事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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野菜苗・苗関連事業 | 6,031 | 84.8 | 514 | 96.2 | 8.5 |
農業・園芸用タネ資材販売事業 | 938 | 13.2 | 27 | 5.0 | 2.9 |
小売事業 | 141 | 2.0 | -7 | -1.2 | -4.6 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社4社、非連結子会社2社、関連会社4社の計11社で構成されており、野菜苗・苗関連事業、農業・園芸用タネ資材販売事業、及び小売事業を主な事業として取り組んでおります。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(1)野菜苗・苗関連事業
野菜苗・苗関連事業は、当社グループの主力事業として、野菜の中でも主に果菜類(※2)の接ぎ木苗の生産・販売を行っております。野菜苗の中でも、接ぎ木しない実生苗(※3)に比べて接ぎ木苗の生産には高いレベルの技術を要し、また、多額の設備費用がかかることから、異業種による新規参入が困難とされております。当社は、この野菜接ぎ木苗生産に特化していることから、1年を通しての納品が可能であり、全国各地の野菜産地及びホームセンターなどの量販店へと販売網を拡大しております。
接ぎ木とは、植物の一部を切り離し、別の植物とつなぎ合わせることで、双方の性質の長所を持ち合わせた新しい植物を作り出す技術であり、連作障害(※4)や病害虫に強く、生産性に優れた育てやすい植物を作ることができます。
近年、接ぎ木苗の需要が拡大してきた背景には、農家の高齢化や大規模化に加えビニールハウス等での施設栽培(※5)が普及したことが考えられます。これまで主流であった露地栽培(※6)と異なり、施設栽培では1年を通して野菜の生産が可能であり、その結果、農地のフル活用が原因で特定の細菌やウイルスなどの病原体が土壌中に増加し、さらに施設内保温により害虫が繁殖するようになりました。このため、病気及び害虫対策として接ぎ木苗の利用が増加し、現在の施設栽培では、接ぎ木苗がなくては栽培が不可能に近い状態であると言われております。また、当社では通常の接ぎ木苗に加えて、ウイルスガード苗ZY、ウイルスガード苗CW、高接ぎハイレッグ苗といった病気に強い苗の生産も行っており、需要も増加しております。
(主な関係会社)当社、ベルグ福島株式会社、伊予農産株式会社、株式会社九重おひさまファーム、四万十あおぞらファーム株式会社、株式会社むさしのタネ
※2 果菜類とは、キュウリ・トマト・ナスのように果実の利用を目的とする野菜の総称。
※3 実生苗とは、植物の種子を発芽させて、そのまま育てた苗のこと。
※4 連作障害とは、同じ畑で同じ野菜や同じ仲間の野菜を毎年連続して栽培したときに生育が極端に悪くなったり、枯れたりする生育障害のこと。
※5 施設栽培とは、強風、低温及び乾燥などから作物を保護するために温室やビニールハウス等の施設を利用して栽培すること。
※6 露地栽培とは、作物を屋外の畑で栽培すること。
当社の主な野菜接ぎ木苗の生産工程を図示すると、次のとおりであります。
① 当社グループを取り巻く環境
当社グループ製品の主なエンドユーザーは、野菜を生産している全国の農家、農業法人及び家庭園芸向けユーザーであります。
農林水産省が2021年6月30日に公表した農林業センサス(※7)によりますと、2020年2月1日現在の農業経営体は109万2千経営体と5年前の前回調査より31万2千経営体(22.2%)減少いたしました。農業経営体のうち、個人経営体は103万7千経営体で、5年前に比べ30万3千経営体(22.6%)減少した一方、団体経営体は3万8千経営体で1千経営体(2.8%)増加しており、全体の減少が続く中で、法人化や規模拡大の進展が継続しております。
また、農林水産省が2023年12月22日に公表した統計によりますと、農業総産出額は、耕種において米、野菜、畜産において豚や鳥の価格が上昇したこと等から、前年に比べて1,631億円増加し、9兆15億円(対前年増減率1.8%増加)となりました。その中で、野菜においては、食の簡便化、外部化の傾向が強まり、カット野菜等に対するニーズや、加工・業務用野菜に国産野菜を求めるニーズが高まっている一方で、豪雨や猛暑といった異常気象が続き、天候により作柄が変動しやすく、生鮮野菜は保存性も乏しいため供給量等が変動しやすい特性もあり、2018年以降は野菜の算出額は2兆2,000億円前後で推移してきました。2022年は、前年に比べ831億円(3.9%)増加し、2兆2,298億円となりました。これは、たまねぎの価格高騰が前年から継続していることや、トマトやにんじん等の品目で、8月の北・東日本を中心とした天候不順等の影響により生産量が減少し、価格が前年に比べて上昇したこと等が寄与したものです。しかしながら、農業従事者の生産農業所得は、2015年以降、農業総産出額の増減はあるものの、3兆円台で推移してきており、2022年はエネルギー価格高騰に伴う、燃料費、電力費等の価格上昇、肥料、飼料等の農業生産資材の価格が上昇したことから、前年に比べて2,428億円(7.3%)減少し、3兆1,051億円となりました。
