2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

国内きのこ事業 海外きのこ事業 加工品事業 化成品事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
国内きのこ事業 52,046 64.6 3,912 74.3 7.5
海外きのこ事業 7,887 9.8 857 16.3 10.9
加工品事業 7,498 9.3 294 5.6 3.9
化成品事業 13,133 16.3 200 3.8 1.5

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(ホクト株式会社)及び子会社8社により構成しており、今後の幅広い事業展開と経営の効率化を目的として、「国内きのこ事業」、「海外きのこ事業」、「加工品事業」及び「化成品事業」の4事業部門に関係する事業を営んでおります。

 なお、次の4事業部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
 

1.国内きのこ事業

 昭和30年代より今迄の原木によるきのこ栽培から、空調施設の導入、機械化による施設型きのこ生産が飛躍的に伸び、当社でも昭和47年より従来からの栽培用ビン、種菌等の製造販売と共に、きのこ生産、販売に着手いたしました。

 爾来、一貫して「鮮度の高いきのこ」、「今日収穫したきのこを、翌日にはスーパーの店頭に…。」を念頭に、そのための生産センターを日本全国に設置し、当期末までに全国20ヵ所に33生産センターを稼働させるに至りました。「良質」、「安定収穫」をかかげ、「整理、整頓、清潔、清掃」の「4S運動」を実行しております。

 国内でのきのこ事業は、全国各地の市場、量販店(スーパー)、生活協同組合等との取引を行っており、常に安定した供給を心掛けております。現在、国内には北海道、宮城、長野、東京、名古屋、大阪、広島、香川、九州の9地域に営業拠点を配しております。

 また、昨今の円安などの影響によりきのこの培地原料であるコーンコブミールの価格が上昇していることから、原料の安定調達を図るため、インドネシアにPT HOKTO INDONESIA MATERIALSを設立し、一部コーンコブミールの生産を始めました。

 

2.海外きのこ事業

 海外の子会社によるきのこの生産及び販売を行っており、拠点は、米国の「HOKTO KINOKO COMPANY」が1センター、台湾の「台灣北斗生技股份有限公司」が2センター、またマレーシアの「HOKTO MALAYSIA SDN.BHD.」が1センターを有し、出荷を行っております。加えて、海外での販売拡大のために、アジアを中心とし広くはヨーロッパまで市場調査や営業活動を行っております。

 

3.加工品事業

 当社加工食品事業部におきまして、主にきのこを使用した加工品の販売を行い、カレー、健康食品を中心とした新商品の開発や市場開拓及びその通販事業等に注力しております。

 また、子会社の株式会社アーデンは、昭和52年よりカレー、各種スープ、和食材などの多彩なレトルトパウチ食品製造を手掛けており、大手食品メーカーをはじめ食品スーパーなどと取引を行っております。このレトルトパウチ食品製造のノウハウは、当社が今後きのこを主体とした付加価値商品の展開を図っていく上で有益であり、両社の営業力や物流販売能力を組み合わせることでシナジーが期待できるものと考えております。

 

4.化成品事業

 ホクト産業株式会社におきまして、下記のとおり事業を展開しております。

(1)農業資材の製造、販売

 きのこ生産に不可欠なP・P(ポリプロピレン)ビン等の栽培用資材の製造と、栽培用機械、包装用機械及び資材等の販売を担当しており、きのこの生産から包装までの総合相談、指導を行う部門であります。

 近年きのこ生産農家の高齢化、後継者不足が顕著でありますが、当社創立後、間もなく組織された事業であり、長年の経験をもとに質の高い指導をもって固定客の確保に努めております。

(2)包装資材

 食品を中心とした包装用の資材、容器、機械の販売を担当している部門であります。近年は非食品業界への販売も増加しており、既存の分野にとらわれない幅広い販売を展開しております。また、自社製造部門におきましてブローボトルを製造しており、飲料用、工業用等メーカーとして全国に販売を展開してきております。これら新規分野への販売や新規事業等の柱を大きく成長させるべく活動しております。

 

 

[事業系統図]

