2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 15,273 100.0 1,275 100.0 8.4

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、宴会場・結婚式場・レストランの経営と洋菓子等の販売を行っております。
  当社の事業系統図は次のとおりであります。

 


 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などを背景に緩やかな回復基調が続いた一方、中東を含む不安定な世界情勢や円安環境下での資源価格上昇と慢性的な人材不足による賃金上昇など、供給サイドに起因する価格高騰といった企業収益圧迫要因が存在し、先行き不透明な状況が継続するなかで推移しました。

このような状況の下、当社は、「確かなサービスと格調高い施設を提供することで、我が国の食文化の発展に貢献する」という創業以来の企業理念のもと、その具現化に向けて「期待を超える上質な味とサービスをお客様に継続的に提供すること」をビジョンに掲げて各種施策を実施してまいりました。当事業年度は中期経営計画の2年目にあたり、その重点テーマである「現有資産の収益力最大化」と「経営基盤の強化」の諸施策を着実に推し進めてまいりました。現有資産の収益力強化の観点では、コロナ禍終息以降の好業績と旺盛な需要を裏付けとして投資効率の確度が高まったことから、本格稼働から間もない新本舘の絨毯や調度品の入れ替えを早々に行うなど、施設空間の上質感をさらに高める内装への投資を本格的に着手いたしました。また、経営基盤強化の観点では、事業の持続的成長実現に向けた人的資本への投資にも注力し、従業員の報酬・福利厚生の改善や、多様な人材活用を意識した雇用環境整備等を積極的に実施いたしました。

当事業年度の売上高は、宴会・食堂部門が大幅な増収となり、コロナ禍以前の売上高を更新した前期を389百万円上回る15,273百万円となりました。経費面では、適正価格での原材料の計画的調達によるコストコントロールや厳格な経費管理を実施し、人的資本への投資に伴う諸費用増の吸収に努めた結果、営業利益は1,275百万円(前期比227百万円増加)、経常利益は1,246百万円(前期比259百万円増加)となりました。また、当期純利益は、繰延税金資産評価見直しによる法人税等調整額△835百万円を計上した前年同期から645百万円減少し、889百万円となりました。

 

これを部門別にみますと

宴会部門につきましては、大型宴会の獲得が順調に進んだことに加え、効率的なブッキングコントロールが奏功し、一般宴会の売上高が大きく伸長しました。婚礼は、施行件数はわずかに減少したものの、1組あたりの施行単価が向上したことにより、好調であった前事業年度の売上高を上回りました。これらの結果、一般宴会、婚礼合計の宴会部門全体の売上高は10,783百万円(前期比2.0%増)となりました。

食堂部門につきましては、各店舗の特色を活かしたメニューを展開しながら、顧客のニーズに寄り添った、より付加価値の高い商品の開発やサービスの充実を図り、高い評価を得ました。平日の法人需要は前事業年度からの回復基調を一層強め、週末の慶事利用も引き続き盛況でした。また、開業2年目を迎えた東宝日比谷プロムナードビル内のレストラン「Drape」において、幅広い世代への認知度が高まり、連日の賑わいを見せました。これらの結果、食堂部門全体の売上高は3,361百万円(前期比6.2%増)となりました。

売店・その他の営業につきましては、舘内販売では、季節に合わせた彩り豊かな新商品を継続的に投入するとともに、環境に配慮したアイディア商品の展開が好評を博し、堅調に推移しました。食品部門では、伝統の焼菓子や半生菓子が百貨店などで安定した販売実績を維持したものの、企業向けの大口引き菓子の受注減少や催事出店の縮小が影響し、売上高は1,128百万円(前期比1.3%減)となりました。

 

②財政状態の状況

総資産は、前事業年度末に比べて1,067百万円増加し27,497百万円となりました。その主な要因は有価証券が1,800百万円、投資有価証券が1,078百万円それぞれ増加し、現金及び預金が1,102百万円、有形固定資産が691百万円それぞれ減少したことであります。