我が国は、少子高齢化、人口減少により、農業を支える基幹的農業従事者は年々高齢化が進行し、今後一層の担い手の減少が見込まれる中、労働者不足等の生産基盤の脆弱化が深刻な課題となっています。2022年の基幹的農業従事者数の年齢構成は、50代以下は全体の約21%(25万2千人)となっており、今後10年から20年先を見据えますと、大幅に減少することが見込まれており、少ない経営体で日本の農業生産を支えて行かなければならない状況となっております。また、国際的な情勢の変化による食料供給の不安定化等により、我が国の食料安全保障上のリスクは高まっているため、国内の生産基盤を維持・強化し、将来にわたって食料を安定的に供給していく上でのターニングポイントを迎えております。
このような状況の中、農業を持続可能な成長産業とするためには、食料の安定供給の確保のための担い手の育成・確保や農地の集積・集約化等による国内生産基盤の強化、農林水産物・食品の輸出の新たな戦略、SDGsやカーボンニュートラルへの対応が重視されることによる、みどりの食料システム戦略の実現、高齢化や労働力不足を解消するためのスマート農業実証プジェクト及び農業・食関連産業におけるデジタル変革の推進等の取り組みを着実に実施していくことが必要であると考えております。
※7 農林業センサスとは、わが国農林業の生産構造、就業構造を明らかにするとともに、農山村の実態を総合的に把握し、農林行政の企画・立案・推進のための基礎資料を作成し、提供することを目的に、5年ごとに行う調査であります。
② 農業の分業化と省力化
従来の果菜類生産者は、野菜の種子を購入し、播種→苗生産→定植→栽培→収穫の全工程を行うことが一般的でした。最近では、一般的な施設栽培において連作障害を回避するために接ぎ木苗が必須となったことに加え、農家の高齢化や大規模化が進んだことにより、農家が苗生産を行わず、購入する時代へと変化してきました。
このような接ぎ木苗の購入需要の高まりと農業の分業化と省力化という時代の流れを受けて苗生産会社が誕生し、いまや接ぎ木苗の生産事業は、農業の成長には必要不可欠な存在となっております。
③ 野菜苗マーケット
農家の高齢化や人手不足等は日本農業の将来に関わる深刻な問題であり、当然ながら、当社グループにおいてもマーケットの縮小に繋がる重要な問題であると認識しております。
家庭園芸の需要は、近年、飽和状態となっておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により一時的に巣ごもり需要が増加し、現在は緩やかに減少傾向にあります。専業農家向けの需要は、高齢化や市況悪化に伴い、生産面積の縮小、買い控えが進んでおります。一方で、同業者においては、慢性的な人員不足や高度な技術が必要な育苗リスクを回避するために、野菜苗を購入する流れが加速しております。
④ 当社グループの特徴
a.全国展開
当社グループは、日本全国へ営業展開し、直営農場の新設や委託生産による分業体制を敷いたことで、これまで農業が抱えてきた安定的供給が困難であるという問題点を克服し、年間を通して安定した受注・生産が出来る体制を構築しております。また、今後も生産量の拡大に併せて直営農場の拡大と新規委託先の開拓を並行して続けていく方針であります。
なお、当社グループの生産拠点を図示すると次のとおりであります。
b.断根接ぎ木生産
当社グループは、断根接ぎ木技術を用いて野菜接ぎ木苗を生産しております。断根接ぎ木とは、培地に植える部分の根となる植物(台木)の元々の根を切り落とし、その台木と実がなる部分の植物(穂木)を接ぎ木した後に新たな培地に植えることで穂木と台木の接合とほぼ同時に、新しい根を発生させる技術であります。新しく出る根は、若く元気で本数も多く、苗自体に活力を持たせることができます。また、断根により苗サイズを揃えることもできます。
キュウリやメロン等のウリ科野菜については断根接ぎ木が普及しておりますが、トマトやナス等のナス科野菜を断根接ぎ木によって生産する育苗業者は稀であります。これは、ナス科野菜の場合は、根を付けたまま接ぎ木する方法と比べて、断根接ぎ木後の栽培技術の習得に経験を要するためであります。当社グループでは、長年培ってきた栽培技術によって独自の栽培方法を確立しており、接ぎ木作業は主に本社農場で集約生産し、その後の二次育苗拠点を順次拡大していく生産方式によって生産効率を高めてまいりました。
c.閉鎖型育苗施設
閉鎖型育苗施設は、完全に外の環境から隔離された空間内で「光・温度・二酸化炭素・水」を人工的にコントロールして苗を育てる設備であり、当社は、2006年4月に本社農場に同施設を建設しました。同施設の最大のメリットは、病害虫の侵入を最小限に抑えることが出来る点にあります。これにより、農薬使用量を飛躍的に減らし、安心・安全な苗を生産することが可能となり、安定した品質の苗を生産することができます。さらに、低温育苗によるトマトの第一花房着生葉位の低段化(※8)、初期生育がスピードアップされることによる生育日数の短縮、アントシアニンの増加(※9)及び茎の肥大などのメリットもあります。閉鎖型育苗施設は、2015年12月にベルグ福島株式会社に導入しており、2021年2月には、これでま蓄積してきた人工光型栽培装置における育苗のノウハウと一般的なハウスにおける育苗のノウハウを融合し、新たに当社オリジナルのウリ科専用の閉鎖型育苗施設を本社農場に導入し本格稼働しております。
