(3R促進、包装紙やプラ資材等の提供削減)
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リスク
|
財務への影響の想定
|
検討した対応策
|
要因
|
内容
|
移行リスク-市場
|
|
|
エネルギー価格・需要の変動
|
電力構成や エネルギー価格変動への対応
|
・電力需要の増加に伴い電力価格が上昇し、電力費用は増加。 ・ナイター競馬で使用する灯油を含む燃料については、需要の減少に伴い価格(費用)は減少。一方で、炭素税導入による税コストの上昇による費用増加も発生。
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・調達先・調達方法の見直し、エネルギー効率を最大化する制御システムの構築 ・調達先・調達方法の見直し、エネルギー効率を最大化する制御システムの構築、太陽光パネルの設置検討
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物理リスク-急性
|
|
|
集中豪雨、洪水などの天災激甚化と増加
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積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止
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・1.5℃シナリオにおいても激甚化する風水害等により設備のコンディション不良や破損が起こった場合、競技開催は中止となり、営業停止日数に応じて売上は減少し、設備の復旧のため費用は増加。
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・BCPの見直し・構築、その後の迅速な営業再開に向けた事前準備実施
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競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止
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4℃シナリオ
リスク
|
財務への影響の想定
|
検討した対応策
|
要因
|
内容
|
物理リスク-急性
|
|
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気候変動による災害激甚化
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積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止
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・ 風水害や干ばつを含む災害の激甚化による、設備のコンディション不良や破損のほか、競走馬・騎手の輸送・移動不能やSPAT4サーバー設置地域の重度罹災等によるシステム障害が発生した場合、競技開催は中止となり、営業停止日数に応じて売上は減少し、設備の復旧のため費用は増加。
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・物理的リスクへの補助金確保 ・物理的リスクへの対応によるレジリンス強化(防波堤設置等)
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自然災害による競走馬・騎手の輸送・移動不能による競技開催中止
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競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止
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・ 風水害や干ばつを含む災害の激甚化による、設備のコンディション不良や破損のほか、競走馬・騎手の輸送・移動不能やSPAT4サーバー設置地域の重度罹災等によるシステム障害が発生した場合、競技開催は中止となり、営業停止日数に応じて売上は減少し、設備の復旧のため費用は増加
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・物理的リスクへの補助金確保 ・物理的リスクへの対応によるレジリエンス強化(防波堤設置等)
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SPAT4サーバー設置地域の重度罹災等によるシステム障害の発生
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物理リスク-急性
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|
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平均気温の 上昇
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暑熱による競走馬や競馬関係者(騎手や厩務員等)の健康被害増大
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・暑熱の影響で、労働力生産性の低下と冷房等の使用量の増加が発生した場合、売上は減少し、費用は増加。
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・BCPの見直し・構築、その後の迅速な営業再開に向けた事前準備実施
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設備冷却のための電力消費量の増加
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公営競技事業:機会の考え方
1.5℃シナリオにおいては、EVの普及や消費者の環境意識の高まりを背景に、環境配慮型施設への移行に向けた設備投資を行うことで、環境意識の高い顧客の集客向上が期待されます。4℃においては、激甚化する気象災害に迅速かつ適切に対応することで、ステークホルダーからの評判が向上する可能性があります。今後は、機会についても、
財務への影響と設備投資等によるコストを算出し、具体的な戦略を検討することで、機会の最大化を目指します。
公営競技事業(競馬施設賃貸のみ):足元の取り組み
<再生可能エネルギーの導入>
2021年10月より大井競馬場内の電気については、火力発電を主体とするものから、東京23区内の清掃工場で処理される廃棄物の焼却に伴い発生する排熱を利用して作られる電気(バイオマス発電)に転換いたしました。場内で使用する電気を実質再生可能エネルギー100%(一部地区を除く)とすることで、CO2排出量は大きく減少し、環境負荷の低減に貢献しております。 このことから、公営競技事業においては、炭素税やGHG排出規制によるコスト増加の影響は限定的と判断しております。
<脱プラスチックや廃棄物削減>
大井競馬場内の一部飲食サービス(及び東京サマーランド)を管轄する東京プロパティサービスでは、直営店舗ならびに入居テナントによる飲食の提供を行っており、2022年より、飲食提供用の容器類をプラスチック製から紙製・木製・バイオマス製へと順次切り替えを行っております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、再生可能エネルギー発電の発電燃料や再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼するなど、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みも実施しております。
<環境教育>
東京都競馬グループでは全役職員に対し、地球温暖化防止および節電の取り組みとして「スーパークールビズ」を実施し、従業員の環境に対する意識向上を目的とした啓発活動を行っております。