 以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症による行動制限が徐々に緩和され緩やかに経済活動が正常化したことに伴い、インバウンド需要が増加するなど景気は緩やかな回復基調にあります。一方、緊迫化する国際情勢に起因したエネルギー価格・原材料価格の高止まりに加え、国内において急激な円安による経済への悪影響や利上げによる物価高騰など、依然として先行きは不透明な状況が継続いたしました。

このような経済環境の中、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとし、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。

当連結会計年度は、昨年より比較的温暖な気候が続きましたが、きのこの需要期である秋の高温・干ばつの影響で野菜は品薄品目が多く、野菜相場の高値基調が続く中、きのこの生産調整を行ったこともあり、きのこの価格も昨年を上回る価格で推移いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億91百万円減少し、1,035億5百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ52億60百万円減少し、486億80百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ38億68百万円増加し、548億24百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高794億26百万円(前期比8.8%増)、営業利益31億80百万円(前期営業損失29億48百万円)、経常利益47億15百万円(同経常損失18億54百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は35億25百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失20億37百万円)となりました。

 なお、当連結会計年度の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ47,643t(前年同期比3.5%減)、エリンギ16,845t(同10.9%減)、マイタケ15,825t(同3.9%減)となりました。

 当連結会計年度の各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

 「国内きのこ事業」

 生産部門におきましては、原材料価格、エネルギーコスト、包装費等、製造原価が大幅に上昇する中、コスト削減に取り組むとともに、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。

研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、既存のきのこの改良及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。

営業部門におきましては、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面におきましては、昨年より比較的温暖な気候が続きましたが、きのこの需要期である秋の高温・干ばつの影響で野菜は品薄品目が多く、野菜相場の高値基調が続く中、きのこの生産調整を行ったこともあり、きのこの価格も昨年を上回る価格で推移いたしました。また、2月の降雪の影響もあり野菜の収穫や輸送が滞り多くの品目で野菜の流通が減ったことにより、きのこの価格の安定に繋がりました。

 以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は520億10百万円(前期比10.5%増)となりました。

 

 「海外きのこ事業」

 米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、販売が堅調に推移し、また値上げの効果もあり、売上高、営業利益ともに、計画を上回る結果となりました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、引き続き小売り各社での価格競争が激化しており、各顧客先での値上げが難しい等厳しい状況が続き、売上高、営業利益はともに若干ですが計画未達となりました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、2月に旧正月という1年で最大の需要期がありましたが、小売り全体、全てのカテゴリーにおいて販売が苦戦し、当社への発注量も大きなマイナスとなってしまいました。旧正月後はコロナが終息に向かっていることにより、小売りでの販売活動は制限がほぼなくなったことで、コロナ禍前の状態に戻り、マレーシアを中心に試食販売やもぎ取り販売等の提案販売を実施し売上増を図りました。しかしながら、売上高、営業利益ともに計画を下回ることとなりました。

 以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は78億87百万円(同20.8%増)となりました。

 

 「加工品事業」

 加工品事業におきましては、水煮・冷凍等のきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発及び市場開拓に取り組んでまいりました。販売面では、特に青果向け市販用加工商品が好調な販売となりました。しかしながら、主力のコンビニエンスストア・NBメーカーの売上は、原料値上げやメニューの採用が減り、低調に推移いたしました。通販事業は、自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、一部の得意先を除き受注が回復しつつあり、また自社製品営業部もオリジナル製品が順調に推移しましたが、売上高は計画を下回りました。しかしながら、営業利益については、電力費等のエネルギーコストが値上がりする中、経費削減に努めた結果、計画を上回りました。

 以上の結果、加工品事業の売上高は74億98百万円(同5.7%減)となりました。

 

 「化成品事業」

 包装資材を主要事業とする第一営業部では、品質劣化をおさえる機能性包材や、リサイクル原料を利用した環境包材を中心とした付加価値製品の提案営業に取り組みました。食品ベンダー向けは、設備投資案件も取り込み比較的堅調に推移しましたが、半導体・自動車部品関連メーカー向け等、工業資材販売については回復が遅れました。