※8 トマトは通常、第一花房(一番始めに付く花芽)が8段目(本葉8枚目の位置)前後ですが、夏の温度の高い時期に育苗すると花芽の分化より葉の分化の方が強まり、第一花房が10段以上となることが多くなります。このことにより「最初の収穫が10~20日程度遅くなる」、「収穫の終わる時期は同じなので最終収量も少なくなる」、「実の付く位置が高くなり作業効率が悪くなる」などの問題が発生します。閉鎖型育苗施設は人工的に温度の制御ができるためトマトにとって最適な環境を作り出せます。このことにより夏期でも第一花房が8段目前後の安定したトマト苗生産が可能となり、付加価値の高い苗を作り出すことが可能であります。
※9 アントシアニンとは、ブルーベリーなどの植物に含まれている紫色の色素のことで、光合成産物の一種であります。閉鎖型育苗施設で生産したトマト苗は、葉の裏に驚くほどのアントシアニンが現れます。通常のハウス育苗で現れるアントシアニンは、低温・リン欠乏など過度のストレスがかかった結果現れますが、閉鎖型育苗の場合は、光合成を活発に行った結果、多量の光合成産物が存在することにより現れるもので、元気な苗の証拠であります。
d.オリジナル製品
〔アースストレート苗〕
アースストレート苗は、根鉢(土の部分)を不織布で包んでいる点に特徴があります。一般的なポリ鉢の苗では生産者が農場に苗を植える際にポリ鉢を外す手間が必要ですが、不織布はそのまま農場に植えることができるため、苗を植える際の手間が省け、さらに廃棄ゴミも出ないため環境に優しい苗でもあります。また、根鉢がポット苗より小さいため、輸送コストの大幅カットも実現しております。
〔ヌードメイク苗〕
ヌードメイク苗は、接ぎ木直後の苗を他の農場に効率良く運ぶために開発された断根接ぎ木作業直後の半製品状態の苗であります。当社は当初、この手法を用いて農場間の移動にのみ活用しておりましたが、自分で接ぎ木苗を生産したいが接ぎ木作業の手間や技術を考えると生産に不安があるという野菜生産者や育苗業者(断根接ぎ木苗の二次育苗が可能なユーザー)からの要望に応え、「ヌードメイク苗」として販売しております。
〔e苗シリーズ〕
e苗は、閉鎖型育苗施設を活用して生産した野菜苗であり、同施設内で光量、水分量、温度、二酸化炭素濃度を人工的に制御し、植物にとって最適な環境で育苗することにより「病虫害のリスクが少ない、旺盛な生長力、無農薬育苗、花芽の低段化等、安定した品質」の付加価値の高い野菜苗として販売しております。
〔高接ぎハイレッグ苗〕
高接ぎハイレッグ苗は、トマト苗を通常よりも高い位置で接ぎ木を行うことで、青枯れ病の発病抑制効果を高めた苗であります。なお、苗の規格は、アース50、9㎝ポットの2規格から選択が可能であります。
〔ウイルスガード苗〕
ウイルスガード苗は、ウイルスガード苗ZYとウイルスガード苗CWの2種類があります。
ウイルスガード苗ZYは、キュウリ苗にワクチン(キュービオZY-02)を接種し、アブラムシ等が媒介するズッキーニ黄班モザイクウイルスによるモザイク病・萎凋症の発病抑制効果を高めた苗であります。なお、苗の規格は、アース50、9㎝ポットの2規格から選択が可能であります。
ウイルスガード苗CWは、キュウリ苗にワクチン(弱毒ウイルスCMV・WMV)を接種し、キュウリモザイクウイルスとスイカモザイクウイルスによるモザイク病の発病抑制効果を高めた苗であります。なお、苗の規格は、セル、アース、ポットの3規格から選択が可能であります。
〔ツイン苗〕
ツイン苗は、トマト苗を摘芯しわき目を伸ばすことで、2本仕立てにした苗で、1本仕立ての苗に比べて、種苗コストが削減され、定植作業も2分の1で行うことが可能です。また、2本仕立とすることで、初期の樹勢もコントロールしやすくなります。なお、苗の規格は、セル、アース50、9㎝ポットからの選択が可能であります。
e.システム化
当社グループでは、生産管理システム及び販売管理システムを独自開発によって導入しております。近年、顧客ニーズの高まりによって、接ぎ木苗業界は多品目多品種生産を余儀なくされており、生産計画が複雑化する傾向にあります。これにより、受注から出荷までの一連の工程を委託先も含めシステム管理することで、苗の生産計画、進捗管理及び在庫管理といった情報のリアルタイム化を実現することができ、顧客の急な需要にもタイムリーに対応することが出来ております。2005年から導入した農薬履歴システムは、各生産工程で散布される農薬を生産履歴として管理、納品時にはお客様へ農薬使用履歴として正確にお届けすることが可能となりました。また、在庫管理システムから顧客向けにインターネット上に在庫苗情報「ほうさく.ネット」を掲載し、販売機会の増加にも繋がっております。
(2)農業・園芸用タネ資材販売事業
農業・園芸用タネ資材販売事業は、野菜苗・苗関連事業の拡大のために、生産者や家庭園芸愛好家向けに総合的な提案の重要性が増している中で、これまでに培った技術やノウハウ、知名度を活かした全国展開を推進し、農業資材の仕入販売、当社の得意分野である培養土などのオリジナル商品の販売を行っております。