遊園地事業:事業インパクト評価結果
リスク分類
|
要因
|
ID
|
考えられるリスク
|
事業 インパクト
|
時間軸
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
移 行 リ ス ク
|
対策 ・ 規制
|
炭素税の 導入
|
R1
|
カーボンクレジット購入によるコスト増加(カーボンクレジット価格の高騰)
|
小
|
小
|
中-長
|
・CO2排出量削減目標を設定し、排出量削減の取り組みを計画的に実行 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
資源循環・リサイクル規制強化(サーキュラーエコノミー)
|
R2
|
リサイクル可能な資材・ 備品への変更
|
小
|
小
|
長
|
・ペットボトルのリサイクル徹底、分別の徹底、コップやカトラリー等を植物由来のバイオプラスチックに切り替え、使い捨てプラスチックの完全除去
|
R3
|
廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加
|
中
|
小
|
中-長
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討
|
市場
|
エネルギー価格・需要の変動
|
R4
|
電源構成やエネルギー価格変動への対応
|
中
|
小
|
中-長
|
・エネルギー効率を最大化する制御システムの構築、シナリオ分析によるエネルギー構成の多角化検討
|
原材料費 高騰
|
R5
|
必要資材・備品・食品等の調達コストの増加
|
中
|
中
|
中-長
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討 ・共通仕入を中心とした上記施策の積極的な実施
|
サプライ チェーンの寸断・脆弱化
|
R6
|
必要資材・備品・食品等の確保困難によるサービスの質低下
|
小
|
小
|
長
|
・気候や気温の変動に応じた屋内イベントおよび屋内アトラクションの充実化 ・繁忙期以外の雨天時の割引(入園料、園内サービス)の導入による満足度の確保
|
評判
|
生物多様性保全への 対応
|
R7
|
施設内及び近隣の植林実施と生物多様性保全による コスト増加
|
小
|
小
|
短-中
|
・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加強
|
リスク分類
|
要因
|
ID
|
考えられるリスク
|
事業 インパクト
|
時間軸
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
移 行 リ ス ク
|
評判
|
気候変動による広報・PRの質的変化
|
R8
|
近隣河川、森林、生物多様性保全PR等クリーンな取り組みによるコスト増加
|
小
|
小
|
短-中
|
・NPO/NGO、地域コミュニティ、市区町村や異業種との協業による評判向上、集客数増加 ・地域住民のコミュニケーション活性化として機能、新たな顧客獲得 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加 ・アウトドア事業部エリアを中心とした上記施策の継続的な実施と、遊園地エリアとの協同施策の検討
|
物 理 的 リ ス ク
|
急性
|
気候変動による災害激甚化
|
R9
|
災害を起因とした河川増水・氾濫、土砂崩れによる施設・設備の破損・修理 コスト発生
|
中
|
大
|
長
|
・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新、危機管理対応マニュアルの整備
|
R10
|
洪水・寡占氾濫・土砂崩れ等による営業停止
|
大
|
大
|
長
|
・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・止水版の設置、高層階へのコントロール センター・サーバー配置場所の変更等の洪水対策の実施 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築
|
慢性
|
平均気温の上昇
|
R11
|
気温上昇による屋外営業の停止
|
小
|
中
|
長
|
・猛暑対応を前提としたアトラクションの顧客 待機エリアの屋内化、屋根設置、スポット クーラーの設置等 ・屋内アトラクションにかかるイベント企画強化及び屋内アトラクション設備の新設・増強 ・屋外大型プールにおける水温調整設備の設置
|
R12
|
園内従業員の健康被害の増大
|
中
|
中
|
長
|
・スポットクーラーの設置、屋内あるいは屋根付きの建物設置 ・屋外業務の自動化およびロボット化による業務再構築の検討 ・屋外(本館より遠いエリア)における従業員休憩室の確保 ・従業員の体調管理に関するガイドラインの構築
|
原材料費 高騰
|
R13
|
必要資材・備品・食品等の調達コストの増加
|
中
|
中
|
中-長
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底と サプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、 または一部廃止の検討 ・共通仕入を中心とした上記施策の積極的な実施
|
サプライチェーンの寸断・脆弱化
|
R14
|
必要資材・備品・食品等の確保困難によるサービスの質低下
|
小
|
中
|
長
|
・サプライヤー調達方針の策定、サプライヤーの環境対応状況の把握、サプライヤー構成の再検討 ・特に食品における地産地消の推進、フードマイレージを最小化するとともに地域経済の活性化に貢献 ・共通仕入を中心とした上記施策の積極的な実施
|
降水・気象パターンの変動
|
R15
|
気温上昇による熱中症予防や豪雨などを回避するため屋内アトラクションの新規投資
|
小
|
中
|
長
|
・屋内アトラクションの新設・導入に際しての グリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用
|
R16
|
気候や気温の変動(雨、寒冷、極端な猛暑)による集客力の低下
|
小
|
大
|
中-長
|
・気候や気温の変動に応じた屋内イベント及び 屋内アトラクションの充実化 ・繁忙期以外の雨天時の割引(入園料、園内サービス)の導入による満足度の確保
|
R17
|
洪水・気象パターンの変化による屋外営業の停止
|
小
|
大
|
長
|
・豪雨対応を前提としたアトラクションの顧客待機エリアの屋内化、屋根の設置等 ・屋内アトラクションにかかるイベント企画強化による豪雨での売上減少回避
|
機会
|
主な影響
|
影響度
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
機会
|
EV等の普及拡大
|
EV等対応の駐車場整備に よる集客増加、収益力向上
|
○
|
△
|
・駐車場へのEV充電ステーションの設置及び設置コスト 低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアリングサービスの提供検討
|
低炭素技術の普及及び移行、水資源への影響
|
水の需給調整システムの高度化によるレジリエンス 強化
|
○
|
△
|
・雨水の収集、生活用水への利用や、飲用水への利用に 向けた他社との協業 ・水使用量の削減計画を検討 ・周辺利用者間での取水量の調整、水の融通、緊急的な 応援給水対策の整備 ・循環型水システムの構築に向けた、水レジリエンス計画の策定 ・業界全体での水の需給調整システムの構築に向けた ガイドラインの策定
|
低炭素技術の普及及び移行
|
太陽光発電の売買による 収益増加
|
○
|
△
|
・更なる太陽光パネルの設置拡大、他社協業の高効率の 太陽光発電の開発検討
|
気候変動による遊園地の質的変化
|
他社との環境活動のコラボレーションによる顧客評判・集客力向上
|
○
|
△
|
・地方公共団体の災害復興支援への貢献、 地方競馬に加え、中央競馬、他競技(競輪、ボート レース、オートレース等)との連携支援