自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二営業部では、引き続き自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。きのこ生産者向けの生産原料販売が引き続き堅調に推移した他、スポットの設備投資需要を取り込みました。

 以上の結果、化成品事業の売上高は120億29百万円(同5.2%増)となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ15億90百万円増加し、当連結会計年度末には136億38百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により増加した資金は83億75百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益50億17百万円、減価償却費61億80百万円及び為替差益12億26百万円の計上ならびに売上債権の増加16億28百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により増加した資金は10億46百万円となりました。これは主に、定期預金の純減28億5百万円及び有形固定資産の純増19億45百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により減少した資金は87億89百万円となりました。これは主に、社債の償還による支出97億17百万円によるものであります。

 

 

③ 生産・受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

国内きのこ事業

 

 

  ブナシメジ    (t)

42,926

96.3

  エリンギ      (t)

16,195

88.9

  マイタケ      (t)

15,146

95.7

  その他        (t)

5,446

98.0

79,715

94.7

海外きのこ事業

 

 

  ブナシメジ    (t)

4,717

98.7

  エリンギ      (t)

649

94.9

  マイタケ      (t)

679

107.8

6,046

99.2

化成品事業

 

 

  P.Pビン         (千本)

1,916

117.0

  コンテナ           (千個)

289

73.7

  キャップ           (千個)

25

19.5

  飲料用ボトル       (千本)

42,561

115.6

  衛生消耗品用ボトル (千本)

2,783

159.7

  フィルム           (千枚)

19,754

74.8

加工品事業

 

 

  レトルト食品  (t)

12,640

92.2

 (注)1.上記につきましては、金額換算が煩雑であるため数量で表示しております。

2.セグメント間取引については、生産実績に含めておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業   (百万円)

10,055

103.0

加工品事業   (百万円)

121

59.1

計(百万円)

10,176

102.1

 

(3)受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

国内きのこ事業         (百万円)

52,010

110.5

海外きのこ事業         (百万円)

7,887

120.8

加工品事業             (百万円)

7,498

94.3

化成品事業             (百万円)

12,029

105.2

計(百万円)

79,426

108.8

  (注)セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、会計上の見積りについては、過去の実績、現在の状況、将来の見込み等を総合的に勘案して算出された合理的な金額によっております。

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計方針)」にそれぞれ記載し、会計上の見積りのうち重要なものは、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(重要な会計上の見積り)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計上の見積り)」にそれぞれ記載しております。

 このような会計方針に基づいて作成された連結財務諸表及び財務諸表は、当社グループの経営実態を正しく反映したものであると考えております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は312億25百万円となり、前連結会計年度末より4億34百万円増加いたしました。固定資産は722億79百万円となり、前連結会計年度末より18億26百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産32億81百万円の減少及び投資その他の資産14億95百万円の増加によるものであります。

 この結果、総資産は1,035億5百万円となり、前連結会計年度末より13億91百万円減少いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は303億4百万円となり、前連結会計年度末より76億32百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金49億95百万円の増加、ならびに1年内償還予定の新株予約権付社債97億19百万円及び1年内返済予定の長期借入金37億38百万円の減少によるものであります。固定負債は183億76百万円となり、前連結会計年度末より23億71百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債12億31百万円及び長期借入金10億46百万円の増加によるものであります。

 この結果、負債合計は486億80百万円となり、前連結会計年度末より52億60百万円減少いたしました。

 

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は548億24百万円となり、前連結会計年度末より38億68百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益35億25百万円を計上し配当金12億72百万円を支払ったことによる利益剰余金22億50百万円及びその他有価証券評価差額金13億22百万円の増加によるものであります。

 この結果、自己資本比率は53.0%(前連結会計年度末は48.6%)となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

 主力の国内きのこ事業は、当連結会計年度は、昨年より比較的温暖な気候が続きましたが、きのこの需要期である秋の高温・干ばつの影響で野菜は品薄品目が多く、野菜相場の高値基調が続く中、きのこの生産調整を行ったこともあり、きのこの価格も昨年を上回る価格で推移いたしました。