また、海外の種苗会社からの優良な品種を選定し、量販店に対して家庭園芸向けの提案、関連会社である株式会社むさしのタネが保有する自社品種の種子を用いて、生産者や消費者のニーズに合った品種改良・研究を行うことによる、優良な種子の販売をしております。さらに、培土や肥料等を含む農業関連資材等につきましては、試作・試験・分析を通じた有益な情報提供や生産向けの商品提案を行うなど事業拡大に努めております。
(主な関係会社)当社、伊予農産株式会社、株式会社むさしのタネ
(3)小売事業
小売事業は、連結子会社であるファンガーデン株式会社が一般消費者及び生産者向けに各種苗や農業園芸資材等の販売を店舗及びインターネット等を通じて行っております。当社の野菜苗等の生産販売のノウハウや蓄積された研究技術を活かしたサービスや企画商品を提供し、家庭園芸からプロ農家までに幅広く提案できる商品力を強みとしており、事業拡大に向けて取り組んでまいります。
(主な関係会社)ファンガーデン株式会社
事業の系統図は、次のとおりであります。
※1 連結子会社
※2 関連会社で持分法適用会社
※3 関連会社で持分法非適用会社
※4 非連結子会社
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に分類され、コロナ禍からの緩やかな回復基調となった一方で、エネルギー価格の高騰や円安による原材料価格の上昇などにより、食品を始め各分野で価格転嫁が進み物価の上昇が続いております。
2023年の実質GDP成長率は、2%程度の緩やかな回復が続く見通しでありますが、中国を始め海外経済の減速により輸出は弱含むことが想定されます。ただ、コロナ禍で回復余地が残っている個人消費や設備投資の上向きもあり、内需主導の緩やかな回復が続くとみられています。
我が国における農業界は、高齢化、労働力不足、耕作放棄地の増加、収益の低さ、輸出の弱さなど課題を抱えており、これは戦後農政の影響や世界的な価格競争の影響が原因とされております。しかし、新規参入者や若い農業従事者の成功も見られ、農業の変革期を迎えているとも言えます。農業経営環境は、大きく変化し農業従事者の高齢化や後継者不足、農地の集約化などが進む中で、農業経営の二極化が進むと予測されています。
一方、スマート農業の導入により、少人数で高収益を実現できるチャンスも訪れました。10年後の農業経営を見据えて、生産だけでなく6次産業化や農業の高付加価値化など取組むべき課題はありますが、特に6次産業化は農林水産省も推奨しており、優良事例を毎年表彰しております。
農業界は、様々な課題を抱えておりますが、国力としての食料自給率の向上や食料安全保障の強化への期待が高まっており、持続可能な農業構造の実現に向けた取組みが益々重要になっております。
以上のことから、農業を取り巻く環境は不透明な部分もあるものの、就農人口の減少・高齢化している現実が進む中において、農作業の効率化による新規就農者の増加やスマート農業など高度な先端技術を導入した超省力化も進んでおり、少人数・大規模農場の運営も可能となっております。
当社グループにおきましては、中期経営計画「Change&Innovation2023」の最終年度である2023年10月期は、野菜苗・苗関連事業を中心に事業の拡大と収益力強化、グループの経営資産である、技術力、開発力、自社品種、商品マーケティングなどを最大限に活かすことによる、グループシナジーの強化を図ってまいりました。
特に、価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げによる製造経費が増加する中で、適切な価格への見直しが徐々に進んだことに加え、伊予農産株式会社との経営統合後、資材販売及び購買力強化を進めたことなどが収益改善に繋がりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,061,165千円(前期比10.4%増)、営業利益76,614千円(前期は営業損失58,613千円)、経常利益106,604千円(前期は経常損失44,041千円)、親会社株主に帰属する当期純利益78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前期比較については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗・苗関連事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「野菜苗・苗関連事業」を含めたことに伴い、四国内を中心に売上が増加しております。
また、2022年3月に完成しましたいわて花巻農場の生産設備の通年稼働に伴い、自社での生産能力が拡大したことに加え、物流・運送業界の2024年度問題への対応に向けて、各農場での供給体制を整えるため、生産計画の見直しや生産効率改善に向けて取り組んでまいりました。ベルグ福島株式会社では、既存の植物ワクチンを全て自社生産する体制となり、引き続き、新たな植物ワクチンの開発に注力し、化学農薬に依存しないウイルス病の防除による安心安全の野菜苗が供給できる体制を目指してまいります。