|
グリーンイベント企画による顧客評判・集客力向上
|
○
|
△
|
・植林・生物多様性保全にかかる補助金獲得に向けた機会模索 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加、評判向上
|
生物多様性保全
|
生物多様性保全による評判向上、補助金獲得の機会
|
○
|
△
|
・植林・生物多様性保全にかかる補助金獲得に向けた機会模索 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加、評判向上
|
評判の変化(グリーン意識の高まり)
|
気候変動への積極対応による従業員のエンゲージメント向上
|
○
|
△
|
・先進的な気候変動対応の実施と遊園地での連動キャンペーンの実施による「グリーンな遊園地」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、 ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上
|
気候変動への積極対応による顧客からのブランド・ 信頼性の向上
|
○
|
△
|
気候変動による広報・PRの質的変化
|
近隣河川や森林における 環境活動のPRによる評判・ 集客力向上
|
○
|
△
|
・先進的な気候変動対応の実施と遊園地での連動キャンペーンの実施による「グリーンな遊園地」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、 ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上 ・上記施策の他、これまでの実績、現行の取り組みの園内での積極的広報
|
気候変動への先進的対応による集客増加、収益力向上
|
○
|
△
|
遊園地事業:事業インパクト評価を踏まえた対応策の検討
事業インパクト評価にて影響度が大きいと評価したリスクにおいては、財務への影響を整理し、対応策を検討しました。なお、“エネルギー価格・需要の変動”リスクについては、遊園地事業におけるバリューチェーン全体に影響することから、事業インパクト評価を踏まえた対応策の検討対象に加えております。
1.5℃シナリオ
リスク
|
財務への影響の想定
|
検討した対応策
|
要因
|
内容
|
移行リスク-市場
|
|
|
エネルギー価格・需要の変動
|
電源構成やエネルギー価格変動への対応
|
・電力需要の増加に伴い電力価格が上昇し、電力料金の費用は増加。 ・ガス等の燃料については、需要に伴い価格は低下し費用は減少。一方で、炭素税導入による税コストの上昇による費用増加も発生。
|
・調達先や調達方法の見直し ・調達先・調達方法の見直し、エネルギー効率を最大化する制御システムの構築
|
物理リスク-急性
|
|
|
集中豪雨、洪水などの天災激甚化と増加
|
洪水・河川氾濫・土砂崩れ等による営業停止
|
・激甚化した風水害が起こった場合、施設は営業停止を判断し、営業停止日数に応じて売上は減少。
|
・BCPの見直し・構築、その後の迅速な営業再開に向けた事前準備実施
|
4℃シナリオ
リスク
|
財務への影響の想定
|
検討した対応策
|
要因
|
内容
|
物理リスク-急性
|
|
|
気候変動による災害激甚化
|
洪水・河川氾濫・土砂崩れ等による営業停止
|
・災害の激甚化により、施設の営業停止や設備の破損が発生した場合、営業停止日数に応じて売上は減少し、設備の復旧のため費用は増加。
|
・物理的リスクへの補助金確保 ・物理的リスクへの対応によるレジリエンス強化(防波堤設置等) ・BCPの見直し・構築、その後の迅速な営業再開に向けた事前準備実施
|
災害を起因とした河川増水・氾濫・土砂崩れによる施設・設備の破損・修理コスト発生
|
物理リスク-慢性
|
降水・気象 パターンの 変動
|
気候や気温の変動(雨、寒冷、極端な猛暑)による集客力の減少
|
・豪雨の長期化または高頻度化による集客力の低下や施設の営業停止が発生した場合、売上は減少。
|
・プール設備投資による避暑地レジャー施設の価値強化、オフシーズンにおける施設利用検討
|
降水・気象パターンの変化による屋外営業の停止
|
遊園地事業:機会の考え方
1.5℃シナリオにおいては、EVの普及や消費者の環境意識の高まりを背景に、環境配慮型施設への移行に向けた設備投資を行うことで、環境意識の高い顧客の集客の向上が期待されます。また、東京サマーランドの地理的特徴を活かした適切な環境保全活動の実施等により、地域の皆様をはじめ、ステークホルダーへの評価が向上する可能性がございます。
4℃シナリオにおいては、気候変動による夏季の温度上昇や夏季期間の長期化により、東京サマーランドの需要の増加(集客の増加)が期待されます。屋内アトラクションの人気の高まり等に伴い、新企画の導入を図ることで機会の最大化を目指します。今後は、機会についても、財務への影響と設備投資等によるコストを算出し、具体的な戦略を検討することで、機会の最大化を目指します。
遊園地事業:足元の取り組み
<省エネ対策>
東京サマーランドは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
<太陽光発電設備>
自然環境に配慮した取り組みの一環として、2014年3月にお客様用駐車場の屋根に太陽光パネル3,465枚、総面積13,000㎡、約900kWの発電能力を持つ大型の太陽光発電設備を整備いたしました。発電した電力については、すべて電力供給網へ売電し、周辺地域の生活を支えております。
<植林と伐採サイクルの促進>
東京サマーランドの敷地面積の4分の3以上(約100ha)は、森林が占めており、水源涵養(かんよう)、生物多様性、健全な里山環境創出のための森林整備を実施しております。サントリーホールディングス株式会社が行う「天然水の森」の活動に賛同し、2014年より同社と協同して、敷地内の森林整備活動を行っております。また森林整備により発生した間伐材で作ったベンチをわんダフルネイチャーヴィレッジ園内に設置するなど、間伐材の有効活用を図っております。2023年には、東京サマーランド園内に天然水の森の取り組みに関するPRブースを設置し、来園者に向けて森林整備の意義や活動内容の発信を行っております。また、公益財団法人 東京都農林水産振興財団が行う多摩地域のスギ・ヒノキ林を花粉の少ないスギなどに植え替える「花粉の少ない森づくり」にも賛同し、外部の賛同企業とともに森づくりを進めており、健全な森林を次世代に継承し、地球温暖化防止にも貢献いたします。
さらに、施設の内装や備品の素材として「多摩産材」を積極的に採用しております。多摩産材は、東京都内の多摩地域で生育し、その地区で生産・認証された木材です。多摩産材の活用を進めることで、森林の整備が進み、結果的に手入れが行き届いた森が育つとともに、若木の植林によるCO2吸収が促進されると我々は考えております。これまでわんダフルネイチャーヴィレッジ内のドッグランの柵やレストラン「AZEKIRI」店内において多摩産材を活用しておりました。それに加えて、2023年に東京サマーランド1階エントランスのリニューアルを実施した際には、一部の柱の建材として多摩産材を採用し、園内店舗において多摩産材製の商品の販売を開始するなど、今後も積極的に多摩産材の活用を図ってまいります。
<再生素材製品の販売や脱プラスチック>
東京サマーランドでは、園内において再生素材を使用した製品を積極的に取り扱っております。2023年には園内で販売する一部のペットボトル飲料の容器素材を再生ペットにリニューアルし、そのほかにも再生ペットを素材とする水着の取り扱いを開始するなど、環境に配慮した商品を積極的に採用しております。また、東京サマーランド・
わんダフルネイチャーヴィレッジでは、環境保全に向けた取り組みの一環として、園内飲食店舗にて提供しているプラスチック製消費材を、紙・木製や植物由来素材を配合した製品等へ段階的に切り替えております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、堆肥や製紙原料、再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼しております。
サービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸と空調整備のみ):重要なリスク・機会の特定
サービス事業内の商業施設とオフィスビル賃貸は、バリューチェーン上の特徴が類似している一方で、空調設備は特徴が異なるため、リスクと機会を区分して分析しております。
リスク
|
主な影響
|
影響 (分析中)
|
商業施設及びオフィスビル賃貸
|
空調設備
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
移 行 リ ス ク
|
政策 ・ 規制
|
炭素税導入
|
エネルギー調達コストの増加
|
○
|
△
|
○
|
○
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力 証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電やバイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
GHG排出量規制や省エネ基準の強化
|
資機材(高効率機器やシステム)の変更等の対応費用増加
|
○
|
△
|
|
○
|
・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーン ローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と積極的な開示対応
|
資源循環・リサイクル規制強化
|
リサイクル可能な資材・備品への変更
|
○
|
△
|
○
|
|
・ペットボトルのリサイクル徹底、分別の徹底 ・コップやカトラリー等を植物由来のバイオプラスチックに切り替え、使い捨てプラスチックの完全除去
|
廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加
|
〇
|
△
|
〇
|
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源 利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討
|
技術
|
低炭素排出技術の普及及び移行
|
駐車場のEV充電ネットワーク構築等の設備投資発生
|
〇
|
△
|
〇
|
|
・EV充電ネットワーク設置コスト低減を見越した 設備投資実施時期の検討
|
エネルギー効率の高い設備の新規導入及び既存設備更新
|
〇
|
△
|
〇
|
|
・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーン ローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・上記の費用対効果を最大化させるコストシュミレーション及びシナリオ分析の実施
|
市場
|
サプライチェーンの寸断・脆弱化
|
必要なエネルギー資材や備品等の確保困難によるサービスの質低下
|
〇
|
△
|
〇
|
〇
|
・サプライヤー調達方針の策定、サプライヤーの 環境対応状況の把握、サプライヤー構成の再検討
|
評判
|
気候変動対応に対する市場評価
|
GHG排出量の算出・開示レポートにかかるコスト発生
|
〇
|
△
|
〇
|
〇
|
・気候変動対応の開示及びESG投資家とのエンゲージメントによる企業価値向上 ・組織内でのノウハウの蓄積、対応体制の整備による業務の効率化
|
リスク
|
主な影響
|
影響 (分析中)
|
商業施設及びオフィスビル賃貸
|
空調設備
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
物 理 的 リ ス ク
|
急性
|
気候変動による災害激甚化
|
施設の災害保険料の支払い増大
|
△
|
〇
|
〇
|
|
・自然災害発生を前提とした収益計画・料金体系の構築検討
|
必要なエネルギー・資材・備品の供給困難による工期の遅延
|
△
|
〇
|
〇
|
〇
|
・サプライヤー調達方針の策定、サプライヤーの環境対応状況の把握、サプライヤー構成の再検討
|
洪水・河川氾濫等による営業停止、賃貸収入の減少
|
△
|
〇
|
〇
|
|
・地方公共団体と共同しての津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者トレーニングの実施 ・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新、危機管理対応マニュアルの整備 ・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築
|
災害防止のための安全対策コスト増加
|
△
|
〇
|
|
|
災害対策不足を起因とした顧客からのクレーム・補償等コスト増加
|
△
|
〇
|
|
〇
|
慢性
|
海面の上昇
|
海面上昇による浸水被害、津波リスクの増大と対策設備の増強
|
△
|
〇
|
〇
|
|
・地方公共団体と共同しての津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者トレーニングの実施
|
平均気温の上昇
|
施設冷却用電力消費量の増加
|
△
|
〇
|
〇
|
|
・エネルギー効率の高い冷却設備の増強 ・空調温度の一定化等、省エネ活動によるエネルギー使用量の削減 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
熱中症等安全対策(夜間作業時間延長・休憩時間増加)の強化に向けた対応コスト増加
|
△
|
〇
|
〇
|
〇
|
暑熱による社員の健康被害・人員不足の発生や就業体制変更による生産性低下
|
△
|
〇
|
○
|
○
|
・営業・施工時のスポットクーラーの設置、屋内あるいは屋根付きの建物設置 ・営業・施工時の屋外業務の自動化およびロボット化による業務再構築の検討 ・猛暑日を予測した営業・施工スケジュールの策定
|
機会
|
主な影響
|
影響度 (分析中)
|
商業施設及びオフィスビル賃貸
|
空調設備
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
機会
|
GHG排出規制強化
|
施設・設備等の省エネ・脱炭素化による固定資産価値の向上
|
○
|
△
|
〇
|
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境区政対応の実施と積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得による信頼性向上
|
EV等の普及拡大
|
EV等対応の駐車場整備による集客増加、収益力向上
|
○
|
△
|
〇
|
|
・EV充電ネットワークの設備及び設置コスト低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアサービスの提供検討
|
機会
|
主な影響
|
影響度 (分析中)
|
商業施設及びオフィスビル賃貸
|
空調設備
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
機会
|
低炭素技術の普及及び移行
|
太陽光発電の売買による収益増加
|
○
|
△
|
〇
|
|
・太陽光発電の積極導入による脱炭素化及び収益化検討 ・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・老朽化施設の改修及び建て替え時のZEB化検討 ・上記における費用対効果を最大化させるコストシミュレーション及びシナリオ分析の実施
|
最新鋭の省エネ設備の導入によるエネルギー効率向上とコスト削減
|
○
|
△
|
〇
|
|
高効率・環境配慮型の空調設備へのニーズに対応する新技術活用による売上増加
|
○
|
△
|
|
〇
|
・研究開発の効果最大化を意図した技術の見極め及び経営企画の立案 ・設計・施工における高い技術力の保持とコスト競争化の両立 ・将来の技術動向の把握と要件を満たすエンジニアの積極採用