負債は、前事業年度末に比べて291百万円減少し16,540百万円となりました。その主な要因は繰延税金負債が519百万円増加し、未払金が48百万円、未払法人税等が26百万円、長期借入金が240百万円、リース債務が235百万円、退職給付引当金が182百万円それぞれ減少したことであります。

純資産は、当期純利益の計上などにより、前事業年度末に比べ純額で1,359百万円増加し10,957百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前事業年度末に比べて3.5ポイント増加して39.8%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ1,102百万円減少し、4,410百万円となりました。

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,573百万円の純収入(前事業年度は1,936百万円の純収入)となりました。これは主に税引前当期純利益1,246百万円に、減価償却費773百万円の非資金取引による増加、売上債権の増加108百万円等による運転資本の増減によるものであります。

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,879百万円の純支出(前事業年度は624百万円の純支出)となりました。これは主に有価証券の取得による支出3,800百万円、保険積立金の積立による支出160百万円、有価証券の償還による収入2,000百万円、保険積立金の払戻による収入137百万円によるものであります。

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、796百万円の純支出(前事業年度は517百万円の純支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出240百万円、リース債務の返済による支出216百万円によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社は、主としてレストラン・宴会サービスを提供しているため、生産及び受注に替えて仕入実績を記載しております。

イ 仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

仕入高(千円)

前期比(%)

料理飲料材料

1,765,590

3.50

洋菓子等製造材料

108,750

△3.09

サービス仕入

3,015,274

4.51

4,889,616

3.96

 

(注) 当社の提供する製商品及びサービスは、各売上部門間に複雑に関連し、売上部門単位で生産実績を記載

  することができないので、基礎的な材料およびサービスの仕入額を記載しております。

 

ロ 販売実績

前事業年度、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

 

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

宴会

10,576,297

15.9

10,783,583

2.0

食堂

3,164,331

19.1

3,361,562

6.2

売店他

1,143,151

3.3

1,128,239

△1.3

14,883,779

15.5

15,273,384

2.6

 

 

 

(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の売上高は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などによる社会経済の活性化により、個人消費や企業収益の改善が加速するなかで宴会・食堂の各部門において前事業年度に比べて増加し15,273百万円(前期比2.6%増)となりました。営業利益は、売上高の増加と原材料の計画的調達によるコストコントロールや厳格な経費管理を実施した結果1,275百万円(前期比21.7%増)となり、経常利益は1,246百万円(前期比26.3%増)となりました。また、当期純利益は、繰延税金資産評価見直しによる法人税等調整額△835百万円を計上した前年同期から645百万円減少し、889百万円(前期比42.1%減)となりました。

総資産は、有価証券の購入や投資有価証券の時価評価による増加などの増加要因及び有形固定資産の減価償却などの減少要因により、前事業年度末に比べて1,067百万円増加し27,497百万円となりました。負債は、長期借入金、リース債務の約定返済や昨年度発生した数理差異の認識による退職給付引当金の減少などにより、前事業年度末に比べて291百万円減少し16,540百万円となりました。これらの結果、流動比率は256.9%、固定長期適合率は80.6%、自己資本比率は39.8%となり、前事業年度に引き続き、高い安全性指標となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益に非資金取引の減価償却費や運転資本の増減などにより、1,573百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券や有形固定資産の取得などにより、1,879百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金およびリース債務の約定返済や役員報酬BIP信託での自己株式取得などにより、796百万円の純支出となりました。これらの結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末から1,102百万円減少して4,410百万円となりました。

当社は営業活動から生じるキャッシュ・フローを主たる資金の源泉としており、この内部生成資金が通常の事業活動、設備投資、法人税や配当の支払いなどをまかなうに足りると考えております。加えて、金融機関との間にコミットメントライン等を設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。コミットメントライン等の状況については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載のとおりです。 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。