売上面につきましては、ホームセンター向けに企画商品の提案や多品目化に向けた取組みの一環として、花苗や葉菜苗などの推進、ポリ鉢を使用するポット苗ではなく、生分解性の不織布を用いた当社オリジナル規格のアースストレート苗の販促などにより売上が拡大いたしました。
損益面につきましては、燃料費や原材料費の高騰、労務コストが増加する一方で、生産体制の見直しによる生産効率の改善や原材料の調達コストを抑えるための取組みや出荷形態の統一による配送コスト削減を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,020,602千円(前期比8.7%増)、セグメント利益(営業利益)513,604千円(前期比26.0%増)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
品目分類 |
売上高(千円) |
前期比(%) |
トマト苗 |
2,433,301 |
104.6 |
キュウリ苗 |
1,456,953 |
101.8 |
ナス苗 |
558,153 |
115.3 |
スイカ苗 |
434,550 |
117.4 |
メロン苗 |
261,336 |
103.5 |
ピーマン類苗(注1) |
266,647 |
105.9 |
その他(注2) |
609,659 |
144.4 |
合計 |
6,020,602 |
108.7 |
(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
規格分類 |
売上高(千円) |
前期比(%) |
ポット苗(7.5㎝~15㎝)(注) |
2,830,371 |
107.5 |
当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ、高接ぎハイレッグ苗、ウィルスガード苗、ツイン苗) |
1,882,563 |
105.1 |
セル苗(512穴~72穴)(注) |
1,110,092 |
111.9 |
その他 |
197,575 |
162.1 |
合計 |
6,020,602 |
108.7 |
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
納品地域分類 |
売上高(千円) |
前期比(%) |
北海道・東北 |
897,124 |
105.8 |
関東 |
1,888,806 |
108.6 |
甲信越(注) |
479,555 |
105.1 |
中部・北陸 |
417,893 |
120.3 |
近畿・中国 |
549,354 |
106.4 |
四国 |
711,481 |
114.1 |
九州・沖縄 |
1,076,386 |
106.8 |
合計 |
6,020,602 |
108.7 |
(注) 静岡は「甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「農業・園芸用タネ資材販売事業」を含めたことに伴い、主に愛媛県内向けに果菜・葉菜類などの種子、肥料・農薬等農業資材の売上が増加しました。また、「海外事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により2021年10月期より中国国内での苗生産販売事業を中断、当連結会計年度より農業資材販売事業の内、主力の肥料販売事業も提携先企業の商流から撤退いたしました。現在は日本国内向けの種子の輸入や新たな販売資材の調達に注力していることに伴い、海外事業を当セグメントに含めることといたしました。引き続き、グループ企業や農業関連メーカーとの商品開発、肥料メーカー等協力企業との連携を深めることにより商品ラインナップの充実を図り売上及び利益の拡大に向けて取り組んでまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高906,767千円(前期比25.3%増)、セグメント利益(営業利益)26,787千円(前期はセグメント損失4,301千円)となりました。
(小売事業)
当事業部門におきましては、各種園芸フェアの開催や希少価値の高いパンジーやビオラなどの花苗の試験販売の実施、当社グループの株式会社むさしのタネのオリジナル品種のトマト「さとみ」の販促、新たに販売を開始した新食感フルーツ「フレ・リモーネ」の試食会を開催するなどマーケティング活動も取り組んでまいりました。当連結会計年度は、8月以降の猛暑日が続いたことにより、客足へ影響しましたが、家庭園芸商品や付加価値の高い花苗等の充実を図り、店舗では季節ごとに園芸フェアや各種イベントを開催し集客力の強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高133,795千円(前期比1.5%増)、セグメント損失(営業損失)は6,548千円(前期はセグメント損失7,261千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ222,917千円(7.5%)減少の2,761,095千円となりました。これは、現金及び預金の減少94,388千円、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う売掛金の減少148,604千円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ179,277千円(5.8%)減少の2,911,150千円となりました。