 以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は520億10百万円(前期比10.5%増)となりました。

 アメリカの現地法人におきましては、販売が堅調に推移し、また値上げの効果もあり、売上高、営業利益ともに、計画を上回る結果となりました。台湾の現地法人におきましては、引き続き小売り各社での価格競争が激化しており、各顧客先での値上げが難しい等厳しい状況が続き、売上高、営業利益はともに若干ですが計画未達となりました。マレーシアの現地法人におきましては、2月に旧正月という1年で最大の需要期がありましたが、小売り全体、全てのカテゴリーにおいて販売が苦戦し、当社への発注量も大きなマイナスとなってしまいました。旧正月後はコロナが終息に向かっていることにより、小売りでの販売活動は制限がほぼなくなったことで、コロナ禍前の状態に戻り、マレーシアを中心に試食販売やもぎ取り販売等の提案販売を実施し売上増を図りました。しかしながら、売上高、営業利益ともに計画を下回ることとなりました。

 以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は78億87百万円(同20.8%増)となりました。

 加工品事業におきましては、水煮・冷凍等のきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発及び市場開拓に取り組んでまいりました。販売面では、特に青果向け市販用加工商品が好調な販売となりました。しかしながら、主力のコンビニエンスストア・NBメーカーの売上は、原料値上げやメニューの採用が減り、低調に推移いたしました。通販事業は、自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、一部の得意先を除き受注が回復しつつあり、また自社製品営業部もオリジナル製品が順調に推移しましたが、売上高は計画を下回りました。しかしながら、営業利益については、電力費等のエネルギーコストが値上がりする中、経費削減に努めた結果、計画を上回りました。

 以上の結果、加工品事業の売上高は74億98百万円(同5.7%減)となりました。

 化成品事業におきましては、包装資材を主要事業とする第一営業部では、品質劣化をおさえる機能性包材や、リサイクル原料を利用した環境包材を中心とした付加価値製品の提案営業に取り組みました。食品ベンダー向けは、設備投資案件も取り込み比較的堅調に推移しましたが、半導体・自動車部品関連メーカー向け等、工業資材販売については回復が遅れました。

自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二営業部では、引き続き自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。きのこ生産者向けの生産原料販売が引き続き堅調に推移した他、スポットの設備投資需要を取り込みました。

 以上の結果、化成品事業の売上高は120億29百万円(同5.2%増)となりました。

 上記の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ64億46百万円増加し、794億26百万円(同8.8%増)となりました。

 

(売上総利益)

 売上高の増加に加え、製造原価のうち生産原料費、電力費などが前期に比べ減少した結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ68億21百万円増加し、197億89百万円(前期比52.6%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 広告宣伝費等、前年に比べ減少した費用もありましたが、値上げにより運送費が増加し、また、売上が増加した分販売手数料が増加した結果、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ6億92百万円増加し、166億8百万円(同4.3%増)となりました。

 

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ61億29百万円増加し、営業利益31億80百万円(前期営業損失29億48百万円)となりました。

 

 

(経常利益)

 経常利益は、営業利益の大幅に増加したことに加え、円安により為替差益が発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ65億70百万円増加し、経常利益47億15百万円(前期経常損失18億54百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が大幅に増加したことに加え、苫小牧きのこセンター火災訴訟において和解が成立したことにより特別利益として受取和解金が2億99百万円発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ55億62百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は35億25百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失20億37百万円)となりました。

 この結果、1株当たり当期純利益は111円19銭となりました。また、自己資本比率は53.0%となり、前連結会計年度に比べ4.4ポイント上昇いたしました。

 

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

自己資本比率(%)

50.2

54.0

51.9

48.6

53.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

58.6

65.5

57.4

56.0

57.2

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

2.4

2.1

4.6

6.5

3.9

インタレスト・カバレッジ・

レシオ(倍)

123.7

137.9

77.9

50.6

66.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

4)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金や設備投資に必要な資金は、自己資金のほか主として銀行借入や社債発行により調達しております。なお、当連結会計年度末現在、新たに確定した重要な設備投資はありませんが、成長に向けた投資は引き続き行ってまいります。