|
空調設備によるウイルス・感染症へのニーズに対応する新技術活用による売り上げ増加
|
○
|
△
|
|
〇
|
新技術保有による労働市場での魅力向上
|
○
|
△
|
|
〇
|
気候変動による企画及び誘致戦略の質的変化
|
グリーン製品や飲食のテナント誘致による顧客増加
|
○
|
△
|
〇
|
|
・先進的な気候変動対応の実施と連動キャンペーンの実施による「グリーンな店舗」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大
|
評判の変化(グリーン意識の高まり)
|
気候変動への積極対応、開示対応による顧客からの信頼性の獲得
|
○
|
△
|
〇
|
〇
|
気候変動による災害激甚化
|
BCP策定によるレジリエンス強化
|
○
|
△
|
〇
|
|
・地方公共団体と共同での津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者へのトレーニング実施
|
空調設備の災害対策へのニーズに対応する新技術活用による売上増加
|
△
|
〇
|
|
〇
|
・研究開発の効果最大化を意図した技術の見極め及び経営計画の立案 ・設計・施工における高い技術力の保持とコスト競争力の両立 ・将来の技術動向の把握と要件を満たすエンジニアの積極採用
|
平均気温の上昇
|
空調設備の使用負荷上昇によるメンテナンスニーズの増加
|
△
|
〇
|
|
〇
|
・シナリオ分析の継続による需要予測と設計・施工及びメンテナンスキャパシティの確保 ・設計・施工における高い技術力の保持とコスト競争力の強化
|
大型空調設備の導入ニーズ拡大による売上の増加
|
△
|
〇
|
|
〇
|
※影響度は現在分析中です。「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしています。
サービス事業:足元の取り組み
<省エネ対策>
ウィラ大井・ウィラ大森ビルでは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
倉庫賃貸事業:重要なリスク・機会の特定
リスク
|
主な影響
|
影響 (分析中)
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
移 行 リ ス ク
|
政策 ・ 規制
|
炭素税導入
|
エネルギー調達コストの増加
|
〇
|
△
|
・CO2排出量削減目標を設定し、排出量削減の取り組みを計画的に実行 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電や バイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
サプライチェーン上での価格転嫁による物件建築コスト・管理コスト増加
|
〇
|
△
|
GHG排出量規制や省エネ基準の強化
|
新規物件建築のZEB化コスト増加
|
〇
|
△
|
・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と 積極的な開示対応
|
既存物件の脱炭素・省エネ化改修コスト増加
|
〇
|
△
|
CO2排出量やエネルギー使用量削減義務未達成による排出権取引コストの発生
|
〇
|
△
|
資源循環・リサイクル規制強化
|
廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加
|
〇
|
△
|
・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の 一元化
|
技術
|
低炭素排出技術の普及及び移行
|
エネルギー効率の高い設備の新規導入及び既存設備更新
|
〇
|
△
|
・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・上記における費用対効果を最大化させるコストシュミレーション及びシナリオ分析の実施
|
市場
|
顧客行動の 変化
|
企業の環境性能や省エネ性能の高い物件への需要の高まりによる競争力の低下
|
〇
|
△
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と 積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得による信頼性向上
|
評判
|
評判の変化(グリーン意識の高まり)
|
気候変動対応不足による顧客評判の悪化
|
〇
|
△
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と積極的な開示対応
|
気候変動対応に対する市場評価
|
気候変動対応の遅れによる投資家からの評価低下
|
〇
|
△
|
・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と 積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得、ESG格付評価向上と指数採用の目標検討 ・気候変動対応の開示及びESG投資家とのエンゲージメントによる企業価値向上
|
GHG排出量の算出・開示レポートにかかるコスト発生
|
〇
|
△
|
物 理 的 リ ス ク
|
急性
|
気候変動による災害激甚化
|
施設の災害保険料の支払い増大
|
△
|
〇
|
・自然災害発生を前提とした収益計画・料金体系の構築検討
|
施設や設備破損、修理コスト発生
|
△
|
〇
|
・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新、危機管理対応マニュアルの整備 ・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築 ・自然災害発生を前提とした収益計画・料金体系の構築検討
|
リスク
|
主な影響
|
影響 (分析中)
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
物 理 的 リ ス ク
|
急性
|
気候変動による災害激甚化
|
荷物の搬送搬入停止のリスク増大を起因とした顧客喪失
|
△
|
〇
|
・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新、危機管理対応マニュアルの整備 ・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築 ・自然災害発生を前提とした収益計画・料金体系の構築検討
|
浸水等の災害被害発生時及びテナント撤収による賃貸収入の減少
|
△
|
〇
|
洪水・河川氾濫等による営業停止、賃貸収入の減少
|
△
|
〇
|
慢性
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海面の上昇
|
海面上昇による浸水被害、津波リスクの増大と対策設備の増強
|
△
|
〇
|
・地方公共団体と共同しての津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者トレーニングの実施
|
立地条件に関連した海面上昇による浸水被害、津波リスクの増大による顧客喪失
|
△
|
〇
|
降水・気象パターンの変動
|
施設のメンテナンス・更新頻度の増加
|
△
|
〇
|
・降水・気象パターンの変動を前提とした設備投資によるメンテナンス・更新頻度の減少
|
平均気温の 上昇
|
暑熱による社員の健康被害・人員不足の発生・就業体制変更による生産性低下
|
△
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〇
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・スポットクーラーの設置、屋内あるいは屋根付きの建物設置 ・屋外業務の自動化およびロボット化による業務再構築の検討 ・空調温度の一定化等、省エネ活動によるエネルギー使用量の削減
|