これは減価償却が進んだことにより、建物及び構築物の減少175,406千円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ638,049千円(23.2%)減少の2,109,056千円となりました。これは、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う支払手形及び買掛金の減少346,765千円、短期借入金の返済による減少317,500千円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度と比べ179,015千円(10.8%)減少の1,480,864千円となりました。これは、長期借入金の返済による減少153,921千円等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ414,870千円(24.9%)増加の2,082,324千円となりました。これは、資本金の増加172,352千円、資本剰余金の増加172,352千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ91,188千円(8.4%)減少の989,493千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、177,468千円(前連結会計年度は344,562千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益143,141千円、減価償却費275,200千円、売上債権の減少額135,065千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、83,260千円(前連結会計年度は467,486千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出67,471千円、関係会社株式の取得による支出13,700千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、185,258千円(前連結会計年度は49,343千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入298,197千円、新株予約権の発行による収入44,750千円、短期借入れによる収入460,000千円、短期借入金の返済による支出777,500千円、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出382,503千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前年同期比については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
野菜苗・苗関連事業 |
3,975,528 |
103.0 |
合計 |
3,975,528 |
103.0 |
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
野菜苗・苗関連事業 |
527,874 |
145.1 |
農業・園芸用タネ資材販売事業 |
753,939 |
120.7 |
小売事業 |
81,381 |
103.5 |
合計 |
1,363,195 |
127.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
野菜苗・苗関連事業 |
4,817,170 |
96.4 |
555,587 |
123.7 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
野菜苗・苗関連事業 |
6,020,602 |
108.7 |
農業・園芸用タネ資材販売事業 |
906,767 |
125.3 |
小売事業 |
133,795 |
101.5 |
合計 |
7,061,165 |
110.4 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,061,165千円(前期比10.4%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は5,306,255千円(前期比8.7%増)となりました。
原油価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げにより製造経費が増加、繁忙期の生産量拡大に伴う人員増加などにより労務費が増加いたしました。
この結果、売上総利益は1,754,909千円(前期比16.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,678,295千円(前期比6.9%増)となりました。
間接部門の人員増加による人件費の増加、行動制限がなくなったことにより出張が増加したことに加え、公共交通機関や宿泊費の値上げなどにより旅費交通費が増加、植物ワクチン研究等の研究開発費が増加等によるものであります。