 

 

5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、第2「事業の状況」の3.事業等のリスクに記載のとおりであります。

 

 

6)経営者の問題認識と今後の方針

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当グループの報告セグメントは、当グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当グループは、提出会社を中心とする「国内きのこ事業」と「海外きのこ事業」「加工品事業」「化成品事業」の4つを報告セグメントとしております。「国内きのこ事業」につきましては、国内における「ブナシメジ」、「エリンギ」及び「マイタケ」を中心としたきのこ製品の生産・販売を行い、「海外きのこ事業」につきましては、海外における「ブナシメジ」、「エリンギ」及び「マイタケ」を中心としたきのこ製品の生産・販売を行っております。「加工品事業」につきましては、きのこを使用した加工食品やカレー・スープなど各種レトルトパウチ食品の製造・販売、及びサプリメントの販売を行っております。また、「化成品事業」につきましては、包装資材及び農業資材の製造・販売を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

国内きのこ事業

海外きのこ事業

加工品事業

化成品事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

(1)外部顧客への売上高

47,060

6,530

7,948

11,439

72,980

72,980

(2)セグメント間の内部売上高又は振替高

36

1,079

1,115

△1,115

47,097

6,530

7,948

12,518

74,095

△1,115

72,980

セグメント利益又は損失(△)

△1,619

153

275

145

△1,045

△1,902

△2,948

セグメント資産

76,089

12,588

5,705

8,603

102,987

1,909

104,897

セグメント負債

46,800

1,598

1,600

3,941

53,941

53,941

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

6,022

571

213

350

7,157

58

7,215

のれんの償却額

37

37

37

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

870

71

58

139

1,139

67

1,207

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

    (1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△1,902百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,919百万円およびセグメント間取引消去17百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

    (2)セグメント資産の調整額1,909百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産の主なものは、管理部門に係る資産等であります。

    (3)その他の項目の調整額126百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産の増加額とその減価償却費であります。全社資産の増加額の主なものは、セグメントに帰属しない当社の管理部門に係る資産等であります。

   2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業損失と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

国内きのこ事業

海外きのこ事業

加工品事業

化成品事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

(1)外部顧客への売上高

52,010

7,887

7,498

12,029

79,426

79,426

(2)セグメント間の内部売上高又は振替高

35

1,104

1,139

△1,139

52,046

7,887

7,498

13,133

80,565

△1,139

79,426

セグメント利益

3,912

857

294

200

5,265

△2,084

3,180

セグメント資産

74,896

12,440

5,715

8,723

101,776

1,729

103,505

セグメント負債

40,575

1,515

1,545

5,042

48,680

48,680

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

5,053

533

178

356

6,122

58

6,180

のれんの償却額

9

9

9

有形固定資産及び無形固定資産の増加額(注)3

1,016

458

182

82

1,740

1

1,741

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

    (1)セグメント利益の調整額△2,084百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,102百万円およびセグメント間取引消去18百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

    (2)セグメント資産の調整額1,729百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産の主なものは、管理部門に係る資産等であります。

    (3)その他の項目の調整額60百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産の増加額とその減価償却費であります。全社資産の増加額の主なものは、セグメントに帰属しない当社の管理部門に係る資産等であります。

   2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

   3.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、新規連結に伴う増加額を含んでおりません。

 

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

 

 日本

アジア

北米

合計

56,686

3,080

4,206

63,973

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

 

 日本

アジア

北米

その他

合計

71,216

3,659

4,522

27

79,426

 

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

 

 日本

アジア

北米

その他

合計

52,177

3,774

4,739

60,691

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

国内きのこ事業

海外きのこ事業

加工品事業

化成品事業

全社・消去

合計

減損損失

363

363

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

国内きのこ事業

海外きのこ事業

加工品事業

化成品事業

全社・消去

合計

当期償却額

37

37

当期末残高

9

9

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

国内きのこ事業

海外きのこ事業

加工品事業

化成品事業

全社・消去

合計

当期償却額

9

9

当期末残高

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 該当事項はありません。