熱中症等安全対策(夜間作業時間延長・休憩時間増加)の強化に向けた対応コスト増加
|
△
|
〇
|
・エネルギー効率の高い冷却設備の増強 ・空調温度の一定化等、省エネ活動によるエネルギー使用量の削減 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減
|
省エネ対応空調設備導入等によるコスト増加
|
△
|
〇
|
機会
|
主な影響
|
影響度 (分析中)
|
対応策案
|
1.5℃
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4℃
|
機会
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GHG排出規制強化
|
施設・設備等の省エネ・脱炭素化による固定資産価値の向上
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○
|
△
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・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得による信頼性向上
|
脱炭素技術の普及及び移行
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最新鋭の省エネ設備の導入によるエネルギー効率向上とコスト削減
|
○
|
△
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・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・老朽化施設の改善及び建て替え時のZEB化検討 ・上記における費用対効果を最大化させるコストシミュレーション及びシナリオ分析の実施
|
機会
|
主な影響
|
影響度 (分析中)
|
対応策案
|
1.5℃
|
4℃
|
機会
|
生物多様性保全
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施設近隣の生物多様性保全に関わる活動による評判向上、補助金獲得の機会
|
○
|
△
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・樹林・生物多様性保全にかかる補助金獲得に向けた機会模索 ・樹林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化、街づくりへの貢献、評判向上
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評判の変化(グリーン意識の高まり)
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気候変動への積極対応、開示対応による顧客からの信頼性の向上
|
○
|
△
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・先進的な気候変動対応の実施と連動キャンペーンの実施による「グリーンな倉庫」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大
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気候変動に対する市場評判
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気候変動への積極対応、開示対応による投資家からの評判向上
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○
|
△
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・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得、ESG格付評価向上と指数採用の目標7検討 ・気候変動対応の開示及び投資家とのエンゲージメントによる企業価値向上
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気候変動における災害激甚化
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BCP策定によるレジリエンス強化
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○
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△
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・地方公共団体と共同での津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者へのトレーニング実施
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倉庫賃貸事業:足元の取り組み
<省エネルギー化・再生可能エネルギーの導入>
倉庫賃貸事業では、東京都品川区勝島第1・第2・第3地区、大田区平和島地区、千葉県習志野地区にて、トータル約36万㎡の物流倉庫施設を賃貸しております。大手物流企業への一棟貸しを中心に、マルチテナント型も展開しております。物流倉庫施設では、主にLED照明や高効率型空調機の導入を通じて省エネルギー化を図るとともに、勝島第1・第2地区においては、出光グリーンパワー株式会社様より再生可能エネルギー100%の電力を導入し、CO2排出量削減に寄与しております。
(2) リスク管理
気候変動におけるリスク重要度評価において、移行リスク・物理的リスクから考えられるリスクを抽出し、1.5℃・4℃シナリオ別に「リスクが発生した時の影響の大きさ」と「リスクの発生の確率」の2軸で各リスクをスコアリングしております。スコアリングの結果を「高」「中」「低」にレベル分けし、リスク重要度を決定しています。リスクのみならず機会についても気候変動の影響を識別し、分析・評価を行っております。
具体的なリスク管理プロセスにつきましては、■サステナビリティ全般(4)リスク管理をご参照ください。
(3) 指標及び目標
当社グループは、グループ事業におけるCO2排出量の把握と、2030年度までに主要2事業(公営競技事業・遊園地事業)のスコープ1・2におけるCO2排出量を2013年度(基準年度)比46%削減することを目標に、取組を進めております。
CO2排出量の把握については、当社グループの売上構成において高い比率を占める、公営競技事業(競馬場賃貸のみ)・遊園地事業・サービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸)・倉庫賃貸事業の4事業を対象としております。 公営競技事業・遊園地事業については、2013年度からScope1・2の排出量を把握しております。
一方、サービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸)・倉庫賃貸事業については、2013年度からの数値の算出が難しく、2019年度(一部2022年度)からのデータを基にCO2排出量の算出を行っております。また、当該2事業については、電力会社から購入する電力の使用によるCO2の排出が主であるとの判断から、Scope2の把握を優先しております。Scope1については、給湯室やシャワー室でのガス使用や社用車のガソリン使用によるCO2の排出があるものの、微量であると想定しております。
目標につきましては、日本政府や東京都の脱炭素政策に則り、主要2事業(公営競技事業・遊園地事業)におけるScope1・2のCO2排出量を、2030年度までに2013年度(基準年度)比46%削減することを掲げております。