この結果、営業利益は76,614千円(前期は営業損失58,613千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は受取手数料18,838千円、補助金収入11,331千円、受取補填金8,830千円等により49,424千円となりました。営業外費用は支払利息9,628千円、持分法による投資損失4,335千円等により19,434千円となりました。この結果、経常利益は106,604千円(前期は経常損失44,041千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は補助金収入35,813千円、受取保険金2,423千円等により38,269千円となりました。特別損失は固定資産除却損1,732千円により1,732千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は143,141千円(前期比38.9%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は61,111千円、非支配株主に帰属する当期純利益は3,998千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失6,472千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、本社に製品・サービス別の事業本部を置き、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。
具体的には、従来「卸売事業」セグメントにて区分しておりました伊予農産株式会社の事業を「野菜苗・苗関連事業」セグメントと「農業・園芸用タネ資材販売事業」セグメントに区分しております。また、「海外事業」セグメントについては、中国国内での生産販売事業の中断に伴い、今後は種子、肥料などの日本国内向けの仕入販売が主要な事業内容となるため、「農業・園芸用タネ資材販売事業」セグメントに含めて区分しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しております。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「野菜苗・苗関連事業」は、主にキュウリ・トマト・ナス等の接ぎ木苗の生産販売、花苗、葉菜苗等の仕入販売をしております。
「農業・園芸用タネ資材販売事業」は、主に国内向けに農業資材及び農産物等の仕入販売を行っております。
「小売事業」は、総合園芸店を2店舗運営しており、一般消費者向けに各種苗、農業園芸資材等を店舗及びネットショップにて仕入及び委託販売を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益又は損失は、営業利益又は損失ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務 諸表計上額 (注)2 |
|||
|
野菜苗・苗 関連事業 |
農業・園芸 用タネ資材 販売事業 |
小売事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
5,538,258 |
723,717 |
131,837 |
6,393,813 |
- |
6,393,813 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への売上高 |
5,538,258 |
723,717 |
131,837 |
6,393,813 |
- |
6,393,813 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
11,314 |
17,236 |
5,313 |
33,864 |
△33,864 |
- |
計 |
5,549,573 |
740,953 |
137,151 |
6,427,678 |
△33,864 |
6,393,813 |
セグメント利益又は損失(△) |
407,731 |
△4,301 |
△7,261 |
396,167 |
△454,781 |
△58,613 |
セグメント資産 |
4,733,417 |
473,256 |
32,917 |
5,239,592 |
834,848 |
6,074,440 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
254,764 |
7,209 |
- |
261,974 |
10,205 |
272,180 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
532,388 |
74,772 |
- |
607,160 |
6,765 |
613,926 |
(注)1.調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△454,781千円は、各報告セグメントに配賦していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額834,848千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない現金及び預金、本社建物等であります。
