2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    879名(単体)
  • 平均年齢
    32.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    4.3年(単体)
  • 平均年収
    4,552,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

879

(685)

32.5

4.3

4,552

 

セグメントの名称

従業員数(人)

シニア事業

803

(678)

不動産事業

12

(1)

報告セグメント計

815

(679)

全社(共通)

64

(6)

合計

879

(685)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、( )内に契約社員及びパート社員の年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

4.従業員数が前事業年度末に比べ68人増加したのは、新卒採用人数が2025年3月期実績(2024年4月入社)で190名増加したことによるものであります。

 

(2)労働組合の状況

当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。

 

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

40.4

81.8

80.2

92.9

88.0

・対象年度:第21期事業年度

(2024年4月1日~2025年3月31日)

・対象:正社員及び正規雇用労働者(社外への出向者を除く)

・賃金:通勤手当を除く課税総額

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(当社のサステナビリティ経営の基本方針)

 当社は「私たちアズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、あらゆる世代の方々の幸せを追求し、私たちに関わる全ての人々が幸せになることを目指します。」を私たちの使命(MISSION)としております。

 この使命(MISSION)の遂行にあたり、サステナビリティに関する諸課題への適切な対応が重要な経営課題であると認識しております。当社は3つの提案を軸に多くのステークホルダーの皆さまとの協働を通じて、持続可能な社会の実現に貢献すると共に、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

目指す姿

取組みの内容

少子高齢社会の

持続可能性を提案

・EGAO linkと科学的介護で新しい介護サービスを提案

・新卒社員を中心とした若手介護人材の育成により、少子高齢社会における持続可能な介護サービスの提供に寄与

多様な人の幸せを提案

(DE&I)

・社員が楽しく、ウェルビーイングな働きがいのある職場環境づくり

・介護サービスを通して、お客様お一人おひとりの望む暮らしの実現、最期までその人らしい暮らしをサポート

サステナブルな

街づくりを提案

・新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生・屋上庭園付きの介護付きホームでお客様の居場所づくりと共に、環境改善へ取り組む

 

(1)サステナビリティ全般に関する考え方

①ガバナンス

 当社は、サステナビリティ経営推進における重要事項を決定する組織として、サステナビリティ委員会を設置しております。本委員会は、「少子高齢社会の持続可能性」「多様な人の幸せの提案」「サステナブルな街づくり」という3つの提案に焦点を当て、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を両立させることを目的としております。

 アクションプランの策定にあたっては、社内で選抜されたメンバーで構成された「サステナビリティプロジェクト」が、実効性のある取組みの立案と実行を担い、本委員会が支援しております。

 こうした活動のもと、当社は、社会課題への対応と経営方針とを統合し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けた取組みを進めております。

 

 サステナビリティ委員会の構成は以下のとおりであります。

 (構成員の氏名)

 委員長 代表取締役社長 植村健志

     取締役     伊藤啓敏、松尾篤人、山本皇自

     執行役員    中元亮介、長田洋、清水祐樹

     経営管理部部長 木地陽介

     広報・事業開発部部長 川﨑学

     企画戦略部副部長 可知雅子

 サステナビリティ委員会は、月に1回開催しております。

 

②リスク管理

 当社はサステナビリティ経営推進に関わる対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築すると共に、取締役会による監督を行っております。

 

(2)人的資本・多様性に関する考え方

当社の人的資本経営戦略において、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。2025年3月期までは「提案人材」を「自分事として捉え、提案・実行・解決できる人材」として定義しておりましたが、2026年3月期からは「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと再定義しました。

この定義の再構築は、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靭性)につながっていることを強調する趣旨です。すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。

さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくこと目指しております。とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくこと指しております。また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。

これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。

このような取組みは従業員のやりがいや成長機会の創出、ならびに質の高い人材獲得にもつながり、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとするものです。

これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。

 

<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE>

 

<人的資本経営の戦略>

・2025年3月期

 

・2026年3月期

2025年3月期における当社の「提案人材」は、7つの行動規範を土台とし、「採用戦略強化」「従業員育成」「健康管理」「ダイバーシティ」「エンゲージメント向上」の5つの柱を組み合わせて育成される人材として位置付けておりました。このフレームは、当社の人的資本経営の原点として、一定の成果を上げてまいりました。

2026年3月期より、これまでの取組みを進化させるために、以下のポイントを踏まえて、人的資本経営を推進してまいります。

■育成構造の可視化と人材戦略の流れを明確化

従来は5本の柱で構成していた枠組みを、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスとして流れで表現し、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを可視化しました。これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかをより明確に示します。

■人事戦略と企業価値・社会価値との循環関係を可視化

2026年3月期の新しいフレームでは、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造が可視化されております。これは、当社の人事戦略の経営戦略との連動を示します。

■「エンゲージメントの向上」の位置づけを再定義

従来は育成の柱のひとつとしていた「エンゲージメントの向上」を、他の構成要素が機能した結果として現れる効果と再定義しました。

■構成項目「ウェルビーイングの向上」を設置

これまで「エンゲージメントの向上」の中に内包されていた「ウェルビーイングの向上」を、提案人材の土台を形成する独立した構成要素として追加しました。これは社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力と定義しました。ウェルビーイングは、今後の人的資本経営において重要な土台と考えております。

以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えており、再構築した戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。

 

①人材確保と採用戦略の強化

 当社は、新卒採用を重視しております。新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。

そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。

 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。

 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。

 

(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)

指標

2022年3月期実績

(2021年4月入社)

2023年3月期実績

(2022年4月入社)

2024年3月期実績

(2023年4月入社)

2025年3月期実績(2024年4月入社)

新卒者

113人

174人

178人

190人

特定技能の

外国人材

11人

 

②従業員育成とキャリアチャレンジ制度

 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。

 ・研修プログラム

 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。

また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
 

・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置

 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。

 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。

 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。

 

③心身の健康管理の充実

 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。

 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。

 

④ダイバーシティの推進

 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。

・女性管理職比率と男女の賃金格差

 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。

 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」

指標

2023年

3月期

2024年

3月期実績

2025年

3月期実績

2026年3月期目標

女性管理職比率 ※1

40.0%

39.8%

40.4%

41.0%以上

男女間賃金格差

78.4%

78.2%

80.2%

78.4%以上

男性育児休業取得

28.6%

50.0%

81.8%

85.0%以上

女性育休復帰率※2

81.8%

90.0%

90.5%

95.0%以上

女性育休復帰後定着率※2

63.6%

80.0%

85.7%

90.0%以上

  ※1 ケアチーフ以上

  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員

⑤ウェルビーイングの向上

 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。

 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。

・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施)

 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)

当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。

・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施)

 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。

 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。

 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。

・全社方針発表

 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。

・全社総会

 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。

・サークル活動

 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。

 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。

 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。