足元、主要2事業における削減率は約52%に達しております。公営競技事業においては、競馬場内で使用する電気の実質再生可能エネルギー化達成(一部地区を除く)を背景に基準年度対比で既に約66%削減済みです。一方で、遊園地事業は約37%の削減に留まっており、引き続きLED照明、高効率型空調機や高断熱材などを導入することで、エネルギー使用の最適化・効率化を図り、目標の達成を目指しております。
今後につきましては、サービス事業・倉庫賃貸事業における2013年度のCO2排出量の把握が困難なことや、日本政府の新たな温室効果ガスの削減目標 が策定されていること等を踏まえて、来年度以降の目標設定の見直しを検討しております。
[CO2排出量の把握にかかる現状と今後の予定]
事業
|
算出範囲
|
Co2排出量の把握にかかる今後の予定
|
拠点
|
Scope
|
期間
|
公営競技事業
|
大井競馬場
|
1・2
|
2013年度~
|
Scope1・2のモニタリングの継続、Scope3算出の検討
|
遊園地事業
|
東京サマーランド
|
1・2
|
2013年度~
|
Scope1・2のモニタリングの継続、Scope3算出の検討
|
サービス事業
|
ウィラ(既存館)
|
2
|
2019年度~
|
Scope2のモニタリングの継続、Scope1算出の検討
|
ウィラ大森
|
2
|
2019年度~
|
Scope2のモニタリングの継続、Scope1算出の検討
|
ウィラ大井新館
|
検討中
|
2025年度~
|
来年度以降、算出及びモニタリングを開始
|
空調サービス拠点(タック事業所)
|
-
|
-
|
他拠点と比較し、CO2排出量が限定的であると想定されるため、現時点において算出の予定は無し
|
倉庫賃貸事業 ※
|
勝島第1区
|
2
|
2019年度~
|
Scope2のモニタリングの継続、Scope1算出の検討
|
勝島第2区
|
2
|
2022年度~
|
Scope2のモニタリングの継続、Scope1算出の検討
|
※勝島第三地区・平和島地区・習志野地区については契約先お客様が直接電力会社と契約しているため、Scope2の排出量は
ございません。
[CO2排出量と削減実績]
事業
|
2023年度のCO2排出量
|
基準年比の削減率(目標:46%)
|
公営競技事業
|
2,028 t-CO2
|
66.2%
|
遊園地事業
|
3,533 t-CO2
|
36.8%
|
小計
|
5,561 t-CO2
|
52.0%
|
サービス事業
|
2,915 t-CO2
|
-
|
倉庫賃貸事業
|
1,049 t-CO2
|
-
|
(ご参考)合計
|
9,525t-CO2
|
17.9% (母数は主要2事業の基準年度排出量)
|
[4事業におけるCO2排出量の推移](単位:t-CO2)
※第1区は2019年度から、勝島第2区は2022年度からのデータが反映されています。
※Scope2算出対象である勝島第1区は2022年から、第2区は2023年10月から再生可能エネルギー由来の
電力に置き換えていることから、2024年度以降のScope2は0になる予定です。
■人的資本に関する情報開示
(1) 戦略
[人的資本に関する基本的な考え方]
当社グループは、競馬場をはじめ、オートレース場、遊園地、物流倉庫、商業施設などの施設(リアル)や
SPAT4などのシステム(バーチャル)が持つ「空間」を通じて、生きる喜びを提供し、人々の笑顔を創造する企業集団です。より多くの人の笑顔を創造するためには、従業員の個性や強みといった“らしさ”を活かしながら、空間に新たな価値を生み出す力が不可欠であると考えます。
従業員の力を最大化するために、より“当社らしさ”を重視した人材の採用と育成、適正な人員配置、職場環境の整備を進め、互いが高め合いながら安心して働くことができる組織づくりを推進します。そして、従業員一人ひとりが、新たな価値の創造に向けて、常に考え、提案し、行動する「笑顔の創造者」となることを目指します。
[人材育成方針]
当社グループでは、公営競技事業(競馬・オートレース)、遊園地事業、倉庫賃貸事業、サービス事業の4つの事業を俯瞰的に捉え、社会環境の変化を的確に対応し、新たな事業やサービスを創造、推進していく次世代リーダーの育成に努めております。また、グループ会社および社外との人事交流を通して、幅広い人脈の形成とそれに伴う人間性の強化を図っております。
① 採用(新卒採用/キャリア採用/地域・職種限定採用)
現在、当社グループでは入社後に様々な事業の経験を積ませる育成期間を確保するために、新卒採用を中心に採用活動を行っております。若年層の長期キャリア形成のために新卒採用は重要であると考えており、オンラインを中心とした採用活動を実施し、全国の優秀な人材の確保に努めております。また、採用ホームページの開設や早期からのオープンカンパニーの実施などを通して、学生に事業や仕事の内容について理解を深めてもらう取り組みを行っております。
一方で、事業によっては、専門的な知識やスキルが求められており、必要に応じてキャリア採用を実施しております。実績としては、SPAT4(南関東4競馬場在宅投票システム)の開発を担うSE経験者(IT人材)や経理経験者を採用しております。また、小林牧場や伊勢崎オートレース場といった東京から遠隔地にある事業所においては、
緊急時でも対応できるよう、機動的な人材を確保するため、地域・職種限定社員の採用も実施しております。
今後は、新卒採用による長期的な視点に立った採用計画を継続するとともに、事業の変化にも柔軟に対応するため、キャリア採用による即戦力人材の活用により、より強固な組織体制の整備を図ってまいります。
◆ 東京都競馬㈱における採用状況(入社年)
種別/入社年
|
2021年
|
2022年
|
2023年
|
2024年
|
2025年
|
新卒採用(大卒)
|
3名
|
5名
|
0名
|
5名
|
5名(予定)
|
新卒採用(高卒)
|
0名
|
1名
|
0名
|
2名
|
1名(目標)
|
キャリア採用
|
2名
|
0名
|
3名
|
1名
|
3名(目標)
|
地域・職種限定採用
|
2名
|
0名
|
1名
|
2名
|
2名(目標)
|
② 人材育成
(ア) OJTによる長期的な視野に立ったキャリア形成
当社では、大卒総合職の従業員に対して、数年おきの人事異動によるジョブローテーションを行っており、様々な業務を経験することで、幅広い知識の習得と俯瞰的な視点を持つ人材の育成、並びに業務を通じた人脈の形成を図っております。また、グループ会社間での人材交流も積極的に実施しており、人材交流を通して相互理解を図っております。
さらに、社員教育体制の一環として、中堅社員を中心に、将来当社グループを背負って立つ人材へと成長できるよう、社外研修制度(外部出向)を導入しております。外部機関(自治体や企業など)への一定期間の研修出向を通じて、多角的な視点での物事の見方を習得するとともに、異なる業種の人脈を形成するなど、社内だけでは得られない知識と経験を習得しております。
(イ) グループ共通の研修制度によるOff-JTの強化
当社グループでは、グループ共通の研修制度を導入しており、3か年計画(2022年~2024年)に基づき、「主体性の強化」を研修目標として、各種研修を実施しております。
主な研修としては、各階層において必要とされる能力(業務遂行力・対人関係能力など)を習得する「階層別研修」、当社グループの従業員として、特に強化が必要とされる能力(ロジカルシンキング・業務改善能力など)を習得する「特定能力強化研修」、当社グループの中期経営計画や社会環境などを踏まえ、全社的な共通理解を図るテーマについて、全従業員への理解を浸透させる「テーマ別研修」(DX・ITリテラシー、SDGs・ESG、ダイバーシティ&インクルージョンなど)の3種類の研修を実施しております。
また、「e‐ラーニング」を導入しており、従業員一人ひとりにあった多彩な成長機会を通して、能力向上と自律的なキャリア形成をサポートしております。
2025年4月からは、これまでの研修の成果と反省を踏まえ、新たな3か年計画を策定のうえ、社員の自主性を重視した最適な研修を行っていく予定です。
◆3か年計画(2022年~2024年実施)の研修達成目標 「主体性の強化」 ・ 主体性を求め、発揮できる職場環境を構築する。 ・ 職場のメンバーが能動的に新しいことを挑戦し、自らの成長が実感できるようにする。
|
◆ 当社グループの研修体制