(3)減価償却費の調整額10,205千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産に係る減価償却費であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額6,765千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産の増加であり、主に事務機器であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2022年11月1日 至 2023年10月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務 諸表計上額 (注)2 |
|||
|
野菜苗・苗 関連事業 |
農業・園芸 用タネ資材 販売事業 |
小売事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
6,020,602 |
906,767 |
133,795 |
7,061,165 |
- |
7,061,165 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への売上高 |
6,020,602 |
906,767 |
133,795 |
7,061,165 |
- |
7,061,165 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
10,394 |
31,158 |
7,082 |
48,634 |
△48,634 |
- |
計 |
6,030,997 |
937,925 |
140,877 |
7,109,800 |
△48,634 |
7,061,165 |
セグメント利益又は損失(△) |
513,604 |
26,787 |
△6,548 |
533,842 |
△457,228 |
76,614 |
セグメント資産 |
4,461,336 |
332,647 |
31,499 |
4,825,483 |
846,762 |
5,672,245 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
257,075 |
10,766 |
- |
267,841 |
7,358 |
275,200 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
61,382 |
1,269 |
- |
62,651 |
3,562 |
66,213 |
(注)1.調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△457,228千円は、各報告セグメントに配賦していない全社費用等であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額846,762千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない現金及び預金、本社建物等であります。
(3)減価償却費の調整額7,358千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産に係る減価償却費であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額3,562千円は、各報告セグメントに配賦していない全社資産の増加であり、主に事務機器であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2022年11月1日 至 2023年10月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年11月1日 至 2023年10月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年11月1日 至 2023年10月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)
卸売事業において、株式交換により伊予農産株式会社が連結子会社となったことに伴い、負ののれん発生益を認識しております。当該事項による負ののれん発生益の計上額は、19,190千円であります。なお、負ののれん発生益は特別利益に計上しているため、上記セグメント利益には含まれておりません。
また、当連結会計年度より従来「卸売事業」セグメントにて区分しておりました伊予農産株式会社の事業を「野菜苗・苗関連事業」セグメントと「農業・園芸用タネ資材販売事業」セグメントに区分しておりますが、株式交換において各事業の取得の対価を概ね独立して算定していないことから、負ののれん発生益に関する情報を変更後の報告セグメント区分により算出することは困難なため、前連結会計年度の情報は、変更前の区分により表示しています。
当連結会計年度(自 2022年11月1日 至 2023年10月31日)
該当事項はありません。