(ウ) 評価制度
目標管理制度(MBO)と考課表(行動評価)による総合評価で人事考課をしており、従業員が主体的に能力を発揮出来る環境を整えております。また、毎月、目標の達成状況(進捗)を確認する1on1の面談と人事考課のフィードバック面談を実施しており、従業員の心理的安全性とモチベーションアップの向上に努めております。
[社内環境整備方針]
当社グループでは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進により、多様性を受容する組織風土を醸成し、多様な人材が活躍できる組織の構築を目指しております。そのため、従業員一人ひとりがその能力を十分に発揮することができるようにするため、仕事と育児の両立支援により、子育てをしながら仕事を続けられる職場環境を整備するとともに、ワークライフインテグレーションを意識した社内制度の充実を図っております。
① ダイバーシティ&インクルージョンの推進
(ア) 女性活躍推進に向けた取り組み
当社グループでは、性別にこだわらず、人格、能力などを重視した採用、人事を行っております。女性管理職については、現在、女性の管理職比率はグループ全体で11.9%(2024年12月末)でありますが、近年は、女性の競馬に対する関心の高まりや大井競馬場でのイルミネーションイベント(東京メガイルミ)などの効果により、採用者数に占める女性の割合が増えております。
入社後、育児休業等により長期間休業した場合でも、休業期間の長さに関係なく、本人の能力に応じた役職に復帰させるとともに、個々のニーズに合わせた適切なサポートにより、将来的には女性の管理職比率向上を図ってまいります。
また、現在、女性の技術職社員が1名となっております。そのため、女性活躍推進法に基づく行動計画では、「女性の技術職社員を現在の1名から2名に増加し、働き続けやすい職場環境を整備する」を目標とし、採用活動や各種環境整備を進めております。
(イ) 多様な人材の登用
当社では、多彩な能力を持つ従業員が、その能力を最大限に発揮するため、新卒採用(プロパー社員)と中途採用(キャリア社員)の両輪の採用を行っております。グループ全体を俯瞰的に捉える能力を有したプロパー社員と専門性の高い知識とスキルを有したキャリア社員が融合することにより、様々な人材がより高いレベルで活躍できる組織の構築を図っております。
また、定年退職者の継続雇用制度をはじめ、契約社員や派遣社員の採用、障害者雇用など、多様な人材を登用し、組織の活性化を図っております。
② 社員のエンゲージメントの向上
(ア) 一人ひとりの生活リズムに合った働き方の推進
多様な働き方に対応するため、テレワークの推進や時差出勤の推奨、半日休暇や時間休暇といった時間単位での休暇により、休暇が取得しやすい環境を整えております。これにより、従業員一人ひとりが自分の生活リズムに合った仕事のやり方を通して、最高のパフォーマンスが発揮できる環境整備を進めております。
(イ) 従業員持株会向け譲渡制限付株式報酬制度の導入
人的資本経営の考え方に基づく従業員への福利厚生の拡充策の一環として、当社が保有する自己株式を活用した本制度を導入いたしました。これにより、財産形成の一助になることに加え、経営に対する参画意識を高めることが期待されます。
(ウ) GLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入
病気やケガにより長期間働けなくなってしまった従業員に対し、一定の所得を補償するGLTD制度を導入いたしました。従業員がより安心して働くことができる環境を整えることで、モチベーションの向上を図ってまいります。
(エ) メンター制度の活用
新入社員の職場環境への適応をはじめ、日常業務から個人のプライベートに関する相談まで、先輩社員が新入社員に向けて自己の経験等をもとに助言等の支援を行うメンター制度を導入しております。メンターである先輩社員と新入社員とのコミュニケーションを通じて、新入社員が安心して仕事に取り組める環境整備と定着率の向上を図っております。
(オ) 仕事と育児の両立支援
従業員の仕事と育児との両立を図るため、育児・介護休業法に基づく社内制度の整備はもちろんのこと、育児短時間勤務における対象年齢の引き上げや、子の看護休暇を無給扱いから有給扱いにする制度変更など、法令を超える会社独自の制度を導入しております。
また、育児休業取得対象者に向けての相談窓口による育休相談や、育児休業中のe‐ラーニングによる研修、育児休業経験のある男性社員が経験談を語る座談会の実施など、育児休業を取得しやすい環境整備と育児休業後の復帰に向けたサポートを推進しております。
(カ) 家族も含めた福利厚生サービスの充実
人間ドックの受診においては、本人のみならず配偶者への補助金の支給や、永年勤続者に対するリフレッシュ休暇と勤続年数に応じた旅行券の支給、厚生寮(熱海桃山苑)の家族利用など、家族も含めた福利厚生サービスの充実を図っております。
(キ) 従業員間の親睦と連携の強化
従業員で構成される「従業員向上会」という親睦団体があり、社内懇親イベントを定期的に実施しており、事業所や部署にとらわれないコミュニケーションの場の提供を通して、従業員間の親睦を図っております。
また、グループの全従業員を対象とした研修や同階層の従業員を対象とした研修を通して、全ての従業員が同じ環境のなかで積極的にコミュニケーションが取れる機会を提供しており、それにより事業所・部署間の垣根を越えた意見の交換や連携を図っております。
(2) 指標及び目標
[多様性の確保に向けた主な指標]
当社および当社グループにおける人的資本に関する指標は下表のとおりです。なお、同表における数値目標(KPI)の設定については、 現行の指標を踏まえ、次期中期経営計画の策定と合わせて検討中であります。
①提出会社
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注2)
|
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注3)
|
労働者の男女の 賃金の差異(%)(注4)
|
全労働者
|
正規雇用労働者
|
パート・有期労働者
|
12.0
|
100.0
|
81.6
|
80.8
|
97.5
|
②連結会社
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注2)
|
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注3)
|
労働者の男女の 賃金の差異(%)(注4)
|
全労働者
|
正規雇用労働者
|
パート・有期労働者
|
11.9
|
100.0
|
71.8
|
78.9
|
85.2
|
(注) 1.管理職に占める女性従業員の割合、男性の育児休業取得率、男女の賃金格差の算出に際して、出向者は出向先の従業員として集計しております。
2.管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律 第64号)の規定に基づき算出しています。なお管理職とは、管轄組織の責任者としてマネジメントを行う課長職以上を指しております。
3.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律 第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。
4.男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、賃金の差異は等級別人員構成の違いによって生じているものであり、正規雇用労働者における上位等級の男性比率が高いため差が生じておりますが、同一労働の賃金に差はありません。
5.連結子会社はいずれも、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律 第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律 第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。